説明

超音波診断装置、医療システム及び医療装置の動作方法

超音波診断装置が開示される。本装置は、近接端部と遠方端部(1)とを有する細長い手段を有する。音響放射を行う1つ以上の超音波トランスデューサ(4)は、遠方端部に位置しかつ細長い手段の内側にある。音響放射にとって実質的に透明である伝送要素(5)は、音響放射の放射経路に位置し、コントローラユニットが超音波トランスデューサに動作可能に接続されている。伝送要素及び1つ以上の超音波トランスデューサは、伝送要素(5)及び超音波トランスデューサ(4)の間の音響経路長(8)が、遠方端部に働く接触力(10)とともに変化するように設けられている。コントローラユニットは、超音波トランスデューサ及び伝送要素の間の音響経路長を検出し、かつ検出した音響経路長から接触力を判定する。一実施形態において、超音波診断装置は超音波RFアブレーションカテーテルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプローブやカテーテルを用いた装置等のような超音波診断装置に関連する。特に本発明は装置の末端部分にかかる接触力を検出することが可能な装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
体組織の切断サイズ及び除去を最小限にしながら体組織を取り扱う様々な関連分野においてカテーテルを用いた手術が有利に使用されている。例えば心臓組織の催不整脈性の部分(arrhythmogenic part)を破壊するために、様々なカテーテル切断技術(catheter-based ablation techniques)により心臓不整脈が取り扱われている。特に、無線周波数(RF)アブレーション方式、高密度焦点式超音波(HIFU)方式又は組織の冷凍アブレーション等が一般に使用されている。
【0003】
心臓組織のアブレーション(切断又は除去)プロセスにおいて、アブレーションカテーテルの先端と心臓組織との間の接触力(contact force)は制御されなければならない非常に重要な変数であることが、最近分かってきた。接触力が損傷範囲に対して支配的になることについては例えば非特許文献1に示されている。接触力が強すぎると健康な組織に不必要な損傷を与えてしまい、接触力が弱すぎると不完全な損傷を形成してしまう。更に接触力と共に合併症のリスクが劇的に増加し、特にアブレーションに関連して血栓とストリームポップ(stream pops)を引き起こしてしまうリスクが生じる。更に、高すぎる接触力を適用すると、心臓は電子解剖マッピングレジストレーションエラーを招くように影響を受けてしまう(この点については、非特許文献2参照)。
【0004】
米国特許出願公開第2008/0009750号(A1)は血管又は組織の診断又は処置のためのカテーテルを開示している。このカテーテルは接触力を検出するために導入される遠端部分に3軸-力センサを有する。力センサはハウジングとハウジング内にある複数の光ファイバとを有し、光ファイバはハウジングの変形に起因する光強度の変化を測定する。変形はカテーテルの先端にかかる力によって生じる。3軸-力センサ及び付随するファイバはカテーテルの遠方端において空間又は場所を占めることに加えて光源が必要になり、装置のコストを高くしてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/0009750号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Yokoyama et al.,“Novel Contact Force Sensor Incorporated in Irrigated Radiofrequency Ablation Catheter Predicts Lesion Size and Incidence of Steam Pop and Thrombus”, Circ Arrhythmia Electrophysiol, 2008
【非特許文献2】Okumura et al.,“A systematical analysis of in vivo contact forces on virtual catheter tip/tissue surface contact during cardiac mapping and intervention”, J Cardiovasc Electrophysiol, 2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
カテーテルを用いた手術に相応しい改善された装置が当該技術分野で望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態による超音波診断装置は、
近接端部と遠方端部と長さ方向に沿う長軸とを有する細長い手段と、
前記遠方端部に位置しかつ前記細長い手段の内側にある音響放射を行う1つ以上の超音波トランスデューサと、
前記音響放射の放射経路に位置し、音響放射にとって実質的に透明である伝送要素と
を有し、前記伝送要素及び前記1つ以上の超音波トランスデューサは、前記伝送要素及び前記超音波トランスデューサの間の音響経路長が、前記遠方端部に働く接触力とともに変化するように設けられている、超音波診断装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】アブレーションカテーテルプローブの遠方端部を概略的に示す図。
【図2】伝送要素によって支持されているアブレーション電極を概略的に示す図。
【図3】羊の心臓に対する心臓アブレーションのMモード超音波画像の画面例を示す図。
【図4】水平軸のΔLと縦軸の接触力との間の関数関係を概略的に示す図。
【図5】細長いボディ部に圧縮カラーが組み込まれた形式の圧縮要素を備えた医療装置の一例を示す図。
【図6A】伝送要素に圧縮要素が組み込まれている医療装置の一例を示す図。
【図6B】伝送要素に圧縮要素が取り付けられている医療装置の一例を示す図。
【図7】1つ以上の圧縮要素によって伝送要素が細長いボディ部の遠方端部に取り付けられている医療装置の一例を示す図。
【図8A】2つの超音波トランスデューサを備えた医療装置の一例を示す図。
【図8B】2つの超音波トランスデューサを備えた医療装置の一例を示す図。
【図9】カテーテル先端と組織の間の接触力に基づいて、カテーテル先端を通じて加わる除去力を自動的に規制するために使用されるフィードバックループのフローチャートを概略的に示す図。
【図10】本発明の一実施形態に従って医療装置を動作させるために実行されるフローチャートのステップを示す図。
【図11】コンピュータプログラムを利用する医療システムを概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
有利なことに、医療用プローブ又はカテーテルのような医療装置に組み込むのに適した力センサを提供することができ、この力センサは余分なスペースを必要としない或いは医療装置の遠方端において最小限のスペースしか必要としない。概して、好ましくは本発明は上記の問題点の1つ以上を個別に又は組み合わせにより緩和、軽減又は解決するように意図されている。特に本発明の具体的な課題は従来技術における上記の問題又は他の問題を解決する方法を提供することである。
【0011】
本発明の第1形態においては、上記の問題の1つ以上に適切に対処するため、超音波診断装置が提供される。超音波診断装置は、
近接端部と遠方端部とを有する長軸に沿って伸びる細長い手段と、
前記遠方端部に位置しかつ前記細長い手段の中にある音響放射を行う1つ以上の超音波トランスデューサと、
前記音響放射の放射経路に位置し、音響放射にとって実質的に透明である伝送要素と
を有し、前記伝送要素及び前記1つ以上の超音波トランスデューサは、前記伝送要素及び前記1つ以上の超音波トランスデューサの間の音響経路長が、前記遠方端部にかかる接触力とともに変化するように設けられている、超音波診断装置である。
【0012】
本発明は、内蔵された超音波送受信機能を有する医療装置(例えば、カテーテル又はプローブ)を提供し、超音波放射(ultrasound radiation)は、一般的な目的で使用可能であることに加えて、遠方端部にはたらく接触力の測定を行うためにも使用可能である。有利な実施形態において、1つ以上の超音波トランスデューサは、超音波トランスデューサと伝送要素との間の音響経路長を検出するのと同時に、並行して又は一緒に関心領域(region of interest)を監視するのに相応しい音響放射を生成することができる。遠方端部にかかる接触力は経路の長さから導出される。接触力の検出が超音波トランスデューサと伝送要素との間の経路長及び超音波放射に基づいているので、接触力の検出を実行する際の要の要素(キーエレメント)は、他の目的にも使用可能な要素であり、別個のセンサは不要である。超音波トランスデューサは、監視の目的に使用され、伝送要素は医療装置からの音響放射を案内するために常に必要である。従ってコンパクトでコスト的に効率的な医療装置を提供することができる。
【0013】
本願において、「監視」は広義に解釈される。監視は、1D監視(すなわち、見通し線に沿って反射強度を検出すること)だけでなく、トランスデューサの配列(アレイ)が2D画像を形成するように配置されている場合の2D画像処理用の監視も包含する。原理的には、3D画像処理及び時間分解能を考慮する画像処理が行われてもよい。カテーテルを用いた監視の場合、遠方端部(すなわち、先端領域)におけるスペースの制約に起因して、1D又は2D監視を利用するのが通常的である。
【0014】
概して、伝送要素は音響放射に対して実質的に透明である。様々なポリマ材料を含む多くの材料がこの条件を満たす。概して、臨床の用途に充分であるだけでなく要素を通じて音響経路長を検出できる程度に透明性が充分である限り、任意の材料を使用することができる。特に、音響放射に対して50%より大きい透明性を有する材料が使用されてもよく、例えば透明性が60%、70%、80%、90%の材料が使用されてもよく、透明性が95%以上の材料でさえ使用されてよい。
【0015】
有利な実施形態において、超音波トランスデューサ及び伝送要素の間の音響経路長は、伝送要素の背面の表面又は伝送要素の正面の表面から反射した音響放射の検出に基づいて検出される。特に、音響経路長の検出は、トランスデューサから出力された放射、伝送要素の行面から反射された放射、及びトランスデューサにより再び検出された放射の伝搬時間(飛行時間)や伝搬時間の変化の検出に基づいていてもよい。
【0016】
有利な実施形態において、医療装置は遠方端部に設けられた圧縮要素を有し、圧縮要素は音響経路長の変動をもたらすように作用する圧縮力の関数として、サイズを変えることが可能である。圧縮要素は遠方端部の中にコンパクトに又はこじんまりと組み込むことが可能なので、圧縮要素を用いることは有利である。個々の実施形態に依存して、遠方端部の中で追加的なスペースを要しない形式で又は最小限のスペースしか要求しない形式で、圧縮要素を遠方端部に組み込むことが可能である。
【0017】
有利な実施形態において、圧縮カラーのような圧縮要素が細長いボディ部に組み込まれる。別の有利な形態において、1つ以上のスプリング要素のような1つ以上の圧縮要素が伝送要素の中に組み込まれる又は伝送要素に取り付けられてもよい。
【0018】
有利な実施形態において、本装置は少なくとも2つの軸に沿って音響放射を出力する少なくとも2つの超音波トランスデューサを有する。2以上の超音波トランスデューサを活用することで、2以上の(3つの)次元に関して力を検出できる。
【0019】
或いは、伝送要素は身体組織の処置を行うための処置モダリティを有していてもよい。一実施形態において、処置モダリティは無線周波数(RF)アブレーションのようなアブレーションである。
【0020】
一実施形態において、アブレーションは、伝送要素によって支持されている電極を利用することで実行される。電極は、音響放射が電極の存在によって実質的に影響を受けないように設けられる。一実施形態において、電極は音響放射に対して実質的に透明である程度に充分薄い薄膜の形式でもよい。音響放射は、500ナノメートル未満(例えば、250ナノメートル未満、150ナノメートル未満等)の厚さの金属層の存在によっては実質的に影響を受けずに伝送される。別の形態において、電極はメッシュ状の構造又は他の開放(open)構造の形式であってもよい。中央に開口を有するメッシュ形状の電極、又はバンドやリングのような環状の形態の電極でさえ、放射を通過させることができ、それでもRF電極として機能することができる。力の検出と処置モダリティの動作を同時に行うことを可能にする設定を利用することが有利である。力の検出は処置モダリティの動作によらずに実行されるが、それでも尚やはりアブレーションのような処置の際に、装置及び組織の間に適切な接触力を保証することが最も重要である。
【0021】
本発明の第2形態においては医療システムが提供される。本システムは上記の本発明の第1形態による医療装置と、超音波トランスデューサに動作可能に接続されたコントローラユニットとを有し、コントローラユニットは、超音波トランスデューサ及び伝送要素の間の音響経路長を検出し、かつ検出した音響経路長から接触力を判定する。
【0022】
伝送要素が身体組織の処置に対する処置モダリティを更に有する形態において、処置モダリティはコントローラユニットに動作可能に接続され、処置モダリティが予め指定されている接触力の範囲内で動作するように制御可能である。医療従事者又は医者が作用している接触力による変化を感じない程度に接触力は小さく、予め指定された接触力の範囲内で処置モダリティを制御することで、組織に分配されるアブレーションパワーが適用されても安全であることを保証する。
【0023】
本発明の第3形態においては医療装置の動作方法が提供される。本発明の第1形態による医療装置は或る方法に従って動作し、その方法は、
前記1つ以上のトランスデューサを生成モードで動作させることで音響放射を生成し、
前記1つ以上のトランスデューサを検出モードで動作させることで反射した音響放射を検出し、
前記反射した音響放射から、前記伝送要素及び前記超音波トランスデューサの間の前記音響経路長を検出し、
検出した前記音響経路長から接触力を判定するステップを有する方法である。
【0024】
本発明の第4形態において、コンピュータプログラムプロダクトが提供され、それは、関連するデータストレージ手段を有する少なくとも1つのコンピュータを有するコンピュータシステムが、本発明の第1又は第2形態による医療装置を動作させること、又は本発明の第3形態の方法を実行することを引き起こす。
【0025】
概して本発明の様々な形態は本発明の範囲内で可能な任意の方法で組み合わせて結合されてもよい。本発明に関する上記及びその他の形態、特徴及び/又は利点は以下の詳細な説明を参照することで更に明らかになるであろう。
【0026】
以下、本発明の実施形態が単なる一例として添付図面と共に説明される。
【0027】
[実施形態の詳細な説明]
本発明は本発明の実施形態に従う監視システムを有するRFアブレーションカテーテルに関連して説明される。しかしながらそのような用途は有用ではあるが、本発明はその用途に限定されない。すなわち、本医療装置は、超音波トランスデューサを利用しかつ或る構造形態を使用する任意の装置に関連して使用されてよい。その任意の装置は、伝送要素及び超音波トランスデューサ間の音響経路長が遠方端部にかかる接触力とともに変化することが可能な装置である。
【0028】
図1はアブレーションカテーテルプローブ(以下、単にカテーテルと言及する)の遠方端部1を概略的に示し、カテーテルは心臓壁をなす組織のような対象物2を除去している。カテーテルは細長いボディ部3と、遠方端部1と、近接端部(図示せず)とを有する。長さ方向の軸9は細長いボディ部の長さ方向に沿っている。遠方端部1は、細長いボディ部3の伸びた端部であり、遠方端部11で接している。カテーテルは、医療システムを形成するように、近接端部においてコントローラユニット(例えば、図11)に接続されてもよい。超音波トランスデューサ4は遠方端部内に収容され、適切な手段6によって固定されている。カテーテルは、音響放射(acoustic radiation)の音響経路内に設けられた伝送要素5を有する。伝送要素は、医療装置からの音響放射を通す伝送ウィンドウとして使用される。伝送要素は、概して超音波トランスデューサに面する背面と、反対側に面する正面とを有する。伝送要素は音響放射に対して実質的に透明(transparent)であり、超音波トランスデューサにより生成された放射は調査又は処置の際に組織2と相互作用するように伝送要素を介して伝送される。一実施形態において、音響放射は長さ方向の軸9に沿って発せられる。
【0029】
図1に示されているように、遠方端部は流体チャネル7を更に有し、流体チャネルは、処置の間に治療部位(treatment site)に水を引くように、細長いボディ部を通って遠方端部へ流体が流れることを可能にし、これが必要である又は望まれる場合、典型的には近接端部に設けられた液体のタンクからポンプでくみ上げられる生理食塩水を使用する。流体チャネルは図示されているようにチューブの横に空いた穴でもよいし、適切な他の手段によって形成されてもよい。
【0030】
一実施形態において、本装置は例えば一体化されたアブレーション電極を備えた超音波カテーテルであってもよい。超音波カテーテルは、超音波トランスデューサを監視モードで動作させることで組織の特性を監視する機能を有し、超音波パルスが発射され、反射した放射が検出され、超音波画像又はスキャンを形成する。反射した放射を検出する超音波トランスデューサを動作させること自体は当業者に知られている。
【0031】
細長いボディ部は、医療装置において使用される適切なポリマ材料のような柔軟性のある材料で形成されている。そのような材料自体は当業者に知られている。従って柔軟性のあるフレキシブル装置が得られる。代替例の細長いボディ部は、当業者に知られているサージカルスチール(surgical steel)又はその他の適切な材料のような堅い材料で形成されていてもよい。堅い装置は例えば針状装置(needle device)として実現されてもよい。
【0032】
伝送要素及び超音波トランスデューサの間の音響経路の長さが、遠方端部にはたらく接触力と共に変化するように、伝送要素及び超音波トランスデューサが設けられている。すなわち、カテーテルの先端が組織2により押圧される場合、音響経路の長さ8は作用力10により変化する。音響経路長は、例えば、超音波トランスデューサの上部表面と伝送要素の正面との間の長さ8として表現されてもよい。音響経路長の検出はコントローラユニットにより制御され、検出された経路長は接触力を決定する。
【0033】
図2は伝送要素5により使用されるアブレーション電極20を概略的に示す。伝送要素は配意面21及び正面22を有する。アブレーション電極は、伝送要素により支持されている薄い導電層により形成されている。一実施形態において、伝送要素はポリマによるボディと導電層とを有する。ポリマによるボディは、超音波の場合に一般的に使用されているポリメチルペンテン(poly-methylpentene:TPX)という材料でもよく、導電層はプラチナ層のような金属層でもよい。適切な厚みは、数百ナノメートルの厚みのプラチナ層を支持する数百マイクロメートルの厚みのTPXであり、例えば150ナノメートルの厚みのプラチナ層を支持する250マイクロメートルの厚みのTPX要素である。TPX要素の厚みは中央領域における厚みである。音響放射に対して充分に透明である限り、他の材料が使用されてもよい。伝送要素及び支持されている電極は、臨床治療に相応しい形状である丸みを帯びた形状であるように図示されている。一般的には任意の形状が使用されてよい。
【0034】
図3は羊の心臓に対する心臓アブレーションのMモード超音波画像の画面例を示し、図1に概略的に示されている心臓カテーテルにより生成される。縦軸はトランスデューサからの距離を示す。距離は、時間又は深さに変換することが可能な画素(ピクセル)により与えられる。水平軸は時間を示し、この場合もまた画素で与えられている(20画素分の変化は1秒に対応する)。この画像は、TPX/Ptアブレーション電極からの強い1次反射30を示し、更に2次及び3次の他の反射ピーク31、32も示している。これらの反射の位置は超音波信号の飛行時間に関連し、従って超音波トランスデューサからアブレーション電極までの距離に関連している。従って、超音波トランスデューサ及びTPX素子の間の距離は、超音波の距離分解能(axial resolution)に等しい精度で決定できる。20MHzの画像処理周波数の場合、分解能は超音波の距離分解能に等しい。20MHzの画像処理周波数の場合、この解像度は0.04mm(半波長)又は5つの画素(200MHzのサンプリング周波数の場合)に等しい。
【0035】
超音波トランスデューサ及びアブレーション電極間の距離(図1の参照番号8)の変動は、Mモード画像におけるアブレーション電極の反射位置(図3の参照番号33)の変化をもたらす。距離変動(以下、ΔLとして言及する)は制御ユニットにより測定可能であり、そのΔLに基づいて接触力を判定することができる。
【0036】
図4は水平軸方向のΔLと垂直軸方向の接触力との間の関数関係を概略的に示す。接触力の判定は、関数関係、ルックアップテーブル又は適切な他の任意の手段により行うことができる。ΔL及び接触力の間の関係は、医療装置のプロバイダにより事前に判定されていてもよいし、或いはユーザにより較正され較正結果がコントローラユニットに保存されてもよい。接触力が反射ピークの位置から判定できることが理解できれば、適切なアルゴリズムによる実際の実現手段も当業者に理解できる。ルックアップテーブル又は関数関係を利用することで、臨床治療の際に、測定された経路長を接触力に変換する高速かつ柔軟な方法を促進する。
【0037】
接触力と共にΔLが変わるようにするために、遠方端部は圧縮要素(compressive element)を有し、圧縮要素のサイズは、作用する圧縮力の関数として変化する。圧縮要素のサイズが変化するので、音響経路長も変化する。図5-8は遠方端部に様々なタイプの圧縮要素が備わっているカテーテルの具体例を示す。
【0038】
図5は圧縮要素を備えた医療装置の一例を示す。圧縮要素は細長いボディ部内に組み込まれた圧縮カラー50の形式をとり、細長いボディ部内に(典型的には遠方端部内に)設けられた環状のバンドのように設けられている。カテーテルの先端に作用する接触力10は圧縮カラーの長さ52をΔLの量だけ減らす。その結果、超音波トランスデューサから伝送要素の正面までの距離8も同じ量だけ減少する。圧縮要素は細長いボディ部の長さ軸方向に沿って適切な任意の位置に設けられてよい。
【0039】
ΔLの大きさは、圧縮カラーを形成する材料のヤング係数(Young’s modulus)Yに依存する:
F=(Y・ΔL・A)/L
ここで、Fは接触力であり、Lは圧縮されていないカラーの長さであり、Aは圧縮カラーの断面積である。この数式は、R/t<10である場合に成立し、Rはカラーの半径であり、tはカラーの厚みである。この数式は例えばt=0.2mmのカラーの厚みを有する直径2.5mmのカテーテルに適用されてもよい。R/t>10の場合は以下の数式が適用される:
F=(Y・ΔL・t)/L
20MHzの超音波画像の場合、解像度は0.04mmであり、従って距離変動は正確に測定できるものよりも大きい。7.5F画像処理カテーテルの場合、0.15MPaのヤング率の材料でできている長さ3mmの圧縮カラーは、接触圧力が5グラム(〜0.05N)増える毎に0.05mmのΔLだけ圧縮される。シリコンエラストマ、何らかの種類のゴム及び非常に低密度のポリエチレン(LDPE)は、この範囲内のヤング率を有し、生体適合性(biocompatible)がある。有利なことに、シリコンエラストマは、-70ないし250℃の範囲内の熱抵抗を有し、ゴム及びLDPEは100℃までの熱抵抗しか示さない。しかしながらこの温度は全てではないにしてもほとんどのアブレーション用途にとって充分である。カラーの厚み及び弾性は重要である。接触圧力が5g変化する毎に僅か0.05mmしか変化しないΔLは、カテーテルの先端における動作(すなわち、感じられる柔らかさ、柔軟性等)に無視できる程度の影響しか及ぼさない。一実施形態において、最も近い5g単位で丸められた接触圧力が使用されてもよい。この情報は、医者が10-20gの最適な範囲内に接触力を維持できるようにする。圧縮カラーが構造的な支持を要する場合、内部表面に沿うスプリング状のブレイド(braid)により補強してもよい。一実施形態において、圧縮要素の材料は、0.05MPaないし0.30MPaの範囲内(例えば0.1MPaないし0.25MPaの範囲内、0.15MPaないし0.2MPaの範囲内等)にあるヤング率を有する。一実施形態において、カラーの厚みは0.05mmないし0.5mmの範囲内にあり、例えば0.1mmないし0.4mmの範囲内、0.2mmないし0.3mmの範囲内にある。一実施形態において、圧縮要素の材料は、圧縮要素が0.05Nないし0.5Nの範囲内(例えば、0.1Nないし0.4Nの範囲内、0.2Nないし0.3Nの範囲内)の圧縮力によって圧縮されるように選択される。
【0040】
図6Aは医療装置の一例を示し、圧縮要素が、伝送要素内に組み込まれたスプリング要素60である。スプリング要素は機械的なスプリングでもよい。スプリングがΔLだけ変化すると、超音波トランスデューサから伝送要素の正面までの距離8も同じ量だけ縮む(ただし、カテーテルの先端の残りの部分は圧縮可能でないものとする(非圧縮性であるものとする))。機械的なスプリングは、コイル、円筒メッシュ又はスラブ(slab)等のような弾性材料の要素とすることができる。スプリングは、約1000N/m(すなわち、5gの力が先端を0.05mm圧縮する)のスプリング定数kを有し、スプリング定数は例えば750N/mないし1250N/mの範囲内にある。一実施形態において、スプリングは導電性材料で形成され、電流がスプリングを介して電極の先端に流れるようにしてもよい。別の実施形態において、スプリングのピッチは水を引くための流体チャネルとして使用されてもよい。図示の例の場合、スプリング要素は伝送要素と中心を合わせて設けられている。別の実施形態において、スプリング要素の位置は伝送要素の一方端の側にずれていてもよい。
【0041】
図6Bは図6Aに関して上述したようなスプリング要素を備えた医療装置の一例を示す。しかしながら図示の例の場合、スプリング要素を伝送要素の中に組み込むのではなく、スプリング要素が伝送要素の背面に取り付けられ、スプリング要素が細長いボディ部と伝送要素とを結合するようにしている。
【0042】
図7は医療装置の一例を示し、伝送要素5が、細長いボディ部の遠方端部72に1つ以上の圧縮要素70により取り付けられており、細長いボディ部と伝送要素との間の領域はその領域を覆う柔軟な材料71によりカバーされている。図示の例の場合、細長いボディ部と伝送要素との間に3つのスプリング要素が設けられていることが断面図で示されている。スプリング要素は風船状の薄いホイル(箔、膜)71により保護されている。一実施形態において、ホイルは全体的なスプリング定数に影響しない程度に充分に薄い材料から形成されている。更にホイルは端部においてスプリングより大きく、膨らんだホイルとして概略的に図示されている。全体のスプリング定数kは約1000N/m(すなわち、5gの力が先端を0.05mm圧縮する)であり、スプリング定数は例えば750N/mないし1250N/mの範囲内にある。
【0043】
臨床の場において、カテーテルの先端は心臓組織に対して垂直かつ平行に維持され、従って接触力はカテーテルの長さ軸方向に対して垂直かつ平行であってもよい。
【0044】
図8は医療装置の一例を示し、装置は少なくとも2つの超音波トランスデューサ80、81を含み、第1の超音波トランスデューサは長さ方向軸82に沿って音響放射を出力し、少なくとも第2の超音波トランスデューサは長さ方向軸82に対して傾斜した軸83に沿って音響放射を出力する。伝送要素と第1の超音波トランスデューサとの間の音響経路長が検出され、伝送要素と少なくとも1つの第2の超音波トランスデューサとの間の音響経路長が検出され、それにより、(長さ方向の軸)及び(長さ方向の軸に対して傾斜している少なくとも1つの軸)に沿った音響経路長の変化が検出される。図示の例の場合、2つのトランスデューサが示されているが、3つ以上のトランスデューサが使用されてもよい。特に、2つのトランスデューサは、有利なことに、3つの空間軸に沿う音響経路長を検出してカテーテル先端の3D変位を判定するために使用できる。一実施形態において、カテーテルはレンズ又は複数のシングルエレメントトランスデューサを用いて複数の監視角度で監視してもよい。接触力は単独のトランスデューサの場合と同様に判定できる。全てのΔLと接触力との間の関係が充分に判明していた場合、その関係から接触力を直接的に算出してもよい。あるいはルックアップテーブルが使用されてもよい。
【0045】
図示の例の場合、医療装置は伝送要素と細長いボディ部との間に設けられた圧縮カラー84を更に有する。接触圧力はアブレーション電極及び超音波トランスデューサ各々の間の距離82、83を変化させ、流体レンズ(fluid-lens)の場合、Bモード画像におけるアブレーション電極特性を変化させる。図8のBに示されているように、接触圧力がカテーテルの軸に対して垂直であった場合、圧縮カラーが僅かに変形し85、86、カテーテルの先端が僅かに横に押し出される(図示の簡明化のため、屈曲する角度は非常に誇張して描かれている)。カラーの変形は高々0.5mm軸からずれる程度であることが予想され(予想される最大接触圧力は〜50gである)、これは組織に接しているカテーテルの先端に影響を与えるほど又はカテーテルの動作特性を変えてしまうほどには大きくない。
【0046】
一実施形態において、処置モダリティ(treatment modality)はコントローラユニットに動作可能に接続され、処置モダリティが、予め指定された接触力の範囲内で動作するように制御可能であるようにする。
【0047】
図9は、カテーテル先端と組織の間の接触力に基づいて、カテーテル先端を通じて加わる除去力(ablative power)を自動的に規制するために使用されるフィードバックループのフローチャートを概略的に示す。本願の背景技術の欄で言及したYokoyama et alの文献(非特許文献1)は、組織に安全に加えることが可能な除去力は接触力に非常に依存していることを見いだしており、この文献では、ほどほどのRFパワー(30W)において、僅か0.4N又はそれ以上の接触力においてストリームスポットが生じている一方、50Wにおいて、0.1Nと同程度に低い接触力においてストリームスポットが生じている(さらに、ストリームスポットの入射は力が増加すると顕著に増えている)。印加される力がパワーに逆比例している フィードバックループを使用することができる。図9は、最適な電力設定(縦軸)及び接触力(横軸)の間の関係91を示す。概して、線形に逆比例しているように、動物実験を通じて特定の関係が最適化されることが図示されているが、線形に反比例することは必須ではない。ある使用状況において、最適な電力の設定と接触力との間の関係91は、コントローラユニット又はコントローラユニット内の若しくはそれに接続された演算ユニットによって行われた計算に基づいて決定されてもよい。
【0048】
図9において、接触力が測定され90、その測定に基づいて最適な電力設定が決定される93。一実施形態において、アブレーション電力の動作電力は、測定された接触力における最適電力に設定され、そして接触力が新たに測定される。
【0049】
別の実施形態において、フィードバックループを利用して、最大電力が最適電力を超えないように制御する。使用される実際の電力94が特定の接触力における最適電力よりも高かった場合、動作電力は最適電力まで低減されるが95、接触力は過剰に高い。
【0050】
図10は、本発明の一実施形態に従って医療装置を動作させるために実行されるフローチャートのステップを示す。先ず、医療装置が関心領域内に設けられ100、例えばアブレーション処置を行う心臓組織の近くに設けられる。トランスデューサが、音響放射を生成するように動作し101、反射した音響放射を検出する102。トランスデューサは調査及び処置の際に連続的に動作する103。反射した音響放射は、処理手順の最中に関心領域を監視するために検出され104、反射した音響放射から、音響経路長が導出され、接触力が判定される105。監視及び接触力検出と並行して、処置モダリティが医療処置を行うために動作する106。例えば、処置を行う組織がアブレーションに委ねられる。
【0051】
本願において様々なタイプの圧縮要素が開示されている。特定の実施形態に関連していくつかの特徴が説明されてきたが、或る実施形態について説明された特徴は、特許請求の範囲内において、他の実施形態について説明された特徴と組み合わせられてもよいことが、理解されるべきである。
【0052】
図11は、コンピュータプログラム(又はコンピュータプログラム関連製品)を利用する医療システムを概略的に示す。医療システムは本発明の一実施形態によるカテーテルを有する。カテーテルは、近接端部110、遠方端部1及び長さ方向に沿う長さ方向軸9を有する細長いボディ部4を有する。更にカテーテルは遠方端部に設けられた1つ以上の超音波トランスデューサと、細長いボディ部の端部に位置する伝送要素5とを有し、伝送要素はカテーテルに出入りする音響放射を案内する。
【0053】
カテーテルは近接端部110においてコントローラユニット111に接続され、コントローラユニットは例えば少なくとも1つの超音波トランスデューサを制御するための及び検出結果の抽出や信号処理等を行うための専用の又は汎用のコンピュータユニットである。このため、超音波トランスデューサ及び伝送要素間の音響経路長の検出や、検出した音響経路長による接触力の判定は、コントローラユニット111により制御される。
【0054】
システムを制御する専用又は汎用のコンピュータユニットのようなコントローラユニットはコンピュータシステム112を実現する。コンピュータシステムは、医療システムを動作させるのに必要なデータを保存する又は何らかの取得データを保存するストレージ手段113を有し、或いはデータの保存が望まれる他の何らかの場合に備えてデータを保存する。コンピュータシステムはシステムを動作させるためにコンピュータプログラム関連製品114からの命令を受信する。コンピュータプログラム関連製品は、図示されているようなデータキャリアを形成してもよいが、コンピュータシステムにいったんロードされると、ストレージ手段113により保存され、実行時に抽出される。
【0055】
以上、本発明は上記の説明及び図面により詳細に説明及び図示されてきたが、そのような図示及び説明は例示又は具体例であると解釈され、限定であると解釈されてはならず、本発明は説明された実施形態に限定されない。説明した実施形態に対する他の変形例は、明細書、図面及び特許請求の範囲を参照することで、本願発明を実現する当業者により認識され理解されるであろう。特許請求の範囲において、「有する」という言葉は他の要素やステップを排除せず、「ある」又は「或る」という言葉は複数個存在することを排除しない。特許請求の範囲に列挙されているいくつかの処理を行う機能が1つのプロセッサ又は他のユニットにより実現されてもよい。ある特徴が互いに異なる従属請求項で言及されているというただそれだけのことで、それらの特徴を有利に組み合わせることが不可能であることが示されているわけではない。コンピュータプログラムは適切な媒体に保存/分配され、その媒体は例えば他のハードウェアと共に又は他のハードウェアの一部として供給される光ストレージ媒体又はソリッドステート媒体等であるが、コンピュータプログラムはインターネット又はその他の有線又は無線通信システム等による他の形態で提供されてもよい。特許請求の範囲に含まれている如何なる参照符号も(存在する場合)、特許請求の範囲を限定するように解釈してはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接端部と遠方端部と長さ方向に沿う長軸とを有する細長い手段と、
前記遠方端部に位置しかつ前記細長い手段の内側にある音響放射を行う1つ以上の超音波トランスデューサと、
前記音響放射の放射経路に位置し、音響放射にとって実質的に透明である伝送要素と
を有し、前記伝送要素及び前記1つ以上の超音波トランスデューサは、前記伝送要素及び前記超音波トランスデューサの間の音響経路長が、前記遠方端部に働く接触力とともに変化するように設けられている、超音波診断装置。
【請求項2】
前記伝送要素が、前記超音波トランスデューサに面する背面と反対側に面する正面とを有し、前記音響経路長が、前記伝送要素の前記背面の表面又は前記伝送要素の前記正面の表面から反射した音響放射に基づいて検出される、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
当該超音波診断装置が前記遠方端部に設けられた圧縮要素を更に有し、前記圧縮要素は作用する圧縮力の関数として変化することが可能であり、前記音響経路長は前記圧縮要素のサイズの関数として変化する、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記圧縮要素は、0.05Nないし0.5Nの範囲内の圧縮力によって圧縮可能である、請求項3記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記圧縮要素が前記細長い手段内に組み込まれている、請求項3記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記圧縮要素は、前記伝送要素内に組み込まれている又は前記伝送要素に取り付けられている1つ以上の圧縮要素の形式に設けられている、請求項3記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記伝送要素は、1つ以上の圧縮要素によって前記細長い手段の前記遠方端部に取り付けられており、前記細長い手段及び前記伝送要素の間の領域が、該領域を覆う弾性材料によりカバーされている、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項8】
当該超音波診断装置が少なくとも2つの超音波トランスデューサを有し、第1の超音波トランスデューサは前記長軸に沿って音響放射を出力し、少なくとも1つの第2の超音波トランスデューサは前記長軸に対して傾斜している軸に沿って音響放射を出力し、前記伝送要素及び前記第1の超音波トランスデューサの間の音響経路長が検出され、前記伝送要素及び前記少なくとも第2の超音波トランスデューサの間の音響経路長が検出され、前記長軸に沿った及び前記長軸に対して傾斜している少なくとも1つの軸に沿った音響経路長の変動を検出する、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記伝送要素は、音響放射に対して実質的に透明なポリマを用いたボディ部を有し、音響放射に対して実質的に透明な電極でカバーされている、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記伝送要素が身体組織の処置に対する処置モダリティを有する、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項11】
当該超音波診断装置が、内蔵されたアブレーション電極を有する超音波カテーテルであり、前記伝送要素は前記内蔵されたアブレーション電極を有する、請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項12】
近接端部と遠方端部と長さ方向に沿う長軸とを有する細長い手段と、
前記遠方端部に位置しかつ前記細長い手段の内側にある音響放射を行う1つ以上の超音波トランスデューサと、
前記音響放射の放射経路に位置し、音響放射にとって実質的に透明である伝送要素と、
前記超音波トランスデューサに動作可能に接続されたコントローラユニットと
を有し、前記伝送要素及び前記1つ以上の超音波トランスデューサは、前記伝送要素及び前記超音波トランスデューサの間の音響経路長が、前記遠方端部に働く接触力とともに変化するように設けられており、前記コントローラユニットは、前記超音波トランスデューサ及び前記伝送要素の間の前記音響経路長を検出し、かつ検出した前記音響経路長から接触力を判定する、システム。
【請求項13】
前記伝送要素が身体組織の処置に対する処置モダリティを更に有し、前記処置モダリティが前記コントローラユニットに動作可能に接続され、前記処置モダリティが予め指定されている接触力の範囲内で動作するように制御可能である、請求項12記載のシステム。
【請求項14】
医療装置の動作方法であって、前記医療装置は、
近接端部と遠方端部と長さ方向に沿う長軸とを有する細長い手段と、
前記遠方端部に位置しかつ前記細長い手段の内側にある音響放射を行う1つ以上の超音波トランスデューサと、
前記音響放射の放射経路に位置し、音響放射にとって実質的に透明である伝送要素とを有し、当該方法は、
前記1つ以上のトランスデューサを生成モードで動作させることで音響放射を生成し、
前記1つ以上のトランスデューサを検出モードで動作させることで反射した音響放射を検出し、
前記反射した音響放射から、前記伝送要素及び前記超音波トランスデューサの間の前記音響経路長を検出し、
検出した前記音響経路長から接触力を判定するステップを有する、動作方法。
【請求項15】
データストレージ手段を有する少なくとも1つのコンピュータを有するコンピュータシステムに、請求項14に記載の動作方法を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−504398(P2013−504398A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529373(P2012−529373)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054048
【国際公開番号】WO2011/033421
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】