説明

超音波診断装置及びプログラム

【課題】残像を抑制しつつ、フレームレートが低下しても動きの滑らかな画像を表示することができる超音波診断装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】中間画像生成部14aは、画像生成部14によって生成された、フレームの異なる複数のフレーム画像データから移動した画像を検出する、そして、中間画像生成部14aは、検出した画像の移動元の位置及び移動先の位置を複数のフレーム画像データに基づいて特定する。そして、中間画像生成部14aは、特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置を補間して得た位置に移動した画像を配置した中間画像データを生成する。そして、表示部17は、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データに基づく中間画像が、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に時系列的に挿入されて表示されるように超音波診断画像の表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多数の振動子(トランスデューサ)を配列して備える振動探触子(プローブ)を有し、生体等の被検体に対して超音波の送受信を行い、受信した超音波から得られたデータに基づいて超音波画像データをフレーム毎に生成し、これを画像表示装置に表示する超音波診断装置が知られている。
【0003】
そして、近年の超音波診断装置において用いられている表示デバイスは、液晶ディスプレイがほとんどである。そして、この液晶ディスプレイにおいては、例えば、ホールド型のディスプレイが多く用いられており、このようなホールド型液晶ディスプレイは、過去のフレームの一部における発光状態と現在のフレームにおける発光状態が積分され、動く物体を表示するときに残像が発生するものであった。
【0004】
これに対し、従来の超音波診断装置において、インパルス駆動方式のディスプレイを用い、1フレームにおける画素の発光期間を所定の期間に限定し、残像を抑制するようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−46343号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、超音波診断装置においては、より詳細な超音波画像を取得する場合には、1フレームにおける超音波の送受信を行う回数や1回の送受信を実行するための時間等を大きくする必要があるため、フレームレートが低下し、画像に動きが伴う場合には、動きに滑らかさがなくなり、診断対象を見失う等、正確な診断の妨げとなることがある。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の超音波診断装置では、残像を抑圧することはできるが、フレームレートの低下に対応できるものではなかった。
【0008】
本発明の課題は、残像を抑制しつつ、フレームレートが低下しても動きの滑らかな画像を表示することができる超音波診断装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、超音波診断装置において、
駆動信号によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する振動子を有する超音波探触子と、
前記振動子に駆動信号を供給する送信部と、
前記振動子から出力された受信信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信した前記受信信号から画像の輝度を示す輝度情報に変換したフレーム画像データを生成する画像処理部と、
前記画像処理部によって生成された、フレームの異なる複数のフレーム画像データから移動した画像を検出し、該検出した画像の移動元の位置及び移動先の位置を前記複数のフレーム画像データに基づいて特定し、該特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置を補間して得た位置に前記移動した画像を配置した補間画像データを生成する補間画像生成部と、
前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データ及び前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づいて超音波診断画像の表示を行う表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づく補間画像が、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に時系列的に挿入されて表示されるように超音波診断画像の表示を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記補間画像生成部は、前記特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置の中間の位置に前記移動した画像を配置するように前記補間画像データを生成することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記補間画像生成部は、前記移動した画像の移動元の位置又は移動先の位置が特定できないときは、前記複数のフレーム画像データのうちの前記移動した画像の位置が特定されたフレーム画像データにおける当該移動した画像部分の画像データと、前記移動した画像の位置が特定されないフレーム画像データにおける前記移動した画像と同じ位置における画像部分の画像データとを平滑化し、該平滑化した画像が前記移動した画像と同じ位置に配置されるように前記補間画像データを生成することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記補間画像生成部は、前記移動した画像の移動元の位置又は移動先の位置が特定できないときは、前記複数のフレーム画像データのうちの前記移動した画像の位置が特定されたフレーム画像データにおける当該移動した画像、又は、前記移動した画像の位置が特定されないフレーム画像データにおける前記移動した画像と同じ位置における画像が、前記移動した画像と同じ位置に配置されるように前記補間画像データを生成することを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
予め設定された超音波の送受信条件から特定されるフレームレートに応じて、フレーム間で表示する補間画像の数を設定する制御部を備え、
前記補間画像生成部は、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に挿入して表示するための補間画像データを前記制御部によって設定された補間画像の数だけ生成することを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
ユーザにより操作が可能な操作部と、
前記操作部の操作に応じて、フレーム間で表示する補間画像の数を設定する制御部と、
を備え、
前記補間画像生成部は、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に挿入して表示するための補間画像データを前記制御部によって設定された補間画像の数だけ生成することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
前記表示部は、液晶表示パネル又は有機EL表示パネルによって前記超音波診断画像の表示を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
フリーズ操作を受け付けたときに、当該フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像を、前記表示部に表示させた状態に維持するフリーズ制御を行うフリーズ制御部を備え、
前記フリーズ制御部は、前記フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じて、前記補間画像データに基づく補間画像ではなく、前記フレーム画像データに基づく画像のみを前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
フリーズ操作を受け付けたときに、当該フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像を、前記表示部に表示させた状態に維持するフリーズ制御を行うフリーズ制御部を備え、
前記フリーズ制御部は、前記フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像が、前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づく補間画像であった場合には、フレーム画像データに基づく画像を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の超音波診断装置において、
前記フリーズ制御部は、前記フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像が、前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づく補間画像であった場合には、時系列的に当該補間画像の直前又は直後に前記表示部に表示されるフレーム画像を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか一項に記載の超音波診断装置において、
コマ送り操作を受け付けたときに、前記表示部に時系列的に表示される超音波診断画像を、画像データ単位で切り替えて前記表示部に表示させるコマ送り表示を行う表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像のみを、コマ送り表示させることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、プログラムであって、
駆動信号によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する振動子を備える超音波探触子を有する超音波診断装置に設けられたコンピュータに、
前記振動子に駆動信号を供給する送信手段と、
前記振動子から出力された受信信号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した前記受信信号から画像の輝度を示す輝度情報に変換したフレーム画像データを生成する画像処理手段と、
前記画像処理手段によって生成された、フレームの異なる複数のフレーム画像データから移動した画像を検出し、該検出した画像の移動元の位置及び移動先の位置を前記複数のフレーム画像データに基づいて特定し、該特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置を補間して得た位置に前記移動した画像を配置した補間画像データを生成する補間画像生成手段と、
前記画像処理手段によって生成されたフレーム画像データ及び前記補間画像生成手段によって生成された補間画像データに基づいて超音波診断画像の表示を行う表示手段として機能させるとともに、
前記表示手段において、前記補間画像生成手段によって生成された補間画像データに基づく補間画像が、前記画像処理手段によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に時系列的に挿入されて表示されるように超音波診断画像の表示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、残像を抑制しつつ、フレームレートが低下しても動きの滑らかな画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態における超音波診断装置の外観構成を示す図である。
【図2】超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】中間画像生成部の機能的構成を示すブロック図である。
【図4】動きベクトル検出の手法について説明する図である。
【図5】動きベクトル検出の手法について説明する図である。
【図6】ブロックの画像の構成について説明する図である。
【図7】中間画像データの生成について説明する図である。
【図8】中間画像データの生成について説明する図である。
【図9】中間画像データ数設定処理について説明する図である。
【図10】フレームレートに対する中間画像数の設定について説明する図である。
【図11】中間画像データ生成処理について説明する図である。
【図12】画像データの記憶について説明する図である。
【図13】フリーズ制御処理について説明する図である。
【図14】フリーズ制御処理について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係る超音波診断装置について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されない。なお、以下の説明において、同一の機能及び構成を有するものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0024】
本発明の実施の形態に係る超音波診断装置Sは、図1及び図2に示すように、超音波診断装置本体1と超音波探触子2とを備えている。超音波探触子2は、図示しない生体等の被検体に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波診断装置本体1は、超音波探触子2とケーブル3を介して接続され、超音波探触子2に電気信号の駆動信号を送信することによって超音波探触子2に被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子2にて受信された被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子2で生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する。
【0025】
超音波探触子2は、圧電素子からなる振動子2aを備えており、この振動子2aは、例えば、方位方向(走査方向あるいは上下方向)に一次元アレイ状に複数配列されている。本実施の形態では、n個(例えば、192個)の振動子2aを備えた超音波探触子2を用いている。なお、振動子2aは、二次元アレイ状に配列されたものであってもよい。また、振動子2aの個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子2について、リニア電子スキャンプローブを採用したが、電子走査方式あるいは機械走査方式の何れを採用してもよく、また、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。
【0026】
超音波診断装置本体1は、例えば、図2に示すように、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、画像生成部14と、メモリ部15と、DSC(Digital Scan Converter)16と、表示部17と、制御部18とを備えて構成されている。
【0027】
操作入力部11は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報等のデータの入力、フリーズ操作及びコマ送り操作などを行うための各種スイッチ、ボタン、トラックボール、マウス、キーボード等を備えており、操作信号を制御部18に出力する。なお、操作入力部11の入力操作によって、後述する中間画像の挿入数の設定などを行うことができる。
【0028】
送信部12は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2にケーブル3を介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子2に送信超音波を発生させる回路である。また、送信部12は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路を備えている。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。
【0029】
受信部13は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2からケーブル3を介して電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部13は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、振動子2a毎に対応した個別経路毎に、予め設定された所定の増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をA/D変換するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、振動子2a毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
【0030】
画像生成部14は、受信部13からの音線データに対して対数増幅や包絡線検波処理などを実施し、Bモード画像データを生成する。Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。また、画像生成部14は、中間画像生成部14aを備えている。
中間画像生成部14aは、上述したようにして画像生成部14において生成されたBモード画像データを2フレーム分入力し、入力した2フレーム分のBモード画像データから1以上の中間画像データを生成する。この中間画像データは、詳しくは後述するが、入力した2フレーム分のBモード画像データに基づいて表示される画像の間に時系列的に画像を挿入するための画像データである。なお、フレーム単位に構成されたBモード画像データをフレーム画像データということがある。
このようにして生成されたBモード画像データや中間画像データは、メモリ部15に送信される。
【0031】
メモリ部15は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリによって構成されており、画像生成部14から送信されたBモード画像データをフレーム単位で記憶する。すなわち、フレーム画像データとして記憶することができる。また、メモリ部15は、画像生成部14から送信された中間画像データを記憶する。そして、記憶されたフレーム画像データ及び中間画像データは、制御部18の制御に従って、DSC16に送信される。
【0032】
DSC16は、メモリ部15より受信したフレーム画像データ及び中間画像データをテレビジョン信号の走査方式による画像信号に変換し、表示部17に出力する。
【0033】
表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示装置が適用可能であるが、本実施の形態では、特に、LCDや有機ELが適用された超音波診断装置に対して有効である。表示部17は、DSC16から出力された画像信号に従って表示画面上に画像の表示を行う。なお、表示装置に代えてプリンタ等の印刷装置等を適用してもよい。
【0034】
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えて構成され、ROMに記憶されているシステムプログラム等の各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波診断装置Sの各部の動作を集中制御する。
ROMは、半導体等の不揮発メモリ等により構成され、超音波診断装置Sに対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な各種処理プログラムや、各種データ等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0035】
ここで、制御部18が、画像生成部14によって生成されるフレーム画像データと、中間画像生成部14aによって生成される中間画像データと、をメモリ部15に記憶させる態様について説明する。制御部18は、画像生成部14によって生成されるフレーム画像データと、中間画像生成部14aによって生成される中間画像データとをそれぞれ識別可能な態様でメモリ部15に記憶させる。
即ち、制御部18は、図12(a)に示すように、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データをメモリ部15に記憶する際に、各フレーム画像データに対して、フレーム画像データであることを識別するための識別情報(タグ情報)T1を付加する。同様に、制御部18は、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データをメモリ部15に記憶する際に、各中間画像データに対して、中間画像データであることを識別するための識別情報(タグ情報)T2を付加する。これにより、メモリ部15に記憶された画像データが、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データであるのか、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データであるのかが識別可能となる。なお、制御部18は、フレーム画像データ及び中間画像データの何れか一方に識別情報を付加することにより、識別情報の有無に基づいて画像データがフレーム画像データであるのか中間画像データであるのかを識別するものとしてもよい。
【0036】
なお、制御部18は、例えば、図12(b)に示すように、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データと中間画像生成部14aによって生成された中間画像データとを、メモリ部15内の別々の記憶領域に記憶するようにしてもよい。即ち、制御部18は、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データ1〜フレーム画像データNを、メモリ部15内の所定のアドレスで示される領域(例えば、図12(b)に示すADR0000からADRXXXXの前までの領域)に記憶し、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データ1〜中間画像データN−1を、メモリ部15内の別のアドレスで示される領域(例えば、図12(b)に示すADRXXXX以降の領域)に記憶するようにしてもよい。
【0037】
また、制御部18は、例えば、図12(c)に示すように、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データと中間画像生成部14aによって生成された中間画像データとを、別々のメモリ部に記憶するようにしてもよい。即ち、メモリ部15はメモリ部15aとメモリ部15bとから構成され、制御部18は、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データを一方のメモリ部15aに記憶し、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データを他方のメモリ部15bに記憶するようにしてもよい。
【0038】
次に、中間画像生成部14aの機能的構成について説明する。
中間画像生成部14aは、図3に示すように、前フレーム画像メモリ部401、ノイズ除去部402、動きベクトル検出部403、スイッチ部404、移動先検出時用中間データ生成部405及び移動先未検出時用中間データ生成部406を備えて構成されている。
【0039】
前フレーム画像メモリ部401は、画像生成部14において前回生成されたBモード画像データに基づくフレーム画像データを記憶する。すなわち、前フレーム画像メモリ部401は、最新フレームの1つ前のフレームにおいて生成されたフレーム画像データを記憶する。
【0040】
中間画像生成部14aは、画像生成部14によって生成されたBモード画像データを、例えば、図示しないバッファに1フレーム分のBモード画像データが生成されるまで保持し、フレーム画像データが生成されると、すなわち、最新フレームのフレーム画像データが生成されると、このフレーム画像データをノイズ除去部402に入力する。ノイズ除去部402は、水平方向ノイズ除去部402a及び垂直方向ノイズ除去部402bを備えており、先ず、水平方向ノイズ除去部402aにおいて水平方向のノイズ除去処理を行う。水平方向ノイズ除去部402aは、水平方向に急峻なノイズの平滑を行うための帯域制限フィルタを掛ける。本実施の形態では、入力したフレーム画像データから所定の順序にて注目画素を抽出し、この注目画素を中心として水平方向に1/8:2/8:2/8:2/8:1/8の係数を有するLPF(Low-Pass Filter)を掛けて水平方向におけるノイズの除去を行う。
【0041】
続いて、ノイズ除去部402は、垂直方向ノイズ除去部402bにおいて、水平方向のノイズ除去処理が行われたフレーム画像データに対して垂直方向のノイズ除去処理を行う。垂直方向ノイズ除去部402bは、垂直方向に急峻なノイズの平滑を行うための帯域制限フィルタを掛ける。本実施の形態では、入力したフレーム画像データから所定の順序にて注目画素を抽出し、この注目画素を中心として垂直方向に1/8:2/8:2/8:2/8:1/8の係数を有するLPFを掛けて垂直方向におけるノイズの除去を行う。ノイズ除去部402は、このようにしてノイズの除去が行われたフレーム画像データを動きベクトル検出部403に出力する。
【0042】
一方、中間画像生成部14aは、前フレーム画像メモリ部401からフレーム画像データをノイズ除去部402に入力する。ノイズ除去部402は、水平方向ノイズ除去部402c及び垂直方向ノイズ除去部402dを備えており、水平方向ノイズ除去部402cにおいて水平方向のノイズ除去処理を行う。なお、水平方向ノイズ除去部402cにおけるノイズ除去の処理方法については、上述した水平方向ノイズ除去部402aと同様なので、説明を省略する。
【0043】
続いて、垂直方向ノイズ除去部402dは、水平方向のノイズ除去処理が行われたフレーム画像データに対して垂直方向のノイズ除去処理を行い、動きベクトル検出部403に出力する。垂直方向ノイズ除去部402dにおけるノイズ除去の処理方法については、上述した垂直方向ノイズ除去部402bと同様なので、説明を省略する。
【0044】
動きベクトル検出部403は、比較ブロックサイズ決定処理部403aと、検索範囲サイズ決定処理部403bと、比較ブロック移動処理部403cと、輝度差分判定部403dと、最小輝度差分位置記憶部403eと、移動先未検出判定部403fと、補間方法選択部403gとを備えている。
【0045】
動きベクトル検出部403は、上述のようにしてノイズ除去処理が行われた最新フレームのフレーム画像データと1フレーム前のフレーム画像データを入力すると、1フレーム前のフレーム画像データを元フレームとし、最新フレームのフレーム画像データを参照フレームとして、以下のようにして動きベクトルの検出を行う。
【0046】
先ず、動きベクトル検出部403は、比較ブロックサイズ決定処理部403aによって、元フレームをサイズがm×nである複数のブロックに分割する。そして、動きベクトル検出部403は、検索範囲サイズ決定処理部403bによって、位置検索を行う対象であるブロックの元フレームにおける位置に基づいて、検索範囲サイズがX×Yである検索範囲を参照フレーム上に設定する。具体的には、例えば、図4(a)に示すように、位置検索を行う対象であるブロックがf(x,y)の位置であるときは、サイズがX×Yである検索範囲を、参照フレーム上の、図4(b)に示すような位置に設定する。なお、フレーム画像データの画像サイズがA×Bであって、フレーム画像データ全ての範囲で検索を行うと処理負荷が大きい場合には、例えば、検索範囲サイズをX×Y(X<A、Y<B)に設定し、処理負荷が大きくなければ、検索範囲サイズをX×Y(X=A、Y=B)としてもよい。また、診断部位や設定に応じて検索範囲サイズを変更できるようにしてもよい。
【0047】
次に、動きベクトル検出部403は、比較ブロック移動処理部403cによって、位置検索を行う対象であるブロックを参照フレームにおける検索範囲内で走査させながら、輝度差分判定部403dによって、参照フレーム上における当該ブロックの画像と相関の強い画像を検索して当該ブロックの画像の移動先を特定する。
【0048】
ここで、ブロック画像の移動先の特定について、図5を参照しながら具体的に説明する。なお、図5に示す例において、元フレームにおける各ブロックのサイズは8×8ドットによって構成されているものとして説明する。
図5(a)に示すように、位置検索を行う対象であるブロックが元フレームにおけるブロックBであるときには、比較ブロック移動処理部403cにより、参照フレームにおける検索範囲内でブロックBを走査させながら、輝度差分判定部403dにより、ブロックBの構成する画像と、ブロックBと同一のサイズである参照フレームにおける参照対象の画像との輝度差を判定し、輝度差分が最も少ない位置、すなわち、相関の最も強い位置を検出することにより、図5(b)に示すように、ブロックBの移動先であるブロックB´を特定する。
【0049】
ここで、本実施の形態では、例えば、ブロックBの構成する8×8=64ドットと、参照フレームにおける参照対象の画像の8×8=64ドットとの間における輝度差分を判定して、ブロックBの移動先を特定している。ブロックBの画像は、図6に示すような画素構成となっている。そして、画素毎に輝度差分の絶対値を求め、その総和を算出する。このようにして、ブロックBの構成する画像と、参照フレームにおける参照対象の画像との輝度差分を求める。他のブロックB,B,Bについても同様にして移動先を検索し、ブロックB´,B´,B´をそれぞれ特定する。
なお、画素毎の輝度差分の算出において、8×8画素のうちの全ての画素についての輝度差分を行わず、特定の位置における輝度差分のみを算出するようにしてもよく、例えば、左上、左下、右上、右下の各画素についての輝度差分のみを算出するようにしてもよい。
【0050】
動きベクトル検出部403は、以上のようにして位置検索が行われた画像の移動先が特定されると、そのブロックの移動先を示す情報を、最小輝度差分位置記憶部403eに記憶する。
一方、動きベクトル検出部403は、上述のようにしてブロック毎の移動先の検出を行った結果、移動先が検出されなかったブロックがあったときは、そのブロックについて移動先が検出されなかった旨の情報を移動先未検出判定部403fに与える。
【0051】
以上のようにして、ブロック毎の動きベクトルの検出が行われた後、動きベクトル検出部403は、後述する中間画像データの生成において、生成する部分の画像が、移動先が検出された画像である場合には、最小輝度差分位置記憶部403eによって、その旨の情報を補間方法選択部403gに出力するとともに、移動先を示す情報を移動先検出時用中間データ生成部405に出力する。一方、生成する部分の画像が、移動先が検出されなかった画像である場合には、移動先未検出判定部403fによって、その旨の情報を補間方法選択部403gに出力する。そして、動きベクトル検出部403は、補間方法選択部403gによって、最小輝度差分位置記憶部403e及び移動先未検出判定部403fから入力された情報に応じた信号をスイッチ部404に出力する。具体的には、補間方法選択部403gは、最小輝度差分位置記憶部403eからの情報の入力があったときは、中間画像を生成する旨の信号を出力し、移動先未検出判定部403fからの情報の入力があったときは、アベレージング画像を生成する旨の信号を出力する。
【0052】
スイッチ部404は、補間方法選択部403gからの信号に応じてスイッチの位置を切り替える。具体的には、スイッチ部404は、補間方法選択部403gから中間画像を生成する旨の信号を入力したときは、スイッチの位置を(M)側に切り替え、アベレージング画像を生成する旨の信号を入力したときは、スイッチの位置を(A)側に切り替える。
【0053】
スイッチ部404によって(M)側に切り替えられた場合は、入力された最新フレームのフレーム画像データと、前フレーム画像メモリ部401に記憶された1フレーム前のフレーム画像データとが移動先検出時用中間データ生成部405に入力される。
【0054】
そして、移動先検出時用中間データ生成部405は、中間画像を生成する対象である移動元の画像の位置を1フレーム前のフレーム画像データから特定し、最小輝度差分位置記憶部403eから出力された移動先を示す情報に基づいて移動先の画像の位置を特定する。そして、下記式(1)及び(2)によって、中間データの生成位置M1(x,y)を算出する。下記式において、P(x,y)は、移動元の画像の基準位置を示し、F(x,y)は、移動先の画像の基準位置を示す。
M1(x)=P(x)+(F(x)−P(x))/2・・・(1)
M1(y)=P(y)+(F(y)−P(y))/2・・・(2)
【0055】
また、本実施の形態では、後述するように、条件に応じて複数の中間画像データの生成を行う。この場合の各中間画像データにおける中間データの生成位置Mm(x,y)は下記式(3)及び(4)によって算出される。下記式において、nは中間画像の生成数であり、mは1からnの値を取る。
Mm(x)=P(x)+(F(x)−P(x))m/(n+1)・・・(3)
Mm(y)=P(y)+(F(y)−P(y))m/(n+1)・・・(4)
【0056】
そして、移動先検出時用中間データ生成部405は、中間データを生成する対象である移動元の画像が、算出された中間データの生成位置M1(x,y)(あるいは、Mm(x,y))を基準位置として配置されるように中間データを生成する。
以上のようにして生成された中間データは、例えば、図示しない中間画像データバッファに記憶される。
【0057】
一方、スイッチ部404によって(A)側に切り替えられた場合は、前フレーム画像メモリ部401に記憶された1フレーム前のフレーム画像データから移動先が検出されなかったブロックの画像データが読み出され、当該移動先が検出されなかったブロックの画像データと同一位置に配置される画像の画像データが、入力された最新のフレームのフレーム画像データから読み出され、それぞれ移動先未検出時用中間データ生成部406に入力される。
【0058】
移動先未検出時用中間データ生成部406は、入力した各画像データを重み付け部406a,406bにより重み付けされた後、加算器406cにより加算され、アベレージング画像データが生成される。なお、本実施の形態では、重み付け部406a,406bの重み付け係数を、それぞれ0.5としているが、任意に設定することができる。そして、加算器406cによって生成されたアベレージング画像データは、上述した中間画像データバッファに記憶される。
中間画像生成部14aは、以上のようにして、中間画像データバッファに1フレーム分の中間画像データが生成されると、メモリ部15に出力される。そして、中間画像生成部14aは、以上のようにして、中間画像データを、1フレーム毎に予め設定された数だけ生成し、順次メモリ部15に出力する。
【0059】
このようにして中間画像データが生成されると、音線データに基づいてフレーム毎に生成されたフレーム画像データの間に中間画像データが時系列的に挿入されて表示部17に表示されることとなる。
具体的には、例えば、図7(a)及び図7(c)に示すように、フレーム画像データがそれぞれ生成されると、図7(b)に示すような中間画像が生成されることとなる。図7(a)に示される1つ前のフレームのフレーム画像データには、動体Tが座標P(x,y)を基準位置として配置されている。そして、1フレーム後、動体Tは、図7(c)に示すように、基準位置が座標F(x,y)となる位置まで移動している。
【0060】
そして、上述したようにして、中間画像生成部14aにより動体Tの移動先が特定されると、2つのフレームのそれぞれの動体Tの位置の中間位置を算出し、算出した位置M1(x,y)を基準位置として、図7(b)に示すように、動体Tと同一の画像である動体T´を配置するように中間画像データを生成する。このようにして中間画像データを生成することにより、超音波の送受信によってフレームレートが低下することとなっても、動体の動きを滑らかに表示することができる。
【0061】
また、図8(a)に示される1つ前のフレームのフレーム画像データには、動体Tの他に、動体TがP(x,y)の位置に配置されている。そして、図8(c)に示すように、動体Tは、最新のフレームのフレーム画像データにおいて存在しないので、中間画像生成部14aの動きベクトル検出部403によって動体Tの移動先は検出されない。この場合、中間画像生成部14aは、1つ前のフレームのフレーム画像データにおける動体Tを構成する画像データと同一の基準位置F(x,y)であって同一の画像サイズである画像データが最新のフレームのフレーム画像データより抽出され、動体Tを構成する画像データとの補間を行うことによって動体T1´が配置されたアベレージング画像データがM1(x,y)の位置に生成される。なお、基準位置M1(x,y)は、P(x,y)及びF(x,y)と同一の座標となる。このようにして中間画像データを生成することにより、残像の低減を図ることができる。
なお、アベレージング画像データを、1つ前のフレームのフレーム画像データにおける動体Tを構成する画像データ、及び、1つ前のフレームのフレーム画像データにおける動体Tを構成する画像データと同一の基準位置F(x,y)であって同一の画像サイズである最新のフレームのフレーム画像データにおける画像データの何れか一方をアベレージング画像データとするようにしてもよい。このようにして中間画像データを生成することにより、アーチファクトを低減させることができる。
【0062】
次に、本実施の形態に係る中間フレーム数設定処理について図9を参照しながら説明する。この中間フレーム数設定処理は、ユーザによって所定の設定操作が行われたときに実行される処理である。
【0063】
先ず、制御部18は、ユーザの操作入力部11による操作によって、挿入フレーム数の直接入力があったか否かを判定する(ステップS101)。制御部18は、挿入フレーム数の直接入力があったと判定したときは(ステップS101:Y)、入力された値を、フレーム画像の表示において時系列的に挿入して表示する中間画像の数として設定し(ステップS102)、この処理を終了する。
【0064】
一方、制御部18は、挿入フレーム数の直接入力があったと判定しないときは(ステップS101:N)、現在設定されている超音波の送受信条件を判定して、フレームレートの特定を行う(ステップS103)。
【0065】
ここで、フレームレートは、超音波の送受信の設定内容によって依存するものであり、特に、1フレームにおける送信ビームの発射数や、受信する反射超音波の深度に依存する。
近年の超音波診断装置は、同一方向に向けて送信フォーカス点の深度を変えながら複数回の超音波の送受信を行う多段フォーカスを行うものが一般的である。そして、このような多段フォーカスを行う場合には、1フレームにおいて、送信フォーカスの点数分の走査が行われることとなる。すなわち、振動子が192個配置された超音波探触子が用いられる場合には、例えば、1回の走査においては、192回の送信ビームが発射され、1フレームでは、さらに、送信フォーカスの点数分乗じた回数の送信ビームが発射されることとなる。そして、1回の超音波の送受信にかかる時間は、送信フォーカス点の深度に比例して大きくなる。また、送信超音波と反射超音波との混在を回避するために、送信ビームの発射毎に一定のウエイト時間を設ける必要もある。そのため、送信フォーカスの点数及び深度を大きくするほど、高画質な超音波画像が得られるが、その画像を得るための時間が大きくなる。すなわち、フレームレートが低下することとなる。
【0066】
また、近年の超音波診断装置は、THI(Tissue Harmonic Imaging)を行って超音波
画像を表示する機能を備えているものがある。THIは、基本波を出力し、被検体内において基本波の波形が歪んだ結果生じる基本波の2倍の周波数である2次高調波を受信し、これに基づいて超音波画像を生成するものであり、アーチファクトの低減が図れる技術である。THIによる超音波画像を生成する場合には、反射超音波に含まれる基本波を取り除く必要があるため、基本波と位相の反転した波形を有する超音波をさらに出力して基本波成分を消去するパルスインバージョンが行われているが、この場合には、さらに2倍の超音波の送受信が必要となり、フレームレートはさらに低下することとなる。
【0067】
このように、超音波の送受信の設定内容、すなわち、超音波の送受信条件によっては、一定のフレームレートにて超音波画像が取得できないので、適切に超音波画像が取得可能となるよう、制御部18により超音波の送受信条件に応じたフレームレートの設定が予め行われている。
【0068】
次に、制御部18は、ステップS103において特定されたフレームレートに応じた値を、フレーム画像の表示において時系列的に挿入して表示する中間画像の数として設定し(ステップS104)、この処理を終了する。具体的には、図10に示すようなテーブルがROMに記憶されており、制御部18は、このテーブルを参照し、フレームレートに応じた中間画像数を抽出し、これを設定する。制御部18は、例えば、フレームレートが30F/sに満たない場合には、挿入する中間画像数を2とし、30F/s以上、60F/s未満の場合は、挿入する中間画像数を1とし、60F/s以上の場合は、中間画像の挿入を行わないようにしている。なお、フレームレートに対する挿入する中間画像数は任意に設定することができるが、中間画像データを生成するための処理速度を考慮し、ユーザによって残像を感じさせない程度に設定するのが好ましい。一般に、中間画像を挿入した結果、60F/s以上になると、残像をあまり感じさせないようになり、100F/s以上になると、ほとんど残像が感じられないようになる。
【0069】
ここで、本実施の形態において、制御部18は、操作入力部11によるフリーズ操作を受け付けたとき、フリーズ操作を受け付けたタイミングで表示部17に表示される超音波診断画像(フレーム画像及び中間画像を含む)を、表示部17に表示させた状態に維持するフリーズ制御を行うフリーズ制御部として機能する。
また、本実施の形態において、制御部18は、操作入力部11によるコマ送り操作を受け付けたとき、表示部17に表示される超音波診断画像を、時系列順に画像データ単位で切り替えて表示部17に表示させるコマ送り表示を行う表示制御部として機能する。ここで、操作入力部11によるコマ送り操作は、表示部17に表示されるフレーム画像の時系列的に1つ前のフレームのフレーム画像を表示させる操作と、表示されるフレーム画像の時系列的に1つ後のフレームのフレーム画像を表示させる操作と、を含むものとする。
【0070】
このように構成された制御部18にて実行される画像表示処理について、図13及び図14を参照しながら説明する。以下に説明する画像表示処理は、本実施形態に係る超音波診断装置Sを用いて行う超音波診断検査において、医師や技師等の操作者による所定の操作に基づいて実行される。
【0071】
先ず、制御部18は、操作入力部11によりフリーズ操作の入力があったか否かを判定する(ステップS301)。
【0072】
制御部18は、フリーズ操作の入力があったと判定したときは(ステップS301:Y)、フリーズ操作を受け付けたタイミングで表示部17に表示される超音波診断画像の画像データが、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データであるか又は中間画像生成部14aによって生成された中間画像データであるかを識別する(ステップS302)。
上記した通り、制御部18は、画像データをメモリ部15に記憶させる際に、フレーム画像データと中間画像データとを識別可能な態様で記憶させている。制御部18は、画像データに付加された識別情報に基づいて、フリーズ操作に応じた画像データが画像生成部14によって生成されたフレーム画像データであるのか、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データであるのかを識別する。
なお、制御部18は、図12(b)に示すように、画像データをメモリ部15内の別々の記憶領域に記憶している場合には、画像データが記憶されている記憶領域のアドレスに基づいて、フリーズ操作に応じた画像データが画像生成部14によって生成されたフレーム画像データであるのか、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データであるのかを識別する。
また、制御部18は、図12(c)に示すように、画像データを別々のメモリ部15a,15bに記憶している場合には、画像データが何れのメモリ部に記憶されているのかに基づいて、フリーズ操作に応じた画像データが画像生成部14によって生成されたフレーム画像データであるのか、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データであるのかを識別する。
【0073】
次に、制御部18は、識別した画像データが中間画像データであるか否かを判定する(ステップS303)。制御部18は、識別した画像データが中間画像データであると判定したときは(ステップS303:Y)、当該中間画像データに基づく中間画像の直前に表示部17に表示されるフレーム画像のフレーム画像データをメモリ部15から読み出す(ステップS304)。一方、制御部18は、識別した画像データが中間画像データでない、つまり、識別した画像データがフレーム画像データであると判定したときは(ステップS303:NO)、当該フレーム画像データをメモリ部15から読み出す(ステップS305)。
【0074】
次に、制御部18は、読み出したフレーム画像データに基づくフレーム画像を表示部17に表示する(ステップS306)。
【0075】
したがって、例えば、図14に示すように、制御部18は、表示部17に中間画像データB又はCに基づく中間画像が表示されている矢印b又はcのタイミングで、フリーズ操作を受け付けた場合、当該中間画像の直前に表示部17に表示されるフレーム画像データAに基づくフレーム画像を表示部17に表示させた状態に維持する。また、制御部18は、表示部17にフレーム画像データAに基づくフレーム画像が表示されている矢印aのタイミングでフリーズ操作を受け付けた場合、当該フレーム画像データAに基づくフレーム画像を、表示部17に表示させた状態に維持する。同様に、制御部18は、表示部17にフレーム画像データBに基づくフレーム画像が表示されている矢印dのタイミングでフリーズ操作を受け付けた場合、当該フレーム画像データDに基づくフレーム画像を、表示部17に表示させた状態に維持する。
【0076】
次に、制御部18は、操作入力部11によりコマ送り操作があったか否かを判定する(ステップS307)。
制御部18は、コマ送り操作があったと判定したときは(ステップS307:Y)、当該コマ送り操作に基づき、表示部17に表示されたフレーム画像の1つ前又は1つ後のフレームのフレーム画像データをメモリ部15から読み出す(ステップS308)。次に、制御部18は、読み出した1つ前又は1つ後のフレーム画像データに基づくフレーム画像を表示部17に表示し(ステップS309)、再度ステップS307の処理を行う。
制御部18は、ステップS307においてコマ送り操作はないと判定するまで(ステップS308:N)、ステップS307〜S309の処理を繰り返し、コマ送り操作はないと判定すると、画像表示処理を終了する。
【0077】
なお、制御部18は、フリーズ制御を開始した後、所定時間の経過又は操作入力部11によるフリーズ終了操作に基づいて、当該フリーズ制御を終了する。
【0078】
ここで、フレーム画像データに基づいて中間画像データを生成すると、当該中間画像データに基づく中間画像上にアーチファクトが生じる場合がある。このような中間画像をフレーム画像に時系列的に挿入して動画像として超音波診断画像を表示する際には、アーチファクトは人間の目には視認されないため問題とはならない。しかし、フリーズ制御やコマ送り表示が実行されて、アーチファクトを生じた中間画像が静止画像として表示されると、ユーザは当該アーチファクトを視認可能となるため、誤診を招くおそれがある。このような問題に対して、本発明の実施の形態は、上記のように構成されたものである。
【0079】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、超音波探触子2は、駆動信号によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する振動子2aを並列配置して備える。そして、送信部12は、振動子2aに駆動信号を供給する。そして、受信部13は、振動子2aから出力された受信信号を受信する。画像生成部14は、受信部13によって受信した受信信号から画像の輝度を示す輝度情報に変換したフレーム画像データを生成する。そして、中間画像生成部14aは、画像生成部14によって生成された、フレームの異なる複数のフレーム画像データから移動した画像を検出する、そして、中間画像生成部14aは、検出した画像の移動元の位置及び移動先の位置を複数のフレーム画像データに基づいて特定する。そして、中間画像生成部14aは、特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置を補間して得た位置に移動した画像を配置した中間画像データを生成する。そして、表示部17は、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データ及び中間画像生成部14aによって生成された中間画像データに基づいて超音波診断画像の表示を行う。そして、表示部17は、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データに基づく中間画像が、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に時系列的に挿入されて表示されるように超音波診断画像の表示を行う。その結果、補間画像をフレーム画像データに基づく画像に時系列的に挿入して表示させることにより、表示フレームレートを増加させることができるので、超音波の送受信の条件にともなうフレームレートが低下することとなっても残像の発生を低減させることができる。また、動画像について滑らかに表示することができるので、例えば、診断対象を見逃すといったことが抑制され、超音波診断の精度を向上させることができる。
【0080】
また、本発明の実施の形態によれば、中間画像生成部14aは、特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置の中間の位置に移動した画像を配置するように中間画像データを生成する。その結果、補間画像における移動した画像の位置がより正確に得られるので、動画像についてより滑らかに表示することができる。
【0081】
また、本発明の実施の形態によれば、中間画像生成部14aは、移動した画像の移動元の位置又は移動先の位置が特定できないときは、複数のフレーム画像データのうちの移動した画像の位置が特定されたフレーム画像データにおける当該移動した画像部分の画像データと、移動した画像の位置が特定されないフレーム画像データにおける移動した画像と同じ位置における画像部分の画像データとを平滑化する。そして、中間画像生成部14aは、平滑化した画像が移動した画像と同じ位置に配置されるように中間画像データを生成する。その結果、画像の輝度が徐々に大きく又は小さくなるので、画像のチラツキの発生を低減させることができる。
【0082】
また、本発明の実施の形態によれば、中間画像生成部14aは、移動した画像の移動元の位置又は移動先の位置が特定できないときは、複数のフレーム画像データのうちの移動した画像の位置が特定されたフレーム画像データにおける当該移動した画像、又は、移動した画像の位置が特定されないフレーム画像データにおける移動した画像と同じ位置における画像が、移動した画像と同じ位置に配置されるように中間画像データを生成する。その結果、移動元の位置又は移動先の位置が特定できない画像の表示に関するアーチファクトの低減を図ることができる。
【0083】
また、本発明の実施の形態によれば、制御部18は、予め設定された超音波の送受信条件から特定されるフレームレートに応じて、フレーム間で表示する中間画像の数を設定する。そして、中間画像生成部14aは、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に挿入して表示するための中間画像データを制御部18によって設定された中間画像の数だけ生成する。その結果、フレームレートに対して適切な数の中間画像データを生成することができるので、フレームレートに応じた滑らかな画像を表示することができる。
【0084】
また、本発明の実施の形態によれば、制御部18は、操作入力部11の操作に応じて、フレーム間で表示する中間画像の数を設定する。そして、中間画像生成部14aは、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に挿入して表示するための中間画像データを制御部18によって設定された中間画像の数だけ生成する。その結果、例えば、診断部位やユーザの趣向に合わせて中間画像の数が設定できるので、ユーザのニーズに応じた滑らかな画像を表示することができる。
【0085】
また、表示部17は、液晶表示パネル又は有機EL表示パネルによって超音波診断画像の表示を行うので、液晶表示パネルや有機EL表示パネルを適用した場合には、残像抑制効果がより顕著に表れるようになる。
【0086】
また、本発明の実施の形態によれば、制御部18は、フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像が、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データに基づく中間画像であった場合には、フレーム画像データに基づくフレーム画像を表示させるので、中間画像生成時に中間画像上にアーチファクトが生じたとしても、画像生成部14によって生成されたフレーム画像のみで診断を行うことができ、誤診を回避することができる。
【0087】
また、本発明の実施の形態によれば、制御部18は、フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像が、中間画像生成部14aによって生成された中間画像データに基づく中間画像であった場合には、時系列的に当該中間画像の直前又は直後に表示部17に表示されるフレーム画像を表示させるので、フリーズ操作を行ったタイミングに最も近いタイミングのフレーム画像を表示させることができ、より正確な診断を行うことができる。
【0088】
また、本発明の実施の形態によれば、制御部18は、コマ送り操作を受け付けたときに、画像生成部14によって生成されたフレーム画像データに基づくフレーム画像のみを、画像データ単位で切り替えて表示部17に表示させるので、中間画像生成時に中間画像上にアーチファクトが発生したとしても、画像生成部14によって生成されたフレーム画像のみで診断を行うことができ、誤診を回避することができる。
【0089】
なお、本発明の実施の形態における記述は、本発明に係る超音波診断装置の一例であり、これに限定されるものではない。超音波診断装置を構成する各機能部の細部構成及び細部動作に関しても適宜変更可能である。
【0090】
また、本発明の実施の形態では、動きベクトル検出部403による動きベクトルの検出において、1フレーム前のフレーム画像データを元フレームとし、最新フレームのフレーム画像データを参照フレームとして動きベクトルの検出を行うようにしたが、最新フレームのフレーム画像を元フレームとし、1フレーム前のフレーム画像データを参照フレームとして動きベクトルの検出を行うようにしてもよい。
【0091】
また、本発明の実施の形態では、ユーザによって中間フレーム数の設定を可能としたが、中間フレーム数が固定されたものであってもよい。また、本実施の形態では、ユーザの任意の入力及びフレームレートによって中間フレーム数の設定を行うようにしているが、何れか一方の機能のみ有するものであってもよい。
【0092】
また、本発明の実施の形態では、フリーズ操作を受け付けたタイミングで表示部に表示される超音波診断画像が中間画像であった場合に、当該中間画像の直前に表示部に表示されるフレーム画像を表示させるものとしたが、当該中間画像の直後に表示部に表示されるフレーム画像を表示させるものとしてもよい。
【0093】
また、本発明の実施の形態では、フリーズ制御の実行中にコマ送り表示を実行するものとしたが、フリーズ制御を実行していないときにコマ送り表示を行うものとしてもよい。
【0094】
また、本発明の実施の形態では、コマ送り表示において、コマ送り操作を受け付ける度に表示部に表示されているフレーム画像の1つ前又は1つ後のフレームのフレーム画像を表示するものとしたが、所定時間の経過に伴って時系列順に画像データ単位でフレーム画像を切り替えて表示するものとしてもよい。
【0095】
また、本発明の実施の形態では、中間画像生成部14aにおいて、中間画像データの生成を行うようにしたが、例えば、制御部18が中間画像生成部として機能し、メモリ部15を作業領域としてソフトウェア制御により中間画像データを生成するようにしてもよく、例えば、図11に示すような中間画像データ処理を実行することによって実現される。
【0096】
まず、制御部18は、メモリ部15の最新フレームのフレーム画像データが記憶されたバッファから最新フレームのフレーム画像データを読み出す(ステップS201)。次に、制御部18は、ノイズ除去処理を実行し、読み出したフレーム画像データに対して上述した水平方向ノイズ除去及び垂直方向ノイズ除去を行う(ステップS202)。そして、制御部18は、メモリ部15の1つ前のフレームのフレーム画像データが記憶されたバッファから1つ前のフレームのフレーム画像データを読み出す(ステップS203)。次に、制御部18は、ノイズ除去処理を実行し、読み出したフレーム画像データに対して上述した水平方向ノイズ除去及び垂直方向ノイズ除去を行う(ステップS204)。
【0097】
そして、制御部18は、ノイズ除去された1つ前のフレームのフレーム画像データを元フレームとして、上述したようにしてサイズがm×nである複数のブロックに分割する(ステップS205)。そして、制御部18は、最新のフレームのフレーム画像データを参照フレームとし、上述したようにして検索範囲サイズを決定する(ステップS206)。そして、制御部18は、複数の分割されたブロックから比較を行うブロックを所定の順序により選択する(ステップS207)。そして、制御部18は、選択された比較ブロックを最新のフレームのフレーム画像データにおける検索範囲上を移動させ(ステップS208)、上述のようにして輝度差分の判定を行う(ステップS209)。
【0098】
そして、制御部18は、全てのブロックについて検索が完了したか否かを判定し(ステップS210)、検索が完了したと判定したときは(ステップS210:Y)、最小輝度差分となる位置があったか否かの判定を行う(ステップS211)。一方、制御部18は、検索が完了したと判定しないときは(ステップS210:N)、ステップS208の処理に移行する。
【0099】
制御部18は、ステップS211において、最小輝度差分となる位置、すなわち、相関の最も強い位置があったと判定したときは(ステップS211:Y)、その相関の最も強いと判定された位置をRAMに記憶する(ステップS212)。一方、制御部18は、最小輝度差分となる位置があったと判定しなかったとき、すなわち、画像の移動先が検出されなかったときは(ステップS211:N)、移動先が検出されなかった旨の情報をRAMに記憶する(ステップS213)。
【0100】
次に、制御部18は、全てのブロックについて探索が完了したか否かと判定し(ステップS214)、全てのブロックについて探索が完了したと判定しないときは(ステップS214:N)、ステップS207の処理を実行して、次に探索すべきブロックを選択して同様に画像の移動先の探索を行う。
一方、制御部18は、全てのブロックについて探索が完了したと判定したときは(ステップS214:Y)、メモリ部15から1つ前のフレームのフレーム画像データを読み出し、ステップS205において決定されたブロックサイズにて複数の画像ブロックに分割し、そのうちの1つを選択する(ステップS215)。
【0101】
そして、制御部18は、選択された画像ブロックを構成する画像の移動先情報があるか否かを判定し(ステップS216)、移動先情報があると判定したときは(ステップS216:Y)、上述のようにして1つ前のフレームのフレーム画像データにおける移動元の位置と、最新のフレームのフレーム画像データにおける移動先の位置とに基づいて中間データの生成位置を補間演算によって算出する(ステップS217)。そして、制御部18は、上述のようにして移動元の画像が、算出された中間データの生成位置を基準位置として配置されるように中間データを生成し、メモリ部15の中間画像データバッファに記憶する(ステップS218)。
【0102】
一方、制御部18は、移動先情報があると判定しないとき、すなわち、選択された画像ブロックに対応する移動先未検出情報がRAMに記憶されているときは(ステップS216:N)、上述したようにして、1フレーム前のフレーム画像データから移動先が検出されなかったブロックの画像データを抽出し、当該移動先が検出されなかったブロックの画像データと同一位置に配置される画像の画像データを、最新のフレームのフレーム画像データから抽出し、これらの抽出した画像データに対してそれぞれ重み付けして加算し、移動先が検出されなかったブロックの画像データと同一位置に配置されるようにアベレージング画像データを生成し、メモリ部15の中間画像データバッファに記憶する(ステップS219)。
【0103】
そして、制御部18は、1フレーム前のフレーム画像データにおける全てのブロックについて中間データ及びアベレージング画像データの生成が行われて中間画像データの生成が完了したか否かを判定する(ステップS220)。制御部は、中間画像データの生成が完了したと判定したときは(ステップS220:Y)、ステップS221の処理に移行し、中間画像データの生成が完了したと判定しないときは(ステップS220:N)、ステップS215の処理に移行して、他の画像ブロックについて上述した処理を行う。
【0104】
そして、制御部18は、ステップS221において、上述した中間画像データ数設定処理において設定された数の中間画像データが生成されたか否かを判定し(ステップS221)、設定された数の中間画像データが生成されたと判定したときは(ステップS221:Y)、この処理を終了する。一方、制御部18は、設定された数の中間画像データが生成されたと判定しないときは(ステップS221:N)、ステップS215に移行して、中間画像データの生成をさらに行う。
【0105】
以上のような処理を実行することによっても、本発明の実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0106】
また、本発明の実施の形態では、フレーム画像データ全体を複数ブロックに分割し、各ブロックについて移動先の検索を行うようにしたが、フレーム画像データのうちの一部の領域を指定して、指定した範囲の画像についてのみ移動先の検索を行うようにしてもよい。また、複数のフレーム画像データに基づいて画像が動いた部分を検出する静動検出を行い、動いたと判定された画像についてのみ移動先の検索を行うようにしてもよい。
【0107】
また、本発明の実施の形態では、最新フレームのフレーム画像データと1フレーム前のフレーム画像データとから、移動した画像について、これらのフレーム画像データにおいてそれぞれ配置された画像の中間の位置を、内挿補間を行って取得し、移動した画像が取得した位置に配置されるように中間画像データ(内挿補間画像データ)を生成し、これらのフレーム画像データに基づいて表示される画像間に内挿して中間画像データに基づく画像を表示するようにしたが、移動した画像の位置をこれらのフレーム画像データから外挿補間を行って取得することにより、移動する画像のその後の移動先(例えば、最新フレームから0.5フレーム後における画像の移動先)を予測し、移動した画像が外挿補間によって得られた位置に配置されるように外挿補間画像データを生成し、これらのフレーム画像データに基づく各画像が表示された後に外挿して外挿補間画像データに基づく画像を表示するようにしてもよい。すなわち、最新フレームのフレーム画像データに基づいて表示される画像と1フレーム先のフレーム画像データに基づいて表示される画像との間に、上述のようにして生成された外挿補間画像データに基づく画像を挿入して表示するようにしてもよい。
【0108】
また、本実施の形態では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0109】
S 超音波診断装置
1 超音波診断装置本体
2 超音波探触子
2a 振動子
11 操作入力部
12 送信部
13 受信部
14 画像生成部
14a 中間画像生成部
17 表示部
18 制御部(フリーズ制御部、表示制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する振動子を有する超音波探触子と、
前記振動子に駆動信号を供給する送信部と、
前記振動子から出力された受信信号を受信する受信部と、
前記受信部によって受信した前記受信信号から画像の輝度を示す輝度情報に変換したフレーム画像データを生成する画像処理部と、
前記画像処理部によって生成された、フレームの異なる複数のフレーム画像データから移動した画像を検出し、該検出した画像の移動元の位置及び移動先の位置を前記複数のフレーム画像データに基づいて特定し、該特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置を補間して得た位置に前記移動した画像を配置した補間画像データを生成する補間画像生成部と、
前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データ及び前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づいて超音波診断画像の表示を行う表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づく補間画像が、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に時系列的に挿入されて表示されるように超音波診断画像の表示を行うことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記補間画像生成部は、前記特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置の中間の位置に前記移動した画像を配置するように前記補間画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記補間画像生成部は、前記移動した画像の移動元の位置又は移動先の位置が特定できないときは、前記複数のフレーム画像データのうちの前記移動した画像の位置が特定されたフレーム画像データにおける当該移動した画像部分の画像データと、前記移動した画像の位置が特定されないフレーム画像データにおける前記移動した画像と同じ位置における画像部分の画像データとを平滑化し、該平滑化した画像が前記移動した画像と同じ位置に配置されるように前記補間画像データを生成することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記補間画像生成部は、前記移動した画像の移動元の位置又は移動先の位置が特定できないときは、前記複数のフレーム画像データのうちの前記移動した画像の位置が特定されたフレーム画像データにおける当該移動した画像、又は、前記移動した画像の位置が特定されないフレーム画像データにおける前記移動した画像と同じ位置における画像が、前記移動した画像と同じ位置に配置されるように前記補間画像データを生成することを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
予め設定された超音波の送受信条件から特定されるフレームレートに応じて、フレーム間で表示する補間画像の数を設定する制御部を備え、
前記補間画像生成部は、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に挿入して表示するための補間画像データを前記制御部によって設定された補間画像の数だけ生成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
ユーザにより操作が可能な操作部と、
前記操作部の操作に応じて、フレーム間で表示する補間画像の数を設定する制御部と、
を備え、
前記補間画像生成部は、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に挿入して表示するための補間画像データを前記制御部によって設定された補間画像の数だけ生成することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記表示部は、液晶表示パネル又は有機EL表示パネルによって前記超音波診断画像の表示を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
フリーズ操作を受け付けたときに、当該フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像を、前記表示部に表示させた状態に維持するフリーズ制御を行うフリーズ制御部を備え、
前記フリーズ制御部は、前記フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じて、前記補間画像データに基づく補間画像ではなく、前記フレーム画像データに基づく画像のみを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
フリーズ操作を受け付けたときに、当該フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像を、前記表示部に表示させた状態に維持するフリーズ制御を行うフリーズ制御部を備え、
前記フリーズ制御部は、前記フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像が、前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づく補間画像であった場合には、フレーム画像データに基づく画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記フリーズ制御部は、前記フリーズ操作を受け付けたタイミングに応じた超音波診断画像が、前記補間画像生成部によって生成された補間画像データに基づく補間画像であった場合には、時系列的に当該補間画像の直前又は直後に前記表示部に表示されるフレーム画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項9に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
コマ送り操作を受け付けたときに、前記表示部に時系列的に表示される超音波診断画像を、画像データ単位で切り替えて前記表示部に表示させるコマ送り表示を行う表示制御部を備え、
前記表示制御部は、前記画像処理部によって生成されたフレーム画像データに基づく画像のみを、コマ送り表示させることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
駆動信号によって被検体に向けて送信超音波を出力するとともに、被検体からの反射超音波を受信することにより受信信号を出力する振動子を備える超音波探触子を有する超音波診断装置に設けられたコンピュータに、
前記振動子に駆動信号を供給する送信手段と、
前記振動子から出力された受信信号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信した前記受信信号から画像の輝度を示す輝度情報に変換したフレーム画像データを生成する画像処理手段と、
前記画像処理手段によって生成された、フレームの異なる複数のフレーム画像データから移動した画像を検出し、該検出した画像の移動元の位置及び移動先の位置を前記複数のフレーム画像データに基づいて特定し、該特定した画像の移動元の位置及び移動先の位置を補間して得た位置に前記移動した画像を配置した補間画像データを生成する補間画像生成手段と、
前記画像処理手段によって生成されたフレーム画像データ及び前記補間画像生成手段によって生成された補間画像データに基づいて超音波診断画像の表示を行う表示手段として機能させるとともに、
前記表示手段において、前記補間画像生成手段によって生成された補間画像データに基づく補間画像が、前記画像処理手段によって生成されたフレーム画像データに基づく画像に時系列的に挿入されて表示されるように超音波診断画像の表示を行うためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−105950(P2012−105950A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113053(P2011−113053)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】