説明

超音波診断装置

【課題】設置場所に制約を受けるような例えば手術室や処置室などでの使用に適するとともに、超音波診断装置によって検査等を行う術者の身体にかかる負担をなくし、さらに可搬性および汎用性を有する超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置は、一端側で表示手段を支持し装置本体に支持されかつ伸縮自在であるとともに伸縮されることにより装置本体と表示手段とを離隔または近接させる第1移動手段と、伸縮自在であって伸縮されることにより装置本体と操作手段とを離隔させ近接させる第2移動手段と、脚部を調節して装置本体の高さを調節する高さ調節手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波診断装置の技術に関し、特に、可搬性を有する超音波診断装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置(Ultrasound diagnostic equipment)は、被検体の体内組織の断層像、動きや血流などを表す超音波診断画像をリアルタイムで表示し、疾患の検査・診断を行うための装置である。超音波診断装置を用いることで、被検体に対する侵襲がほとんどなく、リアルタイムに被検体の体内組織を表示することができる。
【0003】
このような超音波診断装置は、超音波診断装置本体(筐体)、超音波プローブ、操作部および表示部等を備えて構成される。また一般的に、超音波診断装置における超音波診断装置本体には例えば底面にキャスタ等が設けられており、このキャスタ等によって超音波診断装置を移動させて使用することができる。
【0004】
また、この超音波診断装置によって生成された断層像等の超音波画像を参照し、被検体の診断・処置・手術(穿刺術等)などを行うにあたり、被検体を手術室や検査室の寝台に横臥させる場合や立位で検査を行う場合がある。
【0005】
図10は、従来の超音波診断装置と寝台との位置関係を示す図面である。図10に示すように従来、超音波診断装置によって横臥した被検体の超音波画像の収集を行う術者は、寝台305の側方から超音波プローブ303で被検体に超音波パルスを照射しつつ、超音波診断装置本体300に取り付けられたモニタ302を参照し、所望の位置に超音波プローブ303を移動させて検査を行っていた。また、このようにして超音波プローブ303を移動させつつ、超音波診断装置本体300における操作部301を操作し、例えばBモード・ドプラモードの切替や表示倍率の変更を行っていた。
【0006】
ただし、図10示すような従来の超音波診断装置では、検査スペースが比較的狭い場所で、超音波診断装置本体300が障害となって迅速な検査、手術等を行うことが困難になる。また、このように寝台305の側方に超音波診断装置本体300を配置することを前提として検査室、手術室等のスペースを確保しなければならなくなってしまう。
【0007】
この点、特許文献1に記載の超音波診断装置によれば、超音波診断装置本体をベッド下に収容させて、診断システムと検査ベッドを一体化することにより、超音波診断装置本体が障害となり、円滑な検査、手術を阻害する事態を回避することができる。
【0008】
また、当該特許文献1に記載の超音波診断装置では、超音波診断装置本体前部に取り付けられたモニタ(CRT)が傾倒や左右に回転することが可能で、術者(オペレータ)が見やすい位置に配置することが可能となる。また特許文献1に記載の操作部(キーボード)は支持腕に支持され、当該支持腕が超音波診断装置本体に設けられた支持柱を中心に回転するので、操作部も一定の範囲で移動させることができる。
【0009】
また、特許文献2に記載の超音波診断装置では、超音波診断装置における操作部や表示部、超音波プローブ、超音波診断装置本体を物理的に分離させつつ接続可能とすることにより、各ユニットごとに搬送することが可能である。また、当該特許文献2に記載の超音波診断装置は折り畳み可能な表示部(モニタ)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平2−121639号公報
【特許文献2】特開平9−285463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載された超音波診断装置では、寝台に横臥した被検体に対し超音波プローブを使用しながら操作部(操作パネル等)によって検査条件(表示倍率の変更等)の変更操作等を行う場合、術者に負担がかかる。すなわち図10に示すように術者に対する被検体の位置から所定角度ずれた位置に当該操作部が配置されるため、術者は自身の体をひねらなければならず、術者のひじ、肩、腰などに負担がかかるおそれがあり、ひいては術者に痛みを生じさせるおそれがあった。
【0012】
また、特許文献1に記載の超音波診断装置は、検査室の省スペース化に配慮されているものの、モニタやキーボードを支持する支持腕が超音波診断装置から突出しており、超音波診断装置の可搬性が考慮されているとは言い難く、汎用の超音波診断装置としては不向きなものであった。
【0013】
また、特許文献1に記載の超音波診断装置は、医療機関の施設内を自由に移動させるために運搬用の台車などを別に必要とし、さらに検査や手術等を行う場所で各ユニットを組立あるいは接続する作業が生じ煩雑である。また、寝台を用いない場合においては使用し難く、汎用性に乏しい。
【0014】
また、特許文献2に記載の超音波診断装置は、可搬性能に優れているものの、同一施設内で直ちに使用する際には、物理的に分離されたユニットそれぞれを組み合わせる作業が生じ、煩雑となるおそれがある。
【0015】
そこで本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであってその目的は、設置場所に制約を受けるような例えば手術室や処置室などでの使用に適するとともに、超音波診断装置によって検査等を行う術者の身体にかかる負担をなくし、さらに可搬性および汎用性を有する超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は被検体内の情報に基づいて超音波画像の生成を行う装置本体と、該超音波画像を表示する表示手段と、少なくとも該装置本体の操作に用いられる操作手段と、を有する超音波診断装置であって、一端側で前記表示手段を支持するとともに、前記一端に対する他端側で前記装置本体に支持されたアームを有しており、かつ該アームの少なくとも一部を移動させることにより該装置本体と該表示手段とを離隔させ、また近接させる第1移動手段と、前記装置本体を挟んで前記表示手段と略対向する位置に前記操作手段を保持し、かつ該装置本体に対し、該操作手段を離隔および近接させる方向に移動可能とする第2移動手段と、前記装置本体を支持する脚部と、前記脚部を前記装置本体の方向へ移動させることにより、前記装置本体の高さを横臥された前記被検体を支持する寝台より低くし、かつ該移動された該脚部の位置を復帰させることにより、該装置本体の高さを該寝台より高く調節することが可能な調節する高さ調節手段と、を備えたこと、を特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、高さ調節手段により脚部を移動させて装置本体の高さを調節することができ、例えば寝台に横臥している被検体の検査を行うにあたり、当該寝台の下に当該装置本体を配置することができる。さらに、第1移動手段により、寝台下に配置した装置本体から、表示手段を離隔させることができ、かつ第2移動手段により操作手段も装置本体から離隔させることができる。したがって表示手段および操作手段を、寝台に横臥された被検体を挟んで対向した位置に配置することができる。したがって、本発明の超音波診断装置によれば、装置本体の設置スペースを考慮しなくても設置でき、例えば設置場所に制約を受けるような手術室や処置室等での使用に適する。さらに、操作手段と表示手段との位置関係により、術者が体をひねる必要が無く、超音波診断装置によって検査等を行う術者の身体にかかる負担を軽減させることが可能となる。なおかつ、超音波診断装置を移動させる場合には、装置本体から離隔させた操作手段および表示手段の位置を装置本体側に近接させてから移動させることが可能である。また寝台に横臥した被検体以外の検査等を行う場合でも、操作手段および表示手段の位置を調整して使用することも可能である。すなわち本発明の超音波診断装置は可搬性および汎用性をも有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置の概略構成を示す概略側面図である。
【図2】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置の概略構成を示す概略ブロック図である。
【図3】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置の装置本体の内部構成を示す概略図である。
【図4】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置におけるアームおよび操作手段についての移動機構および駆動手段の概略構成を示す、超音波診断装置の概略断面図である。
【図5】(A)は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置のアームが延伸された状態を示す概略斜視図である。(B)は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置のアームが短縮された状態を示す概略斜視図である。
【図6A】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置のアームが短縮された状態におけるアーム移動手段を示す概略図である。
【図6B】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置のアームが延伸された状態におけるアーム移動手段を示す概略図である。
【図6C】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置のアームが延伸された状態におけるアーム移動手段を示す概略図である。
【図7】この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置の使用状態の一例を示す概略斜視図である。
【図8】この発明の第2実施形態にかかる超音波診断装置におけるアームおよびアーム収容孔の概略構成を示す概略断面図である。
【図9】この発明の実施形態の変形例にかかる超音波診断装置におけるアーム移動手段の概略構成を示す概略断面図である。
【図10】従来の超音波診断装置と寝台との位置関係を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の実施形態にかかる超音波診断装置について実施形態ごとに図面を参照して説明する。
【0020】
[第1実施形態]
(全体構成)
この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100の構成について、図1〜7を参照して説明する。まず図1および図2を参照して、超音波診断装置の概略について説明する。図1は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100の概略構成を示す概略側面図である。図2は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100の概略構成を示す概略ブロック図である。
【0021】
図1に示すように、第1実施形態にかかる超音波診断装置100は、装置本体101を有している。この装置本体101には、超音波の送波および受波を行うための超音波プローブ101aと、生成された超音波画像を表示する表示手段102と、検査条件の設定・変更等、装置本体101の操作に用いられる操作手段103と、表示手段102を保持するアーム104と、装置本体101を含む超音波診断装置100を移動可能とするキャスタ105〜108等が設けられている。また図2に示すように装置本体101は、被検体の体内情報に基づく電気信号の処理および当該電気信号に基づいて超音波画像を生成するための主制御部150、送信部151、受信部152、信号処理部153、および画像処理部154を備えて構成される。以下、超音波診断装置100の各部の概要について説明する。
【0022】
図2に示すように超音波プローブ101aは、超音波診断装置100の装置本体101の送信部151および受信部152に接続されている。また超音波診断装置100では、主制御部150に制御されて送信部151から接続リードを介して超音波プローブ101aにパルス電圧が送信される。超音波プローブ101aは、当該電気パルス電圧を受けて超音波パルスに変換して被検体に送波する。また超音波プローブ101aは、被検体の体内組織からの反射波を受けてそれを電気信号に変換し、受信部152に送信する。受信部152はその信号を受信すると信号処理部153に送信し、信号処理部153が信号処理を行う。信号処理部153は信号処理を行うと、画像処理部154に当該処理したデータを送信し、画像処理部154が被検体の体内組織を表す超音波画像(例えば断層像)データを生成する。
【0023】
装置本体101において画像データが生成されると、主制御部150が表示手段102に当該画像データを送信し、表示手段102に当該画像データにかかる当該被検体の断層像等の超音波画像を表示させる。この表示手段102としては例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等が用いられる。
【0024】
また、操作手段103は、図示しない静止画を表示させる操作を行うためのフリーズキー、表示倍率を変更するズームキー、各種選択に用いるトラックボール、その他フォーカスキー等、任意の操作デバイスを備えて構成される。なお、この操作手段103は上記構成に限られるものではなく、キーボードやタッチパネル等を用いてもよい。また、本実施形態における操作手段103は、側面において後述する操作手段収納部112に設けられたスライドレール112aに対してスライドする摺動部(不図示)が設けられている。さらに操作手段103の底面には、後述する操作手段収納部112の内部の底面に設けられたスイッチ112bを押下するための突部103aが設けられている。この突部103aとスイッチ112bとについては、後述する。
【0025】
(装置本体内部)
次に、図3および図4を参照して装置本体101の内部構造について説明する。図3は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100の装置本体101の内部構成を示す概略図である。また、図4は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100におけるアーム104および操作手段103についての移動機構および駆動手段の概略構成を示す、超音波診断装置の概略断面図である。なお図3においては、アーム収容孔111におけるアーム104のアーム移動手段111aおよびアーム回転手段111bと、操作手段収納部112におけるスライドレール112aおよびスイッチ112bについて、図示を省略している。また図3においては、アーム収容孔111におけるアーム104の伸縮部分104aについて概要を示している。この伸縮部分104aの詳細については図6A〜図6Cに示される。
【0026】
(アーム収容孔)
図3に示すように装置本体101の底面と略直交する側面には、アーム収容孔111が形成されている。このアーム収容孔111は、図3に示すように内部が空洞になっており、当該空洞は、長さ方向が当該側面と略直交するとともに当該底面と略平行となる。また後述するようにこのアーム収容孔111は、伸縮されるものであるが、表示手段102を保持するアーム104の伸縮部分104aおよび伸縮しない軸部分104bの双方を収容可能な大きさに形成されている。またこのアーム収容孔111は、アーム104の最も太い部分の外径より大きな径(または幅×高さ)を有している。
【0027】
またアーム収容孔111には、アーム104を伸縮させ、回転をさせる機構および駆動手段が設けられている。伸縮とは、例えば図3に示すL方向およびS方向への移動であり、S方向とは例えば、術者がいる操作手段103側の方向(正面方向)であり、またL方向とは正面の反対側である背面の方向である。言い換えれば装置本体101のアーム収容孔111の長さ方向をいう。また回転とは、例えば図3に示すX1方向およびX2方向における回転移動、すなわちアーム104の伸縮方向(図3のL−S方向)を軸としたアーム104および表示手段102の回転である。さらにアーム収容孔111に形成されたアーム104の伸縮・回転機構が設けられている。この伸縮・回転機構については図5および図6A〜図6Cを参照して、別途説明する。
【0028】
(操作手段収納部)
また、図3に示すように装置本体101には、アーム収容孔111が形成された側面と反対側の側面に操作手段103を収容可能に形成された操作手段収納部112が設けられている。この操作手段収納部112も内部が空洞となっており、当該空洞の長さ方向は、アーム収容孔111の長さ方向と略平行であり、また操作手段103のおよそ全体を収容可能な大きさに形成されている。
【0029】
また図4に示すように操作手段収納部112の底面と直交する側面には、操作手段103の摺動部(不図示)と係合し、当該操作手段103を操作手段収納部112から出し入れする方向にスライドさせるスライドレール112aが設けられている。このスライドレール112aは、操作手段収納部112の長さ方向および操作手段収納部112の底面と平行に設けられており、かつ図4には示されないが、操作手段103の両側面に形成された一対の摺動部(不図示)に対応する位置に対応して設けられている。また、図4に示すように操作手段収納部112における底面には、当該操作手段収納部112の開口より奥側において操作手段103のスライドによって突部103aに押下されるスイッチ112bが設けられている。このスイッチ112bが押下されるごとに、後述の検知手段160が信号を検知する。
【0030】
(キャスタ収納部)
図3および図4に示すように、超音波診断装置100における装置本体101の底面における四隅には、当該装置本体101の上面に向かってほぼ垂直にキャスタ105〜108を収納可能とする収納部113〜116が設けられている。収納部113〜116はそれぞれ、キャスタ105〜108それぞれのほぼ全体を収納可能な大きさに形成されている。また収納部113〜116は、キャスタ105〜108が収納部113〜116から排出された状態および収納された状態を切り替える切替機構(不図示)を有している。この切替機構には、図示しないロック手段が設けられており、当該ロック手段を解除することにより、キャスタ105〜108の当該切替操作が可能となる。この収納部113〜116にキャスタ105〜108を収納することにより、超音波診断装置100の装置本体101を例えば手術室の寝台(図7における符号200参照)の下に配置させることが可能となる。すなわち、例えば寝台200が、矩形の天板と、当該天板の四隅において床側の面から所定間隔を空けて当該天板を支持する支持脚とによって構成されている場合、装置本体101の上面の高さが、当該天板の下の床側の面(下面)より低くなる。これによって寝台200における、天板、支持脚および床面に囲われた収納空間に、超音波診断装置100の装置本体101を収納可能となる。結果として、超音波診断装置100の設置スペースを省略することが可能である。なお、本実施形態にかかるキャスタ105〜108は、本発明における「脚部」の一例に該当する。また、本実施形態にかかるキャスタ105〜108の収納状態の切替機構は、本発明における「高さ調節手段」の一例に該当する。
【0031】
(アーム)
次に、図5および図6A〜図6Cを参照して本実施形態にかかるアーム104の構成について説明する。図5(A)は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100のアーム104が延伸された状態を示す概略斜視図である。図5(B)は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100のアーム104が短縮された状態を示す概略斜視図である。図6Aは、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100のアーム104が短縮された状態におけるアーム移動手段111aを示す概略図である。図6Bは、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100のアーム104が延伸された状態におけるアーム移動手段111aを示す概略図である。図6Cは、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100のアーム104が延伸された状態におけるアーム移動手段111aを示す概略斜視図である。図4に示すように、アーム104はアーム収容孔111の長さ方向に伸縮される(図4のL−S方向)。このアーム104の伸縮は例えば次のような構成によって可能となる。
【0032】
図4および図5(A)に示すように、アーム104は略L字状に形成されており、アーム収容孔111の長さ方向における奥側に位置するテレスコープ型の伸縮部分104aと、当該伸縮部分104aの開口部側に接続され、かつ当該開口部側に位置する軸部分104bと、表示手段保持部104cを有している。伸縮部分104aは、図5(A)および図6A〜図6Cに示すように、アーム収容孔111の奥側から開口へ向かって段階的に内径および外径が大きくなる複数の円筒部材が連なって構成される。このうち最も小径の円筒部材は、図6Aおよび図6Bに示すようにアーム収容孔111の奥側に設けられたアーム回転手段111bに保持されている。なお本実施形態にかかる円筒部材は、本発明にかかる「筒体」の一例に該当する。また、本実施形態にかかる伸縮部分104aおよび軸部分104bは、本発明における「第1の軸」の一例に該当し、表示手段保持部104cは、本発明における「第2の軸」の一例に該当する。
【0033】
また図5(B)および図6Bに示すように、アーム104の伸縮部分104aにおける円筒部材は、それぞれアーム収容孔111の開口部側に隣接する円筒部材の内部に対して、その一部を収容可能である。また図5(A)および図6Bに示すように、開口部側に隣接する円筒部材の内部に対して、奥側に位置する円筒部材の一部を排出可能である。つまり、奥側に隣接する円筒部材の外径は開口部側に隣接する円筒部材の内径より細く形成されている。ただし、アーム104の伸縮部分104aにおける円筒部材は、それぞれ図6Aおよび図6Bに示すようにアーム収容孔111の開口部分側の端部がテーパ状に形成されているため、隣接する円筒部材同士が相互に外れないように構成されている。
【0034】
すなわち図6Aおよび図6Bに示すように、アーム104の伸縮部分104aの円筒部材におけるテーパ状の部分はその他の部分より外径が大きく、かつ当該開口部分側に隣接する円筒部材の開口の内径よりも大きく形成されている。したがって、アーム104の伸縮部分104aにおいて最も開口部側に位置する円筒部材が開口部側へ移動されても、当該テーパ部分が、開口部側に隣接する円筒部材の内部に当接するので、奥側に隣接する円筒部材の全体が、開口部側に隣接する円筒部材の内部から排出されず、円筒部材同士は相互に外れない。
【0035】
また、アーム104の伸縮部分104aにおける最も開口部側に位置する円筒部材には、伸縮しない軸部分104bに接続されている。この軸部分104bは、図4に示すように当該接続部分からアーム収容孔111の開口部へ向かって略直線状に形成されている。さらにアーム104には、当該アーム104の軸部分104bの当該開口部側の端部から、当該軸部分104bと略直交する方向に屈曲する表示手段保持部104cが設けられている。図5(A)および図5(B)に示すように表示手段保持部104cの屈曲方向における端部、すなわち軸部分104b側の端部と反対側において表示手段102を保持している。
【0036】
また、アーム104の最も開口部側に位置する円筒部材は、次に説明するアーム移動手段111aの固定手段111eにより、当該円筒部材の外周を覆うように保持される。この固定手段111eは、アーム104の回転時においては、当該円筒部材を解放し、非回転時においては当該円筒部材を締め付け固定する。この解放と固定との切替の制御については後述する。
【0037】
上記説明したアーム104の構成によれば、キャスタ105〜108が収納部113〜116に収納され、図4に示すように寝台200の下(収納空間)に装置本体101を配置した場合においても超音波診断装置100の表示手段102を閲覧することが可能となる。
【0038】
(アーム移動手段)
図4に示すように、アーム移動手段111aは、アーム収容孔111の底面において、当該アーム収容孔111の長さ方向に沿って設けられている。このアーム移動手段111aは、図6A〜図6Cに示すように、アーム104の伸縮部分104aにおける、アーム収容孔111の最も開口部側に位置する円筒部材を保持しつつ、当該円筒部分を当該開口部側、アーム収容孔111の奥側の間を往復移動(図3および図4のL−S方向)させるものである。このように当該円筒部分が往復移動することにより、アーム104の伸縮部分104aが延伸または短縮し、アーム104の軸部分104bが当該開口部から排出され、または収容される。
【0039】
伸縮部分104aを伸縮させるこのアーム移動手段111aとしては、例えば図6A〜図6Cに示すように、アーム収容孔111の底面にピニオンギア111cを配置するとともに、伸縮部分104aを保持するとともに当該ピニオンギア111cに噛合するラックギア111dを用いたラックアンドピニオンによることが可能である。すなわち、図6A〜図6Cに示すように、ラックギア111dには、アーム104の伸縮部分104aの開口部側の円筒部材を保持する固定手段111eが設けられている。また、図6Cに示すように、ラックギア111dに噛合するピニオンギア111cの中心には、当該ピニオンギア111cと直交する方向に接続された軸状のシャフト111fが設けられている。このシャフト111fが回転されることによりピニオンギア111cが回転される。
【0040】
また図6Cに示すように、シャフト111fにおけるピニオンギア111cと反対側の端部は、モータ111gに接続されている。このモータ111gは、装置本体101に設けられており、シャフト回転の駆動源となる。シャフト111fはこのモータ111gにより、正逆方向に回転される。つまり当該モータ111gが駆動されると、シャフト111fが回転され、それに連動してモータ111gの他端に固定されたピニオンギア111cが、シャフト111fを回転軸として正逆方向に回転する。このピニオンギア111cが回転されると、ピニオンギア111cと噛合されたラックギア111dが、ピニオンギア111cの回転する方向へ平行移動する。すなわち、アーム収容孔111の開口部側または奥側(図3および図4のL方向またはS方向)へラックギア111dが移動する。このラックギア111dの移動とともに固定手段111eが移動されることにより、アーム収容孔111の最も開口部側に位置する円筒部材が固定手段111eに保持されつつ、同じようにアーム収容孔111の開口部側または奥側(図3および図4のL方向またはS方向)移動される。なお、本実施形態にかかるアーム104およびアーム移動手段111aは、本発明における「第1移動手段」の一例に該当する。
【0041】
このようにして、アーム移動手段111aにより、アーム104の伸縮部分104aが伸縮されて、アーム104の軸部分104bが装置本体101のアーム収容孔111から排出され、または収容される。その結果、図5(A)、(B)に示すようにアーム104に保持された表示手段102が、アーム104とともに移動し、図1に示すように装置本体101に対して離隔または近接する方向に移動される。したがって術者は、図4に示すように寝台200の天板の下の収納空間に装置本体101を配置した場合においても、超音波診断装置100が表示手段102を、寝台200における天板の下の収納空間の外側へ移動させるので、寝台200に横臥した被検体ごしに表示手段102に表示された医用画像等を閲覧することが可能となる。
【0042】
(スイッチおよびアーム移動・回転制御)
次に図2〜図4を参照して、本実施形態にかかる超音波診断装置100の操作手段収納部112におけるスイッチ112bおよび、アーム移動制御について説明する。図4に示すように、装置本体101における操作手段収納部112の底面には、スイッチ112bが設けられている。また操作手段103には、当該操作手段収納部112の底面に対向する方向に突出する突部103aが設けられている。図4に示すように操作手段103が収納された状態から、スライドレール112aにガイドされて引き出されると、この突部103aが操作手段収納部112の底面におけるスイッチ112bに当接する。このように突部103aがスイッチ112bに当接した状態で、さらに操作手段103が操作手段収納部112の開口部側へ引き出されると、当該突部103aがスイッチ112bを押下する。
【0043】
図2に示すように、スイッチ112bは装置本体101の検知手段160に接続されている。このスイッチ112bが押下されるたびに、装置本体101の検知手段160は、信号を検知する。主制御部150は、検知手段160からスイッチ112bの押下に対応する信号を受け、当該信号に対応しアーム移動手段111aのモータ111gを駆動させる。例えば主制御部150は、スイッチ112bが押下されるたびに、検知手段160から信号を受け、モータ111gを制御してピニオンギア111cを前回の回転方向と逆の方向に回転させる。なお、本実施形態にかかるスイッチ112b、検知手段160、主制御部150およびアーム移動手段111aは、本発明における「連動手段」の一例に該当する。
【0044】
このようにして、本実施形態における超音波診断装置100では、操作手段103が操作手段収納部112から引き出され、または収納されるたびにスイッチ112bが押下され、主制御部150によりアーム104が伸縮される。したがって、操作手段103の引き出し、収納に連動してアーム104が伸縮され、表示手段102と装置本体101との位置関係を切り替えることが可能となる。したがって、超音波診断装置100の装置本体101が寝台200下に収納されているとき、一方の操作手段103が寝台200の天板の側方へ引き出されることによって、他方の表示手段102が装置本体101から寝台200の天板の反対側の側方へ伸長されるので、図7に示すように寝台200を挟んで操作手段103と表示手段102とが対向する位置に配置される。なお、本実施形態における超音波診断装置100では、スイッチ112bの押下を検知し、操作手段103の引き出し、収納に連動してアーム104が伸縮される構成であるが、本発明にかかる超音波診断装置はこれに限定されない。例えばスイッチ112bと検知手段160、操作手段103の突部103aや、アーム移動手段111aを含まない構成とし、表示手段102を手動で引き出す構成であってもよい。
【0045】
また、本実施形態における超音波診断装置100は、アーム収容孔111の長さ方向における奥側において、アーム104を保持しつつ回転させるアーム回転手段111bを有している。術者等が操作手段103を介してアーム104の回転操作を行うと、主制御部150は操作手段103の当該操作を受け、アーム回転手段111bの回転駆動の制御を行う。アーム回転手段111bは、モータを備えており、主制御部150の制御に応じてアーム104を保持しつつアーム104を回転させる(図3および図4のX1方向またはX2方向)。なお、本実施形態にかかるアーム回転手段111bは、本発明における「回転機構」の一例に該当する。
【0046】
このように本実施形態における超音波診断装置100では、表示手段102を使用しないとき、例えば超音波診断装置100の搬送時において、表示手段102を装置本体101から突出させない位置に回転移動させることにより、当該超音波診断装置100の搬送時に、搬送者の視界を遮らないようにすることができる。つまり当該超音波診断装置100の搬送を阻害する事態を回避することが可能となる。その結果、超音波診断装置100の可搬性を向上させることが可能となる。また、超音波診断装置100を寝台200の下に配置させる場合においては、一端、表示手段102を装置本体101から突出させない位置に回転移動させて、当該作業を簡易化することが可能となる。
【0047】
(使用状態)
次に、本実施形態にかかる超音波診断装置100により寝台200(図4・図7参照)に横臥した被検体の検査等を行うにあたり、装置本体101を寝台200の下に配置させる手順および、寝台200の下に配置された超音波診断装置100を用いた検査等の状態について図7を用いて説明する。図7は、この発明の第1実施形態にかかる超音波診断装置100の使用状態の一例を示す概略斜視図である。
【0048】
(ステップ1)
まずユーザは、手術室等に超音波診断装置100を搬送する際、操作手段103により表示手段102を装置本体101から突出させない位置に回転移動させる。すなわち操作手段103によりアーム104の回転操作がされると、主制御部150は当該操作に応じて、アーム回転手段111bを駆動させ、アーム104を回転させる。アーム104が回転されるとアーム104に保持された表示手段102が回転される。
【0049】
(ステップ2)
表示手段102が装置本体101から突出させない位置に回転移動され、手術室等に超音波診断装置100が搬送されると、次いでユーザは、キャスタ105〜108を収納部113〜116に収納させ、超音波診断装置100の高さを低くする。超音波診断装置100の高さが低められると、次いでユーザは、寝台200の天板の下の収納空間に当該超音波診断装置100を配置(収納)する。
【0050】
(ステップ3)
ユーザにより寝台200の天板の下の収納空間に当該超音波診断装置100が配置されると、次いでユーザは、装置本体101の操作手段収納部112に収納された操作手段103を引き出す。操作手段103が引き出されると、操作手段103の突部103aが操作手段収納部112底面のスイッチ112bを押下する。スイッチ112bが押下されると、検知手段160が検知し、さらに主制御部150が、検知手段160からの当該検知した旨の信号を受けてアーム移動手段111aを駆動させる。アーム移動手段111aが駆動されると、図6Aに示すアーム104が短縮された状態から、図6Bに示すアーム104が延伸された状態に移行する。その結果、アーム104の軸部分104bがアーム収容孔111から排出され、アーム104の表示手段保持部104cに保持された表示手段102が図1に示すように装置本体101から離隔される。
【0051】
(ステップ4)
ユーザにより表示手段102が装置本体101から離されると、次いでユーザは、操作手段103により表示手段102を装置本体101から突出させる位置に回転移動させる。当該アーム104の回転操作はステップ1と同様である。
【0052】
(作用・効果)
以上説明した第1実施形態にかかる超音波診断装置100の作用及び効果について説明する。
【0053】
ユーザによって、装置本体101の高さが低められて寝台200下の収納空間に収納された上で、操作手段103と表示手段102とが延伸され、さらに表示手段102が装置本体101から突出させる位置に回転移動されると、図7に示すように被検体の検査が可能な状態となる。このとき図7に示すように、表示手段102は、操作手段103側(正面)の術者等に対し、寝台200に横臥した被検体を挟んで反対側(背面)に配置されている。したがって、ユーザは超音波プローブ101a(図1参照)を被検体に当て、または操作手段103を操作しながら、超音波画像を参照することが可能である。結果として超音波画像の閲覧のために術者が表示手段102の方向へ体をひねる必要が無いので、超音波診断装置による検査等の効率を向上させることが可能であるとともに、検査等を行う術者の身体にかかる負担を軽減させることが可能となる。
【0054】
[第2実施形態]
(構成)
この発明の第2実施形態にかかる超音波診断装置100の構成について、図8を用いて説明する。図8は、この発明の第2実施形態にかかる超音波診断装置100におけるアーム104およびアーム収容孔111の概略構成を示す概略断面図である。
【0055】
図8に示すような第2実施形態にかかる超音波診断装置100においては、前述の第1実施形態と比較して、アーム104およびアーム収容孔111の構成が異なる。その他の部分は第1実施形態と同様である。以下、これらの異なる構成のみについて説明する。
【0056】
(アーム)
図8に示すように、第2実施形態にかかるアーム104は、伸縮部分がなく一様となっており、アーム104とアーム移動手段111aとがリードスクリューとして構成されている。すなわち、アーム104の外周面の少なくともアーム収容孔111の奥側に位置する部分、例えば第1実施形態における伸縮部分104aに対応する部分には、ネジ山が形成されている。また、アーム移動手段111aは、ナットとして形成されており、内周面は、アーム104のネジと螺合する。また、第2実施形態にかかるアーム収容孔111は、アーム104がアーム収容孔111から排出される分の長さを収容可能とするように、第1実施形態と比較して、長く形成される。
【0057】
また第2の実施形態において、アーム移動手段111aは、図示しないナットの回転駆動部を備えている。この回転駆動部は、第1実施形態と同様に、スイッチ112bの押下操作に応じて、主制御部150に制御されて、正逆方向に回転駆動される。
【0058】
以上説明した第2実施形態にかかる超音波診断装置100においても、操作手段103に対して表示手段102を寝台200に横臥した被検体を挟んで反対側に配置することができる。したがって、ユーザは超音波プローブ101aを被検体に当て、または操作手段103を操作しながら、超音波画像を参照することが可能である。結果として超音波画像の閲覧のために術者が表示手段102の方向へ体をひねる必要が無いので、超音波診断装置による検査等の効率を向上させることが可能であるとともに、検査等を行う術者の身体にかかる負担を軽減させることが可能となる。
【0059】
また、アーム回転手段111bや、収納部113〜116の構成により、可搬性を向上させることができ、また、横臥していない被検体の検査のときには、表示手段102の位置を切替えることにより、例えば立位状態の被検体にも対応することができ、超音波診断装置の汎用性を確保することができる。
【0060】
[変形例]
次に、上記説明した実施形態にかかる超音波診断装置の変形例について、以下に説明する。
【0061】
上記説明した第1実施形態にかかるアーム104は、伸縮部分104aがテレスコープ型伸縮機構であるように構成されているが、本発明はこの実施形態に限られず、例えば次のような構成であってもよい。
【0062】
すなわち、伸縮部分104aにおける複数の円筒部材をそれぞれ同径とし、この円筒部材の間を、両端がテーパ状となった軸部材を介して接続する構造であってもよい。この軸部材におけるテーパ部分の径は少なくとも、円筒部材の内径よりやや大きな径であるとするものとする。このようにして、隣接する円筒部材同士を相互に外れないように構成とすることも可能である。
【0063】
この場合、第1実施形態におけるアーム104より伸縮長さが短くなる、この変形例によれば、アーム104強度を向上させることが可能となる。
【0064】
また、上記説明した実施形態にかかるアーム104は、装置本体101に収容されるものであるが、本発明はこの実施形態に限られず、例えば次のような構成であってもよい。すなわち、アーム104を略L字形状とせず、略直線状であって、かつ上方(装置の底面を下方としたときの上方)に表示手段102を離隔させ、または近接させるものであってもよい。
【0065】
この変形例においても、操作手段103側(正面)の術者等に対し、表示手段102が寝台200に横臥した被検体を挟んで反対側(背面)に配置されている。したがって、ユーザは超音波プローブ101a(図1参照)を被検体に当て、または操作手段103を操作しながら、超音波画像を参照することが可能である。結果として超音波画像の閲覧のために術者が表示手段102の方向へ体をひねる必要が無いので、超音波診断装置による検査等の効率を向上させることが可能であるとともに、検査等を行う術者の身体にかかる負担を軽減させることが可能となる。
【0066】
また、上記説明した実施形態にかかるアーム移動手段111aは、装置本体101に収容されるものであるが、本発明はこの実施形態に限られず、例えば図9に示すような構成であってもよい。すなわち、図9に示すようにアーム移動手段111aは、ラックアンドピニオンによらず、一対のプーリおよびタイミングベルトによって構成されることも可能である。この構成において固定手段111eは、タイミングベルトに設けられる。また、シャフト111fは、一対のプーリの少なくとも一方を回転させる。
【0067】
この変形例においても、超音波診断装置による検査等の効率を向上させることが可能であるとともに、検査等を行う術者の身体にかかる負担を軽減させることが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
100 超音波診断装置
101 装置本体
101a 超音波プローブ
102 表示手段
103 操作手段
103a 突部
104 アーム
104a 伸縮部分
104b 軸部分
104c 表示手段保持部
105〜108 キャスタ
111 アーム収容孔
111a アーム移動手段
111b アーム回転手段
111c ピニオンギア
111d ラックギア
111e 固定手段
111f シャフト
111g モータ
112 操作手段収納部
112a スライドレール
112b スイッチ
113〜116 収納部
150 主制御部
151 送信部
152 受信部
153 信号処理部
154 画像処理部
160 検知手段
200 寝台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内の情報に基づいて超音波画像の生成を行う装置本体と、該超音波画像を表示する表示手段と、少なくとも該装置本体の操作に用いられる操作手段と、を有する超音波診断装置であって、
一端側で前記表示手段を支持するとともに、前記一端に対する他端側で前記装置本体に支持されたアームを有しており、かつ該アームの少なくとも一部を移動させることにより該装置本体と該表示手段とを離隔させ、また近接させる第1移動手段と、
前記装置本体を挟んで前記表示手段と略対向する位置に前記操作手段を保持し、かつ該装置本体に対し、該操作手段を離隔および近接させる方向に移動可能とする第2移動手段と、
前記装置本体を支持する脚部と、
前記脚部を前記装置本体の方向へ移動させることにより、前記装置本体の高さを横臥された前記被検体を支持する寝台より低くし、かつ該移動された該脚部の位置を復帰させることにより、該装置本体の高さを該寝台より高く調節することが可能な高さ調節手段と、を備えたこと、
を特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記高さ調節手段によって低くされた前記装置本体の高さは、前記寝台下の収納空間に対して該装置本体を収納可能とする高さであること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記装置本体が前記収納空間に収納され、かつ前記第1移動手段により前記表示手段が該装置本体から離隔され、かつ前記第2移動手段により前記操作手段が該装置本体から離隔されることにより、該表示手段と該操作手段とが前記寝台を挟んで対向した位置に配置されること、
を特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記第1移動手段における前記アームは、少なくとも一部が伸縮自在であるとともに、延伸されることにより前記装置本体と前記該表示手段とを離隔させ、また短縮されることにより該装置本体と該表示手段とを近接させること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記装置本体には、前記第1移動手段を収容する収容部が設けられており、かつ該収容部は内部において該第1移動手段を支持しており、
前記第1移動手段は複数の筒体を有するとともに、該筒体それぞれが隣接する筒体内を前記一端側または他端側に移動可能に構成されており、かつ該筒体が隣接する筒体に対して収容されることによって前記第1移動手段の長さが短縮され、かつ該筒体が隣接する筒体から排出されることによって前記第1移動手段の長さが延伸されること、
を特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記第1移動手段の前記アームの伸縮は、テレスコープ型伸縮機構によってなされること、
を特徴とする請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第1移動手段における前記アームは、前記操作手段から前記表示手段へ向かう方向と略同じ方向に長さ方向を有する第1の軸と、該第1の軸に直交する第2の軸を有して構成される略L字型に形成されていること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記表示手段は、前記第2の軸の前記他端側に保持されており、
前記第1移動手段の前記アームは、前記第1の軸および前記第2の軸のうち少なくともいずれか一方が伸縮されること、
を特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記装置本体に設けられ、前記第1移動手段の前記アームを、前記第1の軸を回転軸として回転させる回転機構をさらに備えたこと、
を特徴とする請求項7に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記装置本体に設けられ、前記第2移動手段の移動に連動して前記第1移動手段を駆動させる連動手段を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記寝台下の収納空間は、前記寝台における支持脚と天板とによって囲われた空間であること、
を特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項12】
前記高さ調節手段は、前記装置本体の高さを、天板及び支持脚を有する前記寝台の該天板の下面より低く調節可能であること、
を特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
前記第1移動手段は、前記操作手段から前記表示手段へ向かう方向と略直交する方向に該装置本体と該表示手段とを離隔させ、また近接させること、
を特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図8】
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【図10】
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【図3】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−269068(P2010−269068A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125231(P2009−125231)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】