超高分子量ポリエチレン物品および超高分子量ポリエチレン物品を形成する方法
本発明は移植可能な物品およびビタミンEで安定化された架橋された超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)ブレンドから移植可能な物品を形成する方法を提供する。架橋されたUHMWPEブレンドは、UHMWPE材料をビタミンEと混合した後、架橋を起こすのに十分な線量率でUHMWPEブレンドを電子線照射することによって調製されてよい。架橋されたUHMWPEブレンドは様々なインプラント、特に人工関節代替物、に組み込まれてよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
現在患者に移植される多くの内部人工器官関節代替品は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)材料またはブレンド上に関節をなす高度に研磨された金属またはセラミックス部品を含む。耐摩耗性および耐摩損性、摩擦係数、耐衝撃性、靭性、密度、生体適合性およびバイオスタビリティーは、UHMWPEをそのような移植に適切な材料とする性質の一部である。UHMWPEは長年にわたって移植に使用されてきたが、UHMWPEを組み込んだインプラントの磨耗および耐久性に対する興味は続いてきた。
【背景技術】
【0002】
UHMWPEインプラントの耐久性および他の物理的性質を改良するために採用される一つの方法は、そのようなインプラントを、例えばガンマ線照射または電子線照射など、照射に曝してUHMWPE内での架橋を引き起こすことであった。同様の照射源は流通前にUHMWPEインプラントを滅菌するためにも使用されてきた。
【0003】
UHMWPEインプラントを照射する利点はあるが、照射プロセスはUHMWPEインプラントにおける酸化速度の増加につながる可能性がある。特に、照射はフリーラジカルを生成することが示され、該フリーラジカルは酸素の存在下で反応してペルオキシラジカルを形成する。これらのフリーラジカルおよびペルオキシラジカルはポリエチレン主鎖と反応する可能性があり、また、互いに反応して酸化性分解生成物およびさらなるラジカル種を形成する可能性がある。酸化生成物およびラジカル種形成のこのサイクルは、インプラント内の酸化レベルの増加に伴って、数年にわたって(移植の前および後)起こる可能性がある。
【0004】
照射されたUHMWPE材料における酸化を低減するために使用されてきた一つの方法は、酸化サイクルを抑制するためにUHMWPE材料に安定化成分を添加することである。しかしながら、照射の前にUHMWPEに対して、例えばビタミンEなどの安定剤または安定化成分を添加すると、照射の間架橋に対して悪影響を及ぼすことが示されてきた。Parthら、“Studies on the effect of electron beam radiation on the molecular structure of ultra−high molecular weight polyethylene under the influence of α−tocopherol with respect to its applicaion in medical implants,”Journal of Materials Science:Materials In Medicine,13(2002),pgs.917−921を参照されたい。
【特許文献1】国際公開第2004/101009号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0156879号明細書
【特許文献3】米国特許第6,448,315号明細書
【特許文献4】米国特許第6,277,390号明細書
【特許文献5】米国特許第6,641,617号明細書
【特許文献6】米国特許第6,853,772号明細書
【非特許文献1】Journal of Materials Science:Materials In Medicine,13(2002),pgs.917−921
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、成形および照射の後の拡散によってUHMWPE材料に対して安定剤を添加することが提案された。例えば、国際公開第2004/101009号パンフレットを参照されたい。しかしながら、照射後の安定剤の添加には幾つかの制限がある。例えば、ビタミンEの拡散は、照射前に混合する場合と比較して、UHMWPEにおける安定剤の分散の均一度を低くする可能性がある。ビタミンEの拡散は、ビタミンEを添加する前の架橋を起こすための照射段階およびその後ビタミンEを添加した後のインプラントを消毒するための照射段階といった、別個の照射段階を必要とする可能性もある。
【0006】
したがって、これらの制限の一つまたはそれ以上を克服する、インプラント物品で使用するための架橋されたUHMWPE材料を形成する方法を提供することには利益があるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実施形態において、本発明は架橋された超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)ブレンドから形成されたインプラント可能な物品を提供する。架橋されたUHMWPEブレンドは、UHMWPE材料と、例えばビタミンEおよびここで報告される他の任意のUHMWPEブレンドを形成するための添加剤などの安定剤とを混合することによって、およびその後UHMWPEブレンドを、例えば電子線照射などの適切な照射源によって架橋を引き起こすのに十分な照射線量率で照射することによって調製されてよい。その結果得られる架橋されたUHMWPEブレンドはスウェル比が約4未満であってよく、ブレンドから形成された物品の少なくとも表面領域内部に少なくとも約0.02w/w%のビタミンEが均一に分散されている。この発明によると、ビタミンEは物品の表面から少なくとも約5mmの深さまで均一に分散されてよい。本発明の架橋されたUHMWPEブレンドは様々なインプラント内部に、特に内部人工器官関節代替品に、組み込まれてよい。
【0008】
UHMWPEは半結晶質の、エチレンの線形ホモポリマーであって、低圧(6−8bar)および低温(66−80℃)においてZiegler−Natta触媒を用いた立体特異的重合によって製造することができる。初期のUHMWPEの合成は、微細な粉末状のパウダーをもたらす。分子量およびその分布は、温度、時間および圧力などのプロセスパラメータによって制御され得る。UHMWPEは一般的には少なくとも約2,000,000g/molの分子量を有する。
【0009】
本発明において原材料として使用するのに適切なUHMWPEはパウダーまたはパウダーの混合物の形態であってよい。UHMWPE材料はほぼ全てUHMWPEパウダーから調製されてよく、またはUHMWPEパウダーを他の適切なポリマー材料と混合することによって形成されてよい。一つの実施形態において、UHMWPE材料は少なくとも約50w/w%のUHMWPEを含んでよい。適切なUHMWPE材料の例としては、Ticona Engineering Polymersから入手可能なGUR 1020およびGUR 1050が挙げられる。UHMWPEと組み合わせて使用するのに適切なポリマー材料は、非絡み合い(disentangle)ポリエチレン、高圧結晶化ポリエチレンおよび様々な他の「超靭性」ポリエチレン誘導体を含んでよい。さらに、生体適合性の非ポリエチレンポリマーも、ある実施形態において使用するのには適切である可能性がある。
【0010】
UHMWPE材料に適切な添加剤としては、照射線不透過性材料、銀イオンなどの抗菌性材料、抗細菌性材料、および様々な機能を有するミクロ粒子および/またはナノ粒子が挙げられる。保存剤、着色剤および他の従来の添加剤も使用されてよい。
【0011】
UHMWPEに添加する適切な安定剤は、一般的に、UHMWPEの照射によって起こる酸化サイクルを、少なくとも部分的に、阻害するため、UHMWPE材料に対する有効量が添加され得る材料を含む。ビタミンEは、本発明の実施形態において使用するのに特に適切である。ここで、「ビタミンE」は一般的にα−トコフェロールを含むトコフェロール誘導体を示す。他の適切な安定剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンなどのフェノール抗酸化剤、およびアスコルビン酸を含んでよい。
【0012】
ビタミンE安定剤およびUHMWPE材料は多くの既知のプロセスによって混合され、UHMWPEブレンドを形成してよい。そのようなプロセスは物理的混合、溶媒を用いた混合、超臨界温度および圧力条件下における溶媒(例えば、CO2)を用いた混合および超音波混合を含む。これらのタイプの適切な混合プロセスは例えば米国特許第6,448,315号明細書および米国特許第6,277,390号明細書にも記述され、それらの開示は参照としてここに組み込まれる。一つの実施形態において、ビタミンEはエタノールに溶解され、混合の間、パウダー状のUHMWPE材料に滴状に添加される。その後エタノールは真空乾燥器または同様の装置を用いて除去されてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1A−1Cおよび2A−2Bは、本発明の実施形態によるUHMWPEからインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。インプラントを処理する一般的な段階は、UHMWPEブレンドを固化/圧縮する段階、UHMWPEブレンドを架橋する段階、圧縮したUHMWPEブレンドからインプラントを製造する段階、インプラントを包装する段階、および包装されたインプラントを消毒する段階を含む。図1A−1Cおよび2A−2Bに示されるように、これらの段階は様々な順序で、複数の段階で、または本発明の実施形態にしたがって同時に実行されてよい。
【0014】
UHMWPEブレンドは、まず、人工器官装置または他のインプラントとして(またはその一部として)使用するのに適切な形態に固化および/または圧縮されてよい。適切な圧縮および/または固化技術は、例えば、圧縮成形、ダイレクト圧縮成形、熱間静水圧プレス成形、ラム押出、高圧結晶化、射出成形、焼結またはUHMWPEを圧縮および/または固化する他の従来法を含む。必要に応じて、圧縮/固化されたUHMWPEブレンドは、粉砕、加工、ドリリング、カッティング、他の構成要素との結合、および/またはUHMWPEからインプラントを製造するために従来使用された他の製造段階若しくは予備製造段階によって、さらに処理または製造されてよい。
【0015】
上述のインプラントを処理する前および/または後に、UHMWPEブレンドは、高照射線量および/または照射線量率で照射に曝露することによって架橋され、架橋されたUHMWPEブレンドを形成してよい。ひとつの実施形態において、UHMWPEブレンドは、少なくとも約25kiloGreyの線量で、より詳細には少なくとも約80kiloGreyの線量で、さらに詳細には少なくとも約95kiloGreyで電子線照射に曝されてよい。他の実施形態において、UHMWPEブレンドは1時間あたり少なくとも1MegaGreyの線量率で、より詳細には1時間あたり少なくとも約15MegaGreyで、さらに詳細には1時間あたり少なくとも約18MegaGreyで照射に曝されてよい。ある実施形態では、望ましい照射線量は高い線量率で単一の曝露段階において達成されてよい。他の実施形態では、UHMWPEブレンドを所望の照射線量に曝すために一連の高線量率照射段階が用いられてよい。
【0016】
ある実施形態では、照射源は電子線照射である。電子線照射曝露は従来入手可能な電子線加速器を用いて実行されてよい。そのような加速器の商業的供給源の一つは、ベルギーのIBA Technologies Groupである。適切な加速器は約2から約50MeVの間、より詳細には約10MeVの電子線エネルギーを提供してよく、一般的にはここに記述される一つ以上の照射線量および/または照射線量率を達成することができる。電子線曝露は一般的に、例えばアルゴン、窒素、真空または脱酸素雰囲気を含む、不活性雰囲気で行なわれてよい。曝露は一つの実施形態によると周囲条件下の空気内で実施されてもよい。ガンマ線およびx線照射も本発明の他の実施形態において使用に適する可能性がある。本発明が必要とするものは、必ずしも照射源の特定のタイプに制限されない。
【0017】
任意に、電子線照射の前および/または後に、UHMWPEブレンドは一つ以上の温度処理を受けてよい。一つの実施形態において、UHMWPEブレンドは室温よりも高い温度、より詳細には約100℃よりも高い温度、さらに詳細には約120℃から130℃の間、に加熱されてよい。Merrilらの米国特許第6,641,617号明細書はそのような温度処理段階を利用する方法を詳細に報告しており、参照のためここに組み込まれる。他の実施形態において、UHMWPEブレンドは室温に保たれてよく、または例えばUHMWPEブレンドのガラス転移温度よりも低い温度など、室温よりも低く冷却されてもよい。照射後、架橋されたUHMWPEブレンドは最高約200℃の温度で最高約72時間、より詳細には約150℃で約5時間、アニールされてよい。その代わりに、またはそれに加えて、架橋されたUHMWPEブレンドに対して、参照としてここに組み込まれるMuratogluらの米国特許第6,853,772号明細書に報告される、機械的なアニーリングプロセスを実施してよい。しかしながら、ある実施形態において、照射前または照射後の温度処理および/またはアニーリング処理は実施されない。
【0018】
インプラント製造工程の一部として、ここで報告される工程の間いつでもさらなるコンポーネントがUHMWPEブレンドと組み合わせられてよい。ある実施形態において、例えば金属および/またはセラミックスの関節コンポーネントおよび/または予め組み立てられたバイポーラーコンポーネントなどのトライボロジーコンポーネントが、UHMWPEブレンドと結合されてよい。他の実施形態において、金属の支持(例えば板またはシールド)が加えられてよい。さらなる実施形態において、柱状金属、繊維状金属、ビート(beats)、Sulmesh(登録商標)コーティング、メッシュ、網目状チタンおよび/または金属若しくはポリマーコーティングなどの表面コンポーネントが、UHMWPEブレンドに加えられて、または結合されてよい。さらには、タンタル、鋼材および/またはチタンボール、ワイヤ、ボルトまたはペグなどのラジオマーカー(radiomarkers)またはラジオパシフィア(radiopacifiers)が加えられてよい。さらには、リング、ボルト、ペグ、スナップおよび/またはセメント/接着剤などの固定機能が加えられてよい。これら追加のコンポーネントが使用されて、サンドイッチ型のインプラント設計、ラジオマークされたインプラント、骨との直接の接触を防ぐ金属下地インプラント、有効な成長表面、および/または固定機能を有するインプラントを形成してよい。
【0019】
様々なインプラント、特に内部人工器官関節代替品、はここで報告される方法を用いて調製されてよい。そのようなインプラントの例としては、人工股関節および人工膝、人工股関節および人工膝のためのカップまたはライナー、背骨代替板(spinal replacement disks)、人工肩、肘、足、足首および指関節、下顎、および人工心臓のベアリングが挙げられる。
【0020】
インプラントの製造が完了した後、それは包装され、流通前に消毒される。包装は、一般的に、ガス透過性包装材または低酸素雰囲気を利用するバリア包装材のどちらかを用いて行なわれてよい。UHMWPEブレンド内のビタミンEの存在により酸化サイクルが阻害されるため、従来のガス透過性包装材は本発明の実施形態において適切であるかもしれない。不活性ガスを満たした(例えばアルゴン、窒素、脱酸素剤)バリア包装材も適切である。
【0021】
図1A−1Cおよび2A−2Bに示すように、消毒は、UHMWPEブレンドの架橋の間照射に曝露することによって、または別個の処理段階の一部として、のどちらかによって行なわれてよい。ガスプラズマ消毒、エチレンオキシド消毒、ガンマ線照射消毒および電子線照射消毒を含む従来からの消毒技術が複数存在する。図1A、1Cおよび2Bで説明される実施形態において、架橋は包装よりも前に実施される。図1Bおよび2Aにおいて説明される実施形態において、消毒および架橋はインプラントを包装した後単一の段階で電子線照射することによって実行される。
【0022】
消毒は一般的に包装のあとで行なわれる。ある実施形態では、消毒は架橋と同じときに行なわれ、したがって電子線照射を利用する。架橋が消毒よりも前に行なわれる実施形態において、さらなる適切な消毒方法はガンマ線照射(不活性または空気中のどちらかで)、ガスプラズマ曝露またはエチレンオキシド曝露を含む。
【0023】
以下に説明される実施例でさらに例示されるように、本発明の実施形態により製造された架橋されたUHMWPEブレンドは、幾つかの長所を有する可能性がある。明白に、安定化されていないUHMWPE材料と比較したとき、そのようなブレンドは低い酸化レベルを示し、一方で適切な架橋レベルを示す。高い照射線量または一連の高い照射線量率を、少なくとも部分的に用いることは、UHMWPEブレンドの改良された架橋密度に寄与し、それは安定化UHMWPEを照射する場合には適切な架橋密度の達成が困難であることを示す従来技術の報告とは正反対の結果である。
【0024】
また、そのようなUHMWPEブレンドは少なくともブレンドの表面領域においてビタミンEの分布が一般的に均一であってよい。ここで、「表面領域」という用語は、ブレンドの表面からある深さまでまたは様々な深さまで広がる架橋されたUHMWPEブレンドの領域を指す。例えば、ある実施形態の架橋されたUHMWPEブレンドから形成されたインプラントは、少なくとも3mm、より詳細には少なくとも5mmの表面深さまで、ビタミンEの実質的に均一な分布を示す可能性がある。他の実施形態では、少なくとも10mm、より詳細には少なくとも15mm、さらに詳細には少なくとも20mmの表面深さまで、実質的に均一なビタミンEの分布を示す可能性がある。さらなる実施形態において、UHMWPEブレンドはブレンド全体にわたって実質的に均一なビタミンEの分布を示す可能性がある
【0025】
[例]
表1はサンプルA〜Iの処理パラメータを説明する。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に説明されるように、商品名GUR1020およびGUR1050のUHMWPEパウダーは、Ticona GmbH、FrankfurtMain、DEから入手可能である。サンプルC、DおよびF−Hで使用されたビタミンEは、DSM Nutritional Products AG、Basel、Switzerlandから入手したα−トコフェロールであった。
【0028】
サンプルC、DおよびF−Hに関して、α−トコフェロールは濃度50g/lでエタノールに溶解され、Nauta−Vriecoブランドスクリュー−コーンミキサーを用いて滴状でUHMWPEに混合された。その後エタノールは50℃において6時間真空乾燥器内でUHMWPEブレンドから除去され、α−トコフェロールの濃度が約0.1w/w%であるUHMWPEブレンドが得られた。その後結果として得られたUHMWPEブレンドは7時間220℃および35barにおいて焼結され、厚さ60mmおよび直径600mmのUHMWPEの板が作製された。UHMWPEブレンド内のα−トコフェロールの均一性は標準的なHPLC法によって測定され、所望する含有量からのずれが最高+/−2%であることがわかった。
【0029】
サンプルA、DおよびHはCo60照射源を利用するStuder IR−168 Gamma Irradiatorを用いて照射された。サンプルE〜GおよびIは、IBA SA、Louvain−La−Neuveから入手可能な10MeV Rhodotron電子加速器を用いて120kWの電力設定で照射された。
【0030】
[結果]
図3は非安定化ポリエチレンとビタミンEで安定化されたポリエチレンブレンドのスウェル比を対比して説明する折れ線グラフを示す。スウェル比は特定の材料の架橋密度の有効な指標である。特に、スウェル比が低いことは架橋レベルが高いことの指標であり、その逆もまた同様である。スウェル比はASTM F2214−02に従って測定された。詳細には、サンプルH、F、GおよびEの各々4−6mmの立方体が25℃においてo−キシレンで満たされた容器内に配置され、動的機械分析装置(Perkin Elmerから入手されたDMA、DMA 7e)内に10分間配置された。第1のサンプル高さ(H0)が各サンプルに関して測定された。その後サンプルは5K/minの速度で保持温度130℃まで加熱された。次いで第2のサンプル高さ(Hf)が130℃で120分後に測定された。そしてスウェル比が以下の式に従って計算された。
qs=(Hf/H0)3
【0031】
低い位置の平坦なラインに関するデータ点は非安定化UHMWPE(照射線量率89kGyでのASTM F2214−02において研究室間比較から得られた)および非安定化サンプルEに関するスウェル比標準を含む。これらのデータ点は、線量率が架橋密度に対して実質的に影響を与えないことを示す。上方の下向きのラインに関するデータ点はサンプルH、FおよびGを含む。明白に、サンプルFおよびGに関して使用された増加された照射線量率が、サンプルHと比較したとき、スウェル比の低下を、結果的には架橋密度の増加をもたらしている。
【0032】
図4A−4CはサンプルB、C、およびE−Hの幾つかの性質を説明する三つの棒グラフである。図4Aはサンプルのトランス−ビニレンインデックス(TVI)レベルを説明する棒グラフである。TVIはMuratogluらの“Identification and quantification of irradiation in UHMWPE through trans−vinylene yield”に記載された方法によって測定された。TVIレベルはUHMWPEの照射吸収効率の指標である。図4Aは、照射前に予熱され照射後にアニールされたサンプルEおよびFが、他のサンプルと比較して高い照射吸収効率を有していたことを示す。
【0033】
図4Bは図4Aに報告されたものと同じサンプルのスウェル比を説明する棒グラフである。明白に、ガンマ線照射されたサンプルHは電子線照射されたサンプルE、FおよびGと比較して高いスウェル比(したがって、低い架橋密度)を示す。
【0034】
図4Cは図4Aに報告されるものと同じサンプルの溶解成分の棒グラフである。溶解成分はサンプル中の完全に架橋した材料の割合を示す。各サンプルの溶解成分はASTM2765−01に従って測定された。詳細には、パウダー状にされたUHMWPEはサンプル表面の下方10mmの位置からラスピング法によって取得された。その後サンプルはワイヤメッシュ内で重量を測定され、キシレン中で12時間バックフラックスされた(backfluxed)。バックフラックスの後、残存するゲル部分は真空炉内に配置され、140℃の温度で、200mbar未満の圧力で乾燥され、再度重量を測定する前に乾燥剤中で調製された。結果として得られるゲル部分および溶解部分は前記手順前後のサンプルの重量を測定することによって計算された。ガンマ線照射されたサンプルHは、電子線照射されたサンプルE、FおよびGと比較して高い溶解成分を示した。
【0035】
図5はサンプルC、F、GおよびHの表面からの様々な深さにおけるビタミンE含量を示す折れ線グラフである。図5は、少なくとも測定された深さ20mmまでの表面領域において、各々のサンプルで均一なビタミンE濃度が保持されることを示す。このビタミンEの均一な分布は、米国特許出願公開第2004/0156879号明細書に報告される従来技術図6(拡散したビタミンEサンプルのビタミンE指標が、深さの増加に伴って徐々に減少する)と比較されるとき、特に明白である。
【0036】
図7はサンプルE、F、GおよびHの酸化レベルを説明する折れ線グラフである。明白に、サンプル材料の表面からのある深さにおける酸化レベルは、サンプルGおよびF(電子線照射された)と比較して、サンプルE(ビタミンEを含まない)およびサンプルH(ガンマ線照射された)において高い。
【0037】
図8−10はサンプルA、D、E、F、G、HおよびIの様々な機械的性質を説明する一連の棒グラフである。図8は各サンプルの機械的強度を説明し、サンプルE、FおよびIで利用された予備加熱およびアニーリング処理法が、サンプルGおよびHで使用された冷照射法と比較して機械的強度を若干低下させたことを概略的に示す。図9は各サンプルの破断点の伸びパーセントを説明する。図10はシャルピー衝撃スケール(kJ/m2)に基づく各サンプルの衝撃強度を説明し、ビタミンEの存在が架橋されたUHMWPEの衝撃強度を増加することを概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】本発明の実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図1B】本発明の実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図1C】本発明の実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図2A】本発明のさらなる実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図2B】本発明のさらなる実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図3】実施例で記述される、様々な照射線量率における、幾つかのUHMWPEサンプルのスウェル比を説明する折れ線グラフである。
【図4A】幾つかのUHMWPEサンプルのTVI(4A)を説明する棒グラフである。
【図4B】幾つかのUHMWPEサンプルのスウェル比(4B)を説明する棒グラフである。
【図4C】幾つかのUHMWPEサンプルの溶解成分(4C)を説明する棒グラフである。
【図5】幾つかのUHMWPEサンプルの深さの範囲におけるビタミンEの濃度を説明する折れ線グラフである。
【図6】米国特許出願公開第2004/0156879号明細書にしたがって調製されたサンプルのビタミンE指標を示す従来技術の折れ線グラフである。
【図7】様々な深さにおける幾つかのUHMWPEサンプルの酸化レベルを示す折れ線グラフである。
【図8】幾つかのUHMWPEサンプルの引張強度を示す棒グラフである。
【図9】幾つかのUHMWPEサンプルの破断点における伸びパーセントを示す棒グラフである。
【図10】幾つかのUHMWPEサンプルのシャルピー衝撃強度を示す棒グラフである。
【技術分野】
【0001】
現在患者に移植される多くの内部人工器官関節代替品は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)材料またはブレンド上に関節をなす高度に研磨された金属またはセラミックス部品を含む。耐摩耗性および耐摩損性、摩擦係数、耐衝撃性、靭性、密度、生体適合性およびバイオスタビリティーは、UHMWPEをそのような移植に適切な材料とする性質の一部である。UHMWPEは長年にわたって移植に使用されてきたが、UHMWPEを組み込んだインプラントの磨耗および耐久性に対する興味は続いてきた。
【背景技術】
【0002】
UHMWPEインプラントの耐久性および他の物理的性質を改良するために採用される一つの方法は、そのようなインプラントを、例えばガンマ線照射または電子線照射など、照射に曝してUHMWPE内での架橋を引き起こすことであった。同様の照射源は流通前にUHMWPEインプラントを滅菌するためにも使用されてきた。
【0003】
UHMWPEインプラントを照射する利点はあるが、照射プロセスはUHMWPEインプラントにおける酸化速度の増加につながる可能性がある。特に、照射はフリーラジカルを生成することが示され、該フリーラジカルは酸素の存在下で反応してペルオキシラジカルを形成する。これらのフリーラジカルおよびペルオキシラジカルはポリエチレン主鎖と反応する可能性があり、また、互いに反応して酸化性分解生成物およびさらなるラジカル種を形成する可能性がある。酸化生成物およびラジカル種形成のこのサイクルは、インプラント内の酸化レベルの増加に伴って、数年にわたって(移植の前および後)起こる可能性がある。
【0004】
照射されたUHMWPE材料における酸化を低減するために使用されてきた一つの方法は、酸化サイクルを抑制するためにUHMWPE材料に安定化成分を添加することである。しかしながら、照射の前にUHMWPEに対して、例えばビタミンEなどの安定剤または安定化成分を添加すると、照射の間架橋に対して悪影響を及ぼすことが示されてきた。Parthら、“Studies on the effect of electron beam radiation on the molecular structure of ultra−high molecular weight polyethylene under the influence of α−tocopherol with respect to its applicaion in medical implants,”Journal of Materials Science:Materials In Medicine,13(2002),pgs.917−921を参照されたい。
【特許文献1】国際公開第2004/101009号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0156879号明細書
【特許文献3】米国特許第6,448,315号明細書
【特許文献4】米国特許第6,277,390号明細書
【特許文献5】米国特許第6,641,617号明細書
【特許文献6】米国特許第6,853,772号明細書
【非特許文献1】Journal of Materials Science:Materials In Medicine,13(2002),pgs.917−921
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、成形および照射の後の拡散によってUHMWPE材料に対して安定剤を添加することが提案された。例えば、国際公開第2004/101009号パンフレットを参照されたい。しかしながら、照射後の安定剤の添加には幾つかの制限がある。例えば、ビタミンEの拡散は、照射前に混合する場合と比較して、UHMWPEにおける安定剤の分散の均一度を低くする可能性がある。ビタミンEの拡散は、ビタミンEを添加する前の架橋を起こすための照射段階およびその後ビタミンEを添加した後のインプラントを消毒するための照射段階といった、別個の照射段階を必要とする可能性もある。
【0006】
したがって、これらの制限の一つまたはそれ以上を克服する、インプラント物品で使用するための架橋されたUHMWPE材料を形成する方法を提供することには利益があるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの実施形態において、本発明は架橋された超高分子量ポリエチレン(「UHMWPE」)ブレンドから形成されたインプラント可能な物品を提供する。架橋されたUHMWPEブレンドは、UHMWPE材料と、例えばビタミンEおよびここで報告される他の任意のUHMWPEブレンドを形成するための添加剤などの安定剤とを混合することによって、およびその後UHMWPEブレンドを、例えば電子線照射などの適切な照射源によって架橋を引き起こすのに十分な照射線量率で照射することによって調製されてよい。その結果得られる架橋されたUHMWPEブレンドはスウェル比が約4未満であってよく、ブレンドから形成された物品の少なくとも表面領域内部に少なくとも約0.02w/w%のビタミンEが均一に分散されている。この発明によると、ビタミンEは物品の表面から少なくとも約5mmの深さまで均一に分散されてよい。本発明の架橋されたUHMWPEブレンドは様々なインプラント内部に、特に内部人工器官関節代替品に、組み込まれてよい。
【0008】
UHMWPEは半結晶質の、エチレンの線形ホモポリマーであって、低圧(6−8bar)および低温(66−80℃)においてZiegler−Natta触媒を用いた立体特異的重合によって製造することができる。初期のUHMWPEの合成は、微細な粉末状のパウダーをもたらす。分子量およびその分布は、温度、時間および圧力などのプロセスパラメータによって制御され得る。UHMWPEは一般的には少なくとも約2,000,000g/molの分子量を有する。
【0009】
本発明において原材料として使用するのに適切なUHMWPEはパウダーまたはパウダーの混合物の形態であってよい。UHMWPE材料はほぼ全てUHMWPEパウダーから調製されてよく、またはUHMWPEパウダーを他の適切なポリマー材料と混合することによって形成されてよい。一つの実施形態において、UHMWPE材料は少なくとも約50w/w%のUHMWPEを含んでよい。適切なUHMWPE材料の例としては、Ticona Engineering Polymersから入手可能なGUR 1020およびGUR 1050が挙げられる。UHMWPEと組み合わせて使用するのに適切なポリマー材料は、非絡み合い(disentangle)ポリエチレン、高圧結晶化ポリエチレンおよび様々な他の「超靭性」ポリエチレン誘導体を含んでよい。さらに、生体適合性の非ポリエチレンポリマーも、ある実施形態において使用するのには適切である可能性がある。
【0010】
UHMWPE材料に適切な添加剤としては、照射線不透過性材料、銀イオンなどの抗菌性材料、抗細菌性材料、および様々な機能を有するミクロ粒子および/またはナノ粒子が挙げられる。保存剤、着色剤および他の従来の添加剤も使用されてよい。
【0011】
UHMWPEに添加する適切な安定剤は、一般的に、UHMWPEの照射によって起こる酸化サイクルを、少なくとも部分的に、阻害するため、UHMWPE材料に対する有効量が添加され得る材料を含む。ビタミンEは、本発明の実施形態において使用するのに特に適切である。ここで、「ビタミンE」は一般的にα−トコフェロールを含むトコフェロール誘導体を示す。他の適切な安定剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンなどのフェノール抗酸化剤、およびアスコルビン酸を含んでよい。
【0012】
ビタミンE安定剤およびUHMWPE材料は多くの既知のプロセスによって混合され、UHMWPEブレンドを形成してよい。そのようなプロセスは物理的混合、溶媒を用いた混合、超臨界温度および圧力条件下における溶媒(例えば、CO2)を用いた混合および超音波混合を含む。これらのタイプの適切な混合プロセスは例えば米国特許第6,448,315号明細書および米国特許第6,277,390号明細書にも記述され、それらの開示は参照としてここに組み込まれる。一つの実施形態において、ビタミンEはエタノールに溶解され、混合の間、パウダー状のUHMWPE材料に滴状に添加される。その後エタノールは真空乾燥器または同様の装置を用いて除去されてよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1A−1Cおよび2A−2Bは、本発明の実施形態によるUHMWPEからインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。インプラントを処理する一般的な段階は、UHMWPEブレンドを固化/圧縮する段階、UHMWPEブレンドを架橋する段階、圧縮したUHMWPEブレンドからインプラントを製造する段階、インプラントを包装する段階、および包装されたインプラントを消毒する段階を含む。図1A−1Cおよび2A−2Bに示されるように、これらの段階は様々な順序で、複数の段階で、または本発明の実施形態にしたがって同時に実行されてよい。
【0014】
UHMWPEブレンドは、まず、人工器官装置または他のインプラントとして(またはその一部として)使用するのに適切な形態に固化および/または圧縮されてよい。適切な圧縮および/または固化技術は、例えば、圧縮成形、ダイレクト圧縮成形、熱間静水圧プレス成形、ラム押出、高圧結晶化、射出成形、焼結またはUHMWPEを圧縮および/または固化する他の従来法を含む。必要に応じて、圧縮/固化されたUHMWPEブレンドは、粉砕、加工、ドリリング、カッティング、他の構成要素との結合、および/またはUHMWPEからインプラントを製造するために従来使用された他の製造段階若しくは予備製造段階によって、さらに処理または製造されてよい。
【0015】
上述のインプラントを処理する前および/または後に、UHMWPEブレンドは、高照射線量および/または照射線量率で照射に曝露することによって架橋され、架橋されたUHMWPEブレンドを形成してよい。ひとつの実施形態において、UHMWPEブレンドは、少なくとも約25kiloGreyの線量で、より詳細には少なくとも約80kiloGreyの線量で、さらに詳細には少なくとも約95kiloGreyで電子線照射に曝されてよい。他の実施形態において、UHMWPEブレンドは1時間あたり少なくとも1MegaGreyの線量率で、より詳細には1時間あたり少なくとも約15MegaGreyで、さらに詳細には1時間あたり少なくとも約18MegaGreyで照射に曝されてよい。ある実施形態では、望ましい照射線量は高い線量率で単一の曝露段階において達成されてよい。他の実施形態では、UHMWPEブレンドを所望の照射線量に曝すために一連の高線量率照射段階が用いられてよい。
【0016】
ある実施形態では、照射源は電子線照射である。電子線照射曝露は従来入手可能な電子線加速器を用いて実行されてよい。そのような加速器の商業的供給源の一つは、ベルギーのIBA Technologies Groupである。適切な加速器は約2から約50MeVの間、より詳細には約10MeVの電子線エネルギーを提供してよく、一般的にはここに記述される一つ以上の照射線量および/または照射線量率を達成することができる。電子線曝露は一般的に、例えばアルゴン、窒素、真空または脱酸素雰囲気を含む、不活性雰囲気で行なわれてよい。曝露は一つの実施形態によると周囲条件下の空気内で実施されてもよい。ガンマ線およびx線照射も本発明の他の実施形態において使用に適する可能性がある。本発明が必要とするものは、必ずしも照射源の特定のタイプに制限されない。
【0017】
任意に、電子線照射の前および/または後に、UHMWPEブレンドは一つ以上の温度処理を受けてよい。一つの実施形態において、UHMWPEブレンドは室温よりも高い温度、より詳細には約100℃よりも高い温度、さらに詳細には約120℃から130℃の間、に加熱されてよい。Merrilらの米国特許第6,641,617号明細書はそのような温度処理段階を利用する方法を詳細に報告しており、参照のためここに組み込まれる。他の実施形態において、UHMWPEブレンドは室温に保たれてよく、または例えばUHMWPEブレンドのガラス転移温度よりも低い温度など、室温よりも低く冷却されてもよい。照射後、架橋されたUHMWPEブレンドは最高約200℃の温度で最高約72時間、より詳細には約150℃で約5時間、アニールされてよい。その代わりに、またはそれに加えて、架橋されたUHMWPEブレンドに対して、参照としてここに組み込まれるMuratogluらの米国特許第6,853,772号明細書に報告される、機械的なアニーリングプロセスを実施してよい。しかしながら、ある実施形態において、照射前または照射後の温度処理および/またはアニーリング処理は実施されない。
【0018】
インプラント製造工程の一部として、ここで報告される工程の間いつでもさらなるコンポーネントがUHMWPEブレンドと組み合わせられてよい。ある実施形態において、例えば金属および/またはセラミックスの関節コンポーネントおよび/または予め組み立てられたバイポーラーコンポーネントなどのトライボロジーコンポーネントが、UHMWPEブレンドと結合されてよい。他の実施形態において、金属の支持(例えば板またはシールド)が加えられてよい。さらなる実施形態において、柱状金属、繊維状金属、ビート(beats)、Sulmesh(登録商標)コーティング、メッシュ、網目状チタンおよび/または金属若しくはポリマーコーティングなどの表面コンポーネントが、UHMWPEブレンドに加えられて、または結合されてよい。さらには、タンタル、鋼材および/またはチタンボール、ワイヤ、ボルトまたはペグなどのラジオマーカー(radiomarkers)またはラジオパシフィア(radiopacifiers)が加えられてよい。さらには、リング、ボルト、ペグ、スナップおよび/またはセメント/接着剤などの固定機能が加えられてよい。これら追加のコンポーネントが使用されて、サンドイッチ型のインプラント設計、ラジオマークされたインプラント、骨との直接の接触を防ぐ金属下地インプラント、有効な成長表面、および/または固定機能を有するインプラントを形成してよい。
【0019】
様々なインプラント、特に内部人工器官関節代替品、はここで報告される方法を用いて調製されてよい。そのようなインプラントの例としては、人工股関節および人工膝、人工股関節および人工膝のためのカップまたはライナー、背骨代替板(spinal replacement disks)、人工肩、肘、足、足首および指関節、下顎、および人工心臓のベアリングが挙げられる。
【0020】
インプラントの製造が完了した後、それは包装され、流通前に消毒される。包装は、一般的に、ガス透過性包装材または低酸素雰囲気を利用するバリア包装材のどちらかを用いて行なわれてよい。UHMWPEブレンド内のビタミンEの存在により酸化サイクルが阻害されるため、従来のガス透過性包装材は本発明の実施形態において適切であるかもしれない。不活性ガスを満たした(例えばアルゴン、窒素、脱酸素剤)バリア包装材も適切である。
【0021】
図1A−1Cおよび2A−2Bに示すように、消毒は、UHMWPEブレンドの架橋の間照射に曝露することによって、または別個の処理段階の一部として、のどちらかによって行なわれてよい。ガスプラズマ消毒、エチレンオキシド消毒、ガンマ線照射消毒および電子線照射消毒を含む従来からの消毒技術が複数存在する。図1A、1Cおよび2Bで説明される実施形態において、架橋は包装よりも前に実施される。図1Bおよび2Aにおいて説明される実施形態において、消毒および架橋はインプラントを包装した後単一の段階で電子線照射することによって実行される。
【0022】
消毒は一般的に包装のあとで行なわれる。ある実施形態では、消毒は架橋と同じときに行なわれ、したがって電子線照射を利用する。架橋が消毒よりも前に行なわれる実施形態において、さらなる適切な消毒方法はガンマ線照射(不活性または空気中のどちらかで)、ガスプラズマ曝露またはエチレンオキシド曝露を含む。
【0023】
以下に説明される実施例でさらに例示されるように、本発明の実施形態により製造された架橋されたUHMWPEブレンドは、幾つかの長所を有する可能性がある。明白に、安定化されていないUHMWPE材料と比較したとき、そのようなブレンドは低い酸化レベルを示し、一方で適切な架橋レベルを示す。高い照射線量または一連の高い照射線量率を、少なくとも部分的に用いることは、UHMWPEブレンドの改良された架橋密度に寄与し、それは安定化UHMWPEを照射する場合には適切な架橋密度の達成が困難であることを示す従来技術の報告とは正反対の結果である。
【0024】
また、そのようなUHMWPEブレンドは少なくともブレンドの表面領域においてビタミンEの分布が一般的に均一であってよい。ここで、「表面領域」という用語は、ブレンドの表面からある深さまでまたは様々な深さまで広がる架橋されたUHMWPEブレンドの領域を指す。例えば、ある実施形態の架橋されたUHMWPEブレンドから形成されたインプラントは、少なくとも3mm、より詳細には少なくとも5mmの表面深さまで、ビタミンEの実質的に均一な分布を示す可能性がある。他の実施形態では、少なくとも10mm、より詳細には少なくとも15mm、さらに詳細には少なくとも20mmの表面深さまで、実質的に均一なビタミンEの分布を示す可能性がある。さらなる実施形態において、UHMWPEブレンドはブレンド全体にわたって実質的に均一なビタミンEの分布を示す可能性がある
【0025】
[例]
表1はサンプルA〜Iの処理パラメータを説明する。
【0026】
【表1】
【0027】
表1に説明されるように、商品名GUR1020およびGUR1050のUHMWPEパウダーは、Ticona GmbH、FrankfurtMain、DEから入手可能である。サンプルC、DおよびF−Hで使用されたビタミンEは、DSM Nutritional Products AG、Basel、Switzerlandから入手したα−トコフェロールであった。
【0028】
サンプルC、DおよびF−Hに関して、α−トコフェロールは濃度50g/lでエタノールに溶解され、Nauta−Vriecoブランドスクリュー−コーンミキサーを用いて滴状でUHMWPEに混合された。その後エタノールは50℃において6時間真空乾燥器内でUHMWPEブレンドから除去され、α−トコフェロールの濃度が約0.1w/w%であるUHMWPEブレンドが得られた。その後結果として得られたUHMWPEブレンドは7時間220℃および35barにおいて焼結され、厚さ60mmおよび直径600mmのUHMWPEの板が作製された。UHMWPEブレンド内のα−トコフェロールの均一性は標準的なHPLC法によって測定され、所望する含有量からのずれが最高+/−2%であることがわかった。
【0029】
サンプルA、DおよびHはCo60照射源を利用するStuder IR−168 Gamma Irradiatorを用いて照射された。サンプルE〜GおよびIは、IBA SA、Louvain−La−Neuveから入手可能な10MeV Rhodotron電子加速器を用いて120kWの電力設定で照射された。
【0030】
[結果]
図3は非安定化ポリエチレンとビタミンEで安定化されたポリエチレンブレンドのスウェル比を対比して説明する折れ線グラフを示す。スウェル比は特定の材料の架橋密度の有効な指標である。特に、スウェル比が低いことは架橋レベルが高いことの指標であり、その逆もまた同様である。スウェル比はASTM F2214−02に従って測定された。詳細には、サンプルH、F、GおよびEの各々4−6mmの立方体が25℃においてo−キシレンで満たされた容器内に配置され、動的機械分析装置(Perkin Elmerから入手されたDMA、DMA 7e)内に10分間配置された。第1のサンプル高さ(H0)が各サンプルに関して測定された。その後サンプルは5K/minの速度で保持温度130℃まで加熱された。次いで第2のサンプル高さ(Hf)が130℃で120分後に測定された。そしてスウェル比が以下の式に従って計算された。
qs=(Hf/H0)3
【0031】
低い位置の平坦なラインに関するデータ点は非安定化UHMWPE(照射線量率89kGyでのASTM F2214−02において研究室間比較から得られた)および非安定化サンプルEに関するスウェル比標準を含む。これらのデータ点は、線量率が架橋密度に対して実質的に影響を与えないことを示す。上方の下向きのラインに関するデータ点はサンプルH、FおよびGを含む。明白に、サンプルFおよびGに関して使用された増加された照射線量率が、サンプルHと比較したとき、スウェル比の低下を、結果的には架橋密度の増加をもたらしている。
【0032】
図4A−4CはサンプルB、C、およびE−Hの幾つかの性質を説明する三つの棒グラフである。図4Aはサンプルのトランス−ビニレンインデックス(TVI)レベルを説明する棒グラフである。TVIはMuratogluらの“Identification and quantification of irradiation in UHMWPE through trans−vinylene yield”に記載された方法によって測定された。TVIレベルはUHMWPEの照射吸収効率の指標である。図4Aは、照射前に予熱され照射後にアニールされたサンプルEおよびFが、他のサンプルと比較して高い照射吸収効率を有していたことを示す。
【0033】
図4Bは図4Aに報告されたものと同じサンプルのスウェル比を説明する棒グラフである。明白に、ガンマ線照射されたサンプルHは電子線照射されたサンプルE、FおよびGと比較して高いスウェル比(したがって、低い架橋密度)を示す。
【0034】
図4Cは図4Aに報告されるものと同じサンプルの溶解成分の棒グラフである。溶解成分はサンプル中の完全に架橋した材料の割合を示す。各サンプルの溶解成分はASTM2765−01に従って測定された。詳細には、パウダー状にされたUHMWPEはサンプル表面の下方10mmの位置からラスピング法によって取得された。その後サンプルはワイヤメッシュ内で重量を測定され、キシレン中で12時間バックフラックスされた(backfluxed)。バックフラックスの後、残存するゲル部分は真空炉内に配置され、140℃の温度で、200mbar未満の圧力で乾燥され、再度重量を測定する前に乾燥剤中で調製された。結果として得られるゲル部分および溶解部分は前記手順前後のサンプルの重量を測定することによって計算された。ガンマ線照射されたサンプルHは、電子線照射されたサンプルE、FおよびGと比較して高い溶解成分を示した。
【0035】
図5はサンプルC、F、GおよびHの表面からの様々な深さにおけるビタミンE含量を示す折れ線グラフである。図5は、少なくとも測定された深さ20mmまでの表面領域において、各々のサンプルで均一なビタミンE濃度が保持されることを示す。このビタミンEの均一な分布は、米国特許出願公開第2004/0156879号明細書に報告される従来技術図6(拡散したビタミンEサンプルのビタミンE指標が、深さの増加に伴って徐々に減少する)と比較されるとき、特に明白である。
【0036】
図7はサンプルE、F、GおよびHの酸化レベルを説明する折れ線グラフである。明白に、サンプル材料の表面からのある深さにおける酸化レベルは、サンプルGおよびF(電子線照射された)と比較して、サンプルE(ビタミンEを含まない)およびサンプルH(ガンマ線照射された)において高い。
【0037】
図8−10はサンプルA、D、E、F、G、HおよびIの様々な機械的性質を説明する一連の棒グラフである。図8は各サンプルの機械的強度を説明し、サンプルE、FおよびIで利用された予備加熱およびアニーリング処理法が、サンプルGおよびHで使用された冷照射法と比較して機械的強度を若干低下させたことを概略的に示す。図9は各サンプルの破断点の伸びパーセントを説明する。図10はシャルピー衝撃スケール(kJ/m2)に基づく各サンプルの衝撃強度を説明し、ビタミンEの存在が架橋されたUHMWPEの衝撃強度を増加することを概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】本発明の実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図1B】本発明の実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図1C】本発明の実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図2A】本発明のさらなる実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図2B】本発明のさらなる実施形態による、UHMWPEインプラントを調製する方法を説明するフローチャートである。
【図3】実施例で記述される、様々な照射線量率における、幾つかのUHMWPEサンプルのスウェル比を説明する折れ線グラフである。
【図4A】幾つかのUHMWPEサンプルのTVI(4A)を説明する棒グラフである。
【図4B】幾つかのUHMWPEサンプルのスウェル比(4B)を説明する棒グラフである。
【図4C】幾つかのUHMWPEサンプルの溶解成分(4C)を説明する棒グラフである。
【図5】幾つかのUHMWPEサンプルの深さの範囲におけるビタミンEの濃度を説明する折れ線グラフである。
【図6】米国特許出願公開第2004/0156879号明細書にしたがって調製されたサンプルのビタミンE指標を示す従来技術の折れ線グラフである。
【図7】様々な深さにおける幾つかのUHMWPEサンプルの酸化レベルを示す折れ線グラフである。
【図8】幾つかのUHMWPEサンプルの引張強度を示す棒グラフである。
【図9】幾つかのUHMWPEサンプルの破断点における伸びパーセントを示す棒グラフである。
【図10】幾つかのUHMWPEサンプルのシャルピー衝撃強度を示す棒グラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋した超高分子量ポリエチレンとビタミンEとのブレンドを含み、
前記ブレンドは約4未満のスウェル比を有し、有効量のビタミンEが前記ブレンドの表面領域内部に均一に分散される、移植可能な物品。
【請求項2】
前記ブレンドが少なくとも追加のポリマー材料をさらに含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記スウェル比が約3.5未満である、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
少なくとも約0.02重量パーセントのビタミンEが前記ブレンドの表面領域内部に均一に分散される、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
少なくとも約0.04重量パーセントのビタミンEが前記ブレンドの表面領域内部に均一に分散される、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記表面領域が、前記ブレンドの露出された表面から、前記ブレンドの表面から少なくとも約5mmの深さまで広がる、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記表面領域が、前記ブレンドの露出された表面から、前記ブレンドの表面から少なくとも約15mmの深さまで広がる、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
インプラントを形成する物品に接続された追加のコンポーネントをさらに含む、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記物品が人工股関節、股関節ライナー、膝、膝ライナー、ディスク代替物、肩、肘、足、足首、指、下顎、または人工心臓のベアリングの少なくとも一部を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
ビタミンEおよび超高分子量ポリエチレンブレンドを混合する段階と、
超高分子量ポリエチレンブレンドを、少なくとも約60kiloGreyの吸収線量および少なくとも1時間あたり約1MegaGreyの線量率で電子線照射し、架橋された超高分子量ポリエチレンブレンドを形成する段階と、を含む架橋された超高分子量ポリエチレンブレンドを形成する方法。
【請求項11】
前記吸収線量が少なくとも約90kiloGreyであり、線量率が少なくとも1時間あたり約10MegaGreyである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ブレンドと混合されるビタミンEの量は約0.02w/w%から約2.0w/w%の間である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ブレンドと混合されるビタミンEの量は約0.05w/w%から約0.4w/w%の間である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
照射前に、照射後に、または照射前および照射後の両方に、前記超高分子量ポリエチレンブレンドを加熱する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記架橋された超高分子量ポリエチレンブレンドをインプラントに成形する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
照射の間、または照射の後でインプラントを消毒する段階をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記消毒段階がインプラントを電子線照射、ガンマ線照射、ガスプラズマまたはエチレンオキシドと接触させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記インプラントを包装する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記インプラントを包装する段階の間に、包装する段階の後に、または包装する段階の間および包装する段階の後の両方に、消毒する段階が行なわれる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記超高分子量ポリエチレンブレンドが実質的に均一なブレンドである、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
超高分子量ポリエチレンブレンドとビタミンEとの混合物からインプラントを形成する段階と、
前記インプラントを包装する段階と、
前記包装されたインプラントを、少なくとも約60kiloGreyの吸収線量および少なくとも1時間あたり約1MegaGreyの線量率で電子線照射する段階と、を含む消毒された包装されたインプラントを形成する方法。
【請求項22】
前記インプラントはガス透過性包装材または脱酸素バリア包装材で包装される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記超高分子量ポリエチレンブレンドおよびビタミンEの混合物が実質的に均一な混合物である、請求項21に記載の方法。
【請求項1】
架橋した超高分子量ポリエチレンとビタミンEとのブレンドを含み、
前記ブレンドは約4未満のスウェル比を有し、有効量のビタミンEが前記ブレンドの表面領域内部に均一に分散される、移植可能な物品。
【請求項2】
前記ブレンドが少なくとも追加のポリマー材料をさらに含む、請求項1に記載の物品。
【請求項3】
前記スウェル比が約3.5未満である、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
少なくとも約0.02重量パーセントのビタミンEが前記ブレンドの表面領域内部に均一に分散される、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
少なくとも約0.04重量パーセントのビタミンEが前記ブレンドの表面領域内部に均一に分散される、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記表面領域が、前記ブレンドの露出された表面から、前記ブレンドの表面から少なくとも約5mmの深さまで広がる、請求項1に記載の物品。
【請求項7】
前記表面領域が、前記ブレンドの露出された表面から、前記ブレンドの表面から少なくとも約15mmの深さまで広がる、請求項1に記載の物品。
【請求項8】
インプラントを形成する物品に接続された追加のコンポーネントをさらに含む、請求項1に記載の物品。
【請求項9】
前記物品が人工股関節、股関節ライナー、膝、膝ライナー、ディスク代替物、肩、肘、足、足首、指、下顎、または人工心臓のベアリングの少なくとも一部を含む、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
ビタミンEおよび超高分子量ポリエチレンブレンドを混合する段階と、
超高分子量ポリエチレンブレンドを、少なくとも約60kiloGreyの吸収線量および少なくとも1時間あたり約1MegaGreyの線量率で電子線照射し、架橋された超高分子量ポリエチレンブレンドを形成する段階と、を含む架橋された超高分子量ポリエチレンブレンドを形成する方法。
【請求項11】
前記吸収線量が少なくとも約90kiloGreyであり、線量率が少なくとも1時間あたり約10MegaGreyである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ブレンドと混合されるビタミンEの量は約0.02w/w%から約2.0w/w%の間である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ブレンドと混合されるビタミンEの量は約0.05w/w%から約0.4w/w%の間である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
照射前に、照射後に、または照射前および照射後の両方に、前記超高分子量ポリエチレンブレンドを加熱する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記架橋された超高分子量ポリエチレンブレンドをインプラントに成形する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
照射の間、または照射の後でインプラントを消毒する段階をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記消毒段階がインプラントを電子線照射、ガンマ線照射、ガスプラズマまたはエチレンオキシドと接触させることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記インプラントを包装する段階をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記インプラントを包装する段階の間に、包装する段階の後に、または包装する段階の間および包装する段階の後の両方に、消毒する段階が行なわれる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記超高分子量ポリエチレンブレンドが実質的に均一なブレンドである、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
超高分子量ポリエチレンブレンドとビタミンEとの混合物からインプラントを形成する段階と、
前記インプラントを包装する段階と、
前記包装されたインプラントを、少なくとも約60kiloGreyの吸収線量および少なくとも1時間あたり約1MegaGreyの線量率で電子線照射する段階と、を含む消毒された包装されたインプラントを形成する方法。
【請求項22】
前記インプラントはガス透過性包装材または脱酸素バリア包装材で包装される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記超高分子量ポリエチレンブレンドおよびビタミンEの混合物が実質的に均一な混合物である、請求項21に記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2009−504283(P2009−504283A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526378(P2008−526378)
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008967
【国際公開番号】WO2007/019874
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504339572)ツィンマー・ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【国際出願番号】PCT/EP2005/008967
【国際公開番号】WO2007/019874
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(504339572)ツィンマー・ゲーエムベーハー (9)
【Fターム(参考)】
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