説明

足踏み式液体噴出装置

【課題】内容液の定量吐出を確実としつつも押圧ヘッドの過剰な押し込みに起因したディスペンサーの破損を回避することができる足踏み式液体噴出装置を提供する。
【解決手段】足踏み式液体噴出装置1は、ディスペンサー付き容器3と、ディスペンサー付き容器3を上下に変位可能に保持するベース部材5と、ベース部材5に揺動可能に軸支され、ペダル9の踏み込み時にディスペンサー付き容器3を上方に押し上げ、変位させる作動部材11と、ベース部材5に固定され、ペダル9の踏み込みによるディスペンサー付き容器3の上方への変位と協働して押圧ヘッド17を押し込んで内容液を噴出させるハウジング部材7と、を備える。作動部材11は押圧ヘッド17にその押込み限度を超える押込み力が加わった際にそれ自体の弾性揺動によりその押込み力を解放するよう構成されたベンド片58を一体に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足踏み式の液体噴出装置に関し、とくには、吐出機構として、ポンプ式のディスペンサーを用いた足踏み式液体噴出装置を提供しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、足踏み式の液体噴出装置としては、特許文献1に記載されるようなエアゾール式の容器が主流である。しかしながら、エアゾール式の容器は、内部に可燃性の液化石油ガスやジメチルエーテル等の噴射剤が含まれる場合があり、容器内にガスが残ったまま廃棄した場合、ごみ集積車や廃棄物処理施設で火災・爆発事故の原因となるおそれがある。このような事故を防ぐために、エアゾール式の容器を廃棄する場合には、内部の残留ガスを排出してから廃棄する必要があり、廃棄作業が面倒である。また、エアゾール式の容器は、容器内に充填されたガスの圧力を利用して内容液を噴射するものであるので、噴射ボタンを押している間は内容液が出続けてしまい、噴射量のコントロールが困難であり、また、エアゾール式の容器では、内容液噴射の際に起こり得るステムの押し込み不足等に起因して適正な噴出が行われず、内溶液に対して噴射剤の量を多く噴出してしまうことがあり、こうなると充填されたガスの圧力が不足して容器内に内容液が残ったまま使用できなくなる(残量が増大する)という不具合を生じる。
【0003】
このようなことから、吐出機構として、エアゾールに代えてポンプ式(蓄圧式)のディスペンサーを用いた足踏み式の液体噴出装置に対する要望がある。ポンプ式のディスペンサーによれば、エアゾール式の液体噴出装置のような加圧用の噴射剤を必要とせず、容器の廃棄処分に際して爆発等の危険がないため容器を穿孔する等の余計な手間がかからず、その上、ガスの圧力が不足して内容液を吐出できなくなるという不具合がないことから内容液が噴出されずに容器内に残る残量を減らすことができ、また、ポンプ式のディスペンサーは押圧ヘッドをワンプッシュして内容液を噴出できるため定量吐出が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−143733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、ポンプ式のディスペンサーは、通常、押圧ヘッドを手の指で押して使用するものであり、押圧ヘッドのストロークエンドでその押込みを止めることができるが、すなわち押圧ヘッドにその押込み限度を超えるような過剰な押込み力が加わることはないが、このようなディスペンサーを足踏み式の液体噴出装置に用いた場合、使用者の体重がかかるため過剰な押込み力がディスペンサーに加わり、ディスペンサーが破損するおそれがある。
【0006】
この点に関しては、押圧ヘッドを押し込むためのペダルにストッパ部材を作用させて押圧ヘッドの押込み量を制限することも考えられるが、製造上発生し得る容器の寸法誤差等により押圧ヘッドがストロークエンドに到達するより先に上記ストッパ部材が作用した場合には内容液の吐出量が不安定になるという問題がある。
【0007】
それゆえ、本発明は、足踏み式の液体噴出装置の吐出機構としてポンプ式のディスペンサーを用いたものにつき、内容液の定量吐出を確実としつつも押圧ヘッドの過剰な押し込みに起因したディスペンサーの破損を回避することのできる足踏み式液体噴出装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の足踏み式液体噴出装置は、容器本体の口部に装着したディスペンサーの押圧ヘッドを上下動させることにより、容器本体内の内容液を外部に噴出するディスペンサー付き容器と、ディスペンサー付き容器を上下に変位可能に保持するベース部材と、踏み込み用のペダルが設けられた一端部と、前記ディスペンサー付き容器の下方に位置する他端部との間にて前記ベース部材に揺動可能に軸支され、前記ペダルの踏み込み時に前記他端部により前記ディスペンサー付き容器を上方に押し上げ、変位させる作動部材と、前記ベース部材に固定され、前記ペダルの踏み込みによる前記ディスペンサー付き容器の上方への変位と協働して前記押圧ヘッドを押し込んで前記内容液を噴出させるハウジング部材と、を備え、前記作動部材の前記他端部に、前記押圧ヘッドにその押込み限度を超える押込み力が加わった際にそれ自体の弾性揺動により前記押込み力を解放するよう構成されたベンド片を一体に形成してなることを特徴とするものである。
【0009】
なお、本発明の足踏み式液体噴出装置にあっては、前記押圧ヘッドが前記押込み限度に到達した時点においても前記作動部材に踏み込み代が残るよう構成してなることが好ましい。
【0010】
さらに、本発明の足踏み式液体噴出装置にあっては、前記ペダルが踏み込まれていない状態において、前記ハウジング部材の押込み部と、前記押圧ヘッドの、前記押込み部が当たる部分との間に隙間が形成されるよう構成してなることが好ましい。
【0011】
しかも、本発明の足踏み式液体噴出装置にあっては、前記ベンド片に、前記容器本体の底部と当接する部分が曲面をなす突起を設けてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の足踏み式液体噴出装置にあっては、ディスペンサー付き容器をベース部材にセットし、ハウジング部材をベース部材に装着、固定した状態から、使用者が、ベース部材に揺動可能に支持された、足で踏むことのできるペダルを踏み込むと、作動部材が揺動し、その作動部材の揺動と連動してディスペンサー付き容器が上方に押し上げられハウジング部材によって押圧ヘッドが下方に押し込まれるので、容器本体内の内容液が加圧、圧縮されて押圧ヘッドの噴出口より噴出する。この際、押圧ヘッドにその押込み限度を超える押込み力が加わると、作動部材の他端部に設けられたベンド片がそれ自体の弾性揺動によりその過剰な押込み力を解放するので、押圧ヘッドに過剰な押込み力が付加されることがない。
【0013】
したがって、本発明の足踏み式液体噴出装置によれば、吐出機構としてポンプ式のディスペンサーを用いたものにつき、内容液の定量吐出を確実としつつも押圧ヘッドの過剰な押し込みに起因したディスペンサーの破損を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にしたがう実施の形態の足踏み式液体噴出装置の断面図である。
【図2】図1の足踏み式液体噴出装置のディスペンサー付き容器の断面図である。
【図3】図1の足踏み式液体噴出装置のベース部材を示す斜視図である。
【図4】図1の足踏み式液体噴出装置のベース部材を示す断面斜視図である。
【図5】図1の足踏み式液体噴出装置の作動部材を示す断面斜視図である。
【図6】(a)は、作動部材が組みつけられたベース部材の平面図であり、(b)はそのA−A線に沿った断面図である。
【図7】図1の足踏み式液体噴出装置において、押圧ヘッドがストロークエンドに到達するまでペダルを踏み込んだ状態を示す断面図である。
【図8】図1の足踏み式液体噴出装置において、押圧ヘッドがストロークエンドに到達した後さらにペダルを踏み込んだ状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
この実施形態の足踏み式液体噴出装置1は、床等の載置面Gの上に置かれ使用者が足で操作することで容器内の内容液を噴出するものであり、図1に示すように、ディスペンサー付き容器3と、ベース部材5と、ハウジング部材7と、一端部に使用者が足で踏むことができるペダル9を有し、他端部がディスペンサー付き容器3の真下に位置する梃子式の作動部材11とを備えてなる。なお、以下、足踏み式液体噴出装置1において、ペダル9が設けられた側を「正面側」または「前方側」(図1において右側)とし、この逆側を「背面側」または「後方側」(図1において左側)として説明する。
【0017】
ディスペンサー付き容器3は、図2に示すように、容器本体13の口部13aに装着したディスペンサー15の押圧ヘッド17を上下動させることにより、容器本体13内の内容液を外部に噴出するものである。容器本体13は、上記口部13aの下端に肩部13bを介してつながる胴部13cと、この胴部13cの下端を閉塞させる底部13dとを有するものであり、ここでは胴部13cの横断面形状は円形としているがこれに限定されず四角形または他の多角形としてもよい。この場合、ディスペンサー付き容器3の全高を変えることなく内容量を変えることが可能となり、ディスペンサー付き容器3以外の部材を共通に使用することができる。
【0018】
ディスペンサー15は、図2に示すように、周壁19aおよび天面壁19bからなり該周壁19aにて容器本体13の口部13a外側でねじ止めされるベースキャップ19と、このベースキャップ19の下面と上記口部13aの突端との間に吊り下げ保持される、シリンダ、ピストンおよび該ピストンを元の位置に復元させるばね部材等からなる通常のポンプ機構21と、ポンプ機構21の下端につながる吸い込みパイプ23と、上下動することにより該ポンプ機構21を作動させて容器本体13内の内容液を吸引、加圧、圧縮して外部へ噴出させる上述の押圧ヘッド17とから構成される。押圧ヘッド17は、噴射口17aを囲む位置にて垂下し上記ポンプ機構21の上端部に装着される内筒17bと、該内筒17bの周りを取り囲む外筒17cとを有し、外筒17cにはその径を僅かに拡大させる段差mが形成されている。外筒17cにおいて段差mよりも上側部分を小径部17cとし段差mよりも下側部分を大径部17cとする。また、符号24は、ベースキャップ19に装着され、使用時に取り外すことができるオーバーキャップである。
【0019】
ベース部材5は、ディスペンサー付き容器3を上下に摺動可能に保持するとともに作動部材11を揺動可能に支持するものであって、図3および図4に示すように、載置面G(図1参照)に沿って水平に延びるベース板26と、ベース板26の背面側にて立設されたベース筒28と、ベース筒28の内側でベース板26と平行に延びる支持板30と、ベース筒28の上端部に連設された外周壁32と、外周壁32の内側にて支持板30に立設された内周壁34とを備えている。内周壁34と支持板30の、内周壁34に囲まれた部分は、ディスペンサー付き容器3を上下に摺動可能に保持する保持部36を構成する。また、支持板30には作動部材11の他端部を挿通させるための開口h1が形成されるとともに該開口h1の近傍位置に作動部材11の後述する軸部を受ける一対の軸受38が設けられている。
【0020】
また、ベース部材5には、開口h1に対応する位置にて支持板30から垂下する垂壁40の下端に底板42が連設されており、この底板42には作動部材11をペダル踏み込み前の初期姿勢となるよう付勢する一方、ペダル踏み込み時に弾性変形して作動部材11の揺動を許容する、上方に向けて凸となるよう屈曲したベンド板44が一体に延設されている。底板42の、ベンド板44の基部に対応する位置にはベンド板44を弾性変形し易くする一対の切り込みs1が形成されている。この例では、ベンド板44は、底板42から立ち上がって前方側に傾斜して延びる第1傾斜部分44aと該第1傾斜部分44aの先端から水平に延びる水平部分44bと該水平部分44bの先端から下方に向けて傾斜して延びる第2傾斜部分44cとで構成されるがこれに限定されない。なお、図3および図4において、符号h2は作動部材11をベース部材5に組み付ける際に作動部材11の他端部を通すためにベース筒28に形成された、支持板30の開口h1に通じる切欠きである。
【0021】
ハウジング部材7は、ペダル9の踏み込みによるディスペンサー付き容器3の上方への変位と協働して押圧ヘッド17を押し込んで容器本体13内の内容液を噴出させるものであり、図1に示すように、ディスペンサー付き容器3の周囲を取り囲み下端部がベース部材5の外周壁32に外側からねじ嵌合して保持される胴体部48と、該胴体部48の上端に連設されて中央に押圧ヘッド17を突出させる開口h3を形成する頂壁部50とからなる。該開口h3の縁部は、ディスペンサー付き容器3を上方に変位させた際に押圧ヘッド17の外筒17cに形成された段差mに当接する押込み部50aを構成する。なお、各部材3,5,7,11の製造上の寸法誤差を考慮して、ハウジング部材7の高さは、作動部材11を作動させない状態(初期状態)において押込み部50aと押圧ヘッド17の段差mとの間に所定の隙間Aが生じる高さとしておくことがよい。また、この例では、ハウジング部材7は、ねじによりベース部材5に固定すると説明したが、ハウジング部材7は、ベース部材5の外周壁32にアンダーカット嵌合により固定するようにしてもよい。さらに、ハウジング部材7の形状は、押圧ヘッド17を押し込むことができればとくに限定はなく、例えば、材料削減やデザイン性等の目的で胴体部48に一以上の開口部またはスリットを設けてもよい(図示省略)。また、ハウジング部材7は、透明または半透明の樹脂で形成することが好ましく、このようにすれば容器本体13内の内容物の残量を外部から容易に把握することが可能となる。
【0022】
作動部材11は、使用者によるペダル9の踏み込みによりディスペンサー付き容器3を上方に変位させ(押し上げ)、ハウジング部材7の押込み部50aに押圧ヘッド17を押し込ませて容器本体13内の内容液を噴出させるものであり、図5および図6に示すように、一端部に設けられた上記ペダル9と、該ペダル9から後方に延びるチャンネル形状(断面C字形状)の本体部52と、本体部52の側面にそれぞれ設けられ、ベース部材5の一対の軸受38にそれぞれ支持される一対の軸部54とを有してなる。また、作動部材11の本体部52の内側には、ベース部材5の底板42から延出するベンド板44の先端が当接するよう作動部材11の延在方向に直交する向きで配置され、該ベンド板44からの付勢力をもって弾性変形可能な当接板56が下方に向けて設けられている。さらに、ペダル9の上面には図示のように、滑り止め用の凸部9aを設けてもよい。
【0023】
そして、作動部材11の他端部(本体部52の後方側の端部)には、U字状のスリットs2によりベンド片58が一体に区画形成されており、該ベンド片58は、押圧ヘッド17にその押込み限度を超える押込み力が加わった際にそれ自体の弾性揺動によりその押込み力を解放するよう構成されている。具体的には、ベンド片58のばね定数は、押圧ヘッド17を元の位置に復帰させるばね部材(ポンプ機構に組み込まれた上記ばね部材)のばね定数よりも大きく設定されており、このため、ベンド片58は、押圧ヘッド17がそのストロークエンドに達するまでの間はポンプ機構のばね部材が優先的に変形するため弾性揺動せず、押圧ヘッド17がストロークエンドに達した後に弾性揺動して押圧ヘッド17に加わる過剰な押圧力を吸収、解放する。図中の符号58aは、ベンド片58の上面に設けられ容器本体13の底部13dに向けて突出する突起であり、該突起58aは容器本体13の底部13dと当接する部分が曲面をなす形状に形成されている。この例では、突起58aを2つ設けているが、このような突起58aは一つのみ設けてもよい。
【0024】
なお、作動部材11が水平状態(図6(a),(b)に示す状態)からベース板26(ベース板26を設けない場合には載置面G)に当接するまで(図8に示す状態)の揺動変位量は、ハウジング部材7の押込み部50aと押圧ヘッド17の段差mとの間に形成されるようにした上記隙間Aと押圧ヘッド17のストローク(ポンプ機構21のピストンのストローク)との和である必要押上げ量よりも大きく設定しておくことが好ましく、これによれば、押圧ヘッド17がストロークエンド(押込み限度)に達した時点においても作動部材11に所定の踏み込み代(図7に示す隙間B)を残しておくことができる。
【0025】
次いで、上記形態をとる足踏み式液体噴出装置1の作用について説明する。先ず、図1に示すように、ディスペンサー付き容器3のオーバッキャップ24を外し、ディスペンサー付き容器3をベース部材5の保持部36内にセットした後、ハウジング部材7をベース部材5に装着する。この状態(初期状態)ではハウジング部材7の押込み部50aと、押圧ヘッド17の外筒17cの段差mとの間には隙間Aが生じている。次いで、この初期状態から、使用者が、ベース部材5に揺動可能に支持された、足で踏むことのできるペダル9を踏み込むと、図7に示すように、作動部材11がベンド板44の付勢力に抗して揺動し、その作動部材11の揺動と連動してディスペンサー付き容器3が上方に押し上げられハウジング部材7の押込み部50aによって押圧ヘッド17が下方に押し込まれるので、容器本体13内の内容液が加圧、圧縮されて押圧ヘッド17の噴出口17aより例えば霧状の形態で噴出する。図7に示す押圧ヘッド17がストロークエンドに達した時点では作動部材11には所定の踏み込み代(隙間B)が残っており、この状態から使用者がさらにペダル9を踏み込んで押圧ヘッド17にその押込み限度を超える押込み力が加わる場合には、図8に示すように作動部材11の他端部に設けられたベンド片58がそれ自体の弾性揺動によりその押込み力を解放するので、押圧ヘッド17に過剰な押圧力が加わることがなく、ディスペンサー15の破損を回避することができる。
【0026】
さらに、本実施形態の足踏み式液体噴出装置1によれば、押圧ヘッド17がその押込み限度に到達した時点においても作動部材11に踏み込み代(隙間B)が残るよう構成したことから、各部材3,5,7,11に製造上の寸法誤差が生じた場合でも確実に押圧ヘッド17をストロークエンドまで押し込むことができ、より安定した定量吐出を実現することができる。
【0027】
さらに、本実施形態の足踏み式液体噴出装置1によれば、ペダル9が踏み込まれていない初期状態において、ハウジング部材7の押込み部50aと、押圧ヘッド17の、押込み部50aが当たる部分(段差m)との間に所定の隙間Aが形成されるよう構成したことから、各部材3,5,7,11に製造上の寸法誤差が生じた場合でも該隙間Aの存在により寸法誤差を吸収して安定した定量吐出を実現することができる。
【0028】
さらに、本実施形態の足踏み式液体噴出装置1によれば、作動部材11の他端部に形成されたベンド片58に、容器本体13の底部13dと当接する部分が曲面をなす突起58aを設けたことから、作動部材11によりディスペンサー付き容器3を押し上げる際に突起58aの曲面(外面)が容器本体13の底部13dの表面を円滑に摺動し、スムーズな踏み込み感を実現することができる。
【0029】
さらに、本実施形態の足踏み式液体噴出装置1によれば、ベース部材5に、作動部材11をペダル踏み込み前の初期姿勢となるよう付勢する一方、ペダル踏み込み時に弾性変形して作動部材11の揺動を許容するベンド板44を一体に形成したことから、ディスペンサー付き容器3がベース部材5にセットされていない例えば流通時に、常時作動部材11を略水平姿勢に維持して作動部材5が不安定に動くのを防止することができるとともに、ディスペンサー付き容器3をベース部材5にセットし易くすることができる。
【0030】
さらに、本実施形態の足踏み式液体噴出装置1によれば、作動部材11にベース部材5のベンド板44からの付勢力を受けるとともにペダル踏み込み時に該付勢力をもって弾性変形する当接板56を設けたことから、ペダル9の踏み込み時にベンド板44および当接板56の双方をベンド変形させて、作動部材11の踏み込み感をより滑らかなものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明により、足踏み式の液体噴出装置の吐出機構としてポンプ式のディスペンサーを用いたものにつき、ディスペンサーの破損を回避することのできる足踏み式液体噴出装置を提供することが可能となった。
【符号の説明】
【0032】
1 足踏み式液体噴出装置
3 ディスペンサー付き容器
5 ベース部材
7 ハウジング部材
9 ペダル
11 作動部材
13 容器本体
17 押圧ヘッド
21 ポンプ機構
23 吸い上げパイプ
36 保持部
44 ベンド板
50a 押込み部
58 ベンド片
58a 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の口部に装着したディスペンサーの押圧ヘッドを上下動させることにより、容器本体内の内容液を外部に噴出するディスペンサー付き容器と、
ディスペンサー付き容器を上下に変位可能に保持するベース部材と、
踏み込み用のペダルが設けられた一端部と、前記ディスペンサー付き容器の下方に位置する他端部との間にて前記ベース部材に揺動可能に軸支され、前記ペダルの踏み込み時に前記他端部により前記ディスペンサー付き容器を上方に押し上げ、変位させる作動部材と、
前記ベース部材に固定され、前記ペダルの踏み込みによる前記ディスペンサー付き容器の上方への変位と協働して前記押圧ヘッドを押し込んで前記内容液を噴出させるハウジング部材と、を備え、
前記作動部材の前記他端部に、前記押圧ヘッドにその押込み限度を超える押込み力が加わった際にそれ自体の弾性揺動により前記押込み力を解放するよう構成されたベンド片を一体に形成してなることを特徴とする足踏み式液体噴出装置。
【請求項2】
前記押圧ヘッドが前記押込み限度に到達した時点においても前記作動部材に踏み込み代が残るよう構成してなる、請求項1に記載の足踏み式液体噴出装置。
【請求項3】
前記ペダルが踏み込まれていない状態において、前記ハウジング部材の押込み部と、前記押圧ヘッドの、前記押込み部が当たる部分との間に隙間が形成されるよう構成してなる、請求項1または2に記載の足踏み式液体噴出装置。
【請求項4】
前記ベンド片に、前記容器本体の底部と当接する部分が曲面をなす突起を設けてなる、請求項1〜3の何れか一項に記載の足踏み式液体噴出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−250715(P2012−250715A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122621(P2011−122621)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】