足首用サポーター
【課題】足首関節部の靭帯を適切に保護及び固定できる足首用サポーターの提供を目的とする。
【解決手段】踵被覆部14を有するサポーター本体1と、そのサポーター本体1よりも伸張応力が強い強伸張応力部2と、その強伸張応力部2よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体1よりも伸張応力が強い中強伸張応力部3とを備えている。強伸張応力部2は、踵の周部の靭帯の一部を被覆可能に踵被覆部14の周部の一部に配設された円弧状の第1強伸張応力部3を備えている。中強伸張応力部2、サポーター本体における第1強伸張応力部3の周方向側に配設され第1強伸張応力部2に連結された甲被覆部61を備えている。
【解決手段】踵被覆部14を有するサポーター本体1と、そのサポーター本体1よりも伸張応力が強い強伸張応力部2と、その強伸張応力部2よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体1よりも伸張応力が強い中強伸張応力部3とを備えている。強伸張応力部2は、踵の周部の靭帯の一部を被覆可能に踵被覆部14の周部の一部に配設された円弧状の第1強伸張応力部3を備えている。中強伸張応力部2、サポーター本体における第1強伸張応力部3の周方向側に配設され第1強伸張応力部2に連結された甲被覆部61を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、身体の足首関節部に装着される足首用サポーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば身体の膝部や肘部を固定し、支持し、圧迫し、あるいは保温等のためにサポーターが広く用いられている。このようなサポーターとして、例えば特許文献1に提案されたものがある。このサポーターは、筒状に形成した伸縮性素材より成る本体(サポーター本体)の表面の一部に、本体を形成する伸縮性素材の有するモジュラスより大なるモジュラスを有する芯材と、芯材の伸びを制限する表面材とを積層して形成した補強材を接着し、補強材の有するモジュラスは患部の動きを運動域内に制限し得る大きさとしたものである。これにより、筋や靱帯の変化が少ない日常の普通の生活状態では、本体の組織が変化するだけで追随させ、さらに動きの激しいときは、本体のみの変化から補強材の伸縮性が加わって強い応力が作用し、それ以上の筋や靱帯の動きを抑制するようにしたものである。
【特許文献1】特許第2894778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものにおいては、比較的伸びやすい本体から急に伸び難い補強材を配しているため、補強材が身体の動きに対して追随し難い。例えば足首関節部の靭帯を保護する足首用のサポーターとして用いる場合、補強材で足首関節部の靭帯を部分的に覆うようにして保護しておいても、足首関節部が動くと補強材の一部が足首関節部(足首関節部の皮膚表面)から浮き上がって足首関節部との間に空隙ができ易く、しかも、補強材が位置ずれを起こし易い。このような浮き上がりや位置ずれを起こすと、足首関節部近傍を適切に保護及び固定できなくなってしまう。
【0004】
本願発明は、足首関節部近傍を適切に保護及び固定できる足首用サポーターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、次の特徴を有するものを提供することにより、上記課題を解決する。本願の請求項1記載の発明は、少なくとも足の踵の周部を含む足首関節部に装着される足首用サポーターであって、前記足首関節部に密着可能な筒状のサポーター本体と、そのサポーター本体よりも伸張応力が強い強伸張応力部と、その強伸張応力部よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体よりも伸張応力が強い中強伸張応力部とを備え、前記強伸張応力部は、前記踵の周部における靭帯と腱との少なくとも一方の一部又は全体を被覆できるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備え、前記中強伸張応力部は、前記サポーター本体における前記第1強伸張応力部の周方向側に配設された第1中強伸張応力部を備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1に係る前記第1中強伸張応力部は、前記サポーター本体の周方向側に沿って延ばされているとともに、その周方向に沿う方向の両端が夫々、第1強伸張応力部に連結されるように構成されていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2に係る前記第1中強伸張応力部には、前記周方向に延びた複数のスリットが設けられ、前記サポーター本体は、それらのスリットを構成していることを特徴とする足首用サポーターである。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に係る前記第1強伸張応力部は、湾曲状又はリング状のものから構成され、前記強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の内周側にリング状の第2強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に係る前記足首用サポーターは、装着に際し前記足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備え、前記位置決め部は、前記踵の周部を少なくとも被覆する踵周被覆部を、使用者に認識できるように形成した踵周被覆部認識手段を備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に係る前記中強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の全周部に配設された第2中強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1によれば、強伸張応力部は、踵の周部における靭帯と腱との少なくとも一方の一部又は全体を被覆できるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備えている。又、中強伸張応力部は、サポーター本体におけるその第1強伸張応力部の周方向側に配設された第1中強伸張応力部を備えている。
【0012】
これにより、第1強伸張応力部によって、例えば踵の周部の踵腓靭帯等の靭帯を保護できる。また、第1中強伸張応力部によって、第1強伸張応力部を周方向の両側から引っ張るように作用し、第1強伸張応力部を踵の周部に押さえつけておくことができる。従って、踵の周部に対する第1強伸張応力部の動きを規制でき、第1強伸張応力部が踵の周部(足首関節部)からの浮き上がり、或いは、踵の周部の靭帯等に対する位置ずれを抑えることができる。よって、第1強伸張応力部によって踵の周部の靭帯及びその近傍や腱及びその近傍を保護及び固定できる。
【0013】
請求項2によれば、第1中強伸張応力部におけるサポーター本体の周方向に沿う方向の両端が夫々、第1強伸張応力部に連結されている。
【0014】
これにより、踵の周部に対する第1強伸張応力部の動きを、より確実に規制でき、第1強伸張応力部の足首関節部から浮き上がり、或いは、足首関節部の靭帯に対する位置ずれを、より確実に抑えることができる。
【0015】
請求項3によれば、第1中強伸張応力部には、サポーター本体の周方向に延びた複数のスリットが設けられている。又、サポーター本体は、それらのスリットを構成している。
【0016】
これにより、足首関節部の動きに第1中強伸張応力部を追随させ易いものにできる。従って、第1中強伸張応力部によって足首関節部を動かせ難くなるようなことを防止でき、歩行等の妨げになるおそれの少ないものにできる。
【0017】
請求項4によれば、第1強伸張応力部は、湾曲状又はリング状のものから構成され、強伸張応力部は、第1強伸張応力部の径内側にリング状の第2強伸張応力部を備えている。
【0018】
これにより、第1強伸張応力部と第2強伸張応力部とによって、足首関節部の踵を、より強固にサポートすることができ、踵の周部の靭帯を確実に保護及び固定できる。
【0019】
請求項5によれば、足首用サポーターは、装着に際し足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備えている。又、位置決め部は、踵周被覆部を、使用者に認識できるように形成した踵周被覆部認識手段を備えている。
【0020】
これにより、足首関節部への着用に際し、踵周被覆部認識手段によって形成した踵周被覆部で踵の周部を覆うようにすれば、足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをすることができ、第1強伸張応力部を踵の周部の靭帯等を被覆した位置に配設できる。
【0021】
従って、例えば第1強伸張応力部が目視で判り難いような場合等でも、誰でも容易に、第1強伸張応力部を所定位置に配設でき、第1強伸張応力部で足首関節部の靭帯や腱を覆って適切に保護及び固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本願発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の足首用サポーターの一実施の形態の背面図、図2は、その足首用サポーターの正面図、図3は、その足首用サポーターの平面図である。
【0023】
本発明の足首用サポーターは、サポーター本体1と、そのサポーター本体1よりも伸張応力が強い強伸張応力部2と、その強伸張応力部2よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体1よりも伸張応力が強い中強伸張応力部6とを備えている。
【0024】
サポーター本体1は、強伸張応力部2及び中強伸張応力部6に対して伸張応力の弱い弱伸張応力部を構成するもので、前後両面及び左右両面を有する筒状体から構成されている。又、この実施形態のサポーター本体1は、変形自在なシート状の外筒状体1aと、その外筒状体1aの内周側に配設された変形自在なシート状の内筒状体1bとの内外2層のものから構成されている(図6参照)。
【0025】
これらの外筒状体1aと内筒状体1bとは、同一構成を採っており、夫々は、ナイロン糸とポリウレタン糸との2種類を少なくとも含む糸で、トリコット編みされた生地によって構成されている。
【0026】
又、図1〜図3に示すように、このサポーター本体1における軸方向の一端側である上端側に足を入れる足入れ口11を、軸方向の他端側である下端側に足先部を出す足出し口12を、夫々、有する。また、サポーター本体1は、上記のように編成されることにより、周方向及び軸方向等に弾性(伸縮性)を有し、これにより、足首関節部に密着できるようになっている。
【0027】
また、サポーター本体1は、その後面側に、踵周被覆部としての踵被覆部14を備えている。この実施形態の踵被覆部14は、足の踵及び踵の周部を被覆できるように構成されている。
【0028】
強伸張応力部2は、第1強伸張応力部3〜第3強伸張応力部5を備えている。第1強伸張応力部3は、踵被覆部14の周部に配設された湾曲状、この実施形態では円弧状のものから構成され、図4に示すように足の踵101の周部の一部を覆うように構成されている。
【0029】
詳しくは、図1に示すように第1強伸張応力部3は、外径R1が100mm程度で、内径R2が70mm程度の略2/3円の大きさのものからなる。そして、足の踵への装着に際し、第1強伸張応力部3は、図11に示す足100の踵骨101aの周部における踵腓靭帯102等を有する外側側副靭帯、及び内側側副靭帯(図示せず)等の靭帯を覆って保護する。
【0030】
このように構成された第1強伸張応力部3は、この実施形態では、サポーター本体1の一部における外筒状体1aと内筒状体1bとの間に、複数の介在物を点在させるようにしてその一部に形成されている。
【0031】
詳しくは、この実施形態では、介在物として、サポーター本体1よりも伸張応力の強い合成樹脂片、例えばウレタン系樹脂片2aが用いられている。そして、図5に示すように、ウレタン系樹脂片2aが、第1強伸張応力部3を区画する領域内に、直径2mm程度の大きさで、複数、点在されている。
【0032】
また、ウレタン系樹脂片2aは、ウレタン系樹脂片2aが点在した第1強伸張応力部3における点在部23と、ウレタン系樹脂片2aが点在していない第1強伸張応力部3における非点在部24との面積比が1:1になるように点在されている。
【0033】
そして、このように配設されたウレタン系樹脂片2aは、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとに夫々、接着されている。これにより、第1強伸張応力部3が、ウレタン系樹脂片2aの介在によってサポーター本体1よりも伸張応力が強いものに形成されている。又、ウレタン系樹脂片2aが外筒状体1aと内筒状体1bとに接着されることによって、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとが互いに移動できないようになっている。
【0034】
尚、このように構成された第1強伸張応力部3は、実際にはサポーター本体1の外筒状体1aの表面に現われ難く、外観上、目視で判別し難い状態になっているが、説明の都合上、図1、図2、図4、図8及び図9では、第1強伸張応力部3を斜線で表示している。後述の第2強伸張応力部4、第3強伸張応力部5及び中強伸張応力部6において同じである。
【0035】
又、図1、図2、図4、図8及び図9では、強伸張応力部2における第1強伸張応力部3、第2強伸張応力部4、第3強伸張応力部5を、夫々、同じ斜線で表示し、中強伸張応力部6における後述の甲被覆部61と端縁押え部62とを、夫々、同じ斜線で表示している。
【0036】
次に、強伸張応力部2の第2強伸張応力部4について説明する。この第2強伸張応力部4は、図1に示すように第1強伸張応力部3の内周(径内)側に配設されている。この実施形態における第2強伸張応力部4は、2つの円弧状のリング片41から構成されている。
【0037】
そして、これらのリング片41が、互いに対向するように配設され、これにより、第2強伸張応力部4が、踵骨101a(図11に示す)の外径と同程度の大きさ(装着時)の内径R4を有するリング状を呈するものとされている。
【0038】
具体的には、この実施形態の第2強伸張応力部4は、外径R3が60mm程度で、内径R4が40mm程度のリング状のものから構成されている。
【0039】
又、これらのリング片41が形成するリングの中心Oは、サポーター本体1の左右中心線O1上の点とされている。又、その中心Oは、第1強伸張応力部3の円弧中心に一致する点とされている。
【0040】
この第2強伸張応力部4は、上記第1強伸張応力部3と同じように形成されて同じ構造を有し(図6参照)、サポーター本体1よりも伸張応力が強いものとされている。
【0041】
又、この実施形態では、この第2強伸張応力部4の内周側に、足に対する第1強伸張応力部3の位置決めするための位置決め部7が設けられている。この実施形態の位置決め部7は、サポーター本体1の外筒状体1aの表面に表示された踵周被覆部認識手段としての区画形成表示部71と、その区画形成表示部71に表示された左右中央点明示部72とから構成されている。
【0042】
区画形成表示部71は、2つの湾曲表示片71aを備え、それらが、第2強伸張応力部
4の内周側の上部側と下部側との夫々に配設され、これにより、サポーター本体1の踵被覆部14を、外観上、使用者に認識できるように円形状に区画形成している。
【0043】
又、上記円形状に区画形成された踵被覆部14の中心は、上記第2強伸張応力部4の中心Oと一致しているとともに、踵被覆部14の外径が踵骨101aの外径と同程度とされている。
【0044】
左右中央点明示部72は、上記上部側の湾曲表示片71aとサポーター本体1の左右中心線O1とが交わる位置に配設されている。
【0045】
次に、第3強伸張応力部5について説明する。この第3強伸張応力部5は、主として足首関節部に対する第1強伸張応力部3の上下方向(サポーター本体1の軸方向)の位置ずれ及び左右の関節のブレを防止するためのもので、図1に示すように、この実施形態では、上部強伸張応力部51と下部側強伸張応力部52とから構成されている。
【0046】
上部強伸張応力部51は、サポーター本体1における第1強伸張応力部3の軸方向の足入れ口11側に、サポーター本体1の略全周に渡って配設されている。一方、下部側強伸張応力部52は、サポーター本体1における第1強伸張応力部3の軸方向の足出し口12側に、サポーター本体1の略全周に渡って配設されている。
【0047】
次に、中強伸張応力部6について説明する。中強伸張応力部6は、この実施形態では、第1中強伸張応力部としての甲被覆部61と、端縁押え部62とを備えている。甲被覆部61は、サポーター本体1の前面側であって、サポーター本体1における第1強伸張応力部3の周方向側の位置に配設され、足の甲部及び甲部近傍を覆うことができるように構成されている。
【0048】
又、この甲被覆部61は、サポーター本体1の周方向に沿って延ばされているとともに、その周方向に沿う方向の両端が第1強伸張応力部3における上記周方向に沿う方向の両端夫々に連結されている。
【0049】
また、図2に示すように、甲被覆部61には、上記周方向に延びた複数のスリット13が設けられている。これらのスリット13は、サポーター本体1によって構成されており、この実施形態では、幅が1mm程度で、周方向の長さが36mm程度のものとされている。
【0050】
端縁押え部62は、サポーター本体1の下端縁の全周に配設されており、これにより、端縁押え部62が、装着後における足首関節部に対するサポーター本体1のずれ、主にサポーター本体1の軸方向のずれを防止する。
【0051】
次に、この足首用サポーターの製造方法について説明する。まず、図8に示すようにナイロン糸とポリウレタン糸との2種類の糸を用いてトリコット編みされた長尺編成体を形成し、その長尺編成体を裁断加工して2枚のシート体9a、9bを製作する。
【0052】
そして、その内の一方のシート体9aの表面に、スクリーン印刷によって、第1強伸張応力領域部130、第2強伸張応力領域部140、第3強伸張応力領域部150、甲被覆領域部161及び端縁押え領域部162を形成する。
【0053】
次に、他方のシート体9bを、その一方のシート体9aの表面に重ね合わせる。そして、その状態で、プレス機により、所定の温度のもとで、所定時間、所定の圧力をかける。
【0054】
これにより、第1強伸張応力領域部130〜第3強伸張応力領域部150のウレタン系樹脂片2a及び第1中強伸張応力領域部161と端縁押え領域部162とのウレタン系樹脂片2aと、シート体9a、9b夫々とが接着する(図6参照)。
【0055】
この状態で、2枚のシート体9a、9bで、サポーター本体1を構成する外筒状体1aと内筒状体1bとが形成されるとともに、第1強伸張応力領域部130〜第3強伸張応力領域部150の夫々に、サポーター本体1よりも伸張応力が強い第1強伸張応力部3〜第3強伸張応力部5が形成される。
【0056】
又、同時に、第1中強伸張応力領域部161、端縁押え領域部162夫々に、サポーター本体1よりも伸張応力が強く、且つ、上記第1強伸張応力部3〜第3強伸張応力部5よりも伸張応力が弱い甲被覆部61、端縁押え部62が形成される。
【0057】
ここで、サポーター本体、強伸張応力部、中強伸張応力部夫々の引っ張り試験を行ったので、その測定データを図9に示す。この試験は、サポーター本体、強伸張応力部、中強伸張応力部夫々について、試験片を、縦方向(軸方向)及び横方向(周方向)に夫々、20%、50%、80%だけ伸ばした際の伸張力(gf)を取得して比較した。又、試験片として試験片幅25mmのものを用い、掴み間隔10.0cmで、引張速度5cm/minの条件で測定を行った。
【0058】
その結果、強伸張応力部が最も大きい伸張力を要し、次いで中強伸張応力部で、サポーター本体が最も小さい伸張力で伸びた。すなわち、強伸張応力部が最も伸張応力が強く、次いで中強伸張応力部で、サポーター本体が最も伸張応力が弱いものであった。
【0059】
尚、上記引っ張り試験と共に、伸張性の試験も行ったので、その結果も併せて図9に表示した。この伸張性の試験は、各試験片について、1kgf、1.5kgf、2.25kgf夫々の伸張力での伸び率を調べることにより行われた。このときの引張速度は、30cm/minの条件で測定した。
【0060】
図8に戻り、説明を続けると、上述のように2枚のシート体9a、9bを重ね合わせた後、外周縁部を裁断する。この実施形態では、サポーターの前面を構成する前片10aと、サポーターの後面を構成する後片10bとの2枚に裁断する。その後、図1に示すように上記他方のシート体9bから構成された外筒状体1aの表面に、位置決め部8を、塗料インク等の塗料を塗布することによって形成する。
【0061】
そして、図1〜図3に示すようにその前片10aと後片10bとの左右両端同士を重ね合わせて両者を縫い着ける。これにより、本実施形態のサポーターを得ることができる。
【0062】
次に、この足首用サポーターの動作について説明する。この足首用サポーターを、足首関節部に装着する場合は、足首用サポーターにおける強伸張応力部2を後方側にして足入れ口11から足を通していく。
【0063】
そして、図4に示すように位置決め部7の区画形成表示部71により区画形成された踵被覆部63を目視によって踵101にほぼ一致させるとともに、左右中央点明示部72を踵101のほぼ左右中央に目視によって位置合わせする。
【0064】
これにより、強伸張応力部2及び中強伸張応力部6を足の所定位置に配設でき、例えば、第1強伸張応力部3を、踵101の周部の靭帯を覆った位置に配設できる。
【0065】
従って、外観上、見難い強伸張応力部2及び中強伸張応力部6を、誰でも容易に足の所定位置に配設でき、使用し易いものにできると共に、靭帯を確実に覆うことができる。
【0066】
この状態から足首関節部を動かすと、第1強伸張応力部3等が足首関節部の主要な靭帯を覆っているため、靭帯を保護及び固定でき、例えば足首関節部に過度の力がかかった場合でも足首関節部の靭帯の過度の伸びを抑えるができる。
【0067】
又、その際、第1強伸張応力部3の周方向側に甲被覆部61を、第1強伸張応力部3に連結するように配設しているため、足首関節部に対する第1強伸張応力部3の動きを、より確実に規制でき、第1強伸張応力部3の足首関節部の靭帯に対する位置ずれを、より確実に抑えることができる。
【0068】
また、甲被覆部61には、複数のスリット13が設けられているため、足首関節部の動きに甲被覆部61を追随させ易いものにできる。従って、甲被覆部61によって足首関節部を動かせ難くなるようなことを防止でき、歩行等の妨げになるおそれの少ないものにできる。
【0069】
又、第1強伸張応力部3の径内側に第2強伸張応力部4を備えているため、足首関節部の踵を、より強固にサポートすることができ、踵の周部の靭帯を確実に保護及び固定できる。
【0070】
尚、上記実施形態では、第1強伸張応力部3を円弧状(湾曲状)に形成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0071】
例えば第1強伸張応力部3を、複数の帯状体から構成し、或いは、第1強伸張応力部3を、リング状に形成しても良い。ここに、本願でいう「リング状」とは、連続的に形成されるものの他、部分的に分断した不連続なものをも含み、又、内周形状及び外周形状が真円のほか、円に近い略リング状のものも含む。
【0072】
また、上記実施形態では、第2強伸張応力部4、第3強伸張応力部5及び端縁押え部62を設けているが、例えばこれらの1つまたは複数、或いは全部を設けないものとしても良い。
【0073】
あるいは、第2強伸張応力部4と第3強伸張応力部5との一方又は両方に代えて中強伸張応力部を設け、又、端縁押え部62に代えて強伸張応力部を設けるようにしてもよい。
【0074】
又、上記実施形態では、中強伸張応力部を、甲被覆部61と端縁押え部62とから構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0075】
例えば図9に示すように、中強伸張応力部は、第1強伸張応力部3の内周側及び外周側の全周部に配設した第2中強伸張応力部63を備えたものとしても良い。こうすることにより、第1強伸張応力部3を足首関節部にフィットさせ易いものにでき、足首関節部が動かした場合でも第1強伸張応力部3が足首関節部から浮き上がって足首関節部との間に隙間のでき難いものにできるとともに、踵の周部の靭帯からの位置ずれを抑えることができる。
【0076】
又、上記実施形態では、強伸張応力部及び中強伸張応力部を、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとの間に合成樹脂片を点在させるようにして構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0077】
例えば強伸張応力部と中強伸張応力部との一方または両方を、シ−ト状のものから構成してサポーター本体1に貼り付けるようにしてもよい。
【0078】
また、強伸張応力部及び中強伸張応力部を、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとの間に合成樹脂片を点在させる場合において、用いる合成樹脂片は、ウレタン系のものに限らず、適宜変更して使用できる。
【0079】
また、上記実施形態では、合成樹脂片の点在部と非点在部の面積比を変えることにより、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0080】
例えば強伸張応力部の合成樹脂片の厚さを、中強伸張応力部の合成樹脂片の厚さよりも厚くし、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしても良い。
【0081】
また、上記実施形態では、合成樹脂片の点在部と非点在部の面積比を変えることにより、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0082】
例えば強伸張応力部の合成樹脂片の厚さを、中強伸張応力部の合成樹脂片の厚さよりも厚くし、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしても良い。
【0083】
また、上記実施形態では、位置決め部7の踵周被覆認識手段を、サポーター本体1の外筒状体1aの外周面にリング状に表示した区画形成表示部71から構成したが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0084】
例えばサポーター本体1の内筒状体1bの内周面における踵被覆部に円形状の凹凸部を設け、この凹凸部を踵周被覆認識手段とし、使用者が着用に際し凹凸部の凹凸による感触によって踵被覆部が踵及び踵の周部を被覆したことを認識できるものとしても良い。
【0085】
又、その場合において、凹凸部は、適宜な手段によって形成すれば良い。例えば内筒状体1bと異なる編み方であって凹凸状になる編み方で形成し、あるいは、凹凸部を有する部材を内筒状体1bの内面に貼り付けるようにして形成する。
【0086】
また、上記実施形態では、踵周被覆部としての踵被覆部14を、踵及び踵の周部を被覆できるものから構成したが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0087】
例えばサポーター本体1における足の踵に対応する部分に、踵を受容する踵受容孔を設けるとともに、その踵受容孔の周部を踵被覆部とし、その踵被覆部によって踵の周部を被覆できるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の足首用サポーターの一実施の形態の背面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】足首用サポーターを、足首関節部に装着した際の側面図である。
【図5】第1強伸張応力部の一部を拡大した正面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】甲被覆部の一部を拡大した説明図である。
【図8】本発明の足首用サポーターを製造する際の工程の一部の説明図である。
【図9】他の実施形態の足首用サポーターの背面図である。
【図10】サポーター本体、中強伸張応力部、及び強伸張応力部の引っ張り試験の測定データを表した図表である。
【図11】身体の足首関節部の構造を模式的に表した説明図である。
【符号の説明】
【0089】
1 サポーター本体
2 強伸張応力部
3 第1強伸張応力部
4 第2強伸張応力部
5 第3強伸張応力部
6 中強伸張応力部
7 位置決め部
14 踵被覆部
61 甲被覆部(第1中強伸張応力部)
62 端縁押え部
71 区画形成表示部(踵周被覆部認識手段)
【技術分野】
【0001】
本願発明は、身体の足首関節部に装着される足首用サポーターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば身体の膝部や肘部を固定し、支持し、圧迫し、あるいは保温等のためにサポーターが広く用いられている。このようなサポーターとして、例えば特許文献1に提案されたものがある。このサポーターは、筒状に形成した伸縮性素材より成る本体(サポーター本体)の表面の一部に、本体を形成する伸縮性素材の有するモジュラスより大なるモジュラスを有する芯材と、芯材の伸びを制限する表面材とを積層して形成した補強材を接着し、補強材の有するモジュラスは患部の動きを運動域内に制限し得る大きさとしたものである。これにより、筋や靱帯の変化が少ない日常の普通の生活状態では、本体の組織が変化するだけで追随させ、さらに動きの激しいときは、本体のみの変化から補強材の伸縮性が加わって強い応力が作用し、それ以上の筋や靱帯の動きを抑制するようにしたものである。
【特許文献1】特許第2894778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1に記載のものにおいては、比較的伸びやすい本体から急に伸び難い補強材を配しているため、補強材が身体の動きに対して追随し難い。例えば足首関節部の靭帯を保護する足首用のサポーターとして用いる場合、補強材で足首関節部の靭帯を部分的に覆うようにして保護しておいても、足首関節部が動くと補強材の一部が足首関節部(足首関節部の皮膚表面)から浮き上がって足首関節部との間に空隙ができ易く、しかも、補強材が位置ずれを起こし易い。このような浮き上がりや位置ずれを起こすと、足首関節部近傍を適切に保護及び固定できなくなってしまう。
【0004】
本願発明は、足首関節部近傍を適切に保護及び固定できる足首用サポーターの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明は、次の特徴を有するものを提供することにより、上記課題を解決する。本願の請求項1記載の発明は、少なくとも足の踵の周部を含む足首関節部に装着される足首用サポーターであって、前記足首関節部に密着可能な筒状のサポーター本体と、そのサポーター本体よりも伸張応力が強い強伸張応力部と、その強伸張応力部よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体よりも伸張応力が強い中強伸張応力部とを備え、前記強伸張応力部は、前記踵の周部における靭帯と腱との少なくとも一方の一部又は全体を被覆できるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備え、前記中強伸張応力部は、前記サポーター本体における前記第1強伸張応力部の周方向側に配設された第1中強伸張応力部を備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1に係る前記第1中強伸張応力部は、前記サポーター本体の周方向側に沿って延ばされているとともに、その周方向に沿う方向の両端が夫々、第1強伸張応力部に連結されるように構成されていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2に係る前記第1中強伸張応力部には、前記周方向に延びた複数のスリットが設けられ、前記サポーター本体は、それらのスリットを構成していることを特徴とする足首用サポーターである。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に係る前記第1強伸張応力部は、湾曲状又はリング状のものから構成され、前記強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の内周側にリング状の第2強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に係る前記足首用サポーターは、装着に際し前記足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備え、前記位置決め部は、前記踵の周部を少なくとも被覆する踵周被覆部を、使用者に認識できるように形成した踵周被覆部認識手段を備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に係る前記中強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の全周部に配設された第2中強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする足首用サポーターである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1によれば、強伸張応力部は、踵の周部における靭帯と腱との少なくとも一方の一部又は全体を被覆できるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備えている。又、中強伸張応力部は、サポーター本体におけるその第1強伸張応力部の周方向側に配設された第1中強伸張応力部を備えている。
【0012】
これにより、第1強伸張応力部によって、例えば踵の周部の踵腓靭帯等の靭帯を保護できる。また、第1中強伸張応力部によって、第1強伸張応力部を周方向の両側から引っ張るように作用し、第1強伸張応力部を踵の周部に押さえつけておくことができる。従って、踵の周部に対する第1強伸張応力部の動きを規制でき、第1強伸張応力部が踵の周部(足首関節部)からの浮き上がり、或いは、踵の周部の靭帯等に対する位置ずれを抑えることができる。よって、第1強伸張応力部によって踵の周部の靭帯及びその近傍や腱及びその近傍を保護及び固定できる。
【0013】
請求項2によれば、第1中強伸張応力部におけるサポーター本体の周方向に沿う方向の両端が夫々、第1強伸張応力部に連結されている。
【0014】
これにより、踵の周部に対する第1強伸張応力部の動きを、より確実に規制でき、第1強伸張応力部の足首関節部から浮き上がり、或いは、足首関節部の靭帯に対する位置ずれを、より確実に抑えることができる。
【0015】
請求項3によれば、第1中強伸張応力部には、サポーター本体の周方向に延びた複数のスリットが設けられている。又、サポーター本体は、それらのスリットを構成している。
【0016】
これにより、足首関節部の動きに第1中強伸張応力部を追随させ易いものにできる。従って、第1中強伸張応力部によって足首関節部を動かせ難くなるようなことを防止でき、歩行等の妨げになるおそれの少ないものにできる。
【0017】
請求項4によれば、第1強伸張応力部は、湾曲状又はリング状のものから構成され、強伸張応力部は、第1強伸張応力部の径内側にリング状の第2強伸張応力部を備えている。
【0018】
これにより、第1強伸張応力部と第2強伸張応力部とによって、足首関節部の踵を、より強固にサポートすることができ、踵の周部の靭帯を確実に保護及び固定できる。
【0019】
請求項5によれば、足首用サポーターは、装着に際し足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備えている。又、位置決め部は、踵周被覆部を、使用者に認識できるように形成した踵周被覆部認識手段を備えている。
【0020】
これにより、足首関節部への着用に際し、踵周被覆部認識手段によって形成した踵周被覆部で踵の周部を覆うようにすれば、足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをすることができ、第1強伸張応力部を踵の周部の靭帯等を被覆した位置に配設できる。
【0021】
従って、例えば第1強伸張応力部が目視で判り難いような場合等でも、誰でも容易に、第1強伸張応力部を所定位置に配設でき、第1強伸張応力部で足首関節部の靭帯や腱を覆って適切に保護及び固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本願発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の足首用サポーターの一実施の形態の背面図、図2は、その足首用サポーターの正面図、図3は、その足首用サポーターの平面図である。
【0023】
本発明の足首用サポーターは、サポーター本体1と、そのサポーター本体1よりも伸張応力が強い強伸張応力部2と、その強伸張応力部2よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体1よりも伸張応力が強い中強伸張応力部6とを備えている。
【0024】
サポーター本体1は、強伸張応力部2及び中強伸張応力部6に対して伸張応力の弱い弱伸張応力部を構成するもので、前後両面及び左右両面を有する筒状体から構成されている。又、この実施形態のサポーター本体1は、変形自在なシート状の外筒状体1aと、その外筒状体1aの内周側に配設された変形自在なシート状の内筒状体1bとの内外2層のものから構成されている(図6参照)。
【0025】
これらの外筒状体1aと内筒状体1bとは、同一構成を採っており、夫々は、ナイロン糸とポリウレタン糸との2種類を少なくとも含む糸で、トリコット編みされた生地によって構成されている。
【0026】
又、図1〜図3に示すように、このサポーター本体1における軸方向の一端側である上端側に足を入れる足入れ口11を、軸方向の他端側である下端側に足先部を出す足出し口12を、夫々、有する。また、サポーター本体1は、上記のように編成されることにより、周方向及び軸方向等に弾性(伸縮性)を有し、これにより、足首関節部に密着できるようになっている。
【0027】
また、サポーター本体1は、その後面側に、踵周被覆部としての踵被覆部14を備えている。この実施形態の踵被覆部14は、足の踵及び踵の周部を被覆できるように構成されている。
【0028】
強伸張応力部2は、第1強伸張応力部3〜第3強伸張応力部5を備えている。第1強伸張応力部3は、踵被覆部14の周部に配設された湾曲状、この実施形態では円弧状のものから構成され、図4に示すように足の踵101の周部の一部を覆うように構成されている。
【0029】
詳しくは、図1に示すように第1強伸張応力部3は、外径R1が100mm程度で、内径R2が70mm程度の略2/3円の大きさのものからなる。そして、足の踵への装着に際し、第1強伸張応力部3は、図11に示す足100の踵骨101aの周部における踵腓靭帯102等を有する外側側副靭帯、及び内側側副靭帯(図示せず)等の靭帯を覆って保護する。
【0030】
このように構成された第1強伸張応力部3は、この実施形態では、サポーター本体1の一部における外筒状体1aと内筒状体1bとの間に、複数の介在物を点在させるようにしてその一部に形成されている。
【0031】
詳しくは、この実施形態では、介在物として、サポーター本体1よりも伸張応力の強い合成樹脂片、例えばウレタン系樹脂片2aが用いられている。そして、図5に示すように、ウレタン系樹脂片2aが、第1強伸張応力部3を区画する領域内に、直径2mm程度の大きさで、複数、点在されている。
【0032】
また、ウレタン系樹脂片2aは、ウレタン系樹脂片2aが点在した第1強伸張応力部3における点在部23と、ウレタン系樹脂片2aが点在していない第1強伸張応力部3における非点在部24との面積比が1:1になるように点在されている。
【0033】
そして、このように配設されたウレタン系樹脂片2aは、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとに夫々、接着されている。これにより、第1強伸張応力部3が、ウレタン系樹脂片2aの介在によってサポーター本体1よりも伸張応力が強いものに形成されている。又、ウレタン系樹脂片2aが外筒状体1aと内筒状体1bとに接着されることによって、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとが互いに移動できないようになっている。
【0034】
尚、このように構成された第1強伸張応力部3は、実際にはサポーター本体1の外筒状体1aの表面に現われ難く、外観上、目視で判別し難い状態になっているが、説明の都合上、図1、図2、図4、図8及び図9では、第1強伸張応力部3を斜線で表示している。後述の第2強伸張応力部4、第3強伸張応力部5及び中強伸張応力部6において同じである。
【0035】
又、図1、図2、図4、図8及び図9では、強伸張応力部2における第1強伸張応力部3、第2強伸張応力部4、第3強伸張応力部5を、夫々、同じ斜線で表示し、中強伸張応力部6における後述の甲被覆部61と端縁押え部62とを、夫々、同じ斜線で表示している。
【0036】
次に、強伸張応力部2の第2強伸張応力部4について説明する。この第2強伸張応力部4は、図1に示すように第1強伸張応力部3の内周(径内)側に配設されている。この実施形態における第2強伸張応力部4は、2つの円弧状のリング片41から構成されている。
【0037】
そして、これらのリング片41が、互いに対向するように配設され、これにより、第2強伸張応力部4が、踵骨101a(図11に示す)の外径と同程度の大きさ(装着時)の内径R4を有するリング状を呈するものとされている。
【0038】
具体的には、この実施形態の第2強伸張応力部4は、外径R3が60mm程度で、内径R4が40mm程度のリング状のものから構成されている。
【0039】
又、これらのリング片41が形成するリングの中心Oは、サポーター本体1の左右中心線O1上の点とされている。又、その中心Oは、第1強伸張応力部3の円弧中心に一致する点とされている。
【0040】
この第2強伸張応力部4は、上記第1強伸張応力部3と同じように形成されて同じ構造を有し(図6参照)、サポーター本体1よりも伸張応力が強いものとされている。
【0041】
又、この実施形態では、この第2強伸張応力部4の内周側に、足に対する第1強伸張応力部3の位置決めするための位置決め部7が設けられている。この実施形態の位置決め部7は、サポーター本体1の外筒状体1aの表面に表示された踵周被覆部認識手段としての区画形成表示部71と、その区画形成表示部71に表示された左右中央点明示部72とから構成されている。
【0042】
区画形成表示部71は、2つの湾曲表示片71aを備え、それらが、第2強伸張応力部
4の内周側の上部側と下部側との夫々に配設され、これにより、サポーター本体1の踵被覆部14を、外観上、使用者に認識できるように円形状に区画形成している。
【0043】
又、上記円形状に区画形成された踵被覆部14の中心は、上記第2強伸張応力部4の中心Oと一致しているとともに、踵被覆部14の外径が踵骨101aの外径と同程度とされている。
【0044】
左右中央点明示部72は、上記上部側の湾曲表示片71aとサポーター本体1の左右中心線O1とが交わる位置に配設されている。
【0045】
次に、第3強伸張応力部5について説明する。この第3強伸張応力部5は、主として足首関節部に対する第1強伸張応力部3の上下方向(サポーター本体1の軸方向)の位置ずれ及び左右の関節のブレを防止するためのもので、図1に示すように、この実施形態では、上部強伸張応力部51と下部側強伸張応力部52とから構成されている。
【0046】
上部強伸張応力部51は、サポーター本体1における第1強伸張応力部3の軸方向の足入れ口11側に、サポーター本体1の略全周に渡って配設されている。一方、下部側強伸張応力部52は、サポーター本体1における第1強伸張応力部3の軸方向の足出し口12側に、サポーター本体1の略全周に渡って配設されている。
【0047】
次に、中強伸張応力部6について説明する。中強伸張応力部6は、この実施形態では、第1中強伸張応力部としての甲被覆部61と、端縁押え部62とを備えている。甲被覆部61は、サポーター本体1の前面側であって、サポーター本体1における第1強伸張応力部3の周方向側の位置に配設され、足の甲部及び甲部近傍を覆うことができるように構成されている。
【0048】
又、この甲被覆部61は、サポーター本体1の周方向に沿って延ばされているとともに、その周方向に沿う方向の両端が第1強伸張応力部3における上記周方向に沿う方向の両端夫々に連結されている。
【0049】
また、図2に示すように、甲被覆部61には、上記周方向に延びた複数のスリット13が設けられている。これらのスリット13は、サポーター本体1によって構成されており、この実施形態では、幅が1mm程度で、周方向の長さが36mm程度のものとされている。
【0050】
端縁押え部62は、サポーター本体1の下端縁の全周に配設されており、これにより、端縁押え部62が、装着後における足首関節部に対するサポーター本体1のずれ、主にサポーター本体1の軸方向のずれを防止する。
【0051】
次に、この足首用サポーターの製造方法について説明する。まず、図8に示すようにナイロン糸とポリウレタン糸との2種類の糸を用いてトリコット編みされた長尺編成体を形成し、その長尺編成体を裁断加工して2枚のシート体9a、9bを製作する。
【0052】
そして、その内の一方のシート体9aの表面に、スクリーン印刷によって、第1強伸張応力領域部130、第2強伸張応力領域部140、第3強伸張応力領域部150、甲被覆領域部161及び端縁押え領域部162を形成する。
【0053】
次に、他方のシート体9bを、その一方のシート体9aの表面に重ね合わせる。そして、その状態で、プレス機により、所定の温度のもとで、所定時間、所定の圧力をかける。
【0054】
これにより、第1強伸張応力領域部130〜第3強伸張応力領域部150のウレタン系樹脂片2a及び第1中強伸張応力領域部161と端縁押え領域部162とのウレタン系樹脂片2aと、シート体9a、9b夫々とが接着する(図6参照)。
【0055】
この状態で、2枚のシート体9a、9bで、サポーター本体1を構成する外筒状体1aと内筒状体1bとが形成されるとともに、第1強伸張応力領域部130〜第3強伸張応力領域部150の夫々に、サポーター本体1よりも伸張応力が強い第1強伸張応力部3〜第3強伸張応力部5が形成される。
【0056】
又、同時に、第1中強伸張応力領域部161、端縁押え領域部162夫々に、サポーター本体1よりも伸張応力が強く、且つ、上記第1強伸張応力部3〜第3強伸張応力部5よりも伸張応力が弱い甲被覆部61、端縁押え部62が形成される。
【0057】
ここで、サポーター本体、強伸張応力部、中強伸張応力部夫々の引っ張り試験を行ったので、その測定データを図9に示す。この試験は、サポーター本体、強伸張応力部、中強伸張応力部夫々について、試験片を、縦方向(軸方向)及び横方向(周方向)に夫々、20%、50%、80%だけ伸ばした際の伸張力(gf)を取得して比較した。又、試験片として試験片幅25mmのものを用い、掴み間隔10.0cmで、引張速度5cm/minの条件で測定を行った。
【0058】
その結果、強伸張応力部が最も大きい伸張力を要し、次いで中強伸張応力部で、サポーター本体が最も小さい伸張力で伸びた。すなわち、強伸張応力部が最も伸張応力が強く、次いで中強伸張応力部で、サポーター本体が最も伸張応力が弱いものであった。
【0059】
尚、上記引っ張り試験と共に、伸張性の試験も行ったので、その結果も併せて図9に表示した。この伸張性の試験は、各試験片について、1kgf、1.5kgf、2.25kgf夫々の伸張力での伸び率を調べることにより行われた。このときの引張速度は、30cm/minの条件で測定した。
【0060】
図8に戻り、説明を続けると、上述のように2枚のシート体9a、9bを重ね合わせた後、外周縁部を裁断する。この実施形態では、サポーターの前面を構成する前片10aと、サポーターの後面を構成する後片10bとの2枚に裁断する。その後、図1に示すように上記他方のシート体9bから構成された外筒状体1aの表面に、位置決め部8を、塗料インク等の塗料を塗布することによって形成する。
【0061】
そして、図1〜図3に示すようにその前片10aと後片10bとの左右両端同士を重ね合わせて両者を縫い着ける。これにより、本実施形態のサポーターを得ることができる。
【0062】
次に、この足首用サポーターの動作について説明する。この足首用サポーターを、足首関節部に装着する場合は、足首用サポーターにおける強伸張応力部2を後方側にして足入れ口11から足を通していく。
【0063】
そして、図4に示すように位置決め部7の区画形成表示部71により区画形成された踵被覆部63を目視によって踵101にほぼ一致させるとともに、左右中央点明示部72を踵101のほぼ左右中央に目視によって位置合わせする。
【0064】
これにより、強伸張応力部2及び中強伸張応力部6を足の所定位置に配設でき、例えば、第1強伸張応力部3を、踵101の周部の靭帯を覆った位置に配設できる。
【0065】
従って、外観上、見難い強伸張応力部2及び中強伸張応力部6を、誰でも容易に足の所定位置に配設でき、使用し易いものにできると共に、靭帯を確実に覆うことができる。
【0066】
この状態から足首関節部を動かすと、第1強伸張応力部3等が足首関節部の主要な靭帯を覆っているため、靭帯を保護及び固定でき、例えば足首関節部に過度の力がかかった場合でも足首関節部の靭帯の過度の伸びを抑えるができる。
【0067】
又、その際、第1強伸張応力部3の周方向側に甲被覆部61を、第1強伸張応力部3に連結するように配設しているため、足首関節部に対する第1強伸張応力部3の動きを、より確実に規制でき、第1強伸張応力部3の足首関節部の靭帯に対する位置ずれを、より確実に抑えることができる。
【0068】
また、甲被覆部61には、複数のスリット13が設けられているため、足首関節部の動きに甲被覆部61を追随させ易いものにできる。従って、甲被覆部61によって足首関節部を動かせ難くなるようなことを防止でき、歩行等の妨げになるおそれの少ないものにできる。
【0069】
又、第1強伸張応力部3の径内側に第2強伸張応力部4を備えているため、足首関節部の踵を、より強固にサポートすることができ、踵の周部の靭帯を確実に保護及び固定できる。
【0070】
尚、上記実施形態では、第1強伸張応力部3を円弧状(湾曲状)に形成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0071】
例えば第1強伸張応力部3を、複数の帯状体から構成し、或いは、第1強伸張応力部3を、リング状に形成しても良い。ここに、本願でいう「リング状」とは、連続的に形成されるものの他、部分的に分断した不連続なものをも含み、又、内周形状及び外周形状が真円のほか、円に近い略リング状のものも含む。
【0072】
また、上記実施形態では、第2強伸張応力部4、第3強伸張応力部5及び端縁押え部62を設けているが、例えばこれらの1つまたは複数、或いは全部を設けないものとしても良い。
【0073】
あるいは、第2強伸張応力部4と第3強伸張応力部5との一方又は両方に代えて中強伸張応力部を設け、又、端縁押え部62に代えて強伸張応力部を設けるようにしてもよい。
【0074】
又、上記実施形態では、中強伸張応力部を、甲被覆部61と端縁押え部62とから構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0075】
例えば図9に示すように、中強伸張応力部は、第1強伸張応力部3の内周側及び外周側の全周部に配設した第2中強伸張応力部63を備えたものとしても良い。こうすることにより、第1強伸張応力部3を足首関節部にフィットさせ易いものにでき、足首関節部が動かした場合でも第1強伸張応力部3が足首関節部から浮き上がって足首関節部との間に隙間のでき難いものにできるとともに、踵の周部の靭帯からの位置ずれを抑えることができる。
【0076】
又、上記実施形態では、強伸張応力部及び中強伸張応力部を、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとの間に合成樹脂片を点在させるようにして構成しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0077】
例えば強伸張応力部と中強伸張応力部との一方または両方を、シ−ト状のものから構成してサポーター本体1に貼り付けるようにしてもよい。
【0078】
また、強伸張応力部及び中強伸張応力部を、サポーター本体1の外筒状体1aと内筒状体1bとの間に合成樹脂片を点在させる場合において、用いる合成樹脂片は、ウレタン系のものに限らず、適宜変更して使用できる。
【0079】
また、上記実施形態では、合成樹脂片の点在部と非点在部の面積比を変えることにより、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0080】
例えば強伸張応力部の合成樹脂片の厚さを、中強伸張応力部の合成樹脂片の厚さよりも厚くし、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしても良い。
【0081】
また、上記実施形態では、合成樹脂片の点在部と非点在部の面積比を変えることにより、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0082】
例えば強伸張応力部の合成樹脂片の厚さを、中強伸張応力部の合成樹脂片の厚さよりも厚くし、強伸張応力部を中強伸張応力部よりも伸張応力の強いものにしても良い。
【0083】
また、上記実施形態では、位置決め部7の踵周被覆認識手段を、サポーター本体1の外筒状体1aの外周面にリング状に表示した区画形成表示部71から構成したが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0084】
例えばサポーター本体1の内筒状体1bの内周面における踵被覆部に円形状の凹凸部を設け、この凹凸部を踵周被覆認識手段とし、使用者が着用に際し凹凸部の凹凸による感触によって踵被覆部が踵及び踵の周部を被覆したことを認識できるものとしても良い。
【0085】
又、その場合において、凹凸部は、適宜な手段によって形成すれば良い。例えば内筒状体1bと異なる編み方であって凹凸状になる編み方で形成し、あるいは、凹凸部を有する部材を内筒状体1bの内面に貼り付けるようにして形成する。
【0086】
また、上記実施形態では、踵周被覆部としての踵被覆部14を、踵及び踵の周部を被覆できるものから構成したが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0087】
例えばサポーター本体1における足の踵に対応する部分に、踵を受容する踵受容孔を設けるとともに、その踵受容孔の周部を踵被覆部とし、その踵被覆部によって踵の周部を被覆できるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の足首用サポーターの一実施の形態の背面図である。
【図2】図1の正面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】足首用サポーターを、足首関節部に装着した際の側面図である。
【図5】第1強伸張応力部の一部を拡大した正面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【図7】甲被覆部の一部を拡大した説明図である。
【図8】本発明の足首用サポーターを製造する際の工程の一部の説明図である。
【図9】他の実施形態の足首用サポーターの背面図である。
【図10】サポーター本体、中強伸張応力部、及び強伸張応力部の引っ張り試験の測定データを表した図表である。
【図11】身体の足首関節部の構造を模式的に表した説明図である。
【符号の説明】
【0089】
1 サポーター本体
2 強伸張応力部
3 第1強伸張応力部
4 第2強伸張応力部
5 第3強伸張応力部
6 中強伸張応力部
7 位置決め部
14 踵被覆部
61 甲被覆部(第1中強伸張応力部)
62 端縁押え部
71 区画形成表示部(踵周被覆部認識手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも足の踵の周部を含む足首関節部に装着される足首用サポーターであって、
前記足首関節部に密着可能な筒状のサポーター本体と、そのサポーター本体よりも伸張応力が強い強伸張応力部と、その強伸張応力部よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体よりも伸張応力が強い中強伸張応力部とを備え、
前記強伸張応力部は、前記踵の周部における靭帯と腱との少なくとも一方の一部又は全体を被覆できるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備え、
前記中強伸張応力部は、前記サポーター本体における前記第1強伸張応力部の周方向側に配設された第1中強伸張応力部を備えていることを特徴とする足首用サポーター。
【請求項2】
前記第1中強伸張応力部は、前記サポーター本体の周方向側に沿って延ばされているとともに、その周方向に沿う方向の両端が夫々、第1強伸張応力部に連結されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の足首用サポーター。
【請求項3】
前記第1中強伸張応力部には、前記周方向に延びた複数のスリットが設けられ、
前記サポーター本体は、それらのスリットを構成していることを特徴とする請求項2記載の足首用サポーター。
【請求項4】
前記第1強伸張応力部は、湾曲状又はリング状のものから構成され、
前記強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の内周側にリング状の第2強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の足首用サポーター。
【請求項5】
前記足首用サポーターは、装着に際し前記足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備え、
前記位置決め部は、前記踵の周部を少なくとも被覆する踵周被覆部を、使用者に認識できるように形成した踵周被覆部認識手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の足首用サポーター。
【請求項6】
前記中強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の全周部に配設された第2中強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の足首用サポーター。
【請求項1】
少なくとも足の踵の周部を含む足首関節部に装着される足首用サポーターであって、
前記足首関節部に密着可能な筒状のサポーター本体と、そのサポーター本体よりも伸張応力が強い強伸張応力部と、その強伸張応力部よりも伸張応力が弱く且つサポーター本体よりも伸張応力が強い中強伸張応力部とを備え、
前記強伸張応力部は、前記踵の周部における靭帯と腱との少なくとも一方の一部又は全体を被覆できるように前記サポーター本体の一部に配設された第1強伸張応力部を備え、
前記中強伸張応力部は、前記サポーター本体における前記第1強伸張応力部の周方向側に配設された第1中強伸張応力部を備えていることを特徴とする足首用サポーター。
【請求項2】
前記第1中強伸張応力部は、前記サポーター本体の周方向側に沿って延ばされているとともに、その周方向に沿う方向の両端が夫々、第1強伸張応力部に連結されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の足首用サポーター。
【請求項3】
前記第1中強伸張応力部には、前記周方向に延びた複数のスリットが設けられ、
前記サポーター本体は、それらのスリットを構成していることを特徴とする請求項2記載の足首用サポーター。
【請求項4】
前記第1強伸張応力部は、湾曲状又はリング状のものから構成され、
前記強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の内周側にリング状の第2強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の足首用サポーター。
【請求項5】
前記足首用サポーターは、装着に際し前記足首関節部に対する第1強伸張応力部の位置決めをするための位置決め部を、更に備え、
前記位置決め部は、前記踵の周部を少なくとも被覆する踵周被覆部を、使用者に認識できるように形成した踵周被覆部認識手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の足首用サポーター。
【請求項6】
前記中強伸張応力部は、前記第1強伸張応力部の全周部に配設された第2中強伸張応力部を、更に備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の足首用サポーター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−131067(P2010−131067A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307538(P2008−307538)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000112299)ピップフジモト株式会社 (46)
【出願人】(000138554)株式会社ユタックス (18)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【出願人】(000112299)ピップフジモト株式会社 (46)
【出願人】(000138554)株式会社ユタックス (18)
【Fターム(参考)】
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