説明

路車間情報伝送システム、通信装置、路車間情報伝送方法および車車間情報伝送システム

【課題】車載機24−1が路側機14−1から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、同じ周波数で別途設けられた制御チャネル等によっては当該SNRを路側機14−1側へフィードバックできない場合でも、路側機14−1側で当該SNRの情報を得ることができる路車間情報伝送システム1等を提供する。
【解決手段】車載機24−1と路側機14−1との間の伝送路56のCSIの共有に利用するための所定の通信手段31−1として、MIMO情報伝送の通信周波数に用いる高周波数(例:5GHz)より低い低周波数(例:VHF)のチャネルを用いる。VHFチャネル31−1を利用して、上記SNRを路側機14−1側へ送信することにより、路側機14−1側で当該SNRを得ることができるため、伝送路56の特性に応じたビームフォーミング伝送を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載された通信装置(以下、「車載機」という。)と路側機との間の路車間通信および車載機間の車車間通信の開発が行われている。路車間通信は、必ず路側機側から車載機側への通信により開始する。路側機は、定期的に自分の位置、提供するサービスおよび周囲に伝えるための初期データ等をブロードキャストする。車載機はこれらの情報を受信することにより路側機の存在を知ることができ、初期データ等を入手することができる。サービスの必要に応じて、車載機はさらに路側機と通信を行うことになる。
【0003】
上述の路車間通信および車車間通信において、通信チャネルの容量の増加および通信品質の向上を図るために、送受信ともに複数アンテナを用いる多入力多出力(Multi Input Multi Output : MIMO)情報伝送が注目されている。非特許文献1および2に記載されているように、MIMO情報伝送の方式としては、伝送路の情報(伝搬チャネル情報。Channel State Information : CSI)を受信側のみで有する伝送方式と、送信側および受信側の双方で共有する伝送方式との2つの伝送方式がある。後者のCSIを共有する伝送方式の場合、送信側は伝送路の特性に応じたビームフォーミング(beamforming)伝送、即ち、送受信のアンテナ指向性を送受信側で最適に制御した伝送が可能となるため、より効率的な伝送を行うことが可能となる。
【0004】
上述のCSIを共有する伝送方式について簡単に説明する。路側機(送信側)から車載機(受信側)への送信信号をx(t)、車載機における受信信号をy(t)、インパルス応答をa(τ)、tは時間、τは遅延とする。受信信号y(t)は送信信号x(t)とインパルス応答a(τ)との畳み込み積分で表される。送信信号x(t)、インパルス応答a(t)、受信信号y(t)のフーリエ変換をX(f)、A(f)、Y(f)とすると、Y(f)=X(f)A(f)と表すことができる。従って、受信信号y(t)からインパルス応答a(t)を得ることができる。ここで、送信側のアンテナ本数をm本、受信側のアンテナ本数をn本とすると、結局、a(i,j)、i=1〜n,j=1〜mから構成されるチャネル応答行例Aを得ることができる。チャネル応答行例Aを特異値分解(Singular Value Decomposition : SVD)で表し、相関行列AAの固有値λiから、各固有パスの振幅利得√(λk)、(k=1〜M=min(m,n))を得ることができる。但し、各受信アンテナの雑音成分は無視する。各固有パスの振幅利得√(λk)はCSIを表しており、√(λk)を用いることにより送信側のアンテナのウェイト(送信ウェイト)と受信側のアンテナのウェイト(受信ウェイト)とが決まる。送信側では送信ウェイトを用い、受信側では受信ウェイトを用いることにより、M個の情報を同時に混信なく伝送することができる。
【0005】
図7は、従来のCSIを共有したMIMO情報伝送システム50を示す。図7において、符号58は路側機、60は路側機58側の通信機能を示す機能ブロック、54は大型車両、52は大型車両54により路側機58との通信が遮蔽された車両、51は車両52側の車載機、70は車載機51側の通信機能を示す機能ブロック、56は路側機58と車載機51との間の伝送路(マルチパス伝搬チャネル)である。機能ブロック60において、符号61a、61bないし61mは各々アンテナ(以下、「アンテナ61a等」という。)、62a、62bないし62mは各々アンテナ61a等と接続した増幅器、アップコンバータ/ダウンコンバータおよびDAコンバータ/ADコンバータ等の処理部(以下、「処理部62a等」という。)、63a、63bないし63mは各々処理部62a等と接続したウェイト乗算部(以下、「ウェイト乗算部63a等」という。)、65はウェイト乗算部63a等の各ウェイトを決定するウェイト演算部、64はウェイト乗算部63等と接続した分離機/合成機、67は無線信号の処理を含む通信制御を行う通信制御処理装置である。同様に、機能ブロック70において、符号71a、71bないし71nは各々アンテナ(以下、「アンテナ71a等」という。)、72a、72bないし72nは各々アンテナ71a等と接続した増幅器、アップコンバータ/ダウンコンバータおよびDAコンバータ/ADコンバータ等の処理部(以下、「処理部72a等」という。)、73a、73bないし73nは各々処理部72a等と接続したウェイト乗算部(以下、「ウェイト乗算部73a等」という。)、75はウェイト乗算部73a等の各ウェイトを決定するウェイト演算部、74はウェイト乗算部73a等と接続した分離機/合成機、77は無線信号の処理を含む通信制御を行う通信制御処理装置である。
【0006】
次に、MIMO情報伝送システム50におけるビームフォーミング伝送、例えば以下で説明するような固有ビーム空間分割多重伝送(Eigenbeam- Space Division Multiplexing : E−SDM)について説明する。図7に示されるように、まず路側機58(送信)側は、通信制御処理装置67から出力されたデータストリームを分離機64によりk個の異なるサブストリームに分割する。次に路側機58側は、分割された各サブストリームを、ウェイト乗算部63a等と処理部62a等とを介し、m(≧k)個のアンテナ61a等から形成したk個のビームに対応させて送信する。車載機51(受信側)は、伝送路56を介して伝送された各サブストリームをn(≧k)個のアンテナ71a等により受信する。受信した各サブストリームは、処理部72a等とウェイト乗算部73a等を介し、合成機74によりデータストリームに合成されて、通信制御処理装置77に到達する。続けて車載機51は、各サブストリーム検出時における信号対雑音比(signal to noise ratio : SNR)情報を何らかの方法、例えばサブストリームと同じ周波数で別途設けられた制御チャネル(不図示)により、路側機58側へフィードバックする。路側機58側は、車載機51側で検出された各サブストリームのSNRから伝送路56のCSIを導出することができるため、MIMO情報伝送システム50でCSIを共有することになる。路側機58側は、各サブストリームのSNRに基づき、各サブストリームへの送信電力制御と伝送レート制御とを行う。以上により、全体として最適送受信系を形成することができる。言い換えれば全体として最適送受信系を形成するために、路側機58側では車載機51側における各サブストリーム検出時のSNR、即ちCSIを導出できる情報が必要である。当該SNRを得ることができれば、当該SNRから導出したCSIに合わせて伝送レート制御及び送信電力制御を行なうことができる。
【0007】
【非特許文献1】“MIMO(Multi Input Multi Output)関連技術”、[online]、特許庁ホーム・ページ>資料室(その他参考情報)>標準技術集、[平成17年12月1日検索]、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/mimo/mokuji.htm>.
【非特許文献2】中嶋 信生 編、「新世代ワイヤレス技術」、平成16年3月25日発行、丸善株式会社。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
路側機58が設置された場所は固定しており、路側機58側からみた周囲の電波状況は比較的安定している。路側機58は上述のようにデータストリームを複数のサブストリームに分割して車載機51側へ伝送する。但し、路側機58側では車載機51側でサブストリームを適切に受信できたかどうかは不明である。一方、車載機51からみた周囲の電波状況は、車両52の移動および大型車両54との関係等に応じて常に変化している。従って、路側機58からのサブストリームを受信する際に検出されたSNRは、常に変化していることになる。上述のように、全体として最適送受信系を形成するためには、路側機58側では車載機51側における各サブストリーム検出時のSNR情報が必要である。このため、従来は、サブストリームと同じ周波数で別途設けられた制御チャネル等を用いて、当該SNR情報を路側機58側へフィードバックしていた。しかし、一般に移動する車載機51の周囲はシャドーイングが頻繁に発生するという難しい電波状況にあるため、常に同じ周波数の制御チャネルで当該SNR情報を路側機58側へフィードバックすることは困難であるという問題があった。より詳しく場合分けすると、(1)車載機51は路側機58から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、同じ周波数で別途設けられた制御チャネル等によっては当該SNRを路側機58側へフィードバックすることができない場合と、(2)あるいは極端なシャドーイング等により、車載機51が路側機58から送信された各サブストリームを最初から受信できていないような場合とが考えられる。(2)では例えば、車両52が大型車両54により遮蔽されたまま路側機58の通信エリアに入った場合、車載機51は最初から路側機58を発見できない。路側機58を多数設置することにより、一台の路側機58がカバーできないエリアを補うことは可能であるが、路側機58を多数設置することは通信コストの増大を招くことになるという問題があった。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記問題を解決するためになされたものであり、車載機51が路側機58から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、同じ周波数で別途設けられた制御チャネル等によっては当該SNRを路側機58側へフィードバックすることができない場合であっても、路側機58側で車載機51側における各サブストリーム検出時のSNR情報を得ることができる路車間情報伝送システム等を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の目的は、極端なシャドーイング等により、車載機51が路側機58から送信された各サブストリームを最初から受信できていないような場合であっても、路側機58側と車載機51側との間で通信コストの増加を招くことのないビームフォーミング伝送を可能にする路車間情報伝送システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明の路車間情報伝送システムは、車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムであって、該通信装置と該路側機との間の伝送路情報の共有に利用する所定の通信手段を備え、前記通信装置は、前記路側機から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する通信情報送信手段を備え、前記路側機は、前記所定の通信手段を利用して前記通信情報を受信する通信情報受信手段と、前記通信情報受信手段により受信した通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
この発明の路車間情報伝送システムは、車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムであって、前記通信装置は、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した前記車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する車両情報送信手段とを備え、前記路側機は、前記所定の通信手段を利用して前記車両情報を受信する車両情報受信手段と、前記車両情報受信手段により受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
ここで、この発明の路車間情報伝送システムにおいて、前記通信装置と前記路側機との間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段をさらに備え、前記制御手段は、該補助手段の位置情報と前記車両情報受信手段により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことができる。
【0014】
ここで、この発明の路車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルとすることができる。
【0015】
ここで、この発明の路車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網とすることができる。
【0016】
ここで、この発明の路車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、アドホック通信網とすることができる。
【0017】
この発明の通信装置は、車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムにおける通信装置であって、該路車間情報伝送システムは該通信装置と該路側機との間の伝送路情報の共有に利用する所定の通信手段を備えており、前記路側機から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する通信情報送信手段を備え、該通信情報は、前記路側機側で前記所定の通信手段を利用して受信され、該路側機側で該通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理が行なわれることを特徴とする。
【0018】
この発明の通信装置は、車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムにおける通信装置であって、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した前記車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する車両情報送信手段とを備え、該車両情報は、前記路側機側の車両情報受信手段により前記所定の通信手段を利用して受信され、制御手段により該車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理が行われることを特徴とする。
【0019】
ここで、この発明の通信装置において、前記路車間情報伝送システムは前記通信装置と前記路側機との間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段をさらに有し、前記制御手段は、該補助手段の位置情報と前記車両情報受信手段により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことができる。
【0020】
ここで、この発明の通信装置において、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルとすることができる。
【0021】
ここで、この発明の通信装置において、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網とすることができる。
【0022】
ここで、この発明の通信装置において、前記所定の通信手段は、アドホック通信網とすることができる。
【0023】
この発明の路車間情報伝送方法は、車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送方法であって、該通信装置と該路側機との間の伝送路情報の共有に所定の通信手段を利用するものであり、前記通信装置が、前記路側機から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する通信情報送信ステップと、前記路側機が、前記所定の通信手段を利用して前記通信情報を受信する通信情報受信ステップと、前記通信情報受信ステップで受信した通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【0024】
この発明の路車間情報伝送方法は、車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送方法であって、前記通信装置が、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段により取得した該車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する車両情報送信ステップと、前記路側機が、前記所定の通信手段を利用して前記車両情報を受信する車両情報受信ステップと、前記車両情報受信ステップで受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理を行なう制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【0025】
ここで、この発明の路車間情報伝送方法において、前記制御ステップは、前記通信装置と前記路側機との間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段の位置情報と前記車両情報受信ステップで受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことができる。
【0026】
ここで、この発明の路車間情報伝送方法において、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルとすることができる。
【0027】
ここで、この発明の路車間情報伝送方法において、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網とすることができる。
【0028】
ここで、この発明の路車間情報伝送方法において、前記所定の通信手段は、アドホック通信網とすることができる。
【0029】
この発明の車車間情報伝送システムは、車両に搭載された通信装置間で多入力多出力情報伝送を行う車車間情報伝送システムであって、該通信装置間の伝送路情報の共有に利用する所定の通信手段を備え、前記通信装置は、多入力多出力情報伝送の受信側用に、他の通信装置から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して該他の通信装置側へ送信する通信情報送信手段を備え、多入力多出力情報伝送の送信側用に、前記所定の通信手段を利用して他の通信装置からの通信情報を受信する通信情報受信手段と、前記通信情報受信手段により受信した通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
この発明の車車間情報伝送システムは、車両に搭載された通信装置間で多入力多出力情報伝送を行う車車間情報伝送システムであって、前記通信装置は、多入力多出力情報伝送の受信側用に、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した前記車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して他の通信装置側へ送信する車両情報送信手段とを備え、多入力多出力情報伝送の送信側用に、前記所定の通信手段を利用して他の通信装置からの車両情報を受信する車両情報受信手段と、前記車両情報受信手段により受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0031】
ここで、この発明の車車間情報伝送システムにおいて、前記通信装置間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段をさらに備え、前記制御手段は、該補助手段の位置情報と前記車両情報受信手段により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことができる。
【0032】
ここで、この発明の車車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルとすることができる。
【0033】
ここで、この発明の車車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網とすることができる。
【0034】
ここで、この発明の車車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、アドホック通信網とすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の路車間情報伝送システム等では、車載機で路側機から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを路側機側へフィードバックすることができない場合等を想定する。このような場合においても、本発明の路車間情報伝送システム等によれば、車載機と路側機との間の伝送路の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段として、例えばMIMO情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルを用いる。当該高周波数としては例えば5GHzを用い、当該低周波数としてはVHFを用いることが好適である。VHF等の低周波数のチャネルを利用して、車載機側における各サブストリーム検出時のSNRを路側機側へ送信することにより、路側機側で当該SNRを得ることができるため、伝送路の特性に応じたビームフォーミング伝送を行うことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、各実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0037】
図1は、本発明の実施例1における路車間情報伝送システム1を示す。図1で、背景技術で説明したMIMO情報伝送システム50(図7参照)と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図1において、符号14−1は路側機、10−1は路側機14−1側の通信機能を示す機能ブロック、24−1は車両52側の車載機(車両52に搭載された通信装置)、20−1は車載機24−1側の通信機能を示す機能ブロックである。実施例1では、車載機24−1は路側機14−1から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを路側機14−1側へフィードバックすることができない場合を想定する。
【0038】
路車間情報伝送システム1は車載機24−1と路側機14−1との間でMIMO情報伝送を行うシステムであり、図1に示されるように、車載機24−1と路側機14−1との間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段31−1を備えている点に特徴がある。所定の通信手段31−1として、例えば、路側機14−1側の複数のアンテナ61a等および車載機24−1側の複数のアンテナ71a等により実現されるMIMO情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルを用いることができる。当該高周波数としては例えば5GHzを用い、当該低周波数としてはVHF(very high frequency。周波数30MHz〜300MHz)を用いることが好適である。
【0039】
車載機24−1は、路側機14−1から複数のアンテナ61a等を介して送信された各サブストリームを検出した際における伝送路56の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、上述のVHF等の低周波数のチャネル31−1を利用して路側機14−1側へ送信するための通信情報送信手段を備えている。通信情報には車載機24−1を識別するためのID等の情報も含む。図1に示されるように、この通信情報送信手段は、VHF等の低周波数送信用のアンテナ21−1とアンテナ21−1に接続した低周波送信部22−1とから構成されている。通信制御処理装置23−1は、複数のアンテナ71a等を介して受信した無線信号の処理を含む通信制御に加えて、低周波送信部22−1の制御も行う。以上のようにして、車載機24−1は通信情報送信手段を用いることにより路側機10−1へ自らの存在(ID)と伝送路56の状況とを知らせることが可能となる。
【0040】
路側機14−1は、VHF等の低周波数のチャネル31−1を利用して上記通信情報を受信する通信情報受信手段を備えている。この通信情報受信手段は、VHF等の低周波数受信用のアンテナ11−1とアンテナ11−1に接続した低周波受信部12−1とから構成されている。さらに路側機14−1は、通信情報受信手段により受信したSNR等の通信情報から導出された伝送路56の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御装置(制御手段)13−1を備えている。制御装置13−1は、複数のアンテナ61a等を介し5GHzのMIMO情報伝送を行うMIMOチャネルと、アンテナ11−1を介しVHF等の低周波数の伝送を行うチャネル31−1との2つのチャネルを同時に受信でき、且つ同期をとることができるものとする。制御装置13−1は、伝送路56の情報(CSI)に基づき、送信側のアンテナ61a等のウェイト(送信ウェイト)と指向性パターンとを決定することにより、各サブストリームの送信電力および伝送レートを制御する。伝送路56の情報(CSI)を共有することにより、路側機14−1は効率的なビームフォーミング伝送を行うことができる。ビームフォーミング伝送としては、固有ビーム空間分割多重伝送が好適であるが、これに限定されるものではなく、例えば重み付き空間分割多重伝送(Weighted - Space Division Multiplexing : W−SDM)であってもよい。
【0041】
路車間情報伝送システム1における車載機(通信装置)24−1に注目すれば、車載機24−1は、路側機14−1から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、車載機24−1と路側機14−1との間の伝送路情報の共有に利用するための所定の通信手段31−1を利用して路側機14−1側へ送信する通信情報送信手段を備えている。所定の通信手段31−1として、例えば、路側機14−1側の複数のアンテナ61a等および車載機24−1側の複数のアンテナ71a等により実現されるMIMO情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低いVHF等の低周波数のチャネルを用いることができる。通信情報送信手段は、VHF等の低周波数送信用のアンテナ21−1とアンテナ21−1に接続した低周波送信部22−1とから構成されている。上記通信情報は、路側機14−1側で上記低周波数のチャネル31−1を利用して受信され、路側機側14−1で通信情報から導出された伝送路の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理が行なわれる。
【0042】
車載機24−1と路側機14−1との間でMIMO情報伝送を行う路車間情報伝送方法に注目すれば、路車間情報伝送方法は、車載機24−1と路側機14−1との間の伝送路情報(CSI)の共有に所定の通信手段31−1を利用するものであり、所定の通信手段31−1として、例えば、路側機14−1側の複数のアンテナ61a等および車載機24−1側の複数のアンテナ71a等により実現されるMIMO情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルを用いることができる。路車間情報伝送方法では、車載機24−1が、路側機14−1から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、低周波数のチャネル31−1を利用して路側機14−1側へ送信する(通信情報送信ステップ)。路側機14−1が、低周波数のチャネル31−1を利用して通信情報を受信し(通信情報受信ステップ)、当該通信情報から導出された伝送路の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう(制御ステップ)。
【0043】
上述のように、実施例1では、車載機24−1で路側機14−1から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを路側機14−1側へフィードバックすることができない場合を想定した。このような場合においても、以上説明した本発明の実施例1によれば、車載機24−1と路側機14−1との間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段31−1として、MIMO情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルを用いる。当該高周波数としては例えば5GHzを用い、当該低周波数としてはVHFを用いることが好適である。VHF等の低周波数のチャネル31−1を利用して、車載機24−1側における各サブストリーム検出時のSNRを路側機14−1側へ送信することにより、路側機14−1側で当該SNRを得ることができるため、伝送路56の特性に応じたビームフォーミング伝送を行うことができる。
【実施例2】
【0044】
図2は、本発明の実施例2における路車間情報伝送システム2を示す。図2で、図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図2において、符号14−2は路側機、10−2は路側機14−2側の通信機能を示す機能ブロック、24−2は車両52側の車載機(車両52に搭載された通信装置)、20−2は車載機24−2側の通信機能を示す機能ブロックである。実施例2では実施例1と同様に、車載機24−2は路側機14−2から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを路側機14−2側へフィードバックすることができない場合を想定する。
【0045】
路車間情報伝送システム2は車載機24−2と路側機14−2との間でMIMO情報伝送を行うシステムであり、図2に示されるように、車載機24−2と路側機14−2との間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段31−2を備えている点に特徴がある。所定の通信手段31−2としては、路車間通信とは直接的な関係が無い通信メディア、例えば携帯電話通信網を用いることができる。図2に示されるように、携帯電話通信網31−2はノード33aに接続された基地局32a、ノード33bに接続された基地局32b等を有している。車載機24−2は基地局32a、携帯電話通信網31−2、基地局33bを介して路側機14−2側と通信を行うことができる。
【0046】
車載機24−2は、路側機14−2から複数のアンテナ61a等を介して送信された各サブストリームを検出した際における伝送路56の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、上述の携帯電話通信網31−2を利用して路側機14−2側へ送信するための通信情報送信手段を備えている。通信情報には車載機24−2を識別するためのID等の情報も含む。図2に示されるように、この通信情報送信手段は、携帯電話通信用のアンテナ21−2とアンテナ21−2に接続した携帯電話通信用の送信部22−2とから構成されている。アンテナ21−2としては、一般的に用いられている線状アンテナ、平面アンテナ等を使用すればよい。図2では、アンテナ21−2は1本で示されているが、アンテナ21−2は携帯電話機用のアレーアンテナ、ダイバーシティアンテナまたはアダプティブアンテナ等であってもよい。通信制御処理装置23−2は、複数のアンテナ71a等を介して受信した無線信号の処理を含む通信制御に加えて、送信部22−2の制御も行う。以上のようにして、車載機24−2は通信情報送信手段を用いることにより路側機14−2へ自らの存在(ID)と伝送路56の状況とを知らせることが可能となる。
【0047】
路側機14−2は、携帯電話通信網31−2を利用して上記通信情報を受信する通信情報受信手段を備えている。この通信情報受信手段は、携帯電話通信用のアンテナ11−2とアンテナ11−2に接続した携帯電話通信用の受信部12−2とから構成されている。アンテナ11−2はアンテナ21−2と同様に種々のアンテナを用いることができる。さらに路側機14−2は、通信情報受信手段により受信したSNR等の通信情報から導出された伝送路56の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御装置(制御手段)13−2を備えている。制御装置13−2には携帯電話通信網とのインタフェース(不図示)が備えられているものとする。制御装置13−2は、伝送路56の情報(CSI)に基づき、送信側のアンテナ61a等のウェイト(送信ウェイト)と指向性パターンとを決定することにより、各サブストリームの送信電力および伝送レートを制御する。伝送路56の情報(CSI)を共有することにより、路側機14−2は効率的なビームフォーミング伝送を行うことができる。ビームフォーミング伝送としては、固有ビーム空間分割多重伝送または重み付き空間分割多重伝送等が好適である。
【0048】
路車間情報伝送システム2における車載機(通信装置)24−2に注目すれば、車載機24−2は、路側機14−2から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、車載機24−2と路側機14−2との間の伝送路情報の共有に利用するための所定の通信手段31−2を利用して路側機14−2側へ送信する通信情報送信手段を備えている。所定の通信手段31−2として、路車間通信とは直接的な関係が無い通信メディア、例えば携帯電話通信網を用いることができる。通信情報送信手段は、携帯電話通信用のアンテナ21−2とアンテナ21−2に接続した携帯電話通信用の送信部22−2とから構成されている。上記通信情報は、路側機14−2側で上記携帯電話通信網31−2を利用して受信され、路側機側14−2で通信情報から導出された伝送路の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理が行なわれる。
【0049】
車載機24−2と路側機14−2との間でMIMO情報伝送を行う路車間情報伝送方法に注目すれば、路車間情報伝送方法は、車載機24−2と路側機14−2との間の伝送路情報(CSI)の共有に所定の通信手段31−2を利用するものであり、所定の通信手段31−2として、路車間通信とは直接的な関係が無い通信メディア、例えば携帯電話通信網を用いることができる。路車間情報伝送方法では、車載機24−2が、路側機14−2から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、携帯電話通信網31−2を利用して路側機14−2側へ送信する(通信情報送信ステップ)。路側機14−2が、携帯電話通信網31−2を利用して通信情報を受信し(通信情報受信ステップ)、当該通信情報から導出された伝送路の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう(制御ステップ)。
【0050】
上述のように、実施例2では、車載機24−2で路側機14−2から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを路側機14−2側へフィードバックすることができない場合を想定した。このような場合においても、以上説明した本発明の実施例2によれば、車載機24−2と路側機14−2との間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段31−2として、路車間通信とは直接的な関係が無い通信メディア、例えば携帯電話通信網を用いる。携帯電話通信網31−2を利用して、車載機24−2側における各サブストリーム検出時のSNRを路側機14−2側へ送信することにより、路側機14−2側で当該SNRを得ることができるため、伝送路56の特性に応じたビームフォーミング伝送を行うことができる。
【実施例3】
【0051】
図3は、本発明の実施例3における路車間情報伝送システム3を示す。図3で、図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図3において、符号14−3は路側機、10−3は路側機14−3側の通信機能を示す機能ブロック、24−3は車両52a側の車載機(車両52aに搭載された通信装置)、20−3は車載機24−3側の通信機能を示す機能ブロックである。車両52b、52cおよび54側にも後述する機能ブロック20−3に示される機能と同様の機能を有する車載機(各々不図示)が搭載されているものとする。実施例3では実施例1と同様に、車載機24−3は路側機14−3から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを路側機14−3側へフィードバックすることができない場合を想定する。
【0052】
路車間情報伝送システム3は車載機24−3と路側機14−3との間でMIMO情報伝送を行うシステムであり、図3に示されるように、車載機24−3と路側機14−3との間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段31−3を備えている点に特徴がある。所定の通信手段31−3としては、アドホック通信網を用いることができる。図3に示されるように、アドホック通信網31−3は車載機24−3と車載機24−3に対してシャドーイングを起こした大型車両54の有する車載機とから構成され、車載機24−3は大型車両54の有する車載機に中継してもらうことにより、路側機14−3側と通信を行うことができる。アドホック通信網31−3は、車載機24−3と車両52bの有する車載機と車両52cの有する車載機とから構成されているものとしてもよい。この場合、車載機24−3は車両52bの有する車載機と車両52cの有する車載機とに順次中継してもらうことにより、路側機14−3側と通信を行うことができる。
【0053】
車載機24−3は、路側機14−3から複数のアンテナ61a等を介して送信された各サブストリームを検出した際における伝送路56の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、上述のアドホック通信網31−3を利用して路側機14−3側へ送信するための通信情報送信手段を備えている。通信情報には車載機24−3を識別するためのID等の情報も含む。図3に示されるように、この通信情報送信手段は、アドホック通信用のアンテナ21−3とアンテナ21−3に接続したアドホック通信用の送信部22−3とから構成されている。通信情報送信手段としては、一般的に用いられている無線LAN端末等を使用すればよい。あるいは通信情報送信手段として、全地球測位システム(Global Positioning System : GPS)装置とIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11b等の無線LAN仕様に基づく無線カードとを搭載したカーナビゲーション装置等を用いてもよい。通信制御処理装置23−3は、複数のアンテナ71a等を介して受信した無線信号の処理を含む通信制御に加えて、送信部22−3の制御も行う。以上のようにして、車載機24−3は通信情報送信手段を用いることにより路側機14−3へ自らの存在(ID)と伝送路56の状況とを知らせることが可能となる。
【0054】
路側機14−3は、アドホック通信網31−3を利用して上記通信情報を受信する通信情報受信手段を備えている。この通信情報受信手段は、アドホック通信用のアンテナ11−3とアンテナ11−3に接続したアドホック通信用の受信部12−3とから構成されている。通信情報受信手段としては、通信情報送信手段のような無線LAN端末等を用いればよい。さらに路側機14−3は、通信情報受信手段により受信したSNR等の通信情報から導出された伝送路56の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御装置(制御手段)13−3を備えている。制御装置13−3は、伝送路56の情報(CSI)に基づき、送信側のアンテナ61a等のウェイト(送信ウェイト)と指向性パターンとを決定することにより、各サブストリームの送信電力および伝送レートを制御する。伝送路56の情報(CSI)を共有することにより、路側機14−3は効率的なビームフォーミング伝送を行うことができる。ビームフォーミング伝送としては、固有ビーム空間分割多重伝送または重み付き空間分割多重伝送等が好適である。
【0055】
路車間情報伝送システム3における車載機(通信装置)24−3に注目すれば、車載機24−3は、路側機14−3から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、車載機24−3と路側機14−3との間の伝送路情報の共有に利用するための所定の通信手段31−3を利用して路側機14−3側へ送信する通信情報送信手段を備えている。所定の通信手段31−3として、アドホック通信網を用いることができる。通信情報送信手段は、アドホック通信用のアンテナ21−3とアンテナ21−3に接続したアドホック通信用の送信部22−3とから構成されている。通信情報送信手段としては、一般的に用いられている無線LAN端末等またはGPS装置とIEEE802.11b等の無線LAN仕様に基づく無線カードとを搭載したカーナビゲーション装置等を用いればよい。上記通信情報は、路側機14−3側で上記アドホック通信網31−3を利用して受信され、路側機側14−3で通信情報から導出された伝送路の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理が行なわれる。
【0056】
車載機24−3と路側機14−3との間でMIMO情報伝送を行う路車間情報伝送方法に注目すれば、路車間情報伝送方法は、車載機24−3と路側機14−3との間の伝送路情報(CSI)の共有に所定の通信手段31−3を利用するものであり、所定の通信手段31−3として、アドホック通信網を用いることができる。路車間情報伝送方法では、車載機24−3が、路側機14−3から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、アドホック通信網31−3を利用して路側機14−3側へ送信する(通信情報送信ステップ)。路側機14−3が、アドホック通信網31−3を利用して通信情報を受信し(通信情報受信ステップ)、当該通信情報から導出された伝送路の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう(制御ステップ)。
【0057】
上述のように、実施例3では、車載機24−3で路側機14−3から送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを路側機14−3側へフィードバックすることができない場合を想定した。このような場合においても、以上説明した本発明の実施例3によれば、車載機24−3と路側機14−3との間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段31−3として、アドホック通信網を用いる。アドホック通信網31−3を利用して、車載機24−3側における各サブストリーム検出時のSNRを路側機14−3側へ送信することにより、路側機14−3側で当該SNRを得ることができるため、伝送路56の特性に応じたビームフォーミング伝送を行うことができる。
【実施例4】
【0058】
図4は、本発明の実施例4における路車間情報伝送システム4を示す。図4で、図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図4において、符号14−4は路側機、10−4は路側機14−4側の通信機能を示す機能ブロック、24−4は車両52側の車載機(車両52に搭載された通信装置)、20−4は車載機24−4側の通信機能を示す機能ブロックである。実施例4では、大型車両54等による極端なシャドーイングにより、車載機24−4が路側機14−4から送信された各サブストリームを最初から受信できていないような場合、例えば図4に示されるように、車両52が大型車両54により遮蔽されたまま路側機14−4の通信エリアLに入ったため、車載機24−4が最初から路側機14−4を発見できないような場合を想定する。
【0059】
図4に示されるように、車載機24−4は、車両52の位置情報を取得するGPS装置等(位置情報取得手段)26と、GPS装置等26により取得した車両52の位置情報と車両52の識別子(ID)とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して路側機14−4側へ送信する車両情報送信手段とを備えている。車両情報送信手段はアンテナ21−4とアンテナ21−4に接続した送信部22−4とから構成されている。所定の通信手段としては、実施例1で説明した低周波数のチャネル31−1を用いることができる。この場合、アンテナ21−4はVHF等の低周波数送信用のアンテナとし、送信部22−4は低周波送信部とすればよい。あるいは所定の通信手段として、実施例2で説明した携帯電話通信網31−2を用いることができる。この場合、アンテナ21−4は携帯電話通信用のアンテナとし、送信部22−4は携帯電話通信用の送信部とすればよい。または所定の通信手段として、実施例3で説明したアドホック通信網31−3を用いることができる。この場合、アンテナ21−4はアドホック通信用のアンテナとし、送信部22−4はアドホック通信用の送信部とすればよい。通信制御処理装置23−4は、GPS装置等26により車両52の位置情報を取得することができ、さらにGPS装置等26の有する位置データベース(路側機配置マップ等)により路側機14−4の位置情報を得ることができる。そこで通信制御処理装置23−4は、通信エリアL外の位置Pに車両52がいる場合、車両情報送信手段に対し、上述の所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して車両52の位置情報と車両52の識別子(ID)とを含む車両情報を路側機14−4側へ送信させるための制御を行なう。
【0060】
路側機14−4は、所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して上記車両情報を受信する車両情報受信手段を有している。車両情報受信手段は、アンテナ11−4とアンテナ11−4に接続した受信部12−4とから構成されている。所定の通信手段として実施例1で説明した低周波数のチャネル31−1を用いる場合、アンテナ11−4はVHF等の低周波数受信用のアンテナとし、受信部12−4は低周波受信部とすればよい。所定の通信手段として、実施例2で説明した携帯電話通信網31−2を用いる場合、アンテナ11−4は携帯電話通信用のアンテナとし、受信部12−4は携帯電話通信用の受信部とすればよい。所定の通信手段として、実施例3で説明したアドホック通信網31−3を用いる場合、アンテナ11−4はアドホック通信用のアンテナとし、受信部12−4はアドホック通信用の受信部とすればよい。路側機14−4は、車両情報受信手段により受信した車両情報に基づき、予め各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理の準備処理を行なう制御装置(制御手段)13−4をさらに備えている。即ち、路側機14−4側では車両52の位置を逐次把握し且つ当該位置に向けて各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理の準備処理を行っている。従って、車両52が大型車両54により遮蔽されたまま路側機14−4の通信エリアLに入ったような場合であっても、路側機14−4側では予め行われてきた準備処理に基づき、車両52の位置Qに向けて各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことができる。この結果、路側機14−4と車載機24−4−との間でビームフォーミング伝送を行うことが可能となる。ビームフォーミング伝送としては、実施例1ないし3と同様に固有ビーム空間分割多重伝送または重み付き空間分割多重伝送等が好適である。
【0061】
路車間情報伝送システム4における車載機(通信装置)24−4に注目すれば、車載機24−4は、車両52の位置情報を取得するGPS装置等(位置情報取得手段)26と、GPS装置等26により取得した車両52の位置情報と車両52の識別子(ID)とを含む車両情報を所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して路側機14−4側へ送信する車両情報送信手段(22−4、21−4)とを備えている。上記車両情報は、路側機14−4側の車両情報受信手段(11−4、12−4)により所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して受信され、制御装置(制御手段)13−4により上記車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理または該処理の準備処理が行われる。
【0062】
車載機24−4と路側機14−4との間でMIMO情報伝送を行う路車間情報伝送方法に注目すれば、路車間情報伝送方法は、車載機24−4が、車両52の位置情報を取得するGPS装置等(位置情報取得手段)26により取得した車両52の位置情報と車両52の識別子(ID)とを含む車両情報を所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して路側機側へ送信する(車両情報送信ステップ)。路側機14−4が、所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して上記車両情報を受信する(車両情報受信ステップ)。車両情報受信ステップで受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理または該処理の準備処理を行なう(制御ステップ)。
【0063】
上述のように、実施例4では、車両52が大型車両54により遮蔽されたまま路側機14−4の通信エリアLに入ったため、車載機24−4が最初から路側機14−4を発見できないような場合を想定した。このような場合においても、以上説明した本発明の実施例4によれば、通信制御処理装置23−4は、通信エリアL外の位置Pに車両52がいる場合、車両情報送信手段に対し、上述の所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して車両52の位置情報と車両52の識別子(ID)とを含む車両情報を路側機14−4側へ送信させるための制御を行なう。路側機14−4の位置情報はGPS装置等26の有する位置データベース(路側機配置マップ等)により取得する。路側機14−4は、所定の通信手段31−1、31−2、31−3等を利用して車両情報受信手段により上記車両情報を受信する。路側機14−4は、制御装置(制御手段)13−4により、受信した車両情報に基づき、予め各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理の準備処理を行なう。即ち、路側機14−4側では車両52の位置を逐次把握し且つ当該位置に向けて各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理の準備処理を行う。従って、車両52が大型車両54により遮蔽されたまま路側機14−4の通信エリアLに入ったような場合であっても、路側機14−4側では予め行われてきた準備処理に基づき、車両52の位置Qに向けて各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことができる。この結果、路側機14−4と車載機24−4−との間でビームフォーミング伝送を行うことが可能となる。
【実施例5】
【0064】
図5は、本発明の実施例5における路車間情報伝送システム5を示す。図5で、図4と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。上述の実施例4では、車両52が大型車両54により遮蔽されたまま路側機14−4の通信エリアLに入ったような場合、路側機14−4側では予め行われてきた準備処理に基づき、車両52の位置Qに向けて各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なった。実施例5では、実施例4の方式に加えてさらに確実にビームフォーミング伝送を行うことができる路車間情報伝送システム5について説明する。
【0065】
実施例5が実施例4と異なる点は、図5に示されるように車載機24−4と路側機14−4との間のMIMO情報伝送を補助する補助手段34をさらに備えた点にある。補助手段34としては例えば電波を反射する標準レフレクタ(アンテナ)を用いればよい。制御装置(制御手段)13−4は、標準レフレクタ34の位置情報と車両情報受信手段(アンテナ11−4および受信部12−4)により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を標準レフレクタ34側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行う。図5では標準レフレクタ34は1台のみ示されているが、標準レフレクタ34は道路環境に応じて所望の数だけ設置すればよい。
【0066】
路車間情報伝送システム5における車載機(通信装置)24−4は、基本的に路車間情報伝送システム4における車載機(通信装置)24−4と同様の機能を有している。両者が異なる点は、路車間情報伝送システム5の方で車載機24−4と路側機14−4との間のMIMO情報伝送を補助する標準レフレクタ(補助手段)34をさらに備えた点にある。制御装置(制御手段)13−4は、標準レフレクタ34の位置情報と車両情報受信手段(アンテナ11−4および受信部12−4)により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を標準レフレクタ34側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行う。
【0067】
実施例5の路車間情報伝送方法では、実施例4の路車間情報伝送方法における制御ステップは、車載機24−4と路側機14−4との間のMIMO情報伝送を補助する標準レフレクタ(補助手段)34の位置情報と車両情報受信ステップで受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を標準レフレクタ34側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行う。
【0068】
以上より、実施例5によれば、実施例4の方式によるビームフォーミング伝送に加えて、さらに標準レフレクタ34によるサブストリームの反射を同時にMIMO情報伝送に利用することができる。このため、車両52の位置に応じた動的なビームフォーミング伝送を実現することが可能となる。標準レフレクタ34は路側機14−4と比較してコスト的にも廉価であるため、極端なシャドーイング等により、車載機24−4が路側機14−4から送信された各サブストリームを最初から受信できていないような場合であっても、路側機14−4側と車載機24−4側との間で通信コストの増加を招くことのないビームフォーミング伝送を可能にすることができる。
【実施例6】
【0069】
実施例1ないし5で説明した路車間情報伝送システム1ないし5の技術は、車載機間でMIMO情報伝送を行う車車間情報伝送システムに対しても同様に適用することが可能である。図6は、本発明の実施例6における車車間情報伝送システム6を示す。図6で、図1と同じ符号を付した箇所は同じ要素を示すため、説明は省略する。図6において、符号24−6aは車両52a側の車載機(車両52aに搭載された通信装置)、20aは車載機24−6a側の通信機能を示す機能ブロック、24−6bは車両52b側の車載機(車両52bに搭載された通信装置)、20bは車載機24−6b側の通信機能を示す機能ブロックである。実施例6ではまず実施例1ないし3と同様に、車載機24−6aは車載機24−6bから送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況(大型車両54によるシャドーイング等)のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを車載機24−6b側へフィードバックすることができない場合を想定する。
【0070】
車車間情報伝送システム6は車載機24−6aと車載機24−6bとの間でMIMO情報伝送を行うシステムであり、図6に示されるように、車載機24−6aと車載機24−6bとの間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段31−1等を備えている点に特徴がある。所定の通信手段31−1等として、例えば実施例1と同様に、車載機24−6b側の複数のアンテナ71a等および車載機24−6a側の複数のアンテナ71a等により実現されるMIMO情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルを用いることができる。当該高周波数としては例えば5GHzを用い、当該低周波数としてはVHFを用いることが好適である。
【0071】
車載機24−6aは、車載機24−6b側の複数のアンテナ71a等を介して送信された各サブストリームを検出した際における伝送路56の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、上述のVHF等の低周波数のチャネル31−1を利用して車載機24−6b側へ送信するための通信情報送信手段を備えている。通信情報には車載機24−6aを識別するためのID等の情報も含む。図6に示されるように、この通信情報送信手段は、VHF等の低周波数送信用のアンテナ21(車載機24−6a側)と当該アンテナ21に接続した低周波送信部22(車載機24−6a側)とから構成されている。制御処理装置23/13(車載機24−6a側)は、複数のアンテナ71a等(車載機24−6a側)を介して受信した無線信号の処理を含む通信制御に加えて、低周波送信部22(車載機24−6a側)の制御も行う。以上のようにして、車載機24−6aは通信情報送信手段を用いることにより車載機24−6bへ自らの存在(ID)と伝送路56の状況とを知らせることが可能となる。
【0072】
車載機24−6bは、VHF等の低周波数のチャネル31−1を利用して上記通信情報を受信する通信情報受信手段を備えている。この通信情報受信手段は、VHF等の低周波数受信用のアンテナ21(車載機24−6b側)と当該アンテナ21に接続した低周波受信部12(車載機24−6b側)とから構成されている。さらに車載機24−6bは、通信情報受信手段により受信したSNR等の通信情報から導出された伝送路56の情報(CSI)に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御処理装置(制御手段)23/13(車載機24−6b側)を備えている。制御処理装置23/13(車載機24−6b側)は、複数のアンテナ71a等(車載機24−6b側)を介し5GHzのMIMO情報伝送を行うMIMOチャネルと、アンテナ21(車載機24−6b側)を介しVHF等の低周波数の伝送を行うチャネルとの2つのチャネルを同時に受信でき、且つ同期をとることができるものとする。制御処理装置23/13(車載機24−6b側)は、伝送路56の情報(CSI)に基づき、送信側のアンテナ71a等(車載機24−6b側)のウェイト(送信ウェイト)と指向性パターンとを決定することにより、各サブストリームの送信電力および伝送レートを制御する。伝送路56の情報(CSI)を共有することにより、車載機24−6bは効率的なビームフォーミング伝送を行うことができる。ビームフォーミング伝送としては、固有ビーム空間分割多重伝送または重み付き空間分割多重伝送等が好適である。
【0073】
上述の説明では、車載機24−6a側が受信側、車載機24−6b側が送信側として説明したが、これとは逆に車載機24−6a側が送信側、車載機24−6b側が受信側とした場合も同様に説明することができる。図6に示されるように、車載機24−6aはMIMO情報伝送の送信側用として、所定の通信手段13−1を利用して他の車載機24−6bからの通信情報を受信する通信情報受信手段を有している。当該通信情報受信手段は、VHF等の低周波数受信用のアンテナ21(車載機24−6a側)と当該アンテナ21に接続した低周波受信部12(車載機24−6a側)とから構成されている。さらに車載機24−6aは、当該通信情報受信手段により受信した通信情報から導出された伝送路56の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御処理装置(制御手段)23/13(車載機24−6a側)を備えている。一方、車載機24−6bは、車載機24−6a側の複数のアンテナ71a等を介して送信された各サブストリームを検出した際における伝送路56の情報(CSI)を導出可能なSNR等の通信情報を、上述のVHF等の低周波数のチャネル31−1を利用して車載機24−6a側へ送信するための通信情報送信手段を備えている。通信情報には車載機24−6bを識別するためのID等の情報も含む。図6に示されるように、この通信情報送信手段は、VHF等の低周波数送信用のアンテナ21(車載機24−6b側)と当該アンテナ21に接続した低周波送信部22(車載機24−6b側)とから構成されている。制御処理装置23/13(車載機24−6b側)は、複数のアンテナ71a等(車載機24−6b側)を介して受信した無線信号の処理を含む通信制御に加えて、低周波送信部22(車載機24−6b側)の制御も行う。以上のようにして、車載機24−6bは通信情報送信手段を用いることにより車載機24−6aへ自らの存在(ID)と伝送路56の状況とを知らせることが可能となる。
【0074】
所定の通信手段として、実施例2で説明した携帯電話通信網31−2を用いる場合、アンテナ21は携帯電話通信用のアンテナとし、受信部12は携帯電話通信用の受信部とし、送信部22は携帯電話通信用の送信部とすればよい。所定の通信手段として、実施例3で説明したアドホック通信網31−3を用いる場合、アンテナ21はアドホック通信用のアンテナとし、受信部12はアドホック通信用の受信部とし、送信部22はアドホック通信用の送信部とすればよい。制御処理装置23/13の機能は、実施例2で説明した通信制御処理装置23−2および制御装置13−2の機能、実施例3で説明した通信制御処理装置23−3および制御装置13−3の機能と同様であるため、説明は省略する。
【0075】
実施例6でも実施例4のように、極端なシャドーイング等により、車載機24−6aが車載機24−6bから送信された各サブストリームを受信できないような場合を想定することができる。この場合、車載機24−6aは、MIMO情報伝送の受信側用として、車両52aの位置情報を取得するGPS装置等(位置情報取得手段。車載機24−6a側)26と、当該GPS装置等26により取得した車両52aの位置情報と車両52aの識別子(ID)とを含む車両情報を所定の通信手段31−1等を利用して他の車載機24−6b側へ送信する車両情報送信手段とを備えている。図6に示されるアンテナ21(車載機24−6a側)と当該アンテナ21に接続した送信部22(車載機24−6a側)とは車両情報送信手段を構成するものとすればよい。一方、車載機24−6aは、MIMO情報伝送の送信側用として、所定の通信手段31−1等を利用して他の車載機24−6bからの車両情報を受信する車両情報受信手段を備えている。図6に示されるアンテナ21(車載機24−6a側)と当該アンテナ21に接続した受信部12(車載機24−6a側)とは車両情報受信手段を構成するものとすればよい。図6に示される制御処理装置23/13(車載機24−6a側)は、上記車両情報受信手段により受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理または当該処理の準備処理を行なうものとすればよい。細部については実施例4と同様であるため説明は省略する。所定の通信手段31−1等としては、例えば実施例1と同様に低周波数のチャネル31−1、実施例2と同様に携帯電話通信網31−2、または実施例3と同様にアドホック通信網31−3等を用いればよい。上述の説明では、車載機24−6a側が受信側、車載機24−6b側が送信側として説明したが、これとは逆に車載機24−6a側が送信側、車載機24−6b側が受信側とした場合も同様に説明することができる。
【0076】
実施例6でも実施例5のように、さらに確実にビームフォーミング伝送を行うことができる。図6に示されるように、車車間情報伝送システム6において車載機24−6aと車載機24−6bとの間のMIMO情報伝送を補助する補助手段34をさらに備えるものとする。補助手段34としては実施例5のように標準レフレクタ(アンテナ)を用いればよい。制御処理装置23/13(車載機24−6b側)は、標準レフレクタ34の位置情報と車両情報受信手段(車載機24−6b側)により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を標準レフレクタ34側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行う。細部については実施例5と同様であるため説明は省略する。上述の説明では、車載機24−6a側が受信側、車載機24−6b側が送信側として説明したが、これとは逆に車載機24−6a側が送信側、車載機24−6b側が受信側とした場合も同様に説明することができる。
【0077】
以上より、本発明の実施例6によれば、実施例1ないし5で説明した路車間情報伝送システム1ないし5の技術は、車載機24−6aと車載機25−6bとの間でMIMO情報伝送を行う車車間情報伝送システム6に対しても同様に適用することが可能である。実施例6ではまず、車載機24−6aで車載機24−6bから送信された各サブストリームのSNRをかろうじて検出可能であるが、難しい電波状況のため、別途設けられた同じ周波数の制御チャネル等によっては当該SNRを車載機24−6b側へフィードバックすることができない場合を想定した。このような場合においても、本発明の実施例6によれば、車載機24−6aと車載機24−6bとの間の伝送路56の情報(CSI)の共有に利用するための所定の通信手段として、実施例1ないし3で説明した低周波数のチャネル31−1、携帯電話通信網31−2、アドホック通信網31−3等を用いることができる。低周波数のチャネル31−1等を利用して、車載機24−6a側における各サブストリーム検出時のSNRを車載機24−6b側へ送信することにより、車載機24−6b側で当該SNRを得ることができるため、伝送路56の特性に応じたビームフォーミング伝送を行うことができる。車載機24−6a側が送信側、車載機24−6b側が受信側とした場合も同様に送路56の特性に応じたビームフォーミング伝送を行うことができる。
【0078】
次に、実施例6において実施例4のように、極端なシャドーイング等により、車載機24−6aが車載機24−6bから送信された各サブストリームを受信できないような場合を想定した。このような場合においても、本発明の実施例6によれば、車載機24−6aは、MIMO情報伝送の受信側用として、車両52aの位置情報を取得するGPS装置等26と、GPS装置等26により取得した車両52aの位置情報と車両52aの識別子(ID)とを含む車両情報を所定の通信手段31−1等を利用して他の車載機24−6b側へ送信する車両情報送信手段とを備えている。一方、車載機24−6aは、MIMO情報伝送の送信側用として、所定の通信手段31−1等を利用して他の車載機24−6bからの車両情報を受信する車両情報受信手段を備えている。制御処理装置23/13(車載機24−6a側)は、上記車両情報受信手段により受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理または当該処理の準備処理を行なう。実施例6でも実施例5のように、さらに確実にビームフォーミング伝送を行うことができる。車載機24−6a側が送信側、車載機24−6b側が受信側とした場合も同様にさらに確実にビームフォーミング伝送を行うことができる。車車間情報伝送システム6において車載機24−6aと車載機24−6bとの間のMIMO情報伝送を補助する補助手段34をさらに備えることができる。補助手段34としては実施例5のように標準レフレクタ(アンテナ)を用いればよい。制御処理装置23/13(車載機24−6b側)は、標準レフレクタ34の位置情報と車両情報受信手段(車載機24−6b側)により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を標準レフレクタ34側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行う。車載機24−6a側が送信側、車載機24−6b側が受信側とした場合も同様にさらに確実にビームフォーミング伝送を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の活用例として、MIMO情報伝送を利用した路車間または車車間情報伝送システムへの適用が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施例1における路車間情報伝送システム1を示す図である。
【図2】本発明の実施例2における路車間情報伝送システム2を示す図である。
【図3】本発明の実施例3における路車間情報伝送システム3を示す図である。
【図4】本発明の実施例4における路車間情報伝送システム4を示す図である。
【図5】本発明の実施例5における路車間情報伝送システム5を示す図である。
【図6】本発明の実施例6における車車間情報伝送システム6を示す図である。
【図7】従来のCSIを共有したMIMO情報伝送システム50を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1、2、3、4 路車間情報伝送システム、 6 車車間情報伝送システム、 10−1、10−2、10−3、10−4 路側機の機能ブロック、 11−1 低周波数受信用のアンテナ、 11−2 携帯電話通信用のアンテナ(路側機側)、 11−3 アドホック通信用のアンテナ(路側機側)、 11−4 アンテナ(路側機側)、 12−1、12 低周波受信部、 12−2、12 携帯電話通信用の受信部、 12−3、12 アドホック通信用の受信部、 12−4、12 受信部、 13−1、13−2、13−3、13−4 制御装置、 14−1、14−2、14−3、14−4 路側機、 20−1、20−2、20−3、20−4、20a、20b 車載機の機能ブロック、 21−1、21 低周波数送信用のアンテナ、 21−2、21 携帯電話通信用のアンテナ(車載機側)、 21−3、21 アドホック通信用のアンテナ(車載機側)、 21−4、21 アンテナ(車載機側)、 22−1、22 低周波送信部、 22−2、22 携帯電話通信用の送信部、 22−3、22 アドホック通信用の送信部、 22−4、22 送信部、 23−1、23−2、23−3、23−4 通信制御処理装置、 23/13 制御処理装置、 24−1、24−2、24−3、24−4、24−6a、24−6b 車載機、 31−1 低周波数のチャネル、 31−2 携帯電話通信網、 31−3 アドホック通信網、 32a、32b 基地局、 33a、33b ノード、 34 標準レフレクタ、 51 車載機、 52、52a、52b、52c 車両、 54 大型車両、 56 伝送路(マルチパス伝搬チャネル)、 58 路側機、 60、70 機能ブロック、 61a、61b、61m、71a、71b、71n アンテナ、 62a、62b、62m、71a、71b、71n 処理部、 63a、63b、63m、73a、73b、73n ウェイト乗算部、 64、74 分離機/合成機、 65、75 ウェイト演算部、67、77 通信制御処理装置。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムであって、該通信装置と該路側機との間の伝送路情報の共有に利用する所定の通信手段を備え、
前記通信装置は、前記路側機から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する通信情報送信手段を備え、
前記路側機は、
前記所定の通信手段を利用して前記通信情報を受信する通信情報受信手段と、
前記通信情報受信手段により受信した通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする路車間情報伝送システム。
【請求項2】
車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムであって、
前記通信装置は、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した前記車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する車両情報送信手段とを備え、
前記路側機は、
前記所定の通信手段を利用して前記車両情報を受信する車両情報受信手段と、
前記車両情報受信手段により受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする路車間情報伝送システム。
【請求項3】
請求項2記載の路車間情報伝送システムにおいて、前記通信装置と前記路側機との間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段をさらに備え、
前記制御手段は、該補助手段の位置情報と前記車両情報受信手段により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことを特徴とする路車間情報伝送システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の路車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルであることを特徴とする路車間情報伝送システム。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかに記載の路車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網であることを特徴とする路車間情報伝送システム。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載の路車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、アドホック通信網であることを特徴とする路車間情報伝送システム。
【請求項7】
車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムにおける通信装置であって、該路車間情報伝送システムは該通信装置と該路側機との間の伝送路情報の共有に利用する所定の通信手段を備えており、
前記路側機から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する通信情報送信手段を備え、該通信情報は、前記路側機側で前記所定の通信手段を利用して受信され、該路側機側で該通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理が行なわれることを特徴とする通信装置。
【請求項8】
車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送システムにおける通信装置であって、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した前記車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する車両情報送信手段とを備え、該車両情報は、前記路側機側の車両情報受信手段により前記所定の通信手段を利用して受信され、制御手段により該車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理が行われることを特徴とする通信装置。
【請求項9】
請求項8記載の通信装置において、前記路車間情報伝送システムは前記通信装置と前記路側機との間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段をさらに有し、
前記制御手段は、該補助手段の位置情報と前記車両情報受信手段により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことを特徴とする通信装置。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかに記載の通信装置において、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルであることを特徴とする通信装置。
【請求項11】
請求項7乃至9のいずれかに記載の通信装置において、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網であることを特徴とする通信装置。
【請求項12】
請求項7乃至9のいずれかに記載の通信装置において、前記所定の通信手段は、アドホック通信網であることを特徴とする通信装置。
【請求項13】
車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送方法であって、該通信装置と該路側機との間の伝送路情報の共有に所定の通信手段を利用するものであり、
前記通信装置が、前記路側機から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する通信情報送信ステップと、
前記路側機が、
前記所定の通信手段を利用して前記通信情報を受信する通信情報受信ステップと、
前記通信情報受信ステップで受信した通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御ステップとを備えたことを特徴とする路車間情報伝送方法。
【請求項14】
車両に搭載された通信装置と路側機との間で多入力多出力情報伝送を行う路車間情報伝送方法であって、
前記通信装置が、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段により取得した該車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して路側機側へ送信する車両情報送信ステップと、
前記路側機が、
前記所定の通信手段を利用して前記車両情報を受信する車両情報受信ステップと、
前記車両情報受信ステップで受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理を行なう制御ステップとを備えたことを特徴とする路車間情報伝送方法。
【請求項15】
請求項14記載の路車間情報伝送方法において、前記制御ステップは、前記通信装置と前記路側機との間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段の位置情報と前記車両情報受信ステップで受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことを特徴とする路車間情報伝送方法。
【請求項16】
請求項13乃至15のいずれかに記載の路車間情報伝送方法において、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルであることを特徴とする路車間情報伝送方法。
【請求項17】
請求項13乃至15のいずれかに記載の路車間情報伝送方法において、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網であることを特徴とする路車間情報伝送方法。
【請求項18】
請求項13乃至15のいずれかに記載の路車間情報伝送方法において、前記所定の通信手段は、アドホック通信網であることを特徴とする路車間情報伝送方法。
【請求項19】
車両に搭載された通信装置間で多入力多出力情報伝送を行う車車間情報伝送システムであって、該通信装置間の伝送路情報の共有に利用する所定の通信手段を備え、
前記通信装置は、
多入力多出力情報伝送の受信側用に、他の通信装置から送信された各サブストリームを検出した際における伝送路の情報を導出可能な通信情報を、前記所定の通信手段を利用して該他の通信装置側へ送信する通信情報送信手段を備え、
多入力多出力情報伝送の送信側用に、
前記所定の通信手段を利用して他の通信装置からの通信情報を受信する通信情報受信手段と、
前記通信情報受信手段により受信した通信情報から導出された伝送路の情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする車車間情報伝送システム。
【請求項20】
車両に搭載された通信装置間で多入力多出力情報伝送を行う車車間情報伝送システムであって、
前記通信装置は、
多入力多出力情報伝送の受信側用に、
前記車両の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した前記車両の位置情報と該車両の識別子とを含む車両情報を所定の通信手段を利用して他の通信装置側へ送信する車両情報送信手段とを備え、
多入力多出力情報伝送の送信側用に、
前記所定の通信手段を利用して他の通信装置からの車両情報を受信する車両情報受信手段と、
前記車両情報受信手段により受信した車両情報に基づき、各サブストリームの伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理又は該処理の準備処理を行なう制御手段とを備えたことを特徴とする車車間情報伝送システム。
【請求項21】
請求項20記載の車車間情報伝送システムにおいて、前記通信装置間の多入力多出力情報伝送を補助する補助手段をさらに備え、
前記制御手段は、該補助手段の位置情報と前記車両情報受信手段により受信した車両情報とに基づき、各サブストリームの所定の部分を該補助手段側へ向けて送信する伝送レート制御及び送信電力制御を含む処理を行うことを特徴とする車車間情報伝送システム。
【請求項22】
請求項19乃至21のいずれかに記載の車車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、前記多入力多出力情報伝送の通信周波数に用いる高周波数より低い低周波数のチャネルであることを特徴とする車車間情報伝送システム。
【請求項23】
請求項19乃至21のいずれかに記載の車車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、携帯電話通信網であることを特徴とする車車間情報伝送システム。
【請求項24】
請求項19乃至21のいずれかに記載の車車間情報伝送システムにおいて、前記所定の通信手段は、アドホック通信網であることを特徴とする車車間情報伝送システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−189511(P2007−189511A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6024(P2006−6024)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度、独立行政法人情報通信研究機構、「ユビキタスITSの研究開発」に関する委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【Fターム(参考)】