説明

路車間通信方法及び路車間通信装置

【課題】CPUの負荷の軽減を図れるとともに、データを一時的に蓄積するためのバッファを省くことができる路車間通信方法及び路車間通信装置を提供する。
【解決手段】1つ又は複数のファイルのデータを分割して、それぞれに識別情報を含むヘッダを付与して蓄積した後、蓄積した分割データを繰り返し通信フレームに割り付けて送信する。これにより、送信データを分割する処理と、各分割データにヘッダを付与する処理と、ヘッダを付与した各分割データを通信フレームに割り付ける処理の全てを繰り返す従来技術と比べてCPU(制御部217)の負荷の軽減が図れる。また、ヘッダを付与した分割データを一時的に保持するためのバッファをデータ分割部211に設ける必要がないため、コストの削減が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭域通信による無線通信を用いて車載通信装置との間でデータ通信を行う路車間通信方法及び路車間通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信領域を限定したスポット通信による通信方式の一種として、基地局から移動局への通信と移動局から基地局への通信に異なる周波数を用いる全二重通信とし、通信フレームをスロットと呼ばれる固定長の区間に時分割した同期式時分割通信方式が知られている。この同期式時分割通信方式に準じた通信方式として、送信したデータの再送中に、他のデータを続けて送信した場合であっても、受信した通信装置にて、重複受信のデータが新規受信のデータかを判別することができる通信方式(例えば、特許文献1参照)や、基地局にて重複したデータの受信が発生した場合にも、本来受信すべきメッセージデータの受信が可能となる通信方式(例えば、特許文献2参照)が案出されている。
【0003】
一方、近年、次世代ITS(高度交通システム(Intelligent Transport System))通信として、狭域通信(DSRC(Dedicated Short Range Communication))による路車間通信が検討されている。この路車間通信では、情報発信を路車間通信装置と呼ばれる基地局通信装置から同報形式で行い、それを個々の車両に搭載した車載通信装置で受信する。狭域通信によるサービスの適用範囲には、例えば高速道路のサービスエリアやパーキングエリアがある。
【0004】
また、路車間通信装置を例えばインターネット等にも利用されているIPネットワークに接続し、車載通信装置が路車間通信装置を経由して、IPネットワーク上のサーバ装置やシステム等との間でデータ交換を行うことも検討されている。
【0005】
DSRCを通信システム階層の下位層に相当する通信層に用い、上位層に相当するアプリケーション層にTCP/IP通信を用いて通信システムを構成する場合、これらの異なる通信方式であるDSRCとTCP/IP通信との間で同期をとり、データ通信の橋渡しをするには中間にアダプティブ層を設ける必要がある。DSRC上でのデータ通信に用いるアダプティブ層として、ARIB STD−T88 1.0版において、アプリケーションサブレイヤ(以下、ASLという)の標準仕様の策定がなされている。
【0006】
路車間通信装置から車載通信装置にデータを送信する場合、複数のスロットに時分割して構成された通信フレームを単位とした同期式時分割通信によって通信が行われる。スロットには、FCMS(Frame Control Message Slot)、MDS(Message Data Slot)、ACTS(ACTivation Slot)、WCNS(Wireless Call Number Slot)の4種類のものがある。FCMSは、フレームの先頭に位置して、そのフレームにおける送受信スロットの割り付け等のスロット情報が記されている。MDSは、通信データを格納して送受信を行うスロットであり、フレームをQPSK方式で変調する場合で193バイト、ASK方式で変調する場合で65バイトのデータを格納できる。ACTSは、通信エリアに進入してきた車載通信装置から路車間通信装置に対して接続を要求する際に使用するアップリンク専用のスロットである。WCNSは、車載通信装置の固有状況が入ったスロットで、路車間通信装置に対して送信される。
【0007】
路車間通信装置の上位層であるアプリケーション層から車載通信装置に対するデータはMDSに格納されて送信されるが、MDSに格納可能なサイズに分割する必要がある。図10は、従来のDSRCでのデータ送信処理を模式的に示す図である。同図において、ファイルから得られるデータを複数に分割し、各分割データにヘッダを付与した後、各分割データを通信フレームに割り付けて送信を行う。この一連の処理を一定期間繰り返す。この場合、分割データは同じであるが、ヘッダは別のものを付与することになる。
【0008】
【特許文献1】特開2002−44094号公報
【特許文献2】特開2002−315047号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の路車間通信方法においては、次のような問題がある。
(1) データを複数に分割し、各分割データにヘッダを付与した後、通信フレームに割り付けて送信を行う一連の処理を同一のデータに対して繰り返し行うので、CPU(中央処理装置)の使用率が高く、全体的な処理のパーフォーマンスが良くない。
(2) 通信層での転送速度が一定のため、上位層では、通信層での転送速度に応じてデータを送信しなければならない。そのために分割データを一時的に蓄積するバッファを設ける必要があり、その分だけコストが嵩む。
(3) あるファイルから異なるファイルに、送信するデータを変更する場合、変更後のデータが実際に送信されるまでに時間を要することから応答性が悪く、また送信が開始されるまでの間のスロット(MDS)を無駄にしてしまう。
【0010】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、CPUの負荷の軽減を図れるとともに、データを一時的に蓄積するためのバッファを不要とし、さらにあるファイルから異なるファイルに、送信するデータを変更しても応答性の悪化やそれに伴うスロットの無駄を最小限に抑えることができる路車間通信方法及び路車間通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は下記方法又は構成により達成される。
(1) 車載通信装置を搭載した車両に対して、路車間通信装置がデータを送信する路車間通信方法において、送信データを分割して夫々に識別情報を含むヘッダを付与するデータ分割工程と、前記データ分割工程で得られた複数の分割データを蓄積部に蓄積するデータ蓄積工程と、前記蓄積部に蓄積された前記複数の分割データを通信フレームに割り付けて送信するデータ送信工程と、を備える。
【0012】
上記方法によれば、送信データを分割して、それぞれに識別情報を含むヘッダを付与して蓄積した後、蓄積した分割データを通信フレームに割り付けて送信するので、送信データを分割する処理と、各分割データにヘッダを付与する処理と、ヘッダを付与した各分割データを通信フレームに割り付ける処理の全てを繰り返す方法と比べてCPUの負荷の軽減が図れる。また、データを分割する工程において分割データを一時的に保持するためのバッファを設ける必要がないため、コストの削減が可能となる。
【0013】
(2) 車載通信装置を搭載した不特定多数の車両に対して、路車間通信装置が同一データを送信する路車間通信方法において、送信データを複数に分割するデータ分割工程と、識別情報を分割データに対して付与する識別情報付与工程と、前記識別情報付与工程で前記識別情報が付与された分割データを蓄積部に蓄積するデータ蓄積工程と、前記蓄積部に蓄積された前記識別情報が付与された複数の分割データを通信フレームに割り付けて送信するデータ送信工程と、を備える。
【0014】
上記方法によれば、各分割データを識別するための識別情報が分割データの総数よりも少なくても、繰り返し送信中に最初と最後の分割データが同一の識別情報となることがない。これにより、受信側即ち車載通信装置側ではデータの組み立てを誤りなく行うことができる。特にデータ分割工程による送信データの分割数よりも少ない数の識別情報を使用して複数の分割データの全てに対して繰り返し識別情報を付与する場合に、誤った情報の再組み立てをしてしまう確立が減少する。
【0015】
(3) 上記(2)に記載の路車間通信方法において、前記データ蓄積工程では、1つの送信データを複数の前記蓄積部に蓄積し、前記識別情報付与工程では、前記各蓄積部に蓄積される前記識別情報が付与された複数のデータの先頭領域に他の前記蓄積部と異なる少なくとも1つの使用回数を限定した識別情報を付与する。
【0016】
上記方法によれば、各蓄積部に蓄積される識別情報が付与された複数のデータの先頭領域に他の蓄積部と異なる使用回数を限定した識別情報を少なくとも1つ設けるので、各蓄積部を識別することができ、これより、蓄積部間でデータを切替える場合即ちあるファイルから異なるファイルに、送信するデータを変更する場合、変更後のデータが実際に送信されるまでに要する時間が短くて済む。この結果、応答性が改善され、通信フレームを構成するスロットの無駄を最小限に抑えることができる。
【0017】
(4) 上記(3)に記載の路車間通信方法において、前記データ蓄積工程では、複数の送信データを1つの前記蓄積部に蓄積するか又は複数の前記蓄積部に分散させて蓄積する。
【0018】
上記方法によれば、複数の送信データを1つの蓄積部にのみ蓄積しても、複数の蓄積部に分散させて蓄積しても、同一識別情報が連続することがない。これにより、受信側即ち車載通信装置側ではデータの組み立てを誤りなく行うことができる。
【0019】
(5) 車載通信装置を搭載した不特定多数の車両に対して、同一データを繰り返し送信する路車間通信装置において、送信データを複数に分割して夫々に識別情報を含むヘッダを付与するデータ分割手段と、前記データ分割手段で得られた複数の分割データを蓄積するデータ蓄積手段と、前記データ蓄積手段に蓄積された前記複数の分割データを繰り返し通信フレームに割り付けて送信するデータ送信手段と、を含む送信部を備える。
【0020】
上記構成によれば、送信データを分割して、それぞれに識別情報を含むヘッダを付与して蓄積した後、蓄積した分割データを繰り返し通信フレームに割り付けて送信するので、送信データを分割する処理と、各分割データにヘッダを付与する処理と、ヘッダを付与した各分割データを通信フレームに割り付ける処理の全てを繰り返す従来技術と比べてCPUの負荷の軽減が図れる。また、データ分割手段に、分割データを一時的に保持するためのバッファを設ける必要がないため、コストの削減が可能となる。
【0021】
(6) 車載通信装置を搭載した車両に対して、データを繰り返し送信する路車間通信装置において、送信データを複数に分割するデータ分割手段と、前記データ分割手段により分割された分割データの識別情報を使用して複数の分割データの全てに対して繰り返し付与する識別情報付与手段と、前記識別情報付与手段で前記識別情報が付与された前記分割データを蓄積するデータ蓄積手段と、前記データ蓄積手段に蓄積された前記識別情報が付与された複数の分割データを通信フレームに割り付けて送信するデータ送信手段と、を含む送信部を備える。
【0022】
上記構成によれば、各分割データを識別するための識別情報が分割データの総数よりも少なくても、繰り返し送信中に最初と最後の分割データが同一の識別情報となることがない。これにより、受信側即ち車載通信装置側ではデータの組み立てを誤りなく行うことができる。
【0023】
(7) 上記(6)に記載の路車間通信装置において、前記データ蓄積手段を複数備え、前記データ蓄積手段は、1つの送信データを複数の前記蓄積手段に分散させて蓄積し、前記識別情報付与手段は、前記各蓄積手段に蓄積される前記識別情報が付与された複数のデータの先頭領域に他の前記蓄積手段と異なる少なくとも1つの1回限定使用の識別情報を付与する。
【0024】
上記構成によれば、各蓄積手段に蓄積される識別情報が付与された複数のデータの先頭領域に他の蓄積手段と異なる1回限定使用の識別情報を少なくとも1つ設けるので、各蓄積手段を識別することができ、これより、蓄積手段間でデータを切替える場合即ちあるファイルから異なるファイルに、送信するデータを変更する場合、変更後のデータが実際に送信されるまでに要する時間が短くて済む。この結果、応答性が改善され、通信フレームを構成するスロットの無駄を最小限に抑えることができる。
【0025】
(8) 上記(7)に記載の路車間通信装置において、前記データ蓄積手段は、複数の送信データを1以上の前記蓄積手段に蓄積する。
【0026】
上記構成によれば、複数の送信データを1以上の蓄積手段に蓄積するので、同一識別情報が連続することがない。これにより、受信側即ち車載通信装置側ではデータの組み立てを誤りなく行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、CPUの負荷の軽減を図れるとともに、データを一時的に蓄積するための各通信層のバッファを不要とし、さらにあるファイルから異なるファイルに、送信するデータを変更しても応答性の悪化やそれに伴うスロットの無駄を最小限に抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る路車間通信装置と該路車間通信装置から送信された情報を受信する車載通信装置それぞれの概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施の形態の路車間通信装置1は、DSRCによる無線通信を用いて各種情報の送信を行う。車載通信装置2は、路車間通信装置1より送信される各種情報を受信する。路車間通信装置1から送信される情報としては、路車間通信装置1が例えば高速道路のサービスエリアやパーキングエリアに適用される場合、交通情報、規制情報、道路情報、施設の案内、観光情報等が考えられる。通常、これらの情報は一度に車載通信装置2にて受信されることがないので(即ち車載通信装置2は一度に全ての情報を取得できないので)、繰り返し送信されることになる。なお、路車間通信の適用範囲には、ガソリンスタンド、駐車場、ファーストフード・レストラン、コンビニエンス・ストア等が考えられ、それぞれの適用範囲に応じた情報を送信することになる。
【0030】
路車間通信装置1は、上位層であるアプリケーション処理部11と、中間層のアダプティブ層と下位層の通信層を含む通信処理部21と、物理層である無線部31とを備えている。アプリケーション処理部11は、データ生成部111とアプリデータ分割部112とを備え、データ生成部111が生成したアプリデータをアプリデータ分割部112が大まかに分割して出力する。通信処理部21は、アプリケーション処理部11で大まかに分割されたデータを細分化するとともに、細分化した複数の分割データのそれぞれに識別情報を含むヘッダを付与するデータ分割部211と、データ分割部211からの分割データを2つの蓄積部(1)213及び(2)214のそれぞれに振り分けるデータ振り分け部212と、データ振り分け部212からの分割データを蓄積する2つの蓄積部(1)213及び(2)214と、蓄積部(1)213及び(2)214のそれぞれに蓄積された各分割データをMDS(Message Data Slot)に割り付けるスロット割り付け部215と、分割データが割り付けられたMDSから通信フレームを生成するフレーム生成部216と、データ振り分け部212及びスロット割り付け部215をそれぞれ制御する制御部217とを備えている。
【0031】
図2は、通信処理部21のデータ分割部211におけるデータ分割処理を模式的に示す図である。同図は、分割の元になる分割前データ200を3分割した場合を示すものであり、各分割データ201には識別情報203を含むヘッダ202が付与される。なお、分割データのデータ長は一定の場合もあれば異なる場合もある。本実施の形態では、データ分割部211におけるデータの分割数を識別情報の総数と同じか、少なくなるようにしており、識別情報が重複することなく各分割データを識別できるようにしている。
【0032】
図3は、通信処理部21のスロット割り付け及びフレーム生成処理を模式的に示す図である。同図において、通信フレーム(1フレーム)は、1つのFCMS(Frame Control Message Slot)と4つのMDS(Message Data Slot)で構成され、各MDSに分割データA−1〜A−6が割り付けられる。この図に示す左側の通信フレームのMDSには分割データA−1、A−2、A−3、A−4がそれぞれ割り付けられており、右側の通信フレームのMDSには分割データA−5、A−6、A−1、A−2がそれぞれ割り付けられている。なお、図3に示す通信フレームは一例であり、フレームを構成するMDSの数は任意である。また、MDSへの分割データの割り付けは規則通りであっても不規則であっても構わない。
【0033】
図1に戻り、制御部217は、データ振り分け部212を制御してデータ分割部211からの分割データを蓄積部(1)213と蓄積部(2)214に振り分ける。その後、蓄積した分割データからフレームを生成する際に、スロット割り付け部215を制御して分割データをMDSに割り付ける。フレーム生成部216は、分割データが割り付けられたMDSより通信フレームを生成し、物理層である無線部31へ出力する。無線部31は、フレーム生成部216にて生成された通信フレームをASK(Amplitude Shift Keying)方式、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式等により変調して送信する。
【0034】
本実施の形態の路車間通信装置1は以上のように構成されており、アプリケーション処理部11で生成された分割データを通信処理部21のデータ分割部211で細分化し、さらに細分化した各分割データに識別情報を含むヘッダを付与する。そして、ヘッダが付与された分割データをデータ振り分け部212にて蓄積部(1)213と蓄積部(2)214にそれぞれ振り分ける。そして、蓄積部(1)213と蓄積部(2)214に蓄積した分割データを繰り返しMDSに割り付けて通信フレームを生成し、無線部31より送信する。図4は、本実施の形態のデータ送信処理を模式的に示す図である。1つ又は複数のファイルのデータを分割し、それぞれに識別情報を含むヘッダを付与した後、蓄積する工程(I)と、蓄積しているデータを通信フレームに割り付けて一定期間の間繰り返し送信する工程(II)からなり、工程(I)は一度のみ行われ、工程(II)は繰り返し行われる。
【0035】
一方、車載通信装置2は、データ再生部121とアプリデータ組み立て部122を有するアプリケーション処理部12と、データ組み立て部221とフレーム再生部222を有する通信処理部22と、無線部32とを備えて構成される。無線部32は、路車間通信装置1との間で無線通信を行い、路車間通信装置1から送信される変調波を受信して通信フレームを復調し、フレーム再生部222へ出力する。フレーム再生部222は、復調された通信フレームを再生し、データ組み立て部221へ出力する。データ組み立て部221は、通信フレームを構成するMDSに割り付けられた分割データのヘッダを解析してスロット割り付け前の状態に組み立てる。そして、組み立てたデータをアプリデータ組み立て部122へ出力する。アプリデータ組み立て部122は、データ組み立て部221からのデータからアプリデータを組み立ててデータ再生部121へ出力する。データ再生部121は、アプリデータ組み立て部122で組み立てられたデータから元のデータを再生する。
【0036】
このように、本実施の形態の路車間通信装置1によれば、1つ又は複数のファイルのデータを分割して、それぞれに識別情報を含むヘッダを付与して蓄積した後、蓄積した分割データを繰り返し通信フレームに割り付けて送信するので、送信データを分割する処理と、各分割データにヘッダを付与する処理と、ヘッダを付与した各分割データを通信フレームに割り付ける処理の全てを繰り返す従来技術と比べてCPU(ここでは制御部217)の負荷の軽減が図れる。また、ヘッダを付与した分割データを一時的に保持するためのバッファをデータ分割部211に設ける必要がないため、コストの削減が可能となる。
【0037】
なお、本実施の形態では、2つの蓄積部(1)213及び(2)214を設けたが、この蓄積部の数に限定はなく、3つ以上であっても構わない。
【0038】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る路車間通信装置は、上述した実施の形態1の路車間通信装置1と略同様の構成であるので、図1を援用することとする。また、データを分割する処理と、分割して蓄積したデータの通信フレームへの割り付け処理も同様であるので、説明の都合上必要である場合に図2及び図3を使用する。実施の形態1の路車間通信装置1と異なる点は、データ分割部211がアプリケーション処理部11からのデータを細分化するとともに、細分化した複数の分割データのそれぞれに制御部217によって識別情報を含むヘッダの付与を行う点である。なお、本実施の形態の路車間通信装置には符号1Aを付けて、実施の形態1の路車間通信装置1と区別することとする。
【0039】
さて、実施の形態1で説明したデータ分割部211では、分割したデータそれぞれに識別情報を含むヘッダを付与するが、識別情報の数に規格が設けられている場合、その規格を超えてデータを分割すると、全ての分割データに識別情報を付与することはできるが、重複する識別情報が使用されることになる。例えば、識別情報の数が5ビット(0〜31の32個)に規格化された場合で、データを33個に分割した場合、図5に示すように最初の分割データと最終の分割データに同一の識別情報が付与されることになる。分割データを繰り返し送信する場合、最終の分割データを送信した後に最初の分割データを送信することになるのでヘッダ中の識別情報が同一となる。このようになると受信側即ち車載通信装置2ではヘッダからデータの見分けがつかなくなり、データ(分割前データ)の再生が正常に行われなくなる。本発明は、識別情報の数に規格が設けられている場合でも、識別情報が連続して同じ値をとらないようにヘッダを付与できるようにしたものである。
【0040】
通信制御部21の制御部217は、図6に示すような識別情報管理テーブル217Tを有しており、制御部217は、この識別情報管理テーブル217Tで、分割データに付与する識別情報を示す「識別情報」、識別情報の用途を示す「用途」、分割データの蓄積場所を示す「対応蓄積部」、識別情報が付与される分割データを示す「割り当て」の各項目を管理する。ここでは、識別情報=0〜13を繰り返し用として、蓄積部(1)213に蓄積されるデータ1の各分割データに付与する。また、識別情報=14〜27も繰り返し用として、蓄積部(2)214に蓄積されるデータ2の各分割データに付与する。また、識別情報28は1回限定用として、蓄積部(1)213に蓄積されるデータ1の先頭に付与される。識別情報29も1回限定用として、蓄積部(1)213に蓄積されるデータ1の先頭から2番目に付与される。識別情報30は1回限定用として、蓄積部(2)214に蓄積されるデータ2の先頭に付与される。識別情報31も1回限定用として、蓄積部(2)214に蓄積されるデータ2の先頭から2番目に付与される。
【0041】
図7は、蓄積部(1)213と蓄積部(2)214のそれぞれに蓄積されている分割データと各分割データに付与された識別情報を模式的に示す図である。蓄積部(1)213のデータの先頭に位置する識別情報28及びその次に位置する識別情報29は、データ1であることを示すものであり、受信側即ち車載通信装置2がそれらを受信することで、それらに続く分割データがデータ1であると判断できる。同様に、蓄積部(2)214のデータの先頭に位置する識別情報30及びその次に位置する識別情報31は、データ2であることを示すものであり、受信側即ち車載通信装置2がそれらを受信することで、それらに続く分割データがデータ2であると判断できる。また、データの切り替え即ちデータ1からデータ2(又はその逆)を行っても、データ1には識別情報28及び29があり、データ2には識別情報30及び31があるので、受信側即ち車載通信装置2は誤ったデータの組み立てを行うことがない。
【0042】
識別情報0〜13は、繰り返し使用されてデータ1の各分割データに付与される。この場合、同一の識別情報を同じ分割データに付与しても良いし、異なる分割データに付与しても良い。例えば、最初に識別情報=0を付与する分割データと、その次に識別情報=0を付与する分割データと、さらにその次に識別情報=0を付与する分割データと(以後同様)が、相互に異なるものであっても、全て同じものであっても良い。但し、一巡して次に再度識別情報を付与する場合には同様になるようにする。例えば、第1回目で、最初に識別情報=0を付与する分割データ(A)、その次に識別情報=0を付与する分割データ(B)、さらにその次に識別情報=0を付与する分割データ(C)が、第2回目でも同じ対応関係となるようにする。第3回目以降も同様である。このように、識別情報=0〜13を繰り返し付与するとともに、一巡する毎に各識別情報=0〜13に対応する分割データが同じなるように取り決めることで同一の識別情報が連続することなく、全ての分割データに識別情報を付与することができる。これにより、受信側即ち車載通信装置2は誤ったデータの組み立てを行うことがない。
【0043】
同様に、識別情報14〜27は、繰り返し使用されてデータ2の分割データに付与される。この場合、同一の識別情報を同じデータに付与しても良いし、異なるデータに付与しても良い。例えば、最初に識別情報=14を付与する分割データと、その次に識別情報=14を付与する分割データと、さらにその次に識別情報=14を付与する分割データと(以後同様)が、相互に異なるものであっても、全て同じものであっても良い。但し、一巡して次に再度識別情報を付与する場合には同様になるようにする。例えば、第1回目で、最初に識別情報=14を付与する分割データ(P)、その次に識別情報=14を付与する分割データ(Q)、さらにその次に識別情報=14を付与する分割データ(R)が、第2回目でも同じ対応関係となるようにする。第3回目以降も同様である。このように識別情報=14〜27を繰り返し付与するとともに、一巡する毎に各識別情報=14〜27に対応する分割データが同じなるように取り決めることで同一の識別情報が連続することなく、全ての分割データに識別情報を付与することができる。これにより、受信側即ち車載通信装置2は、誤ったデータの組み立てを行うことがない。
【0044】
次に、図8に示すフローチャートを参照して本実施の形態の路車間通信装置1の動作を説明する。同図において、まずデータ生成部111で送信データを生成し(ステップS101)、アプリデータ分割部112でデータの分割を行う(ステップS102)。次いで、アプリデータ分割部112で分割されたデータをデータ分割部211で更に分割する(ステップS103)。データ分割部211でデータの分割を行った後、現在送信しているデータがあるかどうか判定し(ステップS104)、現在送信しているデータがあれば(ステップS104でYESの場合)、送信に使用している蓄積部が蓄積部(1)213又は蓄積部(2)214のどちらであるかを判定する(ステップS105)。現在送信に使用している蓄積部が蓄積部(1)213であれば、データ分割部211からの分割データを蓄積部(2)213に蓄積し(ステップS107)、現在送信に使用している蓄積部が蓄積部(2)214であれば、データ分割部211からの分割データを蓄積部(1)213に蓄積する(ステップS106)。一方、ステップS104の判定で現在送信しているデータがなければ(NOの場合)、データ分割部211からの分割データを蓄積部(1)213に蓄積する(ステップS106)。
【0045】
データ分割部211からの分割データを蓄積部(1)213又は蓄積部(2)214に蓄積した後、該分割データを蓄積した蓄積部(1)213又は(2)214より最初の分割データを通信フレームへの割り付け対象とする(ステップS108)。次いで、蓄積部(1)213又は(2)214に蓄積されている分割データから、通信フレームへの割り付け対象の分割データを取得し、取得した分割データをMDSに割り付けて通信フレームを生成し、それを送信する(ステップS109)。そして、今、分割データを取得した蓄積部(1)213又は(2)214に蓄積されている最後の分割データを割り付けたかどうかを判定し(ステップS110)、最後の分割データを割り付けた場合(ステップS110でYESの場合)はステップS108に戻り、最後の分割データを割り付けていない場合(ステップS110でNOの場合)は、データ生成部111で新しい送信データを生成するかどうかを判定し(ステップS111)、新しい送信データを生成する場合(ステップS111でYESの場合)は、ステップS101に戻り、新しい送信データを生成しない場合(ステップS111でNOの場合)は、割り付け対象を蓄積部(1)213又は(2)214の次の分割データとする(ステップS112)。上記ステップS109〜ステップS112を繰り返し行う。
【0046】
次に、図9に示すフローチャートを参照してデータ分割部211の動作の詳細を説明する。同図において、まず「1回限定用」の識別情報と「繰り返し用」の識別情報を取得する(ステップS201)。本実施の形態では、蓄積部(1)213の場合は、「1回限定用」の識別情報を「28」、「29」とし、「繰り返し用」の識別情報を「0〜13」とするので、これらの値を取得する。また、蓄積部(2)214の場合は、「1回限定用」の識別情報を「30」、「31」とし、「繰り返し用」の識別情報を「14〜27」とするので、これらの値を取得する。以下、蓄積部(1)213の場合を例に挙げて説明を進める。
【0047】
「1回限定用」の識別情報と「繰り返し用」の識別情報を取得した後、カウンタの値を「0」に設定する(ステップS202)。各識別情報を取得した後、アプリデータ分割部112からのデータを取り込み、規定のサイズ以下に分割する(ステップS203)。ここでは例えば33個に分割する。データの分割後、「1回限定用」の識別情報に割り当てた個数がカウンタの値を超えているかどうか判定する(ステップS204)。最初のカウンタ値が「0」であるので、ステップS205に進み、分割データのヘッダの識別情報に「1回限定用」の識別情報を割り当てる。この場合、識別情報28を割り当てる。識別情報28を割り当てた後、カウンタの値に「1」を加算する(ステップS207)。これにより、カウンタの値が「1」になる。
【0048】
カウンタの値を増加させた後、今分割したデータがデータ生成部111で生成されたデータの最後の分割データか否かを判定する(ステップS208)。今は最後の分割データではないので、ステップS204に戻る。そして、ステップS204で再度「1回限定用」の識別情報に割り当てた個数がカウンタの値を超えているかどうか判定する。今、カウンタの値が「1」になっているが、「1回限定用」の識別情報に割り当てた個数の「2」未満であることから、ステップS205に進む。そして、分割データのヘッダの識別情報に「1回限定用」の識別情報を割り当てる。今度は、識別情報29を割り当てる。識別情報29を割り当てた後、カウンタの値に「1」を加算する(ステップS207)。これにより、カウンタの値が「2」になる。
【0049】
そして、ステップS208の判定を行うが、現時点では最後の分割データではないので、ステップS203に戻ってデータを規定サイズ以下に分割した後、「1回限定用」の識別情報に割り当てた個数がカウンタの値を超えているかどうか判定する(ステップS204)。今、カウンタの値が「2」であるので、ステップS205には進まず、ステップS206に進む。ステップS206に進むと、分割データのヘッダの識別情報に「繰り返し用」の識別情報を周期的に割り当てる。すなわち、図7に示すように、識別情報=0〜識別情報=13を割り当てる。識別情報=0〜識別情報=13の第1回目の周期的な割り当てが終了すると、ステップS208に進み、最後の分割データか否かを判定し、最後の分割データになるまで、上記ステップS203〜ステップS208を繰り返し行う。このようにしてデータ1に「1回限定用」の識別情報=28,29と複数の「繰り返し用」の識別情報=0〜識別情報=13が割り当てられる。これらの識別情報が割り当てられたデータ1が繰り返し送信される。
【0050】
蓄積部(2)214に蓄積されたデータ2についても同様に、「1回限定用」の識別情報=30,31と複数の「繰り返し用」の識別情報=14〜識別情報=27が割り当てられる。これらの識別情報が割り当てられたデータ2が繰り返し送信される。
【0051】
データ1に識別情報=0〜識別情報=13を繰り返し割り当てることで、同一の識別情報が連続することがなく、受信側即ち車載通信装置2は、誤りなくデータ1を組み立てることができる。また同様に、データ2に識別情報=14〜識別情報=27を繰り返し割り当てることで、同一の識別情報が連続することがなく、受信側即ち車載通信装置2は、誤りなくデータ2を組み立てることができる。さらに、データ1の先頭に「1回限定用」の識別情報=28,29、データ2の先頭に「1回限定用」の識別情報=30,31をそれぞれ割り当てるので、データ1とデータ2を容易に判別することができる。また、どのタイミングでデータ1→データ2、データ2→データ1に切替えても同一の識別情報が連続することがない。
【0052】
蓄積部(1)213、蓄積部(2)214のそれぞれに蓄積されたデータ1、データ2の各分割データは、スロット割り付け部215によって通信フレームを構成するMDSに割り付けられる。そして、フレーム生成部216で通信フレームが生成されて無線部31へ出力される。無線部31は、フレーム生成部216で生成された通信フレームをASK方式、QPSK方式等により変調して送信する。
【0053】
このように、本実施の形態の路車間通信装置1Aによれば、1つ又は複数のファイルのデータを分割して、データ毎に該データを分割した複数の分割データに「1回限定用」の識別情報と「繰り返し用」の識別情報を割り当てる。そして、識別情報が付与されたデータ1を蓄積部(1)213に蓄積し、識別情報が付与されたデータ2も蓄積部(2)214に蓄積する。例えば、データ1を分割した分割データの先頭に「1回限定用」の識別情報=28,29を割り当て、残りの分割データには「繰り返し用」の識別情報=0〜13を繰り返し割り当てる。また、データ2を分割した分割データの先頭に「1回限定用」の識別情報=30,31を割り当て、残りの分割データには「繰り返し用」の識別情報=14〜27を繰り返し割り当てる。そして、蓄積部(1)213と蓄積部(2)214に蓄積した分割データを繰り返し通信フレームに割り付けて送信する。したがって、識別情報の数に規格が設けられている場合でも、識別情報が連続して同じ値をとることがなく、繰り返し送信中に最初と最後の分割データが同一の識別情報となることがない。また、どのタイミングでデータ1→データ2、データ2→データ1に切替えても同一の識別情報が連続することがない。なお、実施の形態1と同様の効果を有することは言うまでもない。
【0054】
なお、本実施の形態では、2つの蓄積部(1)213及び(2)214を設けたが、この蓄積部の数に限定はなく、3つ以上であっても構わない。
【0055】
また、本実施の形態では、1つのデータ(送信データ)を2つの蓄積部(1)213及び(2)214に分散させて蓄積するようにしたが、複数のデータ(送信データ)を1つの蓄積部(1)213又は(2)214に蓄積するか、又は、2つの蓄積部(1)213及び(2)214に分散させて蓄積するようにしても良い。このようにしても、識別情報の割り当て方法に変わりはない。
【0056】
また、本実施の形態では、「1回限定用」の識別情報を2個設けたが、1個以上であれば良く、割り当て数をどのように扱うかはシステムに依存する。
【0057】
また、本実施の形態では、「繰り返し用」の識別情報をデータ1とデータ2で分けたが、分けても分けなくても良い。また、データの数も2(データ1、データ2)としたが、2以上であっても良いことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、CPUの負荷の軽減を図れるとともに、データを一時的に蓄積するためのバッファを不要とし、さらにあるファイルから異なるファイルに、送信するデータを変更しても応答性の悪化やそれに伴うスロットの無駄を最小限に抑えることができるといった効果を有し、DSRCによる路車間通信などへの適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1に係る路車間通信装置と該路車間通信装置から送信された情報を受信する車載通信装置それぞれの概略構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1に係る路車間通信装置のデータ分割処理を模式的に示す図
【図3】実施の形態1に係る路車間通信装置のスロット割り付け及びフレーム生成処理を模式的に示す図
【図4】実施の形態1に係る路車間通信装置のデータ送信処理を模式的に示す図
【図5】分割データ数が識別情報数よりも多い場合における識別情報の付与を示す図
【図6】本発明の実施の形態2に係る路車間通信装置の制御部が有する識別情報管理テーブルの一例を示す図
【図7】実施の形態2に係る路車間通信装置における識別情報の付与例を模式的に示す図
【図8】実施の形態2に係る路車間通信装置の動作を説明するためのフローチャート
【図9】実施の形態2に係る路車間通信装置のデータ分割部の動作を説明するためのフローチャート
【図10】従来の路車間通信におけるデータ送信処理を模式的に示す図
【符号の説明】
【0060】
1、1A 路車間通信装置
2 車載通信装置
11、12 アプリケーション処理部
21、22 通信処理部
31、32 無線部
111 データ生成部
112 アプリデータ分割部
121 データ再生部
122 アプリデータ組み立て部
200 分割前データ
201 分割データ
202 ヘッダ
203 識別情報
211 データ分割部
212 データ振り分け部
213 蓄積部(1)
214 蓄積部(2)
215 スロット割り付け部
216 フレーム生成部
217 制御部
217T 識別情報管理テーブル
221 データ組み立て部
222 フレーム再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載通信装置を搭載した車両に対して、路車間通信装置がデータを送信する路車間通信方法において、
送信データを分割して夫々に識別情報を含むヘッダを付与するデータ分割工程と、
前記データ分割工程で得られた複数の分割データを蓄積部に蓄積するデータ蓄積工程と、
前記蓄積部に蓄積された前記複数の分割データを通信フレームに割り付けて送信するデータ送信工程と、
を備えた路車間通信方法。
【請求項2】
車載通信装置を搭載した不特定多数の車両に対して、路車間通信装置が同一データを送信する路車間通信方法において、
送信データを複数に分割するデータ分割工程と、
識別情報を分割データに対して付与する識別情報付与工程と、
前記識別情報付与工程で前記識別情報が付与された分割データを蓄積部に蓄積するデータ蓄積工程と、
前記蓄積部に蓄積された前記識別情報が付与された複数の分割データを通信フレームに割り付けて送信するデータ送信工程と、
を備えた路車間通信方法。
【請求項3】
前記データ蓄積工程では、1つの送信データを複数の前記蓄積部に蓄積し、前記識別情報付与工程では、前記各蓄積部に蓄積される前記識別情報が付与された複数のデータの先頭領域に他の前記蓄積部と異なる少なくとも1つの使用回数を限定した識別情報を付与する請求項2に記載の路車間通信方法。
【請求項4】
前記データ蓄積工程では、複数の送信データを1つの前記蓄積部に蓄積するか又は複数の前記蓄積部に分散させて蓄積する請求項3に記載の路車間通信方法。
【請求項5】
車載通信装置を搭載した不特定多数の車両に対して、同一データを繰り返し送信する路車間通信装置において、
送信データを複数に分割して夫々に識別情報を含むヘッダを付与するデータ分割手段と、
前記データ分割手段で得られた複数の分割データを蓄積するデータ蓄積手段と、
前記データ蓄積手段に蓄積された前記複数の分割データを繰り返し通信フレームに割り付けて送信するデータ送信手段と、
を含む送信部を備えた路車間通信装置。
【請求項6】
車載通信装置を搭載した車両に対して、データを繰り返し送信する路車間通信装置において、
送信データを複数に分割するデータ分割手段と、
前記データ分割手段により分割された分割データの識別情報を使用して複数の分割データの全てに対して繰り返し付与する識別情報付与手段と、
前記識別情報付与手段で前記識別情報が付与された前記分割データを蓄積するデータ蓄積手段と、
前記データ蓄積手段に蓄積された前記識別情報が付与された複数の分割データを通信フレームに割り付けて送信するデータ送信手段と、
を含む送信部を備えた路車間通信装置。
【請求項7】
前記データ蓄積手段を複数備え、
前記データ蓄積手段は、1つの送信データを複数の前記蓄積手段に分散させて蓄積し、前記識別情報付与手段は、前記各蓄積手段に蓄積される前記識別情報が付与された複数のデータの先頭領域に他の前記蓄積手段と異なる少なくとも1つの1回限定使用の識別情報を付与する請求項6に記載の路車間通信装置。
【請求項8】
前記データ蓄積手段は、複数の送信データを1以上の前記蓄積手段に蓄積する請求項7に記載の路車間通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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