説明

路面上の仮設標示施工方法及び仮設標示体

【課題】痕跡を残さず容易に撤去できる路面上の仮設標示施工方法及び仮設標示体を提供する。
【解決手段】仮設標示6を設置すべき路面1上の部位に低融点ワックス2のエマルション3を薄膜状に塗布し乾燥させてワックス皮膜5を付着させ、ワックス皮膜5上に塗料7又はシール8の塗布又は貼付により仮設標示6を形成し、仮設標示6の撤去時に高温流体12の吹き付け又は標示6の表面の摩擦により塗料7又はシール8をワックス皮膜5と共に路面1から剥離する。好ましくは、エマルション3中の低融点ワックス2の濃度を10重量%以上とし、ワックス皮膜5の厚さを0.3mm以上1mm以下とする。更に好ましくは、ワックス皮膜5上に塗布又は貼付する塗料7又はシール8を遮熱性とする。例えば、低融点ワックス2を動物性又は植物性ワックスとし、その動物性又は植物性ワックスを水及びアルコール中へ分散させることによりエマルション3を調製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は路面上の仮設標示施工方法及び仮設標示体に関し、とくに工事中の道路等の路面上に一時的な交通標識その他の仮設標示を施工する方法及びその方法に用いる仮設標示体に関する。
【背景技術】
【0002】
工事中の通路等の路面には、工事を円滑に進める必要から、完成後の路面とは異なる車線区画線、停止線等の交通標識、横断歩道標識等の一時的な標示(以下、仮設標示という)が設置される。このような路面上の仮設標示は、完成後の道路に設置する本来の交通標識や横断歩道標識等(以下、本設標示ということがある)との混同を避けるため、工事終了後に撤去する必要がある。従来、トラフィックペイント等を用いて設置した仮設標示は、工事終了後に路面と同一色のペイントで上塗りするか、又は路面のペイント部分を削り取っている。しかしペイントで上塗りする方法は、路面と同一色にすることが難しく痕跡が残ると共に、上塗りペイントが剥がれて仮設標示が再出現するおそれがある。またペイントを削り取る方法は、とくにアスファルト路面のような粗面ではペイントが路面内(採石間)に入り込んで強固に付着しているため、作業に非常に手間がかかると共に完成後の路面に傷をつけるおそれがある。
【0003】
仮設標示の撤去作業を容易にするため、剥離性接着テープを用いて仮設標示を設置することもある。この接着テープで形成した路面標示は、工事終了後にテープを路面から容易に剥離することができ、路面を傷つけるおそれも小さい。しかし従来の剥離性接着テープを用いた路面標示は、路面との付着力が比較的弱いため剥がれやすく、工事期間中に車両の通行等によって自然に剥がれてしまうことも経験されている。このため凹凸のあるアスファルト路面等では予め路面にプライマーを塗布することにより接着テープの付着力を高めているが、プライマーを塗布した場合は付着力が大きくなり過ぎて接着テープの剥離に手間がかかる。工事期間中は十分な強度で路面に付着しているが、工事終了後に容易に撤去できる仮設標示の開発が望まれている。
【0004】
これに対し特許文献1は、ポリスチレン系樹脂又はポリスチレン系樹脂を60重量%以上含む樹脂からなる発泡樹脂シートを接着材により路面上に貼着して仮設標示を形成する方法を提案している。ポリスチレン系の発泡樹脂シートはトルエン等の溶剤で溶解させることができ、路面にプライマーを施して強固に付着させた場合でも溶剤をかけることで容易に撤去することができる。また特許文献2は、バインダーと不可逆的変色性の示温顔料とを含有した着色層を備えたマーキング材を用いて仮設標示を形成する方法を提案している。このマーキング材は、路面に配置されて所定の温度(例えば70〜500℃)未満で使用されている間は着色層が路面と異なる色を維持して観察者から標示として視認可能であるが、所定の温度(例えば70〜500℃)以上に加熱されると着色層が路面とほぼ同じ色に不可逆的に変色して観察者から標示として視認不能となる。このため、マーキング材を路面に強固に付着させたまま着色層を加熱して不可逆的に変色させ、仮設標示を見えなくさせることで撤去することができる。
【0005】
【特許文献1】特開2004−060297号公報
【特許文献2】特開2004−315567号公報
【特許文献3】特開2003−136020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし特許文献1の方法は、溶剤によって発泡樹脂シートは溶解するが、溶剤により溶解しない接着材等が路面上に残る問題点がある。また特許文献2の方法も、着色層の不可逆的変色によりマーキング材を見えなくすることは可能であるが、変色後のマーキング材が路面上に残る問題点がある。仮設標示を撤去した後の路面は仮設標示を設置する前と同様の状態に回復することが望ましく、路面上に残る接着材やマーキング材が路面使用上の支障となる場合は、手間のかかる削り取り作業等が必要となる。このような削り作業等を避けるためには、工事終了後に痕跡を残さず容易に撤去できる仮設標示が必要である。
【0007】
そこで本発明の目的は、痕跡を残さず容易に撤去できる路面上の仮設標示施工方法及び仮設標示体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、常温では固体であるが温度上昇により融解する低融点ワックスに着目した。特許文献3が開示するように低融点ワックスは、粘性の小さいエマルションとして構造物表面に塗布することにより、その表面に強固に密着するワックス皮膜とすることができる。ワックス皮膜は、常温下において路面に十分な付着力で密着しているが、ワックスの軟化点以上の高温流体との接触(例えば、温水や蒸気の塗布や吹き付け)により付着力を弱めて路面から容易に剥離することができる。このワックス皮膜上に仮設標示を形成すれば、工事期間中は路面に付着し、工事終了後に痕跡を残さず撤去できる仮設標示とすることが期待できる。更に本発明者は、ワックス皮膜上に塗料又はシールを塗布又は貼付することにより比較的高温となりうる路面上においてもワックス皮膜の軟化を防ぐことができること、及び高温流体との接触だけでなくワックス皮膜の表面をブラシ等で摩擦したときの摩擦熱によってもワックス皮膜を路面から剥離できることを実験的に見出した。本発明は、これらの知見に基づく更なる研究開発の結果、完成に至ったものである。
【0009】
図1の実施例を参照するに、本発明による路面上の仮設標示施工方法は、仮設標示6を設置すべき路面1上の部位に低融点ワックス2のエマルション3を薄膜状に塗布し乾燥させてワックス皮膜5を付着させ、ワックス皮膜5上に塗料7又はシール8の塗布又は貼付により仮設標示6を形成し、仮設標示6の撤去時に高温流体12の吹き付け又は標示6の表面の摩擦により塗料7又はシール8をワックス皮膜5と共に路面1から剥離してなるものである。
【0010】
また図1の実施例を参照するに、本発明による路面上の仮設標示体10は、路面1上に低融点ワックス2のエマルション3を薄膜状に塗布し乾燥させて付着させたワックス皮膜5と、ワックス皮膜5上に塗料7又はシール8の塗布又は貼付により形成した仮設標示6とを備えてなり、撤去時に高温流体12の吹き付け又は標示6の表面の摩擦により塗料7又はシール8をワックス皮膜5と共に路面1から剥離可能としたものである。
【0011】
好ましくは、エマルション3中の低融点ワックス2の濃度を10重量%以上とし、ワックス皮膜5の厚さを0.3mm以上1mm以下とする。更に好ましくは、ワックス皮膜5上に塗布又は貼付する塗料7又はシール8を遮熱性とする。例えば、低融点ワックス2を動物性又は植物性ワックスとし、その動物性又は植物性ワックスを水及びアルコール中へ分散させることによりエマルション3を調製することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の仮設標示施工方法及び仮設標示体は、路面1上に低融点ワックス2のエマルション3を薄膜状に塗布し乾燥させてワックス皮膜5を付着させ、ワックス皮膜5上に塗料7又はシール8により仮設標示6を形成し、仮設標示6の撤去時に高温流体12の吹き付け又は標示6の表面の摩擦により塗料7又はシール8をワックス皮膜5と共に路面1から剥離するので、次の顕著な効果を奏する。
【0013】
(イ)路面上に強固に密着したワックス皮膜上に仮設標示を形成するので、車両等が仮設標示上を通行する工事期間中において路面から剥離しにくい仮設標示とすることができる。
(ロ)高温流体12の吹き付け又は標示6の表面の摩擦という比較的簡単な作業により、仮設標示をワックス皮膜と共に痕跡を残さず路面から撤去することができる。
(ハ)仮設標示が撤去された後の路面を仮設標示設置前と同様の状態に回復することができ、手間のかかる削り取り作業等が不要となる。
(ニ)ワックス皮膜と共に路面から剥離した仮設標示をバキューム等で吸い取って回収することができ、剥離した仮設標示の環境中への拡散を簡単に防止することができる。
(ホ)夏季等に比較的高温となる路面上においても、ワックス皮膜上に遮熱性の塗料又はシールを塗布又は貼付して仮設標示とすることにより、ワックス皮膜の軟化を抑えて仮設標示体の路面からの剥離を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、低融点ワックス2として蜜蝋、鯨蝋、木蝋等の動物性又は植物性ワックスを用いた本発明の実施例を示す。動物性又は植物性ワックスは自然界において分解可能であり、路面1から剥離後のワックス皮膜3が自然界に流出した場合でも環境汚染を小さく抑えることができる。低融点ワックス2を水及び/又はアルコールに分散させてワックス・エマルション3を調製する。ワックス・エマルション3の組成の一例を表1に示す。ただし、本発明で使用するワックス・エマルション3は低融点ワックス2を主成分とするものであれば足り、必要に応じて物性改善剤、保存剤、殺虫剤や防菌剤、芳香剤、漂白剤その他の薬品等を混合してもよい。また、動物性又は植物性ワックスのエマルション3は無色透明であるが、必要に応じて着色剤等を混入してもよい。
【0015】
【表1】

【0016】
図2は、本発明による仮設標示の施工方法の流れ図の一例を示す。以下、同図の流れ図を参照して本発明を説明する。先ずステップS001において仮設標示6を設置すべき路面1上の部位を清掃したのち、ステップS002においてワックス・エマルション3をローラ、刷毛塗り、吹き付け等の方法により薄膜状に塗布し(図1(A)参照)、ステップS003において路面1を養生することにより水分を蒸発させて路面1上に密着するワックス皮膜5を形成する(図1(B)参照)。ステップS003におけるワックス皮膜5の養生(乾燥)時間は、エマルション3中のアルコール分を多くすることにより短縮することが可能である。
【0017】
低融点ワックス2をエマルション3として塗布することにより、路面1上の小さな凹部にも低融点ワックス2を入り込ませ、路面1上に強固に密着するワックス皮膜5を形成することができる。本発明は路面1上にプライマーを塗布する必要はないが、ワックス皮膜5の密着によって路面1上を平滑にし、プライマーを塗布した場合と同様に、ワックス皮膜5上に形成する仮設標示6の仕上がりをよくすると共に仮設標示6をワックス皮膜5及び路面1から剥離しにくいものとすることができる。また、ワックス皮膜は撥水性であるため、雨水に晒されても剥離せず、必要な期間十分な強度で路面に付着させておくことができる。
【0018】
ただし、車両等の通行等による破損を防止するため、ワックス皮膜5はある程度厚くすることが有効である。本発明者は、エマルション3中の低融点ワックス2の濃度を10重量%以上とすることにより、ワックス皮膜5を破損防止に十分な厚さ、例えば0.3mm以上1mm以下とすることができることを実験的に確認できた。好ましくは低融点ワックス2の濃度を15重量%以上とし、更に好ましくは表1のように20重量%程度とする。低融点ワックス2の濃度を20重量%とした場合でもエマルション3の粘度は十分小さいので(例えば、岩田粘土計で100cp以下)、路面1上に薄膜状に塗布することが可能である。また必要に応じて、比較的低濃度のエマルション3を複数回重ね塗りすることによりワックス皮膜5を必要な厚さとすることも可能である。
【0019】
ステップS004において、手作業又は適当な作業機を用いてワックス皮膜5上に塗料7又はシール8を仮設標示6として塗布又は貼付することにより、ワックス皮膜5と仮設標示6とを備えた仮設標示体10を形成する(図1(C)参照)。本発明で用いる塗料7又はシート8は特に制限はなく、従来から仮設標示又は本設標示として用いられるトラフィックペイントや接着テープ等を使用できるが、太陽熱により比較的高温となりうる屋外の路面1等では白色の塗料7又はシール8とすることが望ましい。更に望ましくは、塗料7又はシール8を遮熱性又は赤外線反射性とする。例えば低融点ワックス2として蜜蝋を使用した場合、路面が60℃程度に加熱されるとワックス皮膜5が軟化し始めて付着力が弱くなるが、本発明者はワックス皮膜5上に白色の塗料7又はシート8を塗布又は貼付することにより、ワックス皮膜5の軟化を抑えて仮設標示6の路面1からの剥離を防止できることを実験的に確認できた。また、塗料7又はシール8を遮熱性又は赤外線反射性とすることにより、屋外の路面1においてもワックス皮膜5の軟化を更に有効に抑え、仮設標示6の使用期間中(ステップS005)に仮設標示体10が路面1から剥離するのを防止することができる。
【0020】
ステップS006は、例えば工事が終了した際に、仮設標示体10上の表面へのワックス軟化点以上の高温流体12の吹き付け、又はブラシ等による仮設標示体10の表面の摩擦によって、塗料7又はシール8をワックス皮膜5と共に路面1から剥離する処理を示す。例えばワックスとして蜜蝋を使用した場合は、図1(D)のように温水高圧洗浄機14で70℃程度以上の温水又は蒸気を吹き付けることにより、軟化して付着力が弱まったワックス皮膜5を塗料7又はシール8と共に吹き付け圧によって路面1から剥離し、路面1を仮設標示体10が設置される前と同様の状態に回復することができる(ステップS007)。また本発明者は、ワックス皮膜5に対し45℃程度の温風の吹き付けを継続することにより、付着力が弱まったワックス皮膜5を風圧によって路面1から剥離できることを実験的に確認できた。
【0021】
また本発明者は、ワックスとして蜜蝋を使用した場合に、硬いブラシ状回転体を使用して仮設標示体10の表面を摩擦することにより、摩擦熱によってワックス皮膜5の付着力が弱まり、ブラシ状回転体の更なる摩擦により付着力が弱まったワックス皮膜5を塗料7又はシール8と共に路面1から剥離できることを見出した。この摩擦による方法は、高温流体12の吹き付けによる方法に比し、高温流体12の吹き付け面積(温水又は蒸気の吹き出し幅)にもよるが、比較的大面積の仮設標示体10を短時間で剥離することができる。仮設標示体10の形状や面積に応じて、高温流体12の吹き付けとブラシ等の摩擦とを組み合わせることにより、効率的な仮設標示体10の剥離が期待できる。図1(D)に示すように、高温流体12の吹き付け又はブラシ等の摩擦により塗料7又はシール8はワックス皮膜5と共に破片11となって剥離するが、例えばバキューム装置15で剥離した破片11を回収することにより、破片11の環境中への拡散を簡単に防止することができる。
【0022】
[実験例1]
表1の組成のワックス・エマルション3を用い、屋外のアスファルト製の路面1に本発明の仮設標示体10を形成する実験を行った。本実験では、路面1の表面にエマルション3を100g/m2の割合で塗布し乾燥させてワックス皮膜5を形成し、その上に白色のトラフィックペイント7を用いて仮設標示6を描くことにより仮設標示体10を形成した。エマルション3の粘度は100cp以下、形成されたワックス皮膜5の厚さは1mm以下であった。この仮設標示体10上に工事車両を繰り返し走行させてみたが、仮設標示体10は路面1に付着したまま剥離は見られなかった。また、晴天時に路面1の表面温度は60℃程度にまで上昇したが、この状態で工事車両を走行させても仮設標示体10は剥離することはなかった。更に、雨天時を模擬するため仮設標示体10に散水した上で工事車両を走行させてみたが、やはり仮設標示体10の剥離は観察できなかった。この実験結果から、本発明の仮設標示体10は、晴天や雨天を繰り返す屋外の路面1上に十分な強度で付着していることが確認できた。
【0023】
次に、路面1上に付着した仮設標示体10の表面の一部分に図1(D)のように温水高圧洗浄機(MICONE社製、製品名HOT BOX、圧力6.5bar、加熱温度145℃)で約70℃の温水を吹き付けたところ、仮設標示体10を水圧により路面1から破片11として剥離させることができ、路面1を仮設標示体10の設置前と同様の状態に回復することができた。また、仮設標示体10の表面の残部分をブラシ状回転体で摩擦したところ、その残部分を路面1から破片11として剥離させ、路面1を仮設標示体10の設置前と同様の状態に回復することができた。これらの実験結果から、本発明の仮設標示体10は高温流体の吹き付け又はブラシ等による摩擦により痕跡を残さず路面1から容易に撤去することができることを確認できた。
【0024】
こうして本発明の目的である「痕跡を残さず容易に撤去できる路面上の仮設標示施工方法及び仮設標示体」の提供を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施例の説明図である。
【図2】本発明による仮設標示の施工方法の流れ図の一例である。
【符号の説明】
【0026】
1…路面 2…低融点ワックス
3…ワックス・エマルション 5…ワックス皮膜
6…仮設標示 7…塗料
8…シール 10…仮設標示体
11…破片 12…高温流体
14…温水高圧洗浄機 15…バキューム装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮設標示を設置すべき路面上の部位に低融点ワックス・エマルションを薄膜状に塗布し乾燥させてワックス皮膜を付着させ、前記ワックス皮膜上に塗料又はシールの塗布又は貼付により仮設標示を形成し、前記仮設標示の撤去時に高温流体の吹き付け又は標示表面の摩擦により塗料又はシールをワックス皮膜と共に路面から剥離してなる路面上の仮設標示施工方法。
【請求項2】
請求項1の施工方法において、前記エマルション中の低融点ワックスの濃度を10重量%以上としてなる路面上の仮設標示施工方法。
【請求項3】
請求項1又は2の施工方法において、前記塗料又はシールを遮熱性としてなる路面上の仮設標示施工方法。
【請求項4】
請求項1から3の何れかの施工方法において、前記低融点ワックスを動物性又は植物性ワックスとし、動物性又は植物性ワックスを水及びアルコール中へ分散させることにより前記エマルションを調製してなる路面上の仮設標示施工方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れかの施工方法において、前記ワックス皮膜と共に剥離した塗料又はシールをバキュームで吸い取ることにより回収してなる路面上の仮設標示施工方法。
【請求項6】
路面上に低融点ワックス・エマルションを薄膜状に塗布し乾燥させて付着させたワックス皮膜と、前記ワックス皮膜上に塗料又はシールの塗布又は貼付により形成した仮設標示とを備えてなり、撤去時に高温流体の吹き付け又は標示表面の摩擦により塗料又はシールをワックス皮膜と共に路面から剥離可能としてなる路面上の仮設標示体。
【請求項7】
請求項6の仮設標示体において、前記エマルション中の低融点ワックスの濃度を10重量%以上としてなる路面上の仮設標示体。
【請求項8】
請求項6又は7の仮設標示体において、前記ワックス皮膜の厚さを0.3mm以上1mm以下としてなる路面上の仮設標示体。
【請求項9】
請求項6から8の何れかの仮設標示体において、前記塗料又はシールを遮熱性としてなる路面上の仮設標示体。

【図1】
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【図2】
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