説明

身体治療用長枕

本発明は身体治療用長枕に関し、より具体的には、空気量に応じて形状が変形する身体治療用長枕と、空気の注入および放出が簡単で迅速なバルブ部材に関する。本発明の好適な実施例にかかる治療用長枕は、弾性素材でなる中空形状の本体を具え、少なくとも片側に設けられた通気路と当該通気路を開閉するバルブ部材とを有する。この本体の通気路は、雌ねじを有する連結口と、当該連結口と連通しており前記連結口と比較して径が小さく内側へ延びる開閉口とを具えている。前記バルブ部材はまた、前記連結口に対応するネジ部と、前記開閉口に選択的に挿入される閉塞部と、前記ネジ部と閉塞部との間に少なくとも片側から所定の深さで設けられ、前記バルブ部材の前方と反対方向に移動した場合に一斉に外気を導入する空気入出口とを具えている。本発明によれば、バルブ部材を長枕本体から完全に取り外したり締めたりすることなく通気路を開閉することができ、その使用法が非常に簡単であり、また迅速に人体の部位に適した望ましい形状に変形させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は身体治療用長枕に関し、より具体的には、空気量に応じて形状が変形する身体治療用長枕と、空気の注入および放出が簡単で迅速なバルブ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
身体治療用長枕は、頭部、頚、腰、背骨、肩など、人体の様々な部位を支持するのに用いられている。このため、治療効果の向上や治療中に人体にかかる負担を軽減させるべく、これらは使用に応じて自由に形状が変形する変形可能なタイプであることが望ましい。
【0003】
図1は、従来技術の実施例にかかる治療用長枕を示す図である。図1を参照すると、従来の長枕は円筒形状の中空の本体と、両端部に設けられ選択的に長枕内外間の流路を開閉する2つのシーリングバルブとを具えている。上記長枕は、ネジ式のシーリングバルブを緩め、本体を使用目的に適切となるように押して、最後にネジ式のバルブを締めることにより形作られる。しかしながら、ネジ式のシーリングバルブを有する長枕は、空気を注入あるいは放出させるのにバルブを完全に取り外さなければならず、ユーザに不便であり、さらにこのネジ式のシーリングバルブの操作に時間がかかるため身体治療を遅らせるものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものである。本発明は、開閉バルブを簡単に操作して空気を注入または放出することにより形状を容易に変形できる治療用長枕を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目標を達成するために、本発明の好適な実施例にかかる治療用長枕は、弾性素材でなる中空形状の本体を具え、少なくとも片側に設けられた通気路と当該通気路を開閉するバルブ部材とを有している。この本体の通気路は、雌ねじを有する連結口と、当該連結口と連通しており前記連結口と比較して径が小さく内側へ延びる開閉口とを具えている。また、前記バルブ部材は、前記連結口に対応するネジ部と、前記開閉口に選択的に挿入される閉塞部と、前記ネジ部と閉塞部との間に少なくとも片側から所定の深さで設けられ、前記バルブ部材の前方と反対方向に移動した場合に一斉に外気を導入する空気入出口とを具えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、バルブ部材を長枕本体から完全に取り外したり締めたりすることなく通気路を開閉することができ、その使用法が非常に簡単であり、また迅速に人体の部位に適した望ましい形状に変形させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の好適な実施例について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
説明に先立ち、本明細書およびクレームで用いる用語および単語は、定型的あるいは字義的に限定解釈されてはならず、発明者が本発明を最良の方法で説明するために用語および単語の意図を規定できることを前提に本発明の技術的範囲にそった意図および概念として解釈されるべきであることに留意されたい。
【0009】
したがって、本発明に関し説明される実施例や図面に示される構成は、単なる最良の実施形態であって本発明の技術的範囲のすべてを表すものではなく、本発明の出願時において様々な同等物や変形例に置換可能であることを理解されたい。
【0010】
図2は、本発明の好適な実施例にかかる治療用長枕の断面図である。
【0011】
図2を参照すると、本発明の実施例にかかる長枕は、中空構造の本体100と、当該本体100の少なくとも片側に設けられたバルブ部材102とを具えている。
【0012】
本体100は柔軟性を有し、その形状が変形可能であるとともに気密材料で構成されている。同時に、この本体100は復元力を有する材料でなり、単独で復元可能であることが望ましい。この本体100の両側は図示しない両端部を有するある程度の長さの筒型形状であるが、本発明はこの形に限定されるものではない。
【0013】
図3を参照すると、本体100の少なくとも片側に、外気につながる通気路101が設けられている。この通気路101は本体100に直接設けられてもよいが、本体100に挿入された挿入部材104に形成されていることが望ましい。この場合、さらにストップリング105を挿入部材104の外側に本体100で支持されるように挿入して、挿入部材104を本体100に固定するようにする。
【0014】
本体100が筒型形状である場合、通気路101は本体100の片側あるいは両側に設けられる。この通気路104は、本体100の表面から内側へと延びる長い穴であり、雌ねじがきられた連結口101aと、当該連結口101aに連通し内側に設けられ前記連結口101aと比較して径の小さな開閉口101cとを具えている。
【0015】
さらに、開閉口101cの入り口にはパッキン部材103が設けられ、これによりバルブ部材102を連結することによる摩損が防止されるとともに気密効果が向上する。このパッキン部材103としては、テフロンまたはその同等物を適用可能である。
【0016】
バルブ部材102は、通気路101に挿入することにより選択的に開閉可能とするためにある。このバルブ部材102は連結口101aに対応するネジ部102bと、ネジ部102bより径が小さく前記連結口101cに選択的に挿入され閉塞する閉塞部102dとを具えている。ここで、パッキン部材103が望ましい形で設けられたら、閉塞部102dをパッキン部材103に挿入することにより連結口101cが選択可能に閉塞される。
【0017】
バルブ部材102は、前記ネジ部102bと閉塞部102dとの間に少なくとも片側から所定の深さで設けられ、バルブ部材102の前方と反対側の方向に移動すると外気を一斉に導入する空気入出口102cを有する。この場合、図面において、空気入出口102cはバルブ部材102のノブ102aを通る1本の通路として描かれているが、本発明はこの例に限るものではない。このようにして、空気入出口102cがノブ102aとネジ部102bとの間の地点に延在する。
【0018】
望ましくは、流路における連結口101aと開閉口101cとの間にギャップ形成通路101bが設けられており、その径は連結口101aより小さいが開閉口101cより大きく構成されている。このギャップ形成通路101bは、ギャップを形成することにより空気入出口102cの容量を増大させる役割を果たす。
【0019】
図4および図5を参照して、本発明の好適な実施例にかかる治療用長枕の操作を以下に説明する。図4および図5は、本体100の内部空気量を制御してピーナッツ型に変形させる例を示す。
【0020】
特に、図4に示すように、ノブ102aを少し回すと、バルブ部材102の閉塞部102dが通気路101の開閉口から離れる。このとき、本体100を押すと、本体100内の空気がバルブ部材102の開口101c、ギャップ形成通路101b、空気入出口102cを順に通過する。このようにして、本体100の形状が、内部空気量に応じて変形する。
【0021】
そして、図5に示すように、ノブ102aを反対側に回すと、バルブ部材102の閉塞部102dが通気路101を閉塞する。このようにして、本体100の形状が保持される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に添付する以下の図面は、本発明の好適な実施例を示すものであり、ここに記述される本発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な意図をより理解するのに役立つが、本発明は図面に記載されたものにのみ限定され、また解釈されるべきではない。
【図1】図1は、従来技術の実施例にかかる治療用長枕を示す図である。
【図2】図2は、本発明の好適な実施例にかかる治療用長枕の断面図である。
【図3】図3は、図2に示す通気路の詳細図である。
【図4】図4は、前記通気路を開くことにより空気を放出している状態にある長枕の断面図である。
【図5】図5は、前記通気路を閉じて特定の形状とした長枕の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性素材からなり変形可能で少なくとも片側に通気路が設けられた本体と、
前記通気路を選択的に開閉するバルブ部材とを具え、
前記バルブ部材は、雌ねじを有する連結口と、当該連結口と連通しており前記連結口と比較して径が小さく内側へ延びる開閉口と、前記連結口に対応するネジ部と、前記開閉口に選択的に挿入される閉塞部と、前記ネジ部と閉塞部との間に少なくとも片側から所定の深さで設けられ、前記バルブ部材の前部と反対の方向に移動した場合に一斉に外気を導入する空気入出口とが設けられていることを特徴とする治療用長枕。
【請求項2】
前記本体が復元力を有する素材からなることを特徴とする請求項1に記載の治療用長枕。
【請求項3】
前記連結口と開閉口の間の通路が、前記連結口より細いが前記開閉口より太いことを特徴とする請求項1または2に記載の治療用長枕。
【請求項4】
前記開閉口の入り口に、前記バルブ部材の閉塞部に対応するパッキン部材が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の治療用長枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−530208(P2007−530208A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506074(P2007−506074)
【出願日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000765
【国際公開番号】WO2005/094638
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(506329465)
【Fターム(参考)】