説明

身体流体の収集装具

身体排泄物の収集装具は、収集パウチと、身体への取付のための接着ウエハーとを具備し、該接着ウエハーは、バッキング層と、第1接着材と、付加的な第2接着材とを含み、該付加的な第2接着材はポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系を含んで成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の皮膚への取付用収集装具および身体排泄物の収集用の収集装具、例えばオストミー装具に関する。
【背景技術】
【0002】
身体排泄物の収集用の収集装具、オストミー製品、創傷用帯具またはフィスチュラの排液用帯具または尿の収集用装具は、通常、排泄物を受容するために容器、例えば、袋、パウチまたはチューブの形態であり、患者の皮膚に取り付けられうる接着ウエハーに接続される。このウエハーは、典型的には皮膚に面する表面上において接着材層で被覆されたバッキング層(backing layer)の形態であり、且つこのウエハーには身体の孔を収容するための開口部が更に設けられうる。前記開口部の大きさおよび形状は、多くの場合、患者の生体構造に適合すべく個別に適合されうる。
【0003】
斯かる装具の極めて重要な部分の1つが接着ウエハーである。このウエハーは、身体の孔の周りに漏れがないように適合することができ、且つ皮膚からの意図しない脱落がないように皮膚への良好な接着を有するべきであるが、それと同時に皮膚を損傷することなく再び取り外すことが容易であるべきである。更にその上、このウエハーは身体の動作に追従することができ、且つ装着するのが快適であるべきである。
【0004】
皮膚用接着材を設計するとき、主要な問題の1つは浸軟を防ぐために接着材の下の皮膚を比較的乾いた状態に保つことである。浸軟は皮膚が蒸発から水分および身体の孔から排出を取り除くことができないときに発生する。浸軟の発生は、装具の皮膚への接着性の悪化だけでなく、皮膚のバリア機能の低下をももたらしうる。
【0005】
通常、皮膚用接着材は、水分を吸収することによって皮膚を乾いた状態に保つ。吸収性粒子または親水コロイド(HC)が皮膚から水分を吸収するべく接着マトリックス内に混合され、その結果、皮膚は比較的乾いた状態に保たれる。この技術は当該技術分野ではよく知られており、且つほとんどの市販されているオストミー用接着材の基礎を形成する。例えば、米国特許第4192785号明細書を参照されたい。
【0006】
接着ウエハーの漏れへの耐性性能を改良するために、いくつかのウエハーは、第1接着材の中心を取り囲む第2接着材を含んで成る。第1接着材は排出源に近接して位置決めされ、且つ第2接着材は更なる漏れ耐性を提供する。米国特許第4775374号明細書は接着材構造を記載しており、ここでは第1接着材および第2接着材は両方とも親水コロイド(HC)を主成分としている。この接着材構造において、第1接着材および第2接着材は両方とも両接着材が耐性を有することになっている排出物に良く反応する。更に、第1接着材および第2接着材は、両方とも排出物に接触するとき、膨潤するであろう。従って、不良のメカニズムは両接着材について同一であり、且つ付加される保護が制限される。Cymedによって販売されるウォッシャー(washer)を備えたマイクロスキン(Microskin:登録商標)接着材のような他の製品は、第1接着材および第2接着材を含み、外側の第2接着材はアクリル接着材である。アクリル接着材は、皮膚上でアレルギー反応を引き起こすことが知られており、それ故に問題を有している。更にその上、第2接着材は、取り外し時に皮膚を剥がし、また、さもなければ皮膚に損傷を与えることが知られており、このことは痛みを伴い且つ使用者を不快にしうる。
【0007】
最近驚くべきことに、標準的な親水コロイドの接着材に、ポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系を混合することによって、アレルギー反応の問題を回避できることが分かった。更にその上、標準的な親水コロイドの接着材と架橋された接着材系とは接着特性がかなり異なる。従って、二つの接着材の特性は互いに補完し合うことができ、よってこれら接着材の一方が単独で得られるより良好な接着が得られる。最終的に、ポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系は、取り外すのに損傷がなく且つ痛みを緩和し、より快適な第2接着材を提供する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、収集パウチと、身体への取付用の接着ウエハーとを具備する身体排泄物の収集装具に関し、前記接着ウエハーは、バッキング層と、第1接着材と、付加的な第2接着材とを含み、該付加的な第2接着材は、ポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系を含んで成る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の種々の実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明の種々の実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明の種々の実施形態を示す。
【図4】図4は、本発明の種々の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、本発明の種々の実施形態を示す図を参照してさらに詳細に開示される。
本発明の目的は、第1接着材および付加的な第2接着材を含んで成る身体排泄物の収集装具であって、前記付加的な第2接着材がポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系を含んで成る身体排泄物の収集装具を提供することにある。
【0011】
身体排泄物の収集装具とは、予め定められた時間に亘って排出物を収集部材内に収集および保持できる装具を意味する。所定位置への装具の保持は皮膚用接着材によってなされることができ、且つ収集は袋によってなされうる。
【0012】
本発明の1つの実施形態において、身体排泄物の収集装具は、収集パウチと身体への取付用の接着ウエハーとを具備し、該接着ウエハーは、バッキング層、第1接着材、および付加的な第2接着材を含み、該付加的な第2接着材は、ポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系を含んで成る。
【0013】
ポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系は、水分を吸収するのではなく、むしろ水を皮膚の表面から離れるように浸透させる。従って、親水コロイドによって引き起こされる膨潤効果は通常起こらないであろう。接着は通常、皮膚への湿潤および親和によってなされる。
【0014】
付加的な第2接着材は、漏れを防止し且つより長い着用時間を得るべく使用者の安全および保護のために使用される。
【0015】
本発明の1つの実施形態によれば、第1接着材は身体排泄物の排泄源に近接して、通常はオストミーまたはフィスチュラに近接して配置される。
【0016】
近接して配置されるとは、物体が他の物体の近くに配置され、またはまさに接触していることを意味する。
【0017】
本発明の1つの実施形態において、第1接着材は親水コロイドの粘着剤である。
【0018】
標準的な従来の親水コロイド(HC)の粘着剤は、皮膚に接着し、水分を吸収することによって汗を処理し且つ本質的損傷なく皮膚から取り外すことができる皮膚に優しい接着材である。
【0019】
典型的な粘着剤はポリイソブチレン(PIB)(接着物質)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)(吸収媒体)を主成分としている。
【0020】
今日使用されているような典型的なHCの粘着剤は、粘着性だけでなく流動性も示すポリマーのマトリックスで高度に満たされた親水コロイド系である。親水コロイドは汗から水分を吸収し且つ身体から排出物を吸収し、またポリマーは皮膚とポリマーとの親和性により皮膚に接着し且つ皮膚の小さい空洞に流れ込む。接着材の粘着性は、腐食が最小化されることと、ウエハーが単品型で取り外されることと、最小の接着材の残留物が皮膚に残されることとを確実なものとする。
【0021】
上述したように、本発明に係る収集装具は二種類の既知の皮膚用接着材の機械的特性および接着特性を結合する。本発明によれば、親水コロイドを主成分とした皮膚用接着材の膨潤の悪い効果が、シール効果を提供するための有益な方法に使用される。
【0022】
オストミー製品の使用において、その使用がストーマのタイプ、体型、使用者の様式等の範囲内で変化するので、ストーマの周囲部の接着材に対する要求は異なることが多い。
【0023】
本発明に係る第1接着材として親水コロイドの接着材を使用するとき、ストーマ周囲部の接着ウエハーは、ウエハーの内側部分では固くて皮膚の固定をもたらす傾向にあり、またウエハーの外側域では柔らかく且つ可撓性を有する部分である傾向がある。僅かに固い内側域は典型的には、吸収性粒子の高い充填率と付加的な第2接着材よりも固い接着材材料を選択することとから得られる。
【0024】
本発明に係るこのような実施形態は、まさに液状の排出物または皮膚への侵攻性のある排出物が接着ウエハーの内側の穴部に長時間曝される場合に使用されるときに特に有用である。典型的な例として、接着ウエハーが数日間皮膚に貼り付いたままである回腸ストーマ用の二品型製品の使用がある。
【0025】
本発明の付加的な第2接着材は、ポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系を含んで成る。
【0026】
本明細書で用いられる場合、架橋は、高分子(ポリマー鎖構造)中の小領域であって、そこから2本超の鎖が出ている小領域を意味する。
【0027】
本発明の1つの実施形態によれば、付加的な第2接着材は、付加反応触媒の存在下で行われる
(i)1以上の不飽和末端基を有するポリアルキレンオキシドポリマーと、
(ii)1以上のSi−H基を含んで成る有機シロキサンと
の反応生成物を含んで成る。
【0028】
本発明の他の実施形態によれば、付加的な第2接着材は、3以上の炭素原子を有する重合アルキレンオキシド部分からなる90質量%超のポリアルキレンオキシドポリマーを含んで成る。
【0029】
本発明の他の実施形態によれば、付加的な第2接着材は、付加反応触媒の存在下で行われる
(i)少なくとも2つの不飽和末端基を有するポリアルキレンオキシドポリマーであって、90質量%超のポリアルキレンオキシドポリマーが、3以上の炭素原子を有する重合アルキレンオキシド部分からなるポリアルキレンオキシドポリマーと、
(ii)3以上のSi−H基を含んで成るポリシロキサン架橋剤と、
(iii)随意に、2以下のSi−H基を含むポリシロキサン鎖延長剤と
の反応生成物を含んで成る。
【0030】
本発明の好ましい実施形態によれば、付加反応触媒はPtビニルシロキサン錯体である。
【0031】
本発明の更なる好ましい実施形態によれば、前記反応生成物中のポリアルキレンオキシドの重量%は60%以上である。
【0032】
1以上の不飽和基を有するポリアルキレンオキシドポリマーは、分岐していても、または直鎖でもよい。
【0033】
しかしながら、適切には、ポリアルキレンオキシドポリマーは直鎖で且つ2つの不飽和末端基を有する。
【0034】
本発明の1つの特定の実施形態において、ポリアルキレンオキシドポリマーはポリプロピレンオキシドである。
【0035】
不飽和末端基を有するポリプロピレンオキシドは下記の式の化合物でありうる。
CH2=C(R1)−(Z)−O−(X)n−(W)−C(R2)=CH2 (Ia)
または、
CH(R1)=CH−(Z)−O−(X)n−(W)−CH=CH(R2) (Ib)
ここで、R1およびR2は独立して水素およびC1-6アルキルから選択され、ZおよびWはC1-4アルキレン、Xは−(CH23−O−または−CH2−CH(CH3)−O−、またnは1〜900、より好ましくは10〜600、または最も好ましくは20〜600である。
【0036】
不飽和末端基を有するポリアルキレンオキシドの数平均分子量は、適切には500〜100000の範囲、より好ましくは500〜50000の範囲、そして最も好ましくは1000〜35000の範囲である。
【0037】
不飽和末端基を有するポリプロピレンオキシドは、米国特許第6248915号明細書および国際公開第05/032401号に記載されているように調製されてもよいし、またはこれらに記載されている方法に類似して調製されてもよい。他のポリアルキレンオキシドポリマーは、類似して調製されうる。
【0038】
3以上のSi−H基を含んで成るポリシロキサン架橋剤は、下記の式を有する化合物が適切である。
R−SiO(R,R)−(SiO(R,R))m−Si−(R,R,R) (II)
ここで、R基の少なくとも3つは水素であり、且つR基の残りは、それぞれ独立してC1-12アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、およびC7-12アリールアルキルから選択され、またmは5〜50、または好ましくは10〜40である。GPCによって測定されるような数平均分子量は適切には500〜3000である。
【0039】
式(II)の1以上の架橋剤が架橋反応に使用されうる。
【0040】
本発明の1つの実施形態において、3以上のSi−H基を含んで成る式(II)の1以上の架橋剤と2以下のSi−H基を含むポリシロキサン鎖延長剤との混合物が架橋反応に使用される。
【0041】
ポリシロキサン鎖延長剤は、適切には下記の式を有する化合物である。
3−SiO(R3,R3)−(SiO(R3,R3))m−Si−(R3,R3,R3) (III)
ここで、2以下のR3基は水素であり、且つR3基の残りは、それぞれ独立してC1-12アルキル、C3-8シクロアルキル、C6-14アリール、およびC7-12アリールアルキルから選択され、またmは0〜50である。GPCによって測定されるような数平均分子量は、適切には200〜65000の範囲、最も好ましくは200〜17500の範囲である。
【0042】
本明細書で用いられる場合、C1-12アルキルは1〜12個の炭素原子を有する直鎖アルキル基または分岐アルキル基を意味し、C1-8アルキルは1〜8個の炭素原子を有する直鎖アルキル基または分岐アルキル基を意味し、そしてC1-6アルキルは1〜6個の炭素原子を有する直鎖アルキル基または分岐アルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルである。
【0043】
本明細書で用いられる場合、C1-4アルキレンは、1〜4個の炭素原子を有する直鎖二価のアルキレン基または分岐の二価のアルキレン基を意味し、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレンおよびイソブチレンである。
【0044】
本明細書で用いられる場合、C3-8シクロアルキルは、3〜8個の炭素原子を有する環状アルキル基を意味し、例えばシクロペンチルおよびシクロへキシルである。
【0045】
本明細書で用いられる場合、C6-14アリールは、随意にC1-6アルキルで置換されるフェニル基またはナフチル基を意味し、例えばトリルおよびキシリルである。
【0046】
本明細書で用いられる場合、C7-12アリールアルキルは、C1-6アルキル基に結合したアリールを意味し、ここでC1-6アルキルおよびアリールは上記で定義した通りである。C7-12アリールアルキルは、例えばベンジル、フェネチルおよびo−メチルフェネチルである。
【0047】
式(II)の化合物および式(III)の化合物において、水素ではないR基および水素ではないR3基は、適切にはそれぞれ独立してC1-6アルキル、C6-14アリールまたはC7-12アリールアルキル基の一部から選択される。
【0048】
Si−H基は、式(II)の化合物の末端にも位置しうる。しかしながら、少なくとも1つのSi−H基は、好ましくは式(II)の化合物の−(SiO(R3,R3))m−鎖の中に位置決めされる。
【0049】
ポリシロキサン架橋剤およびポリシロキサン鎖延長剤は、特開2002−224706号公報および国際公開第05/032401号に記載されているように、またはそこに記載された方法に類似して調製されうる。
【0050】
付加反応は、その最も単純な表現において、元素または化合物の原子が、有機化合物中の二重結合または三重結合と、これら結合の1つを開き且つそれに結合することによって反応し、1つの大きな化合物を形成する化学反応である。付加反応は多重結合した原子を有する化合物に限定される。ヒドロシリル化は、例えば化合物中の炭素−炭素二重結合と水素シロキサンからの反応性水素との間の付加反応である。
【0051】
適切な付加反応触媒は、いずれかのヒドロシリル化触媒、好ましくは白金(Pt)触媒である。2成分シーラントの第1部分用のPt触媒が米国特許第6248915号明細書に記載されている。潜在毒性を考慮すると、Ptが0の原子価状態であるPt錯体触媒が好ましい。好ましい触媒は、Pt−ジビニルテトラメチルジシロキサンのような、白金ビニルシロキサンおよび白金オレフィン錯体である。
【0052】
この反応は適切には25℃〜150℃の範囲の温度で希釈なしで実施される。この反応には溶媒を使用することは必要ではなく、このことはいずれの接着材にとっても有利であるが、特に皮膚用途にとって有利である。
【0053】
適切には、ポリシロキサン架橋剤中の反応性Si−H基の数の、反応条件下でSi−H基と反応するポリプロピレンオキシド中の不飽和基の数に対する比率は、0.2〜1.0の範囲である。
【0054】
架橋に使用されるポリシロキサンの量は、適切には不飽和末端基を有するポリアルキレンオキシドポリマーの量の15質量%未満であり、またはより好ましくは10質量%未満である。
【0055】
この架橋反応は全てのポリアルキレンオキシドポリマーの完全な架橋をもたらすものではない。この接着材は、架橋されたおよび架橋されていない、ポリアルキレンオキシドポリマーの混合物を含んで成る。
【0056】
本発明に係る付加的な第2接着材は、粘着付与剤、増量剤(extenders)、非反応性ポリマー、オイル(例えば、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、鉱物油)、可塑剤、フィラーおよび界面活性剤のような接着材組成物用の他の慣用成分を含みうる。或いは、付加的な第2接着材は薬剤活性のある成分を含んで成ってもよい。これら随意の成分は架橋反応の間に反応混合物中に存在しうる。
【0057】
第1接着材が吸収性粒子を含んで成ることは有利でありうる。本発明の1つの実施形態によれば、第1接着材は吸収性粒子を含んで成る。
【0058】
吸収性粒子は、組成物が皮膚から水分を吸収するために、親水コロイド、マイクロコロイドまたは超吸収剤のような吸収性粒子でありうる。
【0059】
マイクロコロイド粒子は、当該技術分野で、例えばマイクロコロイド粒子を含んで成る接着材組成物を開示する国際公開第02/066087号から、周知である。マイクロコロイド粒子は20μm未満の粒子径を有しうる。
【0060】
第1接着材は、1〜60質量%の親水コロイド(HC)粒子または超吸収性粒子(SAP)の粒子、より好ましくは30〜60質量%の粒子を含みうる。
【0061】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1接着材は吸収性粒子を含んで成る。
【0062】
本発明の好ましい実施形態によれば、吸収性粒子は、親水コロイド、マイクロコロイドおよび超吸収剤から選択される。
【0063】
本発明の1つの実施形態において、第1接着材は付加的な第2接着材の皮膚に面する表面上に配置される。
【0064】
接着材の皮膚に面する表面とは、皮膚に接着する側面を意味する。
【0065】
配置されるとは、付加的な第2接着材が収集装具上に配設されて、収集装具上で付加的な第2接着材または第1接着材の位置を特定する場合を意味する。
【0066】
本発明の他の実施形態において、付加的な第2接着材は接着ウエハーのパウチに面する表面上に配置される。
【0067】
パウチに面する表面または皮膚に面しない表面とは、皮膚から離れた(非結合側の)、接着材の側面または皮膚から離れる向きの裏面を意味する。
【0068】
本発明の1つの実施形態によれば、付加的な第2接着材は接着ウエハーの外縁に配置される。
【0069】
接着ウエハーの外縁部とは、基本的に溶着部またはカップリング部の外側部を意味する。この部分は排泄物に曝されることが少ないが、動作および収集袋からの引張りによる機械的露出だけでなく汗にも対応しなければならない。
【0070】
接着材ウエハーの内縁部とは、肛門周辺部、ストーマ周辺部またはフィスタルエリア(fistal area)の部分を意味する。この範囲の接着材は、汗だけでなく糞便または滲出液にも曝される。内縁部分の特性は、装着時間、排出物のタイプおよび特に生体構造に依存する。
【0071】
本発明の1つの実施形態によれば、付加的な第2接着材はリングの形態である。
【0072】
接着材のリングとは、排出される必要がある身体の孔を基本的に囲んでいる接着材を意味し、または接着ウエハーの外縁または内縁を覆うリングを意味する。
【0073】
本発明の1つの実施形態によれば、付加的な第2接着材は円の180度を覆っているハーフリングのようなリング部である。
【0074】
本発明の1つの実施形態によれば、第1接着材のみが、皮膚に面する表面上で付加的な第2接着材の一部を覆う。
【0075】
本発明の1つの実施形態によれば、付加的な第2接着材は接着ウエハーを部分的に覆う。
【0076】
本発明の他の実施形態によれば、付加的な第2接着材は第1接着材の皮膚に面する表面を部分的に覆う。
【0077】
本発明の他の実施形態によれば、接着ウエハーは第1接着材を適合させるための凹部を有する。
【0078】
収集装具には、装具中に嵌め込まれるべき第1接着材に適合する凹部が予め形成されうる。凹部は付加的な第2接着材の切欠部でありうる。
【0079】
適合させるとは、第1接着材が収集装具内に流し込まれることを意味する。
【0080】
本発明の1つの実施形態によれば、装具は第1接着材のための随意のバッキング層を有する。
【0081】
孔をシールすることは、排出物からの孔の保護、例えば会陰皮膚の縁またはフィスチュラの縁でストーマ周辺でのペーストの使用を指す。
【0082】
本発明の1つの実施形態によれば、身体の排泄物の排泄源はストーマである。
【0083】
本発明の他の実施形態によれば、身体の排泄物の排泄源はフィスチュラである。
【0084】
本発明の他の実施形態によれば、身体の排泄物の排泄源は肛門である。
【0085】
身体の排泄物の排泄源とは、肛門、ストーマまたはフィスチュラのような自然の身体の孔または人工的な身体の孔を意味する。
【0086】
本発明の1つの実施形態によれば、収集装具はオストミー製品である。
【0087】
本発明の他の実施形態によれば、収集装具は糞便の収集装具である。
【0088】
本発明の他の実施形態によれば、収集装具はフィスチュラの収集装具である。
【0089】
本発明の1つの実施形態によれば、収集パウチは着脱可能である。
【0090】
本発明の他の実施形態によれば、収集パウチはウエハーと一体である。
【0091】
収集パウチはカップリング方式によって接着ウエハーから着脱可能でもよいし、或いはパウチおよびウエハーは例えば溶着によってウエハーと一体でもよい。これら2つの方式は、オストミー用の単品型製品または二品型製品として知られている。
【実施例】
【0092】
好ましい実施形態の説明
以下、本発明は本発明の好ましい実施形態を示す図を参照してさらに詳細に説明される。
【0093】
図1〜図4は全て本発明に係る接着ウエハーの左半分の側面図である。全てのウエハーはバッキング層で覆われる。図面において皮膚に面する表面はウエハーの下側として示され、且つバッキング層はウエハーの上側に配設される。
【0094】
図1は第1接着材(11)および付加的な第2接着材(12)を備えた接着ウエハーを示し、第1接着材のみが接着ウエハーの一部を覆い且つ接着ウエハーの皮膚に面する表面上に配設される。第1接着材は、第1接着材の皮膚に面していない側と付加的な第2接着材の皮膚に面する側との間に配設される第2バッキング層によって随意に覆われうる。
【0095】
図2はウエハーの外縁部で第1接着材(21)が付加的な第2接着材(22)で部分的に覆われている状態の接着ウエハーの側面図を示す。
【0096】
図3は本発明の他の実施形態の側面図を示し、この実施形態では付加的な第2接着材(32)を備えた接着ウエハーは第1接着材(31)を適合させるための凹部を有する。
【0097】
図4は本発明の1つの実施形態の側面図を示し、この実施形態では第1接着材(41)を備えた接着ウエハーは接着ウエハーの内側部分で付加的な第2接着材(42)と結合している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収集パウチと、
バッキング層と、第1接着材と、付加的な第2接着材とを含んで成る、身体への取付のための接着ウエハーとを具備する、身体排泄物の収集装具であって、
前記付加的な第2接着材がポリアルキレンオキシドポリマーおよび有機シロキサンを主成分とする架橋された接着材系を含んで成る、身体排泄物の収集装具。
【請求項2】
前記ポリアルキレンオキシドポリマーがポリプロピレンオキシドである、請求項1に記載の収集装具。
【請求項3】
前記第1接着材が吸収性粒子を含んで成る、請求項1または2に記載の収集装具。
【請求項4】
前記吸収性粒子が親水コロイド、マイクロコロイドおよび超吸収剤から選択される、請求項3に記載の収集装具。
【請求項5】
前記第1接着材が親水コロイドの粘着剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項6】
前記第1接着材が身体排泄物の排泄源に近接して配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項7】
前記第1接着材が前記付加的な第2接着材の皮膚に面する表面上に配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項8】
前記付加的な第2接着材が前記接着ウエハーの前記パウチに面する表面上に配置される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項9】
前記付加的な第2接着材が前記接着ウエハーの外縁に配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項10】
前記付加的な第2接着材がリングの形態である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項11】
前記第1接着材が皮膚に面する表面上で前記付加的な第2接着材を部分的に覆う、請求項1〜10のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項12】
前記付加的な第2接着材が前記接着ウエハーを部分的に覆う、請求項1〜11のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項13】
前記接着ウエハーが前記第1接着材を適合させるための凹部を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項14】
当該収集装具が前記第1接着材のための随意のバッキング層を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項15】
当該収集装具がオストミー製品である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項16】
当該収集装具が糞便の収集装具である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項17】
当該収集装具がフィスチュラの収集装具である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項18】
前記収集パウチが着脱可能である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の収集装具。
【請求項19】
前記収集パウチが前記ウエハーと一体である、請求項1〜18のいずれか1項に記載の収集装具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−516218(P2011−516218A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504312(P2011−504312)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050317
【国際公開番号】WO2009/127207
【国際公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】