車両のセンターコンソール
【課題】コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に簡単に取り付け取り外しすることができる車両のセンターコンソールを提供する。
【解決手段】センターコンソール本体7の左右一対の側壁8の頂面18Tと後壁9の頂面19Tにコンソールガーニッシュ22が重なるとともに、コンソールガーニッシュ22の第1係合部20がセンターコンソール本体7の第1被係合部21に係合し、コンソールガーニッシュ22の端部22Aが隣接部材30の端部30Aに突き合わされ、コンソールガーニッシュ22の第2係合部31が横軸芯O周りに回転自在に隣接部材30の第2被係合部32に係合し、第1係合部20と第1被係合部21の係合方向が、各第1係合部20及び第1被係合部21ごとに、第1係合部20の横軸芯O周りの回転軌跡の接線方向に沿っている。
【解決手段】センターコンソール本体7の左右一対の側壁8の頂面18Tと後壁9の頂面19Tにコンソールガーニッシュ22が重なるとともに、コンソールガーニッシュ22の第1係合部20がセンターコンソール本体7の第1被係合部21に係合し、コンソールガーニッシュ22の端部22Aが隣接部材30の端部30Aに突き合わされ、コンソールガーニッシュ22の第2係合部31が横軸芯O周りに回転自在に隣接部材30の第2被係合部32に係合し、第1係合部20と第1被係合部21の係合方向が、各第1係合部20及び第1被係合部21ごとに、第1係合部20の横軸芯O周りの回転軌跡の接線方向に沿っている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
インストルメントパネルの左右中央部にセンターコンソール本体が連設され、
前記センターコンソール本体は、インストルメントパネル本体の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の後端部同士を連結する後壁とを備え、
前記センターコンソール本体の左右一対の側壁の頂面と前記後壁の頂面にU字状のコンソールガーニッシュが重なるとともに、前記コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が前記センターコンソール本体の複数の第1被係合部に各別に係合し、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部が、左右一対の隣接部材の端部に各別に突き合わされている車両用のセンターコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記の車両のセンターコンソールでは、コンソールガーニッシュの第1係合部とセンターコンソール本体の第1被係合部との係合方向(第1被係合部に対する第1係合部の差込み方向)が、それぞれの第1被係合部が設けられている場所によって異なっていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−56279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構造によれば、コンソールガーニッシュの第1係合部とセンターコンソール本体の第1被係合部との係合方向(第1被係合部に対する第1係合部の差込み方向)が、それぞれの第1被係合部が設けられている場所によって異なっていたために、各係合方向に合うように、コンソールガーニッシュの位置を細かく調整しながら取り付けなければならず、調整作業に手間がかかっていた。
また、この構造のコンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に取り付ける際には、上下前後方向の位置合わせが難しいため、コンソールガーニッシュの組み付け作業に多くの時間がかかり、さらに、コンソールガーニッシュの位置規制のための対策に時間と手間がかかって生産性を上げることが困難であった。
そして、コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体から取り外す際には、コンソールガーニッシュを前記係合方向に平行に引き抜く必要性があり、そのために、作業者は引き抜き方向を意識しなければならず作業者にとって負担が大きかった。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に簡単に取り付け取り外しすることができて生産性を上げることができる車両のセンターコンソールを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
インストルメントパネルの左右中央部にセンターコンソール本体が連設され、
前記センターコンソール本体は、インストルメントパネル本体の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の後端部同士を連結する後壁とを備え、
前記センターコンソール本体の左右一対の側壁の頂面と前記後壁の頂面にU字状のコンソールガーニッシュが重なるとともに、前記コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が前記センターコンソール本体の複数の第1被係合部に各別に係合し、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部が、左右一対の隣接部材の端部に各別に突き合わされている車両用のセンターコンソールであって、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部に第2係合部がそれぞれ形成され、
前記左右一対の隣接部材の端部に第2被係合部がそれぞれ形成され、
前記第2係合部が前記第2被係合部側の横軸芯周りに回転自在に前記第2被係合部に係合し、
前記第1係合部と第1被係合部の係合方向が、各第1係合部及び第1被係合部ごとに、前記第1係合部の前記横軸芯周りの回転軌跡の接線方向に沿っている点にある。(請求項1)
【0006】
コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に組み付ける場合、コンソールガーニッシュの左右一対の第2係合部を左右一対の隣接部材の第2被係合部に隣接部材の端部の裏側から係合させる。これにより、コンソールガーニッシュの回転中心(横軸芯)が定まり、作業者が容易にコンソールガーニッシュの位置を決定することができる。次に、前記左右一対の第2被係合部側の横軸芯周りにコンソールガーニッシュを下方に揺動回転させる。この操作により、コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が円弧を描きながらセンターコンソール本体の複数の第1被係合部に近づいて係合する。
コンソールガーニッシュの第1係合部とセンターコンソール本体の第1被係合部の係合方向は、各第1係合部及び第1被係合部ごとに、前記第1係合部の前記横軸芯周りの回転軌跡の接線方向に沿っているから、コンソールガーニッシュの単純な回転動作のみで、コンソールガーニッシュの複数の第1係合部をセンターコンソール本体の複数の第1被係合部に正確かつ簡単に各別に係合させることができる。
上記のように、コンソールガーニッシュを前記第2被係合部側の横軸芯周りに回転させて第1係合部を第1被係合部に係合させるから、コンソールガーニッシュと隣接部材の見切り線を、コンソールガーニッシュの長手方向と直交する線に対して大きく傾斜させなくても済み、見切り線をできるだけ短くすることができて外観を向上させることができる。
コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体から取り外す際には、コンソールガーニッシュを組み付け時と逆に回転させれば取り外すことができる。従って、第1係合部と第1被係合部の係合方向を意識することなく簡単にコンソールガーニッシュを取り外すことができる。
【0007】
本発明において、
前記コンソールガーニッシュは、
前記センターコンソール本体の左側の側壁に重なる左側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の右側の側壁に重なる右側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の後壁に重なる後ろ側コンソールガーニッシュ部と、
前記左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部の長手方向中間部同士を連結する連結部とを備えていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部の長手方向中間部同士を連結部で連結しているから、コンソールガーニッシュの剛性・強度を向上させることができる。
通常、センターコンソールにはフロアから上方に突出しているシフトレバーが挿通される。従って、コンソールガーニッシュのセンターコンソール本体への組み付け時に連結部とシフトレバーとの干渉を回避する必要があるが、本発明の上記構成によれば、左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部と後ろ側コンソールガーニッシュ部と連結部で囲まれる空間内にシフトレバーが入り込むように、コンソールガーニッシュを前記横軸芯周りに回転させることで、組み付け時にシフトレバーが連結部に干渉することを防止することができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記第2被係合部は、前記隣接部材の端部の裏面から突出する凸部状に形成され、
前記第2係合部は、前記コンソールガーニッシュの開放側の端部の裏面から突出して前記第2被係合部に嵌合するフック状に形成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
第2被係合部と第2係合部の構造及び係合構造を簡素化することができる。また、コンソールガーニッシュの左右一対の第2係合部を左右一対の隣接部材の第2被係合部に係合させる際に簡単かつ確実に係合させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、
コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に簡単に取り付け取り外しすることができて生産性を上げることができる車両のセンターコンソールを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】インストルメントパネルとセンターコンソールを示す斜視図
【図2】センターコンソールの要部の斜視図
【図3】図2のB−B断面図(図2にシフトレバーを追加した図の断面図)
【図4】図2のA−A断面図
【図5】コンソールガーニッシュとセンターカバーの側面図
【図6】図5に対応する比較例の側面図
【図7】コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に取り付ける方法を示す斜視図
【図8】コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に組み付ける際のコンソールガーニッシュの作動を示す側面図
【図9】コンソールガーニッシュを取り外した状態のセンターコンソールを後ろ下方から見た斜視図
【図10】コンソールガーニッシュを取り外した状態のセンターコンソールを斜め上方から見た斜視図
【図11】コンソールガーニッシュの斜視図
【図12】コンソールガーニッシュの裏面側を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1にインストルメントパネル本体2と、インストルメントパネル本体2の左右中央部に連設されたセンターコンソール3とを示してある。インストルメントパネル本体2には、左側の下部にグローブボックスの取り付け部4が設けられ、左右中央部に操作パネルの取り付け部5が設けられ、右側に速度計などのメーター類の取り付け部6が設けられている。これらの取り付け部4,5,6にグローブボックスなどが取り付けられてインストルメントパネル1が構成される。
【0014】
[センターコンソール3の構造]
センターコンソール3は、センターコンソール本体7と縁取り材としてのコンソールガーニッシュ22とを備えている。前記センターコンソール本体7は、インストルメントパネル本体2の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁8と、左右一対の側壁8の後端部同士を連結する後壁9と、センターコンソール本体7の左右一対の側壁8の長手方向中間部同士を連結する第1連結部10(図10参照)とを備えている。図10に示すように、側壁8の頂部18は側壁8の内面側にフランジ状に折曲され、折曲端部がさらに下方に折曲されている。また、後壁9の頂部19は後壁9の内面側にフランジ状に折曲され、折曲端部がさらに下方に折曲されている。そして、側壁8の頂部18と後壁9の頂部19が連なってこれらの頂面18T,19Tがフランジ面状に形成されている。
【0015】
図8に示すように、前記側壁8の頂面18Tの車両後方側の後半部18T1は車両前方側の前半部18T2に対して上方に滑らか(緩やかに)に折曲して折曲部が湾曲面に形成され、前記頂面18Tが左側面視で車両前方側に少し傾斜した「く」の字状に形成されている。左右一対の側壁8の間には操作パネルやオーディオ機器が配置され、第1連結部10と後壁9の間にはフロア側から上方に突出するシフトレバー11が挿通されている(図3参照)。シフトレバー11は握り部11Aとレバー本体部11Bとから成る。
【0016】
そして、図10に示すように、前記側壁8のフランジ状の頂部18に、側壁8の長手方向に間隔を空けて並ぶ複数の角形の台座12が上方に膨出形成されている。各台座12には長方形状の第1係合孔21(第1被係合部に相当)が形成され、隣り合う台座12の間に位置する複数の頂部部分うちの所定の頂部部分に長方形状の第1係合孔21が形成されている。第1係合孔21は側壁8の長手方向に長く形成されている。孔41は、MT車においてシフトブーツを固定するための孔である。この孔40にはシフトブーツに設けられた爪が係合しシフトブーツが固定される。
【0017】
また、図2,図8,図10に示すように、側壁8の頂面18Tの後半部18T1と、側壁8の頂面18Tの前半部18T2の一部分(前記後半部18T1に連続する部分)と、後壁9の頂面19T1とにU字状のコンソールガーニッシュ22が重なっている。
【0018】
[コンソールガーニッシュ22の構造]
図2,図5,図7,図11,図12に示すように、コンソールガーニッシュ22は、センターコンソール本体7の左側の側壁8に重なる左側ガーニッシュ部23と、センターコンソール本体7の右側の側壁8に重なる右側ガーニッシュ部24と、左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24の後端部同士を連結する後ろ側ガーニッシュ部25と、左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24の長手方向中間部同士を連結する第2連結部26(連結部に相当)とから成る。左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24は前記側壁8の頂面18Tに対応して滑らかに折曲している。
【0019】
前記左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24と後ろ側ガーニッシュ部25と第2連結部26はそれぞれ下側開放の断面U字状に形成され、これらの裏面に補強リブBが突設されている。また、左側ガーニッシュ部23の裏面(下面)に複数の第1係合爪20(第1係合部に相当)が左側ガーニッシュ部23の長手方向に間隔を空けて形成され、複数の第1係合爪20に一つおきにクリップ27が嵌合(外嵌)している。そして、右側ガーニッシュ部24の裏面(下面)に複数の第1係合爪20が右側ガーニッシュ部24の長手方向に間隔を空けて形成され、複数の第1係合爪20に一つおきにクリップ27が嵌合している。複数の第1係合爪20及びクリップ27は前記複数の第1係合孔21に各別に係合する。
【0020】
前記側壁8の頂面18Tの前半部18T2のうち、前記前半部18T2の一部分を除く部分にはセンターカバー30(隣接部材に相当)が重なっており、コンソールガーニッシュ22の左右一対の開放側の端部22Aが、左右一対のセンターカバー30の端部30Aに各別に突き合わされている。
【0021】
[センターカバー30の構造]
センターカバー30はコンソールガーニッシュ22に対応して下側開放の断面U字状に形成され、左右一対のセンターカバー30の間には、空調スイッチなどを備えた操作パネルやオーディオ機器が取り付けられている。
【0022】
そして、図5に示すように、センターカバー30の裏面に複数の第1係合爪20が突設され、複数の第1係合爪20に一つおきにクリップ27が嵌合されている。前記複数の第1係合爪20及びクリップ27は前記複数の第1係合孔21に各別に係合している。クリップ27による係合はクリップ方向への引き込み力を有するものの、位置規制性能が不完全となっている。(クリップ27を介して孔側部品と接するため第1係合孔21の短辺方向に対する位置規制能力が不足している。)対して、第一係合爪20による係合は、爪と係合孔が引っ掛かっているだけとなるため引き込み力はクリップより劣るが係合孔短辺方向に関する位置規制能力に優れている。上記性質より、コンソールガーニッシュ22の固定のためにクリップ27を使用し、センターコンソール本体7に対するコンソールガーニッシュ22の位置を規制するために第一係合爪20を使用してある。
【0023】
[コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の係合構造]
図7,図8,図11,図12に示すように、コンソールガーニッシュ22の左右一対の開放側の端部22Aに第2係合部31がそれぞれ形成され、左右一対のセンターカバー30の端部30Aに第2被係合部32がそれぞれ形成されて、前記第2係合部31が前記第2被係合部32側の横軸芯O(図4参照)周りに回転自在に第2被係合部32に係合している。
【0024】
第2被係合部32は、センターカバー30の端部30Aの裏面から突出する凸部状に形成されている。図9に示すように、センターカバー30の端部30Aには端部壁3OTが形成され、この端部壁30Tに角孔30Hが貫通形成されている。そして、図4に示すように、角孔30Hの上側の周部から前記第2被係合部32が下側の周部に向かって突出している。
【0025】
図4に示すように、第2被係合部32のコンソールガーニッシュ22とは反対側の面32M(インストルメントパネル1側の面)は断面円弧状の突曲面に形成されている。また、第2被係合部32のコンソールガーニッシュ22側の面32Nは扁平面に形成されて、センターカバー30の端部30Aの端面30A1と共にコンソールガーニッシュ22の端部22Aに対する第1突き合わせ端面T1を形成している。
【0026】
第2係合部31は、コンソールガーニッシュ22の開放側の端部22Aの裏面から突出して第2被係合部32に嵌合するフック状に形成されている。この第2係合部31は、コンソールガーニッシュ22の開放側の端部22Aからこの端部の裏側に突出する突出片33と、突出片33の突出端部からセンターカバー30側に折り返された折り返し片34とから成る。突出片33のセンターカバー30側を向く端面33Mは、コンソールガーニッシュ22の開放側の端部22Aの端面22A1と共にセンターカバー30の第1突き合わせ端面T1に対する第2突き合わせ端面T2を形成している。
【0027】
図7,図8に示すように、前記第1係合爪20(及びクリップ27)と第1係合孔21の係合方向は第1係合爪20の前記横軸芯O周りの回転軌跡の接線方向A1,A2,A3に沿っている。すなわち、第1係合爪20(及びクリップ27)と第1係合孔21の係合方向が第1係合爪20の前記横軸芯O周りの回転軌跡の接線方向A1,A2,A3に沿うように、各台座12の座面12Mの姿勢と前記所定の頂部部分の頂面の姿勢が各台座12ごと及び頂部部分ごとに設定されている。従って、前記座面12Mと前記所定の頂部部分の頂面は各台座12ごと及び前記所定の頂部部分ごとに姿勢が異なった斜面に形成されている。
【0028】
[コンソールガーニッシュ22のセンターコンソール本体7への取り付け]
(1) 図7,図8に示すように、コンソールガーニッシュ22を後ろ上がりに傾斜させ、コンソールガーニッシュ22の左右一対の第2係合部31を、左右一対のセンターカバー30の端部30Aの端部壁3OTに形成された角孔30H(図9参照)に挿入し、左右一対のセンターカバー30の第2被係合部32(図4参照)に左右一対のセンターカバー30の端部30Aの裏側から嵌合(外嵌)させて係合させる。
【0029】
これにより、コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の車幅方向の相対的な位置を規制することができ、コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の見切り(合わせ部)の左右方向の寸法精度を高めて外観を向上することができる。コンソールガーニッシュ22はセンターコンソール本体7に対して上方に開いた状態になる。
【0030】
(2) センターカバー30の左右一対の第2被係合部32の横軸芯O周りにコンソールガーニッシュ22を下方に揺動回転させる。コンソールガーニッシュ22の下面から下方に突出した複数の第1係合爪20が円弧を描きながら(図8参照)、センターコンソール本体7の複数の第1係合孔21に近づき、第1係合孔21が形成されている座面12Mに対して直角に移動して第1係合孔21に挿入し係合する。
【0031】
本発明によれば、
(1) コンソールガーニッシュ22の単純な回転動作のみで、コンソールガーニッシュ22の複数の第1係合爪20(及びクリップ27)をセンターコンソール本体7の複数の第1係合孔21に各別に係合させることができる。
(2) 組み付け作業時にはコンソールガーニッシュ22のフック状の第2係合部31とセンターカバー30の凸状の第2被係合部32を嵌合させることで、回転中心(横軸芯O)が定まるため、作業者が容易に各部品の位置を決定することができる。
(3) コンソールガーニッシュ22をセンターコンソール本体7から取り外す際には、コンソールガーニッシュ22を組み付け時と逆に回転させれば取り外すことができるので、コンソールガーニッシュ22を、第1係合爪20と第1係合孔21の係合方向を意識することなく簡単に取り外すことができる。
また、全ての第1係合爪20が第1係合孔21から外れるまで、第2被係合部32を第2係合部31に係合させておき、全ての第1係合爪20が第1係合孔21から外れてから第2被係合部32と第2係合部31との係合を解除させることで、コンソールガーニッシュ22をセンターコンソール本体7から取り外す時に、外れた勢いでコンソールガーニッシュ22が飛びあがることを防ぐことができ、この飛び上がりに起因するコンソールガーニッシュ22の破損を防ぐことができる。
(4) 前記横軸芯Oをセンターカバー30の第1突き合わせ端面T1の近辺に設定したことで、コンソールガーニッシュ22の第1係合爪20に取り付けられたクリップ27の係合方向と関係なく合わせ面を設定することができる。(第1係合爪20及びクリップ27を設けた個所と別の個所に第2被係合部32を設けるため、クリップ27のレイアウトに影響を及ぼす心配がない)
(5) コンソールガーニッシュ22を前記横軸芯O周りに回転移動させて第1係合爪20を第1係合孔21に係合させるので、コンソールガーニッシュ22の第1係合爪20の係合方向に規制されることなく、コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の合わせ面(突き合わせ端面)を決定することができ、比較例の図6に示す構造に比べて見切り線Lをできるだけ短くすることができ(図5参照)、外観を向上させることができる。
(6) センターカバー30とコンソールガーニッシュ22の隣接面が不用意にぶつかって、互いの意匠面に傷が付くのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0032】
1 インストルメントパネル
2 インストルメントパネル本体
7 センターコンソール本体
8 側壁
9 後壁
18T 側壁の頂面
19T 後壁の頂面
20 第1係合部(第1係合爪)
21 第1被係合部(第1係合孔)
22 コンソールガーニッシュ
22A コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部
23 左側ガーニッシュ部
24 右側ガーニッシュ部
25 後ろ側ガーニッシュ部
26 連結部(第2連結部)
30 センターカバー(隣接部材)
30A 隣接部材の端部
31 第2係合部
32 第2被係合部
O 横軸芯
【技術分野】
【0001】
本発明は、
インストルメントパネルの左右中央部にセンターコンソール本体が連設され、
前記センターコンソール本体は、インストルメントパネル本体の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の後端部同士を連結する後壁とを備え、
前記センターコンソール本体の左右一対の側壁の頂面と前記後壁の頂面にU字状のコンソールガーニッシュが重なるとともに、前記コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が前記センターコンソール本体の複数の第1被係合部に各別に係合し、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部が、左右一対の隣接部材の端部に各別に突き合わされている車両用のセンターコンソールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上記の車両のセンターコンソールでは、コンソールガーニッシュの第1係合部とセンターコンソール本体の第1被係合部との係合方向(第1被係合部に対する第1係合部の差込み方向)が、それぞれの第1被係合部が設けられている場所によって異なっていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−56279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構造によれば、コンソールガーニッシュの第1係合部とセンターコンソール本体の第1被係合部との係合方向(第1被係合部に対する第1係合部の差込み方向)が、それぞれの第1被係合部が設けられている場所によって異なっていたために、各係合方向に合うように、コンソールガーニッシュの位置を細かく調整しながら取り付けなければならず、調整作業に手間がかかっていた。
また、この構造のコンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に取り付ける際には、上下前後方向の位置合わせが難しいため、コンソールガーニッシュの組み付け作業に多くの時間がかかり、さらに、コンソールガーニッシュの位置規制のための対策に時間と手間がかかって生産性を上げることが困難であった。
そして、コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体から取り外す際には、コンソールガーニッシュを前記係合方向に平行に引き抜く必要性があり、そのために、作業者は引き抜き方向を意識しなければならず作業者にとって負担が大きかった。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に簡単に取り付け取り外しすることができて生産性を上げることができる車両のセンターコンソールを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
インストルメントパネルの左右中央部にセンターコンソール本体が連設され、
前記センターコンソール本体は、インストルメントパネル本体の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の後端部同士を連結する後壁とを備え、
前記センターコンソール本体の左右一対の側壁の頂面と前記後壁の頂面にU字状のコンソールガーニッシュが重なるとともに、前記コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が前記センターコンソール本体の複数の第1被係合部に各別に係合し、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部が、左右一対の隣接部材の端部に各別に突き合わされている車両用のセンターコンソールであって、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部に第2係合部がそれぞれ形成され、
前記左右一対の隣接部材の端部に第2被係合部がそれぞれ形成され、
前記第2係合部が前記第2被係合部側の横軸芯周りに回転自在に前記第2被係合部に係合し、
前記第1係合部と第1被係合部の係合方向が、各第1係合部及び第1被係合部ごとに、前記第1係合部の前記横軸芯周りの回転軌跡の接線方向に沿っている点にある。(請求項1)
【0006】
コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に組み付ける場合、コンソールガーニッシュの左右一対の第2係合部を左右一対の隣接部材の第2被係合部に隣接部材の端部の裏側から係合させる。これにより、コンソールガーニッシュの回転中心(横軸芯)が定まり、作業者が容易にコンソールガーニッシュの位置を決定することができる。次に、前記左右一対の第2被係合部側の横軸芯周りにコンソールガーニッシュを下方に揺動回転させる。この操作により、コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が円弧を描きながらセンターコンソール本体の複数の第1被係合部に近づいて係合する。
コンソールガーニッシュの第1係合部とセンターコンソール本体の第1被係合部の係合方向は、各第1係合部及び第1被係合部ごとに、前記第1係合部の前記横軸芯周りの回転軌跡の接線方向に沿っているから、コンソールガーニッシュの単純な回転動作のみで、コンソールガーニッシュの複数の第1係合部をセンターコンソール本体の複数の第1被係合部に正確かつ簡単に各別に係合させることができる。
上記のように、コンソールガーニッシュを前記第2被係合部側の横軸芯周りに回転させて第1係合部を第1被係合部に係合させるから、コンソールガーニッシュと隣接部材の見切り線を、コンソールガーニッシュの長手方向と直交する線に対して大きく傾斜させなくても済み、見切り線をできるだけ短くすることができて外観を向上させることができる。
コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体から取り外す際には、コンソールガーニッシュを組み付け時と逆に回転させれば取り外すことができる。従って、第1係合部と第1被係合部の係合方向を意識することなく簡単にコンソールガーニッシュを取り外すことができる。
【0007】
本発明において、
前記コンソールガーニッシュは、
前記センターコンソール本体の左側の側壁に重なる左側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の右側の側壁に重なる右側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の後壁に重なる後ろ側コンソールガーニッシュ部と、
前記左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部の長手方向中間部同士を連結する連結部とを備えていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部の長手方向中間部同士を連結部で連結しているから、コンソールガーニッシュの剛性・強度を向上させることができる。
通常、センターコンソールにはフロアから上方に突出しているシフトレバーが挿通される。従って、コンソールガーニッシュのセンターコンソール本体への組み付け時に連結部とシフトレバーとの干渉を回避する必要があるが、本発明の上記構成によれば、左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部と後ろ側コンソールガーニッシュ部と連結部で囲まれる空間内にシフトレバーが入り込むように、コンソールガーニッシュを前記横軸芯周りに回転させることで、組み付け時にシフトレバーが連結部に干渉することを防止することができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記第2被係合部は、前記隣接部材の端部の裏面から突出する凸部状に形成され、
前記第2係合部は、前記コンソールガーニッシュの開放側の端部の裏面から突出して前記第2被係合部に嵌合するフック状に形成されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
第2被係合部と第2係合部の構造及び係合構造を簡素化することができる。また、コンソールガーニッシュの左右一対の第2係合部を左右一対の隣接部材の第2被係合部に係合させる際に簡単かつ確実に係合させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、
コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に簡単に取り付け取り外しすることができて生産性を上げることができる車両のセンターコンソールを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】インストルメントパネルとセンターコンソールを示す斜視図
【図2】センターコンソールの要部の斜視図
【図3】図2のB−B断面図(図2にシフトレバーを追加した図の断面図)
【図4】図2のA−A断面図
【図5】コンソールガーニッシュとセンターカバーの側面図
【図6】図5に対応する比較例の側面図
【図7】コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に取り付ける方法を示す斜視図
【図8】コンソールガーニッシュをセンターコンソール本体に組み付ける際のコンソールガーニッシュの作動を示す側面図
【図9】コンソールガーニッシュを取り外した状態のセンターコンソールを後ろ下方から見た斜視図
【図10】コンソールガーニッシュを取り外した状態のセンターコンソールを斜め上方から見た斜視図
【図11】コンソールガーニッシュの斜視図
【図12】コンソールガーニッシュの裏面側を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1にインストルメントパネル本体2と、インストルメントパネル本体2の左右中央部に連設されたセンターコンソール3とを示してある。インストルメントパネル本体2には、左側の下部にグローブボックスの取り付け部4が設けられ、左右中央部に操作パネルの取り付け部5が設けられ、右側に速度計などのメーター類の取り付け部6が設けられている。これらの取り付け部4,5,6にグローブボックスなどが取り付けられてインストルメントパネル1が構成される。
【0014】
[センターコンソール3の構造]
センターコンソール3は、センターコンソール本体7と縁取り材としてのコンソールガーニッシュ22とを備えている。前記センターコンソール本体7は、インストルメントパネル本体2の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁8と、左右一対の側壁8の後端部同士を連結する後壁9と、センターコンソール本体7の左右一対の側壁8の長手方向中間部同士を連結する第1連結部10(図10参照)とを備えている。図10に示すように、側壁8の頂部18は側壁8の内面側にフランジ状に折曲され、折曲端部がさらに下方に折曲されている。また、後壁9の頂部19は後壁9の内面側にフランジ状に折曲され、折曲端部がさらに下方に折曲されている。そして、側壁8の頂部18と後壁9の頂部19が連なってこれらの頂面18T,19Tがフランジ面状に形成されている。
【0015】
図8に示すように、前記側壁8の頂面18Tの車両後方側の後半部18T1は車両前方側の前半部18T2に対して上方に滑らか(緩やかに)に折曲して折曲部が湾曲面に形成され、前記頂面18Tが左側面視で車両前方側に少し傾斜した「く」の字状に形成されている。左右一対の側壁8の間には操作パネルやオーディオ機器が配置され、第1連結部10と後壁9の間にはフロア側から上方に突出するシフトレバー11が挿通されている(図3参照)。シフトレバー11は握り部11Aとレバー本体部11Bとから成る。
【0016】
そして、図10に示すように、前記側壁8のフランジ状の頂部18に、側壁8の長手方向に間隔を空けて並ぶ複数の角形の台座12が上方に膨出形成されている。各台座12には長方形状の第1係合孔21(第1被係合部に相当)が形成され、隣り合う台座12の間に位置する複数の頂部部分うちの所定の頂部部分に長方形状の第1係合孔21が形成されている。第1係合孔21は側壁8の長手方向に長く形成されている。孔41は、MT車においてシフトブーツを固定するための孔である。この孔40にはシフトブーツに設けられた爪が係合しシフトブーツが固定される。
【0017】
また、図2,図8,図10に示すように、側壁8の頂面18Tの後半部18T1と、側壁8の頂面18Tの前半部18T2の一部分(前記後半部18T1に連続する部分)と、後壁9の頂面19T1とにU字状のコンソールガーニッシュ22が重なっている。
【0018】
[コンソールガーニッシュ22の構造]
図2,図5,図7,図11,図12に示すように、コンソールガーニッシュ22は、センターコンソール本体7の左側の側壁8に重なる左側ガーニッシュ部23と、センターコンソール本体7の右側の側壁8に重なる右側ガーニッシュ部24と、左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24の後端部同士を連結する後ろ側ガーニッシュ部25と、左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24の長手方向中間部同士を連結する第2連結部26(連結部に相当)とから成る。左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24は前記側壁8の頂面18Tに対応して滑らかに折曲している。
【0019】
前記左側ガーニッシュ部23と右側ガーニッシュ部24と後ろ側ガーニッシュ部25と第2連結部26はそれぞれ下側開放の断面U字状に形成され、これらの裏面に補強リブBが突設されている。また、左側ガーニッシュ部23の裏面(下面)に複数の第1係合爪20(第1係合部に相当)が左側ガーニッシュ部23の長手方向に間隔を空けて形成され、複数の第1係合爪20に一つおきにクリップ27が嵌合(外嵌)している。そして、右側ガーニッシュ部24の裏面(下面)に複数の第1係合爪20が右側ガーニッシュ部24の長手方向に間隔を空けて形成され、複数の第1係合爪20に一つおきにクリップ27が嵌合している。複数の第1係合爪20及びクリップ27は前記複数の第1係合孔21に各別に係合する。
【0020】
前記側壁8の頂面18Tの前半部18T2のうち、前記前半部18T2の一部分を除く部分にはセンターカバー30(隣接部材に相当)が重なっており、コンソールガーニッシュ22の左右一対の開放側の端部22Aが、左右一対のセンターカバー30の端部30Aに各別に突き合わされている。
【0021】
[センターカバー30の構造]
センターカバー30はコンソールガーニッシュ22に対応して下側開放の断面U字状に形成され、左右一対のセンターカバー30の間には、空調スイッチなどを備えた操作パネルやオーディオ機器が取り付けられている。
【0022】
そして、図5に示すように、センターカバー30の裏面に複数の第1係合爪20が突設され、複数の第1係合爪20に一つおきにクリップ27が嵌合されている。前記複数の第1係合爪20及びクリップ27は前記複数の第1係合孔21に各別に係合している。クリップ27による係合はクリップ方向への引き込み力を有するものの、位置規制性能が不完全となっている。(クリップ27を介して孔側部品と接するため第1係合孔21の短辺方向に対する位置規制能力が不足している。)対して、第一係合爪20による係合は、爪と係合孔が引っ掛かっているだけとなるため引き込み力はクリップより劣るが係合孔短辺方向に関する位置規制能力に優れている。上記性質より、コンソールガーニッシュ22の固定のためにクリップ27を使用し、センターコンソール本体7に対するコンソールガーニッシュ22の位置を規制するために第一係合爪20を使用してある。
【0023】
[コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の係合構造]
図7,図8,図11,図12に示すように、コンソールガーニッシュ22の左右一対の開放側の端部22Aに第2係合部31がそれぞれ形成され、左右一対のセンターカバー30の端部30Aに第2被係合部32がそれぞれ形成されて、前記第2係合部31が前記第2被係合部32側の横軸芯O(図4参照)周りに回転自在に第2被係合部32に係合している。
【0024】
第2被係合部32は、センターカバー30の端部30Aの裏面から突出する凸部状に形成されている。図9に示すように、センターカバー30の端部30Aには端部壁3OTが形成され、この端部壁30Tに角孔30Hが貫通形成されている。そして、図4に示すように、角孔30Hの上側の周部から前記第2被係合部32が下側の周部に向かって突出している。
【0025】
図4に示すように、第2被係合部32のコンソールガーニッシュ22とは反対側の面32M(インストルメントパネル1側の面)は断面円弧状の突曲面に形成されている。また、第2被係合部32のコンソールガーニッシュ22側の面32Nは扁平面に形成されて、センターカバー30の端部30Aの端面30A1と共にコンソールガーニッシュ22の端部22Aに対する第1突き合わせ端面T1を形成している。
【0026】
第2係合部31は、コンソールガーニッシュ22の開放側の端部22Aの裏面から突出して第2被係合部32に嵌合するフック状に形成されている。この第2係合部31は、コンソールガーニッシュ22の開放側の端部22Aからこの端部の裏側に突出する突出片33と、突出片33の突出端部からセンターカバー30側に折り返された折り返し片34とから成る。突出片33のセンターカバー30側を向く端面33Mは、コンソールガーニッシュ22の開放側の端部22Aの端面22A1と共にセンターカバー30の第1突き合わせ端面T1に対する第2突き合わせ端面T2を形成している。
【0027】
図7,図8に示すように、前記第1係合爪20(及びクリップ27)と第1係合孔21の係合方向は第1係合爪20の前記横軸芯O周りの回転軌跡の接線方向A1,A2,A3に沿っている。すなわち、第1係合爪20(及びクリップ27)と第1係合孔21の係合方向が第1係合爪20の前記横軸芯O周りの回転軌跡の接線方向A1,A2,A3に沿うように、各台座12の座面12Mの姿勢と前記所定の頂部部分の頂面の姿勢が各台座12ごと及び頂部部分ごとに設定されている。従って、前記座面12Mと前記所定の頂部部分の頂面は各台座12ごと及び前記所定の頂部部分ごとに姿勢が異なった斜面に形成されている。
【0028】
[コンソールガーニッシュ22のセンターコンソール本体7への取り付け]
(1) 図7,図8に示すように、コンソールガーニッシュ22を後ろ上がりに傾斜させ、コンソールガーニッシュ22の左右一対の第2係合部31を、左右一対のセンターカバー30の端部30Aの端部壁3OTに形成された角孔30H(図9参照)に挿入し、左右一対のセンターカバー30の第2被係合部32(図4参照)に左右一対のセンターカバー30の端部30Aの裏側から嵌合(外嵌)させて係合させる。
【0029】
これにより、コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の車幅方向の相対的な位置を規制することができ、コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の見切り(合わせ部)の左右方向の寸法精度を高めて外観を向上することができる。コンソールガーニッシュ22はセンターコンソール本体7に対して上方に開いた状態になる。
【0030】
(2) センターカバー30の左右一対の第2被係合部32の横軸芯O周りにコンソールガーニッシュ22を下方に揺動回転させる。コンソールガーニッシュ22の下面から下方に突出した複数の第1係合爪20が円弧を描きながら(図8参照)、センターコンソール本体7の複数の第1係合孔21に近づき、第1係合孔21が形成されている座面12Mに対して直角に移動して第1係合孔21に挿入し係合する。
【0031】
本発明によれば、
(1) コンソールガーニッシュ22の単純な回転動作のみで、コンソールガーニッシュ22の複数の第1係合爪20(及びクリップ27)をセンターコンソール本体7の複数の第1係合孔21に各別に係合させることができる。
(2) 組み付け作業時にはコンソールガーニッシュ22のフック状の第2係合部31とセンターカバー30の凸状の第2被係合部32を嵌合させることで、回転中心(横軸芯O)が定まるため、作業者が容易に各部品の位置を決定することができる。
(3) コンソールガーニッシュ22をセンターコンソール本体7から取り外す際には、コンソールガーニッシュ22を組み付け時と逆に回転させれば取り外すことができるので、コンソールガーニッシュ22を、第1係合爪20と第1係合孔21の係合方向を意識することなく簡単に取り外すことができる。
また、全ての第1係合爪20が第1係合孔21から外れるまで、第2被係合部32を第2係合部31に係合させておき、全ての第1係合爪20が第1係合孔21から外れてから第2被係合部32と第2係合部31との係合を解除させることで、コンソールガーニッシュ22をセンターコンソール本体7から取り外す時に、外れた勢いでコンソールガーニッシュ22が飛びあがることを防ぐことができ、この飛び上がりに起因するコンソールガーニッシュ22の破損を防ぐことができる。
(4) 前記横軸芯Oをセンターカバー30の第1突き合わせ端面T1の近辺に設定したことで、コンソールガーニッシュ22の第1係合爪20に取り付けられたクリップ27の係合方向と関係なく合わせ面を設定することができる。(第1係合爪20及びクリップ27を設けた個所と別の個所に第2被係合部32を設けるため、クリップ27のレイアウトに影響を及ぼす心配がない)
(5) コンソールガーニッシュ22を前記横軸芯O周りに回転移動させて第1係合爪20を第1係合孔21に係合させるので、コンソールガーニッシュ22の第1係合爪20の係合方向に規制されることなく、コンソールガーニッシュ22とセンターカバー30の合わせ面(突き合わせ端面)を決定することができ、比較例の図6に示す構造に比べて見切り線Lをできるだけ短くすることができ(図5参照)、外観を向上させることができる。
(6) センターカバー30とコンソールガーニッシュ22の隣接面が不用意にぶつかって、互いの意匠面に傷が付くのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0032】
1 インストルメントパネル
2 インストルメントパネル本体
7 センターコンソール本体
8 側壁
9 後壁
18T 側壁の頂面
19T 後壁の頂面
20 第1係合部(第1係合爪)
21 第1被係合部(第1係合孔)
22 コンソールガーニッシュ
22A コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部
23 左側ガーニッシュ部
24 右側ガーニッシュ部
25 後ろ側ガーニッシュ部
26 連結部(第2連結部)
30 センターカバー(隣接部材)
30A 隣接部材の端部
31 第2係合部
32 第2被係合部
O 横軸芯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インストルメントパネルの左右中央部にセンターコンソール本体が連設され、
前記センターコンソール本体は、インストルメントパネル本体の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の後端部同士を連結する後壁とを備え、
前記センターコンソール本体の左右一対の側壁の頂面と前記後壁の頂面にU字状のコンソールガーニッシュが重なるとともに、前記コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が前記センターコンソール本体の複数の第1被係合部に各別に係合し、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部が、左右一対の隣接部材の端部に各別に突き合わされている車両用のセンターコンソールであって、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部に第2係合部がそれぞれ形成され、
前記左右一対の隣接部材の端部に第2被係合部がそれぞれ形成され、
前記第2係合部が前記第2被係合部側の横軸芯周りに回転自在に前記第2被係合部に係合し、
前記第1係合部と第1被係合部の係合方向が、各第1係合部及び第1被係合部ごとに、前記第1係合部の前記横軸芯周りの回転軌跡の接線方向に沿っている車両のセンターコンソール。
【請求項2】
前記コンソールガーニッシュは、
前記センターコンソール本体の左側の側壁に重なる左側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の右側の側壁に重なる右側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の後壁に重なる後ろ側コンソールガーニッシュ部と、
前記左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部の長手方向中間部同士を連結する連結部とを備えている請求項1記載の車両のセンターコンソール。
【請求項3】
前記第2被係合部は、前記隣接部材の端部の裏面から突出する凸部状に形成され、
前記第2係合部は、前記コンソールガーニッシュの開放側の端部の裏面から突出して前記第2被係合部に嵌合するフック状に形成されている請求項1又は2記載の車両用のセンターコンソール。
【請求項1】
インストルメントパネルの左右中央部にセンターコンソール本体が連設され、
前記センターコンソール本体は、インストルメントパネル本体の左右中央部から後ろ下方に延びる左右一対の側壁と、前記左右一対の側壁の後端部同士を連結する後壁とを備え、
前記センターコンソール本体の左右一対の側壁の頂面と前記後壁の頂面にU字状のコンソールガーニッシュが重なるとともに、前記コンソールガーニッシュの複数の第1係合部が前記センターコンソール本体の複数の第1被係合部に各別に係合し、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部が、左右一対の隣接部材の端部に各別に突き合わされている車両用のセンターコンソールであって、
前記コンソールガーニッシュの左右一対の開放側の端部に第2係合部がそれぞれ形成され、
前記左右一対の隣接部材の端部に第2被係合部がそれぞれ形成され、
前記第2係合部が前記第2被係合部側の横軸芯周りに回転自在に前記第2被係合部に係合し、
前記第1係合部と第1被係合部の係合方向が、各第1係合部及び第1被係合部ごとに、前記第1係合部の前記横軸芯周りの回転軌跡の接線方向に沿っている車両のセンターコンソール。
【請求項2】
前記コンソールガーニッシュは、
前記センターコンソール本体の左側の側壁に重なる左側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の右側の側壁に重なる右側コンソールガーニッシュ部と、
前記センターコンソール本体の後壁に重なる後ろ側コンソールガーニッシュ部と、
前記左側コンソールガーニッシュ部と右側コンソールガーニッシュ部の長手方向中間部同士を連結する連結部とを備えている請求項1記載の車両のセンターコンソール。
【請求項3】
前記第2被係合部は、前記隣接部材の端部の裏面から突出する凸部状に形成され、
前記第2係合部は、前記コンソールガーニッシュの開放側の端部の裏面から突出して前記第2被係合部に嵌合するフック状に形成されている請求項1又は2記載の車両用のセンターコンソール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−195042(P2011−195042A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−64636(P2010−64636)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】
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