説明

車両マーキング装置

レーザーを用いて信頼性のある態様で車両のウインドウにマークを付与することを可能とするために、本発明は、レーザービームを生成するレーザーエミッタ(4)と、レーザービーム搬送手段(5)と、マークを画成する経路内にレーザービームを偏向させる手段を含むマーキングヘッド(6)と、互いに対して関節結合された少なくとも2つのアーム部(7,8)を含むアームとを含む車両マーキング装置であって、マーキングヘッドがアーム部の1つに設けられ、マーキングヘッド(6)がマークされるべき車両部分に接触する位置まで移動されることができるようにした車両マーキング装置を提供する。アーム部(7,8)を駆動する手段が設けられる。マークが車両の選択された部分上に作成されることができるように駆動手段、レーザーエミッタ(4)及びマーキングヘッド(6)を制御するコントローラ(17)が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両マーキング方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両マーキングは、特に、車両の泥棒をあきらめさせる方法として重要である。少なくとも1つの消せないマークが車両の一部に付与されている場合、泥棒は、盗んだ車両を売ろうとするときに盗んだ車両の識別性(アイデンティティ)をごまかすことが困難となる。消せないマークは、構造内の秘密のスペース若しくは隠れたスペースに付与されることができる。しかし、かかるマークは、購入者により容易に見ることができないという欠点を有する。高い可視性の消せないマークが泥棒を抑止するために必要である。
【0003】
従って、マークが容易に見ることができる位置に車両の外面にマークを付与する慣行が生じている。これらのマークは、構造の任意の適切な位置に作成されることができるが、車両のウインドウにマークを作成することが好ましい。マークをウインドウガラスから除去することは通常困難である。車両のウインドウは、車両の識別性をごまかすために泥棒によりカーバーで覆われたりペイントで上塗りされたりすることができない。エッチングされたマークを、ウインドウガラスから、全体の表面を再研磨することなく若しくはガラスが不正処理されたことの明らかな指示を残すことなく、除去することは不可能である。
【0004】
エッチング処理により車両のウインドウガラスにマークを付与することは本分野で広く知られている。典型的には、車両の特定を可能とする固有コードを画成するステンシルが用いられ、エッチング材料は、ステンシルを介してウインドウガラスに付与される。典型的には、エッチング材料は、フッ化水素若しくはそれに関連する材料を含む。しかし、これらは、扱いが危険な材料であり、処理を自動化するのが非常に困難である。
【0005】
ガラスにレーザーを用いてマークを作成するシステムは、例えば特許文献1で提案されている。この場合、ガラスの表面上にマークを作成することになるレーザービームを生成する炭酸ガスレーザーが使用される。システムは、更に、レーザービームを制御する信号を供給するコントローラ及び軸が直交する対のミラーを含むレーザービームステアリングシステムを含む。使用時、レーザービームは、先ず一のミラー上に当たり、次いで第2のミラー上に当たり、ミラーの角度位置は、システムコントローラからの信号に応じて変化され、レーザービームの位置を移動させ、これにより、ガラス上に適切なパターンを切り込む。一実施例では、レーザーは、車両ステーション上に配置されるガントリから柔軟な搭載により懸架される。その他の実施例では、レーザー自体がガントリ上に搭載され、柔軟なアームが付与され、その下方に、レーザービームは、レーザービームを必要なパターンで偏向するミラーを含むマーキングヘッドにより方向付けられることができる。ガントリ上に搭載されたレーザーエミッタは、操作者により必要に応じて車両の前から後に変位されることができる。
【0006】
特許文献2は、レーザービームを用いて車両をマーキングする装置を開示し、この装置は、ガントリを有し、ガントリにより、レーザーエミッタは、多くの異なる位置に異動することが可能となり、車両の多くの部分がマークされることができ、従って、比較的短いレーザービームのコンジットを採用することを可能とする。レーザーエミッタは、RF励起炭酸ガススラブレーザーであることができる。
【特許文献1】米国特許第5298717号
【特許文献2】国際特許公開第03/072297号(WO03/072297)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
全てのシステムは、プロセスを制御する人間の操作者を必要とする。これは、システムの操作の誤りを生みうる。
【0008】
車両の構成要素を組み立てる前にそれらに多様な技術によりマーキングを付与することが知られているが、プロセス制御の観点から、完成してからセキュリティ部品を車両に適用することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は、固有のマークを生成するレーザーヘッドが、連続的に車両の異なる部品に接触する位置にレーザーヘッドを至らしめるコントローラにより制御されるロボットアームとも称される関節アーム上に搭載される場合、レーザー装置を自動システム内で完全な車両にマークを付与するために用いることができることを実現化した。関節アームは、車両の多くの異なる部分が単一のデバイスからアクセスされることを可能とすることができる。高いレベルの自動化及び中央制御が得られる。
【0010】
従って、本発明は、車両を特定するための識別マークを車両上に作成する装置であって、
レーザービームを生成するレーザーエミッタ、及び、前記レーザービームをレーザーヘッドに搬送するレーザービーム搬送手段と、
互いに関節結合された少なくとも2つのアーム部を含むアームと、
マークされる車両の部分に接触するようにレーザーヘッドが移動できるように前記アームの1つに搭載される前記レーザーヘッドと、
前記アーム部を互いに対して駆動する駆動手段と、
前記レーザーヘッドが車両の選択された部分にマークを作成できるように前記駆動手段及び前記レーザーエミッタを制御するコントローラとを含む、装置を提供する。
【0011】
本発明の装置は、車両が他の車両から識別できるように、比較的小さいが複雑なマーク(以下で後述)を含んでよい識別マークが、例えば車両のウインドウのような、車両の部分に作成されることを可能とする。コントローラは、マーキングヘッド(以下で後述)がマークを作成するのに用いることができるように若しくはコントローラがマークを作成するためにレーザーヘッドの移動自体を制御するのに用いることができるように、レーザーヘッドの位置付けを制御するように構成されてよい。
【0012】
本発明の好ましい特徴は以下で詳説される。
【0013】
[関節アーム及び駆動手段]
本発明は、とりわけ、互いに関節結合された少なくとも2つのアーム部及び互いに対してアーム部を駆動する手段を含む搬送アーム上に搭載されるレーザーヘッドを含まなければならない。
【0014】
これらの構成要素は、例えばレーザービームを用いた材料の溶接や切断用に用いられるような、多くの従来的な種類のロボットアームにより提供されてもよい。例えば、欧州特許出願公開1254747(EP0−A−1254747)に記載されるようなロボットアームが採用されてもよい。
【0015】
当業者であれば、レーザーヘッドを、マークされるべき車両の任意の選択された部位に接触する位置に至らせるように、ロボットアームを設計及び制御する技術を知るだろう。
【0016】
関節アームは、互いに関節結合された任意の数の関節部を含んでよい。
【0017】
ロボットアームの公知の設計は、本発明で好ましく用いられる英数字マークの種類を作成するためにレーザーヘッドの位置の十分精密な制御を提供することができる。例えば、比較的薄いゲージ材料に細かいパターンを切り込むためのロボットアームの設計が知られている。本発明は、車両上の識別マークを作成するために、新規な態様での、かかるアームの設計の使用を想到する。
【0018】
しかし、本発明の装置は、アームにより達成できないほど細かすぎるマークを作成するために必要とされてもよい。この場合、アーム上に搭載される別のマーキングヘッドが使用されてもよい。
【0019】
従って、レーザーヘッドは、好ましくは、レーザービーム搬送アーム上に搭載されるマーキングヘッドを含み、該マーキングヘッドは、マークが、マークされるべき車両の部分に対してマーキングヘッドを移動させること無く作成されることができるように、マークを画成する経路内にレーザービームを偏向する手段を含む。
【0020】
当業者であれば、マークされるべき車両の部分に対してマーキングヘッドを移動させること無くマークを画成する経路内にレーザービームが偏向されるマーキングヘッド、若しくは、レーザーヘッド自体を移動させることによりマークを画成する経路内にレーザービームが偏向されるマークライティングレーザーヘッドを使用するかを選択することができるだろう。これは、形成されるマークの複雑度及び必要とされる書き込み速度に依存するだろう。
【0021】
マーキングヘッドの適切な設計が以下で詳説される。
【0022】
車両の選択された部分がマークされることを可能とするために、レーザーヘッドは、車両に対して取られた3次元内で互いに離れた選択された位置に選択的に配置可能となるべきである。
【0023】
例えば、レーザーヘッドは、車両に近接する方向及び離反する方向及び上下方向に移動可能であるべきである。レーザーヘッドは、車両の長手方向の全長に沿って移動可能であるべきである。これは、車両の長手方向に平行な長手方向にレーザーヘッドを変位させることができる関節アームを提供することによって、達成できる。或いは、車両は、レーザーヘッドを通り過ぎて移動される移動生産ライン上に載置されてもよい。
【0024】
アーム部は、少なくとも1つのアーム部の軸に略平行な軸若しくは一のアーム部の軸に傾斜した軸まわりの回転により互いに対して移動してよい。アーム部は、必要な場合には伸縮式であってもよい。
【0025】
レーザーエミッタはアーム上に搭載されてよい。
【0026】
特に好ましい実施例では、装置は、ベース構造を含み、第1のアーム部は、一方の端部がベース構造に対して回転可能に搭載され、他方の端部が第2のアーム部に対して回転可能に搭載され、レーザーエミッタは、第1若しくは第2のアーム部上に搭載される。
【0027】
このようにして、電力損失を低減し且つレーザービームのアライメント及び装置の組付けを簡素化するために、レーザーエミッタからレーザーヘッドまでのレーザービーム経路を、比較的短くすることができる。
【0028】
レーザーヘッドは、好ましくは、第2のアーム部に対して回転可能に搭載される。好ましくは、レーザーヘッドは、第2のアーム部に対して少なくとも1軸、好ましくは第2のアーム部の軸に対して共に傾斜した2軸まわりに回転可能に搭載される。好ましくは、レーザーヘッドは、第2のアーム部の軸に平行な軸まわりに第2のアーム部に対して回転可能である。
【0029】
レーザービーム搬送手段は、レーザービームを搬送する任意の適切な手段を含んでよい。例えば、レーザービーム搬送手段は、中空管断面を含んでよく、レーザービームは、中空管断面の軸を略下方に搬送される。レーザービーム回転ミラーは、第1のアーム部が第2のアーム部に関節結合される場所であって、レーザーヘッド若しくはマーキングヘッドが第2のアーム部に搭載される場所に設けられてよい。或いは、光ファイバケーブルがレーザービームを送信するために用いられてよい。レーザービーム搬送手段は、アーム部の少なくとも1つと一体に形成されてもよいし、アーム部とは別体とされてもよい。
【0030】
車両の両側をマークすることを可能とするために、関節アーム自体は、車両の一方の側から他方の側に横断するためにガントリ上に搭載されてもよい。
【0031】
或いは、車両の各側に搭載された少なくとも2つのレーザーエミッタが存在してもよい。各レーザーエミッタは、それぞれの関節アーム及びマーキングヘッドで対応付けられてよい。
【0032】
[駆動手段]
関節アームのアーム部は、任意の適切な手段により互いに対して移動されてもよい。例えば、電気モータが設けられてよい。好ましくは、それらは、アーム部の移動の正確な制御を提供するステップ設けられるである。或いは、油圧若しくは水圧シリンダが設けられてよい。
【0033】
[レーザーエミッタ]
車両のウインドウをマークするために、ガラス自体がマークされてもよく、或いは、積層ガラスのシート間に形成される有機中間層がマークされてもよい。最初のプロセスでは、ガラスにより強力に吸収されるレーザービームが使用されなければならない。炭酸ガスレーザー若しくはエキシマーレーザーにより発射されるレーザービーム(10.6マイクロメートルの波長を有する)は、この目的に好適であることが判明している。
【0034】
第2のアプローチでは、ガラスにより吸収されないが有機中間層により吸収されるレーザービームが用いられてよい。この場合、ネオジム/YAGレーザーにより発生されるビームが用いられてよいことが判明している。
【0035】
ガラスのクラックを防止するため及び明確に画成されたエッジを有するマークを提供するために、パルスレーザーが適切に用いられることが判明している。パルスの周波数は、好適には、10−100kHzの範囲内であり、好ましくは30−60kHzの範囲内、最も好ましくは35−45kHzの範囲内である。
【0036】
レーザーの平均出力は、好適には5−20ワットの範囲内である。
【0037】
レーザー動作のパラメータに関する更なるコメントは、“マーキングパラメータ”のセクションで以下で付与される。炭酸ガスレーザーは、高周波励起炭酸ガスレーザーであってよく、好ましくは、10−50MHzの範囲内の周波数で励起される。RF(radio frequency)励起炭酸ガスレーザーが用いられてよい。スラブレーザーが用いられてよい。
【0038】
適切なRF励起炭酸ガススラブレーザーは、例えばRofin Sinar UK Ltd社により製造されている。
【0039】
本発明で用いられるレーザーは、ヘッドライト、樹脂部品、塗装ボデーフレーム若しくは合金ホイールトリムのような、ウインドウ以外の車両の部分をマークするために用いられてもよい。
【0040】
代替実施例では、Qスイッチの使用によりパルス生成される炭酸ガスレーザーが用いられる。Qスイッチは、レーザーエミッタの内部にあっても外部にあってもよい。光路内のQスイッチは、非所に短時間間隔のレーザーパルスを提供する。Qスイッチは、パルスを生成するシャッターデバイス、ポッケルスセル、若しくは回転するプリズムであってよい。
【0041】
適切な形態の軽量炭酸ガスレーザーは、DEMARIA Electro Optic Systemsから入手可能なQスイッチ一体型炭酸ガスレーザー若しくはSYNRAD(登録商標)シリーズ48レーザーである。国際特許公開第02/082600号は、本発明に好適な材料処理用のQスイッチキャビティダンプト(cavity dumped)炭酸ガスレーザーを開示する。
【0042】
レーザー出力は、連続波レーザーにおいてのように、一定であってもよいし、パルス化されてもよい。
【0043】
RF励起炭酸ガスレーザーが用いられる場合、レーザーを励起するためのRFの供給が付与されなければならない。RF源は、関節アーム上にレーザーエミッタと共に搭載されてもよい。或いは、RF源は、別に搭載され、RFは、RFケーブルによりレーザーエミッタに供給されてよい。本発明で用いられるRFケーブルは、本発明レーザービーム溶接からのような、本分野で知られた任意の種類のものであってよい。例えば、銅心線の同軸ケーブルが用いられてよい。かかるRF送信ケーブルを用いるとき、出力の損失及びダメージを生みうるケーブルのねじれを防止することに注意を払わなければならない。好ましくは、ケーブルの各部分の曲率半径は30cmより小さい。
【0044】
[マーキングパラメータ]
レーザーを用いてマークをマーキングするとき、不必要なダメージを発生することなく破壊してマークを形成するために、マークされている表面に十分な出力を搬送することが必要である。例えば、マークされるべきものが、車両のガラスのようなガラスの場合、ガラスにクラックを発生させることなくマークを形成することが望ましい。
【0045】
マークの品質は、デューティ比と称される、レーザービームがオンされている時間とレーザービームがオフされている時間の比に影響を受ける。好適には、デューティ比は、20%−60%の範囲であり、より好ましくは30−50%の範囲、最も好ましくは35−45%の範囲である。例えば、40kHzでは、デューティサイクル内の比で40%のデューティは、レーザー放射の10ミリ秒の連射(バースト)を付与し、レーザーがオフされている15ミリ秒が後続する。
【0046】
走査速度もマークの品質に影響を及ぼす。好ましくは、走査速度は、2000−8000の範囲内であり、より好ましくは3000−6000の範囲内、最も好ましくは4000−5000mm/sの範囲内である。
【0047】
走査速度及びレーザーの平均動作出力にデューティサイクルを整合させることが特に好ましい。特に、パラメータ5−20ワット内で、30−50%のデューティサイクルで、且つ、3000−6000mm/sの範囲の走査速度で動作することが特に好ましく、より好ましくは、10−15ワットの範囲内の出力で、35−45%のデューティサイクルで、且つ、4000−5000mm/sの範囲の走査速度で動作する。
【0048】
これらの数字は、単位長さあたりのエネルギ出力の国際標準値(national value)により表されてよい。例えば、10ワットでの40%のデューティサイクルで4500mm/sの走査速度で動作するとき、単位長さあたりのエネルギは、10 0.4/4500≒0.9ジュール/mmである。好ましくは、クラックを防止し且つ明確に画成されたマークを得るために、単位長さあたりのエネルギは、0.5−2.0ジュール/mmの範囲内であり、より好ましくは0.75−1.2ジュール/mmの範囲内、より好ましくは0.8−1.0ジュール/mmの範囲内である。
【0049】
判明したこととして、車両のウインドウガラスにマークするためには、5−20ワット、より好ましくは10−15ワット付近で動作する炭酸ガスレーザーを用いることが特に好ましい。
【0050】
[識別マーク]
本発明により形成される識別マークは、車両を他の車両から特定できるべきである。好ましくは、識別マークは、当該個々の車両に特有であるだろう。個々の車両を特定できるマークを提供するために、マークは比較的複雑である必要がある。好適には、マークは、数字、文字若しくは双方を含み、特有のマークを形成するための十分な長さを持つ。
【0051】
マークは、更に、例えばロゴや他のシンボルのような、図形的要素を含んでよい。
【0052】
識別マークは、例えば連絡先電話番号、e-mailアドレス等のような情報を含んでよい。
【0053】
マークの識別部分は、好適には、車両を検査する人が見えるような十分なサイズであるが、車両のウインドウを介する視界に大きく影響しないようなサイズである。例えば、識別マークは、好ましくは、少なくとも1mmの高さ、好適には6,8,10若しくは12ptサイズである文字を含む。好ましくは、文字は最大高さが2cmを超えない。全体のマークは、好適には、2cm若しくはそれ以上から10cm若しくはそれ以下までの長さ、及び、2cm若しくはそれ以上から10cm若しくはそれ以上の高さまでの寸法である。好ましくは、識別マークは、少なくとも6文字の長さ、好ましくは少なくとも8文字の長さ、最も好ましくは少なくとも10文字の長さの文字列を含む。
【0054】
[マーキングヘッド]
本発明のマーキング装置では、レーザーエミッタは、マーキングヘッドにレーザービーム搬送手段を介して好ましくは搬送されるパルス化若しくは連続レーザービームを生成する。
【0055】
マーキングヘッドは、マークされるべき対象の部分に接触し、マークされるべき対象にレーザービームを搬送するように適合され、マーキングヘッドは、更に、車両に対してマーキングヘッドを移動させることなくマークを形成するのに必要とされるパターンを画成するようにレーザービームを偏向させる手段を含む。
【0056】
上述の如く、形成されるマークは、例えば特定の数の列の特定の数の文字の英数字コードのような、任意の種類であってよい。形成されるマークは、図形シンボル、ロゴ若しくは他のマークを含んでよい。いずれの場合も、レーザービームを、マークされるべき車両の部分の経路の表面を横切って2次元で移動させることが必要である。マークは、ラスタ走査パターンでマークされるべき対象の部分の表面を横切ってレーザービームを走査することによってドットマトリックスパターンで形成されてもよい。或いは、文字は個々にスクライブされてもよい。
【0057】
レーザービームを2次元で偏向させるために、任意の適切なシステムが用いられてよい。しかし、好ましくは、レーザービームを偏向させるために少なくとも1つの軸まわりに回転可能な少なくとも1つのミラーが設けられてよい。好ましくは、対の連続ミラーが用いられ、それぞれは、レーザービームと交差し、それぞれは、それぞれの固定軸まわりに回転可能である。好ましくは、ミラーがまわりを回転可能である軸は、互いに直交する。ミラーの回転は、任意の適切な手段により制御されてもよい。好ましくは、ミラーの回転は、迅速且つ効率的に移動することが見出されているガルバノメータにより制御される。適切な構成は、例えば米国特許第5298717号に記載されている。
【0058】
マーキングヘッドは、更に、操作者を保護するために、レーザー放射の漏れを防止する光密ケーシングを含む。
【0059】
ケーシングの一部は、使用されるレーザー放射に透過性のあるウインドウを含むだろう。例えば、炭酸ガスレーザーが用いられた場合(以下で詳説)、ウインドウは、ゲルマニウムを含んでよい。
【0060】
マーキングビームは、好ましくは安全装置を含む。安全装置は、好適には、装置が偶発的に火災となるのを防止するために、マーキングヘッドがマークされるべき対象の部分上の正確な位置にあるときのみ閉成される少なくとも1つのスイッチを含む。好ましくは、少なくとも3つのスイッチが存在し、これらの全ては、マーキングヘッドが正確な位置にあるときに閉成されるべきであり、レーザーは、全ての3つのスイッチが閉成されるまで動作不能である。これは、付与されるマークの歪を防止しレーザー放射の漏れを防止するためにレーザーが点火される前にマーキングヘッドが所定位置にあることを保証する。
【0061】
マーキングヘッドは、放射の漏れを更に防止するためにマーキングヘッドまわりに弾性体シールを含んでよい。
【0062】
光若しくは焦点の喪失を防止するためにレーザービームウインドウを洗浄するための手段が設けられてよい。例えば、エアジェットがレーザービームウインドウから沈着物を吹き飛ばすために設けられ、レンズの汚れが防止される。
【0063】
好ましくは、ウインドウガラスのマーキング中に解放される材料を収集する手段が設けられる。例えば、ガラスダストが収集されてもよい。収集手段は、簡易な容器を含んでよい。しかし、ガラスの比較的軽い粒子を捕捉するために、接着性のある表面が設けられてよい。例えば、一片の両面接着テープが採用されてもよい。
【0064】
好ましくは、マーキングヘッドは軽量である。好ましくは、マーキングヘッドの重量は5kgを超えず、好ましくは3kgより軽く、好適には2kgよりも軽い。マーキングヘッドの適切な設計は、Scanlab(登録商標)から入手可能なHS7である。他の適切なマーキングヘッドは、製造者Rofin Sinarから得られる。
【0065】
[コントローラ及び入力]
必要とされるマークを生成するためのマーキングヘッド、関節アーム及びレーザーエミッタの動作を制御するために、コントローラが必要とされる。データは、入力手段によりコントローラに入力されてよい。
【0066】
対象上に作成されるべきマークが上述のような文字を含む場合、ビームを少なくとも2つの方向に偏向し、文字を形成する間にビームをオンオフ切り替えることが必要である。好ましくは、ビームの持続時間及びビームの位置の少なくとも一方、好ましくは双方がコントローラにより制御される。コントローラは、マーキングヘッド内、レーザー装置内、若しくは、本発明の装置上のその他の位置に搭載されてよい。
【0067】
セキュリティコードが対象上にマークされるべきである場合、各コードの少なくとも1つの要素が、マークされている車両に固有であることが一般的に必要である。従って、各車両に対して必要とされるコードをコントローラに入力する入力手段が設けられてよい。コードは、インターネットのような通信ネットワークを介して若しくは電話線のような専用通信線を介してコントローラに送信されてもよい。或いは、コントローラは、各車両上にマークされるべきコードに関連した情報を読み取るスキャナを備えてもよい。例えば、スキャナは、本分野で広く知られた種のバーコードリーダを含むことができる。
【0068】
コントローラは、好適には、装置を制御するようにプログラムされたパーソナルコンピューター若しくはその類のコンピューターを含む。
【0069】
例えば、コントローラは、少なくとも1つのメモリに接続されるプロセッサを含んでよく、メモリは、マークされるべき各車両に対して、車両マーキングデータ(例えば車両識別番号)、車両上にマークされるべきコード、マークが作成された日付を含むデータを記憶する。好ましくは、プロセッサに車両データを入力する入力が設けられ、プロセッサは、メモリ内に車両データを入れるように構成される。
【0070】
プロセッサは、好ましくは、更にレーザーコントローラに接続される。所与の車両をマークするために、国際組織により当該車両に割り当てられた固有の番号であるその車両識別番号は、プロセッサに入力されてもよい。プロセッサは、このとき、車両上にマークされる必要のあるコードデータをメモリから抽出する。コードデータは、次いで、レーザーコントローラに供給される。レーザーコントローラ自体は、レーザーに接続され、別にレーザーヘッドに接続される。レーザーコントローラは、必要とされるコードが車両上にマークされるように、レーザーヘッドによるレーザービームの移動に協調して、レーザーをオン/オフで切り替えることによりレーザーを制御する。車両が、必要な数若しくは回数マークされると、当該車両がマークされたことを指示する信号が、プロセッサに入力される。このとき、プロセッサは、マーキングの確認及びマーキングの日付を第2のメモリに書き込む。
【0071】
プロセッサは、好ましくは、同一のマークが第2の車両に付与されることを防止するために、マーキングデータを消去するように構成される。マーキングデータは、第2のメモリに記録の提供のために入れられてよい。
【0072】
本発明の装置は、車両の任意の適切な部分にマークするために用いられることができる。しかし、特に好ましくは、本発明の装置は、車両の少なくとも1つのウインドウにマークするために用いられる。
【0073】
コントローラは、好ましくは、更に、レーザーエミッタ、駆動手段及びマーキングヘッド(使用される場合)に制御信号を送信するための信号ケーブルを含む。レーザーエミッタが柔軟なレーザービーム搬送手段によりマーキングヘッドに接続される場合、マーキングヘッド用の信号ケーブルは、レーザービーム搬送手段に沿って適切に通る。例えば、それらは並列に存在してもよい。信号ケーブルは、レーザービーム搬送手段の構造に一体的に形成されてもよい。
【0074】
コントローラは、例えば、レーザーエミッタを備える持ち運び可能な構造上に搭載されて、持ち運び可能であってよい。或いは、コントローラは、レーザーエミッタ、駆動手段及びマーキングヘッド(使用される場合)に単一のケーブルで接続されて、固定であってよい。例えば、信号ケーブルは、レーザーエミッタ、駆動手段及びマーキングヘッドに電力を送信する電力ケーブルと同軸に延在してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0075】
本発明は、添付図面を参照して例のみにより記載される。
【0076】
本発明のレーザーマーキング装置は、一般的に参照符号1で指示される。レーザーマーキング装置は、車両ステーション2を含み、車両ステーション2には、所定位置にウインドウを備える部分的に不完全な若しくは完全な車両を配置することができる。車両は、車両マーキングステーションへと駆動されることができ、若しくは、車両ステーション2を通って移動する生産ライン上に載置されることができる。
【0077】
車両ステーション2の両側には、2つのレーザーマーキングロボット3が存在する。これらは、図2に更に図示されている。各レーザーマーキングロボット3は、レーザーエミッタ4、レーザービーム搬送手段5、マーキングヘッド6、及び、回転軸10にてレーザーエミッタに対して且つ回転軸9にて互いに対して回転可能な2つのアーム部7,8を含む関節マウンチングを含む。最後に、ロボットは、ベース11を含む。関節アーム8は、回転軸12にてベース11上の鉛直軸まわりに回転可能に搭載される。
【0078】
好ましい実施例では、以下で更に詳説する如く、レーザーエミッタは、それぞれRF励起炭酸ガススラブレーザーである。
【0079】
これらのレーザーを動作させるために、RFの供給がレーザーを励起するために必要とされる。各マーキングロボット3は、それ故に、RF源13を備える。RFは、レーザーエミッタ4に従来的なRF伝送外装ケーブル14を介して伝送される。各ロボットは、更に、本分野で知られた態様で冷却水供給13を含む。
【0080】
バーコード読取ステーション16は、車両ステーション2内に位置する車両上に付与されたバーコードを読み取るために設けられる。中央コントローラ17が設けられ。中央コントローラ17は、レーザーロボット3、レーザーエミッタ3、マーキングヘッド6、関節アーム7,8、レーザービーム搬送手段5、RF供給13及び冷却水供給15のそれぞれから信号を受信しそれぞれを制御するように構成される。
【0081】
図示された実施例では、各ロボット3は、それらのベース上の鉛直軸まわりに観点するように構成される。これにより、各マーキングヘッド6は、車両ステーション2内の車両に対して長手方向Lに移動されることができる。関節アーム7、8及びレーザーエミッタ4は、水平軸まわりに回転軸9,10まわりに移動されることができ、マーキングヘッド6が昇降され車両ステーション2内の車両に対して近接若しくは離間されることを可能とする。
【0082】
車両のウインドウ上にマークを作成するために、マーキングヘッドの車両のウインドウへの精密で正確な立体配置(コンホメーンョン)が必要とされる。
【0083】
実際には、各マーキングヘッドは、ゴムシール18を備え、ゴムシール18は、使用時、車両のウインドウに押圧される必要があり、如何なるマーキングが発生する前に、車両のウインドウに密接する。
【0084】
マーキングヘッドの位置づけ及び立体配置の精密制御は、図3乃至5に示した構成により得られる。
【0085】
図3から分かるように、レーザービーム搬送手段は、レーザービームを搬送する第1の導管部20を含む。導管部20は、軸A−Aまわりにベアリング21にてレーザーエミッタ4に対して回転可能に搭載される。導管部20の軸A−Aまわりの回転は、マーキングヘッド6を上下及び左右にスイングさせる。
【0086】
導管部20の端部には、固定されたレーザー回転ミラー22が存在し、レーザー回転ミラー22は、図の右側に向けてレーザービームを偏向させる。レーザービームは、短いレーザー導管部23内に偏向される。この導管部23は、第1の導管部20に対してベアリング24にて回転可能に搭載され、全体構造が軸B−Bまわりに回転可能となる。第2の導管部23は、レーザービームを下向きに偏向させるレーザービーム回転ミラー25を含む。第2の導管部のその軸B−B周りの回転は、マーキングヘッドを昇降させ、また、鉛直軸に対してマーキングヘッドを傾斜させ、これは、鉛直方向に対して急角度で傾斜する車両ウインドウに対して典型的に必要とされる。最後に、第3の導管部26が存在し、第3の導管部26は、第2の導管部23内のベアリング内に搭載され、第3の導管部が軸C−Cまわりに回転できるようにされる。これは、水平面内でマーキングヘッドが向く方向を調整する。これは、車両のフロントウインドウ、リアウインドウ及びサイドウインドウの双方に対して接触するようにマーキングヘッド6を配置することを可能とする。
【0087】
図4は、代替実施例を示し、この代替実施例では、第3の導管部26は、その中に固定されたナックル27を有し、ナックルの角度を通ってレーザービームを方向付ける回転ミラー(図示せず)を導管内に備える。これは、マーキングヘッド6のより傾斜した構成が必要とされるときに好適である。更なる変形例では、2つの直角回転ミラーが存在してもよい。回転ミラーの光軸は、互いに対して傾斜していてもよい。
【0088】
図5は、更なる代替実施例を示し、この代替実施例では、固定されたナックルに代えて、軸C−Cに対して傾斜した軸D−Dまわりに第3の導管部に対してマーキングヘッドを回転可能とする回転ミラー29を備えた回転可能なベアリング28が存在する。
【0089】
図6は、車両マーキング装置1に対する制御システムの概略図を示す。コントローラ17内には、プロセッサ30が存在する。装置の動作の準備のために、データ入力31によりデータが付与される。データは、例えばマニュアル入力、ディスクのようなデータ記憶手段からのアップロード、又は、インターネット32からの送信によるような、任意の適切な手段により入力されることができる。
【0090】
各車両に対して、次のデータが必要とされる。車両識別番号(VIN)。車両モデルの指示、及び、マークされるべきウインドウの立体配置及び配列を含む、マークされるべきウインドウの数の指示。ウインドウ上に作成されるべき追加のセキュリティマーク。
【0091】
このデータは、データ入力から受信され、車両データ記憶装置33内に記憶される。
【0092】
動作時、車両が車両ステーション2内に到着したとき、車両上のバーコード35がバーコードリーダ34により読み取られ、バーコードリーダ34は、車両の識別性(好適には、車両識別番号)を表す信号をプロセッサ30に送る。プロセッサ30は、次いで、車両データ記憶装置30から、各ウインドウの位置及び各ウインドウ上に作成されるべきマークを定義する情報を取得する。
【0093】
次いで、コマンド信号が、冷却水供給15、RF発生器14、ロボットアーム、レーザーエミッタ4及びマーキングヘッド(36−40)のそれぞれに付与され、これらの構成要素の動作若しくはこれらの部品の移動を制御し、マーキングヘッドが、各ウインドウに連続して接触され、当該ウインドウ上に作成されるべき正確なマークのための構成に至らされる。
【0094】
プロセッサは、動作が完了したときを判断する。動作が完了したとき、プロセッサは、41にて、工場操業システムに信号を送り、車両ステーション2から車両が外に移動されるべきであり、他の車両が搬送されるべきであることを知らせる。
【0095】
本発明は、純粋に例により上述されているが、修正は、個々で説明された特徴の均等まで拡張する本発明の精神内でなされることができる。本発明は、また、ここで説明又は黙示若しくは図面に示された又は黙示された特徴、又は、かかる特徴の任意の組み合わせ、若しくは、かかる特徴の任意の一般化又はその組み合わせに存在する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明による車両マーキング装置の等角投影図である。
【図2】関節アーム上に搭載されるマーキングヘッド及びレーザーエミッタの概略側面視を示す図である。
【図3】レーザーエミッタ上のマーキングヘッドのマウンチングの、拡大されたスケールでの、概略等角投影図である。
【図4】レーザーエミッタのマーキングヘッドのマウンチングの代替実施例を示す図である。
【図5】レーザーエミッタのマーキングヘッドのマウンチングの代替実施例を示す図である。
【図6】本発明で用いられる制御システムの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を特定するための識別マークを車両上に作成する装置であって、
レーザービームを生成するレーザーエミッタ、及び、前記レーザービームをレーザーヘッドに搬送するレーザービーム搬送手段と、
互いに関節結合された少なくとも2つのアーム部を含むアームと、
マークされる車両の部分に接触するようにレーザーヘッドが移動できるように前記アームの1つに搭載されるレーザーヘッドと、
前記アーム部を互いに対して駆動する駆動手段と、
前記レーザーヘッドが車両の選択された部分にマークを作成できるように前記駆動手段及び前記レーザーエミッタを制御するコントローラとを含む、装置。
【請求項2】
前記レーザーは、RF励起炭酸ガススラブレーザーである、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レーザーは、Qスイッチレーザーである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、前記マークが、マークされる車両の部分に対する前記アーム部の移動により作成されるように、前記アーム部を駆動する、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
レーザービーム搬送アーム上に搭載されるマーキングヘッドを更に含み、該マーキングヘッドは、マークが、マークされる車両の部分に対して前記アーム部を移動させること無く作成されることができるように、マークを画成する経路内にレーザービームを偏向する手段を含む、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記アームは、前記レーザーヘッドを、車両の長手方向に平行な長手方向に変位させることができる、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
車両は、前記レーザーヘッドを過ぎて移動される移動生産ライン上に載置される、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
ベース構造を含み、第1のアーム部は、一方の端部が前記ベース構造に対して回転可能に搭載され、他方の端部が第2のアーム部に対して回転可能に搭載され、前記レーザーエミッタは、前記第1若しくは第2のアーム部上に搭載される、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記レーザーヘッドは、前記第2のアーム部に対して回転可能に搭載される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記レーザーヘッドは、前記第2のアーム部に対して少なくとも1軸、好ましくは前記第2のアーム部の軸に対して共に傾斜した2軸まわりに回転可能に搭載される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
光ファイバケーブルが前記レーザービームを送信するために用いられる、請求項1乃至10のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載の装置を用いる車両マーキング方法。
【請求項13】
添付図面を参照して記載された車両マーキング装置。
【請求項14】
添付図面を参照して記載された車両マーキング方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−514433(P2008−514433A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534087(P2007−534087)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003783
【国際公開番号】WO2006/037973
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(503360713)リテイナグループ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Retainagroup Limited
【Fターム(参考)】