説明

車両制御装置

【課題】エンジンの始動に要するエネルギを低減することができる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】ハイブリッド車両に搭載された、直噴式のエンジンと、連結要素と、エンジンと連結要素とのトルクの伝達を断接するクラッチと、を備え、エンジンを停止するとき(S2−Y)にクラッチが係合した状態でエンジンの回転数を低下させ、エンジンの回転が停止するクランク角度が所定範囲外のクランク角度である(S4−Y)場合、クラッチを開放する(S5)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンを自動で停止させる制御が公知である。例えば、特許文献1には、内燃機関のフリクションを算出するエンジンフリクションモデルと、変速機のフリクションを算出するミッションフリクションモデルとを備え、内燃機関と変速機との間に配置されるクラッチが係合状態にあるときは、エンジンフリクションモデルおよびミッションフリクションモデルの双方によって算出されるフリクションに基づいて、クランク停止位置を補正する内燃機関の停止位置制御装置の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−292036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの始動に要するエネルギは、エンジンが停止するクランク角度によって異なる。例えば、直噴式のエンジンを始動する場合に、始動前のクランク角度によって始動に要するエネルギが変動する。エンジンの始動に要するエネルギを低減できることが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、エンジンの始動に要するエネルギを低減することができる車両制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両制御装置は、ハイブリッド車両に搭載された、直噴式のエンジンと、連結要素と、前記エンジンと前記連結要素とのトルクの伝達を断接するクラッチと、を備え、前記エンジンを停止するときに前記クラッチが係合した状態で前記エンジンの回転数を低下させ、前記エンジンの回転が停止するクランク角度が所定範囲外のクランク角度である場合、前記クラッチを開放することを特徴とする。
【0007】
上記車両制御装置において、前記連結要素は、回転電機であり、前記クラッチよりも駆動輪側に配置されていることが好ましい。
【0008】
上記車両制御装置において、前記所定範囲は、前記エンジンを始動するときの始動エネルギが小さいクランク角度の範囲であることが好ましい。
【0009】
上記車両制御装置において、前記エンジンの回転数を低下させるときの前記クラッチのトルク容量は、前記エンジンのフリクショントルクに基づくことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る車両制御装置は、直噴式のエンジンと、連結要素と、エンジンと連結要素とのトルクの伝達を断接するクラッチと、を備え、エンジンを停止するときにクラッチが係合した状態でエンジンの回転数を低下させ、エンジンの回転が停止するクランク角度が所定範囲外のクランク角度である場合、クラッチを開放する。よって、本発明に係る車両制御装置によれば、エンジンの始動に要するエネルギを低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、実施形態に係る車両制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図2】図2は、実施形態に係る車両の概略構成図である。
【図3】図3は、2気筒エンジンのポンピングエネルギおよび始動アシストトルクを示す図である。
【図4】図4は、3気筒エンジンのポンピングエネルギおよび始動アシストトルクを示す図である。
【図5】図5は、4気筒エンジンのポンピングエネルギおよび始動アシストトルクを示す図である。
【図6】図6は、6気筒エンジンのポンピングエネルギおよび始動アシストトルクを示す図である。
【図7】図7は、8気筒エンジンのポンピングエネルギおよび始動アシストトルクを示す図である。
【図8】図8は、実施形態の制御に係るタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態に係る車両制御装置につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0013】
[実施形態]
図1から図8を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、車両制御装置に関する。図1は、実施形態に係る車両制御装置の動作を示すフローチャート、図2は、実施形態に係る車両の概略構成図である。
【0014】
本実施形態に係るハイブリッド車両100は、直噴エンジン1とK0クラッチ4と回転電機MGとを有するパラレルハイブリッドシステムを搭載している。直噴エンジン1を始動する場合、停止位置(クランク角度)によって要する始動エネルギが異なる。例えば、0TDCより着火してエンジン1を始動したいときに、前回の停止位置によっては、着火対象の気筒が膨張行程に停止していない場合や、膨張行程に停止していても始動に十分なエネルギを発生できない場合がある。
【0015】
本実施形態の車両制御装置1−1は、エンジン停止時(停止フラグON→エンジン回転数0rpmの間)はK0クラッチ4を開放せずにクラッチトルクを残しておき、始動エネルギが大きい停止位置にエンジン1が停止した場合、もしくは停止すると判断された場合にK0クラッチ4を開放する。これによりトルクバランスを崩し、エンジン1を回転させて始動エネルギの大きな停止位置から始動エネルギの小さな停止位置に移動させることができる。よって、本実施形態の車両制御装置1−1によれば、エンジン1の始動に要するエネルギを低減することができ、燃費を向上させることができる。
【0016】
図2に示すハイブリッド車両100は、エンジン1、K0クラッチ4、回転電機MG、トルクコンバータ7、C1クラッチ8、変速機9および駆動輪11を備える。エンジン1は、ダンパ2およびK0クラッチ4を介して回転電機MG、トルクコンバータ7、変速機9および駆動輪11と接続されている。つまり、回転電機MGは、エンジン1よりも駆動輪11側に配置されている。K0クラッチ4は、エンジン1と、連結要素としての回転電機MGおよび駆動輪11とのトルクの伝達を断接する。連結要素とは、K0クラッチ4を介してエンジン1とトルクを伝達可能に連結されるものであり、ハイブリッド車両100に搭載されたハイブリッド車両100の構成要素である。
【0017】
K0クラッチ4の入力軸3は、ダンパ2を介してエンジン1のクランクシャフト1aと接続されている。K0クラッチ4の出力側は、回転電機MGのロータ5と接続されている。K0クラッチ4は、例えば、湿式の多板式のクラッチ装置であり、係合状態でエンジン1と回転電機MGとを接続し、開放状態でエンジン1と回転電機MGとを切り離す。
【0018】
回転電機MGは、ロータ5とステータ6とを有し、モータ(電動機)としての機能と、発電機としての機能とを備えている。回転電機MGは、インバータを介してバッテリと接続されている。回転電機MGは、バッテリから供給される電力を機械的な動力に変換して出力することができると共に、入力される動力によって駆動されて機械的な動力を電力に変換することができる。回転電機MG1によって発電された電力は、バッテリに蓄電可能である。回転電機MGとしては、例えば、交流同期型のモータジェネレータを用いることができる。回転電機MGのロータ5は、トルクコンバータ7のポンプインペラ7aに接続されている。
【0019】
トルクコンバータ7は、ポンプインペラ7a、タービンランナ7b、ロックアップクラッチ7cおよび出力軸7dを有する。トルクコンバータ7は、ポンプインペラ7aとタービンランナ7bとの間で作動流体を介してトルクを伝達することができる。また、トルクコンバータ7は、ロックアップクラッチ7cを介してロータ5からタービンランナ7bに直接トルクを伝達することができる。すなわち、ロックアップクラッチ7cが係合状態であると、作動流体を介さずにロータ5からタービンランナ7bにトルクが直接伝達され、ロックアップクラッチ7cが開放状態であると、ロックアップクラッチ7cを介したトルクの伝達はなされない。ロックアップクラッチ7cは、半係合状態でトルクを伝達するスリップ制御が可能である。回転電機MG側からトルクコンバータ7に入力されたトルクは、出力軸7dから出力される。
【0020】
C1クラッチ8は、トルクコンバータ7と変速機9との間に介在している。C1クラッチ8は、トルクコンバータ7の出力軸7dと変速機9の入力軸9aとを断接する。変速機9は、自動変速機であり、例えば、有段の自動変速機(AT)であっても、無段の自動変速機(CVT)であってもよい。変速機9の出力軸9bは、差動機構10を介して駆動輪11に接続されている。なお、C1クラッチ8は、変速機9を構成する係合要素の一つであってもよい。
【0021】
エンジン1は、燃料の燃焼エネルギをクランクシャフト1aの回転運動に変換して出力する。エンジン1は、筒内に直接燃料を噴射するインジェクタを有する直噴式のエンジンである。エンジン1は、筒内の混合気に点火する点火プラグを備えている。エンジン1の出力トルクは、ダンパ2、K0クラッチ4、トルクコンバータ7、C1クラッチ8、変速機9および差動機構10を介して駆動輪11に伝達される。
【0022】
ハイブリッド車両100には、ECU30が搭載されている。ECU30は、コンピュータを有する電子制御ユニットである。ECU30は、エンジン1、K0クラッチ4、回転電機MG、ロックアップクラッチ7c、C1クラッチ8および変速機9を制御する機能を有している。ECU30は、エンジン1の燃料噴射タイミング、噴射量、点火時期などを制御可能である。エンジン1には、クランクシャフト1aのクランク角度を検出するクランク角センサ21が設けられている。クランク角センサ21の検出結果を示す信号は、ECU30に出力される。ECU30は、クランク角センサ21から取得するクランク角度に基づいて、エンジン1の各気筒の吸気行程、圧縮行程、膨張行程、排気行程を判別すると共に、エンジン回転数を算出することができる。
【0023】
ECU30は、K0クラッチ4の開放・係合および係合度合いを制御することができる。K0クラッチ4が油圧式のアクチュエータを有するものである場合、ECU30は、供給油圧を調節することにより、K0クラッチ4の係合度合い(トルク容量)を制御する。また、ECU30は、エンジン回転数と回転電機MGの回転数とに基づいて、K0クラッチ4のスリップ制御を行うことができる。本実施形態の車両制御装置1−1は、いずれもハイブリッド車両100に搭載された、エンジン1、回転電機MG、K0クラッチ4およびECU30を備える。
【0024】
ハイブリッド車両100では、ハイブリッド走行あるいはEV走行を選択的に実行可能である。ハイブリッド走行とは、エンジン1、回転電機MGのうち少なくともエンジン1を動力源としてハイブリッド車両100を走行させる走行モードである。ハイブリッド走行では、エンジン1に加えて、回転電機MGを動力源とすることができる。なお、ハイブリッド走行において、回転電機MGを発電機として機能させてもよく、無負荷の状態で空転させることもできる。
【0025】
EV走行は、エンジン1を停止し、回転電機MGを動力源として走行する走行モードである。EV走行において、走行状況やバッテリの充電状態等に応じて適宜回転電機MGに発電を行わせるようにしてもよい。EV走行を行う場合、K0クラッチ4が開放され、エンジン1が停止される。
【0026】
また、ハイブリッド車両100では、エンジン1を駆動輪11から切り離して惰性によりハイブリッド車両100を走行させる惰性走行を実行することもできる。惰性走行は、例えば、加速要求がない場合や要求駆動力が小さな場合に実行される。惰性走行では、K0クラッチ4が開放され、エンジン1と回転電機MGおよび駆動輪11との動力の伝達が遮断される。つまり、駆動輪11にエンジンブレーキが作用しない状態となる。これにより、K0クラッチ4が係合されてエンジン1が駆動輪11と接続されている場合よりも、駆動輪11に対する負荷が小さくなる。惰性走行を実行することにより、軽負荷時の燃費向上を図ることができる。惰性走行時には、エンジン1を停止して燃料消費を抑制することもできる。
【0027】
また、ハイブリッド車両100では、停車中にエンジン1が停止されることがある。例えば、バッテリの充電状態に基づいて停車中にエンジン1を運転して回転電機MGにより発電を行う停車時発電制御がなされることがあり、停車時発電制御が終了するとエンジン1が停止される。また、停車時に暖機のためにエンジン1が運転され、暖機終了後にエンジン1が停止されることがある。
【0028】
EV走行からハイブリッド(HV)走行への移行時など、エンジン1を始動するときには、ECU30によりエンジン1の始動制御がなされる。本実施形態のハイブリッド車両100では、少なくとも以下の2つの始動方法が実行可能である。
【0029】
(着火始動)
着火始動とは、主としてエンジン1の燃焼により発生するエネルギによってエンジン1の回転を開始させてエンジン1を始動させる始動方法である。本実施形態のハイブリッド車両100のエンジン1は、筒内に直接燃料が噴射される直噴式のエンジンである。従って、エンジン1が停止した状態から、筒内に燃料を供給して着火により燃焼を開始させ、エンジン1を始動することが可能である。着火始動では、K0クラッチ4を半係合状態としてエンジン1の始動をアシストすることができる。
【0030】
具体的には、ECU30は、エンジン1に対する燃料噴射および点火により始動を開始するときに、エンジン1の回転数が上昇し始めるまでは、K0クラッチ4に対する供給油圧を待機時油圧とする。待機時油圧は、K0クラッチ4を介して駆動輪11側からエンジン1に伝達されるトルクによってはエンジン1が回転し始めない油圧に設定されている。すなわち、待機時油圧は、K0クラッチ4を係合させ、かつエンジン1の自立的な回転の開始を待機するときのクラッチ油圧である。待機時油圧によってK0クラッチ4が係合し、回転電機MG側からトルクが伝達されることで、回転を開始するためのエンジン1の必要トルクが低減される。
【0031】
ECU30は、エンジン1の回転数が上昇し始めると、K0クラッチ4に対する供給油圧をアシスト時油圧に増加させる。アシスト時油圧は、待機時油圧よりも大きな油圧であり、エンジン1に対して正方向のトルクを伝達して回転上昇をアシストすることができる油圧である。また、ECU30は、エンジン回転数が回転電機MGの回転数と同期するときに、K0クラッチ4に対する供給油圧を係合油圧に増加させる。係合油圧は、アシスト時油圧よりも大きな油圧であり、K0クラッチ4を完全係合させることができる油圧である。K0クラッチ4が完全係合すると、着火始動は完了する。
【0032】
(K0スリップ始動)
K0スリップ始動とは、K0クラッチ4を介して伝達されるトルクによりモータリングを行い、エンジン1の回転を開始させてエンジン1を始動する始動方法である。K0スリップ始動では、エンジン1が停止した状態からK0クラッチ4に対する供給油圧をモータリング時油圧とする。モータリング時油圧は、アシスト時油圧よりも高圧であり、かつ係合油圧よりも低圧である。モータリング時油圧は、少なくとも停止しているエンジン1のフリクショントルクに抗してエンジン1の回転を開始できるだけのトルクを伝達可能な係合油圧である。また、モータリング時油圧は、K0クラッチ4が半係合状態となり、エンジン回転数を徐々に上昇させることができる係合油圧である。
【0033】
ECU30は、K0クラッチ4に対する供給油圧をモータリング時油圧とすると共に、要求駆動力に対応するトルクに加えてエンジン1のクランキングに要するトルクを回転電機MGに出力させる。これにより、K0クラッチ4を係合して回転電機MGのトルクによってクランキングしてエンジン1を始動することができる。
【0034】
回転電機MGのモータリングによりエンジン回転数が所定の回転数まで上昇すると、ECU30はエンジン1に対する燃料噴射および点火を開始し、エンジン1を始動させる。エンジン回転数が回転電機MGの回転数と同期するときに、K0クラッチ4に対する供給油圧は係合油圧とされる。K0クラッチ4が完全係合すると、K0スリップ始動は完了する。
【0035】
ECU30は、エンジン1の始動要求がある場合、着火始動が可能であれば着火始動によりエンジン1を始動し、着火始動が不可能である場合にK0スリップ始動によりエンジン1を始動する。K0スリップ始動の場合、エンジン1のモータリングに要するトルクを回転電機MGによって出力させる。従って、モータリングに必要なトルクを確保するために、回転電機MGによる走行用の出力トルクが制限される。これに対して、着火始動の場合、回転電機MGは、エンジン1の自立的な回転上昇をアシストできればよい。このことから、エンジン1の始動において着火始動を優先することにより、回転電機MGの出力トルクのうちで走行駆動に使用可能なトルクの割合を増加させることができる。よって、回転電機MGの小型化や、EV走行領域の拡大を図ることができる。
【0036】
ここで、図3から図7を参照して説明するように、エンジン1を始動する場合、停止しているエンジン1のクランク角度によって始動エネルギが異なる。図3から図7の各図は、ポンピングエネルギおよび始動アシストトルクを示す図である。図3から図7には、クランク角度と、ポンピングエネルギおよび始動アシストトルクとの関係の一例が示されている。図3から図7において、横軸はクランク角度[CA]、左側の縦軸はポンピングエネルギ、右側の縦軸は始動アシストトルクを示す。ポンピングエネルギは、エンジン1の気筒内の空気ばねの圧縮エネルギ(空気力によるポテンシャルエネルギ)である。また、始動アシストトルクは、着火始動において停止しているエンジン1が回転を開始できるために必要な回転電機MGによるアシストトルクである。
【0037】
言い換えると、始動アシストトルクは、燃焼エネルギによってエンジン1が自立的に回転を始めることができるために必要とされる、回転電機MGがK0クラッチ4を介してアシストするトルクである。K0クラッチ4を介してエンジン1に伝達されるトルクが始動アシストトルク以上であれば、燃焼を開始したエンジン1が回転し始めることができ、始動アシストトルク未満のトルクしか伝達されなければ、エンジン1は燃焼を開始したとしても回転し始めることができない。
【0038】
図3には2気筒エンジン、図4には3気筒エンジン、図5には4気筒エンジン、図6には6気筒エンジン、図7には8気筒エンジンについてのポンピングエネルギおよび始動アシストトルクがそれぞれ示されている。各図において、黒四角のマーカーを付した曲線が始動アシストトルクを示し、他方の曲線がポンピングエネルギを示す。
【0039】
始動アシストトルクが大きいクランク角度でエンジン1が停止している場合、エンジン1の始動に要するエネルギが大きくなり、燃費の低下を招くこととなる。例えば、図3に示す2気筒エンジンの場合、60から90CAのクランク角度の範囲では始動エネルギが最も小さくなり、このクランク角度の範囲からのクランク角度のずれが大きくなるに従い始動エネルギが増加する。
【0040】
また、2気筒エンジンでは、0CAのクランク角度においてポンピングエネルギが最大となり、これに対するクランク角度のずれが大きくなるに従いポンピングエネルギが低下する。例えば、正のクランク角度の範囲では、50CA以上のクランク角度の範囲でポンピングエネルギが最小となる。ポンピングエネルギが高い位置では安定性が低く、ポンピングエネルギが低い位置は安定である。つまり、図3に矢印Y1で示すように、ポンピングエネルギが高いクランク角度の位置からポンピングエネルギが低いクランク角度の位置に向かう空気ばねの力がピストンおよびクランクシャフト1aに作用する。この力と、エンジン1のフリクショントルクとの関係によって停止時のクランク角度が決まる。
【0041】
エンジン始動に要するエネルギを低減する観点からは、始動アシストトルクの低いクランク角度でエンジン1が停止することが望ましいが、常に所望のクランク角度でエンジン1が停止するとは限らない。例えば、0CAのクランク角度(TDC)の近傍において空気ばねの力によるトルクとエンジン1のフリクショントルクとがつり合い、エンジン1の回転が停止することが起こり得る。この場合、次回エンジン1を始動するときの始動エネルギが大きなものとなり、燃費の低下を招く虞がある。始動アシストトルクがより小さいクランク角度でエンジン1の回転を停止できることが望ましい。
【0042】
本実施形態の車両制御装置1−1は、エンジン1の停止要求がある場合、エンジン1の停止をK0クラッチ4が係合した状態で行う。すなわち、K0クラッチ4が係合した状態でエンジン1に対する燃料の供給を停止し、エンジン1の出力トルクを低下させる。つまり、エンジン1を停止するときにK0クラッチ4が係合した状態でエンジン1の回転数を低下させる。このときのK0クラッチ4に対する供給油圧は、K0クラッチ4がスリップ可能なものであり、かつK0クラッチ4が係合したままでエンジン1が停止可能なものである。
【0043】
車両制御装置1−1は、エンジン回転が停止するクランク角度が所定範囲外のクランク角度である場合、K0クラッチ4を開放する。所定範囲は、所定範囲のクランク角度で停止したエンジン1を始動する時の始動エネルギが小さいクランク角度の範囲である。つまり、所定範囲とは、例えば、所定範囲のクランク角度で停止したエンジン1を再始動するときの始動に要するエネルギが、所定範囲外のクランク角度で停止したエンジン1を再始動するときの始動に要するエネルギよりも小さくなるクランク角度の範囲である。
【0044】
これにより、以下に説明するように、エンジン1の停止位置を始動エネルギの大きな停止位置から始動エネルギの小さな停止位置に移動させることができる。なお、エンジン1の回転が停止するクランク角度とは、エンジン1の回転が停止したクランク角度およびエンジン1の回転が停止すると予測されるクランク角度を含むものである。言い換えると、エンジン1の回転が停止するクランク角度には、実際にエンジン1が停止したクランク角度およびそのクランク角度でエンジン1の回転が停止すると予測される予測クランク角度が含まれる。
【0045】
図5を参照して説明すると、K0クラッチ4が係合した状態でエンジン1を停止させる場合、クランクシャフト1aには、空気ばねによるトルクT1と、エンジン1のフリクショントルクT2と、K0クラッチ4を介して回転電機MG側から伝達されるクラッチトルクT3とが作用する。なお、空気ばねによるトルクT1の向きおよびフリクショントルクT2の向きは、クランク角度によって変化する。図5には、エンジン1が180CA近傍のクランク角度で回転を停止するときの各トルクT1,T2,T3の一例が示されている。
【0046】
空気ばねによるトルクT1がクランクシャフト1aを逆回転させる方向に作用し、これと反対方向にフリクショントルクT2が作用する。クラッチトルクT3は、クランクシャフト1aを正回転させる方向のトルクである。トルクT1,T2,T3が釣り合っており、エンジン1が回転を停止している。このように180CAのクランク角度でエンジン1が停止すると、始動アシストトルクが大きいため好ましくない。
【0047】
ここで、K0クラッチ4を開放してクラッチトルクT3を作用させなくすれば、トルクのつり合いを崩し、クランクシャフト1aを回転させることが可能である。例えば、図5の状態からK0クラッチ4を開放すると、クランクシャフト1aを逆回転させ、ポンピングエネルギの低い60CAから120CAのクランク角度の範囲でエンジン1を停止させることができる。このクランク角度の範囲は、始動アシストトルクの低いクランク角度の範囲とも重なっている。
【0048】
図5に示す4気筒のエンジンでは、ポンピングエネルギの高低と始動アシストトルクの高低との相関性が高い。言い換えると、ポンピングエネルギが高いクランク角度の範囲では始動アシストトルクも高く、ポンピングエネルギが低いクランク角度の範囲では始動アシストトルクも低い。従って、例えば、始動アシストトルクが低いクランク角度の範囲を所定範囲と定め、所定範囲外のクランク角度でエンジン1が停止するときや停止しそうなときにK0クラッチ4を開放するようにすれば、始動アシストトルクが低いクランク角度に停止位置を移動させることができる。これにより、次回エンジン1を始動するときの始動性が向上する。
【0049】
図6に示す6気筒エンジンや、図7に示す8気筒エンジンでも、始動アシストトルクの高低と、ポンピングエネルギの高低とは相関性が高い。従って、4気筒エンジンの場合と同様に、始動アシストトルクの低いクランク角度の範囲に基づいて所定範囲を定めるようにすることができる。
【0050】
また、図3に示す2気筒エンジンや、図4に示す3気筒エンジンでは、ポンピングエネルギおよび始動アシストトルクがいずれも高いクランク角度の範囲が「所定範囲外」となるように所定範囲を定めることができる。例えば、図3の2気筒エンジンでは、60CA以上300CA(−60CA)以下のクランク角度の範囲を所定範囲とすれば、所定範囲外でエンジン1が停止するときにK0クラッチ4を開放することで、次回のエンジン始動に必要なアシストトルクを低減させることが可能となる。
【0051】
図1および図8を参照して、本実施形態の動作について説明する。図1に示す制御フローは、例えば、エンジン1の運転中に実行されるものであり、所定の間隔で繰り返し実行される。図8は、本実施形態の制御に係るタイムチャートである。図8において、(a)はスロットル開度、(b)は回転数、(c)はサージタンク圧、(d)はクランク角度、(e)はK0クラッチ4のクラッチ圧を示す。(b)には回転電機MGの回転数Nmgおよびエンジン回転数Neが示されている。
【0052】
図1のステップS1では、ECU30により、着火始動基本条件が成立しているか否かが判定される。着火始動基本条件は、(1)間欠可能であること、(2)着火始動可能な水温であることを含む予め定められた条件が全て満たされる場合に成立する。ステップS1の判定の結果、着火始動基本条件が成立していると判定された場合(ステップS1−Y)にはステップS2に進み、そうでない場合(ステップS1−N)にはステップS6に進む。
【0053】
ステップS2では、ECU30により、エンジン停止処理中であるか否かが判定される。ECU30は、エンジン1の停止要求がなされてエンジン1を停止する制御の実行中であるかを判定する。ECU30は、エンジン停止処理が開始されると、K0クラッチ4に対する供給油圧をそれまでの係合油圧Ck0から所定油圧Tk0に低下させる。所定油圧Tk0は、エンジン1の回転数を低下させるときのK0クラッチ4のトルク容量に対応する。係合油圧Ck0は、K0クラッチ4を完全係合させておくことができる供給油圧であり、エンジン回転数Neと回転電機MGの回転数Nmgとを等しくすることができる油圧である。図8では、時刻t1においてエンジン停止処理が開始される。
【0054】
所定油圧Tk0は、例えば、エンジン1のメカフリクションに基づいて定められる。一例として、所定油圧Tk0は、クラッチトルクT3の大きさが、メカフリクションによるトルク(フリクショントルクT2)と同じ大きさとなるように定められる。このようにした場合、クラッチトルクT3とフリクショントルクT2とは、クランクシャフト1aが正方向に回転しているときは互いに打ち消し合う。つまり、クランクシャフト1aに対するフリクショントルクT2による抵抗が小さなものとなり、ポンピングエネルギの変化が小さいクランク角度の領域であっても、ポンピングエネルギが低下する回転方向にクランクシャフト1aが回転しやすくなる。よって、空気ばねによるトルクT1と他のトルクとがポンピングエネルギの高い位置で釣り合って停止してしまうことが抑制される。
【0055】
また、ECU30は、エンジン停止処理では、エンジン1に対する燃料の供給を停止し、スロットル開度を増加させる。燃料の供給がカットされることで、エンジン回転数Neは時刻t1から低下し始める。スロットル弁が開かれることにより、時刻t1からサージタンク圧が上昇を開始する。サージタンク圧が回復することで、エンジン停止時の筒内の新気量が増加し、酸素濃度が高くなる。よって、次回着火始動等にエンジン1を再始動するときの始動性が向上する。ステップS2の判定の結果、エンジン停止処理中であると判定された場合(ステップS2−Y)にはステップS3に進み、そうでない場合(ステップS2−N)にはステップS6に進む。
【0056】
ステップS3では、ECU30により、エンジン1が停止したか否かが判定される。ECU30は、エンジン回転数の絶対値が所定値α以下である場合に、エンジン1が停止したと判定することができる。この所定値αは、エンジン1の回転が停止しかけていると判定できる値であっても、エンジン1の回転が完全に停止したと判定できる値であってもよい。ステップS3の判定の結果、エンジン1が停止したと判定された場合(ステップS3−Y)にはステップS4に進み、そうでない場合(ステップS3−N)にはステップS6に進む。
【0057】
ステップS4では、ECU30により、現在のクランク角が着火始動可能範囲外であるか否かが判定される。本実施形態では、着火始動可能範囲が所定範囲に相当する。着火始動可能範囲は、例えば、始動アシストトルクが予め定められた所定トルク以下であるクランク角度の範囲とすることができる。所定トルクは、エンジン冷却水温、車速、回転電機MGが出力可能なアシストトルク、回転電機MGの温度、バッテリの蓄電量等に基づいて可変とされてもよい。
【0058】
ECU30は、クランク角センサ21の検出結果に基づいて現在のクランク角を取得することができる。ECU30は、現在のクランク角が着火始動可能範囲外のクランク角度である場合にステップS4で肯定判定を行う。
【0059】
なお、ステップS4において、エンジン1の回転が停止する前に停止時のクランク角度を予測し、着火始動可能範囲のクランク角度でエンジン1が停止するか否かを判定するようにしてもよい。ECU30は、例えば、下記式(1)により停止時の予測クランク角度θNe=0を算出することができる。
θNe=0 = θ−(1/2)×dθ/dt×t …(1)
ここで、θはクランク角度、(dθ/dt)は、エンジン回転数(dθ/dt)の変化率である。
【0060】
ECU30は、停止時の予測クランク角度θNe=0が着火始動可能範囲外のクランク角度である場合、すなわち予測したクランク角度が所定範囲外のクランク角度である場合にステップS4で肯定判定を行うことができる。この場合、エンジン1の回転が停止する前にK0クラッチ4を開放することができる。
【0061】
ステップS4の判定の結果、現在のクランク角が着火始動可能範囲外であると判定された場合(ステップS4−Y)にはステップS5に進み、そうでない場合(ステップS4−N)にはステップS6に進む。
【0062】
ステップS5では、ECU30により、停止位置補正制御の実行条件成立がセットされる。ECU30は、K0クラッチ4を開放して停止位置を補正する停止位置補正制御の実行条件成立を示すフラグxstpcntrunをONにセットする。ECU30は、フラグxstpcntrunがONにセットされると、係合していたK0クラッチ4を開放する。ECU30は、K0クラッチ4の供給油圧を所定油圧Tk0から開放油圧(例えば0)に低下させる。図8では、時刻t2においてK0クラッチ4が開放される。
【0063】
K0クラッチ4の開放により、0CAのクランク角度で既に停止し、あるいは停止しかけていたエンジン1のクランク角度が目標停止範囲のクランク角度に移動する。エンジン1は、空気ばねで自ら動き始め、ポンピングエネルギの安定な位置に収まる。目標停止範囲は、例えば、着火始動可能範囲と同じクランク角度の範囲であってもよく、あるいは着火始動可能範囲内の一部のクランク角度の範囲であってもよい。
【0064】
なお、エンジン1の回転が停止すると、筒内の圧力が抜け空気ばねのばね力が低下する。エンジン1の回転位置を移動させるには、空気ばねのばね力が十分にあるときにK0クラッチ4を開放することが望ましい。このため、K0クラッチ4は、例えば、エンジン1の回転が完全に停止する前に開放されることが好ましい。また、K0クラッチ4がエンジン1の停止後に開放される場合、適度のばね力が残っている間、例えばエンジン1の停止後所定時間が経過する前のタイミングでK0クラッチ4が開放されることが好ましい。所定時間は、1〜2秒とすることができる。
【0065】
なお、エンジン1の停止後は時間の経過と共にばね力が低下することから、これを利用して、エンジン1の停止位置と目標停止範囲とのずれ量に応じてK0クラッチ4を開放するタイミングが可変とされてもよい。例えば、エンジン1の停止位置が目標停止範囲から大きく離れているときにはエンジン1の停止後の経過時間が短いタイミングでK0クラッチ4を開放するようにすれば、大きなばね力でエンジン1を回転させることができる。一方、エンジン1の停止位置が目標停止範囲に近い場合にはエンジン1の停止後の経過時間を長目にとったタイミングでK0クラッチ4を開放するようにすれば、小さなばね力でエンジン1を回転させることができる。ステップS5が実行されると、本制御フローは終了する。
【0066】
ステップS6では、ECU30により、停止位置補正制御の実行条件の不成立がセットされる。ECU30は、停止位置補正制御の実行条件を示すフラグxstpcntrunをOFFにセットする。現在のクランク角が着火始動可能範囲内である(S4−N)と判定されてステップS6に進んだ場合、そのエンジン停止位置でK0クラッチ4が開放される。このときのK0クラッチ4開放のタイミングは、エンジン1の停止後筒内の圧力が抜けた後とされる。これにより、K0クラッチ4が開放されてもエンジン1は回転せず、着火始動可能範囲内のクランク角度で停止したままとなる。ステップS6が実行されると、本制御フローは終了する。
【0067】
このように、本実施形態の車両制御装置1−1によれば、エンジン1の再始動時に着火始動を可能とし、かつ着火始動の始動アシストトルクを低減できるように停止位置補正制御が実行される。よって、着火始動によりエンジン1を始動する機会を増加させることができ、回転電機MGのトルク負担を軽減することができる。また、着火始動時の始動エネルギが低下し、燃費の向上が実現される。
【0068】
なお、停止位置補正制御は、着火始動によりエンジン1を始動する場合に限らず実行可能である。例えば、次回K0スリップ始動によりエンジン1が始動される場合に、停止位置補正制御が実行されてエンジン1の回転位置が所定範囲内とされてもよい。
【0069】
なお、本実施形態の所定油圧Tk0は、クラッチトルクT3の大きさが、フリクショントルクT2の大きさと等しくなる油圧とされたが、これに限らず、クラッチトルクT3の大きさが、フリクショントルクT2の大きさよりもわずかに小さくなるようにされても、これとは逆にクラッチトルクT3の大きさがフリクショントルクT2の大きさよりもわずかに大きくなるようにされてもよい。
【0070】
本実施形態では、エンジン1の停止制御の開始(時刻t1)前からエンジン1が停止するまでK0クラッチ4が係合状態に維持されたが、これに代えて、エンジン1の停止制御の開始前後に一旦K0クラッチ4が開放され、エンジン1の停止前にK0クラッチ4が所定油圧Tk0で係合されてもよい。また、このときのK0クラッチ4の係合タイミングは、エンジン1が目標停止範囲のクランク角度で停止しやすくなるタイミングとされてもよい。K0クラッチ4の適切な係合タイミングは、予め適合実験等により定めておくことが可能である。
【0071】
また、エンジン1の停止制御の開始後に一旦K0クラッチ4に対する供給油圧を所定油圧Tk0よりも低い油圧としておき、エンジン1の停止前に供給油圧を所定油圧Tk0まで上昇させてもよい。このときの供給油圧上昇のタイミングは、エンジン1の停止前にK0クラッチ4を再係合するときの係合タイミングと同様の効果を狙って定めることができる。
【0072】
また、本実施形態では、予め係合しておいたK0クラッチ4を開放することでエンジン1の停止位置を移動させたが、開放することによってエンジン1の停止位置を移動させるクラッチは、K0クラッチ4に限定されない。例えば、エンジン1のクランクシャフト1aとクラッチ(以下、「補機クラッチ」と称する。)を介して動力を伝達する補機を備える場合に、エンジン1の回転が停止するときに、予め係合しておいた補機クラッチを開放することで、停止したエンジン1あるいは停止しかけているエンジン1の停止位置を移動させることが可能である。この場合の連結要素は、補機クラッチを介してエンジン1と接続される補機である。補機としては、例えば、オルタネータ、エアコンのコンプレッサ等を例示することができる。
【0073】
このように、本実施形態の車両制御は、クラッチを介してエンジン1と連結される連結要素を備えたハイブリッド車両100において実施可能である。この連結要素は、エンジン1に対する負荷として作用するものであっても、エンジン1に対してエンジン1を回転駆動する駆動トルクを与えることができるものであってもよい。すなわち、連結要素は、エンジン1が停止する時にエンジン1との間に配置されたクラッチにトルクが作用する状態とすることができるものである。これにより、クラッチを開放することでトルクのバランスを変化させ、エンジン1を回転させるトルクを発生させることが可能となる。
【0074】
上記の実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0075】
1−1 車両制御装置
1 エンジン
4 K0クラッチ
11 駆動輪(車輪)
MG 回転電機
T1 空気ばねによるトルク
T2 フリクショントルク
T3 クラッチトルク
100 ハイブリッド車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車両に搭載された、直噴式のエンジンと、連結要素と、前記エンジンと前記連結要素とのトルクの伝達を断接するクラッチと、を備え、
前記エンジンを停止するときに前記クラッチが係合した状態で前記エンジンの回転数を低下させ、前記エンジンの回転が停止するクランク角度が所定範囲外のクランク角度である場合、前記クラッチを開放する
ことを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
前記連結要素は、回転電機であり、前記クラッチよりも駆動輪側に配置されている
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記所定範囲は、前記エンジンを始動するときの始動エネルギが小さいクランク角度の範囲である
請求項1または2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記エンジンの回転数を低下させるときの前記クラッチのトルク容量は、前記エンジンのフリクショントルクに基づく
請求項1から3のいずれか1項に記載の車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−96232(P2013−96232A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236513(P2011−236513)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】