説明

車両外装ガーニッシュ

【課題】夜間等の灯火時においてその付加価値及び個性を高めることができるイルミネーション照明部を設ける一方で、昼間等の不灯火時にはその照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を有する車両外装ガーニッシュを提供する。
【解決手段】車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュ1であって、リフレクタ3と、リフレクタ3に形成された複数の光漏洩部3hの列に沿うようにリフレクタ3の裏側に配置された導光板5と、その一端部5Aから光を入射する光源6とを備え、導光板5によって導かれる光がリフレクタ3の複数の光漏洩部3hから外側に漏洩し、外側のレンズ部材4を通じて外部にイルミネーション形態で照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
ガーニッシュとは、車の見栄えをよくするための飾り部品であり、例えば車両のボディ前面に配置されるフロントグリル等がある。従来、フロントグリルで点灯させる照明部は、シンボルマーク部分の両端に例えば2個の光源を埋め込んで照明する程度のものしかなく、フロントグリルの左右方向のスペースを生かしたイルミネーション機能を果たすものは存在していない。また、従来のものは、昼間等の不灯火時に、LED等のランプ部分(カバー等)が外部から見えてしまうような、取って付けたような構造であるため、スマートさに欠ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−296344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、夜間等の灯火時においてその付加価値及び個性を高めることができるイルミネーション照明部を設ける一方で、昼間等の不灯火時にはその照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を有する車両外装ガーニッシュを提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の車両外装ガーニッシュは、
車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュであって、
ガーニッシュの内側の構造体である長手状のハウジングと、
ハウジングの外側に対向するように配置されてハウジングと一体化され、少なくとも該ハウジングに対向する面とは反対側の面が鏡面状メッキ面とされた長手状をなし、その長手方向に沿って所定の間隔で複数の光漏洩部が形成されたリフレクタと、
リフレクタのさらに外側に対向するように配置されてハウジング及びリフレクタと一体化された、外部に対する光の発光面である長手状のレンズ部材と、
リフレクタに形成された複数の光漏洩部の列に沿うように、該リフレクタの裏側に配置された導光部材と、
導光部材の少なくとも一端部に対応して配置され、その導光部材へ光を入射する光源と、
を備え、導光部材によって導かれる光がリフレクタの複数の光漏洩部から漏洩し、レンズ部材を通じて外部にイルミネーション形態で照射されることを特徴とする。
【0006】
上記本発明の構成によれば、フロントグリル等のような、車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状のガーニッシュにおいて、その長手方向のスペースを利用する形で、長手状のイルミネーション照明部を設けることができる。これにより、夜間等の灯火時には、車両のボディ外面に、長手状に灯火されるイルミネーション照明が実現され、拡がりのある照明形態、及び動的効果のある照明を行うことができる。他方、不灯火時には、外部からはリフレクタ部が見えるだけであり、リフレクタ部は反射面として構成されるため、不灯火時においても、照明部等を意識させない、スマートな意匠外観を得ることができる。
【0007】
なお、本発明の光漏洩部は、必ずしも物理的な空間(孔)である必要は無く、少なくとも光を透過する部分であればよい。例えば光漏洩部は透明な部材によって構成されていてもよい。
【0008】
上記本発明において、リフレクタは、光漏洩部から漏洩した光をレンズ部材を突き抜けるように反射させて該レンズ部材から外部に出射する反射面を備えて構成することができる。この構成によれば、導光部材から出射される光は、反射面に反射した上で外部に出射するので、導光部材を外部からの光を直接外部に直接出射させる必要がなくなるため、導光部材を外部から視認し難い位置に配置しやすい。また、リフレクタにおいて、ハウジングに対向する面とは反対側の面は、鏡面状メッキ面とされているため、この鏡面状メッキ面を反射面として利用することで、意図的に反射面を形成する手間を省略できる。
【0009】
上記本発明において、リフレクタは、自身の長手方向に直角な断面において、レンズ部材にほぼ平行に対向する部分から該レンズ部材から遠ざかるように屈曲する段部を有し、その段部に所定の間隔で複数の光漏洩部が形成され、さらにその段部に近接して、光漏洩部から漏洩した、レンズ部材の裏面に沿った光を該レンズ部材を突き抜けるように反射させて該レンズ部材から外部に出射する反射面を備え、レンズの外部からは導光部材がリフレクタの裏面に隠れて見えない位置に配置することができる。この構成によると、昼間等の不灯火時には、光漏洩部も導光部材も外部からはほとんど見えず、リフレクタの鏡面(意匠面)が見えるだけなので、昼間でも(非照明時でも)違和感なく、本来の意匠を阻害しない。
【0010】
なお、本発明において、レンズ部材にほぼ平行とは、レンズ部材に対する±20度程度の角度誤差を許容するものとして定める。
【0011】
上記本発明におけるリフレクタの光漏洩部は、リフレクタの肉厚を貫通して形成され、レンズ部材の裏面に沿った方向に開口する光漏洩孔であり、導光部材からの光がその光漏洩孔を通過し、かつリフレクタの反射面で反射した光がレンズ部材を通過して外部に照射されるように構成できる。この構成によると、リフレクタの光漏洩部を、リフレクタを貫通する貫通孔として容易に形成できる。また、導光部材は、リフレクタの裏側に配置されるため、レンズ部材の裏面に沿った方向に開口する光漏洩孔から直接視認できないように配置できる。
【0012】
上記本発明のガーニッシュは、車両のフロントグリルを構成するものであり、フロントグリルの中央に関して左右対称となるようにリフレクタ及びレンズ部材が設けられ、導光部材はそのフロントグリルの中央に関して左右対称にそれぞれ配置され、各導光部材の一端部又は両端部に対応して光源を配置することができる。この構成によると、車両フロント部に設けられるフロントグリルに、その中央に対し左右対称にイルミネーション照明を設けることができるから、車両の意匠性を高めることができる。
【0013】
また、この場合、フロントグリルの中央に関して左右対称に配置される導光部材において、その一端部にのみ光源を配置してもよい。これにより、グリル左右方向において、導光部材は、光源側の端部側ほど高輝度に発光し、その逆側に向かうほど輝度が減じられるような発光状態となるため、光のグラデーションを表現することが可能となり、より高い意匠性を実現できる。例えば、グリル左右方向の中央側の端部にのみそれぞれ光源を配置する、あるいはグリル左右方向の外側の端部にのみそれぞれ光源を配置することにより、グリルの左右において、対称性を有する光のグラデーションを表現することができ、より高い意匠性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図。
【図2】図1の車両外装ガーニッシュの分解斜視図。
【図3】図1の車両外装ガーニッシュのA−A断面図。
【図4】導光板の出光面を説明する模式断面図。
【図5】本発明の車両外装ガーニッシュの車両への組み付け例を示す図。
【図6】本発明の第二実施形態である車両外装ガーニッシュの正面図。
【図7】本発明の第三実施形態である車両外装ガーニッシュの正面図。
【図8】本発明の第四実施形態である車両外装ガーニッシュの断面図。
【図9】本発明の第五実施形態である車両外装ガーニッシュの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の車両外装ガーニッシュの一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態である車両外装ガーニッシュの非発光時の状態を示す正面図と、発光時の状態を示す正面図であり、図2は、図1の車両外装ガーニッシュの分解斜視図であり、図3は、図1の車両外装ガーニッシュのA−A断面図である。
【0017】
図1の車両外装ガーニッシュ1は、車の見栄えをよくするための飾り部品であり、ここでは車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状をなす。本実施形態のガーニッシュ1は、その外表面40(図3参照)が下方ほど前方に突出する形で傾斜する傾斜面をなす形で車両フロント側に取り付けられる、車両のフロントグリル(図5(a)参照)である(以下、フロントグリル1とも言う)。ここではさらに、中央部1Eが車両前方に突出するとともに、その中央部から続くグリル長手方向両端部1R,1L側が車両の斜め後方に延出する形で形成されている。
【0018】
図1の車両外装ガーニッシュ1には、長手状のイルミネーション照明部が形成されており、このイルミネーション照明部は、外側から、レンズ(レンズ部材)4、リフレクタ3、光源ユニット(光源部)7、ハウジング2を備える形でその機能を実現する。本実施形態においては、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称となるようにリフレクタ3及びレンズ4が形成されている。また、光源ユニット7は、リフレクタ3の裏側に位置し、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称にそれぞれ配置される。即ち、ガーニッシュ1の中央に関して左右対称にそれぞれ導光板5が配置され、各導光板5の一端部又は両端部に対応して光源6が配置される。
【0019】
ハウジング2は、合成樹脂製であり、長手状をなしたガーニッシュ1の内側の構造体であり、外側のリフレクタ3及びレンズ4を一体的に固定する。
【0020】
リフレクタ3は、ハウジング2の外側に対向し、その外面3aが下方ほど前方に突出する傾斜面をなすような形で配置され、ハウジング2と一体的に固定される。このリフレクタ3は、基材3Mの少なくともハウジング2に対向する面3bとは反対側の面3aが鏡面状メッキ層3mを有した鏡面状メッキ面とされた長手状をなし、その長手方向に沿って所定の間隔(ここでは等間隔)で複数の光漏洩部3hが形成される。ここでの基材3Mは、その一例として、透光性部材(ここではアクリル、ABS、ポリカーボネート等の透明樹脂材料)を用いているが、これに限るものではない。また、ここでは、ハウジング2とは反対側の面3aのみが、金属性材料(アルミなど)の蒸着処理やスパッタリング処理、湿式メッキ処理によって形成された鏡面状メッキ面とされている。
【0021】
レンズ4は、中間部材3のさらに外側に対向するように配置される。レンズ4は、長手状に形成された、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどの光透過性を有する透光性部材(ここでは透明樹脂部材)であり、外部に対する光の発光面を有する。なお、本実施形態の車両外装ガーニッシュ1において、レンズ4の中央部は、ガーニッシュ1における光不透過部となるよう、ここでは別体形成されたシンボルマーク部分をなすエンブレム部1Eが取り付けられている。また、本実施形態におけるレンズ4は、上下端部がハウジング2側に屈曲しており、その裏面側(内側)に位置するリフレクタ3も同様に、上下端部がハウジング2側に屈曲しており、その屈曲部3Cの表面3c(鏡面状メッキ面3a)も、レンズ4の外表面40を通して視認可能となっている。
【0022】
光源ユニット7は、リフレクタ3の裏面3b側に、リフレクタ3の長手方向に沿って配置された導光板(導光部材)5と、その導光板5に光を供給する光源6とを有して構成される。導光板5に導かれた光は、リフレクタ3に設けられた複数の光漏洩部3hから外側に漏洩し、レンズ4を通じて外部にイルミネーション形態で照射される。本実施形態の光源ユニット7は、車両外装ガーニッシュ1の中央に対し左右に対称をなす形でそれぞれが配置されるとともに、ガーニッシュ1の幅方向(ガーニッシュ1の長手方向及び厚さ方向に対し垂直な方向)に複数形成されている(ここでは左右両側に上下2つずつ)。
【0023】
導光板5は、透光性の高い材料、例えばアクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂成形体とすることができる。導光板5は、リフレクタ3に形成された複数の光漏洩部3hの列に沿って棒状に形成されるとともに、リフレクタ3の裏側に配置されて、光漏洩部3hからリフレクタ3の外側に光を通過させる。導光板5は、外部から直接視認することが困難な位置に配置されており、ここでは少なくとも外部に立つ人の目線(ここでは1m40cm程度の目線高さとする)から直接視認できない位置に配置されている。さらにここでは、光漏洩部3h自体も外部に立つ人の目線から直接視認できない位置に配置されている。
【0024】
光源6は、導光板5の一端部5A(又は5B)に対応して配置され、導光板5へと光を入射する。即ち、光源6からの光は、導光板5の側端面から導光板5内に入射され、その入射光が導光板5内で反射を繰り返しながら逆側の側端面へと伝播しつつ、光漏洩部3hに対向する導光板5の所定の出光面から出射する。ここでは直方体状をなしてリフレクタの長手方向に延びる導光板5の光漏洩部3h側端面が出光面5aとされており、当該面5aは、光を漏洩させるために長手方向に連続形成される複数の孔や傷、溝、あるいはスリットが意図的に形成された粗面とされている。
【0025】
導光板5は、図4(a)のように、その外周面のうち出光面5aとは異なる残余の面5bの外側が、反射部材8によって取り囲まれており、反射部材8の内面8bとして形成された反射面によってそれら残余の面5bから漏れる光が反射し、それらの反射光が最終的に出光面5aから出射することで、出光面5aから出射する光量を増している。また、導光板5において、図4(b)のように、出光面5aの裏面に相当する面5c(5b)を、光源6が配置される側方を臨む面(ここでは光源6側の側方を臨む傾斜面)5dが繰り返し形成された凹凸面として形成して、光源6から側方から伝播してくる光を、その側方側を向く面5dによって反射して、出光面5aから出射するようにしてもよい。なお、反射部材8及び凹凸面5cは、いずれか又は双方を設けることができるが、出光面5aから出射する光量が十分であればそれらは省略してもよい。
【0026】
なお、光源6には、ここではLEDが使用されているが、蛍光灯、冷陰極管等としてもよい。
【0027】
本実施形態においては、導光板5がガーニッシュ1の中央に関して左右対称に配置されており、その一端部5A(又は5B)にのみ光源6が配置されている。これにより、ガーニッシュ1の左右方向において、導光板5は、光源6の点灯時に、光源6側の端部5A側ほど高輝度に発光し、その逆側の端部5Bに向かうほど輝度が減じられるような発光状態となり、導光板5全体で光のグラデーションが表現される。ここでの光源6は、左右双方の導光板5,5に対し、ガーニッシュ1の中央側端部5Aにのみ配置され、ガーニッシュ1の中央側から導光板5へと光を入射するため、ガーニッシュ1の中央側ほど明るくなる光のグラデーションが表現される。
【0028】
光源6は、ここではLEDを実装した基板とされており、フロントグリル1の中央部に設けられた光不透過部をなすエンブレム部1Eの裏側に位置し、ワイヤハーネス6hを介して別のプリント基板に接続されている。このプリント基板は、エンブレム部1Eの裏側、より具体的にいえば、エンブレム部1Eの裏面側に位置するハウジング2の裏面側に配置される。この場合、光源6がフロントグリル1の中央部寄りに配置されるためハーネス6hの長さも短くて済む。レンズ2及び中間部材3には、中央部に開口(図示なし)が形成され、その開口奥側に位置するハウジング2の表面側中央部に、エンブレム部1Eと取付け部が形成されており、エンブレム部1Eは、この取付け部に取り付けられ、レンズ2の中央開口を覆う形で配置される。
【0029】
ここで、リフレクタ3についてさらに詳細に説明する。
【0030】
リフレクタ3は、レンズ4が光透過性を有する部材(ここでは透明な部材)からなるため、その表面3aが実質的な意匠面として、外部から視認される。また、本実施形態のリフレクタ3は、自身の長手方向に直角な断面(図3参照)において、外表面40が傾斜面をなすレンズ4にほぼ平行に対向するリフレクタ3の主面部3Aから該レンズ4から遠ざかるように屈曲する段部3Dを有する。そして、その段部3Dに、リフレクタ3の長手方向において所定の間隔で複数の光漏洩部3hが形成されるとともに、その段部3Dに近接して、光漏洩部3hから漏洩した、レンズ4の裏面に沿った光を該レンズ4を突き抜けるように反射させて該レンズ4から外部に出射する反射面3rを有する。
【0031】
なお、本発明において、レンズ部材4にほぼ平行とは、レンズ部材4に対する±20度程度の角度誤差を許容するものとして定める。
【0032】
また、ここでのリフレクタ3の光漏洩部3hは、リフレクタ3の肉厚を貫通して形成され、レンズ部材4の裏面に沿った方向に開口する光漏洩孔であり、リフレクタ3の裏面側に固定設置された導光板5からの光が、その光漏洩孔3hを通過し、かつリフレクタ3の所定の反射面3rで反射した光がレンズ部材4を通過して外部に照射されるように構成されている。
【0033】
具体的にいえば、光漏洩部3hは、リフレクタ3において導光板5に近接して形成された、レンズ4側に光を漏洩させる間欠的な複数の孔、または連続的なスリットが設けられ、少なくとも車両の下方を臨む形で開口している。ここでの光漏洩部3hは、そこから漏洩する光の漏洩方向が、レンズ4の裏面に沿った方向、即ち車両の外側(ここでは車両前方側)の斜め下方向きとなるよう開口している。
【0034】
他方、反射面3rは、光漏洩部3hから外側(ここでは車両前方側)に漏洩した光が、少なくともレンズ4側に反射するよう少なくとも車両の外側(前方側)を臨む面として設けられており、ここでは、その反射面3rが、車両の外側(前方側)の斜め上方向きの面、あるいは上方を臨む面として設けられている。
【0035】
また、リフレクタ3には、レンズ4にほぼ平行に対向してその外表面がリフレクタ3の最外面(最前面)となる主面部3Aに、リフレクタ3の長手方向沿って所定の間隔(ここでは等間隔)で開口する複数の窓部3Hが形成されており、その窓部3H内に上記段部3Dが形成されている。段部3Dは、リフレクタ3の幅方向(リフレクタ3の長手方向及び肉厚方向に対し垂直な方向)において窓部3Hの一方の側の開口縁部3H1から、レンズ4から遠ざかるよう屈曲する形で延出する段底面部3Rと、その段底面部3Rのレンズ4とは逆側から当該窓部3Hの一方の側とは逆側の開口縁部3H2に向けて立上る形で延出する段立面部3Pとを有して形成される。光漏洩部3hは、段部3Dを形成する段立面部3Pの延出方向先端3P2と、窓部3Hの開口縁部3H2との間の隙間として形成される。反射面3rは、段底面部3Rの四角形状の外側表面3aに形成されており、光源6の点灯時には外部から四角形状の光が視認される。
【0036】
また、本実施形態において、リフレクタ3の外側の表面(ハウジングに対向する面とは反対側の面)は、鏡面状メッキ面として形成されているため、当然主面部3A及び段部3Dの外側表面3aも鏡面状メッキ面として形成されているから、この段部3Dの外側表面3aを反射面3rとして利用している。
【0037】
また、本実施形態において、光漏洩部3hから外側(ここでは車両前方側)に漏洩した導光板5からの光は、段部3Dを形成する段底面部3Rと、段立面部3Pと、レンズ4との間に形成される空間3s内を通過し、当該空間内において段底面部3Rの反射面3rにてレンズ4に向けて反射する。なお、本実施形態においては、リフレクタ3の幅方向に導光板5が2列配置されており、それぞれに対応する段部3Dを有し、それぞれに対応する空間3sを有し、それら3sは、リフレクタ3とレンズ4との間に設けられた空間3Sの一部をなしている。リフレクタ3とハウジング2との間にも空間3Tを有しており、光漏洩部3hを介して空間3Sと連通し、これらの空間3S,3Tは外部に対して密閉状態とされることにより、防水されている。
【0038】
このように構成されることで、本実施形態の車両外装ガーニッシュをなすフロントグリル1は、日中等の不灯火時には通常のレンズ型グリルとして見えるが、夜間等の灯火時にはイルミネーショングリル(光るグリル)として使用できる。本実施形態においては、夜間等の灯火時に、フロントグリル1の中央部を除く左右両側に、左右方向に連続する複数の輝点(発光面)が連なって視認される。ここでは四角形状の発光面が連続した列として視認される。
【0039】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。
【0040】
上記実施形態における車両外装ガーニッシュ1は、図5(a)のような車両100のフロントグリル(ラジエータグリル)であったが、適用対象はこれに限らず、図5(c)及び図5(d)のような車両後部のリヤガーニッシュ1(例えば、図5(c)のように車両100の後部の上縁部やバンパーとリアガラスの間の中間部等に車両左右方向に設けられる、あるいは図5(d)のように車両100の後部の左右の縁に車両上下方向に一対設けられる)に適用すること、図5(b)のような車両側部のサイドガーニッシュ1(車両100のサイド(例えばドア部)の中間高さを車両前後方向に延びるように付加するもの、車両100のサイドの上縁部(天井との境界)に車両前後方向に延びるように付加するもの、車両100のサイドの下縁部に車両前後方向に延びるように付加するもの)等にも適用することも可能である。
【0041】
上記実施形態における光源6は、導光板5の一端部5Aに対応して配置されているが、図7に示すように、他方の端部5Bに対応して配置し、光のグラデーションを逆向きに表現してもよい。また、図6に示すように、導光板5の双方の端部5A,5Bに設け、導光板5の全体の発光強度を高めてもよい。
【0042】
上記実施形態における光漏洩部3hは、物理的な空間(孔)として形成されているが、必ずしも物理的な空間(孔)として形成される必要は無く、少なくとも光を透過する部分であればよい。例えば光漏洩部3hは透明な部材によって構成されていてもよい。具体的にいえば、図8のように、リフレクタ3を、例えばアクリル、ポリカーボネート等の透明樹脂材料を基材として、その少なくともハウジング2に対向する面(内面)3bとは反対側の面(外面)3aのうち光漏洩部3hを除く部分に、金属性材料(アルミなど)の蒸着処理やメッキ処理によって、鏡面状メッキ面を形成するようにしてもよい。これにより、上記実施形態において、物理的な空間(孔)として形成されていた光漏洩部3hは、リフレクタ3の基材をなす透明部材によって充填された状態となり、その部分から光を漏洩させることができる。
【0043】
上記実施形態における反射面3rは、段部3Dを形成する段底面部3Rの外側の表面3aに形成されているが、同じ段部3Dを形成する段立面部3Pを、光漏洩部3hから漏れる光をその外側表面にて反射可能な方向に延出形成すれば、その外側表面も反射面3rとすることができる。
【0044】
上記実施形態における導光板5は、リフレクタ3の裏面に固定設置されているが、リフレクタの裏側に位置していればよく、例えばリフレクタ3の裏側に位置するハウジングに対し固定設置されていてもよい。この場合、例えば図9のように、ハウジング2の表面2a上に反射部材8を固定設置し、その反射部材8に導光板5を固定設置するようにしてもよい。図9の場合は、導光板5の出光面5aを除く外周面が、L字状断面を有する反射部材8の反射面及びリフレクタ3の裏面に取り囲まれている。
【符号の説明】
【0045】
1 車両外装ガーニッシュ
2 ハウジング
3 リフレクタ
3a リフレクタの外側表面(鏡面状メッキ面)
3b リフレクタの裏面
3r 反射面
3h 光漏洩部
3A リフレクタの主面部
3D 段部
3H リフレクタの窓部
3R 段底面部
3P 段立面部
4 レンズ(レンズ部材)
40 意匠面(レンズ4の外表面)
5 導光板
6 光源
7 光源ユニット(光源部)
8 反射部材
5A 導光板の一端部
5B 導光板の他端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のボディ外面に装飾用の意匠面を形成する長手状の車両外装ガーニッシュにおいて、
そのガーニッシュの内側の構造体である長手状のハウジングと、
そのハウジングの外側に対向するように配置されて前記ハウジングと一体化され、少なくとも該ハウジングに対向する面とは反対側の面が鏡面状メッキ面とされた長手状をなし、その長手方向に沿って所定の間隔で複数の光漏洩部が形成されたリフレクタと、
そのリフレクタのさらに外側に対向するように配置されて前記ハウジング及びリフレクタと一体化された、外部に対する光の発光面である長手状のレンズ部材と、
前記リフレクタに形成された前記複数の光漏洩部の列に沿うように、該リフレクタの裏側に配置された導光部材と、
その導光部材の少なくとも一端部に対応して配置され、その導光部材へ光を入射する光源と、
を備え、その導光部材によって導かれる光が前記リフレクタの複数の光漏洩部から漏洩し、前記レンズ部材を通じて外部にイルミネーション形態で照射されることを特徴とする車両外装ガーニッシュ。
【請求項2】
前記リフレクタは、自身の長手方向に直角な断面において、前記レンズ部材にほぼ平行に対向する部分から該レンズ部材から遠ざかるように屈曲する段部を有し、その段部に所定の間隔で複数の前記光漏洩部が形成され、さらにその段部に近接して、前記光漏洩部から漏洩した、前記レンズ部材の裏面に沿った光を該レンズ部材を突き抜けるように反射させて該レンズ部材から外部に出射する反射面を備え、前記レンズの外部からは前記導光部材が前記リフレクタの裏面に隠れて見えない位置に配置されている請求項1に記載の車両外装ガーニッシュ。
【請求項3】
前記リフレクタの光漏洩部は、そのリフレクタの肉厚を貫通して形成され、前記レンズ部材の裏面に沿った方向に開口する光漏洩孔であり、前記導光部材からの光がその光漏洩孔を通過し、かつ前記反射面で反射した光が前記レンズ部材を通過して外部に照射される請求項2に記載の車両外装ガーニッシュ。
【請求項4】
前記車両外装ガーニッシュは車両のフロントグリルを構成するものであり、フロントグリルの中央に関して左右対称となるように前記リフレクタ及びレンズ部材が設けられ、前記導光部材はそのフロントグリルの中央に関して左右対称にそれぞれ配置され、各導光部材の一端部又は両端部に対応して前記光源が配置される請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両外装ガーニッシュ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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