車両情報報知装置
【課題】運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能な車両情報報知装置を提供する。
【解決手段】情報出力制御部20が、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているか否かを探索し、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び情報提供♯1及び情報提供♯2を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なう。これにより、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【解決手段】情報出力制御部20が、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているか否かを探索し、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び情報提供♯1及び情報提供♯2を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なう。これにより、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転者に情報を報知する装置が提案されている。例えば、特許文献1には、複数の異常が同時に発生したときには、最も重要度の高いものを表示するとともに、発生した異常の数をも表示するようにし、さらに最優先のもの以外の他の異常内容もスイッチ操作により順次切替えて表示を行う車両の異常状態表示装置が開示されている。特許文献1の異常状態表示装置は、スイッチを戻した時には、異常内容の表示を最優先の異常内容の表示に復帰させる。これにより、運転者は表示された異常の他にも異常が発生していること、及び異常の数を知ることができ、しかもスイッチ操作によりすべての異常内容を簡単に確認でき、スイッチを元に戻せば、最優先の異常の表示に復帰させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−53260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、車両に搭載する機能が多様化し、各ECU(electronic control unit)で扱う故障情報の最重要のものが同時に検出されたときに、運転者に表示する優先順位を決める必要がある。すなわち、運転支援系システムの機能増加や検知範囲拡大、車載情報機器の増加に伴い、警報を含む情報提供の内容が多様化している。また、幾つもの情報提供が混在し、運転者に混乱を与える可能性が懸念される。つまり、同時に幾つもの情報が提示されたとき、一方の情報が他方の情報にかき消されてしまうことがある。そのため、運転者に必要な情報を提供できない可能性がある。
【0005】
本発明は、このような実情に考慮してなされたものであり、その目的は、同時に複数の情報が提示されたときに、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能な車両情報報知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているか否かを探索し、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なう車両情報報知装置である。
【0007】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているか否かを探索し、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なうため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、情報の属性には、運転者に期待する行動、情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、情報の報知優先度、情報の提供手段、及び情報の提供履歴が含まれる車両情報報知装置である。
【0009】
この構成によれば、車両の運転者に報知する情報の属性には、運転者に期待する行動、情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、情報の報知優先度、情報の提供手段、及び情報の提供履歴が含まれるため、当該属性に応じて情報を提供することにより、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0010】
また、本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報に含まれる報知優先度に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合、及び第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なう車両情報報知装置である。
【0011】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報に含まれる報知優先度に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合、及び第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なうため、情報の報知優先度に従って各種の報知態様で情報を報知することができ、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知する車両情報報知装置である。
【0013】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知するため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0014】
これらの場合、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、情報の属性に含まれる運転者に期待する行動及び情報の提供手段に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び第1の情報及び第2の情報のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なうことが好適である。
【0015】
この構成によれば、情報の属性に含まれる運転者に期待する行動及び情報の提供手段に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び第1の情報及び第2の情報のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なうため、運転者に期待する行動及び情報の提供手段に適した報知態様で情報を報知することができ、さらに、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0016】
また、情報の属性に含まれる情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性が、情報は故障に関する情報であることを示しているときは、運転者の能力、運転者にかかる負荷、車両の走行環境の特性、運転者が情報を提供された経験、及び運転者に対する故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、情報の報知優先度を再定義することが好適である。
【0017】
この構成によれば、故障情報属性が、提供する情報は故障に関する情報であることを示しているときは、運転者の能力、運転者にかかる負荷、車両の走行環境の特性、運転者が情報を提供された経験、及び運転者に対する故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、情報の報知優先度を再定義するため、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0018】
さらに、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報の報知優先度がいずれかが一定の閾値未満であるときは、第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処を行うことが好適である。
【0019】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報の報知優先度がいずれかが一定の閾値未満であるときは、第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処を行うため、報知優先度が低い情報がある場合については、未処理のまま報知することにより、装置の処理の負担を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の車両情報報知装置によれば、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る車両情報報知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る車両情報報知装置の全体的な動作を示すフロー図である。
【図3】第1実施形態に係る車両情報報知装置の全体的な動作を示すフロー図である。
【図4】各システムの状況に応じた報知ランクを示す表である。
【図5】ドライバーにブレーキ操作を促す表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図6】瞬間燃費を表示するマルチディスプレイを示す図である。
【図7】ドライバーにステアリング操作を促す表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図8】ドライバーに前方車両の減速に注意を促す表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図9】ドライバーにステアリング操作を促す表示と前方車両の減速に注意を促す表示とを合体させて表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図10】第1実施形態に係る車両情報報知装置の動作の詳細を示すフロー図である。
【図11】第1実施形態に係る車両情報報知装置の動作の詳細を示すフロー図である。
【図12】EPSシステムの故障を表示するマルチディスプレイを示す図である。
【図13】ECBシステムの故障を表示するマルチディスプレイを示す図である。
【図14】第2実施形態に係る車両情報報知装置の構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態に係る車両情報報知装置の動作を示すフロー図である。
【図16】第2実施形態に係る車両情報報知装置が動作を行なう状況を示す平面図である。
【図17】第3実施形態に係る車両情報報知装置の構成を示すブロック図である。
【図18】第3実施形態に係る車両情報報知装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の車両情報報知装置10aは、EPSシステム12、ECBシステム14、故障履歴蓄積部16、ドライバー個人認証部18、情報出力制御部20、過酷さレベル判断部22、表示器24、及びスピーカ/ブザー部26を備えている。本実施形態の車両情報報知装置10aは車両に搭載され、EPSシステム12及びECBシステム14といったシステムからの情報を運転者に報知するためのものである。
【0024】
EPS(電動パワーステアリング)システム12は、ステアリングの支援に電動モータを利用するものである。ECB(電子制御ブレーキ)システム14は、ブレーキペダルと車両の4輪のブレーキとを電気的に接続して構成され、各輪のブレーキを独立して最適な状態に制御するためのものである。EPSシステム12及びECBシステム14は、各システムにおいて故障(フェール)等に関する運転者に報知すべき情報が生成されたときは、当該情報を故障履歴蓄積部16に出力する。
【0025】
車両情報報知装置10aは、EPSシステム12及びECBシステム14の他にも、不図示のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)システムやLKA(レーン・キープ・アシスト)システム等の各種システムを備え、各システムは故障履歴蓄積部16に接続されている。
【0026】
故障履歴蓄積部16は、EPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された故障等の運転者に報知する情報を、当該故障等が発生した時刻とドライバー個人認証部18で認証された個々の運転者と当該故障等についての情報提供が行われた回数とを関連付けて蓄積するためのものである。
【0027】
ドライバー個人認証部18は、IDカード、指紋認証、瞳の中の虹彩認証、網膜認証、手のひらや指の血管の形を読み取る
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、声紋認証、顔形認証、及び筆跡認証などにより、個々の運転者を認証するためのものである。
【0028】
情報出力制御部20は、故障履歴蓄積部16に蓄積された故障等に関する情報の履歴と、ドライバー個人認証部18によって認証された個々の運転者とに基づいて、EPSシステム12及びECBシステム14から出力された故障等の情報を運転者に報知する態様を制御するためのものである。
【0029】
過酷さレベル判断部22は、ドライバモニタカメラ、車載レーダ、ナビゲーションシステムの地図情報、及び車載スイッチの操作状態等により、運転者にかかる負荷を計測又は推定し、EPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された情報に係る故障等の過酷さのレベルを判断するためのものである。
【0030】
表示器24は具体的にはマルチディスプレイやカーナビゲーションシステムの液晶ディスプレイであり、画像によりEPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された故障等の情報を出力するためのものである。スピーカ/ブザー部26は、音声によりEPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された故障等の情報を出力するためのものである。
【0031】
以下、本実施形態の車両情報報知装置10aの全体的な動作について説明する。図2に示すように、ドライバー個人認証部18は運転者の個人認証を実施し、運転者の性別、年齢、運転経験等の情報を取得する(S101)。ここで、システムA(例えば、EPSシステム12)が情報提供♯1(第1の情報)の出力を判断したものとする(S102)。情報出力制御部20は、ΔT秒後までにシステムA以外の情報提供があるか否かを車両内で検索する(S103)。ここで、ΔT秒は、システムAの情報提供と同時とみなせるズレの許容時間として、例えば50〜150msec、特には100msecとすることができる。
【0032】
ここで、システムB(例えば、ECBシステム14)が情報提供♯2(第2の情報)を出力していた場合(S104)、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、情報提供♯1及び情報提供♯2が「故障情報」属性を有するか(故障に関する情報か否か)を取得する(S105)。また、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、「報知ランク」属性を取得する(S106)。
【0033】
図4に示すように、システムA〜C毎にシステムの稼働率及び故障等の状況に応じて報知ランク、運転者に期待する行動、情報提供手段、及び過酷さ推移可能性等の情報属性が定められている。本実施形態では、後述するように、運転者に報知される情報提供♯1及び情報提供♯2等が故障情報属性を有している場合は、運転者の能力、運転者にかかる負荷等に応じて報知ランクを再定義するが、以下の説明では、簡略化のため、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれも故障情報属性を有しておらず、非故障情報である場合について最初に説明する(S107)。
【0034】
図3に示すように、情報提供♯1及び情報提供♯2の少なくとも1つの報知ランクが一定ランク(例えば、図4に示す報知ランク3)以上である場合は、情報出力制御部20は、S113を実行する。
【0035】
情報提供♯1と情報提供♯2との報知ランクが同じか若しくは同等なものではない場合(S113)、例えば、情報提供♯1が図5に示すような運転者にブレーキ操作を促すものであり、情報提供♯2が図6に示すような瞬間燃費を表示するものである場合は、「情報の調停」として、情報出力制御部20は、まず報知ランクが低く優先度の低い情報提供♯2については情報提供の待機を行い、報知ランクが高く優先度の高い情報提供♯1についてマルチディスプレイ200に情報出力を行い、t秒後(0.5〜5秒後)に優先度の低い情報提供♯2についてマルチディスプレイ200に情報出力を行なう(S114)。
【0036】
情報提供♯1と情報提供♯2との報知ランクが同じか若しくは同等なものである場合は(S113)、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、図4に示すような運転者に期待する行動に関する属性を取得する(S115)。情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、図4に示すような情報の提供手段に関する属性を取得する(S116)。
【0037】
情報提供♯1と情報提供♯2との運転者に期待する行動が同じであり(S117)、情報提供♯1と情報提供♯2との情報の提供手段が同じであるときは(S118)、情報出力制御部20は、「情報の統合」における「情報の集約」として、情報提供♯1及び情報提供♯2にいずれか一方に他方を集約させて、マルチディスプレイ200に情報を出力させる(S119)。
【0038】
例えば、情報提供♯1がEPSシステム12に関する情報を報知するものであり、情報提供♯2がLKAシステムにおける車線逸脱警報を報知するものであるときは、いずれも運転者に期待する行動は「ステアリング操作」に関するものであり、情報の提供手段はマルチディスプレイ200であるため、図7に示すように、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれか一方に他方を集約させて、マルチディスプレイ200にステアリング操作に関するステアリングアイコン201及び車線アイコン202を点灯させる。
【0039】
あるいは、例えば、情報提供♯1がECBシステム14に関する情報を報知するものであり、情報提供♯2がACCシステムの前方車両の接近に関する情報を報知するものであるときは、いずれも運転者に期待する行動は「ブレーキ操作」に関するものであり、情報の提供手段はマルチディスプレイ200であるため、図8に示すように、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれか一方に他方を集約させて、マルチディスプレイ200にブレーキ操作を運転者に促す前方車両アイコン203を点灯させる。
【0040】
情報提供♯1と情報提供♯2との運転者に期待する行動が異なるときは(S117)、情報出力制御部20は、「情報の統合」における「情報の合体」として、情報提供♯1及び情報提供♯2それぞれを一緒に合わせて、マルチディスプレイ200に情報を出力させる(S120)。
【0041】
例えば、情報提供♯1がLKAシステムにおける車線逸脱警報を報知するものであり、情報提供♯2がACCシステムの前方車両の接近に関する情報を報知するものであるときは、情報提供♯1は運転者に期待する行動が「ステアリング操作」に関するものであり、情報提供♯2は運転者に期待する行動が「ブレーキ操作」に関するものであるため、図9に示すように、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2それぞれを一緒に合わせて、マルチディスプレイ200にステアリング操作に関するステアリングアイコン201及び車線アイコン202を点灯させ、且つブレーキ操作を運転者に促す前方車両アイコン203を点灯させる。
【0042】
なお、情報提供♯1と情報提供♯2との運転者に期待する行動が同じであり(S117)、情報提供♯1と情報提供♯2との情報の提供手段が、例えばマルチディスプレイ200とスピーカ/ブザー部26とで異なるときは(S118)、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2とをそれぞれマルチディスプレイ200とスピーカ/ブザー部26とから全て出力する(S121)。
【0043】
図2に戻り、情報提供♯1及び情報提供♯2の少なくともいずれかが故障情報属性を有しており、故障情報である場合は(S107)、過酷さレベル判断部22は、ドライバモニタカメラ、車載レーダ、ナビゲーションシステムの地図情報、及び車載スイッチの操作状態等により、運転者にかかる負荷を計測又は推定する(S108)。
【0044】
過酷さレベル判断部22は、情報提供♯1等について、図4に示した情報属性から「過酷さ推移可能性」を取得する(S109)。過酷さレベル判断部22は、情報提供♯1等について情報属性で管理され、故障履歴蓄積部16に記憶されている故障履歴の情報提供履歴から、過去の発生した情報提供回数を取得する(S110)。過酷さレベル判断部22は、情報提供♯1等の元の報知ランクを、運転者の能力(運転者の性別、年齢等の静的ドライバー特性)、運転者にかかる負荷(動的ドライバー特性)、車両の走行環境、車両の走行状態、過酷さ推移可能性、及び過去の情報提供回数に応じて再定義する(S111)。
【0045】
以下、報知ランクとして過酷さレベルを再定義することにより、運転者に情報提供を行う動作の詳細について説明する。図10に示すように、ドライバー個人認証部18が運転者の個人認証を実施して、運転者を特定する(S201)。システムA(例えば、ここではEPSシステム12とする)で故障が発生し(S202)、システムAの故障発生からΔT秒(例えば50〜150msec、特には100msec)以内にシステムB(例えば、ここではECBシステム14とする)で故障が発生したものとする(S203、S204)。
【0046】
本実施形態では、上記のような場合は、運転者が体験したそれぞれの故障の回数が多い方の過酷さレベルが体験により下がっていると仮定し、故障の体験回数の少ない故障について、故障が発生したことを運転者に報知する。なお、前提として、基本的にそれぞれの故障の過酷さレベルごとに運転者に報知される情報の内容は切り替えられる。
【0047】
ここで、システムAであるEPSシステム12の故障の発生回数をNP、システムBであるECBシステム14の故障の発生回数をNCとする。また、以下のロジックを実施する上での十分な故障の発生回数をNBとする。さらに、それぞれの故障の過酷さレベルは5段階の数字1〜5で示され、数字が大きいほど過酷であることを示すものとする。システムA及びシステムBそれぞれの過酷さレベルが3以上の例えば同じ4であり(S207)、それぞれの故障の発生回数がいずれもNB以上であるときは(S208)、過酷さレベル判断部22は、ΔN=|NP−NC|を求める(S209)。なお、システムA及びシステムBいずれかの過酷さレベルが3未満であるときは、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2を未処理のまま報知する未対処を行う。
【0048】
故障の発生回数差N1を任意の閾値とした場合において、1≦ΔN(=|NP−NC|)≦N1であり、システムAとシステムBとの故障の発生回数差が少ない場合は(S210)、過酷さレベル判断部22は故障の発生回数の多い方の過酷さレベルを1下げて例えば3とする。ここで運転者が女性である場合は(S212)、過酷さレベル判断部22は、システムA及びシステムBそれぞれの故障の過酷さレベルを1上げる(S213)。
【0049】
情報出力制御部20は、発生回数の少ない方の故障の報知を過酷さレベルに応じて表示の態様(表示の大きさ、表示の輝度、音量の大きさ)を変化させて実施する(S214)。情報出力制御部20は、一方のシステムの故障の報知終了後、一方のシステムの故障の報知に要した時間T1秒+ΔT1秒以内にもう一方のシステムの故障の報知を同様に過酷さレベルに応じて表示の態様を変化させて実施する(S215)。なお、ΔT1秒は0.5〜5秒とすることができる。
【0050】
例えば、EPSシステム12の故障の発生回数NPがECBシステム14の故障の発生回数NCよりも少ない場合は、情報出力制御部20は、図12に示すようにマルチディスプレイ200にEPSシステム12の故障を表示した後、図13に示すようにマルチディスプレイ200にECBシステム14の故障を表示する。
【0051】
N1<ΔN1であり、システムAとシステムBとの故障の発生回数差が多い場合は(S210)、過酷さレベル判断部22は故障の発生回数の多い方の過酷さレベルを2下げて例えば2とする(S216)。ここで運転者が女性である場合は(S217)、過酷さレベル判断部22は、システムA及びシステムBそれぞれの故障の過酷さレベルを1上げる(S218)。
【0052】
情報出力制御部20は、発生回数の少ない方の故障の報知を過酷さレベルに応じて表示の態様(表示の大きさ、表示の輝度、音量の大きさ)を変化させて実施する(S219)。情報出力制御部20は、一方のシステムの故障の報知終了後、一方のシステムの故障の報知に要した時間T1秒+ΔT2秒(ΔT2>ΔT1)以内にもう一方のシステムの故障の報知を過酷さレベルに応じて表示の態様を変化させて実施する(S220)。なお、ΔT2秒は1〜10秒とすることができる。
【0053】
本実施形態によれば、情報出力制御部20が、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているか否かを探索し、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び情報提供♯1及び情報提供♯2を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なうため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0054】
また本実施形態によれば、車両の運転者に報知する情報の属性には、運転者に期待する行動、情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、情報の報知ランク、情報の提供手段、及び情報の提供履歴が含まれるため、当該属性に応じて情報を提供することにより、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0055】
さらに本実施形態によれば、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2に含まれる報知ランクに応じて、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかを優先して報知する情報の調停、情報提供♯1及び情報提供♯2を合わせて報知する情報の統合、及び情報提供♯1及び情報提供♯2を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なうため、情報の報知ランクに従って各種の報知態様で情報を報知することができ、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0056】
加えて本実施形態によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知するため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態によれば、情報出力制御部20は、情報の属性に含まれる運転者に期待する行動及び情報の提供手段に応じて、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び情報提供♯1及び情報提供♯2のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なうため、運転者に期待する行動及び情報の提供手段に適した報知態様で情報を報知することができ、さらに、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態によれば、過酷さレベル判断部22は、故障情報属性が、提供する情報は故障に関する情報であることを示しているときは、運転者の能力、運転者にかかる負荷、車両の走行環境の特性、運転者が情報を提供された経験、及び運転者に対する故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、当該情報の過酷さレベルを再定義することにより、情報の報知ランクを再定義するため、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0059】
さらに、本実施形態によれば、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報提供♯1及び情報提供♯2の報知ランクがいずれかが一定の閾値未満であるときは、情報提供♯1及び情報提供♯2を未処理のまま報知する未対処を行うため、報知ランクが低い情報については、未処理のまま報知することにより、装置の処理の負担を低減することが可能となる。
【0060】
特に本実施形態では、情報が報知された回数が多く経験の多い故障については、運転者の経験から緊急時においても対処することができる可能性が上がるため、情報が報知された回数が少なく経験の少ない故障を優先して報知することで、そのときの運転者にとってすべき行動と理解しなくてはいけない情報とが何であるかを早期に運転者に知らしめることができる。
【0061】
また本実施形態では、男女差による筋力の違いに応じて、過酷さレベルを補正することで、運転者の筋力を考慮した情報提供を行うことができ、運転者の筋力に応じた適切な情報提供が可能となる。すなわち、本実施形態では、過酷さレベルを男女差、経験回数によって切り替えることで、運転者に適切な情報提供を行うことが可能となる。
【0062】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図14に示すように、本実施形態の車両情報報知装置10bは、情報出力制御部20にEPSシステム12及びECBシステム14に加えて車両のエンジンの制御を行なうエンジンシステム15が、故障履歴蓄積部16を介さず直接に接続されている点が上記第1実施形態と異なっている。また、本実施形態では、情報出力制御部20に過酷さレベル判断部22に替えて車両の運転状況を判断するための運転状況判断部32が接続されている点が上記第1実施形態と異なっている。運転状況判断部32には、GPS(Global Positioning System)により得られた車両の位置と地図情報とに応じて道路線形情報を取得するためのナビゲーションシステム30と、車速センサ、ヨーレイトセンサ等の各種車両センサ34とが接続されている。
【0063】
以下、本実施形態の車両情報報知装置10bの動作について説明する。図15に示すように、ドライバー個人認証部18が運転者の個人認証を実施して、運転者を特定する(S301)。システムA(例えば、ここではEPSシステム12とする)で故障が発生し(S302)、システムAの故障発生からΔT秒(例えば50〜150msec、特には100msec)以内にシステムB(例えば、ここではECBシステム14とする)で故障が発生したものとする(S303、S304)。
【0064】
本実施形態では、上記のように同じ過酷さレベルの故障が同時に発生した場合、ナビゲーションシステム30と各種車両センサ34とにより取得された運転者の運転状況と道路線形状況とから、運転者に報知する故障に関する情報を切り替える。
【0065】
運転者が女性である場合は(S305)、情報出力制御部20は、システムA及びシステムBそれぞれの故障の過酷さレベルを1上げる(S306)。システムAとシステムBとの故障の過酷さレベルが4以上である場合は(S307)、情報出力制御部20は、運転状況判断部32により車両の走行状況を取得する(S308)。
【0066】
図16の事例C1に示すように、車両が直線走行中であるときは(S309)、情報出力制御部20は、図13に示すように直線走行中により重要となるシステムBのECBシステム14の故障を優先して報知する(S310)。一方、図16の事例C2に示すように、車両がコーナーを走行中であるときは(S309)、情報出力制御部20は、図12に示すようにコーナーを走行中により重要となるシステムAのEPSシステム12の故障を優先して報知する(S311)。
【0067】
この他にも、例えば、システムAがエンジンシステム15であり、システムBがECBシステム14である場合であって、エンジンシステム15の故障とECBシステム14の故障とが車両が坂道を走行中に同時に生じた場合は、情報出力制御部20は、図13に示すように坂道走行中により重要となるシステムBのECBシステム14の故障を優先して報知する。
【0068】
システムA及びシステムBのいずれかの故障の過酷さレベルが4未満である場合は(S307)、情報出力制御部20は、過酷さレベルが高い方のシステムの故障を優先して報知する(S312)。
【0069】
本実施形態によれば、運転者の運転状況と道路線形状況とから、運転者に報知する故障に関する情報を切り替えることにより、運転者が置かれている状況に合った最適な情報を提供することができるため、安全性が低下する状況に陥ることを未然に防ぐことが可能となる。
【0070】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。図17に示すように、本実施形態の車両情報報知装置10cは、車両の衝突の防止及び衝突の被害の軽減を図るためのPSC(Pre-Crash Safety)システム17とECBシステム14とエンジンシステム15とが、各システムの情報を合わせて出力するか否かを判断する情報統合判断部40に接続されている。本実施形態では、PSCシステム17は、運転者の顔の向きをドライバーモニタカメラ等で検出する機能を備え、運転者の居眠り等を検出することにより、車両の衝突の防止及び衝突の被害の軽減を図る。情報統合判断部40には、各システムの情報を合わせて出力するための情報出力統合部42が接続されている。情報出力統合部42には、表示器24、スピーカ/ブザー部26及びアクセルペダルを振動させるためのアクセルペダル振動器28が接続されている。
【0071】
本実施形態では、システムAとシステムBとで情報提供を実施する際に、各システムが運転者に期待する行動が、「ブレーキを踏む」、「状況の認識」等で同一である場合に、一方のシステムが運転者に情報を報知するタイミングで、その他のシステムの情報の報知が通常の情報出力のタイミングよりもΔT3秒早く出力することが可能な告知早だし条件を満たす場合には、各システムが出力する情報提供の内容を統合して出力する。
【0072】
また、本実施形態では、ΔT秒といったタイミングだけの概念のみならず、システムAとシステムBとで故障が生じた場合、順次時間が経過すると過酷さレベルNがN+1、N+2と増大するシステムの場合であって、過酷さレベルがN+M以上となる場合は、過酷さレベルN+(M+1)の情報を通常よりも早く出力することが可能と考え、各システムが出力する情報提供の内容を統合して出力する。本実施形態では、図4に示すように、各システムに予め過酷さ推移可能性(PP=0〜100%)を定義しておき、過酷さ推移可能性PPが一定の可能性閾値PPT以上のときは、過酷さレベルが進行する故障を生じるシステムであるとする。
【0073】
以下、本実施形態の車両情報報知装置10cの動作について説明する。図18に示すように、システムAで故障が発生した場合(S401)、情報統合判断部40は、システムA以外の運転支援系システムの情報提供を探索し、現時点からΔT秒(例えば50〜150msec、特には100msec)前に情報提供が可能であるものを探索する(S402)。
【0074】
また、情報統合判断部40は、システムA以外の運転支援系システムの故障に関する情報提供であって、過酷さレベルがN+M以上であり、過酷さ推移可能性PP≧PPTであるものを探索する(S403)。
【0075】
上記条件のいずれかに合致する情報提供として、例えばシステムBの情報提供が探索されたときは(S404)、情報出力統合部42は各システムの情報提供の内容を統合して出力する。この場合、システムAとシステムBとの情報提供による運転者に期待する行動が同じである場合であって(S405)、例えば、スピーカ/ブザー部26による警報の吹鳴や表示部24による画像表示等の情報を提供する手段が同一であるときは(S406)、情報出力統合部42は、一方のシステムによる情報提供をキャンセルし、一方のシステムの情報提供のみで情報提供を行う(S407)。
【0076】
例えば、システムAがPCSシステム17であり、当該情報提供がPCS追突警報に関するものであり、システムBがECBシステム14であり、当該情報提供がECBシステム14の故障を報知するものであり、それぞれの情報提供がスピーカ/ブザー部26による警報の吹鳴や表示器24による画像表示により、運転者にブレーキ操作を促すものである場合には、情報出力統合部42は、いずれかのシステムについて表示器24及びスピーカ/ブザー部26から運転者にブレーキ操作を促す情報提供を行う。
【0077】
システムAとシステムBとの情報提供による運転者に期待する行動が同じである場合であって(S405)、例えば、スピーカ/ブザー部26による警報の吹鳴や表示部24による画像表示等の情報を提供する手段が異なるときは(S406)、情報出力統合部42は、両方の情報を提供する手段によって、各システムの情報提供を全て出力する(S408)。
【0078】
例えば、システムAがPCSシステム17であり、当該情報提供がPCS追突警報をスピーカ/ブザー部26による警報と表示器24による画像表示とで報知するものであり、システムBがエンジンシステム15であり、当該情報提供がエンジンシステム15の故障をアクセルペダル振動器28によるアクセルペダルの振動で報知するものである場合には、情報出力統合部42は、PCSシステム17のPCS追突警報をスピーカ/ブザー部26による警報と表示器24による画像表示とで報知しつつ、エンジンシステム15の故障をアクセルペダル振動器28によるアクセルペダルの振動で報知する。
【0079】
システムAとシステムBとの情報提供による運転者に期待する行動が異なる場合には(S409)、情報出力統合部42は、出力する情報の優先度(過酷さレベル)に応じて出力順序を決定して、全てのシステムについて情報提供を行う(S409)。
【0080】
本実施形態によれば、ブザーや音声案内や画像表示が途中で途切れてしまうような違和感が生じないため、情報提供の切れ目が発生しなくなり、情報提供に対する運転者の違和感を低減することができる。また、本実施形態によれば、情報を集約して運転者に報知することができるため、運転者の各種の注意散漫を防止することができ、運転者に期待する行動を迅速且つ的確に運転者に伝えることができる。さらに、本実施形態によれば、システムの情報の報知が通常の情報出力のタイミングよりも早く出力できるか否かと、故障の過酷さ推移可能性とのいずれかで情報の統合が可能であるため、運転支援システムや運転主機能(例えば、走行、旋回、停止等)のいずれのシステムから出力される情報であっても対応可能となり、幅広い適用が可能となる。
【0081】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0082】
10a,10b,10c…車両情報報知装置、12…EPSシステム、14…ECBシステム、16…故障履歴蓄積部、17…PSCシステム(顔向き付き)、18…ドライバー個人認証部、20…情報出力制御部、22…過酷さレベル判断部、24…表示器、26…スピーカ/ブザー部、28…アクセルペダル振動器、30…ナビゲーションシステム、32…運転状況判断部、34…各種車両センサ、40…情報統合判断部、42…情報出力統合部、100…速度計、200…マルチディスプレイ、201…ステアリングアイコン、202…車線アイコン、203…前方車両アイコン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の運転者に情報を報知する装置が提案されている。例えば、特許文献1には、複数の異常が同時に発生したときには、最も重要度の高いものを表示するとともに、発生した異常の数をも表示するようにし、さらに最優先のもの以外の他の異常内容もスイッチ操作により順次切替えて表示を行う車両の異常状態表示装置が開示されている。特許文献1の異常状態表示装置は、スイッチを戻した時には、異常内容の表示を最優先の異常内容の表示に復帰させる。これにより、運転者は表示された異常の他にも異常が発生していること、及び異常の数を知ることができ、しかもスイッチ操作によりすべての異常内容を簡単に確認でき、スイッチを元に戻せば、最優先の異常の表示に復帰させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−53260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術では、車両に搭載する機能が多様化し、各ECU(electronic control unit)で扱う故障情報の最重要のものが同時に検出されたときに、運転者に表示する優先順位を決める必要がある。すなわち、運転支援系システムの機能増加や検知範囲拡大、車載情報機器の増加に伴い、警報を含む情報提供の内容が多様化している。また、幾つもの情報提供が混在し、運転者に混乱を与える可能性が懸念される。つまり、同時に幾つもの情報が提示されたとき、一方の情報が他方の情報にかき消されてしまうことがある。そのため、運転者に必要な情報を提供できない可能性がある。
【0005】
本発明は、このような実情に考慮してなされたものであり、その目的は、同時に複数の情報が提示されたときに、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能な車両情報報知装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているか否かを探索し、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なう車両情報報知装置である。
【0007】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているか否かを探索し、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なうため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0008】
また、本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、情報の属性には、運転者に期待する行動、情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、情報の報知優先度、情報の提供手段、及び情報の提供履歴が含まれる車両情報報知装置である。
【0009】
この構成によれば、車両の運転者に報知する情報の属性には、運転者に期待する行動、情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、情報の報知優先度、情報の提供手段、及び情報の提供履歴が含まれるため、当該属性に応じて情報を提供することにより、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0010】
また、本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報に含まれる報知優先度に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合、及び第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なう車両情報報知装置である。
【0011】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報に含まれる報知優先度に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、第1の情報及び第2の情報を合わせて報知する情報の統合、及び第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なうため、情報の報知優先度に従って各種の報知態様で情報を報知することができ、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明は、車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知する車両情報報知装置である。
【0013】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知するため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0014】
これらの場合、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、情報の属性に含まれる運転者に期待する行動及び情報の提供手段に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び第1の情報及び第2の情報のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なうことが好適である。
【0015】
この構成によれば、情報の属性に含まれる運転者に期待する行動及び情報の提供手段に応じて、第1の情報及び第2の情報のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び第1の情報及び第2の情報のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なうため、運転者に期待する行動及び情報の提供手段に適した報知態様で情報を報知することができ、さらに、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0016】
また、情報の属性に含まれる情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性が、情報は故障に関する情報であることを示しているときは、運転者の能力、運転者にかかる負荷、車両の走行環境の特性、運転者が情報を提供された経験、及び運転者に対する故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、情報の報知優先度を再定義することが好適である。
【0017】
この構成によれば、故障情報属性が、提供する情報は故障に関する情報であることを示しているときは、運転者の能力、運転者にかかる負荷、車両の走行環境の特性、運転者が情報を提供された経験、及び運転者に対する故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、情報の報知優先度を再定義するため、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0018】
さらに、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報の報知優先度がいずれかが一定の閾値未満であるときは、第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処を行うことが好適である。
【0019】
この構成によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、第1の情報及び第2の情報の報知優先度がいずれかが一定の閾値未満であるときは、第1の情報及び第2の情報を未処理のまま報知する未対処を行うため、報知優先度が低い情報がある場合については、未処理のまま報知することにより、装置の処理の負担を低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の車両情報報知装置によれば、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る車両情報報知装置の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態に係る車両情報報知装置の全体的な動作を示すフロー図である。
【図3】第1実施形態に係る車両情報報知装置の全体的な動作を示すフロー図である。
【図4】各システムの状況に応じた報知ランクを示す表である。
【図5】ドライバーにブレーキ操作を促す表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図6】瞬間燃費を表示するマルチディスプレイを示す図である。
【図7】ドライバーにステアリング操作を促す表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図8】ドライバーに前方車両の減速に注意を促す表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図9】ドライバーにステアリング操作を促す表示と前方車両の減速に注意を促す表示とを合体させて表示をするマルチディスプレイを示す図である。
【図10】第1実施形態に係る車両情報報知装置の動作の詳細を示すフロー図である。
【図11】第1実施形態に係る車両情報報知装置の動作の詳細を示すフロー図である。
【図12】EPSシステムの故障を表示するマルチディスプレイを示す図である。
【図13】ECBシステムの故障を表示するマルチディスプレイを示す図である。
【図14】第2実施形態に係る車両情報報知装置の構成を示すブロック図である。
【図15】第2実施形態に係る車両情報報知装置の動作を示すフロー図である。
【図16】第2実施形態に係る車両情報報知装置が動作を行なう状況を示す平面図である。
【図17】第3実施形態に係る車両情報報知装置の構成を示すブロック図である。
【図18】第3実施形態に係る車両情報報知装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態の車両情報報知装置10aは、EPSシステム12、ECBシステム14、故障履歴蓄積部16、ドライバー個人認証部18、情報出力制御部20、過酷さレベル判断部22、表示器24、及びスピーカ/ブザー部26を備えている。本実施形態の車両情報報知装置10aは車両に搭載され、EPSシステム12及びECBシステム14といったシステムからの情報を運転者に報知するためのものである。
【0024】
EPS(電動パワーステアリング)システム12は、ステアリングの支援に電動モータを利用するものである。ECB(電子制御ブレーキ)システム14は、ブレーキペダルと車両の4輪のブレーキとを電気的に接続して構成され、各輪のブレーキを独立して最適な状態に制御するためのものである。EPSシステム12及びECBシステム14は、各システムにおいて故障(フェール)等に関する運転者に報知すべき情報が生成されたときは、当該情報を故障履歴蓄積部16に出力する。
【0025】
車両情報報知装置10aは、EPSシステム12及びECBシステム14の他にも、不図示のACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)システムやLKA(レーン・キープ・アシスト)システム等の各種システムを備え、各システムは故障履歴蓄積部16に接続されている。
【0026】
故障履歴蓄積部16は、EPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された故障等の運転者に報知する情報を、当該故障等が発生した時刻とドライバー個人認証部18で認証された個々の運転者と当該故障等についての情報提供が行われた回数とを関連付けて蓄積するためのものである。
【0027】
ドライバー個人認証部18は、IDカード、指紋認証、瞳の中の虹彩認証、網膜認証、手のひらや指の血管の形を読み取る
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、声紋認証、顔形認証、及び筆跡認証などにより、個々の運転者を認証するためのものである。
【0028】
情報出力制御部20は、故障履歴蓄積部16に蓄積された故障等に関する情報の履歴と、ドライバー個人認証部18によって認証された個々の運転者とに基づいて、EPSシステム12及びECBシステム14から出力された故障等の情報を運転者に報知する態様を制御するためのものである。
【0029】
過酷さレベル判断部22は、ドライバモニタカメラ、車載レーダ、ナビゲーションシステムの地図情報、及び車載スイッチの操作状態等により、運転者にかかる負荷を計測又は推定し、EPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された情報に係る故障等の過酷さのレベルを判断するためのものである。
【0030】
表示器24は具体的にはマルチディスプレイやカーナビゲーションシステムの液晶ディスプレイであり、画像によりEPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された故障等の情報を出力するためのものである。スピーカ/ブザー部26は、音声によりEPSシステム12及びECBシステム14等の各システムから出力された故障等の情報を出力するためのものである。
【0031】
以下、本実施形態の車両情報報知装置10aの全体的な動作について説明する。図2に示すように、ドライバー個人認証部18は運転者の個人認証を実施し、運転者の性別、年齢、運転経験等の情報を取得する(S101)。ここで、システムA(例えば、EPSシステム12)が情報提供♯1(第1の情報)の出力を判断したものとする(S102)。情報出力制御部20は、ΔT秒後までにシステムA以外の情報提供があるか否かを車両内で検索する(S103)。ここで、ΔT秒は、システムAの情報提供と同時とみなせるズレの許容時間として、例えば50〜150msec、特には100msecとすることができる。
【0032】
ここで、システムB(例えば、ECBシステム14)が情報提供♯2(第2の情報)を出力していた場合(S104)、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、情報提供♯1及び情報提供♯2が「故障情報」属性を有するか(故障に関する情報か否か)を取得する(S105)。また、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、「報知ランク」属性を取得する(S106)。
【0033】
図4に示すように、システムA〜C毎にシステムの稼働率及び故障等の状況に応じて報知ランク、運転者に期待する行動、情報提供手段、及び過酷さ推移可能性等の情報属性が定められている。本実施形態では、後述するように、運転者に報知される情報提供♯1及び情報提供♯2等が故障情報属性を有している場合は、運転者の能力、運転者にかかる負荷等に応じて報知ランクを再定義するが、以下の説明では、簡略化のため、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれも故障情報属性を有しておらず、非故障情報である場合について最初に説明する(S107)。
【0034】
図3に示すように、情報提供♯1及び情報提供♯2の少なくとも1つの報知ランクが一定ランク(例えば、図4に示す報知ランク3)以上である場合は、情報出力制御部20は、S113を実行する。
【0035】
情報提供♯1と情報提供♯2との報知ランクが同じか若しくは同等なものではない場合(S113)、例えば、情報提供♯1が図5に示すような運転者にブレーキ操作を促すものであり、情報提供♯2が図6に示すような瞬間燃費を表示するものである場合は、「情報の調停」として、情報出力制御部20は、まず報知ランクが低く優先度の低い情報提供♯2については情報提供の待機を行い、報知ランクが高く優先度の高い情報提供♯1についてマルチディスプレイ200に情報出力を行い、t秒後(0.5〜5秒後)に優先度の低い情報提供♯2についてマルチディスプレイ200に情報出力を行なう(S114)。
【0036】
情報提供♯1と情報提供♯2との報知ランクが同じか若しくは同等なものである場合は(S113)、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、図4に示すような運転者に期待する行動に関する属性を取得する(S115)。情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2との情報属性から、図4に示すような情報の提供手段に関する属性を取得する(S116)。
【0037】
情報提供♯1と情報提供♯2との運転者に期待する行動が同じであり(S117)、情報提供♯1と情報提供♯2との情報の提供手段が同じであるときは(S118)、情報出力制御部20は、「情報の統合」における「情報の集約」として、情報提供♯1及び情報提供♯2にいずれか一方に他方を集約させて、マルチディスプレイ200に情報を出力させる(S119)。
【0038】
例えば、情報提供♯1がEPSシステム12に関する情報を報知するものであり、情報提供♯2がLKAシステムにおける車線逸脱警報を報知するものであるときは、いずれも運転者に期待する行動は「ステアリング操作」に関するものであり、情報の提供手段はマルチディスプレイ200であるため、図7に示すように、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれか一方に他方を集約させて、マルチディスプレイ200にステアリング操作に関するステアリングアイコン201及び車線アイコン202を点灯させる。
【0039】
あるいは、例えば、情報提供♯1がECBシステム14に関する情報を報知するものであり、情報提供♯2がACCシステムの前方車両の接近に関する情報を報知するものであるときは、いずれも運転者に期待する行動は「ブレーキ操作」に関するものであり、情報の提供手段はマルチディスプレイ200であるため、図8に示すように、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれか一方に他方を集約させて、マルチディスプレイ200にブレーキ操作を運転者に促す前方車両アイコン203を点灯させる。
【0040】
情報提供♯1と情報提供♯2との運転者に期待する行動が異なるときは(S117)、情報出力制御部20は、「情報の統合」における「情報の合体」として、情報提供♯1及び情報提供♯2それぞれを一緒に合わせて、マルチディスプレイ200に情報を出力させる(S120)。
【0041】
例えば、情報提供♯1がLKAシステムにおける車線逸脱警報を報知するものであり、情報提供♯2がACCシステムの前方車両の接近に関する情報を報知するものであるときは、情報提供♯1は運転者に期待する行動が「ステアリング操作」に関するものであり、情報提供♯2は運転者に期待する行動が「ブレーキ操作」に関するものであるため、図9に示すように、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2それぞれを一緒に合わせて、マルチディスプレイ200にステアリング操作に関するステアリングアイコン201及び車線アイコン202を点灯させ、且つブレーキ操作を運転者に促す前方車両アイコン203を点灯させる。
【0042】
なお、情報提供♯1と情報提供♯2との運転者に期待する行動が同じであり(S117)、情報提供♯1と情報提供♯2との情報の提供手段が、例えばマルチディスプレイ200とスピーカ/ブザー部26とで異なるときは(S118)、情報出力制御部20は、情報提供♯1と情報提供♯2とをそれぞれマルチディスプレイ200とスピーカ/ブザー部26とから全て出力する(S121)。
【0043】
図2に戻り、情報提供♯1及び情報提供♯2の少なくともいずれかが故障情報属性を有しており、故障情報である場合は(S107)、過酷さレベル判断部22は、ドライバモニタカメラ、車載レーダ、ナビゲーションシステムの地図情報、及び車載スイッチの操作状態等により、運転者にかかる負荷を計測又は推定する(S108)。
【0044】
過酷さレベル判断部22は、情報提供♯1等について、図4に示した情報属性から「過酷さ推移可能性」を取得する(S109)。過酷さレベル判断部22は、情報提供♯1等について情報属性で管理され、故障履歴蓄積部16に記憶されている故障履歴の情報提供履歴から、過去の発生した情報提供回数を取得する(S110)。過酷さレベル判断部22は、情報提供♯1等の元の報知ランクを、運転者の能力(運転者の性別、年齢等の静的ドライバー特性)、運転者にかかる負荷(動的ドライバー特性)、車両の走行環境、車両の走行状態、過酷さ推移可能性、及び過去の情報提供回数に応じて再定義する(S111)。
【0045】
以下、報知ランクとして過酷さレベルを再定義することにより、運転者に情報提供を行う動作の詳細について説明する。図10に示すように、ドライバー個人認証部18が運転者の個人認証を実施して、運転者を特定する(S201)。システムA(例えば、ここではEPSシステム12とする)で故障が発生し(S202)、システムAの故障発生からΔT秒(例えば50〜150msec、特には100msec)以内にシステムB(例えば、ここではECBシステム14とする)で故障が発生したものとする(S203、S204)。
【0046】
本実施形態では、上記のような場合は、運転者が体験したそれぞれの故障の回数が多い方の過酷さレベルが体験により下がっていると仮定し、故障の体験回数の少ない故障について、故障が発生したことを運転者に報知する。なお、前提として、基本的にそれぞれの故障の過酷さレベルごとに運転者に報知される情報の内容は切り替えられる。
【0047】
ここで、システムAであるEPSシステム12の故障の発生回数をNP、システムBであるECBシステム14の故障の発生回数をNCとする。また、以下のロジックを実施する上での十分な故障の発生回数をNBとする。さらに、それぞれの故障の過酷さレベルは5段階の数字1〜5で示され、数字が大きいほど過酷であることを示すものとする。システムA及びシステムBそれぞれの過酷さレベルが3以上の例えば同じ4であり(S207)、それぞれの故障の発生回数がいずれもNB以上であるときは(S208)、過酷さレベル判断部22は、ΔN=|NP−NC|を求める(S209)。なお、システムA及びシステムBいずれかの過酷さレベルが3未満であるときは、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2を未処理のまま報知する未対処を行う。
【0048】
故障の発生回数差N1を任意の閾値とした場合において、1≦ΔN(=|NP−NC|)≦N1であり、システムAとシステムBとの故障の発生回数差が少ない場合は(S210)、過酷さレベル判断部22は故障の発生回数の多い方の過酷さレベルを1下げて例えば3とする。ここで運転者が女性である場合は(S212)、過酷さレベル判断部22は、システムA及びシステムBそれぞれの故障の過酷さレベルを1上げる(S213)。
【0049】
情報出力制御部20は、発生回数の少ない方の故障の報知を過酷さレベルに応じて表示の態様(表示の大きさ、表示の輝度、音量の大きさ)を変化させて実施する(S214)。情報出力制御部20は、一方のシステムの故障の報知終了後、一方のシステムの故障の報知に要した時間T1秒+ΔT1秒以内にもう一方のシステムの故障の報知を同様に過酷さレベルに応じて表示の態様を変化させて実施する(S215)。なお、ΔT1秒は0.5〜5秒とすることができる。
【0050】
例えば、EPSシステム12の故障の発生回数NPがECBシステム14の故障の発生回数NCよりも少ない場合は、情報出力制御部20は、図12に示すようにマルチディスプレイ200にEPSシステム12の故障を表示した後、図13に示すようにマルチディスプレイ200にECBシステム14の故障を表示する。
【0051】
N1<ΔN1であり、システムAとシステムBとの故障の発生回数差が多い場合は(S210)、過酷さレベル判断部22は故障の発生回数の多い方の過酷さレベルを2下げて例えば2とする(S216)。ここで運転者が女性である場合は(S217)、過酷さレベル判断部22は、システムA及びシステムBそれぞれの故障の過酷さレベルを1上げる(S218)。
【0052】
情報出力制御部20は、発生回数の少ない方の故障の報知を過酷さレベルに応じて表示の態様(表示の大きさ、表示の輝度、音量の大きさ)を変化させて実施する(S219)。情報出力制御部20は、一方のシステムの故障の報知終了後、一方のシステムの故障の報知に要した時間T1秒+ΔT2秒(ΔT2>ΔT1)以内にもう一方のシステムの故障の報知を過酷さレベルに応じて表示の態様を変化させて実施する(S220)。なお、ΔT2秒は1〜10秒とすることができる。
【0053】
本実施形態によれば、情報出力制御部20が、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているか否かを探索し、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び情報提供♯1及び情報提供♯2を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なうため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0054】
また本実施形態によれば、車両の運転者に報知する情報の属性には、運転者に期待する行動、情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、情報の報知ランク、情報の提供手段、及び情報の提供履歴が含まれるため、当該属性に応じて情報を提供することにより、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0055】
さらに本実施形態によれば、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2に含まれる報知ランクに応じて、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかを優先して報知する情報の調停、情報提供♯1及び情報提供♯2を合わせて報知する情報の統合、及び情報提供♯1及び情報提供♯2を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なうため、情報の報知ランクに従って各種の報知態様で情報を報知することができ、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0056】
加えて本実施形態によれば、車両内に第1の情報が生成されたときに、車両内に第2の情報が生成されているときは、情報出力制御部20は、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知するため、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0057】
また、本実施形態によれば、情報出力制御部20は、情報の属性に含まれる運転者に期待する行動及び情報の提供手段に応じて、情報提供♯1及び情報提供♯2のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び情報提供♯1及び情報提供♯2のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なうため、運転者に期待する行動及び情報の提供手段に適した報知態様で情報を報知することができ、さらに、運転者に混乱を与えず、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態によれば、過酷さレベル判断部22は、故障情報属性が、提供する情報は故障に関する情報であることを示しているときは、運転者の能力、運転者にかかる負荷、車両の走行環境の特性、運転者が情報を提供された経験、及び運転者に対する故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、当該情報の過酷さレベルを再定義することにより、情報の報知ランクを再定義するため、そのときの運転者にとって、より有益な情報を提供することが可能となる。
【0059】
さらに、本実施形態によれば、車両内に情報提供♯1が生成されたときに、車両内に情報提供♯2が生成されているときは、情報提供♯1及び情報提供♯2の報知ランクがいずれかが一定の閾値未満であるときは、情報提供♯1及び情報提供♯2を未処理のまま報知する未対処を行うため、報知ランクが低い情報については、未処理のまま報知することにより、装置の処理の負担を低減することが可能となる。
【0060】
特に本実施形態では、情報が報知された回数が多く経験の多い故障については、運転者の経験から緊急時においても対処することができる可能性が上がるため、情報が報知された回数が少なく経験の少ない故障を優先して報知することで、そのときの運転者にとってすべき行動と理解しなくてはいけない情報とが何であるかを早期に運転者に知らしめることができる。
【0061】
また本実施形態では、男女差による筋力の違いに応じて、過酷さレベルを補正することで、運転者の筋力を考慮した情報提供を行うことができ、運転者の筋力に応じた適切な情報提供が可能となる。すなわち、本実施形態では、過酷さレベルを男女差、経験回数によって切り替えることで、運転者に適切な情報提供を行うことが可能となる。
【0062】
以下、本発明の第2実施形態について説明する。図14に示すように、本実施形態の車両情報報知装置10bは、情報出力制御部20にEPSシステム12及びECBシステム14に加えて車両のエンジンの制御を行なうエンジンシステム15が、故障履歴蓄積部16を介さず直接に接続されている点が上記第1実施形態と異なっている。また、本実施形態では、情報出力制御部20に過酷さレベル判断部22に替えて車両の運転状況を判断するための運転状況判断部32が接続されている点が上記第1実施形態と異なっている。運転状況判断部32には、GPS(Global Positioning System)により得られた車両の位置と地図情報とに応じて道路線形情報を取得するためのナビゲーションシステム30と、車速センサ、ヨーレイトセンサ等の各種車両センサ34とが接続されている。
【0063】
以下、本実施形態の車両情報報知装置10bの動作について説明する。図15に示すように、ドライバー個人認証部18が運転者の個人認証を実施して、運転者を特定する(S301)。システムA(例えば、ここではEPSシステム12とする)で故障が発生し(S302)、システムAの故障発生からΔT秒(例えば50〜150msec、特には100msec)以内にシステムB(例えば、ここではECBシステム14とする)で故障が発生したものとする(S303、S304)。
【0064】
本実施形態では、上記のように同じ過酷さレベルの故障が同時に発生した場合、ナビゲーションシステム30と各種車両センサ34とにより取得された運転者の運転状況と道路線形状況とから、運転者に報知する故障に関する情報を切り替える。
【0065】
運転者が女性である場合は(S305)、情報出力制御部20は、システムA及びシステムBそれぞれの故障の過酷さレベルを1上げる(S306)。システムAとシステムBとの故障の過酷さレベルが4以上である場合は(S307)、情報出力制御部20は、運転状況判断部32により車両の走行状況を取得する(S308)。
【0066】
図16の事例C1に示すように、車両が直線走行中であるときは(S309)、情報出力制御部20は、図13に示すように直線走行中により重要となるシステムBのECBシステム14の故障を優先して報知する(S310)。一方、図16の事例C2に示すように、車両がコーナーを走行中であるときは(S309)、情報出力制御部20は、図12に示すようにコーナーを走行中により重要となるシステムAのEPSシステム12の故障を優先して報知する(S311)。
【0067】
この他にも、例えば、システムAがエンジンシステム15であり、システムBがECBシステム14である場合であって、エンジンシステム15の故障とECBシステム14の故障とが車両が坂道を走行中に同時に生じた場合は、情報出力制御部20は、図13に示すように坂道走行中により重要となるシステムBのECBシステム14の故障を優先して報知する。
【0068】
システムA及びシステムBのいずれかの故障の過酷さレベルが4未満である場合は(S307)、情報出力制御部20は、過酷さレベルが高い方のシステムの故障を優先して報知する(S312)。
【0069】
本実施形態によれば、運転者の運転状況と道路線形状況とから、運転者に報知する故障に関する情報を切り替えることにより、運転者が置かれている状況に合った最適な情報を提供することができるため、安全性が低下する状況に陥ることを未然に防ぐことが可能となる。
【0070】
以下、本発明の第3実施形態について説明する。図17に示すように、本実施形態の車両情報報知装置10cは、車両の衝突の防止及び衝突の被害の軽減を図るためのPSC(Pre-Crash Safety)システム17とECBシステム14とエンジンシステム15とが、各システムの情報を合わせて出力するか否かを判断する情報統合判断部40に接続されている。本実施形態では、PSCシステム17は、運転者の顔の向きをドライバーモニタカメラ等で検出する機能を備え、運転者の居眠り等を検出することにより、車両の衝突の防止及び衝突の被害の軽減を図る。情報統合判断部40には、各システムの情報を合わせて出力するための情報出力統合部42が接続されている。情報出力統合部42には、表示器24、スピーカ/ブザー部26及びアクセルペダルを振動させるためのアクセルペダル振動器28が接続されている。
【0071】
本実施形態では、システムAとシステムBとで情報提供を実施する際に、各システムが運転者に期待する行動が、「ブレーキを踏む」、「状況の認識」等で同一である場合に、一方のシステムが運転者に情報を報知するタイミングで、その他のシステムの情報の報知が通常の情報出力のタイミングよりもΔT3秒早く出力することが可能な告知早だし条件を満たす場合には、各システムが出力する情報提供の内容を統合して出力する。
【0072】
また、本実施形態では、ΔT秒といったタイミングだけの概念のみならず、システムAとシステムBとで故障が生じた場合、順次時間が経過すると過酷さレベルNがN+1、N+2と増大するシステムの場合であって、過酷さレベルがN+M以上となる場合は、過酷さレベルN+(M+1)の情報を通常よりも早く出力することが可能と考え、各システムが出力する情報提供の内容を統合して出力する。本実施形態では、図4に示すように、各システムに予め過酷さ推移可能性(PP=0〜100%)を定義しておき、過酷さ推移可能性PPが一定の可能性閾値PPT以上のときは、過酷さレベルが進行する故障を生じるシステムであるとする。
【0073】
以下、本実施形態の車両情報報知装置10cの動作について説明する。図18に示すように、システムAで故障が発生した場合(S401)、情報統合判断部40は、システムA以外の運転支援系システムの情報提供を探索し、現時点からΔT秒(例えば50〜150msec、特には100msec)前に情報提供が可能であるものを探索する(S402)。
【0074】
また、情報統合判断部40は、システムA以外の運転支援系システムの故障に関する情報提供であって、過酷さレベルがN+M以上であり、過酷さ推移可能性PP≧PPTであるものを探索する(S403)。
【0075】
上記条件のいずれかに合致する情報提供として、例えばシステムBの情報提供が探索されたときは(S404)、情報出力統合部42は各システムの情報提供の内容を統合して出力する。この場合、システムAとシステムBとの情報提供による運転者に期待する行動が同じである場合であって(S405)、例えば、スピーカ/ブザー部26による警報の吹鳴や表示部24による画像表示等の情報を提供する手段が同一であるときは(S406)、情報出力統合部42は、一方のシステムによる情報提供をキャンセルし、一方のシステムの情報提供のみで情報提供を行う(S407)。
【0076】
例えば、システムAがPCSシステム17であり、当該情報提供がPCS追突警報に関するものであり、システムBがECBシステム14であり、当該情報提供がECBシステム14の故障を報知するものであり、それぞれの情報提供がスピーカ/ブザー部26による警報の吹鳴や表示器24による画像表示により、運転者にブレーキ操作を促すものである場合には、情報出力統合部42は、いずれかのシステムについて表示器24及びスピーカ/ブザー部26から運転者にブレーキ操作を促す情報提供を行う。
【0077】
システムAとシステムBとの情報提供による運転者に期待する行動が同じである場合であって(S405)、例えば、スピーカ/ブザー部26による警報の吹鳴や表示部24による画像表示等の情報を提供する手段が異なるときは(S406)、情報出力統合部42は、両方の情報を提供する手段によって、各システムの情報提供を全て出力する(S408)。
【0078】
例えば、システムAがPCSシステム17であり、当該情報提供がPCS追突警報をスピーカ/ブザー部26による警報と表示器24による画像表示とで報知するものであり、システムBがエンジンシステム15であり、当該情報提供がエンジンシステム15の故障をアクセルペダル振動器28によるアクセルペダルの振動で報知するものである場合には、情報出力統合部42は、PCSシステム17のPCS追突警報をスピーカ/ブザー部26による警報と表示器24による画像表示とで報知しつつ、エンジンシステム15の故障をアクセルペダル振動器28によるアクセルペダルの振動で報知する。
【0079】
システムAとシステムBとの情報提供による運転者に期待する行動が異なる場合には(S409)、情報出力統合部42は、出力する情報の優先度(過酷さレベル)に応じて出力順序を決定して、全てのシステムについて情報提供を行う(S409)。
【0080】
本実施形態によれば、ブザーや音声案内や画像表示が途中で途切れてしまうような違和感が生じないため、情報提供の切れ目が発生しなくなり、情報提供に対する運転者の違和感を低減することができる。また、本実施形態によれば、情報を集約して運転者に報知することができるため、運転者の各種の注意散漫を防止することができ、運転者に期待する行動を迅速且つ的確に運転者に伝えることができる。さらに、本実施形態によれば、システムの情報の報知が通常の情報出力のタイミングよりも早く出力できるか否かと、故障の過酷さ推移可能性とのいずれかで情報の統合が可能であるため、運転支援システムや運転主機能(例えば、走行、旋回、停止等)のいずれのシステムから出力される情報であっても対応可能となり、幅広い適用が可能となる。
【0081】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0082】
10a,10b,10c…車両情報報知装置、12…EPSシステム、14…ECBシステム、16…故障履歴蓄積部、17…PSCシステム(顔向き付き)、18…ドライバー個人認証部、20…情報出力制御部、22…過酷さレベル判断部、24…表示器、26…スピーカ/ブザー部、28…アクセルペダル振動器、30…ナビゲーションシステム、32…運転状況判断部、34…各種車両センサ、40…情報統合判断部、42…情報出力統合部、100…速度計、200…マルチディスプレイ、201…ステアリングアイコン、202…車線アイコン、203…前方車両アイコン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているか否かを探索し、
前記車両内に前記第1の情報が生成されたときに、前記車両内に前記第2の情報が生成されているときは、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び前記第1の情報及び前記第2の情報を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なう、車両情報報知装置。
【請求項2】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記情報の属性には、前記運転者に期待する行動、前記情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、前記情報の報知優先度、前記情報の提供手段、及び前記情報の提供履歴が含まれる、車両情報報知装置。
【請求項3】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、前記第1の情報及び前記第2の情報に含まれる報知優先度に応じて、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、前記第1の情報及び前記第2の情報を合わせて報知する情報の統合、及び前記第1の情報及び前記第2の情報を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なう、車両情報報知装置。
【請求項4】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知する、車両情報報知装置。
【請求項5】
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、
前記情報の属性に含まれる前記運転者に期待する行動及び前記情報の提供手段に応じて、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び前記第1の情報及び前記第2の情報のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なう、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両情報報知装置。
【請求項6】
前記情報の属性に含まれる前記情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性が、前記情報は故障に関する情報であることを示しているときは、
前記運転者の能力、前記運転者にかかる負荷、前記車両の走行環境の特性、前記運転者が前記情報を提供された経験、及び前記運転者に対する前記故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、前記情報の報知優先度を再定義する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両情報報知装置。
【請求項7】
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、
前記第1の情報及び前記第2の情報の報知優先度がいずれかが一定の閾値未満であるときは、前記第1の情報及び前記第2の情報を未処理のまま報知する未対処を行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両情報報知装置。
【請求項1】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているか否かを探索し、
前記車両内に前記第1の情報が生成されたときに、前記車両内に前記第2の情報が生成されているときは、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、及び前記第1の情報及び前記第2の情報を合わせて報知する情報の統合のいずれかを行なう、車両情報報知装置。
【請求項2】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記情報の属性には、前記運転者に期待する行動、前記情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性、前記情報の報知優先度、前記情報の提供手段、及び前記情報の提供履歴が含まれる、車両情報報知装置。
【請求項3】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、前記第1の情報及び前記第2の情報に含まれる報知優先度に応じて、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれかを優先して報知する情報の調停、前記第1の情報及び前記第2の情報を合わせて報知する情報の統合、及び前記第1の情報及び前記第2の情報を未処理のまま報知する未対処のいずれかを行なう、車両情報報知装置。
【請求項4】
車両の運転者に情報を報知する車両情報報知装置であって、
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれかから使用する可能性が高い操作に相関する情報を報知する、車両情報報知装置。
【請求項5】
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、
前記情報の属性に含まれる前記運転者に期待する行動及び前記情報の提供手段に応じて、前記第1の情報及び前記第2の情報のいずれか一方に他方を集約して報知する情報の集約、及び前記第1の情報及び前記第2の情報のそれぞれを一緒に合わせて報知する情報の合体のいずれかを行なう、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両情報報知装置。
【請求項6】
前記情報の属性に含まれる前記情報が故障に関する情報か否かを示す故障情報属性が、前記情報は故障に関する情報であることを示しているときは、
前記運転者の能力、前記運転者にかかる負荷、前記車両の走行環境の特性、前記運転者が前記情報を提供された経験、及び前記運転者に対する前記故障の過酷さの推移可能性の少なくともいずれかに基づいて、前記情報の報知優先度を再定義する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両情報報知装置。
【請求項7】
前記車両内に第1の情報が生成されたときに、前記車両内に第2の情報が生成されているときは、
前記第1の情報及び前記第2の情報の報知優先度がいずれかが一定の閾値未満であるときは、前記第1の情報及び前記第2の情報を未処理のまま報知する未対処を行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両情報報知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−179783(P2010−179783A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25270(P2009−25270)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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