説明

車両用シート装置

【課題】車両の前進走行中における急減速時に、シートクッション上に着座した着座者が、その慣性力によりシートクッションの上面を沈み込みながら前方移動しようとするとき、この前方移動を、より確実に防止して、この着座者をシートクッション上に、より確実に拘束できるようにする。
【解決手段】車両の前進走行中における急減速時に、慣性マス19が有する前方に向かう慣性力Pにより、この慣性マス19が軸心17を中心として前下方に揺動Cする時、この慣性マス19に連動する受止め部材16が上方に揺動Aするようにする。慣性マス19が前下方に揺動Cする時、慣性力Pの起点となる慣性マス19の重心Gが揺動ブラケット18の支持部18aに対し相対的に上方移動Iするよう、この慣性マス19を付勢する弾性体28を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の前進走行中における急減速時に、シートクッション上に着座した着座者が、その慣性力により上記シートクッションの上面を沈み込みながら前方移動しようとするとき、この着座者の前方移動を防止するようにした車両用シート装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記車両用シート装置には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、車両用シート装置は、着座者を車両進行方向での前方に向かう姿勢で着座可能とさせるシートクッションと、このシートクッションの前後方向における中途部の内部に配置される受止め部材と、この受止め部材から前方に延出し、この受止め部材よりも前方に位置する軸心回りで上記受止め部材と共に上下に揺動可能となるよう上記シートクッションの強度部材に枢支される揺動ブラケットと、この揺動ブラケットの延出端部側における支持部に支持され、この揺動ブラケットと連動して上記軸心回りで揺動可能とされる慣性マスとを備えている。
【0003】
ここで、車両の前進走行中における前突時など急減速時には、上記シートクッション上の着座者がシートベルトを着用しているとしても、上記着座者はその慣性力により上記シートクッションの上面を沈み込みながら前方移動しがちとなる。しかし、上記シートによれば、上記着座者の前方移動は次のように防止されて、シートクッション上に拘束可能とされる。
【0004】
即ち、上記車両の前進走行中には、上記慣性マスは前方に向かう慣性力を有している。そして、車両の急減速時には、上記慣性マスは、その慣性力により上記軸心を中心として前下方に揺動する。すると、この慣性マスの揺動に連動して上記受止め部材が上方に揺動させられる。この際、この上方に揺動した受止め部材は、上記シートクッション上の着座者の臀部底面の前方近傍に位置させられる。このため、上記のように上方に揺動した受止め部材によって着座者の臀部の前方移動が防止され、つまり、この着座者の前方移動が防止されて、この着座者は上記シートクッション上に拘束される。
【特許文献1】国際公開番号WO2005/073017 A1公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記従来の技術では、次のような問題点がある。
【0006】
即ち、車両の急減速時には、慣性マスが前下方に揺動し、これに連動する受止め部材が上方に揺動して、上記したように着座者の前方移動を防止する。しかし、上記慣性マスの前下方への揺動が進行して、その重心が上記軸心よりも下方に達し、この軸心を中心として後下方に向かい揺動し始めた場合には、上記重心を起点として前方に向かう上記慣性マスの慣性力は、この慣性マスの重心の上記後下方に向かう揺動に逆らうこととなる。
【0007】
よって、慣性マスの後下方への揺動が抑制されることとなり、このため、この慣性マスに連動する上記受止め部材の上方への揺動が阻害される。この結果、上記シートクッション上における着座者の前方移動の防止が不十分になるおそれを生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、車両の前進走行中における急減速時に、シートクッション上に着座した着座者が、その慣性力により上記シートクッションの上面を沈み込みながら前方移動しようとするとき、この前方移動を、より確実に防止して、この着座者を上記シートクッション上に、より確実に拘束できるようにすることである。
【0009】
請求項1の発明は、シートクッション4の前後方向における中途部の内部に配置される受止め部材16と、この受止め部材16から前方に延出し、この受止め部材16よりも前方に位置する軸心17回りで上記受止め部材16と共に上下に揺動A,B可能となるよう上記シートクッション4の強度部材8に枢支される揺動ブラケット18と、この揺動ブラケット18の延出端部側における支持部18aに支持され、この揺動ブラケット18と連動して上記軸心17回りで揺動C,D可能とされる慣性マス19とを備え、この慣性マス19が有する前方に向かう慣性力Pにより、この慣性マス19が上記軸心17を中心として前下方に揺動Cする時、この慣性マス19に連動する上記受止め部材16が上方に揺動Aするようにした車両用シート装置において、
上記慣性マス19が前下方に揺動Cする時、上記慣性力Pの起点となる上記慣性マス19の重心Gが上記揺動ブラケット18の支持部18aに対し相対的に上方移動Iするよう、この慣性マス19を付勢する弾性体28を設けたことを特徴とする車両用シート装置である。
【0010】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0011】
本発明による効果は、次の如くである。
【0012】
請求項1の発明は、シートクッションの前後方向における中途部の内部に配置される受止め部材と、この受止め部材から前方に延出し、この受止め部材よりも前方に位置する軸心回りで上記受止め部材と共に上下に揺動可能となるよう上記シートクッションの強度部材に枢支される揺動ブラケットと、この揺動ブラケットの延出端部側における支持部に支持され、この揺動ブラケットと連動して上記軸心回りで揺動可能とされる慣性マスとを備え、この慣性マスが有する前方に向かう慣性力により、この慣性マスが上記軸心を中心として前下方に揺動する時、この慣性マスに連動する上記受止め部材が上方に揺動するようにした車両用シート装置において、
上記慣性マスが前下方に揺動する時、上記慣性力の起点となる上記慣性マスの重心が上記揺動ブラケットの支持部に対し相対的に上方移動するよう、この慣性マスを付勢する弾性体を設けたことを特徴とする車両用シート装置である。
【0013】
このため、車両の前進走行中における急減速時に、前方に向かう慣性力を有する上記慣性マスがその慣性力により上記軸心を中心として前下方に揺動する時、上記慣性力の起点となる上記慣性マスの重心は、上記した弾性体の付勢による慣性マスの上方移動によって上記軸心よりも上側に位置するよう保持され、上記慣性力による慣性マスの前下方への揺動が、より長く維持される。
【0014】
よって、上記慣性マスに連動する受止め部材の上方への揺動の寸法が十分に得られることとなる。このため、上記車両の急減速時に、シートクッション上に着座した着座者が、その慣性力により上記シートクッションの上面を沈み込みながら前方移動しようとしても、この前方移動は上記受止め部材によって、より確実に防止され、着座者はシートクッション上に、より確実に拘束される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の車両用シート装置に関し、車両の前進走行中における急減速時に、シートクッション上に着座した着座者が、その慣性力により上記シートクッションの上面を沈み込みながら前方移動しようとするとき、この前方移動を、より確実に防止して、この着座者を上記シートクッション上に、より確実に拘束できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0016】
即ち、車両用シート装置は、着座者を車両進行方向での前方に向かう姿勢で着座可能とさせるシートクッションと、このシートクッションの前後方向における中途部の内部に配置される受止め部材と、この受止め部材から前方に延出し、この受止め部材よりも前方に位置する軸心回りで上記受止め部材と共に上下に揺動可能となるよう上記シートクッションの強度部材に枢支される揺動ブラケットと、この揺動ブラケットの延出端部側における支持部に支持され、この揺動ブラケットと連動して上記軸心回りで揺動可能とされる慣性マスとを備えている。
【0017】
車両の前進走行中における急減速時に、上記慣性マスが有する前方に向かう慣性力により、この慣性マスが上記軸心を中心として前下方に揺動する時、この慣性マスに連動する上記受止め部材が上方に揺動するようにしてある。
【0018】
上記慣性マスが前下方に揺動する時、上記慣性力の起点となる上記慣性マスの重心が上記揺動ブラケットの支持部に対し相対的に上方移動するよう、この慣性マスを付勢する弾性体が設けられている。
【実施例1】
【0019】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1−4に従って説明する。
【0020】
図において、符号1は、車両である自動車の車室に設置されるシート装置である。また、矢印Frは、この自動車の進行方向の前方を示している。
【0021】
上記シート装置1の主体をなすシート2は、このシート2に着座する着座者3を前方に向かう姿勢で着座可能とさせるシートクッション4と、このシートクッション4の後端部側から上方に向かって突出し、上記着座者3を背もたれ可能とさせるシートバック5とを備えている。上記シートクッション4の後部上に着座者3の臀部3aが支持可能とされ、このシートクッション4の前部上に着座者3の大腿部3bが支持可能とされる。
【0022】
上記シートクッション4は、全体的にクッション性を有するシートクッション本体7と、シートクッション4の骨格部材をなし、上記シートクッション本体7を自動車の車室フロアに支持させる強度部材8とを備えている。また、この強度部材8は、この強度部材8の前部を構成して、上記シートクッション本体7の前部を上記車体フロアに支持させる板金製のフロントスカートパネル9を有している。
【0023】
上記フロントスカートパネル9は、その左右側部を構成して、自動車の前後方向に延びる左右側部フレーム10と、これら左右側部フレーム10に架設されて、上記シートクッション本体7の前部下面を支持する底部パネル11と、上記シートクッション4の幅方向(自動車の幅方向)に延び、上記底部パネル11の後端縁部12の下方近傍に位置して、上記左右側部フレーム10に架設されるクロスメンバ13とを備えている。
【0024】
上記シート装置1は、上記シートクッション4の前後方向における中途部の内部に配置される受止め部材16と、この受止め部材16から前方に延出し、この受止め部材16よりも前方に位置してシートクッション4の幅方向に延びる軸心17回りで、上記受止め部材16と共に上下に揺動A,B可能となるよう上記シートクッション4の強度部材8に枢支される揺動ブラケット18と、この揺動ブラケット18の延出端部側における支持部18aに支持され、この揺動ブラケット18と連動して上記軸心17回りで揺動C,D可能とされる慣性マス19とを備えている。
【0025】
上記受止め部材16は、シートクッション4の側面視(自動車の側面視、図1)で、三角形状をなすパイプ材により形成され、上記シートクッション4の幅方向で、このシートクッション4の幅方向のほぼ全体にわたり延びている。また、上記受止め部材16は、上記底部パネル11の後端縁部12の後方近傍に配置されている。
【0026】
上記揺動ブラケット18は、上記受止め部材16から、一旦、前下方に延出した後、後上方に向かって延出する側面視でJ字形状の左右一対のアーム21を備えている。これら各アーム21の延出端部が上記支持部18aとされ、この支持部18aに上記慣性マス19が支持されている。上記各アーム21の長手方向の中途部は、上記クロスメンバ13の下方に配置されている。このクロスメンバ13には、左右一対のブラケット22が締結具23により締結されて支持されている。
【0027】
上記軸心17上に位置する左右一対の枢支軸24により、上記各アーム21の中途部が上記各ブラケット22に枢支されている。これにより、上記各アーム21は上記軸心17回りで揺動A−D可能とされている。なお、上記受止め部材16が所定角以上に前上方に揺動Aすることは、上記揺動ブラケット18の各アーム21が上記底部パネル11の後端縁部12とクロスメンバ13とにそれぞれ形成された切り欠き25の内面に当接することにより防止される(図1中一点鎖線)。
【0028】
上記慣性マス19は、上記シートクッション4の幅方向に延び、上記各アーム21の支持部18aに架設される第1重り26と、上記シートクッション4の幅方向で、上記第1重り26の長手方向の各端部側からそれぞれ外側方に延出する左右一対の第2重り27とを備えている。
【0029】
上記各第2重り27の内側方の端部を上記第1重り26の各端部に弾性的に支持する板ばねである弾性体28が設けられている。つまり、上記第2重り27は上記弾性体28と第1重り26とを介して上記支持部18aに支持されている。
【0030】
上記各慣性マス19の各第2重り27と各弾性体28との自由状態では、これら各弾性体28の弾性力により付勢されて、上記各第2重り27は、その自由端側が上記各弾性体28を中心として上方回動Eさせられ、外側方に向かうに従い上方に向かう傾斜姿勢とされる(図3,4中二点鎖線)。
【0031】
上記シートクッション4上に着座者3が着座した場合、この着座者3の臀部3aに対応する上記シートクッション本体7の一部分が、着座者3の体重により下方に撓んで、上記受止め部材16を下方に押動することとされている。そして、このように押動された受止め部材16は、下方に揺動Bし、これに連動して上記慣性マス19が上方に揺動Dする。この場合、この慣性マス19の各第2重り27の自由端側が上記シートクッション4の強度部材8の底部パネル11の下面に圧接され、上記各第2重り27は上記底部パネル11の下面に沿うよう下方回動Fさせられる(図1−4中実線)。また、この場合、上記慣性マス19の重心Gは上記軸心17の前上方で、上記支持部18aの直上に位置させられている。
【0032】
車両の前進走行中における急減速時には、上記慣性マス19が有する前方に向かう慣性力Pにより、この慣性マス19は上記軸心17を中心として前下方に揺動Cする。すると、この慣性マス19の揺動Cに連動して上記受止め部材16が上記軸心17を中心として上方に揺動Aさせられ、この受止め部材16は、上記シートクッション4上の着座者3の臀部3a底面の前方近傍に位置させられる。
【0033】
このため、上記急減速時には、上記シートクッション4上の着座者3は、上記シートクッション4の上面を沈み込みながら前方移動しがちとなるが、この前方移動は、上記のように上方に揺動Aした上記受止め部材16によって防止され、着座者3は上記シートクッション4上に拘束される。
【0034】
上記の場合、慣性マス19が前下方に揺動Cすると、この慣性マス19の第2重り27は上記弾性体28に付勢されて上方回動Eさせられる(図1中一点鎖線)。このため、上記慣性マス19が前下方に揺動Cする以前では、上記揺動ブラケット18の支持部18aに対する慣性マス19の重心Gの高さの位置Hは低いものであったが、上記慣性マス19の前下方への揺動C時には、慣性マス19の重心G´は、上記高さの位置Hにあった重心(G)の位置から揺動ブラケット18の支持部18aに対し相対的に上方移動Iさせられる。
【0035】
このため、車両の前進走行中における急減速時に、前方に向かう慣性力Pを有する上記慣性マス19がその慣性力Pにより上記軸心17を中心として前下方に揺動Cする時、上記慣性力Pの起点となる上記慣性マス19の重心G´は、上記した弾性体28の付勢による慣性マス19の上方移動Iによって上記軸心17よりも上側に位置するよう保持され、上記慣性力Pによる慣性マス19の前下方への揺動Cが、より長く維持される。
【0036】
よって、上記慣性マス19に連動する受止め部材16の上方への揺動Aの寸法が十分に得られることとなる。このため、上記車両の急減速時に、シートクッション4上に着座した着座者3が、その慣性力により上記シートクッション4の上面を沈み込みながら前方移動しようとしても、この前方移動は上記受止め部材16によって、より確実に防止され、着座者3はシートクッション4上に、より確実に拘束される。
【0037】
以下の図5−7は、実施例2−4を示している。これら各実施例は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【実施例2】
【0038】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図5に従って説明する。
【0039】
図5において、上記慣性マス19は第1重り26を有していない。上記慣性マス19の各第2重り27は、上記揺動ブラケット18の各アーム21の延出端部(支持部18a)側からそれぞれ内側方に延出し、これら各延出端部は互いに近接して対向させられている。上記各第2重り27の外側方の端部が上記各支持部18aに弾性体28により支持されている。
【0040】
なお、図5中一点鎖線で示すように、上記各第2重り27は、その自由端側に向かうに従い厚さが大きくなるようにしてもよい。このようにすれば、第2重り27の重心を、その自由端側に向かうよう位置させることができる。
【0041】
なお、図示しないが、上記第1重り26を設けてもよい。また、上記各第2重り27は、その自由端側に向かうに従い幅寸法が大きくなるようにしてもよく、上記自由端に別途の重りを取り付けてもよい。
【実施例3】
【0042】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図6に従って説明する。
【0043】
図6において、上記慣性マス19は、第1重り26と、この第1重り26にコイルばねである弾性体28により支持されるブロック形状の第2重り27とを備えている。
【実施例4】
【0044】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例4を添付の図7に従って説明する。
【0045】
図7において、上記揺動ブラケット18は左右一対のアーム21と、これらアーム21の延出端部に架設された円形のパイプ材32とを備えている。このパイプ材32は、上記軸心17上に位置して枢支軸24により、上記アーム21と共に上記軸心17回りで揺動A−D可能とされている。
【0046】
上記パイプ材32の上面に支持板33が取り付けられ、これが支持部18aとされている。この支持部18aに、板ばねである左右弾性体28によりブロック形状の第2重り27が上方移動可能(図7中一点鎖線)に支持されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例1を示し、図2の部分拡大図である。
【図2】実施例1を示し、シート装置の側面部分断面図である。
【図3】実施例1を示し、図1のIII−III線矢視断面図である。
【図4】実施例1を示し、シート装置の部分斜視展開図である。
【図5】実施例2を示し、図4の一部に相当する図である。
【図6】実施例3を示し、図4の一部に相当する図である。
【図7】実施例4を示し、図4の一部に相当する図である。
【符号の説明】
【0048】
1 シート装置
2 シート
3 着座者
3a 臀部
3b 大腿部
4 シートクッション
7 シートクッション本体
8 強度部材
16 受止め部材
17 軸心
18 揺動ブラケット
18a 支持部
19 慣性マス
26 第1重り
27 第2重り
28 弾性体
A 揺動
B 揺動
C 揺動
D 揺動
E 上方回動
F 下方回動
G 重心
G´ 重心
H 高さの位置
I 上方移動
P 慣性力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションの前後方向における中途部の内部に配置される受止め部材と、この受止め部材から前方に延出し、この受止め部材よりも前方に位置する軸心回りで上記受止め部材と共に上下に揺動可能となるよう上記シートクッションの強度部材に枢支される揺動ブラケットと、この揺動ブラケットの延出端部側における支持部に支持され、この揺動ブラケットと連動して上記軸心回りで揺動可能とされる慣性マスとを備え、この慣性マスが有する前方に向かう慣性力により、この慣性マスが上記軸心を中心として前下方に揺動する時、この慣性マスに連動する上記受止め部材が上方に揺動するようにした車両用シート装置において、
上記慣性マスが前下方に揺動する時、上記慣性力の起点となる上記慣性マスの重心が上記揺動ブラケットの支持部に対し相対的に上方移動するよう、この慣性マスを付勢する弾性体を設けたことを特徴とする車両用シート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−201258(P2008−201258A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−39523(P2007−39523)
【出願日】平成19年2月20日(2007.2.20)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】