車両用シート
【課題】シートバックの厚み方向のスペースを大きく占有することなく、車体側方からの入力荷重をシートバック部分で確実に受け止めることのできる車両用シートを提供する。
【解決手段】稜線部aが車幅方向に沿って延出する第1,第2,第3リブ15a,15b,15cをプレート材14に設ける。そのプレート材14をシートバックフレーム13の上部フレーム13a、下部フレーム13bおよび左右の側部フレーム13c,13dに結合する。プレート材14上の乗員胸部高さ位置に車幅方向に延出する上部クロスメンバ16を取り付け、シートバックフレーム13の下部フレーム13dのうちの、乗員の腰部高さ位置に下部クロスメンバ17を取り付ける。
【解決手段】稜線部aが車幅方向に沿って延出する第1,第2,第3リブ15a,15b,15cをプレート材14に設ける。そのプレート材14をシートバックフレーム13の上部フレーム13a、下部フレーム13bおよび左右の側部フレーム13c,13dに結合する。プレート材14上の乗員胸部高さ位置に車幅方向に延出する上部クロスメンバ16を取り付け、シートバックフレーム13の下部フレーム13dのうちの、乗員の腰部高さ位置に下部クロスメンバ17を取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両側方から入力される荷重に対して乗員を保護する機能を備えた車両用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のシートの多くは、側方からの荷重入力をフレーム枠で剛的に受け止める構造を持たないため、車両の側面衝突時等にシート自体で衝突エネルギーを効率良く受け止めることができない。
【0003】
このため、これに対処する車両用シートとして、略矩形枠形状のシートバックフレームの左右の側部フレームに、両フレーム間を連結する強度部材を設け、その強度部材によって乗員の胸部高さ付近のフレーム強度を高めたものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この車両用シートは、断面積の大きい強度部材を車幅方向外側から内側に向けて斜めに配置し、乗員の胸部高さに入力された車両の側面衝突時荷重をシートバックフレームと強度部材で受け止めるとともに、車両の幅方向中央のセンターコンソール部分に効率良く荷重を伝達し得るようになっている。
【特許文献1】特開2004−153839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両用シートのシートバック部分は、乗員の乗り心地の向上のためのランバーサポートや鞭打ち防止のためのアクティブヘッドレスト等の多くの機能部品が内蔵されるとともに、後席側の居住空間確保のために車体前後方向の肉厚が制限される傾向にある。
【0006】
しかし、上記の従来の車両用シートを採用する場合には、断面積の大きい強度部材がシートバックフレームに斜めに架設されることから、シートバックに対する機能部品の内蔵や薄肉化がむずかしくなるというのが実情である。
【0007】
そこで、この発明は、シートバックの厚み方向のスペースを大きく占有することなく、車体側方からの入力荷重をシートバック部分で確実に受け止めることのできる車両用シートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、車体側方からの入力荷重をシートバック(例えば、後述の実施形態におけるシートバック3)によって受け止める車両用シートにおいて、稜線部(例えば、後述の実施形態における稜線部a)が車幅方向に沿って延出する複数の凹凸部(例えば、後述の実施形態における第1リブ15a,第2リブ15b,第3リブ15c)をプレート材(例えば、後述の実施形態におけるプレート材14)に設け、そのプレート材をシートバックフレーム(例えば、後述の実施形態におけるシートバックフレーム13)に取り付けたことを特徴とする。
これにより、プレート材は複数の凹凸部によって上下方向に複数領域に区画されるようになり、シートバックに車体側方から衝突荷重が入力されると、凹凸部の稜線部が荷重を受け止めるようになる。このとき、一部の稜線部が他の稜線部よりも先に圧壊、若しくは、屈曲しようとすると、プレート材上の隣接する稜線部間に圧壊や屈曲を阻止するようにせん断応力が作用するようになる。したがって、プレート材はそのほぼ全域において車体側方からの入力荷重を効率良く受け止めるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材は、略矩形枠形状の前記シートバックフレームの上部フレーム(例えば、後述の実施形態における上部フレーム13a)、下部フレーム(例えば、後述の実施形態における下部フレーム13b)および左右の側部フレーム(例えば、後述の実施形態における側部フレーム13c,13d)に夫々結合したことを特徴とする。
これにより、プレート材の周縁部がシートバックフレームによって剛的に支持されることになり、シートバックフレームとプレート材によって車体側方からの入力荷重をより確実に受け止められるようになる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材に、シートに着座した乗員の胸部高さ位置において車幅方向に延出する上部クロスメンバ(例えば、後述の実施形態における上部クロスメンバ16)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方からシートバックの乗員の胸部高さに荷重が入力されると、その荷重が上部クロスメンバを介してプレート材に車幅方向の荷重として速やかに、かつ確実に伝達されるとともに、シートバックフレームの胸部高さ位置の強度が高められる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する側方延出部(例えば、後述の実施形態における側方延出部14b)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方から入力される荷重は側方延出部を介してプレート材の全域に伝達されるようになる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両用シートにおいて、前記側方延出部に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側面方向に膨出して車体側部から入力された荷重を前記側部フレームに伝達する荷重受け部(例えば、後述の実施形態における荷重受け部18)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方から側方延出部に入力された荷重は荷重受け部を介して側部フレームにも速やかに伝達されるようになる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材の下端、若しくは、プレート材が結合されるシートバックフレームの下部フレームに、車幅方向に延出する下部クロスメンバ(例えば、後述の実施形態における下部クロスメンバ17)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方から入力されてプレート材の下端側に伝達された荷重は下部クロスメンバを介してセンターコンソール等の車両の幅方向中央側の部材に伝達されるようになる。また、下部クロスメンバによりプレート材の下部を補強することができるので、プレート材の面外への変形を規制することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材(例えば、後述の実施形態におけるプレート材114)の上端に車幅方向に延出する上部クロスメンバ(例えば、後述の実施形態における上部クロスメンバ22)を設け、該上部クロスメンバをシートバックフレームの車外側の側部フレーム(例えば、後述の実施形態における側部フレーム13c)の外側に延出させたことを特徴とする。
これにより、車体側方からの入力荷重が上部クロスメンバを介して速やかにプレート材の上端部に伝達され、プレート材に早期にせん断応力が作用するようになる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両用シートにおいて、前記上部クロスメンバの外側延出部(例えば、後述の実施形態における外側延出部22a)を覆う上部側方延出部(例えば、後述の実施形態における上部荷重伝達ブロック24)を設けたことを特徴とする。
これにより、上部クロスメンバの外側延出部の周囲が上部側方延出部によって補強され、車体側方から上部クロスメンバに入力荷重が伝達された際に、上部クロスメンバの外側延出部の変形が防止されるようになる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の車両用シートにおいて、前記上部側方延出部における前記上部クロスメンバよりも前側部分を最も車幅方向外側に延出させたことを特徴とする。
これにより、車体側方から入力荷重が上部側方延出部に伝達される際には、上部側方延出部は最も車幅方向外側に延出した前側部分で荷重を受け易くなる。これにより、上部クロスメンバには前側にオフセットした位置から荷重が入力され、上部クロスメンバの車幅方向中央側が前方に屈曲する変形が抑制される。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材の上端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する上部側方延出部(例えば、後述の実施形態における上部荷重伝達ブロック224)を設け、前記プレート材の下端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する下部側方延出部(例えば、後述の実施形態における下部荷重伝達ブロック25)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方からの入力荷重は、上部側方延出部と下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部と下端部に対応する部位に早期に伝達されるようになる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の車両用シートにおいて、前記下部側方延出部を前記上部側方延出部よりも車幅方向外側に延出させたことを特徴とする。
これにより、車体側方からの入力荷重は、最初に、下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の下端部に対応する部位に伝達され、その後に、上部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部に対応する部位に伝達されるようになる。したがって、プレート材は下端の変位を先に規制された状態で上端部に側方から荷重を受けるため、安定してせん断方向の応力を発生することになる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、車幅方向に延出する稜線部によって上下方向に複数の領域に区画されるプレート材がシートバックフレームに取り付けられ、そのプレート材のほぼ全域において車体側方からの衝突荷重が受け止められるため、シートバックの厚み方向のスペースを犠牲にすることなく、側面衝突荷重をシートバック部分において確実に受け止めることができる。したがって、この発明を採用した場合には、シートバックへの機能部品の追加やシートバックの薄肉化の要望にも容易に対応することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、プレート材の周縁部がシートバックフレームの周囲の四辺のフレーム材によって支持されるため、シートバックのほぼ全域の強度が効果的に高められるとともに、プレート材の面外への変形を防ぐことができるので、プレート材のせん断変形を確実に発生させ、側面衝突荷重をシートバックによってより確実に受け止めることが可能になる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、車体側部からシートバックの乗員の胸部高さに入力された荷重を上部クロスメンバで受け止めることができるとともに、その上部クロスメンバからプレート材を介してシートバックフレーム全域に速やかに伝達することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、車外側の側部フレームの外側に延出する側方延出部を設けたことから、車体側方から入力される荷重をプレート材の全域により速やかに伝達することが可能になる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、車体側方から入力された荷重を側方延出部の荷重受け部を介して側部フレームに伝達できるため、プレート材とシートバックフレームによって車体側方からの入力荷重をより確実に受け止めることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、車体側方からシーバックに入力された荷重を、下部クロスメンバを介して車両の幅方向中央側の部材に確実に伝達することができるとともに、下部クロスメンバによりプレート材の下部を補強し、プレート材の面外への変形を規制することができるので、衝突エネルギーを車体によって効率良く吸収することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、車体側方からの入力荷重が上部クロスメンバを介して速やかにプレート材の上端部に伝達されるため、荷重入力初期にプレート材に早期にせん断応力を作用させて、側面衝突荷重を効率良くシートバック部分で受け止めることができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、上部クロスメンバの外側延出部の周囲が上部側方延出部によって補強され、外側延出部の変形が防止されるため、車体側方からの入力荷重を効率良くプレート材の上部に伝達することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、上部クロスメンバに前側にオフセットした位置から荷重が入力されるため、車体側部側の当接部形状等に拘わらず、上部クロスメンバの車幅方向中央側が前方に屈曲する変形を抑制し、入力荷重を安定してプレート材に受け止めさせることができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、車体側方からの入力荷重を、上部側方延出部と下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部と下端部に対応する部位に早期に伝達することができるため、荷重入力早期からプレート材に安定したせん断応力を生じさせることができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、車体側方からの入力荷重を、下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の下端部に対応する部位に伝達した後に、上部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部に対応する部位に伝達することができるため、下端を変位規制されたプレート材に効率良くせん断応力を生じさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態においては、同一部分に同一符号を付して重複する説明を一部省略するものとする。
最初に、図1〜図4に示す第1の実施形態について説明する。
図1,図2は、この発明にかかる車両用シート1を車両に設置した状態における正面図と背面図であり、図3,図4は、同車両用シート1を右側上部斜め後方から見た斜視図と左側上部斜め後方から見た斜視図である。
【0031】
車両用シート1は、乗員の臀部を支持するシートクッション2と、このシートクッション2の後端部に連結されて、乗員の腰部および胸部(背部)を支持するシートバック3と、このシートバック3の上部に支持されて、乗員の頭部および首部を支持するヘッドレスト4とを備えている。
【0032】
シートクッション2は、前端部と後端部に車幅方向に沿って延出する前部クロスメンバ5と後部クロスメンバ6が取り付けられたクッションフレーム7を備え、そのクッションフレーム7がシートレール8,8を介して車体フロア9に前後方向にスライド可能に取り付けられている。なお、図1,図2中、10は、車体の下端側部に設けられたサイドシルであり、11は、車体側部のほぼ中央に立設されたセンターピラー、12は、車体フロア9上の車幅方向中央に固定配置されたセンターコンソールである。
【0033】
シートバック3は、図1に示すように、上部フレーム13a、下部フレーム13bおよび左右の側部フレーム13c,13dとから成る略矩形枠形状のシートバックフレーム13を備え、そのシートバックフレーム13の下端がクッションフレーム7の後端部に傾動可能にヒンジ結合されている。シートバックフレーム13の上部フレーム13aの幅方向中央位置には、ヘッドレスト4の支持フレーム4a,4aが昇降可能に取り付けられている。なお、この実施形態の場合、ヘッドレスト4は後面衝突時に乗員の鞭打ちを防止するためのアクティブヘッドレストが採用されている。
【0034】
シートバックフレーム13の背面側には正面視が略L字状のプレート材14が取り付けられている。このプレート材14は、シートバックフレーム13の上部フレーム13aと下部フレーム13bと左右の側部フレーム13c,13dに周縁部を結合される略矩形状のプレート本体部14aと、プレート本体部14aの車外側の側部フレーム13cの外側に略L字状に延出する側方延出部14bと、から構成されている。また、プレート材14には、稜線部aが車幅方向に沿って延出する複数のリブ15a,15b,15c(凹凸部)が上下方向に並んで設けられ、中央のリブ15a(以下、「第1リブ15a」と呼ぶ。)の内部には車幅方向に延出する略円柱状の上部クロスメンバ16が一体に取り付けられている。この上部クロスメンバ16は、着座した乗員のほぼ胸部の高さ位置において車幅方向に延出している。下側のリブ15b(以下、「第2リブ15b」と呼ぶ。)の下縁のプレート本体部14aを成す領域は、シートバックフレーム13の下部フレーム13bに一体に結合されている。また、同様に上側のリブ15c(以下、「第3リブ15c」と呼ぶ。)の上縁のプレート本体部14aを成す領域は、シートバックフレーム13の上部フレーム13aに一体に結合されている。
【0035】
シートバックフレーム13の下部フレーム13bのうちの、プレート材14の下縁の結合部の直下位置には、車体幅方向に延出する下部クロスメンバ17が一体に取り付けられている。この下部クロスメンバ17は、シートクッション2側の後部クロスメンバ6とともに、着座した乗員のほぼ腰部の高さにおいて車幅方向に延出し、車外側の端部がセンターピラー11に対向するとともに、車内側の端部がセンターコンソール12の側面に対向するようになっている。
【0036】
また、プレート材14のうちの、側部フレーム13cの背面側を回り込んで車外側に延出する側方延出部14bには、車体前方側に膨出して側部フレーム13cの車外側の側部に配置される断面略三角形状の複数の荷重受け部18…が一体に形成されている。この荷重受け部18…は、車内側の端部が側部フレーム13cの車外側の側面に当接しており、側面衝突時等にセンターピラー11等を介して側方延出部14bに荷重が入力されたときに、その荷重を側部フレーム13cの上下方向の広い範囲に伝達するようになっている。
【0037】
以上の構成において、この発明にかかる車両用シート1を採用した車両の側面に衝突荷重が入力されると、衝突によって変形したセンターピラー11がシートバック3の上部クロスメンバ16とプレート材14の側方延出部14bとに当接し、乗員とセンターピラー11とが接触する前の早いタイミングでこれらに衝突荷重が入力される。このとき、衝突荷重は側方延出部14bの荷重受け部18を介してシートバックフレーム13の側部フレーム13cに伝達されるとともに、上部クロスメンバ17を中心としてプレート材14の幅方向に荷重が伝達される。こうして、プレート材14に上部クロスメンバ16をせん断荷重の入力点として荷重が入力されると、各リブ15a,15b,15cの稜線部aによって区画された複数の領域においてせん断方向の応力が作用し、そのせん応力がシートバックフレーム13の上部フレーム13aと下部フレーム13bとに伝達されるようになる。ここで、プレート本体部14aは、シートバックフレーム13の上部フレーム13aと下部フレーム13bと左右の側部フレーム13c,13dに周縁部を結合されているため、せん断方向の応力がプレート本体部14aの面外に抜けてしまうことはない。また、プレート材14は、リブ15a,15b,15cの稜線方向に延びる下部クロスメンバ17によって下端が補強されているため、せん断荷重が下方に抜けることなく、プレート材14はそのほぼ全域において荷重を受け止めるようになる。
【0038】
そして、このようにして下部フレーム13bに伝達された衝突荷重は、クッションフレーム7とシートレール8を介して車体フロア9に伝達されるとともに、下部クロスメンバ17を介してセンターコンソール12にも伝達される。したがって、衝突荷重はシートバックフレーム13を大きく変形させることなく、車体フロア9とセンターコンソール12とによって吸収される。
【0039】
この車両用シート1においては、シートバックフレーム13に取り付けられるプレート材14が、リブ15a〜15cの車幅方向に延出する稜線部aによって複数の領域に区画され、その複数の領域内に作用するせん断方向の応力によってプレート材14全域で荷重を受け止めることができるため、シートバック3の厚み方向のスペースを大きく占有しない肉薄構造でありながら、車体側方からの衝突荷重をシートバック3部分において確実に受け止めることができる。したがって、この車両用シート1を採用した場合には、アクティブヘッドレストやランバーサポート等の機能部品をシートバック3に容易に組み込むことができるとともに、シートバック3の肉薄化の要望にも応えることができる。
【0040】
そして、この車両用シート1においては、プレート材14の周縁部全域がシートバックフレーム13の四辺のフレーム13a〜13dに結合され、プレート材14の面外への変形を防ぐことができるので、プレート材14にせん断方向の応力を確実に発生させることができる。これにより、プレート材14とシートバックフレーム13が協働して強度を高め、側面衝突荷重をより確実に受け止めることが可能となっている。
【0041】
また、この車両用シート1の場合、着座した乗員の胸部高さに上部クロスメンバ16が配置されているため、その高さに入力された側面衝突荷重を強度の高い上部クロスメンバ16によって直接受け止めることができるとともに、さらにプレート材14とシートバックフレーム13を介して車体フロア9とセンターコンソール12とに荷重を確実に伝達することができる。
【0042】
さらに、この車両用シート1においては、プレート材14に側部フレーム13cの外側に延出する側方延出部14bが設けられているため、側面衝突荷重をプレート材14により速やかに伝達することができる。
特に、この実施形態においては、プレート材14の側方延出部14bに、センターピラー11から側部フレーム13cの外側面に荷重を直接的に伝達する荷重受け部18が設けられているため、シートバックフレーム13に対しても側面衝突荷重を同様に速やかに伝達することができる。
【0043】
また、この車両用シート1の場合、プレート材14の下縁に位置される下部フレーム13bに下部クロスメンバ17が設けられ、その下部クロスメンバ17の端部がセンターコンソール12の側面に対向するように配置されているとともに、下部クロスメンバ17によってプレート材14の下部を補強し、プレート材14の下側の面外への変形を規制することができるので、シートバックフレーム13に入力された側面衝突荷重を下部クロスメンバ17を介してセンターコンソール12に確実に伝達することができる。
【0044】
なお、上記の実施形態においては、下部クロスメンバ17をシートバックフレーム13に取り付けたが、下部クロスメンバ17はプレート材14の下端に結合するようにしても良い。
【0045】
つづいて、図5〜図9に示す第2の実施形態について説明する。
図5,図6は、この発明にかかる車両用シート101を車両に設置した状態における斜視図と背面図である。
車両用シート101は、第1の実施形態と同様に、シートクッション2と、シートバック3と、ヘッドレスト4を備え、シートクッション2がシートレール8,8を介して車体フロア9に取り付けられている。シートバック3は、上部フレーム13a、下部フレーム13bおよび左右の側部フレーム13c,13dとから成る略矩形枠形状のシートバックフレーム13を備え、シートバックフレーム13の下端がシートクッション2の後端部にヒンジ軸20によって回動可能に連結されている。
【0046】
シートバックフレーム13の背面側には正面視が略矩形状のプレート材114が取り付けられている。この実施形態の場合、プレート材114は、稜線部aが車幅方向に延出する波形状のリブ115…(凹凸部)を複数備えた2枚の板が相互に接合されて構成されている。
【0047】
図7,図8は、シートバックフレーム13に対するプレート材114の取付状態を示す背面図と側面図である。
これらの図に示すように、プレート材114の両側部は、左右の各側部フレーム13c,13dに取り付けられた断面略L字状のブラケット21a,21bに溶接固定されている。そして、左右のブラケット21a,21bには車幅方向に延出する円筒状の上部クロスメンバ22が溶接固定されている。この上部クロスメンバ22は、車外側の側端部がブラケット21aを貫通して側部フレーム13cの外側に突出している。この実施形態の場合、プレート材114は、両側の側部フレーム13c,13dのほぼ幅内に配置され、上端部は上部フレーム13aよりも下方の乗員のほぼ胸部高さで上部クロスメンバ22に固定されている。
【0048】
また、この実施形態の場合、ヒンジ軸20の周囲には円筒状の下部クロスメンバ23が同軸に設けられている。
図9は、シートバックフレーム13に対する下部クロスメンバ23の取付状態を示す背面図である。
同図に示すように、下部クロスメンバ23は、一端側が車外側の側部フレーム13cに片持ち状態で溶接固定され、他端側が車内側の側部フレーム13dの側面に非接触状態で対峙するようになっている。この下部クロスメンバ23の他端部は、車外側の側部フレーム13cに車体側方から大荷重が入力されたときに、車内側の側部フレーム13dに当接することによって荷重を側部フレーム13dに伝達する。そして、この下部クロスメンバ23にはプレート材114の下端が溶接固定されている。
【0049】
また、側部フレーム13cのうちの、プレート材114の上端部と下端部に対応する位置には、車体側部からの入力荷重を側部フレーム13cに伝達するための上部荷重伝達ブロック24(上部側方延出部)と下部加重伝達ブロック25(下部側方延出部)が取り付けられている。上部荷重伝達ブロック24と下部荷重伝達ブロック25は、いずれも車幅方向に延出する複数の筒状断面が並列に配列されたハニカム構造とされ、全体が樹脂によって一体に形成されている。このうち、上部荷重伝達ブロック25は、後端縁が側部フレーム25の後方に回りこむように略L字状に膨出して形成されている。そして、側部フレーム25の後方に回り込んだ上部荷重伝達ブロック25の後端縁は、プレート材114の側方端面に突き合わされ、プレート材114から突出した上部クロスメンバ22の側方延出部22a(外側延出部)を長手方向に亘って覆うようになっている。
【0050】
なお、図5,図6中、26は、図示しないセンターコンソール内に配置されるコンソール補強部材である。このコンソール補強部材26は、上部荷重伝達ブロック24や下部荷重伝達ブロック25と同様のハニカム構造の左右の側部壁26a,26bと、側部壁26a,26bの上部領域同士を相互に連結する連結壁26cとから成り、これらがセンターコンソール内において、フロアトンネル27に重合状態で固定されるようになっている。
【0051】
以上の構成において、車両の側部から衝突荷重が入力されてセンターピラー11等の車体側壁がシートバック3方向に変形すると、その側壁からの荷重は上部荷重伝達ブロック24と下部荷重伝達ブロック25を介して側部フレーム13cに伝達されるとともに、上部荷重伝達ブロック24によって囲繞された上部クロスメンバ22の側方延出部22aに伝達される。このとき、下部荷重伝達ブロック24に入力された衝突荷重は下部フレーム13bを介して車内側の側部フレーム13dに伝達されるとともに、下部クロスメンバ23の車内側の端部が車内側の側部フレーム13dに当接し、この下部クロスメンバ23を介しても荷重が側部フレーム13dの下方に伝達されるようになる。そして、こうして衝突荷重が側部フレーム13dの下方に伝達されると、側部フレーム13dの下端がセンターコンソールに当接して、入力荷重がその内部のコンソール補強部材26を介してフロアトンネル27に支持されるようになる。一方、上部クロスメンバ22に入力された衝突荷重は、プレート材114の上端部に伝達され、プレート材114の各リブ115…の稜線部aによって区画された複数の領域にせん断方向の応力を生じさせる。これにより、入力荷重はプレート材114のほぼ全域において受け止められるようになる。
【0052】
また、プレート材114は、両側部が側部フレーム13c,13dに結合されるとともに、上端部が上部クロスメンバ22に結合され、下端部が下部フレーム13bと下部クロスメンバ23に結合されているため、衝突荷重の入力時に、荷重が外部に抜けることなくせん断方向の応力を確実に発生させるようになる。この実施形態の場合も、衝突荷重はシートバックフレーム13を大きく変形させることなく、車体フロア9とセンターコンソールによって吸収される。
【0053】
この車両用シート101においても、シートバック3に取り付けられるプレート材114が複数のリブ115…の稜線部aによって複数の領域に区画され、その領域内に作用するせん断応力によってプレート材114のほぼ全域で荷重を受け止めることができるため、シートバック3に対する機能部品の組み込みやシートバック3の肉薄化を制限することなく、車体側方からの衝突荷重をシートバック3部分で確実に受け止めることができる。
【0054】
そして、この車両用シート101の場合、プレート材114の上端部を上部フレーム13aまで延出させずに、着座した乗員のほぼ胸部高さに位置される上部クロスメンバ22までの延出長さとしているため、衝突荷重の吸収性能とシートバック3の軽量化を良好にバランスさせることができる。
【0055】
また、この車両用シート101においては、上部クロスメンバ22に側部フレーム13cよりも車外側に突出する側方延出部22aが設けられているため、車体側方からの衝突荷重をプレート材114の上端部にせん断方向の荷重として迅速に伝達することができる。
特に、この実施形態の場合、車体側部から側部フレーム13cに衝突荷重を伝達するための上部荷重伝達ブロック24が、上部クロスメンバ22の側方延出部22aを囲繞する構造となっているため、荷重入力時における側方延出部22aの変形を規制し、衝突荷重を常時所望通りにプレート材114に伝達させることができる。
【0056】
図10,図11は、この実施形態の変形例を示すものであり、図10は、車両用シート101Aと後部座席に着座した乗員mを示す模式的な平面図、図11は、車両用シート101Aの一部の斜視図である。
この変形例の車両用シート101Aは、プレート材114Aに形成されるリブ115Aの形状が異なっている。すなわち、前述した例の場合、各リブ115は車幅方向に亘って一定の突出高さとなっていたが、この変形例のリブ115A…は車幅方向の中央部の突出高さHcが最も高く、後席に着座する乗員mの膝位置nの前方の突出高さHsが最も低くなるように設定されている。
【0057】
この変形例の車両用シート101Aは、リブ115Aの突出高さが車幅方向の略中央が最も高くなるように設定されているため、後席の乗員mのニースペースを狭めることなく、プレート材114A(シートバック3)の座屈強度を高めることができる。
【0058】
次に、図12〜図16に示す第3の実施形態について説明する。
図12は、この実施形態の車両用シート201の背面図であり、図13は、側部フレーム13cに取付けられる上部荷重伝達ブロック224を略水平方向で切った断面図である。
この車両用シート201は、第2の実施形態と同様に、シートバックフレーム13にプレート材114が取り付けられ、プレート材114の上下に上部クロスメンバ22と下部クロスメンバ23が設けられるとともに、側部フレーム13cの車外側面のうちのプレート材114の上下端に対応する位置に上部荷重伝達ブロック224と下部荷重伝達ブロック25が設けられている。上部荷重伝達ブロック224は、第2の実施形態と同様に、上部クロスメンバ22の側方延出部22aを囲繞するように配置されるが、車幅方向外側への延出長さが前後方向で一定でなく、前方領域224aの延出長さが後方領域224bの延出長さよりも長くなるように平面視が段差状となっている。
【0059】
上部荷重伝達ブロック224の後方領域224bの内部には、上部クロスメンバ22の側方延出部22aが配置され、前方領域224aの内部には、強度部材である円筒状のサブクロスメンバ30が車幅方向に沿うように配置されている。
また、下部荷重伝達ブロック25は、上部荷重伝達ブロック224に対し設定長さL1だけ車幅方向外側に延出するように設定されている。
【0060】
以上の構成において、車両の側部から衝突荷重が入力されて車体側壁がシートバック3方向に変形すると、その側壁が最初に下部荷重伝達ブロック25に当接し、その後に上部荷重伝達ブロック224の前方領域224aに当接する。これにより、シートバックフレーム13の下端側が車体側壁とセンターコンソールの間で押さえ込まれ、その状態において上部クロスメンバ22を介してプレート材114の上端部に衝突荷重が入力される。このとき、プレート材114には、リブ115…の稜線部aによって区画された複数の領域にせん断方向の応力が発生する。したがって、この車両用シート201においては、プレート材114のほぼ全域において効率良く荷重を受け止めることができる。
特に、この実施形態の場合、下部荷重伝達ブロック25が上部荷重伝達ブロック224に対して設定長さL1だけ車幅方向外側に延出しており、衝突初期には、車体側壁とセンターコンソールによって先にシートバックフレーム13の下端が押さえ込まれるため、シートバック3の倒れを規制した状態において、プレート材114で荷重を確実に受け止めることができる。
【0061】
また、この車両用シート201においては、上部荷重伝達ブロック224が、前方領域224aの延出長さが後方領域224bの延出長さよりも長くなるように段差状に形成されているため、車両の側部からの衝突時には、車体側壁が上部荷重伝達ブロック224上の、上部クロスメンバ22に対して前方にオフセットした前方領域224aに常に先に当接し、上部クロスメンバ22の車幅方向中央側が前方に屈曲するような変形が抑制される。すなわち、上部クロスメンバ22の側方延出部22aには前方にオフセットした位置から荷重が入力されるため、図14,図15,図16に示すように、車体側壁(例えば、センターピラー11)の変形形状に拘わらず、上部クロスメンバ22には車幅方向中央側を後方に湾曲させるようなモーメントが作用し、その結果、前席の乗員m方向の屈曲変形が抑制される。したがって、側方からの入力荷重を常時安定してプレート材114で受け止めることができる。
【0062】
また、この実施形態の場合、上部荷重伝達ブロック224の前方領域224aに円筒状のサブクロスメンバ30が設けられているため、前方領域224aに入力される荷重を早期に側部フレーム13cに伝達することができる。
【0063】
図17は、この発明の第4の実施形態を示すものである。
この実施形態は、側部フレーム13cの下端側の側面に設けられる下部荷重伝達ブロック325の上方領域325aのハニカム構造の密度が、下方領域325bのハニカム構造の密度よりも高く設定されている。
【0064】
このため、この実施形態の場合、車体の側部からの衝突時に、センターピラー11の中央領域(強度の高いサイドシル10から離間した領域)が先に倒れ込んだ際に、下部荷重伝達ブロック325の密度の高い上方領域325aで早期に、かつ確実にシートバックフレーム13に荷重を伝達することができる。そして、下部荷重伝達ブロック325は、衝突時に早期にセンターピラー11の倒れ込みのある上部領域325aに対して下部領域325bの密度が低く設定されているため、全体の重量を軽量化することができる。
なお、この実施形態においては、下部荷重伝達ブロック325の上方領域325aの密度を下方領域325bの密度よりも高く設定しているが、密度を高める部位はこれに限らず、衝突時に車体側壁が早期に進入する部位や局所的な進入が起こり易い部位に適宜設定することが可能である。また、上部荷重伝達ブロックにも、同様に高密度部位と低密度部位を設定するようにしても良い。
【0065】
また、図18,図19は、この発明の第5の実施形態を示すものである。
この実施形態は、側部フレームの下端側の側面に設けられる下部荷重伝達ブロック425の車外側の端部が半球状の曲面425aによって構成されている。
このため、側面衝突時に、センターピラー11の付根部側が傾斜した場合であっても、センターピラー11が下部荷重伝達ブロック425の曲面425aに当接することで、衝突荷重をシートバック3の車幅方向に確実に伝達することができる。
【0066】
図20は、この第5の実施形態の変形例を示すものであり、同変形例の場合、下部荷重伝達ブロック525の端部が車体前後方向に曲面525aが形成されるような半円柱断面とされている。この場合、衝突時にセンターピラーが前後方向に傾斜しても、衝突荷重をシートバックの車幅方向に確実に伝達することができる。
【0067】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の第1の実施形態の車両用シートの骨格を示す正面図。
【図2】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図3】同実施形態の車両用シート斜視図。
【図4】同実施形態の車両用シート斜視図。
【図5】この発明の第2の実施形態の車両用シートの骨格を示す斜視図。
【図6】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図7】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図8】同実施形態の車両用シートの側面図。
【図9】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図10】同実施形態の変形例を示す車両用シートの模式的な断面図。
【図11】同変形例の車両用シートの背面図。
【図12】この発明の第3の実施形態の車両用シートの骨格を示す背面図。
【図13】同実施形態の車両用シートの断面図。
【図14】同実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図15】同実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図16】同実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図17】この発明の第4の実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図18】この発明の第5の実施形態の車両用シートの斜視図。
【図19】同実施形態の車両用シートの模式的な平面図。
【図20】同実施形態の変形例を示す車両用シートの斜視図。
【符号の説明】
【0069】
1,101,101A,201…車両用シート
3…シートバック
13…シートバックフレーム
13a…上部フレーム
13b…下部フレーム
13c,13d…側部フレーム
14,114…プレート材
14b…側方延出部
15a…第1リブ(凹凸部)
15b…第2リブ(凹凸部)
15c…第3リブ(凹凸部)
16…上部クロスメンバ
17…下部クロスメンバ
18…荷重受け部
22…上部クロスメンバ
22a…側方延出部(外側延出部)
24,224…上部荷重伝達ブロック(上部側方延出部)
25,325,425,525…下部荷重伝達ブロック(下部側方延出部)
115…リブ(凹凸部)
a…稜線部
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両側方から入力される荷重に対して乗員を保護する機能を備えた車両用シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のシートの多くは、側方からの荷重入力をフレーム枠で剛的に受け止める構造を持たないため、車両の側面衝突時等にシート自体で衝突エネルギーを効率良く受け止めることができない。
【0003】
このため、これに対処する車両用シートとして、略矩形枠形状のシートバックフレームの左右の側部フレームに、両フレーム間を連結する強度部材を設け、その強度部材によって乗員の胸部高さ付近のフレーム強度を高めたものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この車両用シートは、断面積の大きい強度部材を車幅方向外側から内側に向けて斜めに配置し、乗員の胸部高さに入力された車両の側面衝突時荷重をシートバックフレームと強度部材で受け止めるとともに、車両の幅方向中央のセンターコンソール部分に効率良く荷重を伝達し得るようになっている。
【特許文献1】特開2004−153839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両用シートのシートバック部分は、乗員の乗り心地の向上のためのランバーサポートや鞭打ち防止のためのアクティブヘッドレスト等の多くの機能部品が内蔵されるとともに、後席側の居住空間確保のために車体前後方向の肉厚が制限される傾向にある。
【0006】
しかし、上記の従来の車両用シートを採用する場合には、断面積の大きい強度部材がシートバックフレームに斜めに架設されることから、シートバックに対する機能部品の内蔵や薄肉化がむずかしくなるというのが実情である。
【0007】
そこで、この発明は、シートバックの厚み方向のスペースを大きく占有することなく、車体側方からの入力荷重をシートバック部分で確実に受け止めることのできる車両用シートを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、車体側方からの入力荷重をシートバック(例えば、後述の実施形態におけるシートバック3)によって受け止める車両用シートにおいて、稜線部(例えば、後述の実施形態における稜線部a)が車幅方向に沿って延出する複数の凹凸部(例えば、後述の実施形態における第1リブ15a,第2リブ15b,第3リブ15c)をプレート材(例えば、後述の実施形態におけるプレート材14)に設け、そのプレート材をシートバックフレーム(例えば、後述の実施形態におけるシートバックフレーム13)に取り付けたことを特徴とする。
これにより、プレート材は複数の凹凸部によって上下方向に複数領域に区画されるようになり、シートバックに車体側方から衝突荷重が入力されると、凹凸部の稜線部が荷重を受け止めるようになる。このとき、一部の稜線部が他の稜線部よりも先に圧壊、若しくは、屈曲しようとすると、プレート材上の隣接する稜線部間に圧壊や屈曲を阻止するようにせん断応力が作用するようになる。したがって、プレート材はそのほぼ全域において車体側方からの入力荷重を効率良く受け止めるようになる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材は、略矩形枠形状の前記シートバックフレームの上部フレーム(例えば、後述の実施形態における上部フレーム13a)、下部フレーム(例えば、後述の実施形態における下部フレーム13b)および左右の側部フレーム(例えば、後述の実施形態における側部フレーム13c,13d)に夫々結合したことを特徴とする。
これにより、プレート材の周縁部がシートバックフレームによって剛的に支持されることになり、シートバックフレームとプレート材によって車体側方からの入力荷重をより確実に受け止められるようになる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材に、シートに着座した乗員の胸部高さ位置において車幅方向に延出する上部クロスメンバ(例えば、後述の実施形態における上部クロスメンバ16)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方からシートバックの乗員の胸部高さに荷重が入力されると、その荷重が上部クロスメンバを介してプレート材に車幅方向の荷重として速やかに、かつ確実に伝達されるとともに、シートバックフレームの胸部高さ位置の強度が高められる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する側方延出部(例えば、後述の実施形態における側方延出部14b)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方から入力される荷重は側方延出部を介してプレート材の全域に伝達されるようになる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の車両用シートにおいて、前記側方延出部に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側面方向に膨出して車体側部から入力された荷重を前記側部フレームに伝達する荷重受け部(例えば、後述の実施形態における荷重受け部18)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方から側方延出部に入力された荷重は荷重受け部を介して側部フレームにも速やかに伝達されるようになる。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材の下端、若しくは、プレート材が結合されるシートバックフレームの下部フレームに、車幅方向に延出する下部クロスメンバ(例えば、後述の実施形態における下部クロスメンバ17)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方から入力されてプレート材の下端側に伝達された荷重は下部クロスメンバを介してセンターコンソール等の車両の幅方向中央側の部材に伝達されるようになる。また、下部クロスメンバによりプレート材の下部を補強することができるので、プレート材の面外への変形を規制することができる。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材(例えば、後述の実施形態におけるプレート材114)の上端に車幅方向に延出する上部クロスメンバ(例えば、後述の実施形態における上部クロスメンバ22)を設け、該上部クロスメンバをシートバックフレームの車外側の側部フレーム(例えば、後述の実施形態における側部フレーム13c)の外側に延出させたことを特徴とする。
これにより、車体側方からの入力荷重が上部クロスメンバを介して速やかにプレート材の上端部に伝達され、プレート材に早期にせん断応力が作用するようになる。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車両用シートにおいて、前記上部クロスメンバの外側延出部(例えば、後述の実施形態における外側延出部22a)を覆う上部側方延出部(例えば、後述の実施形態における上部荷重伝達ブロック24)を設けたことを特徴とする。
これにより、上部クロスメンバの外側延出部の周囲が上部側方延出部によって補強され、車体側方から上部クロスメンバに入力荷重が伝達された際に、上部クロスメンバの外側延出部の変形が防止されるようになる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の車両用シートにおいて、前記上部側方延出部における前記上部クロスメンバよりも前側部分を最も車幅方向外側に延出させたことを特徴とする。
これにより、車体側方から入力荷重が上部側方延出部に伝達される際には、上部側方延出部は最も車幅方向外側に延出した前側部分で荷重を受け易くなる。これにより、上部クロスメンバには前側にオフセットした位置から荷重が入力され、上部クロスメンバの車幅方向中央側が前方に屈曲する変形が抑制される。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記プレート材の上端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する上部側方延出部(例えば、後述の実施形態における上部荷重伝達ブロック224)を設け、前記プレート材の下端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する下部側方延出部(例えば、後述の実施形態における下部荷重伝達ブロック25)を設けたことを特徴とする。
これにより、車体側方からの入力荷重は、上部側方延出部と下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部と下端部に対応する部位に早期に伝達されるようになる。
【0018】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の車両用シートにおいて、前記下部側方延出部を前記上部側方延出部よりも車幅方向外側に延出させたことを特徴とする。
これにより、車体側方からの入力荷重は、最初に、下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の下端部に対応する部位に伝達され、その後に、上部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部に対応する部位に伝達されるようになる。したがって、プレート材は下端の変位を先に規制された状態で上端部に側方から荷重を受けるため、安定してせん断方向の応力を発生することになる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明によれば、車幅方向に延出する稜線部によって上下方向に複数の領域に区画されるプレート材がシートバックフレームに取り付けられ、そのプレート材のほぼ全域において車体側方からの衝突荷重が受け止められるため、シートバックの厚み方向のスペースを犠牲にすることなく、側面衝突荷重をシートバック部分において確実に受け止めることができる。したがって、この発明を採用した場合には、シートバックへの機能部品の追加やシートバックの薄肉化の要望にも容易に対応することができる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、プレート材の周縁部がシートバックフレームの周囲の四辺のフレーム材によって支持されるため、シートバックのほぼ全域の強度が効果的に高められるとともに、プレート材の面外への変形を防ぐことができるので、プレート材のせん断変形を確実に発生させ、側面衝突荷重をシートバックによってより確実に受け止めることが可能になる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、車体側部からシートバックの乗員の胸部高さに入力された荷重を上部クロスメンバで受け止めることができるとともに、その上部クロスメンバからプレート材を介してシートバックフレーム全域に速やかに伝達することができる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、車外側の側部フレームの外側に延出する側方延出部を設けたことから、車体側方から入力される荷重をプレート材の全域により速やかに伝達することが可能になる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、車体側方から入力された荷重を側方延出部の荷重受け部を介して側部フレームに伝達できるため、プレート材とシートバックフレームによって車体側方からの入力荷重をより確実に受け止めることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明によれば、車体側方からシーバックに入力された荷重を、下部クロスメンバを介して車両の幅方向中央側の部材に確実に伝達することができるとともに、下部クロスメンバによりプレート材の下部を補強し、プレート材の面外への変形を規制することができるので、衝突エネルギーを車体によって効率良く吸収することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明によれば、車体側方からの入力荷重が上部クロスメンバを介して速やかにプレート材の上端部に伝達されるため、荷重入力初期にプレート材に早期にせん断応力を作用させて、側面衝突荷重を効率良くシートバック部分で受け止めることができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、上部クロスメンバの外側延出部の周囲が上部側方延出部によって補強され、外側延出部の変形が防止されるため、車体側方からの入力荷重を効率良くプレート材の上部に伝達することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、上部クロスメンバに前側にオフセットした位置から荷重が入力されるため、車体側部側の当接部形状等に拘わらず、上部クロスメンバの車幅方向中央側が前方に屈曲する変形を抑制し、入力荷重を安定してプレート材に受け止めさせることができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、車体側方からの入力荷重を、上部側方延出部と下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部と下端部に対応する部位に早期に伝達することができるため、荷重入力早期からプレート材に安定したせん断応力を生じさせることができる。
【0029】
請求項11に記載の発明によれば、車体側方からの入力荷重を、下部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の下端部に対応する部位に伝達した後に、上部側方延出部を介して車外側の側部フレームのうちのプレート材の上端部に対応する部位に伝達することができるため、下端を変位規制されたプレート材に効率良くせん断応力を生じさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態においては、同一部分に同一符号を付して重複する説明を一部省略するものとする。
最初に、図1〜図4に示す第1の実施形態について説明する。
図1,図2は、この発明にかかる車両用シート1を車両に設置した状態における正面図と背面図であり、図3,図4は、同車両用シート1を右側上部斜め後方から見た斜視図と左側上部斜め後方から見た斜視図である。
【0031】
車両用シート1は、乗員の臀部を支持するシートクッション2と、このシートクッション2の後端部に連結されて、乗員の腰部および胸部(背部)を支持するシートバック3と、このシートバック3の上部に支持されて、乗員の頭部および首部を支持するヘッドレスト4とを備えている。
【0032】
シートクッション2は、前端部と後端部に車幅方向に沿って延出する前部クロスメンバ5と後部クロスメンバ6が取り付けられたクッションフレーム7を備え、そのクッションフレーム7がシートレール8,8を介して車体フロア9に前後方向にスライド可能に取り付けられている。なお、図1,図2中、10は、車体の下端側部に設けられたサイドシルであり、11は、車体側部のほぼ中央に立設されたセンターピラー、12は、車体フロア9上の車幅方向中央に固定配置されたセンターコンソールである。
【0033】
シートバック3は、図1に示すように、上部フレーム13a、下部フレーム13bおよび左右の側部フレーム13c,13dとから成る略矩形枠形状のシートバックフレーム13を備え、そのシートバックフレーム13の下端がクッションフレーム7の後端部に傾動可能にヒンジ結合されている。シートバックフレーム13の上部フレーム13aの幅方向中央位置には、ヘッドレスト4の支持フレーム4a,4aが昇降可能に取り付けられている。なお、この実施形態の場合、ヘッドレスト4は後面衝突時に乗員の鞭打ちを防止するためのアクティブヘッドレストが採用されている。
【0034】
シートバックフレーム13の背面側には正面視が略L字状のプレート材14が取り付けられている。このプレート材14は、シートバックフレーム13の上部フレーム13aと下部フレーム13bと左右の側部フレーム13c,13dに周縁部を結合される略矩形状のプレート本体部14aと、プレート本体部14aの車外側の側部フレーム13cの外側に略L字状に延出する側方延出部14bと、から構成されている。また、プレート材14には、稜線部aが車幅方向に沿って延出する複数のリブ15a,15b,15c(凹凸部)が上下方向に並んで設けられ、中央のリブ15a(以下、「第1リブ15a」と呼ぶ。)の内部には車幅方向に延出する略円柱状の上部クロスメンバ16が一体に取り付けられている。この上部クロスメンバ16は、着座した乗員のほぼ胸部の高さ位置において車幅方向に延出している。下側のリブ15b(以下、「第2リブ15b」と呼ぶ。)の下縁のプレート本体部14aを成す領域は、シートバックフレーム13の下部フレーム13bに一体に結合されている。また、同様に上側のリブ15c(以下、「第3リブ15c」と呼ぶ。)の上縁のプレート本体部14aを成す領域は、シートバックフレーム13の上部フレーム13aに一体に結合されている。
【0035】
シートバックフレーム13の下部フレーム13bのうちの、プレート材14の下縁の結合部の直下位置には、車体幅方向に延出する下部クロスメンバ17が一体に取り付けられている。この下部クロスメンバ17は、シートクッション2側の後部クロスメンバ6とともに、着座した乗員のほぼ腰部の高さにおいて車幅方向に延出し、車外側の端部がセンターピラー11に対向するとともに、車内側の端部がセンターコンソール12の側面に対向するようになっている。
【0036】
また、プレート材14のうちの、側部フレーム13cの背面側を回り込んで車外側に延出する側方延出部14bには、車体前方側に膨出して側部フレーム13cの車外側の側部に配置される断面略三角形状の複数の荷重受け部18…が一体に形成されている。この荷重受け部18…は、車内側の端部が側部フレーム13cの車外側の側面に当接しており、側面衝突時等にセンターピラー11等を介して側方延出部14bに荷重が入力されたときに、その荷重を側部フレーム13cの上下方向の広い範囲に伝達するようになっている。
【0037】
以上の構成において、この発明にかかる車両用シート1を採用した車両の側面に衝突荷重が入力されると、衝突によって変形したセンターピラー11がシートバック3の上部クロスメンバ16とプレート材14の側方延出部14bとに当接し、乗員とセンターピラー11とが接触する前の早いタイミングでこれらに衝突荷重が入力される。このとき、衝突荷重は側方延出部14bの荷重受け部18を介してシートバックフレーム13の側部フレーム13cに伝達されるとともに、上部クロスメンバ17を中心としてプレート材14の幅方向に荷重が伝達される。こうして、プレート材14に上部クロスメンバ16をせん断荷重の入力点として荷重が入力されると、各リブ15a,15b,15cの稜線部aによって区画された複数の領域においてせん断方向の応力が作用し、そのせん応力がシートバックフレーム13の上部フレーム13aと下部フレーム13bとに伝達されるようになる。ここで、プレート本体部14aは、シートバックフレーム13の上部フレーム13aと下部フレーム13bと左右の側部フレーム13c,13dに周縁部を結合されているため、せん断方向の応力がプレート本体部14aの面外に抜けてしまうことはない。また、プレート材14は、リブ15a,15b,15cの稜線方向に延びる下部クロスメンバ17によって下端が補強されているため、せん断荷重が下方に抜けることなく、プレート材14はそのほぼ全域において荷重を受け止めるようになる。
【0038】
そして、このようにして下部フレーム13bに伝達された衝突荷重は、クッションフレーム7とシートレール8を介して車体フロア9に伝達されるとともに、下部クロスメンバ17を介してセンターコンソール12にも伝達される。したがって、衝突荷重はシートバックフレーム13を大きく変形させることなく、車体フロア9とセンターコンソール12とによって吸収される。
【0039】
この車両用シート1においては、シートバックフレーム13に取り付けられるプレート材14が、リブ15a〜15cの車幅方向に延出する稜線部aによって複数の領域に区画され、その複数の領域内に作用するせん断方向の応力によってプレート材14全域で荷重を受け止めることができるため、シートバック3の厚み方向のスペースを大きく占有しない肉薄構造でありながら、車体側方からの衝突荷重をシートバック3部分において確実に受け止めることができる。したがって、この車両用シート1を採用した場合には、アクティブヘッドレストやランバーサポート等の機能部品をシートバック3に容易に組み込むことができるとともに、シートバック3の肉薄化の要望にも応えることができる。
【0040】
そして、この車両用シート1においては、プレート材14の周縁部全域がシートバックフレーム13の四辺のフレーム13a〜13dに結合され、プレート材14の面外への変形を防ぐことができるので、プレート材14にせん断方向の応力を確実に発生させることができる。これにより、プレート材14とシートバックフレーム13が協働して強度を高め、側面衝突荷重をより確実に受け止めることが可能となっている。
【0041】
また、この車両用シート1の場合、着座した乗員の胸部高さに上部クロスメンバ16が配置されているため、その高さに入力された側面衝突荷重を強度の高い上部クロスメンバ16によって直接受け止めることができるとともに、さらにプレート材14とシートバックフレーム13を介して車体フロア9とセンターコンソール12とに荷重を確実に伝達することができる。
【0042】
さらに、この車両用シート1においては、プレート材14に側部フレーム13cの外側に延出する側方延出部14bが設けられているため、側面衝突荷重をプレート材14により速やかに伝達することができる。
特に、この実施形態においては、プレート材14の側方延出部14bに、センターピラー11から側部フレーム13cの外側面に荷重を直接的に伝達する荷重受け部18が設けられているため、シートバックフレーム13に対しても側面衝突荷重を同様に速やかに伝達することができる。
【0043】
また、この車両用シート1の場合、プレート材14の下縁に位置される下部フレーム13bに下部クロスメンバ17が設けられ、その下部クロスメンバ17の端部がセンターコンソール12の側面に対向するように配置されているとともに、下部クロスメンバ17によってプレート材14の下部を補強し、プレート材14の下側の面外への変形を規制することができるので、シートバックフレーム13に入力された側面衝突荷重を下部クロスメンバ17を介してセンターコンソール12に確実に伝達することができる。
【0044】
なお、上記の実施形態においては、下部クロスメンバ17をシートバックフレーム13に取り付けたが、下部クロスメンバ17はプレート材14の下端に結合するようにしても良い。
【0045】
つづいて、図5〜図9に示す第2の実施形態について説明する。
図5,図6は、この発明にかかる車両用シート101を車両に設置した状態における斜視図と背面図である。
車両用シート101は、第1の実施形態と同様に、シートクッション2と、シートバック3と、ヘッドレスト4を備え、シートクッション2がシートレール8,8を介して車体フロア9に取り付けられている。シートバック3は、上部フレーム13a、下部フレーム13bおよび左右の側部フレーム13c,13dとから成る略矩形枠形状のシートバックフレーム13を備え、シートバックフレーム13の下端がシートクッション2の後端部にヒンジ軸20によって回動可能に連結されている。
【0046】
シートバックフレーム13の背面側には正面視が略矩形状のプレート材114が取り付けられている。この実施形態の場合、プレート材114は、稜線部aが車幅方向に延出する波形状のリブ115…(凹凸部)を複数備えた2枚の板が相互に接合されて構成されている。
【0047】
図7,図8は、シートバックフレーム13に対するプレート材114の取付状態を示す背面図と側面図である。
これらの図に示すように、プレート材114の両側部は、左右の各側部フレーム13c,13dに取り付けられた断面略L字状のブラケット21a,21bに溶接固定されている。そして、左右のブラケット21a,21bには車幅方向に延出する円筒状の上部クロスメンバ22が溶接固定されている。この上部クロスメンバ22は、車外側の側端部がブラケット21aを貫通して側部フレーム13cの外側に突出している。この実施形態の場合、プレート材114は、両側の側部フレーム13c,13dのほぼ幅内に配置され、上端部は上部フレーム13aよりも下方の乗員のほぼ胸部高さで上部クロスメンバ22に固定されている。
【0048】
また、この実施形態の場合、ヒンジ軸20の周囲には円筒状の下部クロスメンバ23が同軸に設けられている。
図9は、シートバックフレーム13に対する下部クロスメンバ23の取付状態を示す背面図である。
同図に示すように、下部クロスメンバ23は、一端側が車外側の側部フレーム13cに片持ち状態で溶接固定され、他端側が車内側の側部フレーム13dの側面に非接触状態で対峙するようになっている。この下部クロスメンバ23の他端部は、車外側の側部フレーム13cに車体側方から大荷重が入力されたときに、車内側の側部フレーム13dに当接することによって荷重を側部フレーム13dに伝達する。そして、この下部クロスメンバ23にはプレート材114の下端が溶接固定されている。
【0049】
また、側部フレーム13cのうちの、プレート材114の上端部と下端部に対応する位置には、車体側部からの入力荷重を側部フレーム13cに伝達するための上部荷重伝達ブロック24(上部側方延出部)と下部加重伝達ブロック25(下部側方延出部)が取り付けられている。上部荷重伝達ブロック24と下部荷重伝達ブロック25は、いずれも車幅方向に延出する複数の筒状断面が並列に配列されたハニカム構造とされ、全体が樹脂によって一体に形成されている。このうち、上部荷重伝達ブロック25は、後端縁が側部フレーム25の後方に回りこむように略L字状に膨出して形成されている。そして、側部フレーム25の後方に回り込んだ上部荷重伝達ブロック25の後端縁は、プレート材114の側方端面に突き合わされ、プレート材114から突出した上部クロスメンバ22の側方延出部22a(外側延出部)を長手方向に亘って覆うようになっている。
【0050】
なお、図5,図6中、26は、図示しないセンターコンソール内に配置されるコンソール補強部材である。このコンソール補強部材26は、上部荷重伝達ブロック24や下部荷重伝達ブロック25と同様のハニカム構造の左右の側部壁26a,26bと、側部壁26a,26bの上部領域同士を相互に連結する連結壁26cとから成り、これらがセンターコンソール内において、フロアトンネル27に重合状態で固定されるようになっている。
【0051】
以上の構成において、車両の側部から衝突荷重が入力されてセンターピラー11等の車体側壁がシートバック3方向に変形すると、その側壁からの荷重は上部荷重伝達ブロック24と下部荷重伝達ブロック25を介して側部フレーム13cに伝達されるとともに、上部荷重伝達ブロック24によって囲繞された上部クロスメンバ22の側方延出部22aに伝達される。このとき、下部荷重伝達ブロック24に入力された衝突荷重は下部フレーム13bを介して車内側の側部フレーム13dに伝達されるとともに、下部クロスメンバ23の車内側の端部が車内側の側部フレーム13dに当接し、この下部クロスメンバ23を介しても荷重が側部フレーム13dの下方に伝達されるようになる。そして、こうして衝突荷重が側部フレーム13dの下方に伝達されると、側部フレーム13dの下端がセンターコンソールに当接して、入力荷重がその内部のコンソール補強部材26を介してフロアトンネル27に支持されるようになる。一方、上部クロスメンバ22に入力された衝突荷重は、プレート材114の上端部に伝達され、プレート材114の各リブ115…の稜線部aによって区画された複数の領域にせん断方向の応力を生じさせる。これにより、入力荷重はプレート材114のほぼ全域において受け止められるようになる。
【0052】
また、プレート材114は、両側部が側部フレーム13c,13dに結合されるとともに、上端部が上部クロスメンバ22に結合され、下端部が下部フレーム13bと下部クロスメンバ23に結合されているため、衝突荷重の入力時に、荷重が外部に抜けることなくせん断方向の応力を確実に発生させるようになる。この実施形態の場合も、衝突荷重はシートバックフレーム13を大きく変形させることなく、車体フロア9とセンターコンソールによって吸収される。
【0053】
この車両用シート101においても、シートバック3に取り付けられるプレート材114が複数のリブ115…の稜線部aによって複数の領域に区画され、その領域内に作用するせん断応力によってプレート材114のほぼ全域で荷重を受け止めることができるため、シートバック3に対する機能部品の組み込みやシートバック3の肉薄化を制限することなく、車体側方からの衝突荷重をシートバック3部分で確実に受け止めることができる。
【0054】
そして、この車両用シート101の場合、プレート材114の上端部を上部フレーム13aまで延出させずに、着座した乗員のほぼ胸部高さに位置される上部クロスメンバ22までの延出長さとしているため、衝突荷重の吸収性能とシートバック3の軽量化を良好にバランスさせることができる。
【0055】
また、この車両用シート101においては、上部クロスメンバ22に側部フレーム13cよりも車外側に突出する側方延出部22aが設けられているため、車体側方からの衝突荷重をプレート材114の上端部にせん断方向の荷重として迅速に伝達することができる。
特に、この実施形態の場合、車体側部から側部フレーム13cに衝突荷重を伝達するための上部荷重伝達ブロック24が、上部クロスメンバ22の側方延出部22aを囲繞する構造となっているため、荷重入力時における側方延出部22aの変形を規制し、衝突荷重を常時所望通りにプレート材114に伝達させることができる。
【0056】
図10,図11は、この実施形態の変形例を示すものであり、図10は、車両用シート101Aと後部座席に着座した乗員mを示す模式的な平面図、図11は、車両用シート101Aの一部の斜視図である。
この変形例の車両用シート101Aは、プレート材114Aに形成されるリブ115Aの形状が異なっている。すなわち、前述した例の場合、各リブ115は車幅方向に亘って一定の突出高さとなっていたが、この変形例のリブ115A…は車幅方向の中央部の突出高さHcが最も高く、後席に着座する乗員mの膝位置nの前方の突出高さHsが最も低くなるように設定されている。
【0057】
この変形例の車両用シート101Aは、リブ115Aの突出高さが車幅方向の略中央が最も高くなるように設定されているため、後席の乗員mのニースペースを狭めることなく、プレート材114A(シートバック3)の座屈強度を高めることができる。
【0058】
次に、図12〜図16に示す第3の実施形態について説明する。
図12は、この実施形態の車両用シート201の背面図であり、図13は、側部フレーム13cに取付けられる上部荷重伝達ブロック224を略水平方向で切った断面図である。
この車両用シート201は、第2の実施形態と同様に、シートバックフレーム13にプレート材114が取り付けられ、プレート材114の上下に上部クロスメンバ22と下部クロスメンバ23が設けられるとともに、側部フレーム13cの車外側面のうちのプレート材114の上下端に対応する位置に上部荷重伝達ブロック224と下部荷重伝達ブロック25が設けられている。上部荷重伝達ブロック224は、第2の実施形態と同様に、上部クロスメンバ22の側方延出部22aを囲繞するように配置されるが、車幅方向外側への延出長さが前後方向で一定でなく、前方領域224aの延出長さが後方領域224bの延出長さよりも長くなるように平面視が段差状となっている。
【0059】
上部荷重伝達ブロック224の後方領域224bの内部には、上部クロスメンバ22の側方延出部22aが配置され、前方領域224aの内部には、強度部材である円筒状のサブクロスメンバ30が車幅方向に沿うように配置されている。
また、下部荷重伝達ブロック25は、上部荷重伝達ブロック224に対し設定長さL1だけ車幅方向外側に延出するように設定されている。
【0060】
以上の構成において、車両の側部から衝突荷重が入力されて車体側壁がシートバック3方向に変形すると、その側壁が最初に下部荷重伝達ブロック25に当接し、その後に上部荷重伝達ブロック224の前方領域224aに当接する。これにより、シートバックフレーム13の下端側が車体側壁とセンターコンソールの間で押さえ込まれ、その状態において上部クロスメンバ22を介してプレート材114の上端部に衝突荷重が入力される。このとき、プレート材114には、リブ115…の稜線部aによって区画された複数の領域にせん断方向の応力が発生する。したがって、この車両用シート201においては、プレート材114のほぼ全域において効率良く荷重を受け止めることができる。
特に、この実施形態の場合、下部荷重伝達ブロック25が上部荷重伝達ブロック224に対して設定長さL1だけ車幅方向外側に延出しており、衝突初期には、車体側壁とセンターコンソールによって先にシートバックフレーム13の下端が押さえ込まれるため、シートバック3の倒れを規制した状態において、プレート材114で荷重を確実に受け止めることができる。
【0061】
また、この車両用シート201においては、上部荷重伝達ブロック224が、前方領域224aの延出長さが後方領域224bの延出長さよりも長くなるように段差状に形成されているため、車両の側部からの衝突時には、車体側壁が上部荷重伝達ブロック224上の、上部クロスメンバ22に対して前方にオフセットした前方領域224aに常に先に当接し、上部クロスメンバ22の車幅方向中央側が前方に屈曲するような変形が抑制される。すなわち、上部クロスメンバ22の側方延出部22aには前方にオフセットした位置から荷重が入力されるため、図14,図15,図16に示すように、車体側壁(例えば、センターピラー11)の変形形状に拘わらず、上部クロスメンバ22には車幅方向中央側を後方に湾曲させるようなモーメントが作用し、その結果、前席の乗員m方向の屈曲変形が抑制される。したがって、側方からの入力荷重を常時安定してプレート材114で受け止めることができる。
【0062】
また、この実施形態の場合、上部荷重伝達ブロック224の前方領域224aに円筒状のサブクロスメンバ30が設けられているため、前方領域224aに入力される荷重を早期に側部フレーム13cに伝達することができる。
【0063】
図17は、この発明の第4の実施形態を示すものである。
この実施形態は、側部フレーム13cの下端側の側面に設けられる下部荷重伝達ブロック325の上方領域325aのハニカム構造の密度が、下方領域325bのハニカム構造の密度よりも高く設定されている。
【0064】
このため、この実施形態の場合、車体の側部からの衝突時に、センターピラー11の中央領域(強度の高いサイドシル10から離間した領域)が先に倒れ込んだ際に、下部荷重伝達ブロック325の密度の高い上方領域325aで早期に、かつ確実にシートバックフレーム13に荷重を伝達することができる。そして、下部荷重伝達ブロック325は、衝突時に早期にセンターピラー11の倒れ込みのある上部領域325aに対して下部領域325bの密度が低く設定されているため、全体の重量を軽量化することができる。
なお、この実施形態においては、下部荷重伝達ブロック325の上方領域325aの密度を下方領域325bの密度よりも高く設定しているが、密度を高める部位はこれに限らず、衝突時に車体側壁が早期に進入する部位や局所的な進入が起こり易い部位に適宜設定することが可能である。また、上部荷重伝達ブロックにも、同様に高密度部位と低密度部位を設定するようにしても良い。
【0065】
また、図18,図19は、この発明の第5の実施形態を示すものである。
この実施形態は、側部フレームの下端側の側面に設けられる下部荷重伝達ブロック425の車外側の端部が半球状の曲面425aによって構成されている。
このため、側面衝突時に、センターピラー11の付根部側が傾斜した場合であっても、センターピラー11が下部荷重伝達ブロック425の曲面425aに当接することで、衝突荷重をシートバック3の車幅方向に確実に伝達することができる。
【0066】
図20は、この第5の実施形態の変形例を示すものであり、同変形例の場合、下部荷重伝達ブロック525の端部が車体前後方向に曲面525aが形成されるような半円柱断面とされている。この場合、衝突時にセンターピラーが前後方向に傾斜しても、衝突荷重をシートバックの車幅方向に確実に伝達することができる。
【0067】
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明の第1の実施形態の車両用シートの骨格を示す正面図。
【図2】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図3】同実施形態の車両用シート斜視図。
【図4】同実施形態の車両用シート斜視図。
【図5】この発明の第2の実施形態の車両用シートの骨格を示す斜視図。
【図6】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図7】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図8】同実施形態の車両用シートの側面図。
【図9】同実施形態の車両用シートの背面図。
【図10】同実施形態の変形例を示す車両用シートの模式的な断面図。
【図11】同変形例の車両用シートの背面図。
【図12】この発明の第3の実施形態の車両用シートの骨格を示す背面図。
【図13】同実施形態の車両用シートの断面図。
【図14】同実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図15】同実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図16】同実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図17】この発明の第4の実施形態の車両用シートの模式的な断面図。
【図18】この発明の第5の実施形態の車両用シートの斜視図。
【図19】同実施形態の車両用シートの模式的な平面図。
【図20】同実施形態の変形例を示す車両用シートの斜視図。
【符号の説明】
【0069】
1,101,101A,201…車両用シート
3…シートバック
13…シートバックフレーム
13a…上部フレーム
13b…下部フレーム
13c,13d…側部フレーム
14,114…プレート材
14b…側方延出部
15a…第1リブ(凹凸部)
15b…第2リブ(凹凸部)
15c…第3リブ(凹凸部)
16…上部クロスメンバ
17…下部クロスメンバ
18…荷重受け部
22…上部クロスメンバ
22a…側方延出部(外側延出部)
24,224…上部荷重伝達ブロック(上部側方延出部)
25,325,425,525…下部荷重伝達ブロック(下部側方延出部)
115…リブ(凹凸部)
a…稜線部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側方からの入力荷重をシートバックによって受け止める車両用シートにおいて、
稜線部が車幅方向に沿って延出する複数の凹凸部をプレート材に設け、そのプレート材をシートバックフレームに取り付けたことを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記プレート材は、略矩形枠形状の前記シートバックフレームの上部フレーム、下部フレームおよび左右の側部フレームに夫々結合したことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記プレート材に、シートに着座した乗員の胸部高さ位置において車幅方向に延出する上部クロスメンバを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記プレート材に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する側方延出部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記側方延出部に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側面方向に膨出して車体側部から入力された荷重を前記側部フレームに伝達する荷重受け部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記プレート材の下端、若しくは、プレート材が結合されるシートバックフレームの下部フレームに、車幅方向に延出する下部クロスメンバを設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用シート。
【請求項7】
前記プレート材の上端に車幅方向に延出する上部クロスメンバを設け、該上部クロスメンバをシートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出させたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項8】
前記上部クロスメンバの外側延出部を覆う上部側方延出部を設けたことを特徴とする請求項7に記載の車両用シート。
【請求項9】
前記上部側方延出部における前記上部クロスメンバよりも前側部分を最も車幅方向外側に延出させたことを特徴とする請求項8に記載の車両用シート。
【請求項10】
前記プレート材の上端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する上部側方延出部を設け、前記プレート材の下端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する下部側方延出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項11】
前記下部側方延出部を前記上部側方延出部よりも車幅方向外側に延出させたことを特徴とする請求項10に記載の車両用シート。
【請求項1】
車体側方からの入力荷重をシートバックによって受け止める車両用シートにおいて、
稜線部が車幅方向に沿って延出する複数の凹凸部をプレート材に設け、そのプレート材をシートバックフレームに取り付けたことを特徴とする車両用シート。
【請求項2】
前記プレート材は、略矩形枠形状の前記シートバックフレームの上部フレーム、下部フレームおよび左右の側部フレームに夫々結合したことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記プレート材に、シートに着座した乗員の胸部高さ位置において車幅方向に延出する上部クロスメンバを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記プレート材に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する側方延出部を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記側方延出部に、シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側面方向に膨出して車体側部から入力された荷重を前記側部フレームに伝達する荷重受け部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記プレート材の下端、若しくは、プレート材が結合されるシートバックフレームの下部フレームに、車幅方向に延出する下部クロスメンバを設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用シート。
【請求項7】
前記プレート材の上端に車幅方向に延出する上部クロスメンバを設け、該上部クロスメンバをシートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出させたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項8】
前記上部クロスメンバの外側延出部を覆う上部側方延出部を設けたことを特徴とする請求項7に記載の車両用シート。
【請求項9】
前記上部側方延出部における前記上部クロスメンバよりも前側部分を最も車幅方向外側に延出させたことを特徴とする請求項8に記載の車両用シート。
【請求項10】
前記プレート材の上端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する上部側方延出部を設け、前記プレート材の下端に対応する位置に、前記シートバックフレームの車外側の側部フレームの外側に延出する下部側方延出部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
【請求項11】
前記下部側方延出部を前記上部側方延出部よりも車幅方向外側に延出させたことを特徴とする請求項10に記載の車両用シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−46112(P2009−46112A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−338091(P2007−338091)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]