車両用シート
【課題】比較的シンプルな構成によって、引出し部材の使い勝手を向上させることにある。
【解決手段】シートクッション4より引出し可能な引出し部材10(20)を有する車両用シート2において、引出し部材10(20)が、上下に開口する枠状部材12(22)を有するとともに、シートクッション4から斜め上方に向かって引出される。
【解決手段】シートクッション4より引出し可能な引出し部材10(20)を有する車両用シート2において、引出し部材10(20)が、上下に開口する枠状部材12(22)を有するとともに、シートクッション4から斜め上方に向かって引出される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出し部材を有する車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用シートとして特許文献1に記載の車両用シートが公知である。この車両用シートは、シートクッションとシートバックと引出し部材を有する。引出し部材は、略横U字状(上方視)の枠体と、枠体下部を覆う底板を有する。
そして公知技術では、シートクッションと車室床面の間に隙間を形成しつつ、車両用シートを車室に配設する。そしてシートクッションに引出し部材を格納するに際して、引出し部材の底板を、シートクッション下方の隙間(格納スペース)に収納するとともに、引出し部材の枠体を、シートクッション周側にコンパクトに配置する。
そして公知技術では、引出し部材を、シートクッションからシート前方に向けて略水平に引出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-168752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで公知技術は、シートクッション周囲に引出し部材をコンパクトに配置する構成である。このため公知技術では、引出し部材の高さ寸法を、シートクッションの高さ寸法(典型的に100mm程度)に抑える必要があり、引出し部材の底が浅くなりがちであった。このため嵩高い荷物を引出し部材に載置すると、車両急停止時などに落下することがあり、使い勝手の悪い構成であった。もっとも底板の形状を荷物形状に合わせることもできるが、そうすると引出し部材の構成の複雑化を招きやすい。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的シンプルな構成によって、引出し部材の使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートは、シートクッションから引出し可能な引出し部材を有する。そしてこの種の構成は極力シンプルであり、引出し部材の使い勝手が良いことが望まれる。
そこで本発明では、上述の引出し部材が、上下に開口する枠状部材(比較的シンプルな構成)を有するとともに、シートクッションから斜め上方に向かって引出される構成である。そして荷物を、車室床面などに載置しつつ枠状部材内に留め置くのであるが、このとき引出し部材を斜め上方に引出してその支持高さを稼ぐことにより、枠状部材内に荷物を安定的に留め置くことができる。
【0006】
第2発明の車両用シートは、第1発明に記載の車両用シートであって、引出し部材の下部開口側に、柔軟性を有する支持部材(例えば帯状又は袋状の支持部材)を配設した。
本発明によれば、柔軟性を有する支持部材が荷物の形状に応じて撓み変形等するため、荷物をさらに安定的に留め置くことができる。
【0007】
第3発明の車両用シートは、第1発明又は第2発明に記載の車両用シートであって、枠状部材内を区画可能な区画部材を、シートクッションに引出し可能に配設する。
そして引出し部材が、区画部材から独立して引出し可能とされて、シートクッションに取付けられる。
本発明によれば、引出し部材を単独で用いることができるとともに、荷物の寸法や数等に応じて、区画部材にて枠状部材内を区分けすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る第1発明によれば、比較的シンプルな構成によって、引出し部材の使い勝手を向上させることができる。また第2発明によれば、引出し部材の使い勝手をより向上させることができる。そして第3発明によれば、引出し部材の使い勝手を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両用シートの斜視図であり、(a)は、格納位置の引出し部材を示し、(b)は、突出位置の引出し部材を示す。
【図2】図1(a)のII−II線縦断面図である。
【図3】(a)は、ガイド部の斜視図であり、(b)は、被ガイド部の斜視図であり、(c)は、被ガイド部とガイド部の断面図である。
【図4】実施例2に係る車両用シートの斜視図であり、(a)は、格納位置の引出し部材を示し、(b)は、突出位置の引出し部材を示す。
【図5】図4(a)のV−V線縦断面図である。
【図6】実施例3に係る車両用シートの斜視図である。
【図7】(a)は、実施例3の引出し部材前側の斜視図であり、(b)は、引出し部材後側とガイド部の斜視図である。
【図8】実施例4に係る車両用シートの斜視図である。
【図9】実施例5に係る車両用シートの斜視図である。
【図10】実施例5の別例に係る車両用シートの斜視図である。
【図11】実施例6に係る車両用シートの一部分解斜視図である。
【図12】実施例6に係る車両用シート一部の斜視図であり、(a)は、格納位置の引出し部材を示し、(b)は、突出位置の引出し部材と引出し途中の区画部材を示し、(c)は、突出位置の引出し部材と区画部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図12を参照して説明する。各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付す。
そして実施例1〜実施例4(図1〜図8)では専ら第1発明の形態を示し、実施例5(図9,図10)では第2発明の形態を示し、実施例6(図11,図12)では第3発明の形態を示す。なお各実施例の車両では、車室床面FLが平面状又は段差状である(図1及び図9等を参照)。
【0011】
各実施例の車両用シート(2等)は、車室床面FLに配設されており、シートクッション4とシートバック6とヘッドレスト8を有する(図1等を参照)。
そしてシートクッション4には、単数又は複数の引出し部材(10,20等)が引出し可能に取付けられるのであるが、この種の構成は極力シンプルであるとともに、引出し部材の使い勝手がよいことが好ましい。そこで各実施例では、極力シンプルな構成によって、引出し部材の使い勝手を向上させることとした。
【0012】
<実施例1>
実施例1の車両用シート2は、第一引出し部材10と、第二引出し部材20と、スライド機構と、ロック機構を有する(図1〜図3を参照)。
スライド機構は、シートクッション側のガイド部(第一ガイド部30f,第二ガイド部30s)と、各引出し部材側の被ガイド部(第一被ガイド部13,第二被ガイド部23)を有する。またロック機構は、シートクッション側のロック部40と、各引出し部材側の被ロック部14等を有する。
【0013】
そして第一引出し部材10と第二引出し部材20は、スライド機構によって、格納位置と突出位置の間を変位可能である(図1(a)(b)を参照)。
格納位置の各引出し部材10,20は、シートクッション4周囲に配置する。そして第一引出し部材10は、シートクッション4からシート前方に引出されて突出位置に変位する。また第二引出し部材20は、シートクッション4からシート後方に引出されて突出位置に変位する。以下、各構成について詳述する。
【0014】
[シートクッション]
シートクッション4(略矩形)はシールド部材5を有する。シールド部材5は、平板状の補強部材であり、シートクッション4周囲に配設される(図1〜図3を参照)。
そして本実施例では、一対のガイド部30f,30sとロック部40を、シートクッション4側方(シールド部材5の側面)に形成する。なお各部材は、シートクッション4両側に各々形成されるが、便宜上、片側の各部材のみ図示することがある。
【0015】
(第一ガイド部)
第一ガイド部30fは、第一引出し部材10を摺動可能に取付け可能な部位であり、一対の溝部(第一溝部31、第二溝部32)を有する。一対の溝部31,32は、シートクッション4側方(上部側)に形成される(図1及び図2を参照)。
第一溝部31は、シート前後に延びる直線状(側面視)の溝部であり、断面視では略L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。また第二溝部32は、第一溝部31の下方に並列して形成された直線状の溝部である。この第二溝部32は、断面視では略逆L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。
そして本実施例では、第一ガイド部30fを、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に形成する。なお車室床面FLに対する第一ガイド部30fの傾斜角θ1は特に限定しないが、典型的には1°〜10°程度である(図1を参照)。
【0016】
(第二ガイド部)
第二ガイド部30sは、第二引出し部材20を摺動可能に取付け可能な部位であり、一対の溝部(第三溝部33、第四溝部34)を有する。一対の溝部33,34は、シートクッション4側方(下部側)に形成される(図1及び図2を参照)。
第三溝部33は、シート前後に延びる直線状(側面視)の溝部であり、断面視では略L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。また第四溝部34は、第三溝部33の下方に並列して形成された直線状の溝部である。この第四溝部34は、断面視では略逆L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。
そして本実施例では、第二ガイド部30sを、シート前方からシート後端に向かって上方傾斜状に形成する。なお車室床面FLに対する第二ガイド部30sの傾斜角θ2は特に限定しないが、典型的には1°〜10°程度である(図1を参照)。
【0017】
(ロック部)
ロック部40は、後述の各引出し部材10,20を係止するための部位であり、第一ガイド部30f内及び第二ガイド部30s内に各々形成される(図3を参照)。
本実施例では、複数のロック部40が、第一ガイド部30f内(第一溝部31の前後端、第二溝部32の前後端)に配置する。また複数のロック部40が、第二ガイド部30s内(第三溝部33の前後端、第四溝部34の前後端)に配置する。
【0018】
そしてロック部40は、第一溝部31〜第四溝部34内に突出する凸部位である。
例えば第一溝部31と第三溝部33には同一構成のロック部40を形成できる(図3(a)を参照)。例えば第一溝部31のロック部40は、同溝部の下面31dを略U字状に切欠いたのち(孔部Hを形成したのち)、その切欠き端を溝部内に向けて凸状に湾曲させることで形成される(図3(c)を参照)。そして第一溝部31と第三溝部33のロック部40は、上方からの押圧によって孔部H内に撓み変形する。
また第二溝部32と第四溝部34には同一構成のロック部40を形成できる。例えば第二溝部32のロック部40は、同溝部の上面32uを略U字状に切欠いたのち、その切欠き端を溝部内に向けて凸状に湾曲させることで形成される。そして第二溝部32と第四溝部34のロック部40は、下方からの押圧によって孔部H内に撓み変形する(図3(c)を参照)。
【0019】
[第一引出し部材]
第一引出し部材10は、上下開放状の枠状部材12と、第一被ガイド部13と、被ロック部14を有する(図1〜図3を参照)。枠状部材12は、略横U字状(上方視)の部材であり、第一枠体12fと、一対の第二枠体12sを有する。
第一枠体12fは、略長方形状の平板部材であり、シートクッション4の幅寸法に対応する長さ寸法を有する。また一対の第二枠体12sは、各々、略長方形状の平板部材であり、第一枠体12fの端部からシート後方に延設する。第一枠体12fと第二枠体12sの表側には、シートの意匠性等を考慮して加飾板11を配設することができる(図2を参照)。
そして格納位置の第一引出し部材10では、シートクッション4前方に第一枠体12fが対面状に配置するとともに、シートクッション4両側方に一対の第二枠体12sが各々対面状に配置する(図1を参照)。
【0020】
(第一被ガイド部)
第一被ガイド部13は、第一ガイド部30fに嵌合可能な部位であり、一対の突出部(第一突出部13f,第二突出部13s)を有する(図2及び図3(b)を参照)。一対の突出部13f,13sは、第二枠体12s裏面に形成される。
そして第一突出部13fは、シート前後に延びる直線状(側面視)の突出部であり、断面視では略L字状をなして第二枠体12s裏面から突出する。また第二突出部13sは、第一突出部13fの下方に並列して形成された直線状の突出部である。第二突出部13sは、断面視では略逆L字状をなして第二枠体12s裏面から突出する。
【0021】
(被ロック部)
被ロック部14は、上述のロック部40と係合可能な部位である(図3(b)を参照)。本実施例の被ロック部14は、各突出部13f,13sを上下に貫通する貫通孔である。そして第一突出部13fの前後端に、被ロック部14が各々形成されるとともに、第二突出部13sの前後端に、被ロック部14が各々形成される。
そして後述するように、被ロック部14にロック部40が係合することで、第一引出し部材10のスライド移動が阻止される(図3(c)を参照)。また第一引出し部材10の引出し動作により、被ロック部14(縁部)が、ロック部40を押圧して上方又は下方に撓み変形させることで、両部材の係合が解除される。
【0022】
[第二引出し部材]
第二引出し部材20は、上下開放状の枠状部材22と、第二被ガイド部23と、被ロック部(図示省略)を有する(図1〜図3を参照)。
枠状部材22は、枠状部材12と同一構成であり、第一枠体22fと、一対の第二枠体22sを有する。このため当該構成については、枠状部材12に対応する符号を付して詳細な説明を省略する。また被ロック部(図示省略)は、後述の第二被ガイド部23に設けられるとともに、被ロック部14と同一構成である(図3(a)を参照)。
【0023】
(第二被ガイド部)
第二被ガイド部23は、上述の第二ガイド部30sに嵌合可能な部位であり、一対の突出部(第三突出部23t,第四突出部23f)を有する。一対の突出部23t,23fは、第二枠体22s裏面に形成される(図2を参照)。
第三突出部23tは、シート前後に延びる直線状(側面視)の突出部であり、断面視では略L字状をなして第二枠体22s裏面から突出する。また第四突出部23fは、第三突出部23tの下方に並列して形成された直線状の突出部である。第四突出部23fは、断面視では略逆L字状をなして第二枠体22s裏面から突出する。
【0024】
[格納位置]
図1〜図3を参照して、第一被ガイド部13を第一ガイド部30fに嵌合して、第一引出し部材10を、シートクッション4にスライド移動可能に取付ける。そしてシートクッション4前方に第一枠体12fを配置するとともに、シートクッション4側方に第二枠体12sをコンパクトに配置して、前後端の被ロック部14をロック部40に各々係止する(格納位置)。
上記取付け作業に前後して、第二被ガイド部23を第二ガイド部30sに嵌合して、第二引出し部材20を、シートクッション4にスライド移動可能に取付ける。そしてシートクッション4後方に第一枠体12fを配置するとともに、シートクッション4側方に第二枠体12sをコンパクトに配置して、前後端の被ロック部をロック部40に各々係止する(格納位置)。
【0025】
[突出位置]
図1〜図3を参照して、第一引出し部材10を、第一ガイド部30fに沿ってスライド移動させて、ロック部40と被ロック部14の係合を解除する(図3(c)を参照)。そして第一引出し部材10を、シートクッション4から斜め上方に引出して(シート前方に突出させて)、後端側の被ロック部14をロック部40に係止する(突出位置)。
また第二引出し部材20を、第二ガイド部30sに沿ってスライド移動させて、ロック部40と被ロック部の係合を解除する。そして第二引出し部材20を、シートクッション4から斜め上方に引出して(シート後方に突出させて)、後端側の被ロック部をロック部40に係止する(突出位置)。
【0026】
そして本実施例では、各引出し部材10,20を突出位置に変位させることで、上下開放状の枠状部材12(22)内に荷物を留め置くことができる(図1を参照)。枠状部材12(22)内の荷物は、車室床面FLに載置された状態で、枠状部材12(22)によって前後動等が規制される。このとき各引出し部材10,20を斜め上方に突出させて支持高さを稼いだことから、比較的嵩高い荷物であっても枠状部材12,22内に安定的に留め置くことができる(車両急停止時などの荷物の落下を防止又は低減できる)。
また本実施例では、枠状部材12から底板を省略した。これにより余分な格納スペースを要することなく、シートクッション4に各引出し部材10,20をコンパクトに格納することができる。
このように本実施例によれば、よりシンプルな構成によって、各引出し部材10,20の使い勝手を向上させることができる。
【0027】
<実施例2>
本実施例の車両用シート2aは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2aは、第一引出し部材10aと、第二引出し部材20aと、スライド機構を有する(図4及び図5を参照)。
そしてスライド機構は、シートクッション側のガイド部(第一ガイド部30fa,第二ガイド部30sa)と、第一引出し部材10aの第一被ガイド部13aと、第二引出し部材20aの第二被ガイド部23aを有する。
【0028】
(ガイド部)
第一ガイド部30faは、短尺な直線状(側面視)の突出部位であり、シートクッション4側方(上部側)に形成される(図4及び図5を参照)。第一ガイド部30faは、断面視では略横T字状をなしてシートクッション4側方に突出する。
そして第一ガイド部30faを、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に配設する。このとき本実施例では、突出位置の第一引出し部材10aから第一ガイド部30faがはみ出さないように、第一ガイド部30faをシート前端側に配置する。
【0029】
また第二ガイド部30saは、短尺な直線状(側面視)の突出部位であり、シートクッション4側方(下部側)に形成される。第二ガイド部30saは、断面視では略横T字状をなしてシートクッション4側方に突出する。
そして第二ガイド部30saを、シート前方からシート後端に向かって上方傾斜状に配設する。このとき本実施例では、突出位置の第二引出し部材20aから第二ガイド部30saがはみ出さないように、第二ガイド部30saをシート後端側に配置する。
【0030】
(被ガイド部)
第一被ガイド部13aは、第二枠体12sa裏面に開口する溝部位であり、縦断面視では略横T字状をなす(図5を参照)。そして本実施例では、シート前後に延びる第一被ガイド部13aを、第二枠体12saの略全長にわたって形成することができる(図4を参照)。
また第二被ガイド部23aは、第二枠体22sa裏面に開口する溝部位であり、縦断面視では略横T字状をなす。そして本実施例では、シート前後に延びる第二被ガイド部23aを、第二枠体22saの略全長にわたって形成することができる。
【0031】
図4及び図5を参照して、第一被ガイド部13aを第一ガイド部30faに嵌合して、第一引出し部材10aをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける(格納位置)。そして第一引出し部材10aを、第一ガイド部30faに沿ってスライド移動させて、シートクッション4から斜め上方に向けて引出す(突出位置)。このとき第一引出し部材10aによって、第一ガイド部30faを被覆することで、スライド機構の露出を抑えることができる(見栄えの良いシート構成となる)。
また第二被ガイド部23aを第二ガイド部30saに嵌合して、第二引出し部材20aをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける。そして第二引出し部材20aを、第二ガイド部30saに沿ってスライド移動させて、シートクッション4から斜め上方に向けて引出す(突出位置)。このとき第二引出し部材20aによって、第二ガイド部30saを被覆することで、スライド機構の露出を抑えることができる。
【0032】
<実施例3>
本実施例の車両用シート2bは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2bは、第一引出し部材10bと、第二引出し部材20bと、スライド機構と、ロック機構を有する(図6を参照)。ロック機構は、シートクッション4のロック部40bと、第一引出し部材10bの被ロック部14bを有する。
スライド機構は、シートクッション側のガイド部(第一ガイド部30fb,第二ガイド部30sb)を有する。そして本実施例では、各第二枠体(12sb,22sb)が被ガイド部として機能する。
【0033】
(ガイド部)
第一ガイド部30fbは、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に延びる直線状(側面視)の孔部位である。第一ガイド部30fbは、シートクッション4側方(上部側)に形成される。そして第一ガイド部30fbは、シート前端に開口する開口部Ho(略矩形)と、スライド孔Hrを有する(図6及び図7を参照)。スライド孔Hrは、第一ガイド部30fb内においてシート前後に延びる長孔である。
そして第二ガイド部30sbは、シートクッション4側方(下部側)に形成される。第二ガイド部30sbは、シート前方からシート後端に向かって上方傾斜状に延びる直線状の孔部位であり、シート後端に開口する開口部(図示省略)を有する。
【0034】
(ロック部)
ロック部40bは、第一ガイド部30fb内に形成された一対の凹部位(上面の凹部位,下面の凹部位)である(図7を参照)。上面の凹部位と下面の凹部位は、ともに半円状(側面視)の凹部であり、第一ガイド部30fb内で互いに対面配置する。
そして本実施例では、複数のロック部40bを、シート前後に並列して第一ガイド部30fb内に形成する(図6では、便宜上、一組のロック部のみに符号を付す)。
【0035】
[第一引出し部材]
第一引出し部材10bは、上下開放状の枠状部材12と、被ロック部14bを有する(図6を参照)。枠状部材12は、略U字状(上方視)の部材であり、第一枠体12fb(平板状)と、一対の第二枠体12sb(後述)と、ブラケットB1を有する(図7を参照)。ブラケットB1は、第二枠体12sbを取付けるための部位であり、第一枠体12fb裏面に配設される。
そしてブラケットB1は、シート上下に長尺なスライド板19a(平板状)と、短尺な支持板19c(平板状)と、スライド孔19bを有する。スライド孔19bは、シート上下に延びる長孔であり、スライド板19aに形成される。そして本実施例では、第一枠体12fb裏面の両側にスライド板19aを配置するとともに、第一枠体12fbの裏面上部に支持板19cを配置する。そしてスライド板19aと支持板19cを対面配置して、両者の間に、第一アーム16f(後述)を嵌装可能なクリアランスを設ける。
【0036】
また第二枠体12sbは、一対のアーム(第一アーム16f,第二アーム16s)と、バネ部材17(コイルバネ状)を有する(図7を参照)。
一対のアーム16f,16sは共に長尺な板状部材である。第一アーム16fの後端には、第二アーム16sとバネ部材17を組付け可能なブラケットB2が設けてある(図7を参照)。また第二アーム16sの前端には、シート幅方向に突出する軸部材R1が設けてある。
【0037】
本実施例では、第一アーム16f(ブラケットB2)に、第二アーム16sとバネ部材17を組付ける。このとき軸部材R2をシート幅方向からブラケットB2に挿設して、第二アーム16sの後端を回転可能にブラケットB2に軸支する。そしてバネ部材17によって、両アーム16f,16sが略横V字状に拡開するように付勢する。
そして第一アーム16fの前端側を、スライド板19aと支持板19cの間に回転可能に軸支して、第一枠体12fb裏面に取付ける。また第二アーム16s(軸部材R1)をスライド孔19bに嵌装して、第一枠体12fb裏面に取付ける。こうすることで第二アーム16sは、スライド孔19bに沿ってシート上下にスライド移動可能となる。
そして第二枠体12sbは、一対のアーム16f,16sが略横V字状になる突出状態と、一対のアーム16f,16sが近接して平行に配置する格納状態との間を変位する。格納状態の第二枠体12sbは、第一ガイド部30fbに挿入可能な寸法を有する。
【0038】
(被ロック部)
被ロック部14bは、第二枠体12sbに形成された一対の凸部位(第一アーム16f上面の凸部位と、第二アーム16sの凸部位)である(図6及び図7を参照)。一対の凸部位は、ともに半円状(側面視)の凸部であり、格納状態では上下に並列配置する。
本実施例では、複数の被ロック部14bを、格納状態の第二枠体12sb上にシート前後に並列して形成する(図6では、便宜上、一組の被ロック部のみに符号を付す)。
【0039】
[第二引出し部材]
第二引出し部材20bは、上下開放状の枠状部材22を有する(図6を参照)。枠状部材22bは、略U字状(上方視)の部材であり、第一枠体22fbと、一対の第二枠体22sbを有する。一対の第二枠体22sbは、いずれも平板状の部材であり、第二ガイド部30sb(孔部H)に挿入可能な寸法を有する。
【0040】
(格納位置)
図6及び図7を参照して、第二枠体12sb(格納状態)を第一ガイド部30fbに挿入する。そしてブラケットB2の軸部材R2をスライド孔Hrに挿入して、第一引出し部材10bをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける(格納位置)。このときシートクッション4内に第二枠体12sbが収納されるため、格納位置の第一引出し部材10bが外部に極力露出しない(見栄えの良いシート構成となる)。
また上記作業に前後して、第二引出し部材20bをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける(格納位置)。このとき第二枠体22sbを平板状としたことで(第二ガイド部30sbに挿入しやすい形状としたことで)、第二引出し部材20bの取付け作業が容易となる。
【0041】
(突出位置)
そして第一引出し部材10bを、第一ガイド部30fbに沿ってスライド移動させて、シートクッション4から斜め上方に向けて引出したのち、後端側の被ロック部14bをロック部40bに係止する(突出位置)。このとき第二枠体12sbが略横V字状(突出状態)となって第一枠体12fbを支持することから、第一引出し部材10bが安定感のある外観を呈する。
また本実施例では、複数のロック機構(14b,40b)により、第一引出し部材10bをシートクッション4から段階的に引出すことができる(引出し量を調節することができる)。
【0042】
<実施例4>
本実施例の車両用シート2cは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2cは、第一引出し部材10cと、スライド機構(13,30f)と、一対のロック部40c(ロック機構)と、支持具15を有する(図8を参照)。
シートクッション4前面の中央には孔部Hが設けられる。支持具15は、略J字状の部材であり、第一枠体12f裏面の中央(孔部Hを臨む位置)に配設される。
【0043】
そして一対のロック部40cは、いずれも略J字状の部材であり、シートクッション4前面の左右に配置する(図8を参照)。
本実施例では、第一引出し部材10cを格納位置に変位させて、一対のロック部40cに第一引出し部材10c(下縁)を係止する(図8の二点破線状態を参照)。そして枠状部材12の支持具15を収納部Hに収納することで、シートクッション4周囲に第一引出し部材10cを配置する(格納位置)。また第一引出し部材10cを突出位置に変位させて、枠状部材12内に荷物を留め置く。このとき一対のロック部40cと支持具15に荷物を掛け止めることができる。
このように本実施例では、ロック部40cによって第一引出し部材10cを支持するとともに、ロック部40cと支持具15により荷物を安定的に保持することができる。
【0044】
<実施例5>
本実施例の車両用シート2dは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施例の車室床面FLは段差状であり、上段面UFと下段面DFを有する(図9を参照)。そして車両用シート2dは上段面UFに配設されており、第一引出し部材10dを、車室床面FLの下段面DFに向けて突出可能である。
【0045】
車両用シート2dは、第一引出し部材10d(12fd,12sd)と、スライド機構(13,30f)と、支持部材50dと、巻取り装置54を有する(図9を参照)。
巻取り装置54は円筒状の部材であり、シートクッション4下部に内蔵される。本実施例の巻取り装置54は、シートクッション4内の固定部材等に軸支される。そして手動又は電動で巻取り装置54を回転させて、支持部材50d(後述)をシート前後に引出し及び巻取りすることができる。
【0046】
(支持部材)
支持部材50dは、柔軟性を有する帯状の部材であり、一対のギャザー部材52を有する(図9を参照)。ギャザー部材52は、伸縮性を有するヒダ状の片材(長方形状)であり、支持部材50dの両側に取付けられる。
なお支持部材50dの材質は特に限定しないが、繊維(織物,編物,不織布)、紙、皮革、ゴム又は樹脂を例示することができる。
【0047】
本実施例では、支持部材50d(帯状)の前端側を第一枠体12fに取付けるとともに、支持部材50dの後端側を巻取り装置54に取付ける。そして第一引出し部材10dを突出位置に変位させることで、巻取り装置54から支持部材50dを引出して、第一引出し部材10dの下部開口側に配置する。
このとき支持部材50dは、その柔軟性とギャザー部材52の伸縮により、支持部材50dの下方が略U字状に弛んだ状態となる(例えば下段面DFに接するほど弛んだ状態となる)。そしてギャザー部材が荷物を左右から支持する。このため嵩高い荷物を第一引出し部材10d内により安定的に留め置くことができる(車両急停止時などの荷物の落下をより確実に防止又は低減できる)。
また第一引出し部材10dを格納位置に変位させつつ、巻取り装置54で支持部材50dを巻取る。これによりシートクッション4内に支持部材50dをコンパクトに格納することができる。
【0048】
<別例>
本実施例の車両用シート2eは、実施例5の車両用シート2eとほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2eは、第一引出し部材10e(12fe,12se)と、スライド機構(13,30f)と、支持部材50eを有する(図10を参照)。
第一引出し部材10eは、略L字状(側面視)をなし、シート上下に幅広な第一枠体12feと、一対の第二枠体12seを有する。
【0049】
(支持部材(別例))
支持部材50eは、柔軟性を有する袋状の部材(略矩形)であり、上部開口Hと、内折線51を有する(図10を参照)。内折線51は、前面側と後面側が近づくように支持部材50eを内折りするための構成である。内折線51は、支持部材50eの両側面では略逆Y字状とされ、底面では直線状とされる。
ここで支持部材50eは、第一枠体12feの高さ寸法と略同一の高さ寸法を有することが好ましく、下段面DFに接する高さ寸法を有することがさらに好ましい。
なお支持部材50eの材質は特に限定しないが、繊維(織物,編物,不織布)、紙、皮革、ゴム又は樹脂を例示することができる。
【0050】
本実施例では、支持部材50e(袋状)の前端側を第一枠体12feに取付けるとともに、支持部材50eの後端側をシートクッション4前面に取付ける。そして第一引出し部材10eを突出位置に変位させることで、支持部材50eを袋状に拡開して、第一引出し部材10eの下部開口側に配置する。そして本実施例では、袋状の支持部材50e内に嵩高い荷物を更に安定的に留め置くことができる(車両急停止時などの荷物の落下を更に確実に防止又は低減できる)。
また第一引出し部材10eを格納位置に変位させることで、支持部材50eをコンパクトに内折りすることができる。
【0051】
<実施例6>
本実施例の車両用シート2fは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2fは、第一引出し部材10f(12ff,12sf)と、スライド機構(第一ガイド部30ff,区画ガイド部30t)と、区画部材70を有する(図11及び図12を参照)。第一ガイド部30ffは、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に延びる孔部位であり、シート前端に開口部を有する。
また区画ガイド部30tは、区画部材70をスライド移動可能に挿入する部位であり、第一ガイド部30fの直下に形成される。区画ガイド部30tは、シート後方からシート前端に向かって略水平(又は上方傾斜状)に延びる孔部位であり、シート前端に開口部を有する。
【0052】
(区画部材)
区画部材70は、略横U字状(上方視)の部材であり、第一引出し部材10fと略同一寸法を有する(図11を参照)。そして区画部材70は、第一区画体70fと、一対の第二区画体70sと、連結部材74を有する。
第一区画体70fは、略長方形状の平板部位であり、挿設孔H2を有する。挿設孔H2は、シート上下に貫通する孔部であり、第一区画体70fの両端に設けられる。また一対の第二区画体70sは、各々、第一区画体70fの端部からシート後方に延設された平板部位である。
【0053】
連結部材74は、第一引出し部材10fと区画部材70を相対移動可能に連結する部材であり、第一連結部71と、第二連結部72を有する(図11を参照)。
第一連結部71は、略矩形(側面視)の部位であり、シート前後に貫通する挿通孔H1を有する。挿通孔H1は、第二枠体12sfを摺動可能に挿入できる開口寸法を有する。また第二連結部72は、第一連結部71からシート下方に延びる平板状の部位である。
【0054】
図11及び図12を参照して、第一ガイド部30ffに第二枠体12sfを挿入して、第一引出し部材10fをシートクッション4に取付ける。また区画ガイド部30tに第二区画体70sを挿入して区画部材70をシートクッション4に取付ける。
このとき第二連結部72を、第一区画体70f(挿設孔H2)にシート上下方向から相対移動不能に挿設する。こうすることで連結部材74を区画部材70に固定することができる。また第一連結部71(挿通孔H1)に第二枠体12sfをシート前後方向から摺動可能に挿設する。こうすることで第一引出し部材10fを、連結部材74(区画部材70)に対して相対移動可能に組付けて、区画部材70から独立して引出し可能とすることができる。
【0055】
本実施例では、第一引出し部材10fが、区画部材70から独立して引出し可能である。このため第一引出し部材10を単独で使用することができる。そして第一引出し部材10fに複数の荷物を留め置く場合には、区画部材70を引出して、枠状部材12内を区画することができる。
また区画部材70は、第一引出し部材10と同位置まで引出すことができる。このため区画部材70を第一引出し部材10f(突出位置)に揃えることで、第一引出し部材10fがより安定感のある外観を呈することとなる。
【0056】
本実施形態の車両用シート2等は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)各実施例では、専ら横U字状の枠状部材12を例示したが、枠状部材の形状を限定する趣旨ではない。例えば横T字状やL字状の枠状部材を用いることができる。この場合には、第一枠体と、第一枠体の中央(又は端部)に連結する第二枠体(単数)を用いる。
またE字状などの複数の第二枠体を用いた枠状部材を用いることもできる。複数の第二枠体を用いることで、枠状部材の強度が増すとともに、枠状部材内を第二枠体で区画することができる(第二枠体を区画部材として用いることができる)。
【0057】
(2)また第一引出し部材10には、同時に引出し可能な補強部材を設けることができる。例えば実施例6の区画部材70と同一構成の補強部材を用いることができる。この補強部材を、第一引出し部材と同時に引出し可能としてシートクッション4に取付ける。
補強部材を設けることにより、引出し部材がしっかり感のある外観を呈する。
【0058】
(3)また各実施例では、専ら第一引出し部材10を上側に配設するとともに、第二引出し部材20を下側に配設した。これとは異なり、第一引出し部材を下側に配設するとともに、第二引出し部材を上側に配設することができる。
(4)また各実施例では、シートクッション4の前後に引出し部材10(20)を配設する構成を例示したが、各引出し部材の配設位置や配設数を限定する趣旨ではない。すなわち車両用シートに、シートクッションの前後左右に少なくとも一つの引出し部材を配設することができる。例えば引出し部材は、シートクッションの左右に配設できる。
(5)また実施例4では、J字状のロック部40cと支持具15を例示したが、これら部材の形状や配設数を限定する趣旨ではない。すなわちロック部や支持具として機能する限り、これら部材は、L字状、U字状、横I字状などの各種形状を取ることができる。
(6)また実施例5では、帯状又は袋状の支持部材を例示した。支持部材は、柔軟性を有する限り各種の構成を採用することができ、例えば網目状の支持部材や、蛇腹状の支持部材(袋状)を用いることができる。
【0059】
(7)また各実施例の構成は、当該構成に限る構成ではなく、他の構成に使用することができる。例えば各実施例では、ガイド部(溝部位、突出部位、孔部位)と、被ガイド部(突出部位、溝部位、第二枠体)の構成を適宜選択して採用することができる。
また実施例1や実施例3のロック機構を、他の実施例の車両用シートに適用することができる。ここでロック部は、複数であってもよく単数であってもよい。すなわち本実施例の各引出し部材は上方傾斜状に引出される。このため格納位置の引出し部材は、特にロック部がなくとも同位置に比較的安定に保持される。
また実施例5の支持部材を、他の実施例の車両用シートに適用することができる。そして実施例6の区画部材を、他の車両用シートに適用することができる。なお区画部材の形状は、枠状部材内を区画できる限り特に限定されず、例えば横T字状やL字状などの各種形状をとることができる。
【符号の説明】
【0060】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
10 第一引出し部材
12 第一引出し部材の枠状部材
20 第二引出し部材
22 第二引出し部材の枠状部材
50d 帯状の支持部材
50e 袋状の支持部材
70 区画部材
FL 車室床面
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出し部材を有する車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用シートとして特許文献1に記載の車両用シートが公知である。この車両用シートは、シートクッションとシートバックと引出し部材を有する。引出し部材は、略横U字状(上方視)の枠体と、枠体下部を覆う底板を有する。
そして公知技術では、シートクッションと車室床面の間に隙間を形成しつつ、車両用シートを車室に配設する。そしてシートクッションに引出し部材を格納するに際して、引出し部材の底板を、シートクッション下方の隙間(格納スペース)に収納するとともに、引出し部材の枠体を、シートクッション周側にコンパクトに配置する。
そして公知技術では、引出し部材を、シートクッションからシート前方に向けて略水平に引出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-168752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで公知技術は、シートクッション周囲に引出し部材をコンパクトに配置する構成である。このため公知技術では、引出し部材の高さ寸法を、シートクッションの高さ寸法(典型的に100mm程度)に抑える必要があり、引出し部材の底が浅くなりがちであった。このため嵩高い荷物を引出し部材に載置すると、車両急停止時などに落下することがあり、使い勝手の悪い構成であった。もっとも底板の形状を荷物形状に合わせることもできるが、そうすると引出し部材の構成の複雑化を招きやすい。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的シンプルな構成によって、引出し部材の使い勝手を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段として、第1発明の車両用シートは、シートクッションから引出し可能な引出し部材を有する。そしてこの種の構成は極力シンプルであり、引出し部材の使い勝手が良いことが望まれる。
そこで本発明では、上述の引出し部材が、上下に開口する枠状部材(比較的シンプルな構成)を有するとともに、シートクッションから斜め上方に向かって引出される構成である。そして荷物を、車室床面などに載置しつつ枠状部材内に留め置くのであるが、このとき引出し部材を斜め上方に引出してその支持高さを稼ぐことにより、枠状部材内に荷物を安定的に留め置くことができる。
【0006】
第2発明の車両用シートは、第1発明に記載の車両用シートであって、引出し部材の下部開口側に、柔軟性を有する支持部材(例えば帯状又は袋状の支持部材)を配設した。
本発明によれば、柔軟性を有する支持部材が荷物の形状に応じて撓み変形等するため、荷物をさらに安定的に留め置くことができる。
【0007】
第3発明の車両用シートは、第1発明又は第2発明に記載の車両用シートであって、枠状部材内を区画可能な区画部材を、シートクッションに引出し可能に配設する。
そして引出し部材が、区画部材から独立して引出し可能とされて、シートクッションに取付けられる。
本発明によれば、引出し部材を単独で用いることができるとともに、荷物の寸法や数等に応じて、区画部材にて枠状部材内を区分けすることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る第1発明によれば、比較的シンプルな構成によって、引出し部材の使い勝手を向上させることができる。また第2発明によれば、引出し部材の使い勝手をより向上させることができる。そして第3発明によれば、引出し部材の使い勝手を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】車両用シートの斜視図であり、(a)は、格納位置の引出し部材を示し、(b)は、突出位置の引出し部材を示す。
【図2】図1(a)のII−II線縦断面図である。
【図3】(a)は、ガイド部の斜視図であり、(b)は、被ガイド部の斜視図であり、(c)は、被ガイド部とガイド部の断面図である。
【図4】実施例2に係る車両用シートの斜視図であり、(a)は、格納位置の引出し部材を示し、(b)は、突出位置の引出し部材を示す。
【図5】図4(a)のV−V線縦断面図である。
【図6】実施例3に係る車両用シートの斜視図である。
【図7】(a)は、実施例3の引出し部材前側の斜視図であり、(b)は、引出し部材後側とガイド部の斜視図である。
【図8】実施例4に係る車両用シートの斜視図である。
【図9】実施例5に係る車両用シートの斜視図である。
【図10】実施例5の別例に係る車両用シートの斜視図である。
【図11】実施例6に係る車両用シートの一部分解斜視図である。
【図12】実施例6に係る車両用シート一部の斜視図であり、(a)は、格納位置の引出し部材を示し、(b)は、突出位置の引出し部材と引出し途中の区画部材を示し、(c)は、突出位置の引出し部材と区画部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図12を参照して説明する。各図には、適宜、車両用シート前方に符号F、車両用シート後方に符号B、車両用シート上方に符号UP、車両用シート下方に符号DWを付す。
そして実施例1〜実施例4(図1〜図8)では専ら第1発明の形態を示し、実施例5(図9,図10)では第2発明の形態を示し、実施例6(図11,図12)では第3発明の形態を示す。なお各実施例の車両では、車室床面FLが平面状又は段差状である(図1及び図9等を参照)。
【0011】
各実施例の車両用シート(2等)は、車室床面FLに配設されており、シートクッション4とシートバック6とヘッドレスト8を有する(図1等を参照)。
そしてシートクッション4には、単数又は複数の引出し部材(10,20等)が引出し可能に取付けられるのであるが、この種の構成は極力シンプルであるとともに、引出し部材の使い勝手がよいことが好ましい。そこで各実施例では、極力シンプルな構成によって、引出し部材の使い勝手を向上させることとした。
【0012】
<実施例1>
実施例1の車両用シート2は、第一引出し部材10と、第二引出し部材20と、スライド機構と、ロック機構を有する(図1〜図3を参照)。
スライド機構は、シートクッション側のガイド部(第一ガイド部30f,第二ガイド部30s)と、各引出し部材側の被ガイド部(第一被ガイド部13,第二被ガイド部23)を有する。またロック機構は、シートクッション側のロック部40と、各引出し部材側の被ロック部14等を有する。
【0013】
そして第一引出し部材10と第二引出し部材20は、スライド機構によって、格納位置と突出位置の間を変位可能である(図1(a)(b)を参照)。
格納位置の各引出し部材10,20は、シートクッション4周囲に配置する。そして第一引出し部材10は、シートクッション4からシート前方に引出されて突出位置に変位する。また第二引出し部材20は、シートクッション4からシート後方に引出されて突出位置に変位する。以下、各構成について詳述する。
【0014】
[シートクッション]
シートクッション4(略矩形)はシールド部材5を有する。シールド部材5は、平板状の補強部材であり、シートクッション4周囲に配設される(図1〜図3を参照)。
そして本実施例では、一対のガイド部30f,30sとロック部40を、シートクッション4側方(シールド部材5の側面)に形成する。なお各部材は、シートクッション4両側に各々形成されるが、便宜上、片側の各部材のみ図示することがある。
【0015】
(第一ガイド部)
第一ガイド部30fは、第一引出し部材10を摺動可能に取付け可能な部位であり、一対の溝部(第一溝部31、第二溝部32)を有する。一対の溝部31,32は、シートクッション4側方(上部側)に形成される(図1及び図2を参照)。
第一溝部31は、シート前後に延びる直線状(側面視)の溝部であり、断面視では略L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。また第二溝部32は、第一溝部31の下方に並列して形成された直線状の溝部である。この第二溝部32は、断面視では略逆L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。
そして本実施例では、第一ガイド部30fを、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に形成する。なお車室床面FLに対する第一ガイド部30fの傾斜角θ1は特に限定しないが、典型的には1°〜10°程度である(図1を参照)。
【0016】
(第二ガイド部)
第二ガイド部30sは、第二引出し部材20を摺動可能に取付け可能な部位であり、一対の溝部(第三溝部33、第四溝部34)を有する。一対の溝部33,34は、シートクッション4側方(下部側)に形成される(図1及び図2を参照)。
第三溝部33は、シート前後に延びる直線状(側面視)の溝部であり、断面視では略L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。また第四溝部34は、第三溝部33の下方に並列して形成された直線状の溝部である。この第四溝部34は、断面視では略逆L字状をなしてシートクッション4側方に開口する。
そして本実施例では、第二ガイド部30sを、シート前方からシート後端に向かって上方傾斜状に形成する。なお車室床面FLに対する第二ガイド部30sの傾斜角θ2は特に限定しないが、典型的には1°〜10°程度である(図1を参照)。
【0017】
(ロック部)
ロック部40は、後述の各引出し部材10,20を係止するための部位であり、第一ガイド部30f内及び第二ガイド部30s内に各々形成される(図3を参照)。
本実施例では、複数のロック部40が、第一ガイド部30f内(第一溝部31の前後端、第二溝部32の前後端)に配置する。また複数のロック部40が、第二ガイド部30s内(第三溝部33の前後端、第四溝部34の前後端)に配置する。
【0018】
そしてロック部40は、第一溝部31〜第四溝部34内に突出する凸部位である。
例えば第一溝部31と第三溝部33には同一構成のロック部40を形成できる(図3(a)を参照)。例えば第一溝部31のロック部40は、同溝部の下面31dを略U字状に切欠いたのち(孔部Hを形成したのち)、その切欠き端を溝部内に向けて凸状に湾曲させることで形成される(図3(c)を参照)。そして第一溝部31と第三溝部33のロック部40は、上方からの押圧によって孔部H内に撓み変形する。
また第二溝部32と第四溝部34には同一構成のロック部40を形成できる。例えば第二溝部32のロック部40は、同溝部の上面32uを略U字状に切欠いたのち、その切欠き端を溝部内に向けて凸状に湾曲させることで形成される。そして第二溝部32と第四溝部34のロック部40は、下方からの押圧によって孔部H内に撓み変形する(図3(c)を参照)。
【0019】
[第一引出し部材]
第一引出し部材10は、上下開放状の枠状部材12と、第一被ガイド部13と、被ロック部14を有する(図1〜図3を参照)。枠状部材12は、略横U字状(上方視)の部材であり、第一枠体12fと、一対の第二枠体12sを有する。
第一枠体12fは、略長方形状の平板部材であり、シートクッション4の幅寸法に対応する長さ寸法を有する。また一対の第二枠体12sは、各々、略長方形状の平板部材であり、第一枠体12fの端部からシート後方に延設する。第一枠体12fと第二枠体12sの表側には、シートの意匠性等を考慮して加飾板11を配設することができる(図2を参照)。
そして格納位置の第一引出し部材10では、シートクッション4前方に第一枠体12fが対面状に配置するとともに、シートクッション4両側方に一対の第二枠体12sが各々対面状に配置する(図1を参照)。
【0020】
(第一被ガイド部)
第一被ガイド部13は、第一ガイド部30fに嵌合可能な部位であり、一対の突出部(第一突出部13f,第二突出部13s)を有する(図2及び図3(b)を参照)。一対の突出部13f,13sは、第二枠体12s裏面に形成される。
そして第一突出部13fは、シート前後に延びる直線状(側面視)の突出部であり、断面視では略L字状をなして第二枠体12s裏面から突出する。また第二突出部13sは、第一突出部13fの下方に並列して形成された直線状の突出部である。第二突出部13sは、断面視では略逆L字状をなして第二枠体12s裏面から突出する。
【0021】
(被ロック部)
被ロック部14は、上述のロック部40と係合可能な部位である(図3(b)を参照)。本実施例の被ロック部14は、各突出部13f,13sを上下に貫通する貫通孔である。そして第一突出部13fの前後端に、被ロック部14が各々形成されるとともに、第二突出部13sの前後端に、被ロック部14が各々形成される。
そして後述するように、被ロック部14にロック部40が係合することで、第一引出し部材10のスライド移動が阻止される(図3(c)を参照)。また第一引出し部材10の引出し動作により、被ロック部14(縁部)が、ロック部40を押圧して上方又は下方に撓み変形させることで、両部材の係合が解除される。
【0022】
[第二引出し部材]
第二引出し部材20は、上下開放状の枠状部材22と、第二被ガイド部23と、被ロック部(図示省略)を有する(図1〜図3を参照)。
枠状部材22は、枠状部材12と同一構成であり、第一枠体22fと、一対の第二枠体22sを有する。このため当該構成については、枠状部材12に対応する符号を付して詳細な説明を省略する。また被ロック部(図示省略)は、後述の第二被ガイド部23に設けられるとともに、被ロック部14と同一構成である(図3(a)を参照)。
【0023】
(第二被ガイド部)
第二被ガイド部23は、上述の第二ガイド部30sに嵌合可能な部位であり、一対の突出部(第三突出部23t,第四突出部23f)を有する。一対の突出部23t,23fは、第二枠体22s裏面に形成される(図2を参照)。
第三突出部23tは、シート前後に延びる直線状(側面視)の突出部であり、断面視では略L字状をなして第二枠体22s裏面から突出する。また第四突出部23fは、第三突出部23tの下方に並列して形成された直線状の突出部である。第四突出部23fは、断面視では略逆L字状をなして第二枠体22s裏面から突出する。
【0024】
[格納位置]
図1〜図3を参照して、第一被ガイド部13を第一ガイド部30fに嵌合して、第一引出し部材10を、シートクッション4にスライド移動可能に取付ける。そしてシートクッション4前方に第一枠体12fを配置するとともに、シートクッション4側方に第二枠体12sをコンパクトに配置して、前後端の被ロック部14をロック部40に各々係止する(格納位置)。
上記取付け作業に前後して、第二被ガイド部23を第二ガイド部30sに嵌合して、第二引出し部材20を、シートクッション4にスライド移動可能に取付ける。そしてシートクッション4後方に第一枠体12fを配置するとともに、シートクッション4側方に第二枠体12sをコンパクトに配置して、前後端の被ロック部をロック部40に各々係止する(格納位置)。
【0025】
[突出位置]
図1〜図3を参照して、第一引出し部材10を、第一ガイド部30fに沿ってスライド移動させて、ロック部40と被ロック部14の係合を解除する(図3(c)を参照)。そして第一引出し部材10を、シートクッション4から斜め上方に引出して(シート前方に突出させて)、後端側の被ロック部14をロック部40に係止する(突出位置)。
また第二引出し部材20を、第二ガイド部30sに沿ってスライド移動させて、ロック部40と被ロック部の係合を解除する。そして第二引出し部材20を、シートクッション4から斜め上方に引出して(シート後方に突出させて)、後端側の被ロック部をロック部40に係止する(突出位置)。
【0026】
そして本実施例では、各引出し部材10,20を突出位置に変位させることで、上下開放状の枠状部材12(22)内に荷物を留め置くことができる(図1を参照)。枠状部材12(22)内の荷物は、車室床面FLに載置された状態で、枠状部材12(22)によって前後動等が規制される。このとき各引出し部材10,20を斜め上方に突出させて支持高さを稼いだことから、比較的嵩高い荷物であっても枠状部材12,22内に安定的に留め置くことができる(車両急停止時などの荷物の落下を防止又は低減できる)。
また本実施例では、枠状部材12から底板を省略した。これにより余分な格納スペースを要することなく、シートクッション4に各引出し部材10,20をコンパクトに格納することができる。
このように本実施例によれば、よりシンプルな構成によって、各引出し部材10,20の使い勝手を向上させることができる。
【0027】
<実施例2>
本実施例の車両用シート2aは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2aは、第一引出し部材10aと、第二引出し部材20aと、スライド機構を有する(図4及び図5を参照)。
そしてスライド機構は、シートクッション側のガイド部(第一ガイド部30fa,第二ガイド部30sa)と、第一引出し部材10aの第一被ガイド部13aと、第二引出し部材20aの第二被ガイド部23aを有する。
【0028】
(ガイド部)
第一ガイド部30faは、短尺な直線状(側面視)の突出部位であり、シートクッション4側方(上部側)に形成される(図4及び図5を参照)。第一ガイド部30faは、断面視では略横T字状をなしてシートクッション4側方に突出する。
そして第一ガイド部30faを、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に配設する。このとき本実施例では、突出位置の第一引出し部材10aから第一ガイド部30faがはみ出さないように、第一ガイド部30faをシート前端側に配置する。
【0029】
また第二ガイド部30saは、短尺な直線状(側面視)の突出部位であり、シートクッション4側方(下部側)に形成される。第二ガイド部30saは、断面視では略横T字状をなしてシートクッション4側方に突出する。
そして第二ガイド部30saを、シート前方からシート後端に向かって上方傾斜状に配設する。このとき本実施例では、突出位置の第二引出し部材20aから第二ガイド部30saがはみ出さないように、第二ガイド部30saをシート後端側に配置する。
【0030】
(被ガイド部)
第一被ガイド部13aは、第二枠体12sa裏面に開口する溝部位であり、縦断面視では略横T字状をなす(図5を参照)。そして本実施例では、シート前後に延びる第一被ガイド部13aを、第二枠体12saの略全長にわたって形成することができる(図4を参照)。
また第二被ガイド部23aは、第二枠体22sa裏面に開口する溝部位であり、縦断面視では略横T字状をなす。そして本実施例では、シート前後に延びる第二被ガイド部23aを、第二枠体22saの略全長にわたって形成することができる。
【0031】
図4及び図5を参照して、第一被ガイド部13aを第一ガイド部30faに嵌合して、第一引出し部材10aをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける(格納位置)。そして第一引出し部材10aを、第一ガイド部30faに沿ってスライド移動させて、シートクッション4から斜め上方に向けて引出す(突出位置)。このとき第一引出し部材10aによって、第一ガイド部30faを被覆することで、スライド機構の露出を抑えることができる(見栄えの良いシート構成となる)。
また第二被ガイド部23aを第二ガイド部30saに嵌合して、第二引出し部材20aをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける。そして第二引出し部材20aを、第二ガイド部30saに沿ってスライド移動させて、シートクッション4から斜め上方に向けて引出す(突出位置)。このとき第二引出し部材20aによって、第二ガイド部30saを被覆することで、スライド機構の露出を抑えることができる。
【0032】
<実施例3>
本実施例の車両用シート2bは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2bは、第一引出し部材10bと、第二引出し部材20bと、スライド機構と、ロック機構を有する(図6を参照)。ロック機構は、シートクッション4のロック部40bと、第一引出し部材10bの被ロック部14bを有する。
スライド機構は、シートクッション側のガイド部(第一ガイド部30fb,第二ガイド部30sb)を有する。そして本実施例では、各第二枠体(12sb,22sb)が被ガイド部として機能する。
【0033】
(ガイド部)
第一ガイド部30fbは、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に延びる直線状(側面視)の孔部位である。第一ガイド部30fbは、シートクッション4側方(上部側)に形成される。そして第一ガイド部30fbは、シート前端に開口する開口部Ho(略矩形)と、スライド孔Hrを有する(図6及び図7を参照)。スライド孔Hrは、第一ガイド部30fb内においてシート前後に延びる長孔である。
そして第二ガイド部30sbは、シートクッション4側方(下部側)に形成される。第二ガイド部30sbは、シート前方からシート後端に向かって上方傾斜状に延びる直線状の孔部位であり、シート後端に開口する開口部(図示省略)を有する。
【0034】
(ロック部)
ロック部40bは、第一ガイド部30fb内に形成された一対の凹部位(上面の凹部位,下面の凹部位)である(図7を参照)。上面の凹部位と下面の凹部位は、ともに半円状(側面視)の凹部であり、第一ガイド部30fb内で互いに対面配置する。
そして本実施例では、複数のロック部40bを、シート前後に並列して第一ガイド部30fb内に形成する(図6では、便宜上、一組のロック部のみに符号を付す)。
【0035】
[第一引出し部材]
第一引出し部材10bは、上下開放状の枠状部材12と、被ロック部14bを有する(図6を参照)。枠状部材12は、略U字状(上方視)の部材であり、第一枠体12fb(平板状)と、一対の第二枠体12sb(後述)と、ブラケットB1を有する(図7を参照)。ブラケットB1は、第二枠体12sbを取付けるための部位であり、第一枠体12fb裏面に配設される。
そしてブラケットB1は、シート上下に長尺なスライド板19a(平板状)と、短尺な支持板19c(平板状)と、スライド孔19bを有する。スライド孔19bは、シート上下に延びる長孔であり、スライド板19aに形成される。そして本実施例では、第一枠体12fb裏面の両側にスライド板19aを配置するとともに、第一枠体12fbの裏面上部に支持板19cを配置する。そしてスライド板19aと支持板19cを対面配置して、両者の間に、第一アーム16f(後述)を嵌装可能なクリアランスを設ける。
【0036】
また第二枠体12sbは、一対のアーム(第一アーム16f,第二アーム16s)と、バネ部材17(コイルバネ状)を有する(図7を参照)。
一対のアーム16f,16sは共に長尺な板状部材である。第一アーム16fの後端には、第二アーム16sとバネ部材17を組付け可能なブラケットB2が設けてある(図7を参照)。また第二アーム16sの前端には、シート幅方向に突出する軸部材R1が設けてある。
【0037】
本実施例では、第一アーム16f(ブラケットB2)に、第二アーム16sとバネ部材17を組付ける。このとき軸部材R2をシート幅方向からブラケットB2に挿設して、第二アーム16sの後端を回転可能にブラケットB2に軸支する。そしてバネ部材17によって、両アーム16f,16sが略横V字状に拡開するように付勢する。
そして第一アーム16fの前端側を、スライド板19aと支持板19cの間に回転可能に軸支して、第一枠体12fb裏面に取付ける。また第二アーム16s(軸部材R1)をスライド孔19bに嵌装して、第一枠体12fb裏面に取付ける。こうすることで第二アーム16sは、スライド孔19bに沿ってシート上下にスライド移動可能となる。
そして第二枠体12sbは、一対のアーム16f,16sが略横V字状になる突出状態と、一対のアーム16f,16sが近接して平行に配置する格納状態との間を変位する。格納状態の第二枠体12sbは、第一ガイド部30fbに挿入可能な寸法を有する。
【0038】
(被ロック部)
被ロック部14bは、第二枠体12sbに形成された一対の凸部位(第一アーム16f上面の凸部位と、第二アーム16sの凸部位)である(図6及び図7を参照)。一対の凸部位は、ともに半円状(側面視)の凸部であり、格納状態では上下に並列配置する。
本実施例では、複数の被ロック部14bを、格納状態の第二枠体12sb上にシート前後に並列して形成する(図6では、便宜上、一組の被ロック部のみに符号を付す)。
【0039】
[第二引出し部材]
第二引出し部材20bは、上下開放状の枠状部材22を有する(図6を参照)。枠状部材22bは、略U字状(上方視)の部材であり、第一枠体22fbと、一対の第二枠体22sbを有する。一対の第二枠体22sbは、いずれも平板状の部材であり、第二ガイド部30sb(孔部H)に挿入可能な寸法を有する。
【0040】
(格納位置)
図6及び図7を参照して、第二枠体12sb(格納状態)を第一ガイド部30fbに挿入する。そしてブラケットB2の軸部材R2をスライド孔Hrに挿入して、第一引出し部材10bをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける(格納位置)。このときシートクッション4内に第二枠体12sbが収納されるため、格納位置の第一引出し部材10bが外部に極力露出しない(見栄えの良いシート構成となる)。
また上記作業に前後して、第二引出し部材20bをシートクッション4にスライド移動可能に取付ける(格納位置)。このとき第二枠体22sbを平板状としたことで(第二ガイド部30sbに挿入しやすい形状としたことで)、第二引出し部材20bの取付け作業が容易となる。
【0041】
(突出位置)
そして第一引出し部材10bを、第一ガイド部30fbに沿ってスライド移動させて、シートクッション4から斜め上方に向けて引出したのち、後端側の被ロック部14bをロック部40bに係止する(突出位置)。このとき第二枠体12sbが略横V字状(突出状態)となって第一枠体12fbを支持することから、第一引出し部材10bが安定感のある外観を呈する。
また本実施例では、複数のロック機構(14b,40b)により、第一引出し部材10bをシートクッション4から段階的に引出すことができる(引出し量を調節することができる)。
【0042】
<実施例4>
本実施例の車両用シート2cは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2cは、第一引出し部材10cと、スライド機構(13,30f)と、一対のロック部40c(ロック機構)と、支持具15を有する(図8を参照)。
シートクッション4前面の中央には孔部Hが設けられる。支持具15は、略J字状の部材であり、第一枠体12f裏面の中央(孔部Hを臨む位置)に配設される。
【0043】
そして一対のロック部40cは、いずれも略J字状の部材であり、シートクッション4前面の左右に配置する(図8を参照)。
本実施例では、第一引出し部材10cを格納位置に変位させて、一対のロック部40cに第一引出し部材10c(下縁)を係止する(図8の二点破線状態を参照)。そして枠状部材12の支持具15を収納部Hに収納することで、シートクッション4周囲に第一引出し部材10cを配置する(格納位置)。また第一引出し部材10cを突出位置に変位させて、枠状部材12内に荷物を留め置く。このとき一対のロック部40cと支持具15に荷物を掛け止めることができる。
このように本実施例では、ロック部40cによって第一引出し部材10cを支持するとともに、ロック部40cと支持具15により荷物を安定的に保持することができる。
【0044】
<実施例5>
本実施例の車両用シート2dは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施例の車室床面FLは段差状であり、上段面UFと下段面DFを有する(図9を参照)。そして車両用シート2dは上段面UFに配設されており、第一引出し部材10dを、車室床面FLの下段面DFに向けて突出可能である。
【0045】
車両用シート2dは、第一引出し部材10d(12fd,12sd)と、スライド機構(13,30f)と、支持部材50dと、巻取り装置54を有する(図9を参照)。
巻取り装置54は円筒状の部材であり、シートクッション4下部に内蔵される。本実施例の巻取り装置54は、シートクッション4内の固定部材等に軸支される。そして手動又は電動で巻取り装置54を回転させて、支持部材50d(後述)をシート前後に引出し及び巻取りすることができる。
【0046】
(支持部材)
支持部材50dは、柔軟性を有する帯状の部材であり、一対のギャザー部材52を有する(図9を参照)。ギャザー部材52は、伸縮性を有するヒダ状の片材(長方形状)であり、支持部材50dの両側に取付けられる。
なお支持部材50dの材質は特に限定しないが、繊維(織物,編物,不織布)、紙、皮革、ゴム又は樹脂を例示することができる。
【0047】
本実施例では、支持部材50d(帯状)の前端側を第一枠体12fに取付けるとともに、支持部材50dの後端側を巻取り装置54に取付ける。そして第一引出し部材10dを突出位置に変位させることで、巻取り装置54から支持部材50dを引出して、第一引出し部材10dの下部開口側に配置する。
このとき支持部材50dは、その柔軟性とギャザー部材52の伸縮により、支持部材50dの下方が略U字状に弛んだ状態となる(例えば下段面DFに接するほど弛んだ状態となる)。そしてギャザー部材が荷物を左右から支持する。このため嵩高い荷物を第一引出し部材10d内により安定的に留め置くことができる(車両急停止時などの荷物の落下をより確実に防止又は低減できる)。
また第一引出し部材10dを格納位置に変位させつつ、巻取り装置54で支持部材50dを巻取る。これによりシートクッション4内に支持部材50dをコンパクトに格納することができる。
【0048】
<別例>
本実施例の車両用シート2eは、実施例5の車両用シート2eとほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2eは、第一引出し部材10e(12fe,12se)と、スライド機構(13,30f)と、支持部材50eを有する(図10を参照)。
第一引出し部材10eは、略L字状(側面視)をなし、シート上下に幅広な第一枠体12feと、一対の第二枠体12seを有する。
【0049】
(支持部材(別例))
支持部材50eは、柔軟性を有する袋状の部材(略矩形)であり、上部開口Hと、内折線51を有する(図10を参照)。内折線51は、前面側と後面側が近づくように支持部材50eを内折りするための構成である。内折線51は、支持部材50eの両側面では略逆Y字状とされ、底面では直線状とされる。
ここで支持部材50eは、第一枠体12feの高さ寸法と略同一の高さ寸法を有することが好ましく、下段面DFに接する高さ寸法を有することがさらに好ましい。
なお支持部材50eの材質は特に限定しないが、繊維(織物,編物,不織布)、紙、皮革、ゴム又は樹脂を例示することができる。
【0050】
本実施例では、支持部材50e(袋状)の前端側を第一枠体12feに取付けるとともに、支持部材50eの後端側をシートクッション4前面に取付ける。そして第一引出し部材10eを突出位置に変位させることで、支持部材50eを袋状に拡開して、第一引出し部材10eの下部開口側に配置する。そして本実施例では、袋状の支持部材50e内に嵩高い荷物を更に安定的に留め置くことができる(車両急停止時などの荷物の落下を更に確実に防止又は低減できる)。
また第一引出し部材10eを格納位置に変位させることで、支持部材50eをコンパクトに内折りすることができる。
【0051】
<実施例6>
本実施例の車両用シート2fは、実施例1の車両用シート2とほぼ同一の基本構成を備えるため、共通の構造等は対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
車両用シート2fは、第一引出し部材10f(12ff,12sf)と、スライド機構(第一ガイド部30ff,区画ガイド部30t)と、区画部材70を有する(図11及び図12を参照)。第一ガイド部30ffは、シート後方からシート前端に向かって上方傾斜状に延びる孔部位であり、シート前端に開口部を有する。
また区画ガイド部30tは、区画部材70をスライド移動可能に挿入する部位であり、第一ガイド部30fの直下に形成される。区画ガイド部30tは、シート後方からシート前端に向かって略水平(又は上方傾斜状)に延びる孔部位であり、シート前端に開口部を有する。
【0052】
(区画部材)
区画部材70は、略横U字状(上方視)の部材であり、第一引出し部材10fと略同一寸法を有する(図11を参照)。そして区画部材70は、第一区画体70fと、一対の第二区画体70sと、連結部材74を有する。
第一区画体70fは、略長方形状の平板部位であり、挿設孔H2を有する。挿設孔H2は、シート上下に貫通する孔部であり、第一区画体70fの両端に設けられる。また一対の第二区画体70sは、各々、第一区画体70fの端部からシート後方に延設された平板部位である。
【0053】
連結部材74は、第一引出し部材10fと区画部材70を相対移動可能に連結する部材であり、第一連結部71と、第二連結部72を有する(図11を参照)。
第一連結部71は、略矩形(側面視)の部位であり、シート前後に貫通する挿通孔H1を有する。挿通孔H1は、第二枠体12sfを摺動可能に挿入できる開口寸法を有する。また第二連結部72は、第一連結部71からシート下方に延びる平板状の部位である。
【0054】
図11及び図12を参照して、第一ガイド部30ffに第二枠体12sfを挿入して、第一引出し部材10fをシートクッション4に取付ける。また区画ガイド部30tに第二区画体70sを挿入して区画部材70をシートクッション4に取付ける。
このとき第二連結部72を、第一区画体70f(挿設孔H2)にシート上下方向から相対移動不能に挿設する。こうすることで連結部材74を区画部材70に固定することができる。また第一連結部71(挿通孔H1)に第二枠体12sfをシート前後方向から摺動可能に挿設する。こうすることで第一引出し部材10fを、連結部材74(区画部材70)に対して相対移動可能に組付けて、区画部材70から独立して引出し可能とすることができる。
【0055】
本実施例では、第一引出し部材10fが、区画部材70から独立して引出し可能である。このため第一引出し部材10を単独で使用することができる。そして第一引出し部材10fに複数の荷物を留め置く場合には、区画部材70を引出して、枠状部材12内を区画することができる。
また区画部材70は、第一引出し部材10と同位置まで引出すことができる。このため区画部材70を第一引出し部材10f(突出位置)に揃えることで、第一引出し部材10fがより安定感のある外観を呈することとなる。
【0056】
本実施形態の車両用シート2等は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(1)各実施例では、専ら横U字状の枠状部材12を例示したが、枠状部材の形状を限定する趣旨ではない。例えば横T字状やL字状の枠状部材を用いることができる。この場合には、第一枠体と、第一枠体の中央(又は端部)に連結する第二枠体(単数)を用いる。
またE字状などの複数の第二枠体を用いた枠状部材を用いることもできる。複数の第二枠体を用いることで、枠状部材の強度が増すとともに、枠状部材内を第二枠体で区画することができる(第二枠体を区画部材として用いることができる)。
【0057】
(2)また第一引出し部材10には、同時に引出し可能な補強部材を設けることができる。例えば実施例6の区画部材70と同一構成の補強部材を用いることができる。この補強部材を、第一引出し部材と同時に引出し可能としてシートクッション4に取付ける。
補強部材を設けることにより、引出し部材がしっかり感のある外観を呈する。
【0058】
(3)また各実施例では、専ら第一引出し部材10を上側に配設するとともに、第二引出し部材20を下側に配設した。これとは異なり、第一引出し部材を下側に配設するとともに、第二引出し部材を上側に配設することができる。
(4)また各実施例では、シートクッション4の前後に引出し部材10(20)を配設する構成を例示したが、各引出し部材の配設位置や配設数を限定する趣旨ではない。すなわち車両用シートに、シートクッションの前後左右に少なくとも一つの引出し部材を配設することができる。例えば引出し部材は、シートクッションの左右に配設できる。
(5)また実施例4では、J字状のロック部40cと支持具15を例示したが、これら部材の形状や配設数を限定する趣旨ではない。すなわちロック部や支持具として機能する限り、これら部材は、L字状、U字状、横I字状などの各種形状を取ることができる。
(6)また実施例5では、帯状又は袋状の支持部材を例示した。支持部材は、柔軟性を有する限り各種の構成を採用することができ、例えば網目状の支持部材や、蛇腹状の支持部材(袋状)を用いることができる。
【0059】
(7)また各実施例の構成は、当該構成に限る構成ではなく、他の構成に使用することができる。例えば各実施例では、ガイド部(溝部位、突出部位、孔部位)と、被ガイド部(突出部位、溝部位、第二枠体)の構成を適宜選択して採用することができる。
また実施例1や実施例3のロック機構を、他の実施例の車両用シートに適用することができる。ここでロック部は、複数であってもよく単数であってもよい。すなわち本実施例の各引出し部材は上方傾斜状に引出される。このため格納位置の引出し部材は、特にロック部がなくとも同位置に比較的安定に保持される。
また実施例5の支持部材を、他の実施例の車両用シートに適用することができる。そして実施例6の区画部材を、他の車両用シートに適用することができる。なお区画部材の形状は、枠状部材内を区画できる限り特に限定されず、例えば横T字状やL字状などの各種形状をとることができる。
【符号の説明】
【0060】
2 車両用シート
4 シートクッション
6 シートバック
8 ヘッドレスト
10 第一引出し部材
12 第一引出し部材の枠状部材
20 第二引出し部材
22 第二引出し部材の枠状部材
50d 帯状の支持部材
50e 袋状の支持部材
70 区画部材
FL 車室床面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションより引出し可能な引出し部材を有する車両用シートにおいて、
前記引出し部材が、上下に開口する枠状部材を有するとともに、前記シートクッションから斜め上方に向かって引出される構成である車両用シート。
【請求項2】
前記引出し部材の下部開口側に、柔軟性を有する支持部材を配設した請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記枠状部材内を区画可能な区画部材を、前記シートクッションに引出し可能に配設するとともに、
前記引出し部材が、前記区画部材から独立して引出し可能とされて、前記シートクッションに取付けられる請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項1】
シートクッションより引出し可能な引出し部材を有する車両用シートにおいて、
前記引出し部材が、上下に開口する枠状部材を有するとともに、前記シートクッションから斜め上方に向かって引出される構成である車両用シート。
【請求項2】
前記引出し部材の下部開口側に、柔軟性を有する支持部材を配設した請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記枠状部材内を区画可能な区画部材を、前記シートクッションに引出し可能に配設するとともに、
前記引出し部材が、前記区画部材から独立して引出し可能とされて、前記シートクッションに取付けられる請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−265(P2011−265A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145265(P2009−145265)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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