車両用スイッチ操作装置
【課題】本発明は、コイルバネと同等の機能を果たすことができるものであって、複数のスイッチに対しても1つで対処できる車両用スイッチ操作装置の提供を目的とする。
【解決手段】車両用スイッチ操作装置8は、スイッチ押圧部材81と、2つの押圧操作部材83、84とを備えている。スイッチ押圧部材81は、複数の操作アーム81a〜81eと、操作アーム81a〜81eを支持した支持部材81fとを備えている。操作アーム81a〜81eは、夫々、スイッチ押圧部81gと、被押圧操作部81hとが設けられている。押圧操作部材83、84は、チェンジレバー4の可動操作に際してチェンジレバー4に押圧されるとともに、その押圧に伴って被押圧操作部81hを押圧操作し得るように移動可能に配設されている。
【解決手段】車両用スイッチ操作装置8は、スイッチ押圧部材81と、2つの押圧操作部材83、84とを備えている。スイッチ押圧部材81は、複数の操作アーム81a〜81eと、操作アーム81a〜81eを支持した支持部材81fとを備えている。操作アーム81a〜81eは、夫々、スイッチ押圧部81gと、被押圧操作部81hとが設けられている。押圧操作部材83、84は、チェンジレバー4の可動操作に際してチェンジレバー4に押圧されるとともに、その押圧に伴って被押圧操作部81hを押圧操作し得るように移動可能に配設されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両内に装備される押圧スイッチを押圧操作する車両用スイッチ操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両に使用される自動変速機用のシフト装置は広く知られており、例えば特許文献1に提案されたものがある。このものは、メインゲート及びサブゲートを有するゲート部材と、そのゲート部材の下方側にそのゲート部材に対して回動可能に配設され車両に設けられた変速機にケーブルを介して連結された変速機切換部材(ガイドブラケット)と、変速機切換部材に連結・連結解除可能に連結されたチェンジレバー(シフトレバー)とを備える。そして、チェンジレバーを、前記メインゲートに設けられたドライブレンジからサブゲートに移動操作すると、チェンジレバーに設けられた連結片としてのブロック体が、変速機切換部材に設けられた連結部としての保持溝から外れ、チェンジレバーと変速機切換部材との両者の連結が解除してマニュアルモード状態にできる。
【0003】
又、このようなマニュアルモードに切り換え可能な自動変速機用のシフト装置において、例えばサブゲートに入ったチェンジレバーが、マイナスレンジとプラスレンジとの夫々に入った場合にそれを検出する押圧スイッチとしての検出スイッチを設けておき、その検出スイッチがマイナスレンジ又はプラスレンジにチェンジレバーが入るとそれを検出してシフトアップし、又はシフトダウンすることができるようにしている。
【0004】
このような検出スイッチとして、例えば図18(a)に示すようなものが従来から使用される場合も多い。この検出スイッチは、スイッチ本体aと、スイッチ本体aを押圧する押圧ボタンbと、スイッチ本体aと押圧ボタンbとの間に配設されたコイルバネcとを備えたものである。そして、図18(b)に示すように、押圧ボタンbがチェンジレバーに直接又は間接的に押圧されるとコイルバネcを介してスイッチ本体aが押圧されてチェンジレバーを検出する。又、その際、コイルバネcによって、確実にスイッチ本体aを押圧できるとともに、図18(c)に示すように、押圧ボタンbに大荷重がかかった場合にもコイルバネcが縮むことによって、スイッチ本体aに大荷重がかかるのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−230424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなコイルバネcを用いたのでは、検出スイッチの個数に対応する数だけ、コイルバネcが必要になってしまう。その結果、部品点数が多くなってしまうとともに、組み付け工程も増えてしまい、コスト高になってしまっている。
【0007】
本発明は、コイルバネと同等の機能を果たすことができるものであって、複数のスイッチに対しても1つで対処できる車両用スイッチ操作装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両内に装備された押圧スイッチを押圧操作する車両用スイッチ操作装置であって、弾性を有する少なくとも1つの長尺状の操作アームと、その操作アームの長手方向の基端側を支持した支持部材とを備え、前記支持部材は、前記車両に対して固定されるように配設され、前記操作アームの長手方向の先端側には、前記押圧スイッチを押圧するスイッチ押圧部が設けられ、前記長手方向の中間部には、この操作アームが押圧操作される被押圧操作部が設けられていることを特徴とする車両用スイッチ操作装置を提供する。
【0009】
請求項2のように、前記押圧スイッチは、可動操作可能なチェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に設けられ、前記車両用スイッチ操作装置は、押圧操作部材を、更に備え、前記押圧操作部材は、前記チェンジレバーの可動操作に際してチェンジレバーに押圧可能とされるとともに、その押圧に伴って前記被押圧操作部を押圧操作し得るように前記被押圧操作部に対して移動可能に配設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1によれば、弾性を有する長尺状の操作アームと、その操作アームの長手方向の基端側を支持した支持部材と備えたものとする。又、操作アームの長手方向の先端側には、押圧スイッチを押圧するスイッチ押圧部が設けられ、長手方向の中間部には、この操作アームが押圧操作される被押圧操作部が設けられている。
【0011】
これにより、操作アームの被押圧操作部が押圧操作され、スイッチ押圧部で押圧スイッチを押圧するに際し、操作アームを撓ませながら押圧できる。従って、被押圧操作部に大きな力がかかったような場合でも、スイッチ押圧部には大きな力がかからないようにでき、押圧スイッチに過負荷がかかるようなことを防止できる。
【0012】
その一方、操作アームの弾性によってスイッチ押圧部で確実に押圧スイッチを押圧できる。従って、操作アームを、コイルバネと同等の機能を果たさせることができる。
【0013】
又、スイッチ押圧部及び被押圧操作部を有する操作アームを、支持部材に複数、形成でき、1つのスイッチ押圧操作部材で、複数の押圧スイッチを操作できる。従って、部品点数を少なくでき、組み付け工程を少なくできる。
【0014】
請求項2によれば、押圧スイッチは、可動操作可能なチェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に設けられ、車両用スイッチ操作装置は、押圧操作部材を、更に備えている。又、押圧操作部材は、チェンジレバーの可動操作に際してチェンジレバーに押圧されるとともに、その押圧に伴って被押圧操作部を押圧操作し得るように被押圧操作部に対して移動可能に配設されている。
【0015】
これにより、チェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に装備される押圧スイッチを、チェンジレバーの可動操作に際し、押圧操作部材を介して操作アームを押圧操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の車両用スイッチ操作装置を有する自動変速機用のシフト装置の一実施の形態の分解斜視図である。
【図2】シフト制御装置を省略した自動変速機用のシフト装置の斜視図である。
【図3】シフトロックされた状態のロック部材とチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す斜視図である。
【図4】図3のロック状態のロック部材とチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す側面図である。
【図5】シフト制御装置の分解斜視図である。
【図6】第2押圧操作部材の分解斜視図である。
【図7】シフトロックが解除されたアンロック状態のロック部材とチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す斜視図である。
【図8】チェンジレバーのレバー軸がパーキングレンジの左側方位置にある場合の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図9】ケーシングを取り外した状態のシフト制御装置の斜視図である。
【図10】プランジャーが最短状態になった状態の係止アームとチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す側面図である。
【図11】図8の状態における第1押圧操作部材と操作アームとの位置関係を示す一部を断面にした側面図である。
【図12】チェンジレバーのレバー軸がパーキングレンジに入る際の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図13】第1押圧操作部材が操作アームの被押圧操作部に当接した際の一部を断面にした側面図である。
【図14】第1押圧操作部材が操作アームの被押圧操作部を押圧操作した際の一部を断面にした側面図である。
【図15】切換部材本体とチェンジレバーとの連結が解除した状態の両者の斜視図である。
【図16】チェンジレバーのレバー軸がサブゲートにきた状態の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図17】チェンジレバーのレバー軸がサブゲートのプラスゲートにきた状態の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図18】押圧スイッチの従来例に係り、(a)は、従来の押圧スイッチの説明図、(b)は、その押圧スイッチを押圧操作した状態の説明図、(c)は、その押圧スイッチを、さらに強く押圧した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の車両用スイッチ操作装置を有する自動変速機用のシフト装置の一実施の形態の分解斜視図である。尚、図1のX方向が前方を示し、Y方向が後方を示している。又、Z方向が左方を示し、W方向が右方を示している。以下の図2〜図17において同じである。
【0018】
この実施形態の自動変速機用のシフト装置1は、自動車用のものとされており、図1、図2に示すように、車体側に固定される装置本体2と、変速機切換部材3と、チェンジレバー4と、車両用シフト制御装置6と、シフトロック機構とを備えている。
【0019】
装置本体2は、基部20と、ゲート部材5とを備えている。基部20は、前部側に、後述するシフトロック機構のロック軸91を移動可能に収納するロック軸収納孔21と、このロック軸収納孔21の一部を横切るように形成された切換部材受容溝22とを備えている。なお、ゲート部材5については、後述する。
【0020】
変速機切換部材3は、この実施形態では、図1、図3に示すように、板状の切換部材本体30と、チェンジレバー4を保持するレバー保持部35と、この変速機切換部材3を装置本体2に取り付ける軸部36a、36bとを備えている。
【0021】
切換部材本体30の上前部側には、ケーブル10(図1に図示)の一端と連結されるケーブル連結部33が設けられている。このケーブル10の他端は、車両に設けられた自動変速機(図示せず)と連結されており、変速機切換部材3は、このケーブル10を介して自動変速機と連結される。
【0022】
又、切換部材本体30の上部側における略前後中央には、板厚方向の左右方向(Z−W方向)に貫通するようにあけられた四角形状の連結孔32が設けられている。
【0023】
更に、切換部材本体30の下前方側に、ロック孔37aを有するロック部37を備えている。ロック部37は、装置本体2の切換部材受容溝22に出入りできるように形成されている。
【0024】
レバー保持部35は、この実施形態では、切換部材本体30の図3のW方向側の右側方側(一側方側)に、切換部材本体30と一体的に突出形成されている。
【0025】
又、このレバー保持部35は、図2、図15に示すように上部側に開口部35aを有する略球状の球状収納部35bを有している。また、レバー保持部35は、複数のスリット35cを備え、これらのスリット35cによって、レバー保持部35の上部側が弾性を有する複数の小片に分割されている。
【0026】
これにより、開口部35aが拡大して後述のチェンジレバー4の球状部42を球状収納部35bに無理入れすることができるとともに、入れた後は、元の状態に戻って回動自在に保持できるようになっている。
【0027】
軸部36a、36bは、図3、図15に示すように第1軸部36aと、第2軸部36bとを備えている。第1軸部36aは、切換部材本体30の下端に、切換部材本体30と一体的に形成されて切換部材本体30から図のZ方向の左側方側(他側方側)に突設されている。第2軸部36bは、レバー保持部35から図のW方向の右側方側に突設されている。
【0028】
又、第1軸部36aと第2軸部36bとは、同一の軸心O1を有する。また、この実施形態では、その軸心O1は、球状収納部35bの中心を通るように形成されている。
【0029】
そして、これらの第1軸部36aと第2軸部36bとが装置本体2に回動自在に軸支されており、これにより、切換部材本体30の上部が軸心O1を中心に前後方向(X−Y方向)に回動可能とされる。
【0030】
チェンジレバー4は、図1〜図3、図15に示すように、レバー軸41と、レバー軸41の下端に設けられた球状部42と、レバー軸41の上下方向の中間部に設けられた連結片43とを備えている。
【0031】
レバー軸41は、長尺円柱状のものから構成されており、上端側の先端部に、図示しない操作把持部材が取り付けられ、その操作把持部材がドライバーに把持されて操作される。
【0032】
球状部42は、上記レバー保持部35に保持される被保持部としてのもので、レバー保持部35の球状収納部35b内に回動自在に入り込む大きさの球状のものからなる。
【0033】
そして、この球状部42は、球状収納部35bに、その中心が球状収納部35bの中心に一致しその中心を軸に回動し得るように保持されている。これにより、チェンジレバー4のレバー軸41の先端部が切換部材本体30に対して前後方向及び左右方向(Z−W方向)等に回動可能とされる。
【0034】
連結片43は、上記切換部材本体30の連結孔32に、入り込み可能な断面四角形状のものから構成され、レバー軸41から切換部材本体30側に所定長さだけ突出するように形成されている。
【0035】
このように構成された連結片43は、レバー軸41がレバー保持部35の球状収納部35bに入れられた球状部42を中心にして左右方向(Z−W方向)に回動するに伴い上記切換部材本体30の連結孔32に出入りするようになっている。
【0036】
又、連結片43が切換部材本体30の連結孔32に入ることによって、チェンジレバー4のレバー軸41と切換部材本体30とが前後方向に連動可能に連結し、レバー軸41の前後方向への可動に伴い切換部材本体30が共に前後方向に回動する。
【0037】
そして、チェンジレバー4のレバー軸41が、装置本体2のゲート部材5に設けられた後述のゲートプレート51のパーキング(P)レンジ53aにきたとき、切換部材本体30は、最も前方側に回動した状態になる。この状態で、図2に示すように、切換部材本体30のロック部37が装置本体2の切換部材受容溝22に入り込んで、ロック部37のロック孔37aと装置本体2のロック軸収納孔21とが合致した状態になる。
【0038】
この装置本体2のゲート部材5は、図1、図2に示すようにゲートプレート51と、側壁52a、52bとを備えている。ゲートプレート51は、この実施形態では、オートモード状態でレバー軸41を案内するメインゲート53と、マニュアルモード状態でレバー軸41を案内するサブゲート54とを備えている。
【0039】
メインゲート53は、パーキング(P)レンジ53aと、パーキングレンジ53aと連通したリバース(R)レンジ53bと、リバースレンジ53bと連通したニュートラル(N)レンジ53cと、ニュートラルレンジ53cと連通したドライブ(D)レンジ53dとを備えている。
【0040】
サブゲート54は、メインゲート53のドライブレンジ53dと連通路55を介して連通されている。又、サブゲート54には、マイナスゲート54aと、プラスゲート54bとが設けられている。尚、この実施形態では、図2に示すように連通路55に対して前方側にマイナスゲート54aを、後方側にプラスゲート54bを、夫々、配設しているが、例えば連通路55に対して後方側にマイナスゲート54aを、前方側にプラスゲート54bを、夫々、配設するようにしてもよく、適宜変更できる。
【0041】
又、この実施形態のゲートプレート51には、上方側に、補助プレート56が付設されている。補助プレート56は、レバー軸41がメインゲート53及びサブゲート54を移動する際の衝突音を抑える等のためのもので、ゲートプレート51よりも軟らかい柔軟材であって、レバー軸41が衝突した場合に衝突音が発生し難いものから構成されている。この実施形態では、補助プレート56は、ウレタン系エラストマーから構成されている。
【0042】
この補助プレート56には、上記メインゲート53及びサブゲート54に対応する消音用ゲート56aを備えている。この消音用ゲート56aは、図示しないが、上記メインゲート53及びサブゲート54よりもやや幅狭に形成されており、補助プレート56が上記メインゲート53及びサブゲート54の内周縁部に突出されている。
【0043】
これにより、レバー軸41がメインゲート53及びサブゲート54を移動する際に、レバー軸41が消音用ゲート56aの側面に当接し、衝突音が発生し難いようになっている。
【0044】
側壁52a、52bは、ゲートプレート51の左右両端夫々から下方側に延設された左側壁52aと右側壁52bとから構成されている。又、右側壁52bの上部側には、車両用シフト制御装置6を保持する制御装置保持部52cを備えている。
【0045】
そして、これらの左側壁52a及び右側壁52bの下端は、図1に示すように基部20に、固定軸2aを介して固定されている。
【0046】
車両用シフト制御装置6は、図5に示すように、レバー位置検出装置7と、本発明の車両用スイッチ操作装置8と、これらを収納したケーシング10とを備えている。
【0047】
ケーシング10は、左ケーシング10aと、右ケーシング10bとを備えている。又、ケーシング10は、装置本体2の制御装置保持部52cに保持される装置本体保持部を備えている。この実施形態では、装置本体保持部は、制御装置保持部52cに設けられた保持ピン52dに保持されるピン保持孔10dを備えている。
【0048】
そして、左ケーシング10aと右ケーシング10bとの内部に、レバー位置検出装置7、車両用スイッチ操作装置8の一部が収納されるとともに、更に、この実施形態では、ロック部材90の一部が収納されて両者が互いに左右に合わされる。そして、その状態で、図1に示すように、ピン保持孔10dに、装置本体2の制御装置保持部52cの保持ピン52dが通されることにより、ケーシング10が装置本体2の制御装置保持部52cに固定状態に保持されている。
【0049】
レバー位置検出装置7は、図5に示すように、複数の押圧スイッチとしてのレバー位置検出スイッチ71a〜71eと、それらのレバー位置検出スイッチ71a〜71eを保持した回路基板72とを備えている。
【0050】
レバー位置検出スイッチ71a〜71eは、全て同構成を採っており、上部に押圧部としての押圧ボタン72fを備えたものから構成されている。この実施形態では、レバー位置検出スイッチ71a〜71eは、キーインターロック検出スイッチ71aと、パーキング検出スイッチ71bと、連通路検出スイッチ71cと、マイナスゲート検出スイッチ71dと、プラスゲート検出スイッチ71eとの5つを備えている。
【0051】
キーインターロック検出スイッチ71aは、チェンジレバー41のレバー軸41がパーキングレンジ53a内に予め設定されたインターロック領域に入った場合にそれを検出するためのもので、パーキング検出スイッチ71bは、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入った場合にそれを検出するためのものである。
【0052】
又、この実施形態では、キーインターロック検出スイッチ71aは、パーキング検出スイッチ71bよりも前方側、且つ右方側に配設されている。
【0053】
連通路検出スイッチ71cは、レバー軸41が連通路55に入った場合にそれを検出するためのものである。また、マイナスゲート検出スイッチ71dは、レバー軸41がサブゲート54のマイナスゲート54aに入った場合にそれを検出し、プラスゲート検出スイッチ71eは、レバー軸41がサブゲート54のプラスゲート54bに入った場合にそれを検出するためのものである。
【0054】
これらは、連通路検出スイッチ71cを前後中央にしてマイナスゲート検出スイッチ71dがその前方側に、プラスゲート検出スイッチ71eがその後方側に、夫々配設されて前後方向に1列状に並べられている。
【0055】
回路基板72は、レバー位置検出スイッチ71a〜71e夫々と通電可能に接続された回路(図示せず)を備えている。そして、回路基板72は、レバー位置検出スイッチ71a〜71eを保持した状態で、ケーシング10内に固定状態に収納されている。
【0056】
又、回路基板72には、回路夫々から延ばされケーシング10の外部から通信可能に接続される接続部10cが設けられている。この実施形態では、接続部10cは、回路夫々と通電可能に接続された接続端子(図示せず)を備え、ケーシング10に付設されている。
【0057】
そして、この接続部10cに、車両に設けられた制御本体部(図示せず)から延ばされた接続端子がケーシング10の外側から接続できるようになっており、これにより、レバー位置検出スイッチ71a〜71e夫々が接続部10cを介して制御本体部と通信可能に接続される。
【0058】
車両用スイッチ操作装置8は、この実施形態では、スイッチ押圧部材81と、2つの押圧操作部材83、84とを備えている。スイッチ押圧部材81は、複数の操作アーム81a〜81eと、操作アーム81a〜81eを支持した支持部材としての支持枠81fとを備えている。
【0059】
操作アーム81a〜81eは、この実施形態では、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aと、パーキング検出スイッチ用操作アーム81bと、連通路検出スイッチ用操作アーム81cと、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dと、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eとの5つを備えている。
【0060】
キーインターロックスイッチ用操作アーム81aは、上記キーインターロック検出スイッチ71aを、パーキング検出スイッチ用操作アーム81bは、パーキング検出スイッチ71bを、夫々押圧操作する。
【0061】
又、連通路検出スイッチ用操作アーム81cは、上記連通路検出スイッチ71cを、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dは、マイナスゲート検出スイッチ71dを、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eは、プラスゲート検出スイッチ71e、夫々押圧操作する。
【0062】
これらの操作アーム81a〜81eは、ほぼ同構成を採っており、以下、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aについて説明し、他の説明を省略する。キーインターロックスイッチ用操作アーム81aは、合成樹脂製の弾性を有する長尺状のものから構成されている。
【0063】
又、図11に示すように、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの先端側の下面には、上記キーインターロック検出スイッチ71aの押圧ボタン72fを押圧するスイッチ押圧部81gが設けられている。
【0064】
キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの長手方向の中間部には、このキーインターロックスイッチ用操作アーム81aが第1押圧操作部材83によって操作される被押圧操作部81hが設けられている。
【0065】
この実施形態の被押圧操作部81hは、スイッチ押圧部81gから所定距離だけ隔てた位置に、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの上面から上方に突出するように形成されている。
【0066】
支持枠81fは、この実施形態では、図5に示すように、操作アーム81a〜81eと一体的に形成されている。そして、この支持枠81fは、ケーシング10に固定状態に収納されている。
【0067】
又、この状態で、図11に示すように操作アーム81a〜81e夫々のスイッチ押圧部81gがレバー位置検出スイッチ71a〜71e夫々の押圧ボタン71fの上方側に、当接状態又は若干の隙間を隔てて配設されている。
【0068】
押圧操作部材は、図5に示すように第1押圧操作部材83と、第2押圧操作部材84との2つを備えている。第1押圧操作部材83は、キーインターロックスイッチ用操作アーム81a及びパーキング検出スイッチ用操作アーム81bを押圧操作するためのものである。
【0069】
この第1押圧操作部材83は、図8に示すようにその右端側の前後幅が、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aとパーキング検出スイッチ用操作アーム81bとの夫々の被押圧操作部81h同士の前後の距離よりも幅広になるように構成され、それら夫々の被押圧操作部81hを同時に押圧操作できるようになされている。
【0070】
そして、この第1押圧操作部材83は、図5、図7に示すように、チェンジレバー4のレバー軸41に押圧されるレバー押圧部83aと、操作アーム81a、81b夫々の被押圧操作部81hを押圧操作する押圧操作部83bとを備えている。
【0071】
この実施形態では、第1押圧操作部材83の左端面(図5では右側)の一部がレバー押圧部83aをなし、第1押圧操作部材83の右端側の下面の一部が押圧操作部83bをなしている。又、この押圧操作部83bは、図11に示すように、その右端に、右方に行くに従い漸次高さの高くなる傾斜部83cを備えている。
【0072】
このように構成された第1押圧操作部材83は、その右方側がケーシング10に左右方向に移動可能に収納される。詳しくは、第1押圧操作部材83は、図5、図8に示すように押圧操作部83bが、キーインターロックスイッチ用操作アーム81a及びパーキング検出スイッチ用操作アーム81bの被押圧操作部81hから所定距離だけ離れた左方位置から、図12及び図14に示すように、被押圧操作部81hの上方位置になるまでの範囲を移動するように配設される。
【0073】
又、第1押圧操作部材83のレバー押圧部83aは、図示しないが、ケーシング10の左端から外に突出し、ゲートプレート51のパーキングレンジ53aのほぼ下方位置に配設されており、図3に示すようにレバー軸41がパーキングレンジ53aに入る際に押圧されるようになっている。
【0074】
第2押圧操作部材84は、連通路検出スイッチ用操作アーム81c、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81d及びプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eを押圧操作する。
【0075】
この実施形態の第2押圧操作部材84は、図5、図6に示すように、第2押圧操作部材本体86と、第2押圧操作部材本体86に、左右方向移動可能に保持された摺動部材85とを備えている。
【0076】
摺動部材85は、チェンジレバー4のレバー軸41に押圧される摺動部材用レバー押圧部85aと、操作アーム81c〜81e(図5参照)夫々の被押圧操作部81hを押圧操作する押圧操作部85bとを備えている。
【0077】
尚、図示しないが、この押圧操作部85bも、その右部に、右方に行くに従い漸次高さの高くなる傾斜部を備えている。
【0078】
第2押圧操作部材本体86は、前後両側夫々に、第2押圧操作部材84を保持する前後一対の長尺状の保持片86aを備えている。
【0079】
又、これらの保持片86a夫々は、互いに対向する内面に、長手方向に沿って摺動用突片86bを備えている(図6では、後方側のものだけ表れている)。そして、この摺動用突片86bに、上記摺動部材85の前後両側面に設けられた摺動溝85cが摺動可能に嵌め入れられることにより、摺動部材85が第2押圧操作部材本体86に左右方向(Z−W方向)に移動可能に保持される。
【0080】
又、摺動部材85を保持した一対の保持片86aは、その間にチェンジレバー4のレバー軸41を挿入できるように構成されているとともに、対向する内面夫々の左端部に、レバー軸41に押圧される本体用レバー押圧部86cをなしている。尚、この本体用レバー押圧部86cと摺動部材用レバー押圧部85aとで、第2押圧操作部材84のレバー押圧部を構成する。
【0081】
そして、このようにして摺動部材85を保持した第2押圧操作部材本体86は、図8、図9に示すように、ケーシング10におけるマイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dの被押圧操作部81hとプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eの被押圧操作部81hとの上方側に、前後方向に移動可能に収納されている。
【0082】
又、この収納状態で、図8に示すように摺動部材85の押圧操作部85bが連通路検出スイッチ用操作アーム81cの被押圧操作部81hから所定距離だけ離れた左方位置に配設されている。そして、図16に示すように摺動部材85が第2押圧操作部材本体86に対して移動することにより、押圧操作部85bが連通路検出スイッチ用操作アーム81cの被押圧操作部81hの上方位置にきて押圧操作する。
【0083】
また、被押圧操作部81hの上方位置にきた摺動部材85は、図6に示すように第1付勢手段としての第1コイルバネ87aによって、第2押圧操作部材本体86に対して左方側に付勢されている。これにより、レバー軸41に押圧された摺動部材85は、その押圧がなくなると、図8に示す上記被押圧操作部81hの右方側の元の位置に戻るようになっている。
【0084】
又、第2押圧操作部材本体86の右端側は、ケーシング10内に入れられ、図17に示すように摺動部材85の押圧操作部85bがプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eの被押圧操作部81hの上方位置から、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dの被押圧操作部81hの上方位置(図示せず)までの範囲を前後方向に移動可能とされている。
【0085】
又、レバー軸41に押圧された第2押圧操作部材本体86は、図6に示すように、第2付勢手段によって付勢されるようになっており、レバー軸41からの押圧がなくなると、元の図8に示す位置に戻されるようになっている。
【0086】
詳しくは、第2押圧操作部材本体86には、その上部側に、第2付勢手段が付設されている。この実施形態の第2付勢手段は、第2押圧操作部材本体86に固定された突片保持部89と、突片保持部89に前後方向に摺動可能に保持された前後一対の突片88と、それらの突片88の間に配設された第2コイルバネ87bとを備えている。
【0087】
これらの突片88は、夫々、図示しないが、ケーシング10内において、ケーシング10の内壁に当接するように配設されている。
【0088】
そして、第2押圧操作部材本体86が、レバー軸41に押圧されて前または後方向へ移動するに際し、ケーシング10の内壁に当接した突片88が突片保持部89に対して後または前方向に相対移動する。
【0089】
その相対移動に際して、第2コイルバネ87bが圧縮され、これにより、第2押圧操作部材本体86が、後または前方向に付勢されるようになっている。
【0090】
尚、第2押圧操作部材本体86の保持片86a及び摺動部材85の摺動部材用レバー押圧部85aは、ケーシング10の左端から外に突出し、ゲートプレート51の連通路55の下方位置に配設されており、図16に示すようにレバー軸41が連通路55に入る際にレバー軸41が保持片86aの間に入り込んで摺動部材85の摺動部材用レバー押圧部85aを押圧できるようになっている。
【0091】
次に、シフトロック機構について説明する。このシフトロック機構は、チェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aに入った場合に、チェンジレバー4のレバー軸41が不意に他のレンジ53b〜53dに移動しないようにシフトロック(ロック)するためのものである。
【0092】
この実施形態のシフトロック機構は、図3、図4に示すように変速機切換部材3と係脱自在に係止するロック部材90と、車両に設けられたブレーキ装置としてのブレーキペダルに連動可能に接続したソレノイド100と、ソレノイド100と係脱自在に係止する係止アーム94とを備えている。
【0093】
ロック部材90は、ロック軸91と、ロック軸91を可動操作する長尺状のロック軸操作部材92とを備えている。
【0094】
ロック軸91は、上述の装置本体2のロック軸収納孔21(図2参照)に軸方向に移動可能に収納されているとともに、図3に示すように、軸方向の左方側(一方向側)への移動に際して、切換部材本体30のロック孔37aに入り込む。これにより、装置本体2の切換部材受容溝22に入り込んだ切換部材本体30はロックされる。
【0095】
又、ロック軸収納孔21に収納されたロック軸91は、ロック軸収納孔21内に設けられた付勢部材としてのコイルバネ21bによって軸方向の右方側(他方向側)に付勢され、その付勢力によって、ロック孔37aに入ったロック軸91がロック孔37aから抜け出るようになっている。
【0096】
ロック軸操作部材92は、ケーシング10内において、その長手方向の上端側(一端側)が、第1押圧操作部材83と回動自在に連結されており、第1押圧操作部材83がチェンジレバー4のレバー軸41に押圧されて第1押圧操作部材83が移動すると、移動に伴ってロック軸操作部材92の上端側が移動する。従って、この実施形態では、ロック軸操作部材92は、第1押圧操作部材83を介してチェンジレバー4のレバー軸41に間接的に押圧される。
【0097】
又、ロック軸操作部材92の長手方向の中間部92aは、ケーシング10内において、ケーシング10に軸支されており、これにより、上端側及び下端側(他端側)が中間部92aを中心にして左右方向に回動可能とされている。
【0098】
又、図5に示すようにロック軸操作部材92の下端には、下端面から開口されたU字状の係止溝92bが設けられている。そして、ロック軸操作部材92の下端側は、図1に示すようにケーシング10の下端から外部に出されており、ケーシング10の右側壁52bへの取り付けに際して、ロック軸91に設けられた係止ピン91a(図1、図4に図示)が係止溝92bに入れられる。これにより、ロック軸操作部材92の下端とロック軸91とが回動自在に連結される。
【0099】
係止アーム94は、ロック部材90と連動し、ロック部材90と切換部材本体30との係脱に際して一定の範囲を可動する。
【0100】
この実施形態では、係止アーム94は、図3、図4に示すように第1押圧操作部材83から下方側に一体的に延ばされており、第1押圧操作部材83を介してロック部材90のロック軸操作部材92と連動して左右方向に移動するようになっている。
【0101】
ソレノイド100は、内部にコイル線(図示せず)を有するソレノイド本体101と、ソレノイド本体101から突設された棒状のプランジャー102とを備えている。
【0102】
プランジャー102は、ソレノイド本体101から出没動可能(軸方向移動可能)に配設されている。又、この実施形態のプランジャー102は、ソレノイド本体101内に設けられた付勢バネ(図示せず)によって、常時、ソレノイド本体101に対して突出する方向に付勢されており、ソレノイド本体101のコイル線への通電に伴う磁力の発生に際し付勢バネの付勢力に抗してソレノイド本体101に没入動(吸引)されるようになっている。
【0103】
従って、この実施形態のプランジャー102は、ソレノイド本体101に対して突出動してソレノイド本体101からの突出長さが最も長くなった最長状態(図4に示す状態)から、ソレノイド本体101に対して没入動してソレノイド本体101からの突出長さが最も短くなった最短状態(図10に示す状態)までの範囲をソレノイド本体101に対して可動する。
【0104】
このソレノイド100は、上記車両の制御本体部を介してキーインターロック検出スイッチ71a及びパーキング検出スイッチ71bと通信可能に接続されている。詳しくは、キーインターロック検出スイッチ71a及びパーキング検出スイッチ71bと通信可能に接続された車両の制御本体部と、ソレノイド100とが通信可能に接続されている。
【0105】
又、ソレノイド100は、ブレーキペダルと連動し得るように制御本体部によって制御されている。より詳しくは、パーキング検出スイッチ71bによってチェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aに入ったことを制御本体部が検出した場合に、ブレーキペダルが踏み操作されると、制御本体部は、それを検出し、その検出に基づいてソレノイド100に通電する。そして、その通電に伴い、プランジャー102は、ソレノイド本体101に没入動する。
【0106】
このように構成されたソレノイド100は、ソレノイド本体101がケーシング10に収納されて固定されている。この収納状態で、プランジャー102の軸方向が、前後方向に沿わされて係止アーム94の移動方向と直交している。又、プランジャー102は、図10に示すように没入動した最短状態で、係止アーム94が移動する可動経路から後方側に退いた経路外位置となり、一方、突出動した最長状態で、図2、図4に示すように上記可動経路を横切って経路内に入り込んだ経路内位置になるように配設されている。
【0107】
次に、このシフト装置1の動作について説明する。尚、説明の都合上、チェンジレバー4のレバー軸41が、メインゲート53のパーキングレンジ53aに入っていない状態、例えばパーキングレンジ53aの左側方位置にある場合から説明する。
【0108】
レバー軸41がパーキングレンジ53aの左側方位置にある場合は、図7、図8に示すように、第1押圧操作部材83は、レバー軸41と離れているとともに、キーインターロックスイッチ用操作アーム81a及びパーキング検出スイッチ用操作アーム81b夫々の被押圧操作部81hの左方側に配設されている。
【0109】
又、係止アーム94は、図9に示すように、ソレノイド100のプランジャー102の前方側を塞いでおり、付勢バネの付勢力で突出動しようとするプランジャー102の先端面が係止アーム94の後面に当接した状態になっている。尚、切換部材本体30のロック部37は装置本体2の切換部材受容溝22に入り込んで、ロック部37のロック孔37aと装置本体2のロック軸収納孔21とが合致した状態になっている(図2参照)。
【0110】
この状態から、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入れられていくと、図3に示すように、レバー軸41が第1押圧操作部材83のレバー押圧部83aに当接する。
【0111】
更に、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入り込んでいくと、レバー押圧部83aが押圧されて第1押圧操作部材83は、右方に移動する(図12参照)。又、その第1押圧操作部材83の移動に際し、係止アーム94も共に右側に、ソレノイド100のプランジャー102の右方位置まで移動する(図3参照)。
【0112】
又、これと同時に、ロック軸操作部材92が図3の反時計方向に回動し、その回動に際してロック軸91を、コイルバネ21bの付勢力に抗して図3における右方に移動させる。これにより、ロック軸91が切換部材本体30のロック孔37aに入り込んで切換部材本体30をロック状態にする。
【0113】
又、係止アーム94がソレノイド100のプランジャー102を通過すると、係止アーム94に当接していたプランジャー102は、図4に示すように付勢バネの付勢力によって、係止アーム94の可動経路を横切って経路内位置まで突出動して最長状態になる。
【0114】
又、第1押圧操作部材83の移動に際し、図13に示すように押圧操作部83bが、パーキング検出スイッチ用操作アーム81bの被押圧操作部81hを押圧操作し始めるとともに、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0115】
この押圧操作により、パーキング検出スイッチ用操作アーム81b及びキーインターロックスイッチ用操作アーム81a夫々のスイッチ押圧部81gは、パーキング検出スイッチ71b、キーインターロック検出スイッチ71a夫々の押圧ボタン72fを押圧する。
【0116】
その際、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aは、弾性を有するため、図14に示すように長手方向に撓むことができる。従って、被押圧操作部81hが過大な力で押圧されても押圧ボタン72fをその過大な力で押圧することのないものにでき、各検出スイッチ71a、71bに過負荷がかからないものにできる。その一方、弾性によって、確実に押圧ボタン72fを押圧でき、各検出スイッチ71a、71bを確実に作動させることができる。
【0117】
パーキング検出スイッチ71bが押圧されると、その旨の情報が車両の制御本体部に送信される。受信した制御本体部は、ブレーキペダルが踏み操作されるのを待ち、後述のようにブレーキペダルが踏み操作された場合にソレノイド100に通電することになる。
【0118】
又、キーインターロック検出スイッチ71aが押圧されると、その旨の情報が車両の制御本体部に送信され、受信した制御本体部は、車両に設けられたキー挿入孔に入ったキーを、そのキー挿入孔から抜くことができる状態にする。
【0119】
そして、この状態で、ロック軸91、ロック軸操作部材92、係止アーム94及び第1押圧操作部材83が夫々、コイルバネ21bの付勢力によって上記とは反対方向に動こうとする。
【0120】
しかし、プランジャー102が係止アーム94の経路内位置にあるため、図3に示すように、係止アーム94がプランジャー102に係止してその位置を維持し、ロック軸91、ロック軸操作部材92、及び第1押圧操作部材83もその位置を維持する。従って、切換部材本体30は上記ロック状態に維持される。
【0121】
この状態で、切換部材本体30に連結したレバー軸41も前後方向に可動できない。従って、例えば誤って停車中にレバー軸41を動かそうとしてもレバー軸41はパーキングレンジ53aの位置を維持し、例えばパーキングレンジ53aからリバースレンジ53bに可動するようなことのないものにできる。
【0122】
尚、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入ると、チェンジレバー4とゲート部材5とを係脱自在に係止する係止手段(図示せず)によって、チェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aに入った状態を維持できるようになっている。
【0123】
上記ロック状態を解除し自動車を走行させる場合は、ブレーキペダルを踏む。これにより、それを検出した制御本体部は、回路基板72を介してソレノイド本体101に通電する。そして、図10に示すようにその通電による磁力の発生によってプランジャー102が付勢バネの付勢力に抗して係止アーム94の経路外位置まで没入動して最短状態になる。
【0124】
これにより、係止アーム94とプランジャー102との係止が解除する。そして、この係止解除によって、係止アーム94、ロック軸91、ロック軸操作部材92、及び第1押圧操作部材83が夫々、コイルバネ21bの付勢力によって上記とは反対方向に動く。
【0125】
そして、係止アーム94は、図7、図9に示すようにプランジャー102の前方位置まで移動しプランジャー102の前方を塞いだ状態になる。この状態で、ブレーキペダルの踏み操作を止めると、それを検出した制御本体部は、ソレノイド100への通電を止める。
【0126】
これにより、ソレノイド100のプランジャー102は、付勢バネの付勢力によって突出動し、係止アーム94の後面に当接し、その状態を維持する。
【0127】
又、第1押圧操作部材83の移動に伴い、押圧操作していたパーキング検出スイッチ71bから外れ、押圧操作を止める。
【0128】
そして、パーキング検出スイッチ71bが押圧操作されなくなると、その旨の情報が制御本体部に送信され、制御本体部は、その情報に基づいて(或いは、押圧されていた情報を受信しなくなると)、その後のブレーキペダルの踏み操作に際しソレノイド100に通電しないように制御する。
【0129】
従って、この実施形態の制御本体部は、上述のようにパーキング検出スイッチ71bによりチェンジレバー4がパーキングレンジ53aに入ったことを検出している間で(パーキング検出スイッチ71bがオンの状態で)、ブレーキペダルが踏み操作されると、ソレノイド100に通電し、パーキング検出スイッチ71bがオフの状態で、ブレーキペダルが踏み操作された場合でもソレノイド100に通電しないように制御している。
【0130】
尚、上記第1押圧操作部材83の移動に伴い、パーキング検出スイッチ71bが押圧操作されなくなるのに先立って、キーインターロック検出スイッチ71aが押圧操作されなくなる。そして、その旨の情報が制御本体部に送信され、受信した制御本体部は、その情報に基づいて(或いは、押圧されていた情報を受信しなくなると)、キーを、キー挿入孔から、車両に設けたキー抜け防止手段(図示せず)によって抜けないように制御する。
【0131】
その後、チェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aから出され、メインゲート53に沿ってリバースレンジ53b、ニュートラルレンジ53c、ドライブレンジ53dのいずれかに移動操作されると、チェンジレバー4に連結した切換部材本体30が前方側に回動する。
【0132】
又、その切換部材本体30の回動に際して、ケーブル10(図1に図示)を押引操作し、自動変速機を切り替える。
【0133】
また、レバー軸41がドライブレンジ53dから連通路55(図2参照)に入ると、レバー軸41が第2押圧操作部材84の摺動部材85の摺動部材用レバー押圧部85aと当接する(図16参照)。
【0134】
そして、その状態で、レバー軸41が連通路55を、更に、右側のサブゲート54側に移動していくと、図16に示すように、それに伴い、摺動部材85は、その右端がマイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81d、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81e夫々の被押圧操作部81hよりも右方位置になるまで右側に移動する。そして、その移動に際して連通路検出スイッチ用操作アーム81cの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0135】
又、この押圧操作に伴い、連通路検出スイッチ用操作アーム81cのスイッチ押圧部81gは、連通路検出スイッチ71cの押圧ボタン72fを押圧する。
【0136】
この場合においても、連通路検出スイッチ用操作アーム81cは、弾性を有するため、図14に示すように長手方向に撓むことができ、上記キーインターロックスイッチ用操作アーム81aやパーキング検出スイッチ用操作アーム81bと同様に機能する。
【0137】
そして、押圧された連通路検出スイッチ71cは、押圧された旨の情報を制御本体部に送信する。受信した制御本体部は、オートモード状態からマニュアルモード状態に切り替える。
【0138】
また、レバー軸41がサブゲート54に入った状態では、図15に示すようにチェンジレバー4の連結片43が切換部材本体30の連結孔32から抜け出た状態になり、チェンジレバー4と切換部材本体30との連結が解除された状態になる。
【0139】
従って、この連結解除状態では、チェンジレバー4と切換部材本体30とは連動せず、チェンジレバー4のレバー軸41がサブゲート54を前後方向に移動しても、自動変速機はドライブ状態に維持される。
【0140】
そして、サブゲート54に入ったレバー軸41が、例えばプラスゲート54bに入れられると、図17に示すように、レバー軸41がプラスゲート54bに入る際に第2押圧操作部材本体86の本体用レバー押圧部86cが後方側に押圧される。
【0141】
その押圧に際して第2押圧操作部材本体86及びそれに保持された摺動部材85が後方側に移動し、摺動部材85の押圧操作部85bがプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0142】
又、この押圧操作に伴い、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eのスイッチ押圧部81gがプラスゲート検出スイッチ71eの押圧ボタン72fを押圧する。
【0143】
この場合においても、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eは、弾性を有するため、上記キーインターロックスイッチ用操作アーム81a等と同様に機能する。
【0144】
そして、押圧されたプラスゲート検出スイッチ71eは、押圧された旨の情報を制御本体部に送信する。受信した制御本体部は、その情報に基づいて、1回だけシフトアップする。
【0145】
又、プラスゲート54bに入ったレバー軸41を、元の位置に戻す場合は、レバー軸41を押し入れ操作している手を離す。これにより、第2コイルバネ87b(図6参照)の付勢力によって、第2押圧操作部材84が元の位置に戻り、それに伴い、レバー軸41が、サブゲート54におけるプラスゲート54bとマイナスゲート54aとの中間位置(図16に示す位置)に戻る。
【0146】
一方、レバー軸41がマイナスゲート54aに入れられると、レバー軸41がマイナスゲート54aに入る際に第2押圧操作部材本体86の本体用レバー押圧部86cが前方側に押圧される。
【0147】
その押圧に際して第2押圧操作部材本体86及びそれに保持された摺動部材85が前方側に移動し、摺動部材85の押圧操作部85bがマイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0148】
又、この押圧操作に伴い、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dのスイッチ押圧部81gがマイナスゲート検出スイッチ71dの押圧ボタン72fを押圧する。
【0149】
そして、押圧されたマイナスゲート検出スイッチ71dは、押圧された旨の情報を制御本体部に送信する。受信した制御本体部は、その情報に基づいて、1回だけシフトダウンする。
【0150】
又、マイナスゲート54aに入ったレバー軸41から手を離すと、第2コイルバネ87b(図6参照)の付勢力によって、第2押圧操作部材84が元の位置に戻り、それに伴い、レバー軸41が、サブゲート54におけるプラスゲート54bとマイナスゲート54aとの中間位置(図16に示す位置)に戻る。
【0151】
その後、チェンジレバー4のレバー軸41が、サブゲート54から連通路55を通されてドライブレンジ53dに戻される際に、チェンジレバー4の連結片43が切換部材本体30の連結孔32に再度入り、チェンジレバー4と切換部材本体30とが再度連結状態になる。
【0152】
そして、チェンジレバー4のレバー軸41がメインゲート53のドライブレンジ84からニュートラルレンジ53cに移動操作されると、チェンジレバー4と連結した切換部材本体30が上記とは反対側の前方側に回動する。
【0153】
尚、上記実施形態では、車両用スイッチ操作装置8は、自動変速機用のシフト装置1のレバー位置検出スイッチ71a〜71eを押圧操作するものに適用されているが、この形態のものに限らず、例えば自動車に装備される通電用の押圧スイッチ等の各種の押圧スイッチ(タクトスイッチ)に適用でき、適宜変更できる。
【0154】
又、上記実施形態では、車両用スイッチ操作装置8は、スイッチ押圧部材81と、2つの押圧操作部材83、84とを備えたものとし、押圧操作部材83、84の移動に際してスイッチ押圧部材81の被押圧操作部81hを押圧操作しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0155】
例えば車両用スイッチ操作装置8を、押圧操作部材83、84を有さずに、スイッチ押圧部材81のみから構成し、スイッチ押圧部材81の被押圧操作部81hを手で押圧操作するものとしても良い。
【0156】
又、上記実施形態では、スイッチ押圧部材81の操作アーム81a〜81eを、5つから構成しているが、この形態のものに限らず、1つ以上であれば良く、適宜変更できる。
【符号の説明】
【0157】
1 自動変速機用のシフト装置
2 装置本体
3 変速機切換部材
4 チェンジレバー
5 ゲート部材
6 シフト制御装置
7 レバー位置検出装置
8 車両用スイッチ操作装置
10 ケーシング
30 切換部材本体
90 ロック部材
91 ロック軸
92 ロック軸操作部材
94 係止アーム
100 ソレノイド
102 プランジャー
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両内に装備される押圧スイッチを押圧操作する車両用スイッチ操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両に使用される自動変速機用のシフト装置は広く知られており、例えば特許文献1に提案されたものがある。このものは、メインゲート及びサブゲートを有するゲート部材と、そのゲート部材の下方側にそのゲート部材に対して回動可能に配設され車両に設けられた変速機にケーブルを介して連結された変速機切換部材(ガイドブラケット)と、変速機切換部材に連結・連結解除可能に連結されたチェンジレバー(シフトレバー)とを備える。そして、チェンジレバーを、前記メインゲートに設けられたドライブレンジからサブゲートに移動操作すると、チェンジレバーに設けられた連結片としてのブロック体が、変速機切換部材に設けられた連結部としての保持溝から外れ、チェンジレバーと変速機切換部材との両者の連結が解除してマニュアルモード状態にできる。
【0003】
又、このようなマニュアルモードに切り換え可能な自動変速機用のシフト装置において、例えばサブゲートに入ったチェンジレバーが、マイナスレンジとプラスレンジとの夫々に入った場合にそれを検出する押圧スイッチとしての検出スイッチを設けておき、その検出スイッチがマイナスレンジ又はプラスレンジにチェンジレバーが入るとそれを検出してシフトアップし、又はシフトダウンすることができるようにしている。
【0004】
このような検出スイッチとして、例えば図18(a)に示すようなものが従来から使用される場合も多い。この検出スイッチは、スイッチ本体aと、スイッチ本体aを押圧する押圧ボタンbと、スイッチ本体aと押圧ボタンbとの間に配設されたコイルバネcとを備えたものである。そして、図18(b)に示すように、押圧ボタンbがチェンジレバーに直接又は間接的に押圧されるとコイルバネcを介してスイッチ本体aが押圧されてチェンジレバーを検出する。又、その際、コイルバネcによって、確実にスイッチ本体aを押圧できるとともに、図18(c)に示すように、押圧ボタンbに大荷重がかかった場合にもコイルバネcが縮むことによって、スイッチ本体aに大荷重がかかるのを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−230424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなコイルバネcを用いたのでは、検出スイッチの個数に対応する数だけ、コイルバネcが必要になってしまう。その結果、部品点数が多くなってしまうとともに、組み付け工程も増えてしまい、コスト高になってしまっている。
【0007】
本発明は、コイルバネと同等の機能を果たすことができるものであって、複数のスイッチに対しても1つで対処できる車両用スイッチ操作装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両内に装備された押圧スイッチを押圧操作する車両用スイッチ操作装置であって、弾性を有する少なくとも1つの長尺状の操作アームと、その操作アームの長手方向の基端側を支持した支持部材とを備え、前記支持部材は、前記車両に対して固定されるように配設され、前記操作アームの長手方向の先端側には、前記押圧スイッチを押圧するスイッチ押圧部が設けられ、前記長手方向の中間部には、この操作アームが押圧操作される被押圧操作部が設けられていることを特徴とする車両用スイッチ操作装置を提供する。
【0009】
請求項2のように、前記押圧スイッチは、可動操作可能なチェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に設けられ、前記車両用スイッチ操作装置は、押圧操作部材を、更に備え、前記押圧操作部材は、前記チェンジレバーの可動操作に際してチェンジレバーに押圧可能とされるとともに、その押圧に伴って前記被押圧操作部を押圧操作し得るように前記被押圧操作部に対して移動可能に配設されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1によれば、弾性を有する長尺状の操作アームと、その操作アームの長手方向の基端側を支持した支持部材と備えたものとする。又、操作アームの長手方向の先端側には、押圧スイッチを押圧するスイッチ押圧部が設けられ、長手方向の中間部には、この操作アームが押圧操作される被押圧操作部が設けられている。
【0011】
これにより、操作アームの被押圧操作部が押圧操作され、スイッチ押圧部で押圧スイッチを押圧するに際し、操作アームを撓ませながら押圧できる。従って、被押圧操作部に大きな力がかかったような場合でも、スイッチ押圧部には大きな力がかからないようにでき、押圧スイッチに過負荷がかかるようなことを防止できる。
【0012】
その一方、操作アームの弾性によってスイッチ押圧部で確実に押圧スイッチを押圧できる。従って、操作アームを、コイルバネと同等の機能を果たさせることができる。
【0013】
又、スイッチ押圧部及び被押圧操作部を有する操作アームを、支持部材に複数、形成でき、1つのスイッチ押圧操作部材で、複数の押圧スイッチを操作できる。従って、部品点数を少なくでき、組み付け工程を少なくできる。
【0014】
請求項2によれば、押圧スイッチは、可動操作可能なチェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に設けられ、車両用スイッチ操作装置は、押圧操作部材を、更に備えている。又、押圧操作部材は、チェンジレバーの可動操作に際してチェンジレバーに押圧されるとともに、その押圧に伴って被押圧操作部を押圧操作し得るように被押圧操作部に対して移動可能に配設されている。
【0015】
これにより、チェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に装備される押圧スイッチを、チェンジレバーの可動操作に際し、押圧操作部材を介して操作アームを押圧操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の車両用スイッチ操作装置を有する自動変速機用のシフト装置の一実施の形態の分解斜視図である。
【図2】シフト制御装置を省略した自動変速機用のシフト装置の斜視図である。
【図3】シフトロックされた状態のロック部材とチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す斜視図である。
【図4】図3のロック状態のロック部材とチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す側面図である。
【図5】シフト制御装置の分解斜視図である。
【図6】第2押圧操作部材の分解斜視図である。
【図7】シフトロックが解除されたアンロック状態のロック部材とチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す斜視図である。
【図8】チェンジレバーのレバー軸がパーキングレンジの左側方位置にある場合の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図9】ケーシングを取り外した状態のシフト制御装置の斜視図である。
【図10】プランジャーが最短状態になった状態の係止アームとチェンジレバーと変速機切換部材との位置関係を示す側面図である。
【図11】図8の状態における第1押圧操作部材と操作アームとの位置関係を示す一部を断面にした側面図である。
【図12】チェンジレバーのレバー軸がパーキングレンジに入る際の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図13】第1押圧操作部材が操作アームの被押圧操作部に当接した際の一部を断面にした側面図である。
【図14】第1押圧操作部材が操作アームの被押圧操作部を押圧操作した際の一部を断面にした側面図である。
【図15】切換部材本体とチェンジレバーとの連結が解除した状態の両者の斜視図である。
【図16】チェンジレバーのレバー軸がサブゲートにきた状態の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図17】チェンジレバーのレバー軸がサブゲートのプラスゲートにきた状態の押圧操作部材とスイッチ押圧部材とレバー位置検出装置との位置関係を示す平面図である。
【図18】押圧スイッチの従来例に係り、(a)は、従来の押圧スイッチの説明図、(b)は、その押圧スイッチを押圧操作した状態の説明図、(c)は、その押圧スイッチを、さらに強く押圧した状態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の車両用スイッチ操作装置を有する自動変速機用のシフト装置の一実施の形態の分解斜視図である。尚、図1のX方向が前方を示し、Y方向が後方を示している。又、Z方向が左方を示し、W方向が右方を示している。以下の図2〜図17において同じである。
【0018】
この実施形態の自動変速機用のシフト装置1は、自動車用のものとされており、図1、図2に示すように、車体側に固定される装置本体2と、変速機切換部材3と、チェンジレバー4と、車両用シフト制御装置6と、シフトロック機構とを備えている。
【0019】
装置本体2は、基部20と、ゲート部材5とを備えている。基部20は、前部側に、後述するシフトロック機構のロック軸91を移動可能に収納するロック軸収納孔21と、このロック軸収納孔21の一部を横切るように形成された切換部材受容溝22とを備えている。なお、ゲート部材5については、後述する。
【0020】
変速機切換部材3は、この実施形態では、図1、図3に示すように、板状の切換部材本体30と、チェンジレバー4を保持するレバー保持部35と、この変速機切換部材3を装置本体2に取り付ける軸部36a、36bとを備えている。
【0021】
切換部材本体30の上前部側には、ケーブル10(図1に図示)の一端と連結されるケーブル連結部33が設けられている。このケーブル10の他端は、車両に設けられた自動変速機(図示せず)と連結されており、変速機切換部材3は、このケーブル10を介して自動変速機と連結される。
【0022】
又、切換部材本体30の上部側における略前後中央には、板厚方向の左右方向(Z−W方向)に貫通するようにあけられた四角形状の連結孔32が設けられている。
【0023】
更に、切換部材本体30の下前方側に、ロック孔37aを有するロック部37を備えている。ロック部37は、装置本体2の切換部材受容溝22に出入りできるように形成されている。
【0024】
レバー保持部35は、この実施形態では、切換部材本体30の図3のW方向側の右側方側(一側方側)に、切換部材本体30と一体的に突出形成されている。
【0025】
又、このレバー保持部35は、図2、図15に示すように上部側に開口部35aを有する略球状の球状収納部35bを有している。また、レバー保持部35は、複数のスリット35cを備え、これらのスリット35cによって、レバー保持部35の上部側が弾性を有する複数の小片に分割されている。
【0026】
これにより、開口部35aが拡大して後述のチェンジレバー4の球状部42を球状収納部35bに無理入れすることができるとともに、入れた後は、元の状態に戻って回動自在に保持できるようになっている。
【0027】
軸部36a、36bは、図3、図15に示すように第1軸部36aと、第2軸部36bとを備えている。第1軸部36aは、切換部材本体30の下端に、切換部材本体30と一体的に形成されて切換部材本体30から図のZ方向の左側方側(他側方側)に突設されている。第2軸部36bは、レバー保持部35から図のW方向の右側方側に突設されている。
【0028】
又、第1軸部36aと第2軸部36bとは、同一の軸心O1を有する。また、この実施形態では、その軸心O1は、球状収納部35bの中心を通るように形成されている。
【0029】
そして、これらの第1軸部36aと第2軸部36bとが装置本体2に回動自在に軸支されており、これにより、切換部材本体30の上部が軸心O1を中心に前後方向(X−Y方向)に回動可能とされる。
【0030】
チェンジレバー4は、図1〜図3、図15に示すように、レバー軸41と、レバー軸41の下端に設けられた球状部42と、レバー軸41の上下方向の中間部に設けられた連結片43とを備えている。
【0031】
レバー軸41は、長尺円柱状のものから構成されており、上端側の先端部に、図示しない操作把持部材が取り付けられ、その操作把持部材がドライバーに把持されて操作される。
【0032】
球状部42は、上記レバー保持部35に保持される被保持部としてのもので、レバー保持部35の球状収納部35b内に回動自在に入り込む大きさの球状のものからなる。
【0033】
そして、この球状部42は、球状収納部35bに、その中心が球状収納部35bの中心に一致しその中心を軸に回動し得るように保持されている。これにより、チェンジレバー4のレバー軸41の先端部が切換部材本体30に対して前後方向及び左右方向(Z−W方向)等に回動可能とされる。
【0034】
連結片43は、上記切換部材本体30の連結孔32に、入り込み可能な断面四角形状のものから構成され、レバー軸41から切換部材本体30側に所定長さだけ突出するように形成されている。
【0035】
このように構成された連結片43は、レバー軸41がレバー保持部35の球状収納部35bに入れられた球状部42を中心にして左右方向(Z−W方向)に回動するに伴い上記切換部材本体30の連結孔32に出入りするようになっている。
【0036】
又、連結片43が切換部材本体30の連結孔32に入ることによって、チェンジレバー4のレバー軸41と切換部材本体30とが前後方向に連動可能に連結し、レバー軸41の前後方向への可動に伴い切換部材本体30が共に前後方向に回動する。
【0037】
そして、チェンジレバー4のレバー軸41が、装置本体2のゲート部材5に設けられた後述のゲートプレート51のパーキング(P)レンジ53aにきたとき、切換部材本体30は、最も前方側に回動した状態になる。この状態で、図2に示すように、切換部材本体30のロック部37が装置本体2の切換部材受容溝22に入り込んで、ロック部37のロック孔37aと装置本体2のロック軸収納孔21とが合致した状態になる。
【0038】
この装置本体2のゲート部材5は、図1、図2に示すようにゲートプレート51と、側壁52a、52bとを備えている。ゲートプレート51は、この実施形態では、オートモード状態でレバー軸41を案内するメインゲート53と、マニュアルモード状態でレバー軸41を案内するサブゲート54とを備えている。
【0039】
メインゲート53は、パーキング(P)レンジ53aと、パーキングレンジ53aと連通したリバース(R)レンジ53bと、リバースレンジ53bと連通したニュートラル(N)レンジ53cと、ニュートラルレンジ53cと連通したドライブ(D)レンジ53dとを備えている。
【0040】
サブゲート54は、メインゲート53のドライブレンジ53dと連通路55を介して連通されている。又、サブゲート54には、マイナスゲート54aと、プラスゲート54bとが設けられている。尚、この実施形態では、図2に示すように連通路55に対して前方側にマイナスゲート54aを、後方側にプラスゲート54bを、夫々、配設しているが、例えば連通路55に対して後方側にマイナスゲート54aを、前方側にプラスゲート54bを、夫々、配設するようにしてもよく、適宜変更できる。
【0041】
又、この実施形態のゲートプレート51には、上方側に、補助プレート56が付設されている。補助プレート56は、レバー軸41がメインゲート53及びサブゲート54を移動する際の衝突音を抑える等のためのもので、ゲートプレート51よりも軟らかい柔軟材であって、レバー軸41が衝突した場合に衝突音が発生し難いものから構成されている。この実施形態では、補助プレート56は、ウレタン系エラストマーから構成されている。
【0042】
この補助プレート56には、上記メインゲート53及びサブゲート54に対応する消音用ゲート56aを備えている。この消音用ゲート56aは、図示しないが、上記メインゲート53及びサブゲート54よりもやや幅狭に形成されており、補助プレート56が上記メインゲート53及びサブゲート54の内周縁部に突出されている。
【0043】
これにより、レバー軸41がメインゲート53及びサブゲート54を移動する際に、レバー軸41が消音用ゲート56aの側面に当接し、衝突音が発生し難いようになっている。
【0044】
側壁52a、52bは、ゲートプレート51の左右両端夫々から下方側に延設された左側壁52aと右側壁52bとから構成されている。又、右側壁52bの上部側には、車両用シフト制御装置6を保持する制御装置保持部52cを備えている。
【0045】
そして、これらの左側壁52a及び右側壁52bの下端は、図1に示すように基部20に、固定軸2aを介して固定されている。
【0046】
車両用シフト制御装置6は、図5に示すように、レバー位置検出装置7と、本発明の車両用スイッチ操作装置8と、これらを収納したケーシング10とを備えている。
【0047】
ケーシング10は、左ケーシング10aと、右ケーシング10bとを備えている。又、ケーシング10は、装置本体2の制御装置保持部52cに保持される装置本体保持部を備えている。この実施形態では、装置本体保持部は、制御装置保持部52cに設けられた保持ピン52dに保持されるピン保持孔10dを備えている。
【0048】
そして、左ケーシング10aと右ケーシング10bとの内部に、レバー位置検出装置7、車両用スイッチ操作装置8の一部が収納されるとともに、更に、この実施形態では、ロック部材90の一部が収納されて両者が互いに左右に合わされる。そして、その状態で、図1に示すように、ピン保持孔10dに、装置本体2の制御装置保持部52cの保持ピン52dが通されることにより、ケーシング10が装置本体2の制御装置保持部52cに固定状態に保持されている。
【0049】
レバー位置検出装置7は、図5に示すように、複数の押圧スイッチとしてのレバー位置検出スイッチ71a〜71eと、それらのレバー位置検出スイッチ71a〜71eを保持した回路基板72とを備えている。
【0050】
レバー位置検出スイッチ71a〜71eは、全て同構成を採っており、上部に押圧部としての押圧ボタン72fを備えたものから構成されている。この実施形態では、レバー位置検出スイッチ71a〜71eは、キーインターロック検出スイッチ71aと、パーキング検出スイッチ71bと、連通路検出スイッチ71cと、マイナスゲート検出スイッチ71dと、プラスゲート検出スイッチ71eとの5つを備えている。
【0051】
キーインターロック検出スイッチ71aは、チェンジレバー41のレバー軸41がパーキングレンジ53a内に予め設定されたインターロック領域に入った場合にそれを検出するためのもので、パーキング検出スイッチ71bは、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入った場合にそれを検出するためのものである。
【0052】
又、この実施形態では、キーインターロック検出スイッチ71aは、パーキング検出スイッチ71bよりも前方側、且つ右方側に配設されている。
【0053】
連通路検出スイッチ71cは、レバー軸41が連通路55に入った場合にそれを検出するためのものである。また、マイナスゲート検出スイッチ71dは、レバー軸41がサブゲート54のマイナスゲート54aに入った場合にそれを検出し、プラスゲート検出スイッチ71eは、レバー軸41がサブゲート54のプラスゲート54bに入った場合にそれを検出するためのものである。
【0054】
これらは、連通路検出スイッチ71cを前後中央にしてマイナスゲート検出スイッチ71dがその前方側に、プラスゲート検出スイッチ71eがその後方側に、夫々配設されて前後方向に1列状に並べられている。
【0055】
回路基板72は、レバー位置検出スイッチ71a〜71e夫々と通電可能に接続された回路(図示せず)を備えている。そして、回路基板72は、レバー位置検出スイッチ71a〜71eを保持した状態で、ケーシング10内に固定状態に収納されている。
【0056】
又、回路基板72には、回路夫々から延ばされケーシング10の外部から通信可能に接続される接続部10cが設けられている。この実施形態では、接続部10cは、回路夫々と通電可能に接続された接続端子(図示せず)を備え、ケーシング10に付設されている。
【0057】
そして、この接続部10cに、車両に設けられた制御本体部(図示せず)から延ばされた接続端子がケーシング10の外側から接続できるようになっており、これにより、レバー位置検出スイッチ71a〜71e夫々が接続部10cを介して制御本体部と通信可能に接続される。
【0058】
車両用スイッチ操作装置8は、この実施形態では、スイッチ押圧部材81と、2つの押圧操作部材83、84とを備えている。スイッチ押圧部材81は、複数の操作アーム81a〜81eと、操作アーム81a〜81eを支持した支持部材としての支持枠81fとを備えている。
【0059】
操作アーム81a〜81eは、この実施形態では、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aと、パーキング検出スイッチ用操作アーム81bと、連通路検出スイッチ用操作アーム81cと、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dと、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eとの5つを備えている。
【0060】
キーインターロックスイッチ用操作アーム81aは、上記キーインターロック検出スイッチ71aを、パーキング検出スイッチ用操作アーム81bは、パーキング検出スイッチ71bを、夫々押圧操作する。
【0061】
又、連通路検出スイッチ用操作アーム81cは、上記連通路検出スイッチ71cを、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dは、マイナスゲート検出スイッチ71dを、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eは、プラスゲート検出スイッチ71e、夫々押圧操作する。
【0062】
これらの操作アーム81a〜81eは、ほぼ同構成を採っており、以下、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aについて説明し、他の説明を省略する。キーインターロックスイッチ用操作アーム81aは、合成樹脂製の弾性を有する長尺状のものから構成されている。
【0063】
又、図11に示すように、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの先端側の下面には、上記キーインターロック検出スイッチ71aの押圧ボタン72fを押圧するスイッチ押圧部81gが設けられている。
【0064】
キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの長手方向の中間部には、このキーインターロックスイッチ用操作アーム81aが第1押圧操作部材83によって操作される被押圧操作部81hが設けられている。
【0065】
この実施形態の被押圧操作部81hは、スイッチ押圧部81gから所定距離だけ隔てた位置に、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの上面から上方に突出するように形成されている。
【0066】
支持枠81fは、この実施形態では、図5に示すように、操作アーム81a〜81eと一体的に形成されている。そして、この支持枠81fは、ケーシング10に固定状態に収納されている。
【0067】
又、この状態で、図11に示すように操作アーム81a〜81e夫々のスイッチ押圧部81gがレバー位置検出スイッチ71a〜71e夫々の押圧ボタン71fの上方側に、当接状態又は若干の隙間を隔てて配設されている。
【0068】
押圧操作部材は、図5に示すように第1押圧操作部材83と、第2押圧操作部材84との2つを備えている。第1押圧操作部材83は、キーインターロックスイッチ用操作アーム81a及びパーキング検出スイッチ用操作アーム81bを押圧操作するためのものである。
【0069】
この第1押圧操作部材83は、図8に示すようにその右端側の前後幅が、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aとパーキング検出スイッチ用操作アーム81bとの夫々の被押圧操作部81h同士の前後の距離よりも幅広になるように構成され、それら夫々の被押圧操作部81hを同時に押圧操作できるようになされている。
【0070】
そして、この第1押圧操作部材83は、図5、図7に示すように、チェンジレバー4のレバー軸41に押圧されるレバー押圧部83aと、操作アーム81a、81b夫々の被押圧操作部81hを押圧操作する押圧操作部83bとを備えている。
【0071】
この実施形態では、第1押圧操作部材83の左端面(図5では右側)の一部がレバー押圧部83aをなし、第1押圧操作部材83の右端側の下面の一部が押圧操作部83bをなしている。又、この押圧操作部83bは、図11に示すように、その右端に、右方に行くに従い漸次高さの高くなる傾斜部83cを備えている。
【0072】
このように構成された第1押圧操作部材83は、その右方側がケーシング10に左右方向に移動可能に収納される。詳しくは、第1押圧操作部材83は、図5、図8に示すように押圧操作部83bが、キーインターロックスイッチ用操作アーム81a及びパーキング検出スイッチ用操作アーム81bの被押圧操作部81hから所定距離だけ離れた左方位置から、図12及び図14に示すように、被押圧操作部81hの上方位置になるまでの範囲を移動するように配設される。
【0073】
又、第1押圧操作部材83のレバー押圧部83aは、図示しないが、ケーシング10の左端から外に突出し、ゲートプレート51のパーキングレンジ53aのほぼ下方位置に配設されており、図3に示すようにレバー軸41がパーキングレンジ53aに入る際に押圧されるようになっている。
【0074】
第2押圧操作部材84は、連通路検出スイッチ用操作アーム81c、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81d及びプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eを押圧操作する。
【0075】
この実施形態の第2押圧操作部材84は、図5、図6に示すように、第2押圧操作部材本体86と、第2押圧操作部材本体86に、左右方向移動可能に保持された摺動部材85とを備えている。
【0076】
摺動部材85は、チェンジレバー4のレバー軸41に押圧される摺動部材用レバー押圧部85aと、操作アーム81c〜81e(図5参照)夫々の被押圧操作部81hを押圧操作する押圧操作部85bとを備えている。
【0077】
尚、図示しないが、この押圧操作部85bも、その右部に、右方に行くに従い漸次高さの高くなる傾斜部を備えている。
【0078】
第2押圧操作部材本体86は、前後両側夫々に、第2押圧操作部材84を保持する前後一対の長尺状の保持片86aを備えている。
【0079】
又、これらの保持片86a夫々は、互いに対向する内面に、長手方向に沿って摺動用突片86bを備えている(図6では、後方側のものだけ表れている)。そして、この摺動用突片86bに、上記摺動部材85の前後両側面に設けられた摺動溝85cが摺動可能に嵌め入れられることにより、摺動部材85が第2押圧操作部材本体86に左右方向(Z−W方向)に移動可能に保持される。
【0080】
又、摺動部材85を保持した一対の保持片86aは、その間にチェンジレバー4のレバー軸41を挿入できるように構成されているとともに、対向する内面夫々の左端部に、レバー軸41に押圧される本体用レバー押圧部86cをなしている。尚、この本体用レバー押圧部86cと摺動部材用レバー押圧部85aとで、第2押圧操作部材84のレバー押圧部を構成する。
【0081】
そして、このようにして摺動部材85を保持した第2押圧操作部材本体86は、図8、図9に示すように、ケーシング10におけるマイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dの被押圧操作部81hとプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eの被押圧操作部81hとの上方側に、前後方向に移動可能に収納されている。
【0082】
又、この収納状態で、図8に示すように摺動部材85の押圧操作部85bが連通路検出スイッチ用操作アーム81cの被押圧操作部81hから所定距離だけ離れた左方位置に配設されている。そして、図16に示すように摺動部材85が第2押圧操作部材本体86に対して移動することにより、押圧操作部85bが連通路検出スイッチ用操作アーム81cの被押圧操作部81hの上方位置にきて押圧操作する。
【0083】
また、被押圧操作部81hの上方位置にきた摺動部材85は、図6に示すように第1付勢手段としての第1コイルバネ87aによって、第2押圧操作部材本体86に対して左方側に付勢されている。これにより、レバー軸41に押圧された摺動部材85は、その押圧がなくなると、図8に示す上記被押圧操作部81hの右方側の元の位置に戻るようになっている。
【0084】
又、第2押圧操作部材本体86の右端側は、ケーシング10内に入れられ、図17に示すように摺動部材85の押圧操作部85bがプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eの被押圧操作部81hの上方位置から、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dの被押圧操作部81hの上方位置(図示せず)までの範囲を前後方向に移動可能とされている。
【0085】
又、レバー軸41に押圧された第2押圧操作部材本体86は、図6に示すように、第2付勢手段によって付勢されるようになっており、レバー軸41からの押圧がなくなると、元の図8に示す位置に戻されるようになっている。
【0086】
詳しくは、第2押圧操作部材本体86には、その上部側に、第2付勢手段が付設されている。この実施形態の第2付勢手段は、第2押圧操作部材本体86に固定された突片保持部89と、突片保持部89に前後方向に摺動可能に保持された前後一対の突片88と、それらの突片88の間に配設された第2コイルバネ87bとを備えている。
【0087】
これらの突片88は、夫々、図示しないが、ケーシング10内において、ケーシング10の内壁に当接するように配設されている。
【0088】
そして、第2押圧操作部材本体86が、レバー軸41に押圧されて前または後方向へ移動するに際し、ケーシング10の内壁に当接した突片88が突片保持部89に対して後または前方向に相対移動する。
【0089】
その相対移動に際して、第2コイルバネ87bが圧縮され、これにより、第2押圧操作部材本体86が、後または前方向に付勢されるようになっている。
【0090】
尚、第2押圧操作部材本体86の保持片86a及び摺動部材85の摺動部材用レバー押圧部85aは、ケーシング10の左端から外に突出し、ゲートプレート51の連通路55の下方位置に配設されており、図16に示すようにレバー軸41が連通路55に入る際にレバー軸41が保持片86aの間に入り込んで摺動部材85の摺動部材用レバー押圧部85aを押圧できるようになっている。
【0091】
次に、シフトロック機構について説明する。このシフトロック機構は、チェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aに入った場合に、チェンジレバー4のレバー軸41が不意に他のレンジ53b〜53dに移動しないようにシフトロック(ロック)するためのものである。
【0092】
この実施形態のシフトロック機構は、図3、図4に示すように変速機切換部材3と係脱自在に係止するロック部材90と、車両に設けられたブレーキ装置としてのブレーキペダルに連動可能に接続したソレノイド100と、ソレノイド100と係脱自在に係止する係止アーム94とを備えている。
【0093】
ロック部材90は、ロック軸91と、ロック軸91を可動操作する長尺状のロック軸操作部材92とを備えている。
【0094】
ロック軸91は、上述の装置本体2のロック軸収納孔21(図2参照)に軸方向に移動可能に収納されているとともに、図3に示すように、軸方向の左方側(一方向側)への移動に際して、切換部材本体30のロック孔37aに入り込む。これにより、装置本体2の切換部材受容溝22に入り込んだ切換部材本体30はロックされる。
【0095】
又、ロック軸収納孔21に収納されたロック軸91は、ロック軸収納孔21内に設けられた付勢部材としてのコイルバネ21bによって軸方向の右方側(他方向側)に付勢され、その付勢力によって、ロック孔37aに入ったロック軸91がロック孔37aから抜け出るようになっている。
【0096】
ロック軸操作部材92は、ケーシング10内において、その長手方向の上端側(一端側)が、第1押圧操作部材83と回動自在に連結されており、第1押圧操作部材83がチェンジレバー4のレバー軸41に押圧されて第1押圧操作部材83が移動すると、移動に伴ってロック軸操作部材92の上端側が移動する。従って、この実施形態では、ロック軸操作部材92は、第1押圧操作部材83を介してチェンジレバー4のレバー軸41に間接的に押圧される。
【0097】
又、ロック軸操作部材92の長手方向の中間部92aは、ケーシング10内において、ケーシング10に軸支されており、これにより、上端側及び下端側(他端側)が中間部92aを中心にして左右方向に回動可能とされている。
【0098】
又、図5に示すようにロック軸操作部材92の下端には、下端面から開口されたU字状の係止溝92bが設けられている。そして、ロック軸操作部材92の下端側は、図1に示すようにケーシング10の下端から外部に出されており、ケーシング10の右側壁52bへの取り付けに際して、ロック軸91に設けられた係止ピン91a(図1、図4に図示)が係止溝92bに入れられる。これにより、ロック軸操作部材92の下端とロック軸91とが回動自在に連結される。
【0099】
係止アーム94は、ロック部材90と連動し、ロック部材90と切換部材本体30との係脱に際して一定の範囲を可動する。
【0100】
この実施形態では、係止アーム94は、図3、図4に示すように第1押圧操作部材83から下方側に一体的に延ばされており、第1押圧操作部材83を介してロック部材90のロック軸操作部材92と連動して左右方向に移動するようになっている。
【0101】
ソレノイド100は、内部にコイル線(図示せず)を有するソレノイド本体101と、ソレノイド本体101から突設された棒状のプランジャー102とを備えている。
【0102】
プランジャー102は、ソレノイド本体101から出没動可能(軸方向移動可能)に配設されている。又、この実施形態のプランジャー102は、ソレノイド本体101内に設けられた付勢バネ(図示せず)によって、常時、ソレノイド本体101に対して突出する方向に付勢されており、ソレノイド本体101のコイル線への通電に伴う磁力の発生に際し付勢バネの付勢力に抗してソレノイド本体101に没入動(吸引)されるようになっている。
【0103】
従って、この実施形態のプランジャー102は、ソレノイド本体101に対して突出動してソレノイド本体101からの突出長さが最も長くなった最長状態(図4に示す状態)から、ソレノイド本体101に対して没入動してソレノイド本体101からの突出長さが最も短くなった最短状態(図10に示す状態)までの範囲をソレノイド本体101に対して可動する。
【0104】
このソレノイド100は、上記車両の制御本体部を介してキーインターロック検出スイッチ71a及びパーキング検出スイッチ71bと通信可能に接続されている。詳しくは、キーインターロック検出スイッチ71a及びパーキング検出スイッチ71bと通信可能に接続された車両の制御本体部と、ソレノイド100とが通信可能に接続されている。
【0105】
又、ソレノイド100は、ブレーキペダルと連動し得るように制御本体部によって制御されている。より詳しくは、パーキング検出スイッチ71bによってチェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aに入ったことを制御本体部が検出した場合に、ブレーキペダルが踏み操作されると、制御本体部は、それを検出し、その検出に基づいてソレノイド100に通電する。そして、その通電に伴い、プランジャー102は、ソレノイド本体101に没入動する。
【0106】
このように構成されたソレノイド100は、ソレノイド本体101がケーシング10に収納されて固定されている。この収納状態で、プランジャー102の軸方向が、前後方向に沿わされて係止アーム94の移動方向と直交している。又、プランジャー102は、図10に示すように没入動した最短状態で、係止アーム94が移動する可動経路から後方側に退いた経路外位置となり、一方、突出動した最長状態で、図2、図4に示すように上記可動経路を横切って経路内に入り込んだ経路内位置になるように配設されている。
【0107】
次に、このシフト装置1の動作について説明する。尚、説明の都合上、チェンジレバー4のレバー軸41が、メインゲート53のパーキングレンジ53aに入っていない状態、例えばパーキングレンジ53aの左側方位置にある場合から説明する。
【0108】
レバー軸41がパーキングレンジ53aの左側方位置にある場合は、図7、図8に示すように、第1押圧操作部材83は、レバー軸41と離れているとともに、キーインターロックスイッチ用操作アーム81a及びパーキング検出スイッチ用操作アーム81b夫々の被押圧操作部81hの左方側に配設されている。
【0109】
又、係止アーム94は、図9に示すように、ソレノイド100のプランジャー102の前方側を塞いでおり、付勢バネの付勢力で突出動しようとするプランジャー102の先端面が係止アーム94の後面に当接した状態になっている。尚、切換部材本体30のロック部37は装置本体2の切換部材受容溝22に入り込んで、ロック部37のロック孔37aと装置本体2のロック軸収納孔21とが合致した状態になっている(図2参照)。
【0110】
この状態から、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入れられていくと、図3に示すように、レバー軸41が第1押圧操作部材83のレバー押圧部83aに当接する。
【0111】
更に、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入り込んでいくと、レバー押圧部83aが押圧されて第1押圧操作部材83は、右方に移動する(図12参照)。又、その第1押圧操作部材83の移動に際し、係止アーム94も共に右側に、ソレノイド100のプランジャー102の右方位置まで移動する(図3参照)。
【0112】
又、これと同時に、ロック軸操作部材92が図3の反時計方向に回動し、その回動に際してロック軸91を、コイルバネ21bの付勢力に抗して図3における右方に移動させる。これにより、ロック軸91が切換部材本体30のロック孔37aに入り込んで切換部材本体30をロック状態にする。
【0113】
又、係止アーム94がソレノイド100のプランジャー102を通過すると、係止アーム94に当接していたプランジャー102は、図4に示すように付勢バネの付勢力によって、係止アーム94の可動経路を横切って経路内位置まで突出動して最長状態になる。
【0114】
又、第1押圧操作部材83の移動に際し、図13に示すように押圧操作部83bが、パーキング検出スイッチ用操作アーム81bの被押圧操作部81hを押圧操作し始めるとともに、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0115】
この押圧操作により、パーキング検出スイッチ用操作アーム81b及びキーインターロックスイッチ用操作アーム81a夫々のスイッチ押圧部81gは、パーキング検出スイッチ71b、キーインターロック検出スイッチ71a夫々の押圧ボタン72fを押圧する。
【0116】
その際、キーインターロックスイッチ用操作アーム81aは、弾性を有するため、図14に示すように長手方向に撓むことができる。従って、被押圧操作部81hが過大な力で押圧されても押圧ボタン72fをその過大な力で押圧することのないものにでき、各検出スイッチ71a、71bに過負荷がかからないものにできる。その一方、弾性によって、確実に押圧ボタン72fを押圧でき、各検出スイッチ71a、71bを確実に作動させることができる。
【0117】
パーキング検出スイッチ71bが押圧されると、その旨の情報が車両の制御本体部に送信される。受信した制御本体部は、ブレーキペダルが踏み操作されるのを待ち、後述のようにブレーキペダルが踏み操作された場合にソレノイド100に通電することになる。
【0118】
又、キーインターロック検出スイッチ71aが押圧されると、その旨の情報が車両の制御本体部に送信され、受信した制御本体部は、車両に設けられたキー挿入孔に入ったキーを、そのキー挿入孔から抜くことができる状態にする。
【0119】
そして、この状態で、ロック軸91、ロック軸操作部材92、係止アーム94及び第1押圧操作部材83が夫々、コイルバネ21bの付勢力によって上記とは反対方向に動こうとする。
【0120】
しかし、プランジャー102が係止アーム94の経路内位置にあるため、図3に示すように、係止アーム94がプランジャー102に係止してその位置を維持し、ロック軸91、ロック軸操作部材92、及び第1押圧操作部材83もその位置を維持する。従って、切換部材本体30は上記ロック状態に維持される。
【0121】
この状態で、切換部材本体30に連結したレバー軸41も前後方向に可動できない。従って、例えば誤って停車中にレバー軸41を動かそうとしてもレバー軸41はパーキングレンジ53aの位置を維持し、例えばパーキングレンジ53aからリバースレンジ53bに可動するようなことのないものにできる。
【0122】
尚、レバー軸41がパーキングレンジ53aに入ると、チェンジレバー4とゲート部材5とを係脱自在に係止する係止手段(図示せず)によって、チェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aに入った状態を維持できるようになっている。
【0123】
上記ロック状態を解除し自動車を走行させる場合は、ブレーキペダルを踏む。これにより、それを検出した制御本体部は、回路基板72を介してソレノイド本体101に通電する。そして、図10に示すようにその通電による磁力の発生によってプランジャー102が付勢バネの付勢力に抗して係止アーム94の経路外位置まで没入動して最短状態になる。
【0124】
これにより、係止アーム94とプランジャー102との係止が解除する。そして、この係止解除によって、係止アーム94、ロック軸91、ロック軸操作部材92、及び第1押圧操作部材83が夫々、コイルバネ21bの付勢力によって上記とは反対方向に動く。
【0125】
そして、係止アーム94は、図7、図9に示すようにプランジャー102の前方位置まで移動しプランジャー102の前方を塞いだ状態になる。この状態で、ブレーキペダルの踏み操作を止めると、それを検出した制御本体部は、ソレノイド100への通電を止める。
【0126】
これにより、ソレノイド100のプランジャー102は、付勢バネの付勢力によって突出動し、係止アーム94の後面に当接し、その状態を維持する。
【0127】
又、第1押圧操作部材83の移動に伴い、押圧操作していたパーキング検出スイッチ71bから外れ、押圧操作を止める。
【0128】
そして、パーキング検出スイッチ71bが押圧操作されなくなると、その旨の情報が制御本体部に送信され、制御本体部は、その情報に基づいて(或いは、押圧されていた情報を受信しなくなると)、その後のブレーキペダルの踏み操作に際しソレノイド100に通電しないように制御する。
【0129】
従って、この実施形態の制御本体部は、上述のようにパーキング検出スイッチ71bによりチェンジレバー4がパーキングレンジ53aに入ったことを検出している間で(パーキング検出スイッチ71bがオンの状態で)、ブレーキペダルが踏み操作されると、ソレノイド100に通電し、パーキング検出スイッチ71bがオフの状態で、ブレーキペダルが踏み操作された場合でもソレノイド100に通電しないように制御している。
【0130】
尚、上記第1押圧操作部材83の移動に伴い、パーキング検出スイッチ71bが押圧操作されなくなるのに先立って、キーインターロック検出スイッチ71aが押圧操作されなくなる。そして、その旨の情報が制御本体部に送信され、受信した制御本体部は、その情報に基づいて(或いは、押圧されていた情報を受信しなくなると)、キーを、キー挿入孔から、車両に設けたキー抜け防止手段(図示せず)によって抜けないように制御する。
【0131】
その後、チェンジレバー4のレバー軸41がパーキングレンジ53aから出され、メインゲート53に沿ってリバースレンジ53b、ニュートラルレンジ53c、ドライブレンジ53dのいずれかに移動操作されると、チェンジレバー4に連結した切換部材本体30が前方側に回動する。
【0132】
又、その切換部材本体30の回動に際して、ケーブル10(図1に図示)を押引操作し、自動変速機を切り替える。
【0133】
また、レバー軸41がドライブレンジ53dから連通路55(図2参照)に入ると、レバー軸41が第2押圧操作部材84の摺動部材85の摺動部材用レバー押圧部85aと当接する(図16参照)。
【0134】
そして、その状態で、レバー軸41が連通路55を、更に、右側のサブゲート54側に移動していくと、図16に示すように、それに伴い、摺動部材85は、その右端がマイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81d、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81e夫々の被押圧操作部81hよりも右方位置になるまで右側に移動する。そして、その移動に際して連通路検出スイッチ用操作アーム81cの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0135】
又、この押圧操作に伴い、連通路検出スイッチ用操作アーム81cのスイッチ押圧部81gは、連通路検出スイッチ71cの押圧ボタン72fを押圧する。
【0136】
この場合においても、連通路検出スイッチ用操作アーム81cは、弾性を有するため、図14に示すように長手方向に撓むことができ、上記キーインターロックスイッチ用操作アーム81aやパーキング検出スイッチ用操作アーム81bと同様に機能する。
【0137】
そして、押圧された連通路検出スイッチ71cは、押圧された旨の情報を制御本体部に送信する。受信した制御本体部は、オートモード状態からマニュアルモード状態に切り替える。
【0138】
また、レバー軸41がサブゲート54に入った状態では、図15に示すようにチェンジレバー4の連結片43が切換部材本体30の連結孔32から抜け出た状態になり、チェンジレバー4と切換部材本体30との連結が解除された状態になる。
【0139】
従って、この連結解除状態では、チェンジレバー4と切換部材本体30とは連動せず、チェンジレバー4のレバー軸41がサブゲート54を前後方向に移動しても、自動変速機はドライブ状態に維持される。
【0140】
そして、サブゲート54に入ったレバー軸41が、例えばプラスゲート54bに入れられると、図17に示すように、レバー軸41がプラスゲート54bに入る際に第2押圧操作部材本体86の本体用レバー押圧部86cが後方側に押圧される。
【0141】
その押圧に際して第2押圧操作部材本体86及びそれに保持された摺動部材85が後方側に移動し、摺動部材85の押圧操作部85bがプラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0142】
又、この押圧操作に伴い、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eのスイッチ押圧部81gがプラスゲート検出スイッチ71eの押圧ボタン72fを押圧する。
【0143】
この場合においても、プラスゲート検出スイッチ用操作アーム81eは、弾性を有するため、上記キーインターロックスイッチ用操作アーム81a等と同様に機能する。
【0144】
そして、押圧されたプラスゲート検出スイッチ71eは、押圧された旨の情報を制御本体部に送信する。受信した制御本体部は、その情報に基づいて、1回だけシフトアップする。
【0145】
又、プラスゲート54bに入ったレバー軸41を、元の位置に戻す場合は、レバー軸41を押し入れ操作している手を離す。これにより、第2コイルバネ87b(図6参照)の付勢力によって、第2押圧操作部材84が元の位置に戻り、それに伴い、レバー軸41が、サブゲート54におけるプラスゲート54bとマイナスゲート54aとの中間位置(図16に示す位置)に戻る。
【0146】
一方、レバー軸41がマイナスゲート54aに入れられると、レバー軸41がマイナスゲート54aに入る際に第2押圧操作部材本体86の本体用レバー押圧部86cが前方側に押圧される。
【0147】
その押圧に際して第2押圧操作部材本体86及びそれに保持された摺動部材85が前方側に移動し、摺動部材85の押圧操作部85bがマイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dの被押圧操作部81hを押圧操作する。
【0148】
又、この押圧操作に伴い、マイナスゲート検出スイッチ用操作アーム81dのスイッチ押圧部81gがマイナスゲート検出スイッチ71dの押圧ボタン72fを押圧する。
【0149】
そして、押圧されたマイナスゲート検出スイッチ71dは、押圧された旨の情報を制御本体部に送信する。受信した制御本体部は、その情報に基づいて、1回だけシフトダウンする。
【0150】
又、マイナスゲート54aに入ったレバー軸41から手を離すと、第2コイルバネ87b(図6参照)の付勢力によって、第2押圧操作部材84が元の位置に戻り、それに伴い、レバー軸41が、サブゲート54におけるプラスゲート54bとマイナスゲート54aとの中間位置(図16に示す位置)に戻る。
【0151】
その後、チェンジレバー4のレバー軸41が、サブゲート54から連通路55を通されてドライブレンジ53dに戻される際に、チェンジレバー4の連結片43が切換部材本体30の連結孔32に再度入り、チェンジレバー4と切換部材本体30とが再度連結状態になる。
【0152】
そして、チェンジレバー4のレバー軸41がメインゲート53のドライブレンジ84からニュートラルレンジ53cに移動操作されると、チェンジレバー4と連結した切換部材本体30が上記とは反対側の前方側に回動する。
【0153】
尚、上記実施形態では、車両用スイッチ操作装置8は、自動変速機用のシフト装置1のレバー位置検出スイッチ71a〜71eを押圧操作するものに適用されているが、この形態のものに限らず、例えば自動車に装備される通電用の押圧スイッチ等の各種の押圧スイッチ(タクトスイッチ)に適用でき、適宜変更できる。
【0154】
又、上記実施形態では、車両用スイッチ操作装置8は、スイッチ押圧部材81と、2つの押圧操作部材83、84とを備えたものとし、押圧操作部材83、84の移動に際してスイッチ押圧部材81の被押圧操作部81hを押圧操作しているが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。
【0155】
例えば車両用スイッチ操作装置8を、押圧操作部材83、84を有さずに、スイッチ押圧部材81のみから構成し、スイッチ押圧部材81の被押圧操作部81hを手で押圧操作するものとしても良い。
【0156】
又、上記実施形態では、スイッチ押圧部材81の操作アーム81a〜81eを、5つから構成しているが、この形態のものに限らず、1つ以上であれば良く、適宜変更できる。
【符号の説明】
【0157】
1 自動変速機用のシフト装置
2 装置本体
3 変速機切換部材
4 チェンジレバー
5 ゲート部材
6 シフト制御装置
7 レバー位置検出装置
8 車両用スイッチ操作装置
10 ケーシング
30 切換部材本体
90 ロック部材
91 ロック軸
92 ロック軸操作部材
94 係止アーム
100 ソレノイド
102 プランジャー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に装備された押圧スイッチを押圧操作する車両用スイッチ操作装置であって、
弾性を有する少なくとも1つの長尺状の操作アームと、その操作アームの長手方向の基端側を支持した支持部材とを備え、
前記支持部材は、前記車両に対して固定されるように配設され、
前記操作アームの長手方向の先端側には、前記押圧スイッチを押圧するスイッチ押圧部が設けられ、前記長手方向の中間部には、この操作アームが押圧操作される被押圧操作部が設けられていることを特徴とする車両用スイッチ操作装置。
【請求項2】
前記押圧スイッチは、可動操作可能なチェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に設けられ、
前記車両用スイッチ操作装置は、押圧操作部材を、更に備え、
前記押圧操作部材は、前記チェンジレバーの可動操作に際してチェンジレバーに押圧可能とされるとともに、その押圧に伴って前記被押圧操作部を押圧操作し得るように前記被押圧操作部に対して移動可能に配設されていることを特徴とする請求項1記載の車両用スイッチ操作装置。
【請求項1】
車両内に装備された押圧スイッチを押圧操作する車両用スイッチ操作装置であって、
弾性を有する少なくとも1つの長尺状の操作アームと、その操作アームの長手方向の基端側を支持した支持部材とを備え、
前記支持部材は、前記車両に対して固定されるように配設され、
前記操作アームの長手方向の先端側には、前記押圧スイッチを押圧するスイッチ押圧部が設けられ、前記長手方向の中間部には、この操作アームが押圧操作される被押圧操作部が設けられていることを特徴とする車両用スイッチ操作装置。
【請求項2】
前記押圧スイッチは、可動操作可能なチェンジレバーを有する自動車の変速機用のシフト装置に設けられ、
前記車両用スイッチ操作装置は、押圧操作部材を、更に備え、
前記押圧操作部材は、前記チェンジレバーの可動操作に際してチェンジレバーに押圧可能とされるとともに、その押圧に伴って前記被押圧操作部を押圧操作し得るように前記被押圧操作部に対して移動可能に配設されていることを特徴とする請求項1記載の車両用スイッチ操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−37369(P2011−37369A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186344(P2009−186344)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000109738)デルタ工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(000109738)デルタ工業株式会社 (150)
【Fターム(参考)】
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