車両用フロントウィンドウ
【課題】運転者の視界を妨げずに車両の運転を支援し、運転精度および運転の安定性を向上させ、運転者の運転意思を的確に車両の走行挙動に反映させ、走行安全性を確保する。
【解決手段】車両用フロントウィンドウ10は、車両の運転者に、該運転者の位置と車幅方向中心位置との位置関係を無意識的かつ生理的に知覚させる知覚マークMを備えている。知覚マークMは、車両用フロントウィンドウ10の車幅方向中心Cから運転席側に所定距離LMだけずれ、かつ、車両用フロントウィンドウ10の周縁を縁取る縁取り部11の縁取り部内縁EUから上方側に所定の垂直高さGMだけずれた位置に配置されている。所定距離LMは、好ましくは、{(車幅方向中心Cから運転席中心SCまでの距離L)×0.622)±6}ミリメートルであり、垂直高さは、好ましくは、(31.5±6)ミリメートルである。
【解決手段】車両用フロントウィンドウ10は、車両の運転者に、該運転者の位置と車幅方向中心位置との位置関係を無意識的かつ生理的に知覚させる知覚マークMを備えている。知覚マークMは、車両用フロントウィンドウ10の車幅方向中心Cから運転席側に所定距離LMだけずれ、かつ、車両用フロントウィンドウ10の周縁を縁取る縁取り部11の縁取り部内縁EUから上方側に所定の垂直高さGMだけずれた位置に配置されている。所定距離LMは、好ましくは、{(車幅方向中心Cから運転席中心SCまでの距離L)×0.622)±6}ミリメートルであり、垂直高さは、好ましくは、(31.5±6)ミリメートルである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用フロントウィンドウに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば高速走行時に視界を制限する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−211355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る装置においては、自動的に視界が制限されてしまい、車両の走行安全性を確保することができない虞がある。しかも、単に視界を制限するだけでは、運転者による運転精度や運転の安定性を無意識的に向上させたり、運転者の運転意思をより的確に車両の走行挙動に反映させることはできない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、運転者の視界を妨げずに車両の運転を支援して、運転精度および運転の安定性を向上させ、運転者の運転意思を的確に車両の走行挙動に反映させて、走行安全性を確保することが可能な車両用フロントウィンドウを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両用フロントウィンドウは、車両の運転者に、該運転者の位置と車幅方向中心位置との位置関係を知覚させる知覚マーク(例えば、実施の形態での知覚マークM)を有する車両用フロントウィンドウであって、前記知覚マークは、前記車両用フロントウィンドウの車幅方向において中心位置から運転席側に所定距離だけずれ、かつ、前記車両用フロントウィンドウの上下方向において前記車両用フロントウィンドウの周縁を縁取る縁取り部(例えば、実施の形態での縁取り部11)の内縁位置から上方側に所定の垂直高さだけずれた位置に配置されている。
【0007】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記所定距離は、{(前記車幅方向における前記中心位置から前記運転席の中心までの距離の0.622倍)±6}ミリメートルである。
さらに、本発明の第3態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記垂直高さは、(31.5±6)ミリメートルである。
【0008】
さらに、本発明の第4態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記知覚マークは円形状である。
さらに、本発明の第5態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記知覚マークは黒色である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、車両用フロントウィンドウの車幅方向および上下方向の所定の位置に知覚マークを設けることで、運転者の視界を妨げずに、運転者の位置と車両の車幅方向中心位置との位置関係を、運転者に無意識的かつ生理的に知覚させることができる。これにより、運転者の視線を安定させることに加えて、運転時の負担を軽減し、運転精度および運転の安定性を無意識的に向上させ、運転者の運転意思を的確に車両の走行挙動に反映させ、運転者の運転を支援して走行安全性を確保することができる。
【0010】
本発明の第2態様または第3態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、車幅方向の中心位置からの所定距離を{(車幅方向における中心位置から運転席の中心までの距離の0.622倍)±6}ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
また、垂直高さを(31.5±6)ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
【0011】
本発明の第4態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、例えば三角形などの他の形状に比べて、的確に運転を支援して運転時の負担を軽減し、走行安全性を確保することができる。
本発明の第5態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、例えば青色や桃色などの他の色に比べて、的確に運転を支援して運転時の負担を軽減し、走行安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを車室内側から見た図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウの平面図および側断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による6回の試行回数(例えば、試行回数D1〜D6)の運転による走行軌跡を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による6回の試行回数(例えば、試行回数D1〜D6)の運転によるステアリング角度の時間変化を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による3回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの通過位置を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、3名の異なる運転者(つまり図7(A)〜(C)の3名)による各3回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの通過位置を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による6回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの停止位置を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、3名の異なる運転者(つまり図9(A)〜(C)の3名)による各6回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの停止位置を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、車両停止時の車幅中央先端TPから所定の基準位置までの距離(前方距離FD)を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とを4台の異なる車種毎に設定し、各車両に対して、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)に対して、知覚マークMが配置される車幅方向の複数の異なる位置毎に、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)に対して、知覚マークMが配置される垂直方向の複数の異なる位置毎に、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)に対して、知覚マークMの複数の異なる直径毎に、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両に対して、知覚マークMの複数の異なる形状毎に、3名の異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両に対して、知覚マークMの複数の異なる形状の例を示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両に対して、知覚マークMの複数の異なる色毎に、6名の異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の車両用フロントウィンドウの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態による車両用フロントウィンドウ10は、例えば図1〜3に示すように、車両の運転者の位置と車幅方向中心と車幅中央先端との位置関係を、運転者に無意識的かつ生理的に知覚させる知覚マークMを備えている。
【0014】
知覚マークMは、例えば、運転者の視覚上における車両の外界(環境)との接点となる車両用フロントウィンドウ10の所定位置を、知覚マークMの上端(知覚マーク上端MU)に一致させるようにして配置されている。
この所定位置は、例えば、車幅方向において中心(車幅方向中心C)から運転席側に所定距離LMだけずれ、かつ、車両用フロントウィンドウ10の上下方向において車両用フロントウィンドウ10の周縁を縁取る縁取り部11の内縁(縁取り部内縁EU)から上方側に所定の垂直高さGMだけずれた位置である。
つまり、車両用フロントウィンドウ10の車幅方向において、知覚マークMの中心(知覚マーク中心MC)は、車幅方向中心Cから所定距離LMだけ運転席側にずれた位置となる。そして、車両の垂直方向において、知覚マーク上端MUは、縁取り部内縁EUから垂直高さGMだけ上方側にずれた位置となる。
【0015】
なお、所定距離(つまり、車幅方向中心Cからの距離)LMは、車幅方向における車幅方向中心Cと運転席の中心(運転席中心SC)との間の距離Lにより、好ましくは、LM(mm)={(L×0.622)±6}とされている。
また、所定の垂直高さGMは、好ましくは、GM(mm)=(31.5±6)とされている。
なお、これらの所定距離LMおよび垂直高さGMの値は、例えば、距離Lが295mm〜430mmの距離範囲内、および、車幅方向中心Cにおいて水平面に対して車両用フロントウィンドウ10がなす角度が24°〜47°の角度範囲内となる各種の車両において、好適とされている。
【0016】
また、知覚マークMは、例えば図3に示すように、車両の車幅方向中央の先端(車幅中央先端TP)と運転席中心SCとを結ぶ直線が車両用フロントウィンドウ10と交差する位置と、知覚マーク中心MCとが一致するようにして配置されている。
【0017】
そして、知覚マークMは、例えば、車両の走行中において進行方向前方を視認する運転者の周辺視によって知覚可能であって、かつ、運転者に煩わしさを与えない程度の大きさおよび色を有しており、好ましくは、直径が3.175mm(1/8インチ)の円形状とされ、例えば黒色のセラミックの塗装などによる縁取り部11と同系色、例えば黒色とされている。
【0018】
この実施形態による車両用フロントウィンドウ10は上記構成を備えており、次に、この車両用フロントウィンドウ10の作用効果について、知覚マークMを備えていない車両用フロントウィンドウによる比較例と比較しつつ説明する。
以下において、知覚マークMを備える車両用フロントウィンドウ10の車両を実施例とし、知覚マークMを備えて無い車両を比較例とする。この比較例での車両の運転では、運転者が各自で設定した車両の適宜の部位(例えば、ワイパーの所定箇所やボンネット上の部品の所定箇所など)を位置の基準として意識しながら運転を行なう場合が含まれる。
【0019】
先ず、例えば図4(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して1名の運転者に6回の試行回数(例えば、試行回数D1〜D6)で、右旋回後に所定の駐車区画PA内の目標停止位置に各車両を停止させる運転を実行させたときの走行軌跡の結果を示した。また、例えば図5(A),(B)には、これらの実施例および比較例の各車両に対する運転での運転者のステアリング操作によるステアリング角度の時間変化の結果を示した。
なお、図5(A),(B)において、各車両の前進および右旋回の開始は時刻taであり、この時刻ta以降における各車両の走行軌跡が、図4(A),(B)に示されている。
【0020】
図4(A)および図5(A)に示す実施例では、各試行回数毎に走行軌跡およびステアリング角度の時間変化が滑らかであって、必要とされる操舵のタイミングおよびリズムが安定していることが認められる。特に、停車付近であっても、車両の位置や走行方向を修正するような操舵に起因する走行軌跡の乱れやステアリング角度の時間変化の乱れが認められず、運転期間に亘って運転者が車両の走行挙動に運転意思を的確に反映させることができ、運転者がイメージ通りに車両を走行させることができていると認められる。しかも、複数の試行回数において、走行軌跡およびステアリング角度の時間変化がほぼ等しくなっていると共に、車幅方向において所定の目標停止位置に収束していることが認められる。
【0021】
一方、図4(B)および図5(B)に示す比較例では、各試行回数の走行軌跡およびステアリング角度の時間変化が粗く、不必要な変動や乱れが生じて、必要とされる操舵のタイミングおよびリズムが不安定であることが認められる。特に、停車付近においては、車両の位置や走行方向を修正するような操舵に起因する走行軌跡の乱れやステアリング角度の時間変化の乱れが大きくなっており、運転期間に亘って運転者が車両の走行挙動に運転意思を的確に反映させることができていないと認められる。しかも、複数の試行回数において、走行軌跡およびステアリング角度の時間変化が大きく異なっていると共に、車幅方向における停止位置が大きく異なっていることが認められる。
【0022】
次に、例えば図6(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して1名の運転者に3回の試行回数で、クランク状の走行路を走行させる運転を実行させたときの所定の通過ラインLA上での車幅中央先端TPの通過位置の結果を示した。また、図7(A)〜(C)には、実施例および比較例の各車両に対して3名の異なる運転者(つまり図7(A)〜(C)の3名)による各3回の試行回数で、クランク状の走行路を走行させる運転を実行させたときの所定の通過ラインLA上での車幅中央先端TPの通過位置の結果を示した。
なお、所定の通過ラインLAにおいて、例えば、走行路右端RRを原点(ゼロ)として、走行路中央RCは走行路右端RRから2600mmだけ離間して位置し、走行路左端RLは走行路右端RRから5200mmだけ離間して位置している。
【0023】
図6(A)に示す実施例では、複数の試行回数において、車幅中央先端TPの通過位置がほぼ等しくなっていることが認められる。
一方、図6(B)に示す比較例では、複数の試行回数において、車幅中央先端TPの通過位置が大きく異なっていることが認められる。
【0024】
また、図7(A)〜(C)に示す実施例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの通過位置が、一定の位置(つまり、クランク状の走行路を適正に効率良く走行するために必要とされる通過位置)に収束するようにして、安定していることが認められる。
一方、図7(A)〜(C)に示す比較例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの通過位置が、不安定に大きくばらついており、クランク状の走行路を適正に効率良く走行することができていないことが認められる。
【0025】
次に、例えば図8(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して1名の運転者に6回の試行回数で、所定の左右端PL,PRを有する停止ラインLBで車両を停止させる運転を実行させたときの停止ラインLB上での車幅中央先端TPの停止位置の結果を示した。また、図9(A)〜(C)には、実施例および比較例の各車両に対して3名の異なる運転者(つまり図9(A)〜(C)の3名)による各6回の試行回数で、所定の左右端PL,PRを有する停止ラインLBで車両を停止させる運転を実行させたときの停止ラインLB上での車幅中央先端TPの停止位置の結果を示した。
【0026】
図8(A)に示す実施例では、複数の試行回数において、停止位置に至る走行軌跡が滑らかであって、走行軌跡がほぼ等しくなっていることが認められ、停車付近であっても走行軌跡の乱れが認められない。
一方、図8(B)に示す比較例では、複数の試行回数において、停止位置に至る走行軌跡が粗く、走行軌跡が大きく異なっていること、停車付近での走行軌跡の大きな乱れが認められる。
【0027】
また、図9(A)〜(C)に示す実施例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの停止位置が、一定の位置(つまり、運転者が想定している停止位置)に収束するようにして、安定していることが認められる。
一方、図9(A)〜(C)に示す比較例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの停止位置が、不安定に大きくばらついており、運転者が想定している停止位置に停止することができていないことが認められる。
【0028】
以下に、例えば図10に示すように、実施例および比較例の各車両に対して運転者に、車両の前方に設定された所定の基準位置から目標停止距離TD(例えば、150mmなど)だけ手前に設定された目標停止位置に車両の車幅中央先端TPを一致させるようにして、車両を停止させる運転を実行させたときの車両停止時の車幅中央先端TPから所定の基準位置までの距離(前方距離FD)の結果を示す。
【0029】
先ず、例えば図11(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に、複数回の試行回数(例えば、6回)に亘って目標停止位置に各車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、実施例および比較例において各運転者毎に複数回の試行回数での前方距離FDの平均値の結果を示した。
【0030】
図11(A)に示す実施例では、各運転者毎の前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内に収束するようにして、ほぼ安定していることが認められる。
一方、図11(B)に示す比較例では、各運転者毎の前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)から大きく外れており、各運転者が所定の目標停止位置に精度良く停止することができていないことが認められる。
【0031】
次に、例えば図12(A)〜(D)には、形状および大きさが異なる4台の車種(例えば、車両A〜D)毎に実施例および比較例の各車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に各車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。
なお、実施例においては、各車種毎に知覚マークMの車幅方向の位置に関する所定距離(つまり、車幅方向中心Cからの距離)LM(mm)の具体的な数値と、各車種毎に垂直高さGMに相当する車両用フロントウィンドウ10の面沿いでの縁取り部内縁EUから知覚マーク上端MUまでの距離H(mm)の具体的な数値とを示した。
【0032】
図12(A)〜(D)に示す4台の異なる車種(例えば、車両A〜D)毎において、比較例に比べて実施例では、各運転者毎の前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内に収束するようにして、所定の目標停止位置に停止する運転精度が向上していることが認められる。
つまり、図12(A)に示す車両Aでは、複数の運転者のうち前方距離FDが目標停止距離TDの所定の前後範囲内となる運転者の割合(達成率)は、比較例で12.5%であることに対して、実施例では62.5%に増大している。
同様に、図12(B)に示す車両Bでは、達成率は、比較例で37.5%であることに対して、実施例では50%に増大している。
同様に、図12(C)に示す車両Cでは、達成率は、比較例で25%であることに対して、実施例では50%に増大している。
同様に、図12(D)に示す車両Dでは、達成率は、比較例で37.5%であることに対して、実施例では87.5%に増大している。
【0033】
以下に、知覚マークMを備える車両用フロントウィンドウ10の車両(実施例)において、知覚マークMの車幅方向の位置と垂直方向の位置と、知覚マークMの大きさと、知覚マークMの形状と、知覚マークMの色とを変更したときの前方距離FDの結果を示す。
【0034】
先ず、例えば図13には、知覚マークMが配置される車幅方向の位置(つまり、知覚マーク中心MCの位置)を複数(例えば、9箇所)の異なる位置に設定した実施例の車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、複数(例えば、9箇所)の異なる位置は、垂直高さGMが一定であって、車幅方向における車幅方向中心Cからの距離LM(mm)が、順次、0,116,174,232,255,277,321,410,510に設定されている。
【0035】
図13に示す複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、特に、車幅方向中心Cからの距離LMが255mm付近である場合に、前方距離FDが目標停止距離TDに最も近い値となることが認められる。この車両では、車幅方向における車幅方向中心Cと運転席の中心(運転席中心SC)との間の距離Lが、例えばL=410mmであることから、LM/L=255/410=0.622となる。
これにより、車幅方向中心Cからの距離LMは、例えば、知覚マークMの直径のほぼ2倍の値(6mm)を用いて、好ましくは、LM(mm)={(L×0.622)±6} とされる。
【0036】
また、例えば図14には、知覚マークMが配置される垂直方向の位置(つまり、知覚マーク上端MUの位置)を複数(例えば、5箇所)の異なる位置に設定した実施例の車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、複数(例えば、5箇所)の異なる位置は、車幅方向における車幅方向中心Cからの距離LM(mm)が一定であって、垂直高さGM(mm)が、順次、22.9,25.8,28.6,31.5,34.4に設定されている。これらの垂直高さGMに相当する車両用フロントウィンドウ10の面沿いでの縁取り部内縁EUから知覚マーク上端MUまでの距離(mm)は、順次、40,45,50,55,60である。
【0037】
図14に示す複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、特に、平均値で垂直高さGMが31.5mm付近である場合に、前方距離FDが目標停止距離TDに最も近い値となることが認められる。
これにより、垂直高さGMは、例えば、知覚マークMの直径のほぼ2倍の値(6mm)を用いて、好ましくは、GM(mm)=(31.5±6) とされる。
【0038】
また、例えば図15には、円形状の知覚マークMの直径を複数(例えば、3つ)の異なる値に設定した実施例の車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、複数(例えば、3つ)の異なる直径(mm)は、順次、6.000,4.762(=3/16インチ),3.175(=1/8インチ)に設定されている。
【0039】
図15に示す複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、特に、平均値で直径が3.175(=1/8インチ)mm付近である場合に、前方距離FDが目標停止距離TDに最も近い値となることが認められる。
これにより、知覚マークMの直径は、好ましくは、3.175mm(=1/8インチ)とされる。
【0040】
また、例えば図16(A),(B)には、知覚マークMの形状を複数(例えば、3つ)の異なる形状に設定した実施例および第1,第2変形例の車両に対して、3名(例えば、運転者α〜γ)の異なる運転者に複数回の試行回数(例えば、6回)に亘って目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、例えば図17(A)に示すように円形状の知覚マークMを実施例1,2とし、例えば図17(B)に示すように頂点が上方に位置する三角形状の知覚マークMを第1変形例とし、例えば図17(C)に示すように頂点が下方に位置する逆三角形状の知覚マークMを第2変形例とした。
【0041】
図16(A)に示す実施例1,2では、複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内に収束するようにして、所定の目標停止位置に停止する運転精度が向上していることが認められる。
図16(B)に示す第1および第2変形例では、前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内にほぼ収まっているが、実施例1,2に比べて所定の目標停止位置に停止する運転精度が低下していることが認められる。
これらにより、知覚マークMの形状は、好ましくは、円形状とされる。
【0042】
また、例えば図18には、円形状の知覚マークMの色を複数(例えば、3つ)の異なる色に設定した実施例の車両に対して、6名(例えば、運転者Da〜Df)の異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、知覚マークMを備えていない車両用フロントウィンドウによる比較例での前方距離FDの結果を示した。
なお、黒色円形状の知覚マークMを実施例とし、青色円形状の知覚マークMを第3変形例とし、桃色円形状の知覚マークMを第4変形例とした。
【0043】
図18に示す複数の運転者を平均的に評価すると、ほぼ順次、比較例、第4変形例、第3変形例、実施例の順に、所定の目標停止位置に停止する運転精度が向上していることが認められる。
これにより、知覚マークMの色は、好ましくは、黒色とされる。
【0044】
上述したように、本発明の実施形態による車両用フロントウィンドウ10によれば、車両用フロントウィンドウ10の車幅方向および上下方向の所定の位置に知覚マークMを設けることで、運転者の視界を妨げずに運転者の視線を安定させることに加えて、運転者の位置と車両の車幅方向中心Cと車幅中央先端TPとの位置関係を、運転者に無意識的かつ生理的に知覚させることができる。
これにより、例えば運転者が車幅方向中心Cと車幅中央先端TPと運転席の位置とのずれを意識しながら運転を行なう場合に比べて、運転時の負担を軽減し、運転精度および運転の安定性を無意識的に向上させ、運転者の運転意思を的確に車両の走行挙動に反映させ、走行安全性を確保することができる。
しかも、運転者の視覚上における車両の外界(環境)との接点である車両用フロントウィンドウ10に知覚マークMを設けることで、例えば車両の他の部位に目印や部品などを配置して運転者に位置の基準として意識させたり、例えば車両の適宜の部位を位置の基準として運転者に意識させる場合に比べて、より一層、無意識的かつ生理的に運転者の位置と車両の車幅方向中心Cと車幅中央先端TPとの位置関係を知覚させることができる。これにより、運転負担の軽減度合い向上させることができ、運転者の運転を的確に支援して、走行安全性を確保することができる。
【0045】
さらに、車幅方向中心Cからの所定距離LMを{(車幅方向における車幅方向中心Cと運転席中心SCとの間の距離Lの0.622倍)±6}ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、より一層、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
また、垂直高さGMを(31.5±6)ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、より一層、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
【0046】
さらに、知覚マークMを黒色の円形状とすることによって、例えば三角形などの他の形状に比べて、あるいは、例えば青色や桃色などの他の色に比べて、より一層、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させ、的確に運転を支援して運転時の負担を軽減し、走行安全性を確保することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 車両用フロントウィンドウ
11 縁取り部
M 知覚マーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用フロントウィンドウに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば高速走行時に視界を制限する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−211355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る装置においては、自動的に視界が制限されてしまい、車両の走行安全性を確保することができない虞がある。しかも、単に視界を制限するだけでは、運転者による運転精度や運転の安定性を無意識的に向上させたり、運転者の運転意思をより的確に車両の走行挙動に反映させることはできない。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、運転者の視界を妨げずに車両の運転を支援して、運転精度および運転の安定性を向上させ、運転者の運転意思を的確に車両の走行挙動に反映させて、走行安全性を確保することが可能な車両用フロントウィンドウを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両用フロントウィンドウは、車両の運転者に、該運転者の位置と車幅方向中心位置との位置関係を知覚させる知覚マーク(例えば、実施の形態での知覚マークM)を有する車両用フロントウィンドウであって、前記知覚マークは、前記車両用フロントウィンドウの車幅方向において中心位置から運転席側に所定距離だけずれ、かつ、前記車両用フロントウィンドウの上下方向において前記車両用フロントウィンドウの周縁を縁取る縁取り部(例えば、実施の形態での縁取り部11)の内縁位置から上方側に所定の垂直高さだけずれた位置に配置されている。
【0007】
さらに、本発明の第2態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記所定距離は、{(前記車幅方向における前記中心位置から前記運転席の中心までの距離の0.622倍)±6}ミリメートルである。
さらに、本発明の第3態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記垂直高さは、(31.5±6)ミリメートルである。
【0008】
さらに、本発明の第4態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記知覚マークは円形状である。
さらに、本発明の第5態様に係る車両用フロントウィンドウでは、前記知覚マークは黒色である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、車両用フロントウィンドウの車幅方向および上下方向の所定の位置に知覚マークを設けることで、運転者の視界を妨げずに、運転者の位置と車両の車幅方向中心位置との位置関係を、運転者に無意識的かつ生理的に知覚させることができる。これにより、運転者の視線を安定させることに加えて、運転時の負担を軽減し、運転精度および運転の安定性を無意識的に向上させ、運転者の運転意思を的確に車両の走行挙動に反映させ、運転者の運転を支援して走行安全性を確保することができる。
【0010】
本発明の第2態様または第3態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、車幅方向の中心位置からの所定距離を{(車幅方向における中心位置から運転席の中心までの距離の0.622倍)±6}ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
また、垂直高さを(31.5±6)ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
【0011】
本発明の第4態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、例えば三角形などの他の形状に比べて、的確に運転を支援して運転時の負担を軽減し、走行安全性を確保することができる。
本発明の第5態様に係る車両用フロントウィンドウによれば、例えば青色や桃色などの他の色に比べて、的確に運転を支援して運転時の負担を軽減し、走行安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを車室内側から見た図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウの平面図および側断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両の平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による6回の試行回数(例えば、試行回数D1〜D6)の運転による走行軌跡を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による6回の試行回数(例えば、試行回数D1〜D6)の運転によるステアリング角度の時間変化を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による3回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの通過位置を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、3名の異なる運転者(つまり図7(A)〜(C)の3名)による各3回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの通過位置を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、1名の運転者による6回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの停止位置を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、3名の異なる運転者(つまり図9(A)〜(C)の3名)による各6回の試行回数の運転による車幅中央先端TPの停止位置を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、車両停止時の車幅中央先端TPから所定の基準位置までの距離(前方距離FD)を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と、知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とに対して、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図12】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)と知覚マークMを備えて無い車両(比較例)とを4台の異なる車種毎に設定し、各車両に対して、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図13】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)に対して、知覚マークMが配置される車幅方向の複数の異なる位置毎に、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図14】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)に対して、知覚マークMが配置される垂直方向の複数の異なる位置毎に、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図15】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両(実施例)に対して、知覚マークMの複数の異なる直径毎に、8名の身長が異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図16】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両に対して、知覚マークMの複数の異なる形状毎に、3名の異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【図17】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両に対して、知覚マークMの複数の異なる形状の例を示す図である。
【図18】本発明の実施形態に係る車両用フロントウィンドウを備える車両に対して、知覚マークMの複数の異なる色毎に、6名の異なる運転者の運転による車両停止時の前方距離FDを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の車両用フロントウィンドウの一実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
この実施の形態による車両用フロントウィンドウ10は、例えば図1〜3に示すように、車両の運転者の位置と車幅方向中心と車幅中央先端との位置関係を、運転者に無意識的かつ生理的に知覚させる知覚マークMを備えている。
【0014】
知覚マークMは、例えば、運転者の視覚上における車両の外界(環境)との接点となる車両用フロントウィンドウ10の所定位置を、知覚マークMの上端(知覚マーク上端MU)に一致させるようにして配置されている。
この所定位置は、例えば、車幅方向において中心(車幅方向中心C)から運転席側に所定距離LMだけずれ、かつ、車両用フロントウィンドウ10の上下方向において車両用フロントウィンドウ10の周縁を縁取る縁取り部11の内縁(縁取り部内縁EU)から上方側に所定の垂直高さGMだけずれた位置である。
つまり、車両用フロントウィンドウ10の車幅方向において、知覚マークMの中心(知覚マーク中心MC)は、車幅方向中心Cから所定距離LMだけ運転席側にずれた位置となる。そして、車両の垂直方向において、知覚マーク上端MUは、縁取り部内縁EUから垂直高さGMだけ上方側にずれた位置となる。
【0015】
なお、所定距離(つまり、車幅方向中心Cからの距離)LMは、車幅方向における車幅方向中心Cと運転席の中心(運転席中心SC)との間の距離Lにより、好ましくは、LM(mm)={(L×0.622)±6}とされている。
また、所定の垂直高さGMは、好ましくは、GM(mm)=(31.5±6)とされている。
なお、これらの所定距離LMおよび垂直高さGMの値は、例えば、距離Lが295mm〜430mmの距離範囲内、および、車幅方向中心Cにおいて水平面に対して車両用フロントウィンドウ10がなす角度が24°〜47°の角度範囲内となる各種の車両において、好適とされている。
【0016】
また、知覚マークMは、例えば図3に示すように、車両の車幅方向中央の先端(車幅中央先端TP)と運転席中心SCとを結ぶ直線が車両用フロントウィンドウ10と交差する位置と、知覚マーク中心MCとが一致するようにして配置されている。
【0017】
そして、知覚マークMは、例えば、車両の走行中において進行方向前方を視認する運転者の周辺視によって知覚可能であって、かつ、運転者に煩わしさを与えない程度の大きさおよび色を有しており、好ましくは、直径が3.175mm(1/8インチ)の円形状とされ、例えば黒色のセラミックの塗装などによる縁取り部11と同系色、例えば黒色とされている。
【0018】
この実施形態による車両用フロントウィンドウ10は上記構成を備えており、次に、この車両用フロントウィンドウ10の作用効果について、知覚マークMを備えていない車両用フロントウィンドウによる比較例と比較しつつ説明する。
以下において、知覚マークMを備える車両用フロントウィンドウ10の車両を実施例とし、知覚マークMを備えて無い車両を比較例とする。この比較例での車両の運転では、運転者が各自で設定した車両の適宜の部位(例えば、ワイパーの所定箇所やボンネット上の部品の所定箇所など)を位置の基準として意識しながら運転を行なう場合が含まれる。
【0019】
先ず、例えば図4(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して1名の運転者に6回の試行回数(例えば、試行回数D1〜D6)で、右旋回後に所定の駐車区画PA内の目標停止位置に各車両を停止させる運転を実行させたときの走行軌跡の結果を示した。また、例えば図5(A),(B)には、これらの実施例および比較例の各車両に対する運転での運転者のステアリング操作によるステアリング角度の時間変化の結果を示した。
なお、図5(A),(B)において、各車両の前進および右旋回の開始は時刻taであり、この時刻ta以降における各車両の走行軌跡が、図4(A),(B)に示されている。
【0020】
図4(A)および図5(A)に示す実施例では、各試行回数毎に走行軌跡およびステアリング角度の時間変化が滑らかであって、必要とされる操舵のタイミングおよびリズムが安定していることが認められる。特に、停車付近であっても、車両の位置や走行方向を修正するような操舵に起因する走行軌跡の乱れやステアリング角度の時間変化の乱れが認められず、運転期間に亘って運転者が車両の走行挙動に運転意思を的確に反映させることができ、運転者がイメージ通りに車両を走行させることができていると認められる。しかも、複数の試行回数において、走行軌跡およびステアリング角度の時間変化がほぼ等しくなっていると共に、車幅方向において所定の目標停止位置に収束していることが認められる。
【0021】
一方、図4(B)および図5(B)に示す比較例では、各試行回数の走行軌跡およびステアリング角度の時間変化が粗く、不必要な変動や乱れが生じて、必要とされる操舵のタイミングおよびリズムが不安定であることが認められる。特に、停車付近においては、車両の位置や走行方向を修正するような操舵に起因する走行軌跡の乱れやステアリング角度の時間変化の乱れが大きくなっており、運転期間に亘って運転者が車両の走行挙動に運転意思を的確に反映させることができていないと認められる。しかも、複数の試行回数において、走行軌跡およびステアリング角度の時間変化が大きく異なっていると共に、車幅方向における停止位置が大きく異なっていることが認められる。
【0022】
次に、例えば図6(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して1名の運転者に3回の試行回数で、クランク状の走行路を走行させる運転を実行させたときの所定の通過ラインLA上での車幅中央先端TPの通過位置の結果を示した。また、図7(A)〜(C)には、実施例および比較例の各車両に対して3名の異なる運転者(つまり図7(A)〜(C)の3名)による各3回の試行回数で、クランク状の走行路を走行させる運転を実行させたときの所定の通過ラインLA上での車幅中央先端TPの通過位置の結果を示した。
なお、所定の通過ラインLAにおいて、例えば、走行路右端RRを原点(ゼロ)として、走行路中央RCは走行路右端RRから2600mmだけ離間して位置し、走行路左端RLは走行路右端RRから5200mmだけ離間して位置している。
【0023】
図6(A)に示す実施例では、複数の試行回数において、車幅中央先端TPの通過位置がほぼ等しくなっていることが認められる。
一方、図6(B)に示す比較例では、複数の試行回数において、車幅中央先端TPの通過位置が大きく異なっていることが認められる。
【0024】
また、図7(A)〜(C)に示す実施例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの通過位置が、一定の位置(つまり、クランク状の走行路を適正に効率良く走行するために必要とされる通過位置)に収束するようにして、安定していることが認められる。
一方、図7(A)〜(C)に示す比較例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの通過位置が、不安定に大きくばらついており、クランク状の走行路を適正に効率良く走行することができていないことが認められる。
【0025】
次に、例えば図8(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して1名の運転者に6回の試行回数で、所定の左右端PL,PRを有する停止ラインLBで車両を停止させる運転を実行させたときの停止ラインLB上での車幅中央先端TPの停止位置の結果を示した。また、図9(A)〜(C)には、実施例および比較例の各車両に対して3名の異なる運転者(つまり図9(A)〜(C)の3名)による各6回の試行回数で、所定の左右端PL,PRを有する停止ラインLBで車両を停止させる運転を実行させたときの停止ラインLB上での車幅中央先端TPの停止位置の結果を示した。
【0026】
図8(A)に示す実施例では、複数の試行回数において、停止位置に至る走行軌跡が滑らかであって、走行軌跡がほぼ等しくなっていることが認められ、停車付近であっても走行軌跡の乱れが認められない。
一方、図8(B)に示す比較例では、複数の試行回数において、停止位置に至る走行軌跡が粗く、走行軌跡が大きく異なっていること、停車付近での走行軌跡の大きな乱れが認められる。
【0027】
また、図9(A)〜(C)に示す実施例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの停止位置が、一定の位置(つまり、運転者が想定している停止位置)に収束するようにして、安定していることが認められる。
一方、図9(A)〜(C)に示す比較例では、各試行回数毎に車幅中央先端TPの停止位置が、不安定に大きくばらついており、運転者が想定している停止位置に停止することができていないことが認められる。
【0028】
以下に、例えば図10に示すように、実施例および比較例の各車両に対して運転者に、車両の前方に設定された所定の基準位置から目標停止距離TD(例えば、150mmなど)だけ手前に設定された目標停止位置に車両の車幅中央先端TPを一致させるようにして、車両を停止させる運転を実行させたときの車両停止時の車幅中央先端TPから所定の基準位置までの距離(前方距離FD)の結果を示す。
【0029】
先ず、例えば図11(A),(B)には、実施例および比較例の各車両に対して8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に、複数回の試行回数(例えば、6回)に亘って目標停止位置に各車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、実施例および比較例において各運転者毎に複数回の試行回数での前方距離FDの平均値の結果を示した。
【0030】
図11(A)に示す実施例では、各運転者毎の前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内に収束するようにして、ほぼ安定していることが認められる。
一方、図11(B)に示す比較例では、各運転者毎の前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)から大きく外れており、各運転者が所定の目標停止位置に精度良く停止することができていないことが認められる。
【0031】
次に、例えば図12(A)〜(D)には、形状および大きさが異なる4台の車種(例えば、車両A〜D)毎に実施例および比較例の各車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に各車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。
なお、実施例においては、各車種毎に知覚マークMの車幅方向の位置に関する所定距離(つまり、車幅方向中心Cからの距離)LM(mm)の具体的な数値と、各車種毎に垂直高さGMに相当する車両用フロントウィンドウ10の面沿いでの縁取り部内縁EUから知覚マーク上端MUまでの距離H(mm)の具体的な数値とを示した。
【0032】
図12(A)〜(D)に示す4台の異なる車種(例えば、車両A〜D)毎において、比較例に比べて実施例では、各運転者毎の前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内に収束するようにして、所定の目標停止位置に停止する運転精度が向上していることが認められる。
つまり、図12(A)に示す車両Aでは、複数の運転者のうち前方距離FDが目標停止距離TDの所定の前後範囲内となる運転者の割合(達成率)は、比較例で12.5%であることに対して、実施例では62.5%に増大している。
同様に、図12(B)に示す車両Bでは、達成率は、比較例で37.5%であることに対して、実施例では50%に増大している。
同様に、図12(C)に示す車両Cでは、達成率は、比較例で25%であることに対して、実施例では50%に増大している。
同様に、図12(D)に示す車両Dでは、達成率は、比較例で37.5%であることに対して、実施例では87.5%に増大している。
【0033】
以下に、知覚マークMを備える車両用フロントウィンドウ10の車両(実施例)において、知覚マークMの車幅方向の位置と垂直方向の位置と、知覚マークMの大きさと、知覚マークMの形状と、知覚マークMの色とを変更したときの前方距離FDの結果を示す。
【0034】
先ず、例えば図13には、知覚マークMが配置される車幅方向の位置(つまり、知覚マーク中心MCの位置)を複数(例えば、9箇所)の異なる位置に設定した実施例の車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、複数(例えば、9箇所)の異なる位置は、垂直高さGMが一定であって、車幅方向における車幅方向中心Cからの距離LM(mm)が、順次、0,116,174,232,255,277,321,410,510に設定されている。
【0035】
図13に示す複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、特に、車幅方向中心Cからの距離LMが255mm付近である場合に、前方距離FDが目標停止距離TDに最も近い値となることが認められる。この車両では、車幅方向における車幅方向中心Cと運転席の中心(運転席中心SC)との間の距離Lが、例えばL=410mmであることから、LM/L=255/410=0.622となる。
これにより、車幅方向中心Cからの距離LMは、例えば、知覚マークMの直径のほぼ2倍の値(6mm)を用いて、好ましくは、LM(mm)={(L×0.622)±6} とされる。
【0036】
また、例えば図14には、知覚マークMが配置される垂直方向の位置(つまり、知覚マーク上端MUの位置)を複数(例えば、5箇所)の異なる位置に設定した実施例の車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、複数(例えば、5箇所)の異なる位置は、車幅方向における車幅方向中心Cからの距離LM(mm)が一定であって、垂直高さGM(mm)が、順次、22.9,25.8,28.6,31.5,34.4に設定されている。これらの垂直高さGMに相当する車両用フロントウィンドウ10の面沿いでの縁取り部内縁EUから知覚マーク上端MUまでの距離(mm)は、順次、40,45,50,55,60である。
【0037】
図14に示す複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、特に、平均値で垂直高さGMが31.5mm付近である場合に、前方距離FDが目標停止距離TDに最も近い値となることが認められる。
これにより、垂直高さGMは、例えば、知覚マークMの直径のほぼ2倍の値(6mm)を用いて、好ましくは、GM(mm)=(31.5±6) とされる。
【0038】
また、例えば図15には、円形状の知覚マークMの直径を複数(例えば、3つ)の異なる値に設定した実施例の車両に対して、8名(例えば、運転者a〜h)の身長が異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、複数(例えば、3つ)の異なる直径(mm)は、順次、6.000,4.762(=3/16インチ),3.175(=1/8インチ)に設定されている。
【0039】
図15に示す複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、特に、平均値で直径が3.175(=1/8インチ)mm付近である場合に、前方距離FDが目標停止距離TDに最も近い値となることが認められる。
これにより、知覚マークMの直径は、好ましくは、3.175mm(=1/8インチ)とされる。
【0040】
また、例えば図16(A),(B)には、知覚マークMの形状を複数(例えば、3つ)の異なる形状に設定した実施例および第1,第2変形例の車両に対して、3名(例えば、運転者α〜γ)の異なる運転者に複数回の試行回数(例えば、6回)に亘って目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、各位置毎に複数の運転者に対する前方距離FDの平均値の結果を示した。
なお、例えば図17(A)に示すように円形状の知覚マークMを実施例1,2とし、例えば図17(B)に示すように頂点が上方に位置する三角形状の知覚マークMを第1変形例とし、例えば図17(C)に示すように頂点が下方に位置する逆三角形状の知覚マークMを第2変形例とした。
【0041】
図16(A)に示す実施例1,2では、複数の運転者毎および複数の運転者の平均値において、前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内に収束するようにして、所定の目標停止位置に停止する運転精度が向上していることが認められる。
図16(B)に示す第1および第2変形例では、前方距離FDが、目標停止距離TDの所定の前後範囲(例えば、下限である50mmから上限である250mmまでの距離範囲)内にほぼ収まっているが、実施例1,2に比べて所定の目標停止位置に停止する運転精度が低下していることが認められる。
これらにより、知覚マークMの形状は、好ましくは、円形状とされる。
【0042】
また、例えば図18には、円形状の知覚マークMの色を複数(例えば、3つ)の異なる色に設定した実施例の車両に対して、6名(例えば、運転者Da〜Df)の異なる運転者に目標停止位置に車両を停止させる運転を実行させたときの前方距離FDの結果を示した。さらに、知覚マークMを備えていない車両用フロントウィンドウによる比較例での前方距離FDの結果を示した。
なお、黒色円形状の知覚マークMを実施例とし、青色円形状の知覚マークMを第3変形例とし、桃色円形状の知覚マークMを第4変形例とした。
【0043】
図18に示す複数の運転者を平均的に評価すると、ほぼ順次、比較例、第4変形例、第3変形例、実施例の順に、所定の目標停止位置に停止する運転精度が向上していることが認められる。
これにより、知覚マークMの色は、好ましくは、黒色とされる。
【0044】
上述したように、本発明の実施形態による車両用フロントウィンドウ10によれば、車両用フロントウィンドウ10の車幅方向および上下方向の所定の位置に知覚マークMを設けることで、運転者の視界を妨げずに運転者の視線を安定させることに加えて、運転者の位置と車両の車幅方向中心Cと車幅中央先端TPとの位置関係を、運転者に無意識的かつ生理的に知覚させることができる。
これにより、例えば運転者が車幅方向中心Cと車幅中央先端TPと運転席の位置とのずれを意識しながら運転を行なう場合に比べて、運転時の負担を軽減し、運転精度および運転の安定性を無意識的に向上させ、運転者の運転意思を的確に車両の走行挙動に反映させ、走行安全性を確保することができる。
しかも、運転者の視覚上における車両の外界(環境)との接点である車両用フロントウィンドウ10に知覚マークMを設けることで、例えば車両の他の部位に目印や部品などを配置して運転者に位置の基準として意識させたり、例えば車両の適宜の部位を位置の基準として運転者に意識させる場合に比べて、より一層、無意識的かつ生理的に運転者の位置と車両の車幅方向中心Cと車幅中央先端TPとの位置関係を知覚させることができる。これにより、運転負担の軽減度合い向上させることができ、運転者の運転を的確に支援して、走行安全性を確保することができる。
【0045】
さらに、車幅方向中心Cからの所定距離LMを{(車幅方向における車幅方向中心Cと運転席中心SCとの間の距離Lの0.622倍)±6}ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、より一層、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
また、垂直高さGMを(31.5±6)ミリメートルに設定することによって、これ以外の値を設定する場合に比べて、より一層、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させることができる。
【0046】
さらに、知覚マークMを黒色の円形状とすることによって、例えば三角形などの他の形状に比べて、あるいは、例えば青色や桃色などの他の色に比べて、より一層、運転者による車両の運転精度および運転の安定性を向上させ、的確に運転を支援して運転時の負担を軽減し、走行安全性を確保することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 車両用フロントウィンドウ
11 縁取り部
M 知覚マーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者に、該運転者の位置と車幅方向中心位置との位置関係を知覚させる知覚マークを有する車両用フロントウィンドウであって、
前記知覚マークは、前記車両用フロントウィンドウの車幅方向において中心位置から運転席側に所定距離だけずれ、かつ、前記車両用フロントウィンドウの上下方向において前記車両用フロントウィンドウの周縁を縁取る縁取り部の内縁位置から上方側に所定の垂直高さだけずれた位置に配置されていることを特徴とする車両用フロントウィンドウ。
【請求項2】
前記所定距離は、{(前記車幅方向における前記中心位置から前記運転席の中心までの距離の0.622倍)±6}ミリメートルであることを特徴とする請求項1に記載の車両用フロントウィンドウ。
【請求項3】
前記垂直高さは、(31.5±6)ミリメートルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用フロントウィンドウ。
【請求項4】
前記知覚マークは円形状であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の車両用フロントウィンドウ。
【請求項5】
前記知覚マークは黒色であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の車両用フロントウィンドウ。
【請求項1】
車両の運転者に、該運転者の位置と車幅方向中心位置との位置関係を知覚させる知覚マークを有する車両用フロントウィンドウであって、
前記知覚マークは、前記車両用フロントウィンドウの車幅方向において中心位置から運転席側に所定距離だけずれ、かつ、前記車両用フロントウィンドウの上下方向において前記車両用フロントウィンドウの周縁を縁取る縁取り部の内縁位置から上方側に所定の垂直高さだけずれた位置に配置されていることを特徴とする車両用フロントウィンドウ。
【請求項2】
前記所定距離は、{(前記車幅方向における前記中心位置から前記運転席の中心までの距離の0.622倍)±6}ミリメートルであることを特徴とする請求項1に記載の車両用フロントウィンドウ。
【請求項3】
前記垂直高さは、(31.5±6)ミリメートルであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用フロントウィンドウ。
【請求項4】
前記知覚マークは円形状であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の車両用フロントウィンドウ。
【請求項5】
前記知覚マークは黒色であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の車両用フロントウィンドウ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−240779(P2011−240779A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113264(P2010−113264)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]