説明

車両用急減速表示灯装置

【課題】従来の装置では、後続車のドライバーなどに、不快感やストレスなどを与える虞があり、また、気付き易さが損なわれる。
【解決手段】ブレーキランプ1と、減速検出部2と、減速検出部2からの検出信号に基づいて車両が急減速状態であると判断した時に、ブレーキランプ1を、初期段階T1において瞬時に点灯消灯させる第1点滅パターンと、初期段階T1の経過後以降段階T2において引き続き第1点滅パターンよりも緩やかに点灯消灯させる第2点滅パターンと、により点滅制御する制御装置3と、を備える。この結果、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに気付かせることができ、交通安全に貢献することができる。また、後続車のドライバーなどに与えるブレーキランプ1の点滅光の刺激を緩和させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ランプを点滅させることにより、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに知らせる車両用急減速表示灯装置(車両用急減速表示灯システム)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用急減速表示灯装置は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用急減速表示灯装置について説明する。従来の車両用急減速表示灯装置は、ブレーキランプと、車速センサと、点滅速度演算制御回路と、ブレーキランプ点灯回路と、を設けるものである。従来の車両用急減速表示灯装置は、点滅速度演算制御回路が車速センサからの出力信号により車速の減速率を演算してその減速率が設定値を超えた場合にその減速率に応じた速度でブレーキランプを点滅させるためのランプ点滅信号をブレーキランプ点灯回路に出力し、ブレーキランプ点灯回路が点滅速度演算制御回路からのランプ点滅信号に応じた点滅速度でブレーキランプを点滅させる。これにより、従来の車両用急減速表示灯装置は、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに知らせて注意を促す(注意を喚起させる)ことができ、交通安全に貢献することができる。また、従来の車両用急減速表示灯装置は、ブレーキランプの点滅の初期段階においては、自車両の急減速状態(急制動状態)を後続車のドライバーなどに気付かせる効果があり、かつ、ブレーキランプの点滅の初期段階の経過後以降段階においては、自車両が急減速状態を継続していることを示すインジケータ的な機能を果たすことができる。
【0003】
ところが、従来の車両用急減速表示灯装置は、車両の減速率に応じた速度でブレーキランプを点滅させるものであるが、ブレーキランプを点灯させる速度および消灯させる速度(すなわち、ブレーキランプを点滅させる立上り速度および立下り速度)が一定である。この結果、従来の車両用急減速表示灯装置は、ブレーキランプの立上りおよび立下りを瞬時に行う場合、先行車の急減速状態を一度気付いて先行車を注視している後続車のドライバーなどにとっては数秒間続くブレーキランプの点滅光が強い刺激となり、後続車のドライバーなどに不快感やストレスなどを与える虞がある。特に、ブレーキランプの光源として、立上りおよび立下りが瞬時に行われるLEDなどの半導体型光源を使用した場合には、前記の虞が顕著に現れる。一方、従来の車両用急減速表示灯装置は、ブレーキランプの立上りおよび立下りを緩やかに行う場合、ブレーキランプの点滅光の強い刺激が緩和されるが、初期段階における後続車のドライバーの気付き易さが損なわれる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−30826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用急減速表示灯装置では、ランプの立上りおよび立下りを瞬時に行う場合後続車のドライバーなどに不快感やストレスなどを与える虞があり、一方、ランプの立上りおよび立下りを緩やかに行う場合初期段階における後続車のドライバーの気付き易さが損なわれるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、ランプと、減速検出部と、前記減速検出部からの検出信号に基づいて車両が急減速状態であると判断した時に、前記ランプを、初期段階において瞬時に点灯消灯させる第1点滅パターンと、前記初期段階の経過後以降段階において引き続き前記第1点滅パターンよりも緩やかに点灯させたりまたはおよび消灯させたりする第2点滅パターンと、により点滅制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明(請求項2にかかる発明)は、初期段階においてランプを第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる時間が約1秒以下である、ことを特徴とする。
【0008】
この発明(請求項3にかかる発明)は、初期段階においてランプを第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる回数が2回〜5回である、ことを特徴とする。
【0009】
この発明(請求項4にかかる発明)は、制御装置が、
車両の急減速状態を判断するための第1パラメータと、初期段階の経過を判断するための第2パラメータと、ランプを初期段階において第1点滅パターンで点滅させる第1点滅信号と、ランプを以降段階において第2点滅パターンで点滅させる第2点滅信号と、が記憶されている記憶部と、
減速検出部からの検出信号と記憶部の第1パラメータとに基づいて車両が急減速状態にあると判断すると記憶部の第1点滅信号を出力し、また、初期段階を開始からカウントしてカウントと記憶部の第2パラメータとに基づいて初期段階が経過したと判断すると記憶部の第2点滅信号を出力する判断部と、
判断部からの第1点滅信号により初期段階においてランプを第1点滅パターンで点滅させ、かつ、判断部からの第2点滅信号により以降段階においてランプを第2点滅パターンで点滅させるランプ駆動部と、
から構成されている、ことを特徴とする。
【0010】
この発明(請求項5にかかる発明)は、制御装置が、
車両の急減速状態を判断するための第1パラメータと、初期段階の経過を判断するための第2パラメータと、ランプを初期段階において第1点滅パターンで点滅させる第1点滅信号と、ランプを以降段階において第2点滅パターンで点滅させる第2点滅信号と、が記憶されている記憶部と、
減速検出部からの検出信号と記憶部の第1パラメータとに基づいて車両が急減速状態にあると判断すると記憶部の第1点滅信号を出力する第1判断部と、
初期段階を開始からカウントしてカウントと記憶部の第2パラメータとに基づいて初期段階が経過したと判断すると記憶部の第2点滅信号を出力する第2判断部と、
第1判断部からの第1点滅信号により初期段階においてランプを第1点滅パターンで点滅させ、かつ、第2判断部からの第2点滅信号により以降段階においてランプを第2点滅パターンで点滅させるランプ駆動部と、
から構成されている、ことを特徴とする。
【0011】
この発明(請求項6にかかる発明)は、ランプが、ブレーキスイッチのオンオフで点灯消灯するブレーキランプと兼用であり、制御装置の点滅制御による点滅がブレーキスイッチのオンオフによる点灯消灯よりも優先される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、前記の課題を解決するための手段により、制御装置が、車両が急減速状態であると判断した時に、初期段階において、ランプを第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるので、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに気付かせることができ、交通安全に貢献することができる。また、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、前記の課題を解決するための手段により、初期段階の経過後以降段階において、ランプを引き続き第2点滅パターンで第1点滅パターンよりも緩やかに点灯させたりまたはおよび消灯させたりするので、先行車の急減速状態を一度気付いて先行車を注視している後続車のドライバーなどに与えるランプの点滅光の刺激を緩和させることができる。
【0013】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、初期段階においてランプを第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる時間が約1秒以下であるから、後続車のドライバーなどに、自車両の急減速状態を確実に気付かせることができ、かつ、ランプの点滅光の刺激を確実に緩和させることができる。すなわち、よそ見をしている後続車のドライバーが先行車のランプの点滅に気付くまでの時間が約1秒以下であることを、実験で証明されている。このように、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、前記の実験の証明に基づいて、初期段階においてランプを少なくとも約1秒間第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるものであるから、後続車のドライバーなどに、自車両の急減速状態を確実に気付かせることができ、かつ、ランプの点滅光の刺激を確実に緩和させることができるものである。
【0014】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、初期段階においてランプを第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる回数が、2回〜5回であるから、前記の発明(請求項2にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置と同様に、後続車のドライバーなどに、自車両の急減速状態を確実に気付かせることができ、かつ、ランプの点滅光の刺激を確実に緩和させることができる。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、初期段階の第1点滅パターンから以降段階の第2点滅パターンに切り替える判断(初期段階経過判断)を、ランプの第1点滅パターンにおける点滅回数で行うので、前記の判断をランプの第1点滅パターンにおける点滅時間で行う場合と比較して、処理の簡素化を図ることができ、その分、制御装置の構造が簡単となり、製造コストを安価にすることができる。
【0015】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、前記の課題を解決するための手段により、前記の発明(請求項1にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置と同様に、判断部が、車両が急減速状態であると判断した時に、記憶部の第1点滅信号をランプ駆動部に出力して、初期段階において、ランプを第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるので、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに気付かせることができ、交通安全に貢献することができる。また、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、前記の課題を解決するための手段により、前記の発明(請求項1にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置と同様に、判断部が、初期段階の経過を判断した時に、記憶部の第2点滅信号をランプ駆動部に出力して、初期段階の経過後以降段階において、ランプを引き続き第2点滅パターンで第1点滅パターンよりも緩やかに点灯させたりまたはおよび消灯させたりするので、先行車の急減速状態を一度気付いて先行車を注視している後続車のドライバーなどに与えるランプの点滅光の刺激を緩和させることができる。
【0016】
さらにまた、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、前記の課題を解決するための手段により、前記の発明(請求項1、4にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置と同様に、第1判断部が、車両が急減速状態であると判断した時に、記憶部の第1点滅信号をランプ駆動部に出力して、初期段階において、ランプを第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるので、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに気付かせることができ、交通安全に貢献することができる。また、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、前記の課題を解決するための手段により、前記の発明(請求項1、4にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置と同様に、第2判断部が、初期段階の経過を判断した時に、記憶部の第2点滅信号をランプ駆動部に出力して、初期段階の経過後以降段階において、ランプを引き続き第2点滅パターンで第1点滅パターンよりも緩やかに点灯させたりまたはおよび消灯させたりするので、先行車の急減速状態を一度気付いて先行車を注視している後続車のドライバーなどに与えるランプの点滅光の刺激を緩和させることができる。しかも、この発明(請求項5にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、第1判断部で車両の急減速状態を判断し、かつ、第2判断部で初期段階の経過を判断するものであるから、判断部で車両の急減速状態と初期段階の経過とを判断するものと比較して、処理速度を早くすることができ、その分、制御装置の処理能力が向上される。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項6にかかる発明)の車両用急減速表示灯装置は、ランプをブレーキランプと兼用するので、その分、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明にかかる車両用急減速表示灯装置の実施例のうちの2例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
図1〜図5は、この発明にかかる車両用急減速表示灯装置の実施例1を示す。なお、図2は、車両の100km/hからの急減速状態とランプ1、2の点滅状態との相対関係を示す説明図である。前記の図2において、縦軸の上段は車速(km/h)、縦軸の中段はこの実施例1における車両用急減速表示灯装置のランプ1の点滅状態、縦軸の下段は従来の車両用急減速表示灯装置のランプ2の点滅状態を示し、また、横軸は時間tを示す。また、前記の図2において、車速(km/h)の100は100km/hを示し、車速(km/h)の0は0km/hすなわち車両の停止状態を示す。さらに、前記の図2において、ランプ1およびランプ2のONは点灯状態を示し、ランプ1およびランプ2のOFFは消灯状態を示す。さらにまた、前記の図2において、T1は初期段階を示し、T2は以降段階を示す。さらにまた、前記の図2において、t1は車両の急減速状態を判断した時を示し、t2は初期段階T1が経過した時すなわち初期段階T1から移行段階T2に切り替わる時を示し、t3は車両が停止した時すなわちランプ1およびランプ2の点滅状態が終了した時を示す。
【0020】
以下、この実施例1における車両用急減速表示灯装置の構成について説明する。この実施例1における車両用急減速表示灯装置は、図1に示すように、ランプ1と、減速検出部2と、制御装置3と、を備えるものである。
【0021】
前記ランプ1は、車両(図示せず)の所定の位置に配置されるものである。前記ランプ1は、この例では、車両の後部に装備されるブレーキランプを使用する。前記ブレーキランプ1は、ブレーキペダル(図示せず)を踏み込んでブレーキスイッチ10がオンすると点灯し、かつ、ブレーキペダルを放してブレーキスイッチ10がオフすると消灯するものである。前記ブレーキランプ1の光源としては、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。
【0022】
前記減速検出部2は、たとえば、ブレーキ装置(図示せず)の作動により、車両の減速状態を検出してその検出信号を出力するものである。前記減速検出部2は、この例では、車速センサを使用する。前記車速センサは、車両の速度(加速状態や減速状態)を検出してその検出信号を出力するものである。
【0023】
前記制御装置3は、図1に示すように、記憶部4と、判断部5と、ランプ駆動部6と、から構成されている。前記制御装置3は、車両に搭載されているコンピュータ、たとえば、カーナビゲーション(ナビゲーションシステム)のコンピュータや制御回路部や専用のECU(電子制御ユニット)を使用する。前記制御装置3は、図5に示すフローチャートの工程を順次処理する。
【0024】
前記記憶部4は、たとえば、ROMであって、車両の急減速状態を判断するための第1パラメータと、前記初期段階T1の経過を判断するための第2パラメータと、前記ブレーキランプ1を前記初期段階T1において第1点滅パターンで点滅させる第1点滅信号と、前記ブレーキランプ1を前記以降段階T2において第2点滅パターンで点滅させる第2点滅信号と、前記ブレーキランプ1を消灯させる消灯信号と、が記憶されているものである。車両が急減速状態にあるとは、この例では、約6m/s2 以上である。
【0025】
前記第1点滅パターンは、図2中の「ランプ1」の前記初期段階T1に示すように、前記ブレーキランプ1を、前記初期段階T1において瞬時に点灯消灯(点滅)させる点滅パターンである。また、前記第2点滅パターンは、同じく、図2中の「ランプ1」の前記以降段階T2に示すように、前記ブレーキランプ1を、前記初期段階T1の経過後前記以降段階T2において引き続き前記第1点滅パターンよりも緩やかに点灯消灯(点滅)させる点滅パターンである。
【0026】
前記初期段階T1で前記ブレーキランプ1を瞬時に点滅させる前記第1点滅パターンにおいて、前記の「瞬時」とは、人間がブレーキランプ1を目視した場合に「瞬時」に感じる時間であって、一例として、約10ms以下程度とする。たとえば、LEDの点灯消灯時間とほぼ同等である。すなわち、図3に示すように、前記ブレーキランプ1を点灯させる立上り時間T3が約10ms以下程度であって、ほぼ垂直である。なお、前記ブレーキランプ1を消灯させる立下り時間も前記立上り時間T3と同様である。
【0027】
前記以降段階T2で前記ブレーキランプ1を緩やかに点滅させる前記第2点滅パターンにおいて、前記の「緩やか」とは、前記の「瞬時」と対をなすものであって、一例として、約200ms以下程度とする。たとえば、白熱電球の点灯消灯時間とほぼ同等である。すなわち、図3に示すように、前記ブレーキランプ1を点灯させる立上り時間T4が約200ms以下程度であって、ほぼ直線的な傾きである。なお、前記ブレーキランプ1を消灯させる立下り時間も前記立上り時間T4と同様である。
【0028】
前記ブレーキランプ1の点滅制御は、たとえば、パルスワイド変調(PWM)方式を用いる。そして、前記初期段階T1において前記ブレーキランプ1を前記第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる時間は、約1秒以下、好ましくは、約500ms〜約1sである。また、前記初期段階T1において前記ブレーキランプ1を前記第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる回数は、2回〜5回、この例では、2回である。さらに、前記初期段階T1において前記ブレーキランプ1を前記第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる回数は、前記の約500ms〜約1sの間において、2回〜5回、この例では、2回である。
【0029】
前記判断部5は、前記減速検出部2からの検出信号と前記記憶部4の第1パラメータとに基づいて車両が急減速状態にあると判断すると前記記憶部4の第1点滅信号を出力し、また、前記初期段階T1を開始からカウントして前記カウントと前記記憶部4の第2パラメータとに基づいて前記初期段階T1が経過したと判断すると前記記憶部4の第2点滅信号を出力するものである。前記判断部5が前記初期段階T1を開始からカウントする対象としては、前記ブレーキランプ1の点滅時間、または、前記ブレーキランプ1の点滅回数である。
【0030】
前記ランプ駆動部6は、前記判断部5からの点滅信号に基づいて、前記ブレーキランプ1に供給する電力の制御を行うものである。すなわち、前記ランプ駆動部6は、前記判断部5からの第1点滅信号により前記初期段階T1において前記ブレーキランプ1を前記第1点滅パターンで点滅させ、かつ、前記判断部5からの第2点滅信号により前記以降段階T2において前記ブレーキランプ1を前記第2点滅パターンで点滅させるものである。
【0031】
この実施例1における車両用急減速表示灯装置は、以上のごとき構成からなり、以下、この実施例1における車両用急減速表示灯装置の作用、すなわち、制御装置3の工程処理の手順(作用)について、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0032】
まず、制御装置3の判断部5は、減速検出部2からの検出信号を入力する(判断部5は、減速検出部2から検出信号入力 S1)。制御装置3の判断部5は、減速検出部2からの検出信号と、記憶部4に記憶されている第1パラメータと、を比較する(判断部5は、検出信号と記憶部4の第1パラメータと比較 S2)。
【0033】
ここで、制御装置3の判断部5は、車両が急減速状態であるのか否かを判断する(車両は、急減速状態であるか? S3)。すなわち、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値未満の場合、制御装置3の判断部5は、車両が急減速状態でないと判断して、前記の工程(S1)に戻る。一方、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値以上の場合、制御装置3の判断部5は、車両が急減速状態であると判断して、次の工程(S4)に進む。
【0034】
制御装置3の判断部5は、記憶部4に記憶されている第1点滅信号をランプ駆動部6に出力する(判断部5は、記憶部4の第1点滅信号をランプ駆動部6に出力 S4)。ランプ駆動部6は、判断部5からの第1点滅信号により初期段階T1においてブレーキランプ1を第1点滅パターンで点滅させる。この結果、ブレーキランプ1は、初期段階T1において、第1点滅パターンで点滅、すなわち、瞬時に点灯消灯する(ブレーキランプ1は、初期段階T1において、第1点滅パターンで点滅 S5)。
【0035】
たとえば、図2に示すように、100km/hで走行中の車両が減速を開始して、その減速が約6m/s2 以上に達して急減速となった時点t1で、ブレーキランプ1は、初期段階T1において第1点滅パターンで点滅する。
【0036】
また、制御装置3の判断部5は、初期段階T1を開始からカウントして、そのカウント、と記憶部4に記憶されている第2パラメータと、を比較する(判断部5は、初期段階T1を開始からカウントし、そのカウントと記憶部4の第2パラメータと、を比較 S6)。
【0037】
ここで、制御装置3の判断部5は、初期段階T1が経過したか否かを判断する(初期段階T1は、経過したか? S7)。すなわち、判断部5がカウントしたカウント数が記憶部4に記憶されている第2パラメータの判断基準値未満の場合、制御装置3の判断部5は、初期段階T1が経過していないと判断して、前記の工程(S4)に戻る。一方、判断部5がカウントしたカウント数が記憶部4に記憶されている第2パラメータの判断基準値以上の場合、制御装置3の判断部5は、初期段階T1が経過したものと判断して、次の工程(S8)に進む。
【0038】
制御装置3の判断部5は、記憶部4に記憶されている第2点滅信号をランプ駆動部6に出力する(判断部5は、記憶部4の第2点滅信号をランプ駆動部6に出力 S8)。ランプ駆動部6は、判断部5からの第2点滅信号により以降段階T2においてブレーキランプ1を第2点滅パターンで点滅させる。この結果、ブレーキランプ1は、以降段階T2において、第2点滅パターンで点滅、すなわち、緩やかに点灯消灯する(ブレーキランプ1は、以降段階T2において、第2点滅パターンで点滅 S9)。
【0039】
たとえば、図2に示すように、ブレーキランプ1が初期段階T1において第1点滅パターンで、約500ms〜約1sの間点滅し、または、2回点滅した時点t2で、ブレーキランプ1は、移行段階T2において第2点滅パターンで点滅する。
【0040】
また、制御装置3の判断部5は、再度、減速検出部2からの検出信号を入力する(判断部5は、減速検出部2から検出信号入力 S10)。制御装置3の判断部5は、減速検出部2からの検出信号と、記憶部4に記憶されている第1パラメータと、を比較する(判断部5は、検出信号と記憶部4の第1パラメータと比較 S11)。
【0041】
ここで、制御装置3の判断部5は、再度、車両が急減速状態であるのか否かを判断する(車両は、急減速状態であるか? S12)。すなわち、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値以上の場合、制御装置3の判断部5は、車両が急減速状態であると判断して、前記の工程(S8)に戻る。この結果、ブレーキランプ1は、第2点滅パターンで点滅し続ける。一方、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値未満の場合、制御装置3の判断部5は、車両が急減速状態でないと判断して、次の工程(S13)に進む。
【0042】
制御装置3の判断部5は、記憶部4に記憶されている消灯信号をランプ駆動部6に出力する(判断部5は、記憶部4の消灯信号をランプ駆動部6に出力 S13)。ランプ駆動部6は、判断部5からの消灯信号により第2点滅パターンの点滅状態にあるブレーキランプ1を消灯させる。この結果、第2点滅パターンの点滅状態にあるブレーキランプ1は、消灯する(ブレーキランプ1は、消灯 S14)。
【0043】
たとえば、図2に示すように、車両が停止して車速が0km/hになった時点t3で、ブレーキランプ1は、消灯する。なお、車速が0km/hにならずに、車両の急減速がなくなった時点で、ブレーキランプ1を消灯させるようにしても良い。以上により、この実施例1における車両用急減速表示灯装置の作用、すなわち、制御装置3の工程処理の手順(作用)が終了する。
【0044】
この実施例1における車両用急減速表示灯装置は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、この実施例1における車両用急減速表示灯装置の効果について説明する。
【0045】
この実施例1における車両用急減速表示灯装置は、以上のごとき構成および作用から明らかなように、下記の効果を達成することができる。すなわち、制御装置3の判断部5が、車両が急減速状態であると判断した時に、初期段階T1において、ブレーキランプ1を第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるので、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに気付かせることができ、交通安全に貢献することができる。また、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、初期段階T1の経過後以降段階T2において、ブレーキランプ1を引き続き第2点滅パターンで第1点滅パターンよりも緩やかに点灯消灯させるので、先行車の急減速状態を一度気付いて先行車を注視している後続車のドライバーなどに与えるブレーキランプ1の点滅光の刺激を緩和させることができる。たとえば、図2中のランプ2(従来の車両用急減速表示灯装置のランプ)の点滅状態と比較する。すなわち、従来のランプ2は、初期段階T1の経過後以降段階T2においても、瞬時に点滅するので、後続車のドライバーなどにランプ2の点滅光の刺激を与える虞がある。これに対して、この実施例1における車両用急減速表示灯装置は、初期段階T1の経過後以降段階T2において、ブレーキランプ1を引き続き第2点滅パターンで第1点滅パターンよりも緩やかに点灯消灯させるので、後続車のドライバーなどに与えるブレーキランプ1の点滅光の刺激を緩和させることができる。
【0046】
また、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、初期段階T1においてブレーキランプ1を第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる時間が約500ms〜約1sであるから、後続車のドライバーなどに、自車両の急減速状態を確実に気付かせることができ、かつ、ブレーキランプ1の点滅光の刺激を確実に緩和させることができる。すなわち、よそ見をしている後続車のドライバーが先行車のランプの点滅に気付くまでの時間が約1秒以下であることを、実験で証明されている。このように、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、前記の実験の証明に基づいて、初期段階T1においてブレーキランプ1を約500ms〜約1sの間第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるものであるから、後続車のドライバーなどに、自車両の急減速状態を確実に気付かせることができ、かつ、ランプの点滅光の刺激を確実に緩和させることができるものである。
【0047】
さらに、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、制御装置3の判断部5が初期段階T1を開始からカウントする対象として、前記のブレーキランプ1の点滅時間からブレーキランプ1の点滅回数に変えることができる。このカウント対象をブレーキランプ1の点滅回数に変えた場合、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、カウント対象が前記のブレーキランプ1の点滅時間の場合の効果と同様に、初期段階T1においてブレーキランプ1を第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる回数が、2回〜5回、この例では2回であるから、後続車のドライバーなどに、自車両の急減速状態を確実に気付かせることができ、かつ、ランプの点滅光の刺激を確実に緩和させることができる。しかも、カウント対象をブレーキランプ1の点滅回数に変えた場合、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、初期段階T1の第1点滅パターンから以降段階T2の第2点滅パターンに切り替える判断(初期段階経過判断)を、ブレーキランプ1の第1点滅パターンにおける点滅回数で行うので、前記の判断をブレーキランプ1の第1点滅パターンにおける点滅時間で行う場合と比較して、処理の簡素化を図ることができ、その分、制御装置の構造が簡単となり、製造コストを安価にすることができる。なお、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置においては、初期段階T1においてブレーキランプ1を第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる回数が、約500ms〜約1sの間において、2回〜5回でも良い。
【0048】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、制御装置3の判断部5が、車両が急減速状態であると判断した時に、記憶部4の第1点滅信号をランプ駆動部6に出力して、初期段階T1において、ブレーキランプ1を第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるので、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに気付かせることができ、交通安全に貢献することができる。また、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、盛業装置3の判断部5が、初期段階T1の経過を判断した時に、記憶部4の第2点滅信号をランプ駆動部6に出力して、初期段階T1の経過後以降段階T2において、ブレーキランプ1を引き続き第2点滅パターンで第1点滅パターンよりも緩やかに点灯消灯させるので、先行車の急減速状態を一度気付いて先行車を注視している後続車のドライバーなどに与えるランプの点滅光の刺激を緩和させることができる。
【0049】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置は、ランプ1をブレーキランプと兼用するので、その分、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
【実施例2】
【0050】
図6および図7は、この発明にかかる車両用急減速表示灯装置の実施例2を示す。図中、図1〜図5と同符号は、同一のものを示す。
【0051】
この実施例2にかかる車両用急減速表示灯装置は、図6に示すように、前記の実施例1にかかる車両用急減速表示灯装置の制御装置3の判断部5を、第1判断部7と第2判断部8とするものである。前記第1判断部7は、減速検出部2からの検出信号と記憶部4の第1パラメータとに基づいて車両が急減速状態にあると判断すると記憶部4の第1点滅信号をランプ駆動部6に出力するものである。前記第2判断部8は、初期段階T1を開始からカウントしてそのカウントと記憶部4の第2パラメータとに基づいて初期段階T1が経過したと判断すると記憶部4の第2点滅信号をランプ駆動部6に出力するものである。
【0052】
以下、この実施例2における車両用急減速表示灯装置の作用、すなわち、制御装置3の工程処理の手順(作用)について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0053】
まず、制御装置3の第1判断部7は、減速検出部2からの検出信号を入力する(第1判断部7は、減速検出部2から検出信号入力 S101)。制御装置3の第1判断部7は、減速検出部2からの検出信号と、記憶部4に記憶されている第1パラメータと、を比較する(第1判断部7は、検出信号と記憶部4の第1パラメータと比較 S102)。
【0054】
ここで、制御装置3の第1判断部7は、車両が急減速状態であるのか否かを判断する(車両は、急減速状態であるか? S103)。すなわち、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値未満の場合、制御装置3の第1判断部7は、車両が急減速状態でないと判断して、前記の工程(S101)に戻る。一方、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値以上の場合、制御装置3の第1判断部7は、車両が急減速状態であると判断して、次の工程(S104)に進む。
【0055】
制御装置3の第1判断部7は、記憶部4に記憶されている第1点滅信号をランプ駆動部6に出力する(第1判断部7は、記憶部4の第1点滅信号をランプ駆動部6に出力 S104)。ランプ駆動部6は、第1判断部7からの第1点滅信号により初期段階T1においてブレーキランプ1を第1点滅パターンで点滅させる。この結果、ブレーキランプ1は、初期段階T1において、第1点滅パターンで点滅、すなわち、瞬時に点灯消灯する(ブレーキランプ1は、初期段階T1において、第1点滅パターンで点滅 S105)。
【0056】
たとえば、図2に示すように、100km/hで走行中の車両が減速を開始して、その減速が約6m/s2 以上に達して急減速となった時点t1で、ブレーキランプ1は、初期段階T1において第1点滅パターンで点滅する。
【0057】
また、制御装置3の第2判断部8は、初期段階T1を開始からカウントして、そのカウント、と記憶部4に記憶されている第2パラメータと、を比較する(第2判断部8は、初期段階T1を開始からカウントし、そのカウントと記憶部4の第2パラメータと、を比較 S106)。
【0058】
ここで、制御装置3の第2判断部8は、初期段階T1が経過したか否かを判断する(初期段階T1は、経過したか? S107)。すなわち、第2判断部8がカウントしたカウント数が記憶部4に記憶されている第2パラメータの判断基準値未満の場合、制御装置3の第2判断部8は、初期段階T1が経過していないと判断して、前記の工程(S104)に戻る。一方、第2判断部8がカウントしたカウント数が記憶部4に記憶されている第2パラメータの判断基準値以上の場合、制御装置3の第2判断部8は、初期段階T1が経過したものと判断して、次の工程(S108)に進む。
【0059】
制御装置3の第2判断部8は、記憶部4に記憶されている第2点滅信号をランプ駆動部6に出力する(第2判断部8は、記憶部4の第2点滅信号をランプ駆動部6に出力 S108)。ランプ駆動部6は、第2判断部8からの第2点滅信号により以降段階T2においてブレーキランプ1を第2点滅パターンで点滅させる。この結果、ブレーキランプ1は、以降段階T2において、第2点滅パターンで点滅、すなわち、緩やかに点灯消灯する(ブレーキランプ1は、以降段階T2において、第2点滅パターンで点滅 S109)。
【0060】
たとえば、図2に示すように、ブレーキランプ1が初期段階T1において第1点滅パターンで、約500ms〜約1sの間点滅し、または、2回点滅した時点t2で、ブレーキランプ1は、移行段階T2において第2点滅パターンで点滅する。
【0061】
また、制御装置3の第1判断部7は、再度、減速検出部2からの検出信号を入力する(第1判断部7は、減速検出部2から検出信号入力 S110)。制御装置3の第2判断部7は、減速検出部2からの検出信号と、記憶部4に記憶されている第1パラメータと、を比較する(第1判断部7は、検出信号と記憶部4の第1パラメータと比較 S111)。
【0062】
ここで、制御装置3の第1判断部7は、再度、車両が急減速状態であるのか否かを判断する(車両は、急減速状態であるか? S112)。すなわち、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値以上の場合、制御装置3の第1判断部7は、車両が急減速状態であると判断して、前記の工程(S108)に戻る。この結果、ブレーキランプ1は、第2点滅パターンで点滅し続ける。一方、減速検出部2からの検出信号の値が記憶部4に記憶されている第1パラメータの判断基準値未満の場合、制御装置3の第1判断部7は、車両が急減速状態でないと判断して、次の工程(S113)に進む。
【0063】
制御装置3の第1判断部7は、記憶部4に記憶されている消灯信号をランプ駆動部6に出力する(第1判断部7は、記憶部4の消灯信号をランプ駆動部6に出力 S113)。ランプ駆動部6は、第1判断部7からの消灯信号により第2点滅パターンの点滅状態にあるブレーキランプ1を消灯させる。この結果、第2点滅パターンの点滅状態にあるブレーキランプ1は、消灯する(ブレーキランプ1は、消灯 S114)。
【0064】
たとえば、図2に示すように、車両が停止して車速が0km/hになった時点t3で、ブレーキランプ1は、消灯する。以上により、この実施例1における車両用急減速表示灯装置の作用、すなわち、制御装置3の工程処理の手順(作用)が終了する。
【0065】
この実施例2における車両用急減速表示灯装置は、以上のごとき構成および作用からなるので、前記の実施例1における車両用急減速表示灯装置と同様の効果を達成することができる。すなわち、この実施例2にかかる車両用急減速表示灯装置は、第1判断部7が、車両が急減速状態であると判断した時に、記憶部4の第1点滅信号をランプ駆動部6に出力して、初期段階T1において、ブレーキランプ1を第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させるので、自車両の急減速状態を後続車のドライバーなどに気付かせることができ、交通安全に貢献することができる。また、この実施例2にかかる車両用急減速表示灯装置は、第2判断部8が、初期段階T2の経過を判断した時に、記憶部4の第2点滅信号をランプ駆動部6に出力して、初期段階T1の経過後以降段階T2において、ブレーキランプ1を引き続き第2点滅パターンで第1点滅パターンよりも緩やかに点灯消灯させるので、先行車の急減速状態を一度気付いて先行車を注視している後続車のドライバーなどに与えるランプの点滅光の刺激を緩和させることができる。
【0066】
特に、この実施例2における車両用急減速表示灯装置は、第1判断部7で車両の急減速状態を判断し、かつ、第2判断部8で初期段階の経過を判断するものであるから、判断部5で車両の急減速状態と初期段階の経過とを判断するものと比較して、処理速度を早くすることができ、その分、制御装置の処理能力が向上される。
【0067】
以下、前記の実施例1、2以外の例について説明する。前記の実施例1、2においては、ランプ1として、ブレーキランプを使用するものである。ところが、この発明においては、ランプとして、ブレーキランプ以外のランプであって、車両の所定の位置に配置されるランプ、たとえば、既存のランプでも良いし、または、専用のランプでも良いし、組み合わせたランプでも良い。
【0068】
また、前記の実施例1、2においては、車両の減速状態を検出してその検出信号を出力する減速検出部2として、車速センサを使用するものである。ところが、この発明においては、減速検出部として、車速センサ以外のもの、たとえば、ブレーキセンサ、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)、加速度センサ(Gセンサ)、車輪速センサ、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)、車間距離検知手段(車間距離検知システム)、衝突防止システム(たとえば、プリクラッシュシステムなど)、エンジン回転数センサ、などでも良いし、組み合わせても良い。前記ブレーキセンサは、ブレーキ装置のブレーキペダル(図示せず)の踏み込み量を検知してその検知信号を出力するものである。前記ABSは、ABSが作動すると検知信号(作動信号)を出力するものである。前記加速度センサは、車両の減速度を検知してその検知信号を出力するものである。前記車輪速センサは、車両の車輪速度を検知してその検知信号を出力するものである。前記サイドブレーキは、サイドブレーキが作動すると検知信号(作動信号)を出力するものである。前記車間距離検知手段は、レーザーやレーダーなど(図示せず)により、車間距離や障害物との距離などを検知してその検知信号を出力するものである。前記衝突防止システムは、衝突防止システム27が作動すると作動信号(検知信号)を出力するものである。前記エンジン回転数センサは、エンジンの回転数を検出してその検出信号を出力するものである。
【0069】
さらに、前記の実施例1、2においては、第2点滅パターンにおけるブレーキランプ1の点灯立上りおよび消灯立下りが、図2、図3、図4(A)に示すように、直線的な傾きである。ところが、この発明においては、第2点滅パターンにおけるブレーキランプ1の点灯立上りおよび消灯立下りが、図4(B)に示すように、曲線的な傾きでも良いし、また、図4(C)に示すように、段階的な傾きでも良い。
【0070】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、第2点滅パターンにおけるブレーキランプ1の点滅が点灯立上りと消灯立下りとの双方で緩やかに行われるものである。ところが、この発明においては、第2点滅パターンにおけるブレーキランプ1の点滅が点灯立上りもしくは消灯立下りの少なくともいずれか一方で緩やかに行われるものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】この発明にかかる車両用急減速表示灯装置の実施例1を示す構成ブロック図である。
【図2】同じく、車両の100km/hからの急減速状態とランプ1、2の点滅状態との相対関係を示す説明図である。
【図3】同じく、図2におけるIII部のブレーキランプの第1点滅パターンおよび第2点滅パターンの一部を示す拡大説明図である。
【図4】同じく、ブレーキランプの第2点滅パターンの変形例を示す拡大説明図である。
【図5】同じく、制御装置の制御工程を示すフローチャートである。
【図6】この発明にかかる車両用急減速表示灯装置の実施例2を示す構成ブロック図である。
【図7】同じく、制御装置の制御工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0072】
1 ブレーキランプ(ランプ)
2 減速検出部
3 制御装置
4 記憶部
5 判断部
6 ランプ駆動部
7 第1判断部
8 第2判断部
10 ブレーキスイッチ
T1 初期段階
T2 移行段階
T3 第1点滅パターン立上り時間
T4 第2点滅パターンの立上り時間
t1 急減速時点
t2 初期段階経過時点
t3 急減速停止状態

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の急減速を点滅により表示する車両用急減速表示灯装置において、
車両の所定の位置に配置されるランプと、
車両の減速状態を検出してその検出信号を出力する減速検出部と、
前記減速検出部からの検出信号に基づいて車両が急減速状態であると判断した時に、前記ランプを、初期段階において瞬時に点灯消灯させる第1点滅パターンと、前記初期段階の経過後以降段階において引き続き前記第1点滅パターンよりも緩やかに点灯させたりまたはおよび消灯させたりする第2点滅パターンと、により点滅制御する制御装置と、
を備える、ことを特徴とする車両用急減速表示灯装置。
【請求項2】
前記初期段階において前記ランプを前記第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる時間は、約1秒以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用急減速表示灯装置。
【請求項3】
前記初期段階において前記ランプを前記第1点滅パターンで瞬時に点灯消灯させる回数は、2回〜5回である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用急減速表示灯装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
車両の急減速状態を判断するための第1パラメータと、前記初期段階の経過を判断するための第2パラメータと、前記ランプを前記初期段階において前記第1点滅パターンで点滅させる第1点滅信号と、前記ランプを前記以降段階において前記第2点滅パターンで点滅させる第2点滅信号と、が記憶されている記憶部と、
前記減速検出部からの検出信号と前記記憶部の第1パラメータとに基づいて車両が急減速状態にあると判断すると前記記憶部の第1点滅信号を出力し、また、前記初期段階を開始からカウントして前記カウントと前記記憶部の第2パラメータとに基づいて前記初期段階が経過したと判断すると前記記憶部の第2点滅信号を出力する判断部と、
前記判断部からの第1点滅信号により前記初期段階において前記ランプを前記第1点滅パターンで点滅させ、かつ、前記判断部からの第2点滅信号により前記以降段階において前記ランプを前記第2点滅パターンで点滅させるランプ駆動部と、
から構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用急減速表示灯装置。
【請求項5】
前記制御装置は、
車両の急減速状態を判断するための第1パラメータと、前記初期段階の経過を判断するための第2パラメータと、前記ランプを前記初期段階において前記第1点滅パターンで点滅させる第1点滅信号と、前記ランプを前記以降段階において前記第2点滅パターンで点滅させる第2点滅信号と、が記憶されている記憶部と、
前記減速検出部からの検出信号と前記記憶部の第1パラメータとに基づいて車両が急減速状態にあると判断すると前記記憶部の第1点滅信号を出力する第1判断部と、
前記初期段階を開始からカウントして前記カウントと前記記憶部の第2パラメータとに基づいて前記初期段階が経過したと判断すると前記記憶部の第2点滅信号を出力する第2判断部と、
前記第1判断部からの第1点滅信号により前記初期段階において前記ランプを前記第1点滅パターンで点滅させ、かつ、前記第2判断部からの第2点滅信号により前記以降段階において前記ランプを前記第2点滅パターンで点滅させるランプ駆動部と、
から構成されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用急減速表示灯装置。
【請求項6】
前記ランプは、ブレーキスイッチのオンオフで点灯消灯するブレーキランプと兼用であり、前記制御装置の点滅制御による点滅が前記ブレーキスイッチのオンオフによる点灯消灯よりも優先される、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用急減速表示灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−210530(P2007−210530A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−34305(P2006−34305)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】