説明

車両用携帯機登録システム

【課題】主に車両用施解錠システムやイモビライザシステムに用いられる車両用携帯機登録システムに関し、誤操作を抑制した車両用携帯機登録システムを提供することを目的とする。
【解決手段】携帯機200が車載機100に登録された際に書き換えられる登録回数情報250を携帯機200に備えさせ、車載機100が初期状態でなく且つ書き換え前の登録回数情報250が初期値である場合に、車載機100は携帯機200を登録する。これにより、既登録の携帯機200の再登録を制限できるため、一般ユーザ側での複数の車両の車載機100に対する同じ携帯機200の登録による誤操作を抑制した車両用携帯機登録システム300を提供することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に車両用施解錠システムやイモビライザシステムに組み込まれた車両用携帯機登録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両において、携帯機を用いて車両のドアを遠隔からロック、アンロックする車両用施解錠システムや、所定の携帯機を用いたときのみにエンジンの始動を許可するイモビライザシステムが用いられている。
【0003】
ここで、車両用施解錠システムやイモビライザシステムは、携帯機と車載機を備えて構成され、所定の携帯機を車載機に登録するための車両用携帯機登録システムが組み込まれている。
【0004】
そして、この車両用携帯機登録システムを用いて、車両の製造工場や販売店等で、車載機に対し携帯機が登録されている。
【0005】
このような従来の車両用携帯機登録システムでは、例えばイグニッションを所定時間内に複数回ON/OFFする等特殊な手順を行うことで、車載機の制御状態を、携帯機が登録可能な登録モードに遷移させる。そして、携帯機固有の識別IDと車載機固有の鍵情報を相互に無線通信させ、車載機および携帯機双方に識別IDと鍵情報を登録させていた。また、車両を使用する際には、車載機で、携帯機から送信された識別IDと鍵情報を照合し、双方が一致した場合に、車載機から許可信号により、施解錠あるいはエンジンの始動許可を行うものであった。
【0006】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−180264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の車両用携帯機登録システムでは、もし、登録モードに遷移させる特殊な手順を知っていれば、ある車両の車載機に登録された携帯機を他の車両の車載機に登録することが、一般ユーザ側で可能であった。
【0009】
同じ携帯機が複数の車両に登録されていると、一つの携帯機の操作で意図しない車両が解錠してしまう誤操作の可能性があり好ましくない。
【0010】
本発明は、誤操作を抑制した車両用携帯機登録システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、特に、携帯機が車載機に登録された際に書き換えられる登録回数情報を携帯機に備えさせ、車載機が初期状態でなく且つ書き換え前の登録回数情報が初期値である場合に、車載機は携帯機を登録する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯機が車載機に登録された際に書き換えられる登録回数情報を携帯機に備えさせ、車載機が初期状態でなく且つ書き換え前の登録回数情報が初期値である場合に、車載機は携帯機を登録する。
【0013】
このような構成により、既登録の携帯機の再登録を制限できるため、一般ユーザ側での複数の車両の車載機に対する同じ携帯機の登録による誤操作を抑制した車両用携帯機登録システムを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態による車両用携帯機登録システムのブロック図
【図2】同車両用携帯機登録システムの登録手順を示すフローチャート
【図3】同車両用携帯機登録システムの通常の登録手順を示す図
【図4】同車両用携帯機登録システムで携帯機を再登録する手順を示す図
【図5】同車両用携帯機登録システムで携帯機を登録禁止する手順を示す図
【図6】同車両用携帯機登録システムで車載機を交換した際に携帯機を登録する手順を示す図
【図7】同車両用携帯機登録システムに用いる携帯機の他の実施の形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図7を用いて説明する。
【0016】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による車両用携帯機登録システムのブロック図である。
【0017】
ここで、車両用携帯機登録システム300は、車載機100と、車載機100と無線通信により各種データの授受を行う携帯機200を備えている。
【0018】
そして、車載機100は、マイコン等の半導体素子を備えた制御回路110と、制御回路110に接続され車載機100外部との信号の送受信を行うアンテナ120と、制御回路110との間で記憶データの入出力を行う記憶回路130を備える。
【0019】
ここで、制御回路110は記憶回路130内に保存されたプログラムを実行処理する回路で、マイコン等の半導体素子を備える。また、アンテナ120を介して入出力信号を送受信する回路で、入出力信号を増幅する増幅回路あるいは送信回路や受信回路を備えても良い。
【0020】
また、アンテナ120は所定の通信周波数に共振周波数を有する。車両用携帯機登録システム300がイモビライザシステムに組み込まれている場合は、例えば30kHz〜300kHzのLF(Low Frequency)帯に共振周波数を有し、コイルとコンデンサを用いてコイルアンテナとして構成される。また、車両用携帯機登録システム300が車両施解錠システムに用いられている場合は、上述のLF帯の他、例えば300MHz〜400MHzの帯域に共振周波数を有し、導電金属線を用いた線状アンテナとして構成される。
【0021】
さらに、記憶回路130は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の不揮発性メモリやRAM(Read−Available Memory)等の揮発性メモリで構成された回路である。記憶回路130には、制御回路110で実行するプログラムや、複数の携帯機200の識別ID140及び登録回数情報150と、車載機100固有の鍵情報160等の各種データが保存されている。なお、記憶回路130に電気が与えられない場合に消失を防ぐ観点から、プログラムや各種データについては不揮発性メモリに保存するのが望ましい。
【0022】
ここで、記憶回路130に保存されるデータとして、例えば三台の携帯機200の識別ID141〜143(N台であれば14N)、それぞれに対応した登録回数情報151〜153(N台であれば15N)、鍵情報160が保存され、(表1)のようにマトリクス状にメモリ領域に割り当てることでデータの管理を容易にしている。
【0023】
なお、識別ID141〜143は識別ID140の一例、登録回数情報151〜153は登録回数情報150の一例である。
【0024】
【表1】

【0025】
一方、携帯機200は、マイコン等の半導体素子を備えた制御回路210と、制御回路210に接続され携帯機200外部との信号の送受信を行うアンテナ220と、制御回路210との間で記憶データの入出力を行う記憶回路230を備える。
【0026】
ここで、制御回路210は記憶回路230内に保存されたプログラムを実行処理する回路で、マイコン等の半導体素子を備える。また、制御回路210はアンテナ220を介して入出力信号を送受信する回路で、入出力信号を増幅する増幅回路あるいは送信回路や受信回路を備えても良い。
【0027】
また、アンテナ220は所定の通信周波数に共振周波数を有している。車両用携帯機登録システム300がイモビライザシステムに組み込まれている場合は、例えば30kHz〜300kHzのLF(Low Frequency)帯に共振周波数を有し、アンテナ220はコイルとコンデンサを用いてコイルアンテナとして構成される。また、車両用携帯機登録システム300が車両施解錠システムに用いられている場合は、上述のLF帯の他、例えば300MHz〜400MHzの帯域に共振周波数を有し、プリント基板に配線として形成された線状アンテナとして構成される。
【0028】
さらに、記憶回路230は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)等の不揮発性メモリやRAM(Read−Available Memory)等の揮発性メモリで構成された回路である。記憶回路230には、携帯機固有の識別ID240、登録回数情報250と、鍵情報260等の各種データが保存されている。なお、記憶回路230に電気が与えられない場合の消失を防ぐ観点から、プログラムや各種データについては不揮発性メモリに保存するのが望ましい。
【0029】
ここで、例えば記憶回路230に保存されるデータとして識別ID240、登録回数情報250、鍵情報260が保存され、(表2)のようにマトリクス状に保存することでデータの管理を容易にしている。
【0030】
【表2】

【0031】
このように構成された車両用携帯機登録システム300において、車載機100に携帯機200を登録する際には、以下のように無線通信が行われる。
【0032】
まず、携帯機200の制御回路210が記憶回路230から各種データを読み出し、アンテナ220を介して送信する。そして、車載機100では、アンテナ120を介して制御回路110が信号を受信し、制御回路110は記憶回路130に各種データを記憶する。
【0033】
次に、車載機100の制御回路110が記憶回路130から各種データを読み出し、アンテナ120を介して送信する。そして、携帯機200では、アンテナ220を介して制御回路210が信号を受信し、制御回路210は記憶回路230に各種データを記憶する。
【0034】
これにより車載機100に携帯機200が登録される。そして登録された携帯機200を用いて車載機100が搭載された車両の施解錠やエンジン始動を行う際は、携帯機200から例えば、識別ID240と登録回数情報250が、鍵情報260を用いて暗号化されて送信される。また、車載機100の制御回路110は鍵情報160を用いて送信されたデータを解読し、識別ID140と登録回数情報150を対照して一致した場合、車両の施解錠やエンジン始動を許可する許可信号を出力するものである。
【0035】
次に、図2〜図6を用いて登録手順を詳細に説明する。
【0036】
ここで、図2に示すのは、車載機100が携帯機登録モードにある際に制御回路110で実行される登録手順を示すフローチャートである。
【0037】
<通常登録手順>
また、図3は携帯機200を所定の車載機100Aに登録する際の通常の登録手順を示す図である。
【0038】
ここで、図3の携帯機200は制御回路210に接続された記憶回路230を備えており、記憶回路230内には初期状態の保存データ271が保存されている。
【0039】
なお、同図で示すように、初期状態の保存データ271は、例えば、携帯機200固有の識別ID240が「001」、登録回数情報250が「00」、鍵情報260が「000」となっている。
【0040】
また、同様に車載機100Aは制御回路110Aに接続された記憶回路130Aを備えており、記憶回路130A内には初期状態の保存データ171が保存されている。
【0041】
なお、保存データ171は、例えば、一台目登録用の識別ID141が「000」、一台目登録用の登録回数情報151が「00」、二台目登録用の識別ID142が「000」、車載機100A固有の鍵情報160が「123」となっている。
【0042】
ここで、車載機100Aが携帯機登録モードにあるとき、図2で示すように、まず携帯機200から、識別ID240と登録回数情報250が送信され、制御回路110Aが受信する(S1)。
【0043】
次に、制御回路110Aは保存データ171の内容を参照し、初期状態であることを判定し(S2)、携帯機200から受信した識別ID240を識別ID141として記憶する(S3)。
【0044】
さらに、制御回路110は登録回数情報250に「1」加算し、登録回数情報151として記憶する(S4)。
【0045】
さらに、制御回路110Aは、記憶された登録回数情報151と鍵情報160を、送信する(S5)。
【0046】
そして、携帯機200が受信し、受信した登録回数情報151と鍵情報160を登録回数情報250と鍵情報260として記憶する。
【0047】
この結果、図3のように車載機100Aの保存データ171が保存データ172に、携帯機200の保存データ271が保存データ272に書き換えられ、携帯機200が車載機100Aに登録される。
【0048】
<再登録手順>
次に、図2のS5のステップで車載機100Aから携帯機200への通信が失敗した場合に、携帯機200を車載機100Aに再登録する手順について、図2及び図4を用いて説明する。
【0049】
車載機100Aから携帯機200への通信が失敗すると、車載機100Aの保存データ171は保存データ172に書き換わるが、携帯機200の保存データ271は初期状態のまま書き換わらない。この場合、登録回数情報250と鍵情報260は、それぞれ登録回数情報151と鍵情報160と不一致であるので、携帯機200を用いて、車両の施解錠動作あるいはエンジン始動動作を行うことができず、登録しなおす必要がある。
【0050】
この再登録時には、携帯機200から、再度、識別ID240と登録回数情報250を送信させ、これを制御回路110Aが受信する(S1)。
【0051】
次に、制御回路110Aは保存データ172の内容を参照するが、初期状態ではないため(S2)、受信した識別ID240が初期値(「00」)であるか判定する(S6)。
【0052】
ここで、識別ID240が初期値であるため、この識別ID240を識別ID141として記憶する(S3)。さらに、制御回路110Aは携帯機200の登録回数情報250として受信した「00」に「1」加算し、登録回数情報151として「01」を記憶する(S4)。ただし、この場合、識別ID141及び登録回数情報151は、再登録前に書き換えられたデータと同じデータに書き換えることになるので変化していない。
【0053】
さらに、制御回路110Aは、記憶された登録回数情報151と鍵情報160を、送信する(S5)。
【0054】
ここで、携帯機200が受信に成功すれば、受信した登録回数情報151と鍵情報160を登録回数情報250と鍵情報260として記憶する。
【0055】
この結果、図4の保存データ172は保存データ172のまま変化せず、保存データ271は保存データ272に書き換えられ、携帯機200が車載機100Aに登録される。
【0056】
<登録不可手順>
次に、上述のように登録された携帯機200を、一般ユーザが他車に搭載されている車載機100Bに登録しようとする場合について、図2及び図5を用いて説明する。
【0057】
ここで、車載機100Bの制御回路110Bに接続された記憶回路130Bに保存されている保存データ173は、一般ユーザに搭載されている車両が引き渡されており、初期状態からは書き換えられている。
【0058】
例えば、保存データ173は、一台目登録用の識別ID141が「011」、一台目登録用の登録回数情報151が「01」、二台目登録用の識別ID142が「000」、二台目登録用の登録回数情報152が「00」、車載機100B固有の鍵情報160が「456」となっている。
【0059】
ここで、車載機100Bに携帯機200を登録させようとして、携帯機200から、識別ID240と登録回数情報250を送信させ、これを制御回路110Bが受信する(S1)。
【0060】
次に、制御回路110Bは保存データ173の内容を参照し、初期状態ではないため(S2)、受信した識別ID240が初期値(「00」)であるか判定する(S6)。
【0061】
ここで、識別ID240が初期値でないので、携帯機の登録処理を終了する(S3)。
【0062】
このように、一般ユーザが他車に搭載されている車載機100Bに登録しようとしても登録処理が回避され、携帯機200の保存データ272と車載機100Bの保存データ173は書き換わらない。このため、携帯機200を用いて車載機100Bに車両の施解錠動作あるいはエンジン始動動作を行わせることはできない。
【0063】
<車載機交換時登録手順>
次に、車両用施解錠システムやイモビライザシステムの故障等で車載機100Aを車載機100Cに入れ換えた際に、車載機100Aに対し一度登録した携帯機200を登録する手順について図2及び図6を用いて説明する。
【0064】
この車載機100Cは、車両販売店の工場等で入れ替え直後であり、制御回路110Cに接続された記憶回路130Cに保存されているデータは初期状態の保存データ174となっている。
【0065】
なお、携帯機200の記憶回路230に保存されている保存データ272は、図3の登録処理後の状態である。
【0066】
ここで、車載機100Cが携帯機登録モードにあるとき、図2で示すように、まず携帯機200から、識別ID240と登録回数情報250が送信され、制御回路110Cが受信する(S1)。
【0067】
次に、制御回路110Cは保存データ171の内容を参照し初期状態であることを判定し(S2)、識別ID240を識別ID141として記憶する(S3)。
【0068】
さらに、制御回路110Cは登録回数情報250の「01」に「1」加算し、登録回数情報151として「02」を記憶する(S4)。
【0069】
さらに、制御回路110Cは、記憶された登録回数情報151と鍵情報160を、送信する(S5)。
【0070】
そして、携帯機200が受信し、受信した登録回数情報151を登録回数情報250として「02」を記憶し、鍵情報160を鍵情報260として「789」を記憶する。
【0071】
この結果、図6のように車載機100Cの保存データ174が保存データ175に、携帯機200の保存データ272が保存データ273に書き換えられ、携帯機200が車載機100Cに登録される。
【0072】
つまり、車載機100Cは初期状態の保存データ174となっているため、携帯機200の登録回数情報250が初期値「00」でなくても、携帯機200を車載機100Cに登録可能としている。
【0073】
これにより、故障の際に車両販売店の工場等で車載機100Cに入れ替えた際も、車載機100Aに登録されていた携帯機200を登録可能なものとなっている。
【0074】
なお、上述の説明では、車載機100が登録回数情報150をデータとして保管するものとして説明したが、施解錠あるいはエンジンの始動許可を行う際に車載機100で登録回数情報150と携帯機200から受信した登録回数情報250を照会しない場合は、車載機100が登録回数情報150をデータとして保存しなくても良い。なお、施解錠あるいはエンジンの始動許可を行う際に車載機100で登録回数情報150と携帯機200から受信した登録回数情報250を照会する場合は、携帯機200の照合の信頼性が向上する利点がある。
【0075】
また、携帯機200Aとして、図7に示すように、車両のドア等のキー孔に挿入して機械的に施解錠するキー溝等を備えた機械式鍵280を備えても良い。なお、機械式鍵280を備えた携帯機200Aは、機械式鍵280が異なる車両に対し登録されないので、無線通信による照合では施解錠可能だが機械式鍵280では施解錠できないという不一致を避けることができ、携帯機200Aに対する使用者の信頼感を向上することができる。なお、機械式鍵280は露出していても良いし、携帯機200A内部に配置しておき使用時に引き出すものとしても良い。
【0076】
また、制御回路110は、携帯機200の登録回数情報250に「1」加算し、登録回数情報151として記憶するものとして説明したが、加算する数は任意に選択できるもので、減算あるいは所定の規則に従って文字データとして保存しても良く、登録回数情報250が登録処理の前後で変化していれば、本発明の実施は可能である。
【0077】
このように本実施の形態によれば、携帯機200が車載機100に登録された際に書き換えられる登録回数情報250を携帯機200に備えさせる。そして、携帯機200が識別ID240と書き換え前の登録回数情報250を車載機100に送信する。さらに、車載機100が初期状態でなく且つ書き換え前の登録回数情報250が初期値である場合に、車載機100は携帯機200の識別ID240を登録すると共に携帯機200に鍵情報160を送信するよう構成している。これにより、既登録の携帯機200の再登録を制限できるため、一般ユーザ側での複数の車両の車載機100に対する同じ携帯機200の登録による誤操作を抑制した車両用携帯機登録システム300を提供することが出来る。
【0078】
また、車載機100に携帯機200を登録させる際、車載機100が初期状態であれば、携帯機200の登録回数情報250が初期値であるか否かに関わらず、車載機100は携帯機200の識別ID240を登録すると共に携帯機200に鍵情報160を送信するものとしている。これにより、車載機100が故障し工場等で新しい車載機100に入れ替えた際に、既登録の携帯機200を新しい車載機100に登録することができ登録作業の利便性が向上する。
【0079】
また、車載機100は書き換え前の登録回数情報150を変えて書き換え後の登録回数情報150として登録する。そして、携帯機200に書き換え後の登録回数情報150を送信し、携帯機200は受信した書き換え後の登録回数情報150を登録する。これにより、車両の施解錠あるいはエンジン始動を前記車載機が許可する際に、従来の識別ID140と鍵情報160に加え、携帯機200から送信された登録回数情報250と車載機100で登録された登録回数情報150とを車載機100が照合するので、より携帯機200を照合する信頼性が向上する。
【0080】
さらに、携帯機200Aのように機械式鍵280を備えさせることにより、無線通信による照合では施解錠可能だが機械式鍵280では施解錠できないという不一致を避けることができ、携帯機200Aに対する使用者の信頼感を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明による車両用携帯機登録システムは、既登録の携帯機の再登録を制限できるため、一般ユーザ側での複数の車両の車載機に対する同じ携帯機の登録による誤操作を抑制しうるという有利な効果を有し、主に車両用施解錠システムやイモビライザシステム用として有用である。
【符号の説明】
【0082】
100、100A、100B、100C 車載機
110、110A、110B、110C 制御回路
120 アンテナ
130、130A、130B、130C 記憶回路
140、141、142、143 識別ID
150、151、152、153 登録回数情報
160 鍵情報
171、172、173、174、175 保存データ
200、200A 携帯機
210 制御回路
220 アンテナ
230、230C 記憶回路
240 識別ID
250 登録回数情報
260 鍵情報
271、272、273 保存データ
280 機械式鍵
300 車両用携帯機登録システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有の鍵情報を有する車載機と、固有の識別IDを有する携帯機とを備え、前記鍵情報が前記携帯機に、前記識別IDが前記車載機に、それぞれ登録されることで前記携帯機を用いて前記車載機が搭載された車両の施解錠あるいはエンジン始動を前記車載機に許可させる車両用携帯機登録システムであって、前記携帯機は前記携帯機が前記車載機に登録された際に書き換えられる登録回数情報をさらに有し、前記携帯機は前記識別IDと書き換え前の前記登録回数情報を前記車載機に送信し、前記車載機が初期状態でなく且つ書き換え前の前記登録回数情報が初期値である場合に、前記車載機は前記携帯機の前記識別IDを登録すると共に前記携帯機に前記鍵情報を送信する車両用携帯機登録システム。
【請求項2】
前記車載機に前記携帯機を登録させる際、前記車載機が初期状態であれば、前記携帯機の前記登録回数情報が初期値であるか否かに関わらず、前記車載機は前記携帯機の前記識別IDを登録すると共に前記携帯機に鍵情報を送信する請求項1記載の車両用携帯機登録システム。
【請求項3】
前記車載機は書き換え前の前記登録回数情報を変えて書き換え後の前記登録回数情報として登録すると共に前記携帯機に書き換え後の前記登録回数情報を送信し、前記携帯機は受信した書き換え後の前記登録回数情報を登録するもので、車両の施解錠あるいはエンジン始動を前記車載機が許可する際に、前記携帯機から送信された前記登録回数情報と前記車載機で登録された前記登録回数情報とを前記車載機が照合する請求項1記載の車両用携帯機登録システム。
【請求項4】
前記携帯機は車両のドアを機械的に施解錠する機械式鍵をさらに備えた請求項1記載の車両用携帯機登録システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68036(P2013−68036A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208594(P2011−208594)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】