説明

車両用消火器の保持装置

【課題】消火器の外径サイズの違いに柔軟に対応して消火器を簡単かつ確実に固定することができると共に、消火器を短時間で取り外すことができる車両用消火器の保持装置を提供する。
【解決手段】消火器3の外周部に装着される輪状の装着部材11と、車両1側に設けられて装着部材11を取り外し可能に保持する保持部材12と、を備え、装着部材11が、装着部材11の内側に凸となるように湾曲されて消火器3の外周部に当接する弾性変形可能な複数の湾曲部13と、保持部材に係合する係合部15と、を備えるようにし、装着部材11に保持部材から離れる方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、係合部15もしくは保持部材12の少なくともいずれか一方が変形されて係合部15と保持部材12との係合が外れる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用消火器を容易に着脱可能に車両に固定する車両用消火器の保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両には、必要に応じて消火器が搭載されている。また日本では全車両への消火器の搭載は義務づけられていないが、他国には消火器の搭載が義務づけられているところもある。
【0003】
車両に搭載された消火器は、車両走行時に外れることがないように、車両に強固に固定されている必要がある。そのための保持装置の構造は、様々あるが、例えば、車両に固定されたベース部材に設けられて消火器の本体(タンク)の外周に巻き掛けられるバンド状の保持部を備え、この保持部を消火器の外周部に装着した状態で留め具によって固定することで、消火器を車両に固定するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また上記のような保持装置では、留め具を掛けるフックを複数箇所設けて多段調整できる構成としており、メーカー等の違いによる消火器の胴部外径のサイズ違いに対応できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−143638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような車両用消火器の保持装置では、車両走行時に外れることがないように十分に固定することはできるが、消火器の固定や取り外しに時間がかかってしまう虞がある。特に、消火器は火災という非常時に使用するものであるため、その取り外しにかかる時間はできるだけ短いことが好ましい。また消火器は、例えば、トランクルーム内やシートの下など、比較的狭い場所に設置されるため、消火器を動かせる範囲が制限されてしまうこともある。このような場合でも、消火器を極めて短時間で取り外しできることが望ましい。
【0007】
また、特許文献1に記載の保持装置では、対応できる消火器の胴部外径のサイズは、フックの位置で決まるため、微妙なサイズの違いで保持部(バンド)との間に隙間ができてグラつくなど、消火器を十分に固定できない虞がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、消火器の外径サイズの違いに柔軟に対応して消火器を簡単かつ確実に固定することができると共に、消火器を短時間で取り外すことができる車両用消火器の保持装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、消火器の外周部に装着される輪状の装着部材と、車両側に設けられて前記装着部材を取り外し可能に保持する保持部材と、を備え、前記装着部材が、当該装着部材の内側に凸となるように湾曲されて前記消火器の外周部に当接する弾性変形可能な複数の湾曲部と、前記保持部材に係合する係合部と、を備え、前記装着部材に前記保持部材から離れる方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記係合部もしくは前記保持部材の少なくともいずれか一方が変形されて前記係合部と前記保持部材との係合が外れる構成とされていることを特徴とする車両用消火器の保持装置にある。
【0010】
かかる第1の態様では、装着部材を消火器に嵌め込んで装着し装着部材の係合部を車体側の保持部材に係合させるだけの簡単な構成で、確実かつ容易に消火器を車両に取り付けることができる。一方で、消火器を取り外す場合には、係合部が保持部材から離れる方向に力を加えることで、すなわち消火器を手前に引くだけで、係合部と保持部材の係合が外れるので、極めて容易かつ素早く消火器を取り外すことが可能となる。しかも、装着部材の複数の湾曲部が消火器の外径サイズに応じて弾性変形するので、外径サイズの異なる消火器に対しても柔軟に対応することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、前記保持部材は、前記装着部材の係合部を掛止すると共に弾性力によって挟持する掛止部を備えており、前記装着部材に前記保持部材から離れる方向に所定値以上の荷重が作用すると前記掛止部が変形されることを特徴とする第1の態様の車両用消火器の保持装置にある。
【0012】
かかる第2の態様では、より確実に消火器を固定できると共に、より確実かつ容易に消火器を取り外すことができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、前記保持部材は、前記掛止部を備える連結部材と、車両に固定されると共に前記連結部材を着脱可能に固定する固定部材と、で構成されていることを特徴とする第2の態様の車両用消火器の保持装置にある。
【0014】
かかる第3の態様では、消火器を取り外す際に掛止部が変形した場合でも、連結部材を交換するだけで再使用することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、前記湾曲部は、その消火器の装着方向での断面形状が前記装着部材の内側に凸となるように湾曲していることを特徴とする第1〜3の何れか一つの態様の車両用消火器の保持装置にある。
【0016】
かかる第4の態様では、装着部材を極めて容易且つ確実に消火器の外周部に装着することができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、前記係合部が、前記装着部材の外周面に逆L字状に張り出して設けられていることを特徴とする第1〜4の何れか一つの態様の車両用消火器の保持装置にある。
【0018】
かかる第5の態様では、消火器を確実に固定することができ、且つさらに容易に消火器を車両から取り外すことができる。
【発明の効果】
【0019】
かかる本発明では、車両走行中に消火器が車両から外れない程度に、消火器を確実に車両に固定することができ、且つ、火災等の緊急時には、消火器を極めて容易に短時間で車両から取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る車両用消火器の保持装置の使用状態を示す概略図である。
【図2】実施形態1に係る車両用消火器の保持装置を示す斜視図である。
【図3】実施形態1に係る車両用消火器の保持装置を示す平面図及び断面図である。
【図4】実施形態1に係る車両用消火器の保持装置を示す断面図である。
【図5】実施形態1に係る車両用消火器の保持装置を示す断面図である。
【図6】実施形態1に係る車両用消火器の保持装置を示す断面図である。
【図7】実施形態2に係る装着部材を示す斜視図である。
【図8】実施形態2に係る車両用消火器の保持装置を示す断面図である。
【図9】実施形態3に係る車両用消火器の保持装置を示す斜視図である。
【図10】実施形態3に係る車両用消火器の保持装置の変形例を示す断面図である。
【図11】実施形態4に係る装着部材を示す斜視図である。
【図12】実施形態4に係る車両用消火器の保持装置を示す断面図である。
【図13】実施形態4に係る車両用消火器の保持装置の変形例を示す断面図である。
【図14】他の実施形態に係る装着部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態に係る車両用消火器の保持装置(以下、単に「保持装置」という)10は、例えば、乗用車等の車両1のトランクルーム2内に設置され、消火器3を縦置きの状態で車両1に固定する。
【0023】
この保持装置10は、図2に示すように、消火器3の外周部に装着される輪状の装着部材11と、車両1側に固定されて装着部材11を取り外し可能に保持する保持部材12と、で構成されている。
【0024】
輪状の装着部材11は、図3(a)に示すように、消火器3の装着方向(消火器3の長手方向)から見て、その周方向内側に凸となるように湾曲した板状の部材からなる複数の湾曲部13で構成される装着部14と、平板状の部材で構成される係合部15とを、備えている。すなわち、装着部材11は、複数の湾曲部13で構成される装着部14の両端が係合部15によって接続されて、輪状に形成されている。
【0025】
また装着部材11は、その内径が消火器3の外径よりも狭くなっている。例えば、本実施形態では、湾曲部13は、図3に示すように、消火器3の装着方向からみて装着部材11の周方向内側に湾曲しているだけでなく、横方向から見た形状が装着部材11の内側に凸となるように湾曲している。つまり湾曲部13は、図3(b)中で上下方向の断面形状が、装着部材11の内側(消火器3側)に凸となるように湾曲している。このため、消火器3の装着方向における装着部材11の内径は、中央部が最も狭く両外側に向かって漸大している。そして装着部材11は、消火器3の装着方向における少なくとも中央部の内径が消火器3の外径よりも狭くなっている。
【0026】
このような装着部材11を消火器3に装着する際には、図4(a)及び図4(b)に示すように、装着部14を構成する各湾曲部13の内面に消火器3の底部が当接し、湾曲部13が弾性変形して外側に押し広げられる。これにより、装着部材11は、湾曲部13が消火器3の外周部に当接された状態で装着される。そして、消火器3の外周部に装着された装着部材11は、複数の湾曲部13の弾性力によって消火器3の外周部を挟持した状態になる。
【0027】
このように装着部材11は、消火器3の外周部に極めて容易に装着することができる。また装着部材11は、上述のように弾性変形可能な複数の湾曲部13の弾性力によって消火器3の外周部を挟持している。このため、湾曲部13の湾曲量によるが、装着部材11は、外径が異なる複数種類の消火器3に装着することができる。つまり、装着部材11の複数の湾曲部13が消火器3の外径サイズに応じて弾性変形するので、外径サイズの異なる消火器3に対しても柔軟に対応することができる。
【0028】
一方、保持部材12は、図2及び図3に示すように、本体部16と、装着部材11の係合部15が掛止される掛止部17とを備え、例えば、本体部16がリベット等の締結部材4によって車両1に固定されている。本体部16と掛止部17とは、これらの下端部を湾曲させて一体的に形成されている。この保持部材12の本体部16と掛止部17との隙間に上方から装着部材11の係合部15を差し込むことで、装着部材11が保持部材12によって掛止されるようになっている。
【0029】
掛止部17は、本実施形態では、装着部材11の係合部15を挟持可能にクリップ状に形成されている。具体的には、図5(a)に示すように、保持部材12の本体部16と掛止部17の先端側との隙間は、装着部材11の係合部15の厚さよりも狭くなっている。装着部材11を保持部材12に係合させる際には、図5(b)に示すように、掛止部17を外側に若干押し広げながら係合部15を本体部16と掛止部17との隙間に差し込む。これにより、装着部材11の係合部15は、掛止部17に掛止され、且つ本体部16と掛止部17とで挟持される。このとき掛止部17は弾性変形しているため、装着部材11の係合部15は、掛止部17の弾性力によって本体部16側に付勢され、その移動が規制される。つまり消火器3に装着された装着部材11の係合部15が車両1に固定された保持部材12の掛止部17に掛止されることで、消火器3が車両1に固定されることになる。また、掛止部17は、本体部16側とは反対側(図6の左側)、つまり掛止部17と本体部16との隙間が拡がる方向に所定以上の荷重が作用すると変形するように設定されている。これにより、本実施形態の保持装置10は、消火器3を素早く取り外すことができるようになっている。具体的には、図6に示すように、消火器3を保持部材から引き離す方向へある程度の強さで引っ張って移動させると、装着部材11の係合部15によって保持部材12の掛止部17が引っ張られて変形される。これにより本体部16と掛止部17との間隔が拡がり、装着部材11を保持部材12から容易に取り外すことができるようになっている。
【0030】
すなわち本実施形態の保持装置10は、装着部材11に保持部材12から離れる方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、掛止部17が変形されて装着部材11の係合部15と保持部材12との係合が外れる構成とされている。
【0031】
このように本実施形態の保持装置10によれば、極めて簡易な構成で、車両走行中に消火器3が外れることがない程度に消火器3を十分に車両1に固定することができる。
【0032】
また、消火器3の取り外しも、簡単な操作で行え、特に火災等の緊急時には、トランクルーム2内に搭載された消火器3を手前(保持部材12から離れる方向)に移動させることで、極めて簡単かつ素早く消火器3を車両1から取り外すことができる。
【0033】
勿論、消火器3を所望の方向に移動させることができる十分なスペースがあり時間的な余裕もある場合には、消火器3を上方に持ち上げて、装着部材11の係合部15を保持部材12の本体部16と掛止部17との隙間から引き抜くことにより、掛止部17を変形させることなく、消火器3を車両1から取り外すことができる。
【0034】
(実施形態2)
本実施形態に係る保持装置10Aは、実施形態1の構成に基づいて係合部及び保持部材の構造を変更した例である。実施形態1に係る装着部材11は、複数の湾曲部13と平板状の係合部15とで輪状に形成されていたが、本実施形態に係る装着部材11Aは、図7及び図8に示すように、複数の湾曲部13のみによって輪状に形成されている。そして係合部15Aが、装着部材11Aを構成する何れかの湾曲部13の外周面に逆L字状に張り出して設けられている。
【0035】
また実施形態1に係る保持部材12は、本体部16と、略L字状の掛止部17とで構成されていたが、本実施形態に係る保持部材12Aには、L字状の掛止部17が設けられておらず、本体部16Aが掛止部17Aを兼ねている。すなわち図8に示すように、装着部材11Aは、係合部15Aが保持部材12Aの本体部16A(掛止部17A)に掛止されるようになっている。またこのとき係合部15Aは弾性変形して掛止部17Aを挟持するようになっている。そして、係合部15Aは、係合部15Aと湾曲部13の外周面との間隔が拡がる方向に所定以上の荷重が作用すると変形するように設定されている。つまり、本実施形態の保持装置10Aでは、装着部材11に保持部材12から離れる方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、係合部15が変形されて装着部材11の係合部15と保持部材12との係合が外れる構成となっている。
【0036】
このような本実施形態の構成においても、車両走行中に消火器3が車両1から外れてしまうことがない程度に消火器3を十分に固定することができる。また火災等の緊急時には、消火器3を極めて容易に短時間で車両1から取り外すことができる。すなわち、消火器3を手前(保持部材12Aから離れる方向)に移動させることで、装着部材11の係合部15Aが変形するため、装着部材11Aを保持部材12Aから容易に取り外すことができる。
【0037】
(実施形態3)
本実施形態に係る保持装置10Bは、実施形態1の構成に基づいて保持部材の構造を変更した例である。図9及び図10に示すように、本実施形態に係る保持部材12Bは、車両1に固定される固定部材19と、固定部材19と装着部材11とを連結する連結部材20とを備えている。なお本実施形態の固定部材19は、実施形態2に係る保持部材12Aと同様の形状を有している。
【0038】
連結部材20は、断面略S字形状を有し、平板状の本体部21と、本体部21の下端から連続して設けられて装着部材11の係合部15が掛止される掛止部17Bを備えると共に、本体部21の掛止部17Bとは反対面側には、本体部21の上端から連続して設けられて固定部材19に係止される係止部22とで構成されている。
【0039】
つまり、本実施形態の保持装置10Bでは、連結部材20が、保持部材12Bの固定部材19と装着部材11の係合部15との間に設けられて、固定部材19と係合部15の両者を連結している。具体的には、図10に示すように、連結部材20の係止部22が固定部材19に係合され、本体部21と係止部22との隙間に弾性力によって固定部材19を挟持することで固定されている。さらに連結部材20の掛止部17Bに、上述の実施形態1と同様、装着部材11の係合部15が掛止部17Bの弾性力で挟持された状態で掛止される。そして、掛止部17Bは、実施形態1の掛止部17同様、掛止部17Bと本体部21との隙間が拡がる方向に所定以上の荷重が作用すると変形するように設定されている。
すなわち本実施形態の保持装置10Bは、装着部材11に保持部材12Bから離れる方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、掛止部17Bが変形されて装着部材11の係合部15と保持部材12Bとの係合が外れる構成とされている。
【0040】
これにより、実施形態1の構成と同様、車両走行中に消火器3が車両1から外れてしまうことがない程度に消火器3を十分に固定することができ、また火災等の緊急時には、消火器3を極めて容易に短時間で車両1から取り外すことができる。
【0041】
さらに、他の実施形態1、2では、緊急時等において消火器3を車両1から取り外す際に、掛止部17や係合部15Aを変形させた場合、そのまま再使用することはできず、保持部材12や装着部材11Aを交換する必要があるが、本実施形態の構成では、連結部材20のみを交換すればよく、極めて容易に保持装置10Bを再使用することができるようになる。
【0042】
なお、本実施形態では、連結部材20の掛止部17Bが変形するように設定しているが、掛止部17Bだけでなく係止部22も変形するように設定してもよい。
【0043】
(実施形態4)
本実施形態に係る保持装置10Cは、実施形態3の構成に基づいて装着部材及び連結部材の構造を変更した例である。実施形態3では、装着部材11の係合部15が、装着部14を構成する湾曲部13の両端を連結する板状の部材で構成されていたが、本実施形態では、図11及び図12に示すように、装着部材11Cの係合部15Cが、実施形態2と同様に湾曲部13の外周面に略逆L字状に張り出して設けられている。本実施形態の保持装置10Cであれば、実施形態3の作用効果に加えて、緊急時に消火器3を取り外す際、消火器3を手前(保持部材12Cから離れる方向)に軽く引っ張りながら、横方向(左右方向)にスライド或いは回転させることによっても容易に消火器3を車両1から取り外すことができる。
【0044】
また係合部15Cには、その下端から連続するスリット部23が設けられている。一方、連結部材20Cの本体部21には、図12に示すように、係合部15Cのスリット部23に係合する凸部24が設けられている。このような構成により、係合部15Cが連結部材20Cに掛止された状態で、装着部材11Cの左右方向の移動が規制される。すなわち、スリット部23と凸部24とで横方向の位置が規制されているので、係合部15Cと連結部材20の掛止部17Bとの掛止位置が車両1の振動等によってズレることを確実に防止することができる。したがって本実施形態の保持装置10Cによっても、車両走行中に外れない程度に消火器3を車両1に確実に固定することができる。
【0045】
また本実施形態では、連結部材20Cの係止部22の弾性力によって、連結部材20が固定部材19に固定されるようにしているが、連結部材20の構成はこれに限定されるものではない。例えば、図13に示すように、係止部22に本体部21側に向かって突出する突起部25を設けると共に、固定部材19にこの突起部25が係合する開口部26を設けるようにしてもよい。すなわち突起部25が開口部26に係合することで、連結部材20Cの係止部22が上方(係止部22の係合を外す方向)に抜けないように固定部材19に固定してもよい。これにより、連結部材20Cと固定部材19とをより確実に固定することができ、且つ連結部材20Cを固定部材19から容易に取り外すことができる。
【0046】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態1及び3では、装着部材11が複数の湾曲部13と一つの係合部15とによって構成されているが、装着部材11の構成はこれに限定されず、例えば、図14に示すように、装着部材11の周方向で湾曲部13と係合部15とが交互に配置されていてもよい。
【0047】
また例えば、上述の実施形態では、車両のトランクルームに消火器を縦置きした例を示したが、例えば、消火器を横置きする場合にも、勿論、本発明を適用することができる。また、消火器を設置する場所も特に限定されず、例えば、シート下等であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 車両
2 トランクルーム
3 消火器
4 締結部材
10 保持装置
11 装着部材
12 保持部材
13 湾曲部
14 装着部
15 係合部
16 本体部
17 掛止部
19 固定部材
20 連結部材
21 本体部
22 係止部
23 スリット部
24 凸部
25 突起部
26 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火器の外周部に装着される輪状の装着部材と、
車両側に設けられて前記装着部材を取り外し可能に保持する保持部材と、を備え、
前記装着部材が、当該装着部材の内側に凸となるように湾曲されて前記消火器の外周部に当接する弾性変形可能な複数の湾曲部と、前記保持部材に係合する係合部と、を備え、
前記装着部材に前記保持部材から離れる方向に所定値以上の荷重が作用した場合に、前記係合部もしくは前記保持部材の少なくともいずれか一方が変形されて前記係合部と前記保持部材との係合が外れる構成とされていることを特徴とする車両用消火器の保持装置。
【請求項2】
前記保持部材は、前記装着部材の係合部を掛止すると共に弾性力によって挟持する掛止部を備えており、前記装着部材に前記保持部材から離れる方向に所定値以上の荷重が作用すると前記掛止部が変形されることを特徴とする請求項1に記載の車両用消火器の保持装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記掛止部を備える連結部材と、車両に固定されると共に前記連結部材を着脱可能に固定する固定部材と、で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用消火器の保持装置。
【請求項4】
前記湾曲部は、その消火器の装着方向での断面形状が前記装着部材の内側に凸となるように湾曲していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の車両用消火器の保持装置。
【請求項5】
前記係合部が、前記装着部材の外周面に逆L字状に張り出して設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用消火器の保持装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−229759(P2011−229759A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104378(P2010−104378)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【出願人】(000176811)三菱自動車エンジニアリング株式会社 (402)
【Fターム(参考)】