説明

車両用灯具

【課題】配光調整の精度の向上。
【解決手段】この発明は、集光用ランプユニット1と、拡散用ランプユニット101と、灯室27を区画するランプハウジング25およびランプレンズ27と、集光用ランプユニット1と拡散用ランプユニット101とを灯室27内に一体に配置させてかつランプハウジング25に一体に光軸調整可能に取り付ける光軸調整装置28と、を備える。集光用ランプユニット1は、集光用配光パターンSPを照射する。拡散用ランプユニット101は、拡散用配光パターンWPを照射する。この結果、この発明は、主な配光規格を満足させかつ光軸の基準となる集光用配光パターンSPを形成する集光用ランプユニット1を1個とすることにより、配光調整が容易となり、かつ、配光調整を精度良く行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体型光源を光源とし、かつ、複数の反射面を有する車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、半導体型光源と、第1反射面と、第2反射面と、第3反射面と、第4反射面と、を備えるものである。以下、従来の車両用灯具の作用について説明する。半導体型光源を点灯発光させる。すると、半導体型光源から放射される光の一部は、第1反射面で反射する。その反射光の一部は、第3反射面で反射されて上縁に水平カットラインを有する配光パターンとして路面に照射される。また、第1反射面からの反射光の残りは、主に第2反射面で反射されて前記の配光パターン内に重なるホットスポット部分と水平カットラインよりも上方にとびだす斜めカットラインを有する突出部分とを備える配光パターンとして路面に照射される。さらに、半導体型光源から放射される光の残りは、主に第4反射面で反射されてオーバーヘッドサイン用配光パターンとしてオーバーヘッドサイン(頭上標識)などに照射される。このように、従来の車両用灯具は、複数個のランプユニットで理想の配光パターンが得られる。
【0003】
【特許文献1】特開2008−41557号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする課題は、前記の従来の車両用灯具の改良という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明(請求項1にかかる発明)は、集光用ランプユニットと、拡散用ランプユニットと、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、集光用ランプユニットと拡散用ランプユニットとを灯室内に一体に配置させてかつランプハウジングに一体に光軸調整可能に取り付ける光軸調整装置と、を備え、集光用ランプユニットが、楕円反射面の第1反射面と、第1反射面の第1焦点もしくはその近傍に配置されている半導体型光源と、第1反射面からの反射光を制御して集光用配光パターンとして路面に反射させる放物線反射面と、から構成されていて、拡散用ランプユニットが、楕円反射面の第1反射面と、第1反射面の第1焦点もしくはその近傍に配置されている半導体型光源と、第1反射面からの反射光を制御して拡散用配光パターンとして路面に反射させる放物線反射面と、から構成されている、ことを特徴とする。
【0006】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、集光用ランプユニットが拡散用ランプユニットに対して車両の内側に位置する、ことを特徴とする。
【0007】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、集光用ランプユニットが、第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に設けられていて第1反射面からの反射光の一部をカットオフするシェードと、シェードに設けられていてシェードによりカットオフされた第1反射面からの反射光の一部を放物線反射面に反射させるシェード反射面と、焦点が第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に位置していて第1反射面からの反射光およびシェード反射面からの反射光を制御して水平カットオフラインおよび斜めカットオフラインを有する集光用配光パターンとして路面に反射させる放物線反射面と、を備え、拡散用ランプユニットが、第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に設けられていて第1反射面からの反射光の一部をカットオフするシェードと、シェードに設けられていてシェードによりカットオフされた第1反射面からの反射光の一部を放物線反射面に反射させるシェード反射面と、焦点が第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に位置していて第1反射面からの反射光およびシェード反射面からの反射光を制御して水平カットオフラインを有する拡散用配光パターンとして路面に反射させる放物線反射面と、を備える、ことを特徴とする。
【0008】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、拡散用配光パターンの水平カットオフラインが集光用配光パターンの水平カットオフラインよりも下側に設定されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、集光用ランプユニットにより主な配光規格を満足させかつ光軸の基準となる集光用配光パターンを形成し、拡散用ランプユニットにより商品性を向上させる拡散用配光パターンを形成する。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、主な配光規格を満足させかつ光軸の基準となる集光用配光パターンを形成する集光用ランプユニットを1個とすることにより、配光調整が容易となり、かつ、配光調整を精度良く行うことができる。特に、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、配光調整が容易となりかつ配光調整を精度良く行うことができるので、1個の集光用ランプユニットにより形成される集光用配光パターンに水平カットオフラインおよび斜めカットオフラインを有し、かつ、拡散用ランプユニットにより形成される拡散用配光パターンに水平カットオフラインを有する場合においては、有用である。すなわち、集光用配光パターンの水平カットオフラインおよび斜めカットオフラインを基準とすれば、集光用配光パターンの水平カットオフラインおよび斜めカットオフラインと拡散用配光パターンの水平カットオフラインとの誤認を防止することができ、かつ、カットオフラインの誤認による迷光を防止することができて有用である。
【0010】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、図12に示すように、集光用ランプユニット1が拡散用ランプユニット101に対して車両の内側に位置するので、車両の内側にインナーパネル33などの障害物が存在する場合においては、有用である。すなわち、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPの広がり範囲W1が拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPの広がり範囲W2よりも狭い。このために、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSP、および、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPは、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られるようなことがない。これにより、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPの広がり範囲W1、および、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPの広がり範囲W2は、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により狭められるようなことがない。これに対して、図13に示すように、拡散用ランプユニット101を集光用ランプユニット1に対して車両の内側に位置させる場合。この場合においては、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPは、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られるようなことがないが、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPは、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られる。このために、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPの広がり範囲W1は、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により狭められるようなことがないが、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPの広がり範囲W3は、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られた範囲W4分、狭められることとなる。すなわち、W3=W2−W4となる。ここで、たとえば、車両の内側に位置させた集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られたとしても、その集光用配光パターンSPが遮られる範囲(図示せず)が、車両の内側に位置させた拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られる範囲W4よりも狭くて済む。また、車両の外側に位置させた拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られたとしても、その拡散用配光パターンWPが遮られる範囲(図示せず)が、車両の内側に位置させた拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られる範囲W4よりも狭くて済む。これにより、車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られる集光用配光パターンSPの範囲および拡散配光パターンWPの範囲を減少させることができ、その分、配光効率を向上させることができて有用である。
【0011】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、集光用ランプユニットおよび拡散用ランプユニットの第1反射面からの反射光の一部をシェードでカットオフするので、集光用ランプユニットおよび拡散用ランプユニットの放物線反射面で水平カットオフラインと斜めカットオフラインを有する集光用配光パターンおよび水平カットオフラインを有する拡散用配光パターン、すなわち、水平カットオフラインと斜めカットオフラインを有するすれ違い用配光パターンを容易に制御することができる。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、シェードによりカットオフされた第1反射面からの反射光の一部をシェード用反射面で放物線反射面に反射させるので、半導体型光源から放射される光を有効に利用することができる。これにより、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、1個の集光用ランプユニットと1個の拡散用ランプユニットで理想のすれ違い用配光パターンを得ることができ、交通安全に貢献することができる。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、拡散用配光パターンの水平カットオフラインが集光用配光パターンの水平カットオフラインよりも下側に設定されているので、車両用灯具の構成部品に製造ばらつきがある場合においても、拡散用配光パターンの水平カットオフラインが集光用配光パターンの水平カットオフラインよりも上側に上がるようなことが無く、その分、歩留まりが良く、製造コストが安価となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。図面において、符号「F」は、車両の前方向側(車両の前進方向側)を示す。符号「B」は、車両の後方向側を示す。符号「U」は、ドライバー側から前方向側を見た上方向側を示す。符号「D」は、ドライバー側から前方向側を見た下方向側を示す。符号「L」は、ドライバー側から前方向側を見た場合の左方向側を示す。符号「R」は、ドライバー側から前方向側を見た場合の右方向側を示す。符号「H−H」は、水平軸(車両の進行軸と平行な軸)を示す。前記の前、後、上、下、左、右、水平は、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右、水平である。また、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。
【実施例】
【0014】
以下、この実施例における車両用灯具の構成について説明する。この実施例における車両用灯具は、車両(自動車)の前部の左右にそれぞれ装備される、たとえば、リフレクタタイプ(反射タイプ)の4灯式のすれ違い用(ロービーム用)のヘッドランプである。前記ヘッドランプは、日本の左側通行に使用するものである。欧州の左側通行に使用されるヘッドランプは、前記ヘッドランプとほぼ同様の構成からなる。また、欧州の右側通行および北米の右側通行に使用されるヘッドランプは、前記ヘッドランプとほぼ同様の構成からなりかつ左右逆のレイアウトからなる。
【0015】
以下、車両の前部の左側に装備されるこの実施例における車両用灯具の構成について説明する。なお、車両の前部の右側に装備される車両用灯具は、車両の前部の左側に装備される車両用灯具とほぼ同等の構成からなりかつかつ左右逆のレイアウトからなるので、説明を省略する。
【0016】
この実施例における車両用灯具は、図1、図12に示すように、1個の集光用ランプユニット1と、1個の拡散用ランプユニット101と、ランプハウジング25と、ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターレンズなど)26と、を備えるものである。前記集光用ランプユニット1と前記拡散用ランプユニット101とは、前記ランプハウジング25および前記ランプレンズ26により区画されている灯室27内に一体に配置されている。また、前記集光用ランプユニット1と前記拡散用ランプユニット101とは、光軸調整装置28を介して前記ランプハウジング25に一体に光軸調整可能に取り付けられている。さらに、前記集光用ランプユニット1は、前記拡散用ランプユニット101に対して、車両の内側(右側)に位置する。
【0017】
前記光軸調整装置28は、図1に示すように、ブラケット29と、ピボット機構30と、上下用のアジャストスクリュウおよびスクリューマウンティング31と、左右用のアジャストスクリュウおよびスクリューマウンティング32と、から構成されている。前記ブラケット29には、前記集光用ランプユニット1と前記拡散用ランプユニット101とが一体に取り付けられている。前記ブラケット29と前記ランプハウジング25との間には、前記ピボット機構30および前記上下用のアジャストスクリュウおよびスクリューマウンティング31および前記左右用のアジャストスクリュウおよびスクリューマウンティング32が設けられている。この結果、前記集光用ランプユニット1と前記拡散用ランプユニット101とは、前記光軸調整装置28を介して前記ランプハウジング25に光軸調整可能に取り付けられることとなる。
【0018】
図1、図10、図11に示すように、前記灯室27内には、インナーパネル33が配置されている。前記インナーパネル33は、前記ランプハウジング25や前記ブラケット29に取り付けられている。前記インナーパネル33は、前記集光用ランプユニット1および前記拡散用ランプユニット101に対して、車両の内側(右側)に位置する。前記インナーパネル33は、前記灯室27内に配置されている前記光軸調整装置28(前記ピボット機構30および前記上下用のアジャストスクリュウおよびスクリューマウンティング31)やその他の部品(図示せず)を覆い隠して、前記ランプレンズ26から前記灯室27内を見た際に、前記光軸調整装置28(前記ピボット機構30および前記上下用のアジャストスクリュウおよびスクリューマウンティング31)やその他の部品が見えないようにするものである。
【0019】
前記集光用ランプユニット1は、図2に示すように、リフレクタ2と、半導体型光源3と、ヒートシンク部材4と、から構成されている。前記リフレクタ2は、たとえば、光不透過性の樹脂などから構成されている。前記リフレクタ2は、図2および図3に示すように、楕円部5と、放物線部6と、傾斜部7と、水平部8と、から一体に構成されている。
【0020】
前記楕円部5は、回転楕円形状のものを長軸方向と短軸方向とに4分割した形状をなし、長軸方向の第1開口部9と短軸方向の第2開口部10とを有する。前記楕円部5の前記第1開口部9の縁には、前記傾斜部7が一体に設けられている。前記傾斜部7の一縁(上縁)には、前記水平部8の一縁(前縁)が一体に設けられている。前記水平部8の他縁(後縁)には、前記放物線部6の一縁(下縁)が一体に設けられている。前記楕円部5は、前記放物線部6に対して、前方斜め下側に位置する。前記放物線部6は、前記楕円部5の前記第2開口部10に対向する。前記傾斜部7は、前記水平部8に対して、一縁(上縁)が前記集光用ランプユニット1の光の照射方向と反対方向側(後側)に、かつ、他縁(下縁)が前記集光用ランプユニット1の光の照射方向側(前側)に、傾斜している。前記水平部8は、水平軸H−Hと平行(ほぼ平行も含む)である。
【0021】
前記リフレクタ2には、第1反射面11および第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14および第5反射面15およびシェード16およびシェード反射面17などの光学部品が一体に構成されている。すなわち、前記楕円部5の前記第1開口部9および前記第2開口部に対向する内面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて前記第1反射面11が一体に形成されている。前記放物線部6の前記第2開口部10および前記第1反射面11と対向する内面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて前記第2反射面12および前記第3反射面13および前記第4反射面14および前記第5反射面15が一体に形成されている。前記傾斜部7の一縁(上縁)7には、前記シェード16が一体に形成されている。前記シェード16の前記第2開口部10および前記第1反射面11および前記第2反射面12および前記第3反射面13および前記第4反射面14と対向する面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて前記シェード反射面17が一体に形成されている。
【0022】
前記半導体型光源3は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。前記半導体型光源3は、図3に示すように、基板18と、前記基板18の一面に設けられている光源チップ19と、前記光源チップ19を覆う半球形状(ドーム形状)の光透過部材(レンズ)20と、からなるものである。前記光源チップ19は、この例では、長方形形状をなす。
【0023】
前記半導体型光源3は、ホルダ21を介してスクリュー22により前記ヒートシンク部材4に固定されている。また、前記リフレクタ2の前記傾斜部7は、スクリュー23により前記ヒートシンク部材4に固定されている。この結果、前記集光用ランプユニット1が構成される。このとき、前記リフレクタ2の前記楕円部5の前記第1開口部9は、前記ヒートシンク部材4により閉塞されている。また、前記リフレクタ2の前記楕円部5の前記第1反射面11は、前記半導体型光源3に対向する。さらに、前記半導体型光源3の長方形形状の前記光源チップ19は、水平軸(車両の進行軸)H−Hに対して直交(ほぼ直交も含む)である。すなわち、前記半導体型光源3は、横差バルブ(円柱形状のフィラメントが水平軸(車両の進行軸)H−Hに対して直交(ほぼ直交も含む)であるバルブ)と同様な構成となる。なお、図2において、前記リフレクタ2を前記ヒートシンク部材4に固定するスクリュー23は、2本図示されていて、2本図示が省略されている。
【0024】
前記第1反射面11は、楕円反射面である。楕円反射面は、楕円を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面、あるいは、回転楕円面からなる反射面である。楕円を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面は、図3の垂直断面が楕円をなし、かつ、図示しない水平断面が放物線ないし変形放物線ないし変形楕円ないしそれらの組み合わせからなる反射面である。この結果、楕円反射面である前記第1反射面11は、光軸Z1−Z1と、第1焦点F11と、第2焦点(もしくは第2焦線)F12と、を有する。図3に示すように、前記第1反射面11の光軸Z1−Z1は、側面から見て、水平軸H−Hに対して傾斜している。前記第1焦点F11は、前記第2焦点F12に対して、前方斜め下側に位置する。前記半導体型光源3の前記光源チップ19は、前記第1反射面11の第1焦点F11もしくはその近傍に位置する。この結果、前記半導体型光源3の前記光源チップ19から放射される光の大部分L1は、前記第1反射面11で反射されて前記第1反射面11の第2焦点F12もしくはその近傍に収束する(集まる)。
【0025】
前記第2反射面12および前記第3反射面13および前記第4反射面14および前記第5反射面15は、放物線反射面である。放物線反射面は、放物線を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面、あるいは、回転放物面からなる反射面である。放物線を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面は、図3の垂直断面が放物線をなし、かつ、図示しない水平断面が楕円ないし変形楕円ないし変形放物線ないしそれらの組み合わせからなる反射面である。この結果、放物線反射面である前記第2反射面12および前記第3反射面13および前記第4反射面14および前記第5反射面15は、光軸Z2−Z2、Z3−Z3、Z4−Z4、Z5−Z5と、焦点(焦線)F2、F3、F4、F5と、を有する。図3に示すように、前記第2反射面12および前記第3反射面13および前記第4反射面14および前記第5反射面15の光軸Z2−Z2、Z3−Z3、Z4−Z4、Z5−Z5は、側面から見て、水平軸H−Hと平行(ほぼ平行も含む)である。前記第2反射面12および前記第3反射面13および前記第4反射面14の焦点F2、F3、F4は、前記第1反射面11の第2焦点F12もしくはその近傍に位置する。前記第5反射面15の焦点F5は、前記第1反射面11の第1焦点F11もしくはその近傍に位置する。
【0026】
前記第1反射面11は、前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14および前記第5反射面15に対して前方斜め下側に位置する。前記第1反射面11および前記半導体型光源3側と前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14および前記第5反射面15側との間には、前記第1反射面11からの反射光および前記半導体型光源3からの直射光を前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14および前記第5反射面15に通すための開口部、すなわち、前記第2開口部10が設けられている。
【0027】
前記シェード16は、前記第1反射面11からの反射光L2の一部L3をカットオフするものである。前記シェード16のエッジ、すなわち、前記傾斜部7と前記水平部8との角部は、配光パターンのカットオフラインの形成に関与する。一方、前記シェード反射面17は、前記シェード16によりカットオフされた前記第1反射面11からの反射光L2の一部L3を前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14側に反射させるものである。
【0028】
放物反射面の前記第2反射面12および前記第3反射面13および前記第4反射面14は、図2に示すように、縦に分割されている。前記第2反射面12は、中に位置する。前記第3反射面13は、前記第2反射面12の右側に位置する。第4反射面14は、前記第2反射面12の左側に位置する。なお、図面では省略したが、対向車線側(右側)の前記第3反射面13は、走行車線側(左側)の前記第2反射面12に対して、光の反射方向側(前側)に位置する。対向車線側(右側)の前記第2反射面13は、走行車線側(左側)の前記第4反射面14に対して、光の反射方向側(前側)に位置する。この結果、縦に分割されている前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14の間の縦方向の段差24が走行車線側(左側)に向いている。
【0029】
前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14は、前記第1反射面11からの反射光L2(前記シェード16によりカットオフされなかった前記第1反射面11からの反射光L2)および前記シェード反射面17からの反射光L4(前記シェード16によりカットオフされた前記第1反射面11からの反射光L2の一部L3)を制御して図7に示す集光用配光パターンSPとして路面に反射させる反射面である。前記集光用配光パターンSPの上縁には、水平のカットオフラインCL1および斜めのカットオフラインCL2が形成されている。前記集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2は、前記シェード16のエッジおよび前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14により形成される。前記集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1は、スクリーンの左右水平線HL−HRよりも約0.57°下側に位置する。また、前記集光用配光パターンSPの斜めカットオフラインCL2は、水平カットオフラインCL1のスクリーンの上下垂直線VU−VDから左側に約15〜45°傾斜している。前記集光用配光パターンSPは、図11に示すすれ違い用配光パターンLPのホットスポットであって、前記すれ違い用配光パターンLPの主な配光規格を満足させるものである。前記集光用配光パターンSPには、最高光度を有する高光度部(ホットスポット)が存在している。
【0030】
前記第5反射面15は、図2に示すように、縦に分割されている前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14の上方に位置する。前記第5反射面15は、前記半導体型光源3からの光(直射光)L5を制御して図15に示すオーバーヘッドサイン用配光パターンOPとして反射させる反射面である。前記オーバーヘッドサイン用配光パターンOPは、スクリーンの左右水平線HL−HRよりも上側に位置して、図示していないオーバーヘッドサイン(頭上標識)を照明するものである。
【0031】
放物線反射面は、前記第2反射面12と前記第3反射面13と第4反射面14と前記第5反射面15との4個のセグメントに分割されている。また、前記第2反射面12および前記第3反射面13および第4反射面14および前記第5反射面15は、それぞれ、配光特性に応じて、単一のセグメントもしくは複数個のセグメントからなるものである。
【0032】
前記拡散用ランプユニット101は、前記集光用ランプユニット1と同様に、図4に示すように、リフレクタ102と、半導体型光源103と、ヒートシンク部材104と、から構成されている。前記リフレクタ102は、たとえば、光不透過性の樹脂などから構成されている。前記リフレクタ102は、図4および図5に示すように、楕円部105と、放物線部106と、傾斜部107と、水平部108と、から一体に構成されている。
【0033】
前記楕円部105は、回転楕円形状のものを長軸方向と短軸方向とに4分割した形状をなし、長軸方向の第1開口部109と短軸方向の第2開口部110とを有する。前記楕円部105の前記第1開口部109の縁には、前記傾斜部107が一体に設けられている。前記傾斜部107の一縁(上縁)には、前記水平部108の一縁(前縁)が一体に設けられている。前記水平部108の他縁(後縁)には、前記放物線部106の一縁(下縁)が一体に設けられている。前記楕円部105は、前記放物線部106に対して、前方斜め下側に位置する。前記放物線部106は、前記楕円部105の前記第2開口部110に対向する。前記傾斜部107は、前記水平部108に対して、一縁(上縁)が前記拡散用ランプユニット101の光の照射方向と反対方向側(後側)に、かつ、他縁(下縁)が前記拡散用ランプユニット101の光の照射方向側(前側)に、傾斜している。前記水平部108は、水平軸H−Hと平行(ほぼ平行も含む)である。
【0034】
前記リフレクタ102には、第1反射面111および第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114およびシェード116およびシェード反射面117などの光学部品が一体に構成されている。すなわち、前記楕円部105の前記第1開口部109および前記第2開口部110に対向する内面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて前記第1反射面111が一体に形成されている。前記放物線部106の前記第2開口部110および前記第1反射面111と対向する内面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114が一体に形成されている。前記傾斜部107の一縁(上縁)7には、前記シェード116が一体に形成されている。前記シェード116の前記第2開口部110および前記第1反射面111および前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114と対向する面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて前記シェード反射面117が一体に形成されている。
【0035】
前記半導体型光源103は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。前記半導体型光源103は、図5に示すように、基板118と、前記基板118の一面に設けられている光源チップ119と、前記光源チップ119を覆う半球形状(ドーム形状)の光透過部材(レンズ)120と、からなるものである。前記光源チップ119は、この例では、長方形形状をなす。
【0036】
前記半導体型光源103は、ホルダ121を介してスクリュー122により前記ヒートシンク部材104に固定されている。また、前記リフレクタ102の前記傾斜部107は、スクリュー123により前記ヒートシンク部材104に固定されている。この結果、前記拡散用ランプユニット101が構成される。このとき、前記リフレクタ102の前記楕円部105の前記第1開口部109は、前記ヒートシンク部材104により閉塞されている。また、前記リフレクタ102の前記楕円部105の前記第1反射面111は、前記半導体型光源103に対向する。さらに、前記半導体型光源103の長方形形状の前記光源チップ119は、水平軸(車両の進行軸)H−Hに対して直交(ほぼ直交も含む)である。すなわち、前記半導体型光源103は、横差バルブ(円柱形状のフィラメントが水平軸(車両の進行軸)H−Hに対して直交(ほぼ直交も含む)であるバルブ)と同様な構成となる。なお、図4において、前記リフレクタ102を前記ヒートシンク部材104に固定するスクリュー123は、2本図示されていて、2本図示が省略されている。
【0037】
前記第1反射面111は、楕円反射面である。楕円反射面は、楕円を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面、あるいは、回転楕円面からなる反射面である。楕円を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面は、図5の垂直断面が楕円をなし、かつ、図示しない水平断面が放物線ないし変形放物線ないし変形楕円ないしそれらの組み合わせからなる反射面である。この結果、楕円反射面である前記第1反射面111は、光軸Z101−Z101と、第1焦点F111と、第2焦点(もしくは第2焦線)F112と、を有する。図5に示すように、前記第1反射面111の光軸Z101−Z101は、側面から見て、水平軸H−Hに対して傾斜している。前記第1焦点F111は、前記第2焦点F112に対して、前方斜め下側に位置する。前記半導体型光源103の前記光源チップ119は、前記第1反射面111の第1焦点F111もしくはその近傍に位置する。この結果、前記半導体型光源103の前記光源チップ119から放射される光の大部分L101は、前記第1反射面111で反射されて前記第1反射面111の第2焦点F112もしくはその近傍に収束する(集まる)。
【0038】
前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114は、放物線反射面である。放物線反射面は、放物線を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面、あるいは、回転放物面からなる反射面である。放物線を基調(基本、基準)とする自由曲面からなる反射面は、図5の垂直断面が放物線をなし、かつ、図示しない水平断面が楕円ないし変形楕円ないし変形放物線ないしそれらの組み合わせからなる反射面である。この結果、放物線反射面である前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114は、光軸Z102−Z102、Z103−Z103、Z104−Z104と、焦点(焦線)F102、F103、F104と、を有する。図5に示すように、前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114の光軸Z102−Z102、Z103−Z103、Z104−Z104は、側面から見て、水平軸H−Hと平行(ほぼ平行も含む)である。前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114の焦点F102、F103、F104は、前記第1反射面111の第2焦点F112もしくはその近傍に位置する。
【0039】
前記第1反射面111は、前記第2反射面112および前記第3反射面113および第4反射面114に対して前方斜め下側に位置する。前記第1反射面111および前記半導体型光源103側と前記第2反射面112および前記第3反射面113および第4反射面114側との間には、前記第1反射面111からの反射光および前記半導体型光源103からの直射光を前記第2反射面112および前記第3反射面113および第4反射面114に通すための開口部、すなわち、前記第2開口部110が設けられている。
【0040】
前記シェード116は、前記第1反射面111からの反射光L102の一部L103をカットオフするものである。前記シェード116のエッジ、すなわち、前記傾斜部107と前記水平部108との角部は、配光パターンのカットオフラインの形成に関与する。一方、前記シェード反射面117は、前記シェード116によりカットオフされた前記第1反射面111からの反射光L102の一部L103を前記第2反射面112および前記第3反射面113および第4反射面114側に反射させるものである。
【0041】
放物反射面の前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114は、図4に示すように、縦に分割されている。前記第2反射面112は、中に位置する。前記第3反射面113は、前記第2反射面112の右側に位置する。第4反射面114は、前記第2反射面112の左側に位置する。なお、図面では省略したが、対向車線側(右側)の前記第3反射面113は、走行車線側(左側)の前記第2反射面112に対して、光の反射方向側(前側)に位置する。対向車線側(右側)の前記第2反射面113は、走行車線側(左側)の前記第4反射面114に対して、光の反射方向側(前側)に位置する。この結果、縦に分割されている前記第2反射面112および前記第3反射面113および第4反射面114の間の縦方向の段差124が走行車線側(左側)に向いている。
【0042】
前記第2反射面112および前記第3反射面113および第4反射面114は、前記第1反射面111からの反射光L102(前記シェード116によりカットオフされなかった前記第1反射面111からの反射光L102)および前記シェード反射面117からの反射光L104(前記シェード116によりカットオフされた前記第1反射面111からの反射光L102の一部L103)および前記半導体型光源103からの光(直射光)L105を制御して図9に示す拡散用配光パターンWPとして路面に反射させる反射面である。前記拡散用配光パターンWPの上縁には、水平のカットオフラインCL101が形成されている。前記拡散用配光パターンWPの水平カットオフラインCL101は、前記シェード116のエッジおよび前記第2反射面112および前記第3反射面113および前記第4反射面114により形成される。前記拡散用配光パターンWPは、図11に示すすれ違い用配光パターンLPの水平拡散であって、前記すれ違い用配光パターンLPの商品性を向上させる拡散配光を形成するものである。前記拡散用配光パターンWPの水平カットオフラインCL101は、前記集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1よりも約0.3〜1°下側に設定されている。なお、図15に示すように、 前記拡散用配光パターンWPの水平カットオフラインCL101を前記集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1と同位置に設定しても良い。
【0043】
放物線反射面は、前記第2反射面112と前記第3反射面113と第4反射面114との3個のセグメントに分割されている。また、前記第2反射面112および前記第3反射1面13および第4反射面114は、それぞれ、配光特性に応じて、単一のセグメントもしくは複数個のセグメントからなるものである。なお、前記拡散用ランプユニット101においては、前記集光用ランプユニット1と同様に、前記第2反射面112および前記第3反射1面13および第4反射面114の上方に放物線反射面のオーバーヘッドサイン用の第5反射面を設けても良い。
【0044】
この実施例における車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0045】
まず、集光用ランプユニット1の半導体型光源3の光源チップ19および拡散用ランプユニット101の半導体型光源103の光源チップ119を点灯発光させる。すると、集光用ランプユニット1において、半導体型光源3の光源チップ19から放射された光の大部分L1は、第1反射面11に入射する。また、半導体型光源3の光源チップ19から放射された光の一部L5は、直射光としてリフレクタ2の第2開口部10を経て主に第5反射面15に直接入射する。
【0046】
第1反射面11に入射した光L1は、第1反射面11で反射する。第1反射面11で反射した反射光L2は、第1反射面11の第2焦点F12もしくはその近傍に収束する(集まる)。第1反射面11からの反射光L2であって、シェード16によりカットオフされなかった第1反射面11からの反射光L2は、リフレクタ2の第2開口部10を経て主に第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14に入射する。また、第1反射面11からの反射光L2であって、シェード16によりカットオフされた第1反射面11からの反射光L2の一部L3は、シェード反射面17で反射する。シェード反射面17からの反射光L4は、リフレクタ2の第2開口部10を経て主に第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14に入射する。
【0047】
第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14に入射した第1反射面11からの反射光L2およびシェード反射面17からの反射光L4は、第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14で反射する。第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14からの反射光は、第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14で、図7に示す集光用配光パターンSP、すなわち、上縁に水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2を有する集光用配光パターンSPとして制御されて路面に照射される。
【0048】
第5反射面15に直接入射した半導体型光源3の光源チップ19からの直射光L5は、第5反射面15で反射する。第5反射面15からの反射光は、第5反射面15で図15に示すオーバーヘッドサイン用配光パターンOPとして制御されてオーバーヘッドサインに照射される。
【0049】
一方、拡散用ランプユニット101において、半導体型光源103の光源チップ119から放射された光の大部分L101は、第1反射面111に入射する。第1反射面111に入射した光L101は、第1反射面111で反射する。第1反射面111で反射した反射光L102は、第1反射面111の第2焦点F112もしくはその近傍に収束する(集まる)。第1反射面111からの反射光L102であって、シェード116によりカットオフされなかった第1反射面111からの反射光L102は、リフレクタ102の第2開口部110を経て主に第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114に入射する。また、第1反射面111からの反射光L102であって、シェード116によりカットオフされた第1反射面111からの反射光L102の一部L103は、シェード反射面117で反射する。シェード反射面117からの反射光L104は、リフレクタ102の第2開口部110を経て主に第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114に入射する。
【0050】
第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114に入射した第1反射面111からの反射光L102およびシェード反射面117からの反射光L104は、第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114で反射する。第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114からの反射光は、第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114で、図9に示す拡散用配光パターンWP、すなわち、上縁に水平カットオフラインCL101を有する拡散用配光パターンWPとして制御されて路面に照射される。
【0051】
図7に示す集光用配光パターンSPと図9に示す拡散用配光パターンWPとが重畳されて図11または図15に示すすれ違い用配光パターンLP、すなわち、上縁に水平カットオフラインCL1、CL101および斜めカットオフラインCL2を有するすれ違い用配光パターンLPが形成される。また、図15に示すように、集光用ランプユニット1の第5反射面15により、オーバーヘッドサイン用配光パターンOPが得られる。
【0052】
ここで、1個の半導体型光源3、103の光束(光度、照度、光量)が大きいと、1個の集光用ランプユニット1および1個の拡散用ランプユニット101により、所定の配光特性を有するすれ違い用配光パターンLP(集光用配光パターンSPおよび拡散用配光パターンWP)およびオーバーヘッドサイン用配光パターンOPが得られる。
【0053】
この実施例における車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0054】
この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、集光用ランプユニット1により主な配光規格を満足させかつ光軸の基準となる集光用配光パターンSPを形成し、拡散用ランプユニット101により商品性を向上させる拡散用配光パターンWPを形成する。この結果、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、主な配光規格を満足させかつ光軸の基準となる集光用配光パターンSPを形成する集光用ランプユニット1を1個とすることにより、配光調整が容易となり、かつ、配光調整を精度良く行うことができる。特に、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、配光調整が容易となりかつ配光調整を精度良く行うことができるので、1個の集光用ランプユニット1により形成される集光用配光パターンSPに水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2を有し、かつ、拡散用ランプユニット101により形成される拡散用配光パターンWPに水平カットオフラインCL101を有する場合においては、有用である。すなわち、集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2を基準とすれば、集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1および斜めカットオフラインCL2と拡散用配光パターンWPの水平カットオフラインCL101との誤認を防止することができ、かつ、カットオフラインの誤認による迷光を防止することができて有用である。
【0055】
また、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、図1、図12に示すように、集光用ランプユニット1が拡散用ランプユニット101に対して車両の内側に位置するので、車両の内側にインナーパネル33などの障害物が存在する場合においては、有用である。すなわち、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPの広がり範囲W1が拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPの広がり範囲W2よりも狭い。このために、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSP、および、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPは、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られるようなことがない。これにより、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPの広がり範囲W1、および、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPの広がり範囲W2は、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により狭められるようなことがない。これに対して、図13に示すように、拡散用ランプユニット101を集光用ランプユニット1に対して車両の内側に位置させる場合。この場合においては、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPは、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られるようなことがないが、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPは、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られる。このために、集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPの広がり範囲W1は、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により狭められるようなことがないが、拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPの広がり範囲W3は、車両の内側に位置するインナーパネル33などの障害物により遮られた範囲W4分、狭められることとなる。すなわち、W3=W2−W4となる。ここで、たとえば、車両の内側に位置させた集光用ランプユニット1から照射される集光用配光パターンSPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られたとしても、その集光用配光パターンSPが遮られる範囲(図示せず)が、車両の内側に位置させた拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られる範囲W4よりも狭くて済む。また、車両の外側に位置させた拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られたとしても、その拡散用配光パターンWPが遮られる範囲(図示せず)が、車両の内側に位置させた拡散用ランプユニット101から照射される拡散用配光パターンWPが車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られる範囲W4よりも狭くて済む。これにより、車両の内側のインナーパネル33などの障害物により遮られる集光用配光パターンSPの範囲および拡散配光パターンWPの範囲を減少させることができ、その分、配光効率を向上させることができて有用である。
【0056】
さらに、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101の第1反射面11、111からの反射光L2、L102の一部L3、L103をシェード16、116でカットオフするので、集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101の放物線反射面の第2反射面12、112および第3反射面13、113および第4反射面14、114で水平カットオフラインCL1と斜めカットオフラインCL2を有する集光用配光パターンSPおよび水平カットオフラインCL101を有する拡散用配光パターンWP、すなわち、水平カットオフラインCL1、CL101と斜めカットオフラインCL2を有するすれ違い用配光パターンLPを容易に制御することができる。しかも、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、シェード16、116によりカットオフされた第1反射面11、111からの反射光L2、L102の一部L3、L103をシェード用反射面17、117で放物線反射面の第2反射面12、112および第3反射面13、113および第4反射面14、114に反射させるので、半導体型光源3、103から放射される光L1、L101を有効に利用することができる。これにより、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、1個の集光用ランプユニット1と1個の拡散用ランプユニット101で理想のすれ違い用配光パターンLPを得ることができ、交通安全に貢献することができる。
【0057】
さらにまた、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、図11に示すように、拡散用配光パターンWPの水平カットオフラインCL101が集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1よりも下側に設定されているので、車両用灯具の構成部品に製造ばらつきがある場合においても、拡散用配光パターンWPの水平カットオフラインCL101が集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1よりも上側に上がるようなことが無く、その分、歩留まりが良く、製造コストが安価となる。なお、図15に示すように、拡散用配光パターンWPの水平カットオフラインCL101と集光用配光パターンSPの水平カットオフラインCL1とを同じ水平位置に設定しても良い。
【0058】
特に、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、図1、図2、図4、図6、図8、図10に示すように、放物線反射面の第2反射面12、112および第3反射面13、113および第4反射面14、114が縦に分割されているので、第2反射面12、112と第3反射面13、113との間および第3反射面13、113と第4反射面14、114との間には縦方向の段差24、124がそれぞれ形成されている。このために、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、第1反射面11、111からの反射光L2、L102およびシェード反射面17、117からの反射光L4、L104が縦方向の段差24、124に入射するとその段差24、124において横方向すなわち左右方向に反射する。この結果、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、第1反射面11、111からの反射光L2、L102およびシェード反射面17、117からの反射光L4、L104が横に分割されている複数個の放物線反射面の間の横方向の段差に入射してその段差において縦方向すなわち上下方向に反射する車両用灯具と比較して、上下方向の迷光を防ぐことができる。これにより、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、1個の集光用ランプユニット1と1個の拡散用ランプユニット101とで理想の配光パターンすなわちすれ違い用配光パターンLPを得ることができ、交通安全に貢献することができる。特に、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、上下方向の迷光を防ぐことができるので、配光パターンがすれ違い用配光パターンLPの場合有用である。
【0059】
また、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、対向車線側(右側)の第3反射面13、113が走行車線側(左側)の第2反射面12、112に対して光の反射方向側(前側)に位置し、また、対向車線側(右側)の第2反射面13、113が走行車線側(左側)の第4反射面14、114に対して光の反射方向側(前側)に位置する。これにより、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、縦に分割されている第2反射面12、112と第3反射面13、113との間の縦方向の段差24、124および第3反射面13、113と第4反射面14、114との間の縦方向の段差24、124が走行車線側(左側)に向いている。このために、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、第1反射面11、111からの反射光L2、L102およびシェード反射面17、117からの反射光L4、L104が縦方向の段差24、124に入射するとその段差24、124において横方向であって走行車線側(左側)の方向に反射する。この範囲は、すれ違い用配光パターンLPの水平カットオフラインCL1より上側でかつ斜めカットオフラインCL2よりも左側に位置する。この結果、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1)は、横方向であって対向車線側(右側)の方向の迷光を防ぐことができる。この範囲は、すれ違い用配光パターンLPの水平カットオフラインCL1より上側でかつ斜めカットオフラインCL2よりも右側に位置する。これにより、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、1個の集光用ランプユニット1と1個の拡散用ランプユニット101でさらに理想のすれ違い用配光パターンLPを得ることができ、交通安全にさらに貢献することができる。特に、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、横方向であって対向車線側(右側)の方向の迷光を防ぐことができるので、配光パターンがすれ違い用配光パターンLPの場合有用である。
【0060】
さらに、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、楕円部5、105と、放物線部6、106と、傾斜部7、107と、水平部8、108と、から一体に構成されているリフレクタ2、102には、第1反射面11、111および第2反射面12、112および第3反射面13、113および第4反射面14、114および第5反射面15、115およびシェード16、116およびシェード反射面17、117などの光学部品が一体に構成されている。このために、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1および拡散用ランプユニット101)は、部品点数および組立工数を軽減することができるので、その分、製造コストを安価にすることができる。しかも、この実施例における車両用灯具(集光用ランプユニット1)は、第1反射面11、111、第2反射面12、112、第3反射面13、113、第4反射面14、114、第5反射面15、115、シェード16、116、シェード反射面17、117の光学部品の間の精度が向上するので、その分、光学部品の相互間の光学的位置関係が決まり、光学的調整が不要となり、配光パターンを高精度に制御することができる。
【0061】
以下、前記の実施例以外の例について説明する。前記の実施例においては、集光用ランプユニット1ですれ違い用配光パターンLPの集光用配光パターンSPを形成し、拡散用ランプユニット101ですれ違い用配光パターンLPの拡散用配光パターンWPを形成するものである。ところが、この発明においては、集光用ランプユニット1の集光用配光パターンSPと拡散用ランプユニット101の拡散用配光パターンWPで形成する所定の配光パターンとしては、すれ違い用配光パターンLP以外の配光パターン、たとえば、走行用配光パターン、高速道路用配光パターン、フォグランプ(霧)用配光パターン、雨用配光パターン、追加灯用配光パターンなどであっても良い。
【0062】
また、前記の実施例においては、対向車線側(右側)の第3反射面13、113が走行車線側(左側)の第2反射面12、112に対して光の反射方向側(前側)に位置し、また、対向車線側(右側)の第2反射面12、112が走行車線側(左側)の第4反射面14、114に対して光の反射方向側(前側)に位置する。ところが、この発明においては、第2反射面12、112および第3反射面13、113および第4反射面14、114が前後に段違いに位置していなくても良い。
【0063】
さらに、前記の実施例においては、放物線反射面を縦に3個に分割して第2反射面12、112および第3反射面13、113および第4反射面14、114を構成したものである。ところが、この発明においては、放物線反射面を縦に2個もしくは4個以上に分割しても良い。
【0064】
さらにまた、前記の実施例においては、シェード16、116を設け、また、シェード16、116にシェード反射面17、117を設けたものである。ところが、この発明においては、シェード16、116を設けずに、また、シェード16、116にシェード反射面17、117を設けなくても良い。
【0065】
さらにまた、前記の実施例においては、集光用ランプユニット1の縦に分割した第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14の上方にオーバーヘッドサイン用放物面反射面の第5反射面15を設けたものである。ところが、この発明においては、拡散用ランプユニット101の第2反射面112および第3反射面113および第4反射面114の上方に第5反射面を設けても良いし、また、集光用ランプユニット1の第2反射面12および第3反射面13および第4反射面14の上方に第5反射面15を設けず、図15に示すオーバーヘッドサイン用配光パターンOPを形成しなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の実施例を示す正面図であって、ランプレンズを省略した状態の正面図である。
【図2】同じく、集光用ランプユニットのリフレクタおよび半導体型光源およびヒートシンク部材を示す分解斜視図である。
【図3】同じく、光路を示す図2におけるIII−III線断面図に対応する縦断面図(垂直断面図)である。
【図4】同じく、拡散用ランプユニットのリフレクタおよび半導体型光源およびヒートシンク部材を示す分解斜視図である。
【図5】同じく、光路を示す図4におけるV−V線断面図に対応する縦断面図(垂直断面図)である。
【図6】同じく、集光用ランプユニットの作用を示す説明図である。
【図7】同じく、集光用ランプユニットにより形成されるすれ違い用配光パターンの集光用配光パターンを示す説明図である。
【図8】同じく、拡散用ランプユニットの作用を示す説明図である。
【図9】同じく、拡散用ランプユニットにより形成されるすれ違い用配光パターンの拡散用配光パターンを示す説明図である。
【図10】同じく、集光用ランプユニットおよび拡散用ランプユニットを示す斜視図である。
【図11】同じく、集光用ランプユニットおよび拡散用ランプユニットにより形成されるすれ違い用配光パターンおよび集光用配光パターンおよび拡散用配光パターンを示す説明図である。
【図12】同じく、集光用ランプユニットを拡散用ランプユニットに対して車両の内側に位置させた状態を示す説明図である。
【図13】同じく、拡散用ランプユニットを集光用ランプユニットに対して車両の内側に位置させた場合の状態を示す説明図である。
【図14】図2におけるXIV−XIV線断面図である。
【図15】同じく、集光用ランプユニットおよび拡散用ランプユニットにより形成されるすれ違い用配光パターンおよび集光用配光パターンおよび拡散用配光パターンおよびオーバーヘッドサイン用配光パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1 集光用ランプユニット(車両用灯具)
101 拡散用ランプユニット(車両用灯具)
2、102 リフレクタ
3、103 半導体型光源
4、104 ヒートシンク部材
5、105 楕円部
6、106 放物線部
7、107 傾斜部
8、108 水平部
9、109 第1開口部
10、110 第2開口部
11、111 第1反射面(楕円反射面)
12、112 第2反射面(放物線反射面)
13、113 第3反射面(放物線反射面)
14、114 第4反射面(放物線反射面)
15 第5反射面(オーバーヘッドサイン用放物線反射面)
16、116 シェード
17、117 シェード反射面
18、118 基板
19、119 光源チップ
20、120 光透過部材
21、121 ホルダ
22、122 スクリュー
23、123 スクリュー
24、124 段差
25 ランプハウジング
26 ランプレンズ
27 灯室
28 光軸調整装置
29 ブラケット
30 ピボット機構
31 上下用アジャストスクリューおよびスクリューマウンティング
32 左右用アジャストスクリューおよびスクリューマウンティング
33 インナーパネル
F 前
B 後
U 上
D 下
L 左
R 右
HL−HR スクリーンの左右の水平線
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
H−H 水平軸(車両の進行軸)
Z1−Z1、Z101−Z101 第1反射面の光軸
F11、F111 第1反射面の第1焦点
F12、F112 第1反射面の第2焦点
Z2−Z2、Z102−Z102 第2反射面の光軸
F2、F102 第2反射面の焦点
Z3−Z3、Z103−Z103 第3反射面の光軸
F3、F103 第3反射面の焦点
Z4−Z4、Z104−Z104 第4反射面の光軸
F4、F104 第4反射面の焦点
Z5−Z5 第5反射面の光軸
F5 第5反射面の焦点
LP すれ違い用の配光パターン
CL1、CL101 水平カットライン
CL2 斜めカットライン
SP 集光用配光パターン
WP 拡散用配光パターン
OP オーバーヘッドサイン用配光パターン
L1、L101 半導体型光源からの光の大部分
L2、L102 シェードでカットオフされない第1反射面からの反射光
L3、L103 シェードでカットオフされる第1反射面からの反射光
L4、L104 シェード反射面からの反射光
L5、L105 半導体型光源からの直射光
W1 車両の内側に位置させた集光用ランプユニットから照射される集光用配光パターンの範囲
W2 車両の外側に位置させた拡散用ランプユニットから照射される拡散用配光パターンの範囲
W3 車両の内側に位置させた拡散用ランプユニットから照射される拡散用配光パターンの範囲
W4 車両の内側に位置させた拡散用ランプユニットから照射される拡散用配光パターンが車両の内側のインナーパネルにより遮られる範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体型光源を光源とし、かつ、複数の反射面を有する車両用灯具において、
集光用ランプユニットと、
拡散用ランプユニットと、
灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
前記集光用ランプユニットと前記拡散用ランプユニットとを前記灯室内に一体に配置させてかつ前記ランプハウジングに一体に光軸調整可能に取り付ける光軸調整装置と、
を備え、
前記集光用ランプユニットは、
楕円反射面の第1反射面と、
前記第1反射面の第1焦点もしくはその近傍に配置されている前記半導体型光源と、
前記第1反射面からの反射光を制御して集光用配光パターンとして路面に反射させる放物線反射面と、
から構成されていて、
前記拡散用ランプユニットは、
楕円反射面の第1反射面と、
前記第1反射面の第1焦点もしくはその近傍に配置されている前記半導体型光源と、
前記第1反射面からの反射光を制御して拡散用配光パターンとして路面に反射させる放物線反射面と、
から構成されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記集光用ランプユニットは、前記拡散用ランプユニットに対して、車両の内側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記集光用ランプユニットは、
前記第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に設けられていて、前記第1反射面からの反射光の一部をカットオフするシェードと、
前記シェードに設けられていて、前記シェードによりカットオフされた前記第1反射面からの反射光の一部を前記放物線反射面に反射させるシェード反射面と、
焦点が前記第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に位置していて、前記第1反射面からの反射光および前記シェード反射面からの反射光を制御して水平カットオフラインおよび斜めカットオフラインを有する前記集光用配光パターンとして路面に反射させる前記放物線反射面と、
を備え、
前記拡散用ランプユニットは、
前記第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に設けられていて、前記第1反射面からの反射光の一部をカットオフするシェードと、
前記シェードに設けられていて、前記シェードによりカットオフされた前記第1反射面からの反射光の一部を前記放物線反射面に反射させるシェード反射面と、
焦点が前記第1反射面の第2焦点もしくはその近傍に位置していて、前記第1反射面からの反射光および前記シェード反射面からの反射光を制御して水平カットオフラインを有する前記拡散用配光パターンとして路面に反射させる前記放物線反射面と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記拡散用配光パターンの水平カットオフラインは、前記集光用配光パターンの水平カットオフラインよりも下側に設定されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2009−277482(P2009−277482A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−127099(P2008−127099)
【出願日】平成20年5月14日(2008.5.14)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】