説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具では、給電部とコネクタとの加締め固定上課題がある。
【解決手段】この発明は、コネクタ26が、給電部50の給電用フィルム51の一面の給電用導電性ペースト49にセットされているオスターミナル28と、そのターミナル28と給電部50とを加締めたハトメ端子板(一次加締め具)29と、そのオスターミナル28と給電部50とハトメ端子板29とを加締めた樹脂板(二次加締め具)27と、から構成されている。この結果、この発明は、ハトメ端子板29の一次加締めの固定と樹脂板27の二次加締めの固定により、給電部50とコネクタ26との加締め固定強度を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ランプレンズが融雪(解氷、防曇)構造をなす車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、ランプレンズと、前記ランプレンズに転写により設けられている線ヒータと、前記線ヒータに電流を供給する給電部と、を備えるものである。
【0003】
以下、従来の車両用灯具の作用について説明する。給電部から線ヒータに電流を供給すると、線ヒータが発熱し、その熱により、ランプレンズに付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズから外部に照射される光の損失を防ぐことができる。特に、光源として、ハロゲンバルブや白熱バルブと比較して、ランプレンズから照射される光の温度が低い光源、たとえば、LEDなどの半導体型光源やHIDなどの放電灯を使用した車両用灯具においては、効果的である。
【0004】
【特許文献1】特開2008−52919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、前記の従来の車両用灯具の改良という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明(請求項1にかかる発明)は、ランプレンズのうち光照射部からの光が透過する部分に転写により設けられている線ヒータと、その線ヒータに一体に設けられていて線ヒータに電流を供給する給電部と、その給電部に設けられていて電源側のコネクタと電気的に接続されるコネクタと、を備え、線ヒータが、ベースフィルム(ヒータ用フィルム)と、そのベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱するヒータ用導電性部材と、ベースフィルムの他面にヒータ用導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、少なくともベースフィルムがヒータ用導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、接着剤をランプレンズに接着させて線パターンのヒータ用導電性部材をランプレンズに転写させる転写式の線ヒータであり、給電部が、ベースフィルムに一体に設けられている給電用フィルムと、その給電用フィルムの一面に線パターンに形成されていてかつ一端がヒータ用導電性部材に電気的に接続されている給電用導電性部材と、から構成されていて、コネクタが、給電用フィルムの一面の給電用導電性部材にセットされているターミナルと、そのターミナルと給電部とを加締めたハトメ端子板(一次加締め具)と、そのターミナルと給電部とハトメ端子板とを加締めた樹脂板(二次加締め具)と、から構成されている、ことを特徴とする。
【0007】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、ランプレンズのうち光照射部からの光が透過する部分に転写により設けられている線ヒータと、その線ヒータに一体に設けられていて線ヒータに電流を供給する給電部と、その給電部に設けられていて電源側のコネクタと電気的に接続されるコネクタと、を備え、線ヒータが、ベースフィルム(ヒータ用フィルム)と、そのベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱するヒータ用導電性部材と、ベースフィルムの他面にヒータ用導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、少なくともベースフィルムがヒータ用導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、接着剤をランプレンズに接着させて線パターンのヒータ用導電性部材をランプレンズに転写させる転写式の線ヒータであり、給電部が、ベースフィルムに一体に設けられている給電用フィルムと、その給電用フィルムの一面に線パターンに形成されていてかつ一端がヒータ用導電性部材に電気的に接続されている給電用導電性部材と、から構成されていて、コネクタが、給電用フィルムの一面の給電用導電性部材にセットされているターミナルと、そのターミナルと給電部とを加締めた樹脂板(加締め具)と、から構成されている、ことを特徴とする。
【0008】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、線ヒータと給電部との間には所定の長さの延長部が設けられていて、その延長部が、ベースフィルムと給電用フィルムとの間に所定の長さ分一体に設けられている延長用フィルムと、その延長用フィルムの一面に線パターンに形成されていてかつ両端がヒータ用導電性部材と給電用導電性部材とにそれぞれ電気的に接続されている延長用導電性部材と、から構成されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、コネクタが、ターミナルと給電部とをハトメ端子板の一次加締めにより固定し、さらに、そのターミナルと給電部とハトメ端子板とを樹脂板の二次加締めにより固定してなるものである。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ターミナルと給電部とをハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタ、あるいは、樹脂製のベースとターミナルと給電部とをハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタと比較して、ハトメ端子板の一次加締めの固定と樹脂板の二次加締めの固定により、給電部とコネクタとの加締め固定強度を向上させることができる。
【0010】
また、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、コネクタが、ターミナルと給電部とを樹脂板(加締め具)の加締めにより固定してなるものであるから、ターミナルと給電部とを金属製のハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタと比較して、給電部とコネクタとの加締め固定強度を向上させることができる。しかも、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、ターミナルと給電部とを樹脂板(加締め具)の加締めにより固定してなるものであるから、樹脂製のベースとターミナルと給電部とをハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタと比較して、部品点数を軽減することができ、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0011】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータと給電部との間に、延長用フィルムおよび延長用導電性部材から構成されている延長部を、設けたので、ハーネスが不要である。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、給電部がハーネスからなる車両用灯具と比較して、製造コストを安価にすることができる。また、ハーネスの重量によりランプレンズに転写した線ヒータがランプレンズから剥がれたり線ヒータに負荷がかかったりし、または、ハーネスによりランプレンズを傷つけたりするなどの耐久性上において問題が無い。
【0012】
しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータと給電部との間に設けた延長部により、線ヒータと給電部とを電気的接続が維持されながらランプレンズの別個の離れた位置にそれぞれ設けることができる。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータをランプレンズのうち光が照射される部分に設け、給電部をランプレンズのうち目立たない部分(すなわち、光が照射されない部分であって線ヒータを設ける必要がない部分、たとえば、ランプハウジングに取り付ける側壁や立壁など)に設けることができる。これにより、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、給電部をランプレンズのうち目立つ部分に設ける必要がないので見栄え上悪いや意匠上悪いなどの課題を解決することができ、また、線ヒータをランプレンズのうち目立たない部分まで設ける必要がないので製造コストや消費電力上の課題も解決することができる。
【0013】
その上、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータと給電部との間に設けた延長部により、線ヒータと給電部とをランプレンズの別個の離れた位置にそれぞれ固定することができるので、線ヒータをランプレンズに確実にかつ容易に転写することができる。すなわち、線ヒータと、その線ヒータの幅よりも広い幅を有する給電部とを隣接してランプレンズに転写することが難しい。ところが、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータと、その線ヒータの幅よりも広い幅を有する給電部とを隣接してランプレンズに固定する必要が無いので、線ヒータをランプレンズに確実にかつ容易に転写することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
図1〜図16は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用灯具の構成について説明する。この実施例1にかかる車両用灯具は、所定の配光パターン、たとえば、すれ違い用の配光パターンを照射する自動車用のヘッドランプ1L、1Rである。前記ヘッドランプ1L、1Rは、図1に示すように、自動車Cの前部の左右両側にそれぞれ装備されている。以下、左側のヘッドランプ1Lについて説明する。なお、右側のヘッドランプ1Rは、左側のヘッドランプ1Lの構造とほぼ左右逆である。
【0016】
前記ヘッドランプ1Lは、図2および図4に示すように、5個のランプユニット2と、ランプハウジング3と、ランプレンズ4と、線ヒータ5と、延長部6と、給電部50と、コネクタ26と、を備えるものである。前記ランプハウジング3と前記ランプレンズ4とにより、灯室7が区画されている。前記灯室7内には、前記5個のランプユニット2が上下2段に(この例では、上段に3個、下段に2個)それぞれ配置されている。
【0017】
前記ランプユニット2は、光を前記ランプレンズ4を通して外部に照射する光照射部を構成するものである。前記ランプユニット2は、所定の配光パターン、この例では、すれ違い用の配光パターンを照射(放射、出射)するものである。前記ランプユニット2は、図3に示すように、プロジェクタタイプであって、ユニット構造をなす。前記ランプユニット2は、上側リフレクタ8および下側リフレクタ9と、反射面10およびシェード11と、半導体型光源12と、投影レンズ(凸レンズ、集光レンズ)13と、ヒートシンク部材14と、から構成されている。
【0018】
前記ランプユニット2は、図2に示すように、ホルダ部材15を介して前記ランプハウジング3に取り付けられている。前記ランプハウジング3には、ヒートシンク部材16が設けられている。前記ランプハウジング3側のヒートシンク部材16と、前記ランプユニット2側のヒートシンク部材14とは、前記ホルダ部材15および前記ランプハウジング3を介して接続されている。
【0019】
前記半導体型光源12は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。このために、前記半導体型光源12自体においては熱が発生するが、前記半導体型光源12からの光には熱がほとんど発生しない。これにより、前記ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。
【0020】
前記ランプレンズ4は、ほぼ素通しのレンズであって、いわゆるアウターカバー(アウターレンズ)である。前記ランプレンズ4は、この例では、たとえばPC(ポリカーボネート)などの合成樹脂から成形されている。また、前記ランプレンズ4は、図2に示すように、縦断面(垂直断面)において、上から下にかけて後方から前方にスラント(傾斜)している。さらに、前記ランプレンズ4は、断面凹形状をなしていて、前記ランプユニット2から照射される光が透過する正面部(もしくは前面部)33と、前記正面部33の全周縁から後方に一体に延設されている側壁部34と、から構成されている。前記正面部33と前記側壁部34との間には、角部が形成されている。前記正面部33の内面は、曲面をなしている。また、前記側壁部34は、立壁形状をなしている。なお、前記ランプレンズ4の材質がPCの場合、前記ランプレンズ4の耐熱温度は約130°Cである。
【0021】
前記線ヒータ5は、転写式の線ヒータであって、前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に転写により設けられている。前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に転写により設けられている前記線ヒータ5は、図5、図6および図16に示すように、ベースフィルム(ヒータ用フィルム)17と、接着剤(粘着層)18と、ヒータ用導電性部材としてのヒータ用導電性ペースト19と、レジスト20と、から構成されている。また、前記線ヒータ5は、光透過性のものが好ましい。
【0022】
前記ベースフィルム17は、透明なたとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂製のフィルムからなる。前記ベースフィルム17の一面には、前記接着剤18が設けられている。
【0023】
前記ベースフィルム17の他面には、前記ヒータ用導電性ペースト19が線パターンに形成されている。前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンは、この例では、図4に示すように、相互にほぼ平行である上下4本の横線を、左側の2本の縦線および右側の1本の縦線を介して、左右にジグザグに連続する線パターンである。最上下2本の横線の右側から2本の縦線が端末部として連続して形成されている。前記ヒータ用導電性ペースト19は、導電性インクであって、この例では、銀ペースト、金ペースト、銅ペースト、アルミペーストなどの金属ペーストからなる。前記ヒータ用導電性ペースト19は、電流が供給されることにより、前記導電性ペーストの電気抵抗により発熱するものである。
【0024】
前記ベースフィルム17の他面には、前記レジスト20が前記ヒータ用導電性ペースト19を覆うように設けられている。前記レジスト20は、前記ヒータ用導電性ペースト19を電気的に絶縁すると共に外からの衝撃から保護するものであって、すなわち、前記ヒータ用導電性ペースト19の表面保護コートである。前記レジスト20は、この例では、ウレタン系やアクリル系の接着剤などからなる。
【0025】
前記ベースフィルム17もしくは前記レジスト20のうち少なくともいずれか一方が着色されている。すなわち、前記ベースフィルム17の一面またはおよび他面に着色層を設ける。あるいは、前記ベースフィルム17自体もしくは前記レジスト20自体を着色する。
【0026】
前記ベースフィルム17(この例では、前記接着剤18をも含む)は、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンにカットされている。カットされた前記ベースフィルム17の幅Wは、この例では、約0.5mmであって、前記レジスト20の幅とほぼ同等の幅である。そして、図16に示すように、前記ベースフィルム17がカットされた後において、前記レジスト20側に配置したセパレータ21を使用して、前記接着剤18を前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に接着させて線パターンの前記ヒータ用導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に転写させる。これにより、前記線ヒータ5は、前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に転写により設けられる。
【0027】
前記セパレータ21は、図16に示すように、線パターンの前記ヒータ用導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に転写させた後前記レジスト20側から剥がされる。前記セパレータ21は、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターン形状をなす前記線ヒータ5を載置することができ、かつ、前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に転写することができる程度の大きさと形状を有しているシート形状をなすものである。また、前記セパレータ21は、前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面の曲面に追従し得るように、フレキシブル性の素材、この例では、ウレタンなどのゴム系の素材を使用するものである。
【0028】
前記線ヒータ5には、図4および図7〜図9に示すように、前記延長部6および前記給電部50が設けられている。前記延長部6および前記給電部50は、前記線ヒータ5と同様に、前記ランプレンズ4の前記正面部33および前記側壁部34の内面(灯室7側)に設けられている。また、前記給電部50は、前記ランプレンズ4の意匠への影響が小さい箇所、すなわち、前記ランプレンズ4の前記側壁部34に設けられている。
【0029】
前記延長部6は、前記線ヒータ5から所定の長さ分(すなわち、前記給電部50が前記ランプレンズ4の前記正面部33に設けられている前記線ヒータ5から前記ランプレンズ4の前記側壁部34に十分に届くまでの所定の長さ分)一体に設けられている。前記延長部6は、延長用フィルム24と、延長用導電性部材としての延長用導電性ペースト25と、から構成されている。前記延長用フィルム24は、前記線ヒータ5の前記ベースフィルム17から所定の長さ分一体に設けられている。前記延長用導電性ペースト25は、前記延長用フィルム24の一面に2本の線パターンに形成されていてかつ一端がそれぞれ前記ヒータ用導電性ペースト19の端末部に電気的に接続されている。
【0030】
図8に示すように、前記延長部6の前記延長用フィルム24の他面(すなわち、前記ランプレンズ4と対向する側の面)の一部には、前記ランプレンズ4に接着する接着部54が設けられている。前記延長部6の前記接着部54は、前記線ヒータ5側に設けられていて、前記線ヒータ5の前記接着剤18と共に前記ランプレンズ4の前記正面部33に接着されている。なお、前記延長部6の前記接着部54は、前記延長部6の任意の位置に設けても良い。前記延長部6の前記接着部54の幅W2は、この例では約1〜5mmである。前記延長部6の前記接着部54は、前記延長部6の前記延長用フィルム24の他面に粘着層を設けてなる。この結果、前記線ヒータ5の接着剤18と前記延長部6の前記接着部54とが粘着層部分52を構成し、一方、前記延長部6の前記接着部54以外の部分と前記給電部50とが非粘着層部分53を構成する。なお、前記給電部50を粘着層部分としても良い。この場合には、前記延長部6の前記接着部54以外の部分が非粘着層部分となる。また、前記延長部6の前記延長用フィルム24の他面全体に粘着層を設ける場合がある。この場合においては、前記延長部6の前記接着部54以外の部分の粘着層には、所定の厚さの透明な凸印刷膜パターン55をライン状に成膜する。
【0031】
前記給電部50は、前記延長部6の先端部に設けられていて、前記延長部6を介して前記線ヒータ5に電流を供給する。前記給電部50には、4個の円形の透孔63が設けられている。前記給電部50は、給電用フィルム51と、給電用導電性部材としての給電用導電性ペースト49と、コネクタ26と、から構成されている。前記給電用フィルム51は、前記延長部6の前記延長用フィルム24の先端部に一体に設けられている。前記給電用導電性ペースト49は、前記給電用フィルム51の一面に2本の線パターンに形成されていてかつ一端がそれぞれ前記延長部6の2本の前記延長用導電性ペースト25の他端(先端)に電気的に接続されている。前記コネクタ26は、前記給電用導電性ペースト49に電気的に接続されていてかつ前記給電用フィルム51と共に前記ランプレンズ4の前記側壁部34に固定されている。
【0032】
前記延長部6の前記延長用フィルム24は、前記線ヒータ5の前記ベースフィルム17から一体に延設されている。一方、前記給電部50の前記給電用フィルム51は、前記延長部6の前記延長用フィルム24から一体に延設されている。前記延長用フィルム24および前記給電用フィルム51は、前記ベースフィルム17と同様に、透明なたとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂製のフィルムからなる。前記延長用フィルム24の幅W1は、前記ベースフィルム17の幅W(約0.5mm)に対して、この例では、約10mmである。また、前記延長用フィルム24の長さは、前記給電用フィルム51が前記ベースフィルム17から前記ランプレンズ4の前記側壁部34に届く程度の長さである。なお、図4において、前記延長用フィルム24の左側端部が前記線ヒータ5より左側に位置するように図示されているが、実際には、前記延長用フィルム24の左側端部と前記線ヒータ5とは、ほぼ同一線上に位置する。一方、前記給電用フィルム51の幅は、前記延長用フィルム24の幅W1より大きい。また、前記給電用フィルム51の長さは、前記延長用フィルム24の長さより短い。
【0033】
前記延長部6の前記延長用導電性ペースト25および前記給電部50の前記給電用導電性ペースト49は、前記ヒータ用導電性ペースト19と同様に、導電性インクであって、この例では、銀ペースト、金ペースト、銅ペースト、アルミペーストなどの金属ペーストからなる。前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49の幅は、前記ヒータ用導電性ペースト19の幅よりも広くし、かつ、前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49の長さは、前記ヒータ用導電性ペースト19の長さよりも短くして、前記ヒータ用導電性ペースト19よりも電気抵抗値を小さくしている。前記給電用導電性ペースト49の幅は、前記延長用導電性ペースト25の幅よりも広くし、前記給電用導電性ペースト49の長さは、前記延長用導電性ペースト25の長さよりも短くしている。
【0034】
なお、前記延長用フィルム24および前記給電用フィルム51の一面にレジスト(図示せず)を前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49を覆うように設けても良い。前記レジストは、前記レジスト20と同様に、前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49を電気的に絶縁すると共に外からの衝撃から保護するものであって、すなわち、前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49の表面保護コートである。前記レジストは、前記レジスト20と同様に、この例では、ウレタン系やアクリル系の接着剤などからなる。
【0035】
また、前記延長用フィルム24および前記給電用フィルム51もしくは前記レジストのうち少なくともいずれか一方が着色されている。すなわち、前記延長用フィルム24および前記給電用フィルム51の一面またはおよび他面に着色層を設ける。あるいは、前記延長用フィルム24および前記給電用フィルム51自体もしくは前記レジスト自体を着色する。
【0036】
前記コネクタ26は、前記給電用導電性ペースト49に電気的に接続されていてかつ前記給電用フィルム51に固定されている。前記コネクタ26は、図4、図7、図9〜図15に示すように、絶縁部材たとえば樹脂製からなる1個の樹脂板27(あるいは、樹脂基板、ベースなど)と、導電性部材たとえば金属からなる2個のオスターミナル28と、2個のハトメ端子板29(あるいは、ハトメ端子、ハトメなど)と、から構成されている。
【0037】
前記オスターミナル28は、前記給電部50の前記給電用フィルム51の一面の前記給電用導電性ペースト49にセットされるものである。前記オスターミナル28は、固定部57と、繋部58と、オス部59と、からなる。前記固定部57には、2個の円形の透孔60が設けられている。なお、前記オス部59にも、1個の円形の透孔が設けられている。
【0038】
前記ハトメ端子板29は、前記ターミナル28と前記給電部50とを加締めるものである。前記ハトメ端子板29は、基部61と、2本の中空状の加締め部62と、からなる。前記加締め部62は、前記給電部50の前記透孔63および前記オスターミナル28の前記透孔60の中を挿通するものである。
【0039】
前記樹脂板27は、前記ターミナルと前記給電部と前記ハトメ端子板とを加締める二次加締め具を構成するものである。前記樹脂板27は、たとえば四角形の板形状をなす。前記ベース27の一面の四辺には、リブ30が一体に設けられている。前記リブ30の一辺には、前記延長部6の幅W1と同等幅の切欠55が設けられている。前記樹脂板27の一面には、棒状もしくは丸棒状の4本の加締め凸部56が一体に突設されている。前記加締め凸部56は、前記ハトメ端子板29の中空状の前記加締め部62の中空中を挿通するものである。
【0040】
以下、前記給電部50の前記給電用フィルム51および2本の前記給電用導電性ペースト49と前記コネクタ26の前記樹脂板27および2個の前記オスターミナル28および2個の前記ハトメ端子板29との組付方について説明する。
【0041】
まず、前記給電部50の2本の前記給電用導電性ペースト49に2個の前記オスターミナル28の前記固定部57をセットする。このとき、前記給電部50の前記透孔63と前記オスターミナル28の前記透孔60とを合わせておく。前記給電部50の前記透孔63および前記オスターミナル28の前記透孔60の中に2個の前記ハトメ端子板29の前記加締め部62を、前記給電用フィルム51側から挿通させる(図11および図12を参照。なお、図11においては、1個のオスターミナル28と1個のハトメ端子板29とを図示する)。
【0042】
つぎに、2個の前記ハトメ端子板29の前記加締め部62の先端部を押し潰す。このとき、前記加締め部62の中空孔の形状は、変わらない。この結果、2個の前記ハトメ端子板29の前記基部61と押し潰された前記加締め部62の先端部との間には、前記給電部50と2個の前記オスターミナル28とが加締め付けられている。これにより、前記給電部50と2個の前記オスターミナル28とは、2個の前記ハトメ端子板29の一次加締めにより固定されている(図13を参照)。このとき、前記給電部50および2個の前記オスターミナル28と2個の前記ハトメ端子板29とは、相互に一体に固定されている。また、前記給電部50の2本の前記給電用導電性ペースト49と2個の前記オスターミナル28の前記固定部57とは、電気的に接続されている。
【0043】
つづいて、前記給電部50と2個の前記オスターミナル28とを一次加締めにより固定した2個の前記ハトメ端子板29の前記加締め部62の中空中に前記樹脂板27の前記加締め凸部56を、前記給電用フィルム51側から挿通させる(図14を参照)。このとき、前記給電部50と2個の前記オスターミナル28とを一次加締めにより固定した2個の前記ハトメ端子板29の前記基部61、および、前記給電部50、および、2個の前記オスターミナル28の前記固定部57が、前記リブ30で囲まれている前記樹脂板27の一面に載置されている。
【0044】
それから、前記樹脂板27の前記加締め凸部56の先端部を押し潰す。この結果、前記樹脂板27と押し潰された前記加締め凸部56の先端部との間には、2個の前記ハトメ端子板29により一次加締めで固定されている前記給電部50および2個の前記オスターミナル28と2個の前記ハトメ端子板29とが加締め付けられている。これにより、前記給電部50および2個の前記オスターミナル28と2個の前記ハトメ端子板29とは、前記樹脂板27の二次加締めにより固定されている(図15を参照)。このとき、前記給電部50および2個の前記オスターミナル28および2個の前記ハトメ端子板29と前記樹脂板27とは、相互に一体に固定されている。この結果、前記コネクタ26は、前記給電部50の前記給電用導電性ペースト49に電気的に接続されていてかつ前記給電部50の前記給電用フィルム51に固定されている。
【0045】
そして、図15に示すように、前記リブ30で囲まれている前記樹脂板27の一面には、たとえばシリコンからなる封止剤31が、2個の前記ハトメ端子板29および2個の前記オスターミナル28の前記固定部57および前記繋部58の一部および前記給電部50の前記給電用フィルム51および前記給電用導電性ペースト49および前記樹脂板27の押し潰された前記加締め凸部56の先端部を覆うように設けられている。このとき、前記封止剤31は、前記樹脂板27の一面の4辺の前記リブ30(前記切欠55を除く)により囲まれているので、電気的接続部分である2本の前記給電用導電性ペースト49および2個の前記オスターミナル28の前記固定部57および2個の前記ハトメ端子板29を確実に覆うことができる。前記封止剤31は、電気的接続部分である2本の前記給電用導電性ペースト49および2個の前記オスターミナル28の前記固定部57および2個の前記ハトメ端子板29を覆って電気的に絶縁すると共に外からの衝撃から保護するものである。なお、前記給電用フィルム51の一面にレジストを設ける場合には、電気的接続部分である2本の前記給電用導電性ペースト49のうち2個の前記オスターミナル28の前記固定部57がセットされる部分にはレジストを設けないようにする。このようにして、前記給電部50の前記給電用フィルム51および2本の前記給電用導電性ペースト49と前記コネクタ26の前記樹脂板27および2個の前記オスターミナル28および2個の前記ハトメ端子板29とは、組み付けられている。
【0046】
前記樹脂板27の他面は、十分な耐久性を有する両面テープ(両面接着テープ)などの接着剤32により、前記ランプレンズ4の前記側壁部34の内面に接着固定されている。なお、前記接着剤32以外に、たとえば、溶着やスクリューなどにより、前記樹脂板27と前記ランプレンズ4の前記側壁部34の内面とを固定しても良い。この結果、前記コネクタ26は、前記給電部50において、前記給電用フィルム51と共に前記ランプレンズ4の前記側壁部34の内面に固定される。これにより、前記延長部6は、前記ランプレンズ4の前記正面部33および前記側壁部34の内面に設けられることとなり、また、前記給電部50は、前記ランプレンズ4の前記側壁部34の内面に設けられることとなる。
【0047】
このとき、図7に示すように、前記延長部6の前記延長用フィルム24の両端は、前記線ヒータ5および前記接着部54と前記コネクタ26とを介して、前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面と前記側壁部34の内面にそれぞれ固定されている。また、前記延長部6の前記延長用フィルム24の中間部は、前記ランプレンズ4の前記正面部33と前記側壁部34との間の角部に沿って折り曲げられている。この結果、前記延長部6の前記延長用フィルム24の中間部は、弾性復帰力(図7中の実線矢印Aを参照)により、前記ランプレンズ4の角部に沿って折り曲げられた状態を確実に維持される。これにより、前記延長部6は、前記ランプレンズ4の前記正面部33および前記側壁部34の内面に確実に固定されることとなる。
【0048】
図7に示すように、前記コネクタ26には、2本のヒータ側ハーネス35が電気的に接続されている。すなわち、2本の前記ヒータ側ハーネス35の一端には、導電性部材たとえば金属からなる2個のメスターミナル36がそれぞれ取り付けられていてかつ電気的に接続されている。2個の前記メスターミナル36が前記コネクタ26の2個の前記オスターミナル28にそれぞれ着脱可能に結合されている。この結果、前記コネクタ26と前記ヒータ側ハーネス35とが電気的に接続されている。
【0049】
図7に示すように、2本の前記ヒータ側ハーネス35の他端には、ヒータ側コネクタ37が取り付けられていてかつ電気的に接続されている。2本の前記ヒータ側ハーネス35は、前記ランプレンズ4の前記側壁部34に設けられている防水構造、この例では、たとえばゴム製の防水グロメット38を介して、前記灯室7内から前記灯室7外に引き出されている。なお、2本の前記ヒータ側ハーネス35は、前記ランプハウジング3に設けられている防水構造、この例では、たとえばゴム製の防水グロメット(図示せず)を介して、前記灯室7内から前記灯室7外に引き出されていても良い。
【0050】
図7において、符号「39」は、一端が電源に電気的に接続されている2本の電源側ハーネスである。2本の前記電源側ハーネス39の他端には、電源側コネクタ40が取り付けられていてかつ電気的に接続されている。前記ヒータ側コネクタ37が前記電源側コネクタ40に着脱可能に結合されている。この結果、前記線ヒータ5は、前記給電部50および前記延長部6を介して電源に電気的に接続される。
【0051】
前記電源側コネクタ40は、前記ランプハウジング3の灯室7外に固定されている。この結果、前記ヒータ側ハーネス35の一部および前記ヒータ側コネクタ37および前記電源側コネクタ40および前記電源側ハーネス39は、前記ランプハウジング3の灯室7外に位置する。
【0052】
この実施例1にかかる車両用灯具の前記ヘッドランプ1Lの外側には、その他の車両用部品(たとえば、他の車両用灯具、バンパー、装飾部品など)41が隣接して設けられている。前記ランプハウジング3の灯室7外に位置する前記ヒータ側ハーネス35の一部および前記ヒータ側コネクタ37および前記電源側コネクタ40および前記電源側ハーネス39は、この実施例1にかかる車両用灯具の前記ヘッドランプ1Lとその他の車両用部品41との間に位置するので、外側から見えず、見栄え上問題はない。
【0053】
前記線ヒータ5は、前記延長部6および前記給電部50を介して、手動スイッチ(図示せず)またはおよび自動スイッチ(図示せず)に接続されている。前記手動スイッチは、手動により、前記線ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。前記自動スイッチは、自動的に、前記線ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。
【0054】
前記自動スイッチは、ECUなどの制御部と、温度センサや光センサなどの検出部と、から構成されている。前記検出部は、自動車Cの周囲環境、たとえば、自動車Cの外の温度や前記ランプレンズ4から照射される光などを検出してその検出信号を前記制御部に出力する。前記制御部は、前記検出部からの検出信号に基づいて前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着しているか否か、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度か否かを判断する。そして、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着している、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度であると判断すると、前記給電部50および前記延長部6を介して前記線ヒータ5に電流を供給する。一方、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着していない、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度でないと判断すると、前記給電部50および前記延長部6を介して前記線ヒータ5への電流供給を遮断する。
【0055】
前記線ヒータ5の1個の端末部には、温度制御部(図示せず)が設けられている。前記温度制御部は、前記ヒータ用導電性ペースト19の発熱温度を制御するものである。前記温度制御部としては、たとえば、PTCサーミスターを使用する。このPTCサーミスターは、温度が上昇すると抵抗値が高くなって所定の抵抗値に達すると電流が流れなくなる特性を有するものである。たとえば、前記ランプレンズ4の材質がPCの場合、前記ランプレンズ4の耐熱温度は約130°Cであるから、前記ヒータ用導電性ペースト19の発熱温度が約60°C付近に達した時点で電流が流れなくなる抵抗特性を有するPTCサーミスターを前記温度制御部として使用する。
【0056】
以下、この実施例1にかかる車両用灯具のヘッドランプ1L、1Rの前記ランプレンズ4に転写する前記線ヒータ5(なお、前記延長部6および前記給電部50を含むが、図16中には前記延長部6および前記給電部50は図示されていない)の製造工程と、前記ランプレンズ4に前記線ヒータ5を転写する転写工程を図16を参照して説明する。まず、フィルムのうち前記ベースフィルム17に対応する部分および前記延長用フィルム24の一部(前記延長部の前記接着部54)に対応する部分の一面(下面)に前記接着剤(接着層、粘着層)18および前記接着部54(粘着層)を設け、かつ、前記接着剤18および前記接着部54に剥離フィルムや剥離紙などの剥離シート22を剥離可能に接着してなるシート部材23を製造する(図16(A)参照)。なお、前記シート部材23の大きさは、前記ヒータ用導電性ペースト19および前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49の線パターンに倣ったパターン形状をなす前記線ヒータ5および前記延長部6および前記給電部50を形成することができる程度の大きさを有している。
【0057】
つぎに、前記シート部材23の前記ベースフィルム17および前記ベースフィルム17から延設されている前記延長用フィルム24および前記給電用フィルム51の他面(上面)に、前記ヒータ用導電性ペースト19および前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49を、たとえば、スクリーン印刷やホットスタンプ印刷などの工法により印刷して、線パターンに形成する(図16(B)参照)。
【0058】
つづいて、前記シート部材23の前記ベースフィルム17の他面(上面)に前記レジスト(絶縁層兼保護膜)20を、たとえば、スクリーン印刷やホットスタンプ印刷などの工法により印刷して、前記ヒータ用導電性ペースト19を覆うように設ける(図16(C)参照)。なお、このとき、前記延長用フィルム24および前記給電用フィルム51の他面(上面)に前記レジスト(絶縁層兼保護膜)を、たとえば、スクリーン印刷やホットスタンプ印刷などの工法により同時に印刷して、前記延長用導電性ペースト25および前記給電用導電性ペースト49を覆うように設けても良い。
【0059】
それから、前記シート部材23の前記ベースフィルム17および前記接着剤18を、たとえば、打ち抜き加工により、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットする(図16(D)参照)。すなわち、カッタ(図示せず)を前記レジスト20側から前記ベースフィルム17および前記接着剤18に押し込んで前記接着剤18と前記剥離シート22との境で止めて前記ベースフィルム17および前記接着剤18をカットする。なお、図16(C)中において、実線CLで前記ベースフィルム17および前記接着剤18のカット箇所を示す。前記カッタを前記シート部材23から離すと共に、カットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18のうち、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンの部分以外の余分な部分を前記剥離シート22から除く。このとき、前記延長用フィルム24も所定幅W1および所定長さにまた前記給電用フィルム51も所定幅および所定長さに同時にカットされる。
【0060】
これにより、図16(D)に示すように、カットされなかった前記シート部材23の前記剥離シート22と、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18と、線パターンの前記ヒータ用導電性ペースト19と、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンに設けられている前記レジスト20とが残される。前記ベースフィルム17および前記接着剤18のカット幅Wは、この例では、前記レジスト20の幅とほぼ同等の幅であって、前記レジスト20が前記ヒータ用導電性ペースト19を覆い得る幅、すなわち、前記レジスト20が前記ヒータ用導電性ペースト19を封止して電気的に絶縁し得ると共に外からの衝撃から保護し得る幅である。なお、前記ベースフィルム17のカット幅は、前記カット幅Wに限定されない。
【0061】
そして、前記シート部材23の前記ベースフィルム17および前記接着剤18を前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットした後、前記レジスト20側に前記セパレータ21を配置させる(図16(E)参照)。これにより、カットされなかった前記シート部材23の前記剥離シート22と、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18と、線パターンの前記ヒータ用導電性ペースト19と、前記ヒータ用導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンに設けられている前記レジスト20とが、前記セパレータ21上に前記レジスト20側を下にして載置される。この結果、前記線ヒータ5(前記延長部6および前記給電部50を含む)のユニットが製造される。前記ユニットは、前記ベースフィルム17および前記接着剤18および前記ヒータ用導電性ペースト19および前記レジスト20から構成されている前記線ヒータ5(前記延長部6および前記給電部50を含む)と、前記セパレータ21および前記シート部材23の前記剥離シート22と、からなるものである。
【0062】
つぎに、上記のようにして製造された前記ユニットの前記剥離シート22を剥がす(図16(F)参照)。それから、前記レジスト20側に配置した前記セパレータ21を使用して、前記接着剤18を前記ランプレンズ4の内面に接着させて線パターンの前記ヒータ用導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に転写させる(図16(G)参照)。そして、前記セパレータ21を前記レジスト20から剥がす。これにより、図4〜図7および図12に示すように、前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に前記線ヒータ5が転写される。このとき、前記延長部6の前記線ヒータ5側の一部は、前記接着部54により、前記ランプレンズ4の前記正面部33の内面に接着されている。
【0063】
この実施例1にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0064】
5個のランプユニット2の半導体型光源12をそれぞれ点灯する。すると、5個のランプユニット2の半導体型光源12からの光が上側リフレクタ8の反射面10で反射され、その反射光の一部が下側リフレクタ9のシェード11によりカットオフされ、残りの反射光が投影レンズ13およびランプレンズ4の正面部33を透過して外部にカットオフラインを有する所定の配光パターン、すなわち、すれ違い用の配光パターンで照射される。このすれ違い用の配光パターンのカットオフラインは、シェード11のエッジにより形成される。また、シェード11に反射面を設けることにより、反射面10からの反射光であってシェード11の反射面で反射された反射光を利用することができる。
【0065】
ここで、ランプレンズ4の正面部33に転写に設けられている線ヒータ5は、線状のパターンからなるので、光がランプレンズ4の正面部33を透過する際に、光の損失や配光の影響などを最小限に抑えることができる。しかも、半導体型光源12を光源とするランプユニット2を使用するので、ランプユニット2から照射される光の幅が小さい。このために、幅が小さい光を線ヒータ5の線状のパターンとパターンとの間に通すことにより、光の損失や配光の影響などをさらに防ぐことができる。
【0066】
そして、半導体型光源12からの光には熱がほとんど発生しないので、ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。この場合、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、給電部50および延長部6を介してランプレンズ4の正面部33に転写により設けられている線ヒータ5に電流が供給される。
【0067】
線ヒータ5に電流が供給されると、線ヒータ5の電気抵抗により、線ヒータ5が発熱する。この線ヒータ5の発熱作用により、ランプレンズ4が暖められ、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズ4の正面部33から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0068】
このとき、ランプレンズ4の正面部33のうち、ヒータ用導電性ペースト19に対応する箇所の雪や氷を溶すことにより、この溶けた雪や氷がランプレンズ4の正面部33の表面上を滑って、いわゆる雪崩現象で、ランプレンズ4の正面部33のうち、ヒータ用導電性ペースト19に対応しない箇所に付着している雪や氷をランプレンズ4の正面部33の表面上から剥がして落とす。この結果、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りを確実に除去することができる。
【0069】
線ヒータ5の発熱作用中において、この線ヒータ5の発熱温度が所定温度に達すると、温度制御部の温度制御作用により、線ヒータ5への電流供給が制御され、線ヒータ5の発熱温度が所定温度付近に保持される。この結果、耐熱温度が比較的低い樹脂製のランプレンズ4を過熱から保護することができる。
【0070】
ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、また、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりしたところで、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、ランプレンズ4に設けられている線ヒータ5への電流供給が遮断される。
【0071】
この実施例1にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0072】
この実施例1にかかる車両用灯具は、コネクタ26が、オスターミナル28と給電部50とをハトメ端子板29の一次加締めにより固定し、さらに、そのオスターミナル28と給電部50とハトメ端子板29とを樹脂板27の二次加締めにより固定してなるものである。このために、この実施例1にかかる車両用灯具は、オスターミナルと給電部とをハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタ、あるいは、樹脂製のベースとターミナルと給電部とをハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタと比較して、ハトメ端子板29の一次加締めの固定と樹脂板27の二次加締めの固定により、給電部50とコネクタ26との加締め固定強度を向上させることができる。
【0073】
特に、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5と給電部50との間に、延長用フィルム24および延長用導電性ペースト25から構成されている延長部6を、設けたので、ハーネスが不要である。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具は、給電部がハーネスからなる車両用灯具と比較して、製造コストを安価にすることができる。また、ハーネスの重量によりランプレンズ4に転写した線ヒータ5がランプレンズ4から剥がれたり線ヒータ5に負荷がかかったりし、または、ハーネスによりランプレンズ4を傷つけたりするなどの耐久性上において問題が無い。
【0074】
また、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5と給電部50との間に設けた延長部6により、線ヒータ5と給電部50とを電気的接続が維持されながらランプレンズ4の別個の離れた位置、たとえば、ランプレンズ4の正面部33と側壁部34とにそれぞれ設けることができる。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5をランプレンズ4のうち光が照射される部分すなわち正面部33に設け、給電部50をランプレンズ4のうち目立たない部分、すなわち、光が照射されない部分であって線ヒータ5を設ける必要がない部分、たとえば、ランプハウジングに取り付ける側壁部34に設けることができる。これにより、この実施例1にかかる車両用灯具は、給電部50をランプレンズ4のうち目立つ部分すなわち正面部33に設ける必要がないので、特にランプレンズ4の正面視における見栄え上悪いや意匠上悪いなどの課題を解決することができ、また、線ヒータ5をランプレンズ4のうち目立たない部分すなわち側壁部34まで設ける必要がないので製造コストや消費電力上の課題も解決することができる。
【0075】
さらに、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5と給電部50との間に設けた延長部6により、線ヒータ5と給電部50とをランプレンズ4の別個の離れた位置にそれぞれ固定することができるので、線ヒータ5をランプレンズ4に確実にかつ容易に転写することができる。すなわち、線ヒータ5と、その線ヒータ5の幅よりも広い幅を有する給電部50とを隣接してランプレンズ4に転写することが難しい。ところが、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5と、その線ヒータ5の幅よりも広い幅を有する給電部50とを隣接してランプレンズ4に固定する必要が無いので、線ヒータ5をランプレンズ4に確実にかつ容易に転写することができる。
【0076】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、延長部6の延長用フィルム24のうちランプレンズ4と対向する側の面の一部に接着部54を設けたので、この一部の接着部54により、延長部6の延長用フィルム24をランプレンズ4の正面部33の内面に確実に接着することができ、かつ、見栄えや意匠を損なうことが無い。すなわち、延長部6の延長用フィルム24全体をランプレンズの正面部33の内面の曲面に接着することは、困難であり、見栄えや意匠を損なったりし、また、延長部6の延長用フィルム24全体をランプレンズ4の正面部33の内面に接着しない場合は、線ヒータ5の接着剤18に負荷がかかって線ヒータ5が連プレン図4の正面部33の内面から剥がれる虞がある。ところが、この実施例1にかかる車両用灯具は、延長部6の延長用フィルム24の一部をランプレンズ4の正面部33の内面に接着するので、延長部6の延長用フィルム24をランプレンズ4の正面部33の内面に確実に接着することができ、かつ、見栄えや意匠を損なうことが無い。
【0077】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5がベースフィルム(ヒータ用フィルム)17とヒータ用導電性ペースト19とから構成されていて、一方、延長部6が延長用フィルム24と延長用導電性ペースト25とから構成されていて、また、給電部50が給電用フィルム51と給電用導電性ペースト49とから構成されている。このために、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5のベースフィルム(ヒータ用フィルム)17と延長部6の延長用フィルム24と給電部50の給電用フィルム51とを、また、線ヒータ5のヒータ用導電性ペースト19と延長部6の延長用導電性ペースト25と給電部50の給電用導電性ペースト49とを、同一工程で製造することができ、新たな製造工程が必要ないので、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0078】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、延長部6の接着部54が線ヒータ5側に設けられているので、この線ヒータ5側の延長部6の接着部54により、線ヒータ5の接着剤18にかかる負荷を軽減することができ、その分、線ヒータ5がランプレンズ4から剥がれるのを確実に防止することができる。
【0079】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、延長部6の延長用導電性ペースト25の線パターンおよび給電部50の給電用導電性ペースト49の線パターンが線ヒータの5ヒータ用導電性ペースト19の線パターンと比較して太くかつ短いので、延長部6の延長用導電性ペースト25の線パターンおよび給電部50の給電用導電性ペースト49の線パターンの電気抵抗値が線ヒータ5のヒータ用導電性ペースト19の線パターンの電気抵抗値と比較して小さく、その分、延長部6の延長用導電性ペースト25の線パターンおよび給電部50の給電用導電性ペースト49の線パターンにおいて昇温することなく、電流を線ヒータ5に供給することができる。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具は、省電力化を図ることができ、しかも、線ヒータ5のヒータ用導電性ペースト19に延長部6の延長用導電性ペースト25および給電部50の給電用導電性ペースト49を電気的に接続しても、線ヒータ5のヒータ用導電性ペースト19の線パターン(この線パターンは、線が細くて長いので必要箇所全体を一体の電気抵抗値にするには制限がある)の電気抵抗値設計に対して影響を及ぼすことが無い。
【実施例2】
【0080】
図17および図18は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。図中、図1〜図16と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例2にかかる車両用灯具について説明する。
【0081】
この実施例2にかかる車両用灯具は、図17および図18に示すように、コネクタ26が、給電部50の給電用フィルム51の一面の給電用導電性ペースト49にセットされているオスターミナル28と、前記オスターミナル28と前記給電部50とを加締めた樹脂板27と、から構成されているものである。
【0082】
以下、給電部50とコネクタ26との組み付け方について説明する。まず、前記給電部50の2本の前記給電用導電性ペースト49に2個の前記オスターミナル28の固定部57をセットする。このとき、前記給電部50の透孔63と前記オスターミナル28の透孔60とを合わせておく。前記給電部50の前記透孔63および前記オスターミナル28の前記透孔60の中に前記樹脂板27の加締め凸部56を、前記給電用フィルム51側から挿通させる(図17参照)。このとき、前記給電部50および2個の前記オスターミナル28の前記固定部57がリブ30で囲まれている前記樹脂板27の一面に載置されている。
【0083】
つぎに、前記樹脂板27の前記加締め凸部56の先端部を押し潰す。この結果、前記樹脂板27と押し潰された前記加締め凸部56の先端部との間には、前記給電部50と2個の前記オスターミナル28とが加締め付けられている。これにより、前記給電部50と2個の前記オスターミナル28とは、前記樹脂板27の加締めにより固定されている(図18を参照)。このとき、前記給電部50および2個の前記オスターミナル28と前記樹脂板27とは、相互に一体に固定されている。また、前記給電部50の2本の前記給電用導電性ペースト49と2個の前記オスターミナル28の前記固定部57とは、電気的に接続されている。
【0084】
そして、図18に示すように、前記リブ30で囲まれている前記樹脂板27の一面には、たとえばシリコンからなる封止剤31が、2個の前記オスターミナル28の前記固定部57および前記繋部58の一部および前記給電部50の前記給電用フィルム51および前記給電用導電性ペースト49および前記樹脂板27の押し潰された前記加締め凸部56の先端部を覆うように設けられている。前記封止剤31は、電気的接続部分である2本の前記給電用導電性ペースト49および2個の前記オスターミナル28の前記固定部57を覆って電気的に絶縁すると共に外からの衝撃から保護するものである。なお、前記給電用フィルム51の一面にレジストを設ける場合には、電気的接続部分である2本の前記給電用導電性ペースト49のうち2個の前記オスターミナル28の前記固定部57がセットされる部分にはレジストを設けないようにする。このようにして、前記給電部50の前記給電用フィルム51および2本の前記給電用導電性ペースト49と前記コネクタ26の前記樹脂板27および2個の前記オスターミナル28とは、組み付けられている。
【0085】
この実施例2にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1にかかる車両用灯具とほぼ同様の作用効果を達成することができる。特に、この実施例2にかかる車両用灯具は、コネクタ26が、オスターミナル28と給電部50とを樹脂板(加締め具)27の加締めにより固定してなるものであるから、オスターミナルと給電部とを金属製のハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタと比較して、給電部50とオスコネクタ28との加締め固定強度を向上させることができる。しかも、この実施例2にかかる車両用灯具は、オスターミナル28と給電部50とを樹脂板(加締め具)27の加締めにより固定してなるものであるから、樹脂製のベースとオスターミナルと給電部とをハトメ端子板(加締め具)の加締めにより固定してなるコネクタと比較して、部品点数を軽減することができ、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0086】
以下、前記の実施例1、2以外の例について説明する。前記の実施例1、2においては、線ヒータ5をランプレンズ4の正面部33の内面に設けるものである。ところが、この発明においては、線ヒータ5をランプレンズ4の外面もしくは内外両面に設けても良い。
【0087】
また、前記の実施例1、2においては、線ヒータ5をランプレンズ4の正面部33の内面に設けるものである。ところが、この発明においては、線ヒータに高温発熱部と低温発熱部との少なくとも2つの発熱部を形成しても良い。
【0088】
さらに、前記の実施例1、2は、自動車Cのヘッドランプ1L、1Rのランプレンズ4に使用した例を説明するものである。ところが、この発明においては、自動車Cのヘッドランプ1L、1R以外の車両用灯具、たとえば、ストップランプなどの信号灯、カーブランプなどの照明灯、フロントコンビネーションランプ、リアコンビネーションランプなどのランプレンズに使用しても良い。
【0089】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、光を前記ランプレンズ4の正面部33を通して外部に照射する光照射部として、半導体型光源12を光源とするプロジェクタタイプのランプユニット2について説明するものである。ところが、この発明においては、光照射部として、前記のランプユニット2以外の光照射部、たとえば、光源が半導体型光源やHIDなどの放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブであって、プロジェクタタイプや反射タイプや直射タイプのランプユニットであっても良いし、あるいは、プロジェクタタイプや反射タイプや直射タイプの車両用灯具において、半導体型光源やHIDなどの放電灯やハロゲンバルブや白熱バルブの光源、および、その光源と反射面との組み合わせのものであっても良い。
【0090】
さらにまた、前記の実施例1、2においては、線ヒータ5と給電部50との間に延長部6を設けたものである。ところが、この発明においては、線ヒータ5と給電部50との間に延長部6を設けなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示し、自動車のヘッドランプに使用されている状態の説明図である。
【図2】同じく、ヘッドランプの垂直断面図(縦断面図)である。
【図3】同じく、ヘッドランプに使用されているランプユニットの垂直断面図(縦断面図)である。
【図4】同じく、ヘッドランプに使用されているランプレンズを示す斜視図である。
【図5】同じく、図4におけるV部の拡大図である。
【図6】同じく、図5におけるVI−VI線断面図である。
【図7】同じく、ヘッドランプの一部、特に、給電部と電源側との配線状態を示す水平断面図(横断面図)である。
【図8】同じく、線ヒータと延長部と給電部を示す平面図である。
【図9】同じく、線ヒータと延長部と給電部とコネクタとを示す平面図である。
【図10】同じく、延長部の一部および給電部およびコネクタを示す平面図である。
【図11】同じく、延長部の一部と給電部とコネクタのオスターミナルおよびハトメ端子板とを示す斜視図である。
【図12】同じく、延長部の一部と給電部とコネクタのオスターミナルおよびハトメ端子板とを示す断面図である。
【図13】同じく、給電部とオスターミナルとをハトメ端子板により加締め付けて固定した状態を示す断面図である。
【図14】同じく、一体に加締め固定された給電部およびオスターミナルおよびハトメ端子板と樹脂板とを示す断面図である。
【図15】同じく、給電部およびオスターミナルおよびハトメ端子板と樹脂板とを加締め固定しかつ封止剤を設けた状態示す断面図であって、図10におけるXV−XV線断面図である。
【図16】同じく、ランプレンズに転写する線ヒータの製造工程と、ランプレンズに線ヒータを転写する転写工程を示す説明図である。
【図17】この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す給電部およびオスターミナルおよび樹脂板の断面図である。
【図18】同じく、給電部およびオスターミナルと樹脂板とを加締め固定しかつ封止剤を設けた状態示す断面図である。
【符号の説明】
【0092】
C 自動車
CL カット箇所
W ベースフィルムの幅
W1 フィルムの幅
W2 接着部の幅
1L、1R ヘッドランプ(車両用灯具)
2 ランプユニット
3 ランプハウジング
4 ランプレンズ
5 線ヒータ
6 延長部
7 灯室
8 上側リフレクタ
9 下側リフレクタ
10 反射面
11 シェード
12 半導体型光源(LED)
13 投影レンズ
14 ヒートシンク部材
15 ホルダ部材
16 ヒートシンク部材
17 ベースフィルム(ヒータ用フィルム)
18 接着剤
19 ヒータ用導電性ペースト(ヒータ用導電性部材)
20 レジスト
21 セパレータ
22 剥離シート
23 シート部材
24 延長用フィルム
25 延長用導電性ペースト(延長用導電性部材)
26 コネクタ
27 樹脂板(二次加締め具)
28 オスターミナル
29 ハトメ端子板(一次加締め具)
30 リブ
31 封止剤
32 接着剤
33 正面部
34 側壁部
35 ヒータ側ハーネス
36 メスターミナル
37 ヒータ側コネクタ
38 防水グロメット
39 電源側ハーネス
40 電源側コネクタ
41 車両用部品
49 給電用導電性ペースト(給電用導電性部材)
50 給電部
51 給電用フィルム
52 粘着層部分
53 非粘着層部分
54 接着部
55 切欠
56 加締め凸部
57 固定部
58 繋部
59 オス部
60 透孔
61 基部
62 加締め部
63 透孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプレンズが融雪構造をなす車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよび前記ランプレンズと、
前記灯室内に配置されており、光を前記ランプレンズを通して外部に照射する光照射部と、
前記ランプレンズのうち前記光照射部からの光が透過する部分に転写により設けられている線ヒータと、
前記線ヒータに一体に設けられていて前記線ヒータに電流を供給する給電部と、
前記給電部に設けられていて電源側のコネクタと電気的に接続されるコネクタと、
を備え、
前記線ヒータは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱するヒータ用導電性部材と、前記ベースフィルムの他面に前記ヒータ用導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、少なくとも前記ベースフィルムが前記ヒータ用導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、前記接着剤を前記ランプレンズに接着させて線パターンの前記ヒータ用導電性部材を前記ランプレンズに転写させる転写式の線ヒータであり、
前記給電部は、前記ベースフィルムに一体に設けられている給電用フィルムと、前記給電用フィルムの一面に線パターンに形成されていてかつ一端が前記ヒータ用導電性部材に電気的に接続されている給電用導電性部材と、から構成されていて、
前記コネクタは、前記給電用フィルムの一面の前記給電用導電性部材にセットされているターミナルと、前記ターミナルと前記給電部とを加締めたハトメ端子板と、前記ターミナルと前記給電部と前記ハトメ端子板とを加締めた樹脂板と、から構成されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
ランプレンズが融雪構造をなす車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよび前記ランプレンズと、
前記灯室内に配置されており、光を前記ランプレンズを通して外部に照射する光照射部と、
前記ランプレンズのうち前記光照射部からの光が透過する部分に転写により設けられている線ヒータと、
前記線ヒータに一体に設けられていて前記線ヒータに電流を供給する給電部と、
前記給電部に設けられていて電源側のコネクタと電気的に接続されるコネクタと、
を備え、
前記線ヒータは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱するヒータ用導電性部材と、前記ベースフィルムの他面に前記ヒータ用導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、少なくとも前記ベースフィルムが前記ヒータ用導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、前記接着剤を前記ランプレンズに接着させて線パターンの前記ヒータ用導電性部材を前記ランプレンズに転写させる転写式の線ヒータであり、
前記給電部は、前記ベースフィルムに一体に設けられている給電用フィルムと、前記給電用フィルムの一面に線パターンに形成されていてかつ一端が前記ヒータ用導電性部材に電気的に接続されている給電用導電性部材と、から構成されていて、
前記コネクタは、前記給電用フィルムの一面の前記給電用導電性部材にセットされているターミナルと、前記ターミナルと前記給電部とを加締めた樹脂板と、から構成されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
前記線ヒータと前記給電部との間には、所定の長さの延長部が設けられていて、
前記延長部は、前記ベースフィルムと前記給電用フィルムとの間に所定の長さ分一体に設けられている延長用フィルムと、前記延長用フィルムの一面に線パターンに形成されていてかつ両端が前記ヒータ用導電性部材と前記給電用導電性部材とにそれぞれ電気的に接続されている延長用導電性部材と、から構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−21120(P2010−21120A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183152(P2008−183152)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】