車両用照明装置
【課題】インサイドハンドルの視認性を高くすることが可能な車両用照明装置を提供する。
【解決手段】インサイドハンドル31を収容し、車両用ドアトリム10に対して車室内側に開口する形で配されたインサイドハンドル収容部30と、インサイドハンドル収容部30を構成する下壁32Aの下方に配される光源50と、を備え、下壁32Aには、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部30内に出射可能とする光出射孔32Eが形成され、インサイドハンドル収容部30を構成する上壁32Cには、光出射孔32Eから上方に出射された光をインサイドハンドル31に向けて反射可能な光反射部40が設けられていることを特徴とする。
【解決手段】インサイドハンドル31を収容し、車両用ドアトリム10に対して車室内側に開口する形で配されたインサイドハンドル収容部30と、インサイドハンドル収容部30を構成する下壁32Aの下方に配される光源50と、を備え、下壁32Aには、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部30内に出射可能とする光出射孔32Eが形成され、インサイドハンドル収容部30を構成する上壁32Cには、光出射孔32Eから上方に出射された光をインサイドハンドル31に向けて反射可能な光反射部40が設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアに設けられたインサイドハンドルを照らすための車両用照明装置が知られている(例えば、下記特許文献1)。特許文献1のものでは、インサイドハンドルの上方に光源が設置され、インサイドハンドルを上方から照らす構成となっている。このようにインサイドハンドルを照らすことで、インサイドハンドルの視認性を向上させることができ、インサイドハンドルを操作しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−247317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、インサイドハンドルを照らすための光源をインサイドハンドルの下方に配した構成も知られている。光源をインサイドハンドルの下方に配することで、光源から上方に出射される光によってインサイドハンドルを照らすことができるとともに、光源から下方に出射される光によって他の部品を照らすことができる。しかしながら、光源をインサイドハンドルの下方に配した構成の場合は、インサイドハンドルの上部には、光が照射されにくくなり、インサイドハンドルの視認性が低下することが懸念される。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、インサイドハンドルの視認性を高くすることが可能な車両用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用照明装置は、インサイドハンドルを収容し、車両用ドアトリムに対して車室内側に開口する形で配されたインサイドハンドル収容部と、前記インサイドハンドル収容部を構成する下壁の下方に配される光源と、を備え、前記下壁には、前記光源から出射された光を前記インサイドハンドル収容部内に出射可能とする光出射部が形成され、前記インサイドハンドル収容部を構成する上壁には、前記光出射部から上方に出射された光を前記インサイドハンドルに向けて反射可能な光反射部が設けられていることに特徴を有する。
【0007】
本発明においては、光出射部から上方に出射された光を、光反射部によって、インサイドハンドル側に反射することができ、インサイドハンドルを上方から照らすことができる。これにより、インサイドハンドルの下方に光源を配する構成であっても、インサイドハンドルの視認性を高くすることができる。
【0008】
上記構成において、前記光反射部は、前記インサイドハンドルの把持部の延設方向に沿う形で延設されているものとすることができる。
【0009】
このような構成とすれば、光反射部からの反射光を、把持部の延設方向に沿って延びる線状の光とすることができる。これにより、把持部をその延設方向において、より確実に照らすことができ、把持部の視認性をより高くすることができる。
【0010】
また、前記光反射部は、前記光出射部に対して車両前方に配されているものとすることができる。
【0011】
このような構成とすれば、光出射部から光反射部に向かって出射された光の多くは、光反射部によって、車両前方に反射される。これにより、インサイドハンドル収容部の車両後方に着座する乗員に対しては、光反射部からの反射光が届きにくくなり、乗員の防眩性を確保することができる。
【0012】
また、前記光反射部は、平面視において、前記インサイドハンドルと前記光出射部との間に配されているものとすることができる。
【0013】
このような構成とすれば、光反射部によって、光出射部から出射された光をインサイドハンドル側に反射させやすくすることができる。これにより、インサイドハンドルの視認性をより高くすることができる。
【0014】
また、前記光反射部は、前記インサイドハンドルに対して車室外側に配され、前記インサイドハンドル収容部を構成する前記上壁は、前記車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部を有しており、前記光反射部は、前記傾斜部に設けられているものとすることができる。
【0015】
本発明においては、光反射部は、インサイドハンドルに対して車室外側に配されている。言い換えると、インサイドハンドルは、光反射部に対して、車室内側に配されている。このような構成において、光反射部を車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部に設けることで、光出射部からの光を車室内側(インサイドハンドル側)に向けて反射させやすくなり、インサイドハンドルの視認性をより高くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インサイドハンドルの視認性を高くすることが可能な車両用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両用照明装置が取り付けられた車両用ドアトリムを示す正面図
【図2】図1の車両用照明装置を示す斜視図
【図3】図1の車両用照明装置を示す平面図
【図4】図1の車両用照明装置を示す断面図(図1のA−A線で切断した図)
【図5】図1の車両用照明装置が備える光源を示す斜視図
【図6】図1の車両用照明装置が備える光源を示す分解斜視図
【図7】図1の車両用照明装置が備える光源を示す断面図(図4のB−B線で切断した図)
【図8】図1において、インサイドハンドルを拡大して示す拡大図
【図9】本発明の実施形態2に係る車両用照明装置を示す断面図
【図10】本発明の実施形態3に係る車両用照明装置を示す断面図
【図11】本発明の実施形態4に係る車両用照明装置を示す断面図
【図12】光反射部の変形例を示す図
【図13】光反射部の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。図1は、本実施形態の車両用照明装置20が取り付けられた車両用ドアトリム10を示す正面図である。車両用ドアトリム10は、図示しないインナパネルの車室内側に取り付けられる内装材であって、インナパネルとともに車両用ドアを構成するものである。
【0019】
車両用ドアトリム10は、車室内の見栄えや居住性を向上させるためのもので、トリムボード10Aと、当該トリムボード10Aに取り付けられるオーナメント10Bとを備えている。図1に示すように、トリムボード10Aは、その下部を構成するロアボード11、中央部を構成するミドルボード12、上部を構成するアッパボード13から分割構成されている。なお、トリムボード10Aは、各ボード11,12,13から分割構成されず、一体部品として成形されるものであってもよい。
【0020】
ロアボード11、ミドルボード12、アッパボード13は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、あるいは、合成樹脂材料に天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等によって形成されている。また、車両用ドアトリム10の車室内側には、表皮材15(図4参照)が一部または全部に貼着されている。各ボード11,12,13同士の結合は、例えば、一方のボードに形成された取付用ボスを他方のボードに形成された貫通孔に挿通した後で、超音波溶着などの溶着手段によって取付用ボスの先端部を溶着することで行われる。なお、各ボード11,12,13同士の結合は、ビス止めや爪嵌合など様々な結合方法によって行うことができる。
【0021】
ミドルボード12には、図1に示すように、乗員の肘掛けとして使用されるアームレスト部14が車室内側に張り出し状に形成されている。このアームレスト部14の上面には、上方へ開口する開口部14Aが形成され、この開口部14Aの内部には、乗員が指を差し入れることによって車両用ドアを開閉操作するためのプルハンドル(図示せず)が設けられている。
【0022】
アッパーボード13においてミドルボード12との接合部付近には、インサイドハンドル収容部30が設けられており、その内部には車両用ドアの開閉操作を行うためのインサイドハンドル31のハンドル部31A(把持部)が収容されている。また、アームレスト部14の上面において、インサイドハンドル収容部30の下方に位置する箇所には、図示しないスイッチ操作部を有するスイッチベース16が設けられている。
【0023】
本実施形態の車両用照明装置20は、図4に示すように、インサイドハンドル収容部30の内部及びスイッチベース16を照らすための光源50を備えている。インサイドハンドル収容部30は、インサイドハンドルベゼル32と、インサイドハンドルカバー33とを主体に構成されている。なお、以下の説明では、インサイドハンドル収容部30を収容部30、インサイドハンドルベゼル32をベゼル32、インサイドハンドルカバー33をカバー33と言う場合もある。
【0024】
ベゼル32は、図2及び図4に示すように、正面視方形状をなし、車室内側に開口する形で配されている。なお、ベゼル32には、図3に示すように、車室外側へ突き出す形で取付爪35が形成されており、この取付爪35をトリムボード10Aに取り付け可能な構成となっている。カバー33は、ベゼル32の奥壁を車室内側から覆う形で取り付けられている。つまり、カバー33は収容部30の奥壁を構成するものである。
【0025】
光源50は、ベゼル32の下壁32A(インサイドハンドル収容部を構成する下壁)の下方に配されている。図4に示すように、下壁32Aの端部からは、光源50の側方および下方を覆う形で延びる延設部32Bが形成されている。言い換えると、図4に示すように、下壁32A及び延設部32Bによって、凹状に形成された光源収容部が構成されており、光源50は、この光源収容部に収容されている。
【0026】
下壁32Aには、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部30内に出射可能とする光出射孔32E(光出射部)が貫通形成されている。一方、延設部32Bの下部は、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部32Dとされている。この傾斜部32Dには、下壁部光出射孔32Fが貫通形成されている。この下壁部光出射孔32Fは光源50から出射される光を通過させるためのものである。
【0027】
つまり、本実施形態においては、光源50から光出射孔32Eを通じて光を出射することで、インサイドハンドル収容部30内を照らすことができるとともに、光源50から下壁部光出射孔32Fを通じて光を出射することで、下壁部光出射孔32Fの下方に配されているスイッチベース16を照らすことが可能な構成となっている。
【0028】
また、下壁部光出射孔32Fは、車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部32Dに形成されている。このようにすれば、乗員が上方から下壁部光出射孔32Fを視認する事態を抑制できるから、意匠性を損なうことがない(図4に乗員の視線E2を示す)。
【0029】
なお、下壁部光出射孔32Fから出射される光の出射方向は下方(スイッチベース16側)に限定されない。例えば、下壁部光出射孔32Fから出射される光の出射方向が側方(図4の左側)となるように、傾斜部32D及び下壁部光出射孔32Fを設けてもよい。
【0030】
また、延設部32Bの下端には、図4に示すように、ミドルボード12から突出する取付ボス12Aが挿通された取付孔32Gが形成されている。取付ボス12Aを取付孔32Gに挿通させた後、取付ボス12Aの突出端を超音波溶着などの溶着手段によって溶着することで、ミドルボード12に対して、ベゼル32の延設部32Bが結合される。
【0031】
次に光源50の構成について説明を行う。光源50は、図6に示すように、LED51と、導光体60とを備えている。導光体60は、図5及び図6に示すように、平面視略方形状の平板状をなすレンズ部材62と、LED51及びレンズ部材62を上下から覆う形で収容可能な上側カバー61及び下側カバー63を主体に構成されている。この導光体60は、LED51から出射された光を、光出射孔32E(ひいては収容部30内)及び下壁部光出射孔32F(ひいてはスイッチベース16)側に導光するためのものである。
【0032】
LED51は、図6に示すように、基板52に対して実装されている。この基板52には、電線53が接続されており、電線53の一端側には、コネクタ54が取り付けられている。電線53及びコネクタ54を介して、LED51は、電源装置(図示せず)に電気的に接続されている。
【0033】
レンズ部材62は、アクリル等の透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂により形成されている。図7に示すように、レンズ部材62におけるLED51側の隅部は、曲面状をなす形で切り欠かれており、光入射面62Aとされる。LED51は、その発光面51Aを光入射面62Aに向ける形で配されている。これにより、光入射面62AにLED51からの光が入射される構成となっている。
【0034】
LED51は、その光軸LAが、例えば、車両前後方向(図7の左右方向)に沿って配されている。なお、LED51(発光面51A)から発せられる光は、光軸LAを中心にして所定の角度範囲内で三次元的に放射状に広がり、その発光強度は、光軸LAに沿った方向が際立って高く、光軸LAに対する傾き角度が大きくなるにつれて低下するような傾向の分布を示す。
【0035】
上側カバー61及び下側カバー63は、例えば合成樹脂製とされる。また、両カバー61、63の内周面には、図6に示すように、LED51を嵌合可能な凹部61B、63Bが形成されており、この凹部61B、63B内にLED51が配される構成となっている。
【0036】
図7に示すように、上側カバー61における車両前後方向(図7の左右方向)の両側からは、それぞれ延設部61D、61Eが形成されている。各延設部61D、61Eには、取付孔61D1、61E1がそれぞれ貫通形成されている。ベゼル32の延設部32Bには、車室外側(図7の上側)に延びる取付爪34D、34Eが形成されている。各取付爪34D,34Eを各取付孔61D1、61E1に嵌合させることで、ベゼル32に対して光源50が取り付けられる構成となっている。
【0037】
上側カバー61の内周面61R及び下側カバー63の内周面63Rは、それぞれ光を反射可能な光反射面とされる。このような光反射面を形成する方法としては、例えば、上側カバー61及び下側カバー63を光の反射性に優れた色(白色など)の材質とすればよい。なお、上側カバー61及び下側カバー63の内周面に光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで光反射面を形成してもよい。
【0038】
上側カバー61における車室内側の先端壁部64(下壁部光出射孔32Fと対向状に配される部分)は、図6に示すように、車室内側(LED51から遠ざかる側)に向かって下降傾斜する形状をなしており、先端壁部64の内面に到達した光を下方に反射させる機能を担っている。
【0039】
図7に示すように、下側カバー63においてLED51が配された側と反対側の端部は、車両後方に突き出す突出壁部65とされる。この突出壁部65は、平面視において、LED51の光軸LAと同一直線状となる位置に配されており、突出壁部65に囲まれた箇所には、レンズ部材62の上側光出射部62Bが収容されている。また、図6に示すように、突出壁部65の底面65Aは、車両後方(LED51から遠ざかる側)に向かうにつれて上昇傾斜する形状をなしている。これにより、突出壁部65の底面65Aに到達した光が上方に反射される構成となっている。
【0040】
図4及び図5に示すように、上側カバー61において、ベゼル32の光出射孔32Eと対向する箇所には貫通孔61Aが形成されており、貫通孔61Aは、平面視においてレンズ部材62に形成された上側光出射部62Bと重なる箇所に形成されている。言い換えると、上側光出射部62Bは、光出射孔32Eの形成箇所と対向する形で配されている。
【0041】
図4及び図5に示すように、下側カバー63において、ベゼル32の下壁部光出射孔32Fと対向する箇所には貫通孔63Aが形成されており、この貫通孔63Aから、レンズ部材62の下面に形成された下側光出射部62Dが露出する構成となっている。つまり、下側光出射部62Dは、下壁部光出射孔32Fと対向する形で配されている。また、図7に示すように、下壁部光出射孔32F及び下側光出射部62Dは、車両前後方向に延びる長手状をなしている。
【0042】
図7に示すように、光入射面62Aのうち、下側光出射部62D側の曲面62A1は、LED51からの出射光(図7における矢線L2)が広範囲に拡散される形状をなしている。一方、光入射面62Aのうち、上側光出射部62B側の曲面62A2は、曲面62A1と比較して曲率が小さく設定され、LED51からの出射光(図7における矢線L1)が上側光出射部62Bに向かって真っ直ぐ向かう形状をなしている。言い換えると、曲面62A2を通過する光は、曲面62A1を通過する光と比較して拡散されにくい構成となっている。
【0043】
これにより、LED51からの出射光のうち、曲面62A1を通過した光は、広範囲に拡散されることで、長手状をなす下壁部光出射孔32Fの全長に亘って到達しやすくなる。また、LED51からの出射光のうち、曲面62A2を通過した光は、比較的拡散されにくく、上側光出射部62Bに到達しやすくなる。
【0044】
図6に示すように、上側光出射部62Bの上面(光出射面)及び下側光出射部62Dの下面(光出射面)は、その表面が略三角波形状で形成されている。これは、上側光出射部62B又は下側光出射部62Dから、レンズ部材62外部に出射される光を屈折させることで、その光路を調整するためのものである。なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの表面形状は、略三角波形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0045】
以上の構成によって、LED51から出射された光は、光入射面62Aからレンズ部材62の内部に入射する。レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L1)は、上側光出射部62Bに到達し、上側光出射部62Bから出射される。また、レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L2)は、下側光出射部62Dに到達し、下側光出射部62Dから出射される。
【0046】
そして、上側光出射部62Bから出射された光(図4における矢線L1)は、図4に示すように、光出射孔32Eを通過して、収容部30内に出射される。これにより、収容部30内を照らすことができる。また、下側光出射部62Dから出射された光(図4における矢線L2)は、下壁部光出射孔32Fを通過して、スイッチベース16に向かって出射される。これにより、スイッチベース16ひいては、そこに設けられたスイッチ操作部(図示せず)を照らすことができ、視認性を向上させることができる。このように、本実施形態においては、一つの光源50によって、導光体60の上方(つまり、インサイドハンドル収容部30内)及び下方(本実施形態では、スイッチベース16)を照らすことが可能となる。
【0047】
なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62D以外の箇所から、レンズ部材62の外部に出射した光は、上側カバー61及び下側カバー63の内周面(光反射面)によって反射され、再びレンズ部材62内に入射する(このような光の一例を図7において矢線L3で示す)。これにより、LED51から出射された光の利用効率を高くすることができる。
【0048】
本実施形態においては、光出射孔32Eは、図3及び図4に示すように、ベゼル32の下壁32Aにおいて、インサイドハンドル31のハンドル部31Aよりも車室外側(図4の右側)に配されている。また、カバー33には、車室内側に突き出す突部33Aが形成されている。この突部33Aは、図3に示すように、光出射孔32Eよりも車両後方(図3の左側)に配されている。これにより、突部33Aは、光出射孔32Eから車両後方に出射された光を遮光可能な遮光部とされる。
【0049】
このような構成とすれば、光出射孔32Eから出射した光のうち、インサイドハンドル収容部30における開口側(車室内側)に向かう光の一部は、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33A(遮光部)によって遮光される。言い換えると、乗員から見た場合(図2及び図3に乗員からの視線E1を示す)、光出射孔32Eは突部33A及びインサイドハンドル31のハンドル部31Aによって隠蔽される。
【0050】
これにより、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。なお、一般的に着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30よりも、車両後方に配される。このため、本実施形態では、突部33Aを光出射孔32Eよりも車両後方に形成することにした。なお、乗員が車両後方から光出射孔32Eを、より直視しにくい構成とするためには、突部33Aを光出射孔32Eに対して、より近付けて形成することが好ましい。
【0051】
本実施形態においては、光源50から上方に出射する光でインサイドハンドル収容部30を照らす構成としている。通常、着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30より上方に位置するため、光源50から上方に出射する光は、下方を向く光よりも乗員の目に入りやすくなる。この点、本実施形態では、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33Aによって、このような上方に出射する光を遮光できる。言い換えると、本実施形態においては、光出射孔32Eをインサイドハンドル収容部30の下壁32A(下面)に設けた場合であっても、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。
【0052】
そして、本実施形態の車両用照明装置20において、ベゼル32の上壁32C(インサイドハンドル収容部を構成する上壁)には、図4に示すように、光反射部40が設けられている。光反射部40は、光出射孔32Eから上方に出射された光のうち、光反射部40に到達した光(図4における矢線L1)をインサイドハンドル31(ハンドル部31A)に向けて反射する機能を担っている。
【0053】
光反射部40は、例えば、光の反射性に優れた色(白色など)の部材とされる。このような光反射部40としては、例えば、白色のテープなどを例示することができる。また、光反射部40は、上壁32Cに光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで形成してもよい。
【0054】
光反射部40は、図3及び図8に示すように、例えば、インサイドハンドル31のハンドル部31Aの延設方向(車両前後方向、図3の左右方向)に沿う形で延設される方形状をなしている。また、光反射部40は、平面視において、ハンドル部31Aと光出射孔32Eとの間に配されている。つまり、光反射部40は、インサイドハンドル31に対して、車室外側に配されている。また、光反射部40は、光出射孔32Eの車両前方(図3及び図8の右側)に配されている。なお、図3においては、光反射部40を2点鎖線で示している。
【0055】
また、本実施形態においては、ベゼル32の上壁32Cは、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部とされる。このため、光反射部40の反射面40Aも車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜面とされる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態においては、光出射孔32Eから上方に出射された光を、光反射部40によってインサイドハンドル31(ひいてはハンドル部31A)に向けて反射することができ、インサイドハンドル31を上方から照らすことができる。これにより、インサイドハンドル31の下方に光源50を配する構成において、インサイドハンドル31(ハンドル部31A)の視認性を高くすることができる。
【0057】
つまり、本実施形態においては、インサイドハンドル31の下方に光源50を配することで、光源50から下方に出射する光でインサイドハンドル収容部30以外の箇所を照らす構成としつつも、インサイドハンドル31の下方に光源50を配することで懸念される問題点(インサイドハンドル31の視認性の低下)を解消することができる。
【0058】
また、本実施形態において、光反射部40は、インサイドハンドル31のハンドル部31Aの延設方向に沿って延設されている。
【0059】
このような構成とすれば、光反射部40からの反射光を、ハンドル部31Aの延設方向に沿って延びる線状の光とすることができる。これにより、ハンドル部31Aをその延設方向において、より確実に照らすことができ、ハンドル部31Aの視認性をより高くすることができる。
【0060】
また、光反射部40は、光出射孔32Eに対して車両前方に配されている。
【0061】
仮に、光反射部40が光出射孔32Eの車両後方に配される構成の場合、光反射部40からの反射光が車両後方へ向かうこととなる。乗員はインサイドハンドル31に対して車両後方に位置するため、反射光が車両後方に向かうと、インサイドハンドル31のハンドル部31Aなどに反射された光が、乗員の目に到達する事態が懸念される。この点、光反射部40を光出射孔32Eに対して車両前方に配する構成とすれば、光出射孔32Eから光反射部40に向かって出射された光(図8における矢線L4)は、その大部分が車両前方(図8の右側)に反射される。これにより、インサイドハンドル収容部30に対して車両後方に着座する乗員に対しては、光反射部40からの反射光が届きにくくなり、乗員の防眩性を確保することができる。
【0062】
また、光反射部40は、平面視において、インサイドハンドル31と光出射孔32Eとの間に配されている。
【0063】
このような構成とすれば、光反射部40によって、光出射孔32Eから出射された光をインサイドハンドル31側(車室内側)に効率よく反射させることができる。これにより、インサイドハンドル31の視認性をより高くすることができる。
【0064】
また、光反射部40は、インサイドハンドル31に対して車室外側に配され、インサイドハンドル収容部30を構成する上壁32Cは、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部とされる。
【0065】
本実施形態においては、光反射部40は、インサイドハンドル31に対して車室外側に配されている。言い換えると、インサイドハンドル31は、光反射部40に対して車室内側に配されている。このような構成において、光反射部40を車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部に設けることで、光出射孔32Eからの光を車室内側(インサイドハンドル31側)に向けて反射させやすくなり、インサイドハンドル31の視認性をより高くすることができる。
【0066】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図9によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の車両用照明装置120においては、光反射部の構成が上記実施形態と相違する。
【0067】
本実施形態においては、図9に示すように、ベゼル32の上壁132Cが傾斜しておらず、水平方向に延設されている。上壁132Cには、その一部を貫通することで、取付孔141が形成されている。取付孔141には、平板状をなす光反射部140が、車室内側に向かって上昇傾斜する形で取り付けられている。つまり、本実施形態においては、光反射部140が上壁132Cの一部を構成するとともに、車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部とされる。このような光反射部140は、例えば、光の反射性に優れた色(例えば白色など)の部材で形成されている。
【0068】
このような構成とすれば、ベゼル32の上壁132Cが傾斜していない構成であっても、光反射部140を車室内側に向かって上昇傾斜する形で設けることができ、光出射孔32Eからの光を車室内側に向けて反射させやすくなる。また、取付孔141に光反射部140を取り付ける構成とすれば、乗員が光反射部140を直視する事態を抑制でき、意匠性を損なうことがない。
【0069】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図10によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の車両用照明装置220においては、光反射部の構成が上記実施形態と相違する。
【0070】
本実施形態における光反射部240は、断面視において、ハンドル部31Aに向かって湾曲する形状をなしており、ベゼル32の上壁232C及び奥壁232Dの一部を切り欠くことで形成された取付孔241を塞ぐ形で取り付けられている。具体的には、光反射部240における車室内側の端部241Aが上壁232Cに対して上方から係止され、車室外側の端部241Bが、奥壁232Dに対して側方から係止されている。
【0071】
本実施形態のように、光反射部240をハンドル部31Aに向かって湾曲する形状とすることで、光出射孔32Eから出射された光(図10における矢線L1)を、光反射部240によって、拡散する形で反射することができる。これにより、光反射部240によって反射される反射光の照射範囲をより広くすることができる。
【0072】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図11によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。上記実施形態においては、光出射部として光出射孔32Eを例示した。これに対して、本実施形態の車両用照明装置320においては、光出射部の構成が上記実施形態と相違する。
【0073】
本実施形態において、インサイドハンドル収容部330のベゼル332(底壁332A、下壁部332B、傾斜部332D)は、透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂材料(例えばアクリルやポリカーボネート等)により形成されている。そして、ベゼル332における車室内側の面には、光透過部342及び光遮断部341が形成されている。
【0074】
光透過部342は、光源50の上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの各々と対向する箇所にそれぞれ形成されている。光遮断部341は、例えば、ベゼル332における車室内側の面において光透過部342以外の箇所に形成されている。なお、図11においては、上側光出射部62Bと対向する光透過部342に符号342Aを付け、下側光出射部62Dと対向する光透過部342に符号342Bを付けてある。
【0075】
なお、このような光透過部342は、例えば、光透過部342を光透過性の高い材質で設定したり、光透過部342の厚さを光が透過する程度に薄くしたりすることで形成することができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態においては、ベゼル332を透光性の大きい部材にするとともに、光透過部342A(光出射部)、光透過部342Bを設けることで、光源50の上方(インサイドハンドル収容部130内)及び下方(スイッチベース16)を照らすことが可能となっている。つまり、光出射部は、光出射孔に限定されず、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部内に出射可能とする構成のものであればよい。
【0077】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
(1)光反射部の構成は、上記各実施形態で例示したものに限定されない。図12に示すように、例えば、円形状の光反射部440を上壁32Cに複数個配列する構成としてもよい。また、図13に示すように、上壁32Cの表面にドット印刷を施すことで、光反射部540を形成してもよい。なお、光反射部は光を反射する機能を有するものであればよく、その色は、白色に限定されない。また、光反射部は、インサイドハンドル収容部を構成する上壁と一体的に形成されていてもよい。
【0079】
(2)光反射部の形成箇所は、上記各実施形態で例示したものに限定されない。光反射部の形成箇所は、光出射部からの光をインサイドハンドル31に向けて反射可能な箇所であればよく、適宜変更可能である。また、インサイドハンドル31、光出射孔32E、光反射部40の位置関係は適宜変更可能である。例えば、車室内側から、インサイドハンドル31、光出射孔32E、光反射部40の順番に配列してもよい。
【0080】
(3)上記実施形態では、インサイドハンドルベゼル32と、インサイドハンドルカバー33によってインサイドハンドル収容部30が構成されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、インサイドハンドル収容部は、車両用ドアトリム10と一体部品として構成されていてもよい。
【0081】
(4)上記実施形態では、光源50が、光源本体(LED51)と導光体60とを備えた構成を例示したが、これに限定されない。例えば、導光体60を備えていなくてもよく、光源本体(LED51)で直接インサイドハンドル収容部30及びインサイドハンドル31を照らす構成としてもよい。また、光源本体としては、LED51以外の光源(例えば、電球等)を使用してもよい。
【符号の説明】
【0082】
10…車両用ドアトリム、20,120,220,320…車両用照明装置、30…インサイドハンドル収容部、31…インサイドハンドル、31A…ハンドル部(インサイドハンドルの把持部)、32A…下壁(インサイドハンドル収容部を構成する下壁)、32C…上壁(インサイドハンドル収容部を構成する上壁、傾斜部)、132C,232C…上壁(インサイドハンドル収容部を構成する上壁)、32E…光出射孔(光出射部)、40,140,240,440,540…光反射部、50…光源、342A…光透過部(光出射部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアに設けられたインサイドハンドルを照らすための車両用照明装置が知られている(例えば、下記特許文献1)。特許文献1のものでは、インサイドハンドルの上方に光源が設置され、インサイドハンドルを上方から照らす構成となっている。このようにインサイドハンドルを照らすことで、インサイドハンドルの視認性を向上させることができ、インサイドハンドルを操作しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−247317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、インサイドハンドルを照らすための光源をインサイドハンドルの下方に配した構成も知られている。光源をインサイドハンドルの下方に配することで、光源から上方に出射される光によってインサイドハンドルを照らすことができるとともに、光源から下方に出射される光によって他の部品を照らすことができる。しかしながら、光源をインサイドハンドルの下方に配した構成の場合は、インサイドハンドルの上部には、光が照射されにくくなり、インサイドハンドルの視認性が低下することが懸念される。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、インサイドハンドルの視認性を高くすることが可能な車両用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用照明装置は、インサイドハンドルを収容し、車両用ドアトリムに対して車室内側に開口する形で配されたインサイドハンドル収容部と、前記インサイドハンドル収容部を構成する下壁の下方に配される光源と、を備え、前記下壁には、前記光源から出射された光を前記インサイドハンドル収容部内に出射可能とする光出射部が形成され、前記インサイドハンドル収容部を構成する上壁には、前記光出射部から上方に出射された光を前記インサイドハンドルに向けて反射可能な光反射部が設けられていることに特徴を有する。
【0007】
本発明においては、光出射部から上方に出射された光を、光反射部によって、インサイドハンドル側に反射することができ、インサイドハンドルを上方から照らすことができる。これにより、インサイドハンドルの下方に光源を配する構成であっても、インサイドハンドルの視認性を高くすることができる。
【0008】
上記構成において、前記光反射部は、前記インサイドハンドルの把持部の延設方向に沿う形で延設されているものとすることができる。
【0009】
このような構成とすれば、光反射部からの反射光を、把持部の延設方向に沿って延びる線状の光とすることができる。これにより、把持部をその延設方向において、より確実に照らすことができ、把持部の視認性をより高くすることができる。
【0010】
また、前記光反射部は、前記光出射部に対して車両前方に配されているものとすることができる。
【0011】
このような構成とすれば、光出射部から光反射部に向かって出射された光の多くは、光反射部によって、車両前方に反射される。これにより、インサイドハンドル収容部の車両後方に着座する乗員に対しては、光反射部からの反射光が届きにくくなり、乗員の防眩性を確保することができる。
【0012】
また、前記光反射部は、平面視において、前記インサイドハンドルと前記光出射部との間に配されているものとすることができる。
【0013】
このような構成とすれば、光反射部によって、光出射部から出射された光をインサイドハンドル側に反射させやすくすることができる。これにより、インサイドハンドルの視認性をより高くすることができる。
【0014】
また、前記光反射部は、前記インサイドハンドルに対して車室外側に配され、前記インサイドハンドル収容部を構成する前記上壁は、前記車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部を有しており、前記光反射部は、前記傾斜部に設けられているものとすることができる。
【0015】
本発明においては、光反射部は、インサイドハンドルに対して車室外側に配されている。言い換えると、インサイドハンドルは、光反射部に対して、車室内側に配されている。このような構成において、光反射部を車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部に設けることで、光出射部からの光を車室内側(インサイドハンドル側)に向けて反射させやすくなり、インサイドハンドルの視認性をより高くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、インサイドハンドルの視認性を高くすることが可能な車両用照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1に係る車両用照明装置が取り付けられた車両用ドアトリムを示す正面図
【図2】図1の車両用照明装置を示す斜視図
【図3】図1の車両用照明装置を示す平面図
【図4】図1の車両用照明装置を示す断面図(図1のA−A線で切断した図)
【図5】図1の車両用照明装置が備える光源を示す斜視図
【図6】図1の車両用照明装置が備える光源を示す分解斜視図
【図7】図1の車両用照明装置が備える光源を示す断面図(図4のB−B線で切断した図)
【図8】図1において、インサイドハンドルを拡大して示す拡大図
【図9】本発明の実施形態2に係る車両用照明装置を示す断面図
【図10】本発明の実施形態3に係る車両用照明装置を示す断面図
【図11】本発明の実施形態4に係る車両用照明装置を示す断面図
【図12】光反射部の変形例を示す図
【図13】光反射部の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図8によって説明する。図1は、本実施形態の車両用照明装置20が取り付けられた車両用ドアトリム10を示す正面図である。車両用ドアトリム10は、図示しないインナパネルの車室内側に取り付けられる内装材であって、インナパネルとともに車両用ドアを構成するものである。
【0019】
車両用ドアトリム10は、車室内の見栄えや居住性を向上させるためのもので、トリムボード10Aと、当該トリムボード10Aに取り付けられるオーナメント10Bとを備えている。図1に示すように、トリムボード10Aは、その下部を構成するロアボード11、中央部を構成するミドルボード12、上部を構成するアッパボード13から分割構成されている。なお、トリムボード10Aは、各ボード11,12,13から分割構成されず、一体部品として成形されるものであってもよい。
【0020】
ロアボード11、ミドルボード12、アッパボード13は、ポリプロピレン等の合成樹脂材料、あるいは、合成樹脂材料に天然繊維(ケナフなど)を混合した材料等によって形成されている。また、車両用ドアトリム10の車室内側には、表皮材15(図4参照)が一部または全部に貼着されている。各ボード11,12,13同士の結合は、例えば、一方のボードに形成された取付用ボスを他方のボードに形成された貫通孔に挿通した後で、超音波溶着などの溶着手段によって取付用ボスの先端部を溶着することで行われる。なお、各ボード11,12,13同士の結合は、ビス止めや爪嵌合など様々な結合方法によって行うことができる。
【0021】
ミドルボード12には、図1に示すように、乗員の肘掛けとして使用されるアームレスト部14が車室内側に張り出し状に形成されている。このアームレスト部14の上面には、上方へ開口する開口部14Aが形成され、この開口部14Aの内部には、乗員が指を差し入れることによって車両用ドアを開閉操作するためのプルハンドル(図示せず)が設けられている。
【0022】
アッパーボード13においてミドルボード12との接合部付近には、インサイドハンドル収容部30が設けられており、その内部には車両用ドアの開閉操作を行うためのインサイドハンドル31のハンドル部31A(把持部)が収容されている。また、アームレスト部14の上面において、インサイドハンドル収容部30の下方に位置する箇所には、図示しないスイッチ操作部を有するスイッチベース16が設けられている。
【0023】
本実施形態の車両用照明装置20は、図4に示すように、インサイドハンドル収容部30の内部及びスイッチベース16を照らすための光源50を備えている。インサイドハンドル収容部30は、インサイドハンドルベゼル32と、インサイドハンドルカバー33とを主体に構成されている。なお、以下の説明では、インサイドハンドル収容部30を収容部30、インサイドハンドルベゼル32をベゼル32、インサイドハンドルカバー33をカバー33と言う場合もある。
【0024】
ベゼル32は、図2及び図4に示すように、正面視方形状をなし、車室内側に開口する形で配されている。なお、ベゼル32には、図3に示すように、車室外側へ突き出す形で取付爪35が形成されており、この取付爪35をトリムボード10Aに取り付け可能な構成となっている。カバー33は、ベゼル32の奥壁を車室内側から覆う形で取り付けられている。つまり、カバー33は収容部30の奥壁を構成するものである。
【0025】
光源50は、ベゼル32の下壁32A(インサイドハンドル収容部を構成する下壁)の下方に配されている。図4に示すように、下壁32Aの端部からは、光源50の側方および下方を覆う形で延びる延設部32Bが形成されている。言い換えると、図4に示すように、下壁32A及び延設部32Bによって、凹状に形成された光源収容部が構成されており、光源50は、この光源収容部に収容されている。
【0026】
下壁32Aには、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部30内に出射可能とする光出射孔32E(光出射部)が貫通形成されている。一方、延設部32Bの下部は、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部32Dとされている。この傾斜部32Dには、下壁部光出射孔32Fが貫通形成されている。この下壁部光出射孔32Fは光源50から出射される光を通過させるためのものである。
【0027】
つまり、本実施形態においては、光源50から光出射孔32Eを通じて光を出射することで、インサイドハンドル収容部30内を照らすことができるとともに、光源50から下壁部光出射孔32Fを通じて光を出射することで、下壁部光出射孔32Fの下方に配されているスイッチベース16を照らすことが可能な構成となっている。
【0028】
また、下壁部光出射孔32Fは、車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部32Dに形成されている。このようにすれば、乗員が上方から下壁部光出射孔32Fを視認する事態を抑制できるから、意匠性を損なうことがない(図4に乗員の視線E2を示す)。
【0029】
なお、下壁部光出射孔32Fから出射される光の出射方向は下方(スイッチベース16側)に限定されない。例えば、下壁部光出射孔32Fから出射される光の出射方向が側方(図4の左側)となるように、傾斜部32D及び下壁部光出射孔32Fを設けてもよい。
【0030】
また、延設部32Bの下端には、図4に示すように、ミドルボード12から突出する取付ボス12Aが挿通された取付孔32Gが形成されている。取付ボス12Aを取付孔32Gに挿通させた後、取付ボス12Aの突出端を超音波溶着などの溶着手段によって溶着することで、ミドルボード12に対して、ベゼル32の延設部32Bが結合される。
【0031】
次に光源50の構成について説明を行う。光源50は、図6に示すように、LED51と、導光体60とを備えている。導光体60は、図5及び図6に示すように、平面視略方形状の平板状をなすレンズ部材62と、LED51及びレンズ部材62を上下から覆う形で収容可能な上側カバー61及び下側カバー63を主体に構成されている。この導光体60は、LED51から出射された光を、光出射孔32E(ひいては収容部30内)及び下壁部光出射孔32F(ひいてはスイッチベース16)側に導光するためのものである。
【0032】
LED51は、図6に示すように、基板52に対して実装されている。この基板52には、電線53が接続されており、電線53の一端側には、コネクタ54が取り付けられている。電線53及びコネクタ54を介して、LED51は、電源装置(図示せず)に電気的に接続されている。
【0033】
レンズ部材62は、アクリル等の透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂により形成されている。図7に示すように、レンズ部材62におけるLED51側の隅部は、曲面状をなす形で切り欠かれており、光入射面62Aとされる。LED51は、その発光面51Aを光入射面62Aに向ける形で配されている。これにより、光入射面62AにLED51からの光が入射される構成となっている。
【0034】
LED51は、その光軸LAが、例えば、車両前後方向(図7の左右方向)に沿って配されている。なお、LED51(発光面51A)から発せられる光は、光軸LAを中心にして所定の角度範囲内で三次元的に放射状に広がり、その発光強度は、光軸LAに沿った方向が際立って高く、光軸LAに対する傾き角度が大きくなるにつれて低下するような傾向の分布を示す。
【0035】
上側カバー61及び下側カバー63は、例えば合成樹脂製とされる。また、両カバー61、63の内周面には、図6に示すように、LED51を嵌合可能な凹部61B、63Bが形成されており、この凹部61B、63B内にLED51が配される構成となっている。
【0036】
図7に示すように、上側カバー61における車両前後方向(図7の左右方向)の両側からは、それぞれ延設部61D、61Eが形成されている。各延設部61D、61Eには、取付孔61D1、61E1がそれぞれ貫通形成されている。ベゼル32の延設部32Bには、車室外側(図7の上側)に延びる取付爪34D、34Eが形成されている。各取付爪34D,34Eを各取付孔61D1、61E1に嵌合させることで、ベゼル32に対して光源50が取り付けられる構成となっている。
【0037】
上側カバー61の内周面61R及び下側カバー63の内周面63Rは、それぞれ光を反射可能な光反射面とされる。このような光反射面を形成する方法としては、例えば、上側カバー61及び下側カバー63を光の反射性に優れた色(白色など)の材質とすればよい。なお、上側カバー61及び下側カバー63の内周面に光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで光反射面を形成してもよい。
【0038】
上側カバー61における車室内側の先端壁部64(下壁部光出射孔32Fと対向状に配される部分)は、図6に示すように、車室内側(LED51から遠ざかる側)に向かって下降傾斜する形状をなしており、先端壁部64の内面に到達した光を下方に反射させる機能を担っている。
【0039】
図7に示すように、下側カバー63においてLED51が配された側と反対側の端部は、車両後方に突き出す突出壁部65とされる。この突出壁部65は、平面視において、LED51の光軸LAと同一直線状となる位置に配されており、突出壁部65に囲まれた箇所には、レンズ部材62の上側光出射部62Bが収容されている。また、図6に示すように、突出壁部65の底面65Aは、車両後方(LED51から遠ざかる側)に向かうにつれて上昇傾斜する形状をなしている。これにより、突出壁部65の底面65Aに到達した光が上方に反射される構成となっている。
【0040】
図4及び図5に示すように、上側カバー61において、ベゼル32の光出射孔32Eと対向する箇所には貫通孔61Aが形成されており、貫通孔61Aは、平面視においてレンズ部材62に形成された上側光出射部62Bと重なる箇所に形成されている。言い換えると、上側光出射部62Bは、光出射孔32Eの形成箇所と対向する形で配されている。
【0041】
図4及び図5に示すように、下側カバー63において、ベゼル32の下壁部光出射孔32Fと対向する箇所には貫通孔63Aが形成されており、この貫通孔63Aから、レンズ部材62の下面に形成された下側光出射部62Dが露出する構成となっている。つまり、下側光出射部62Dは、下壁部光出射孔32Fと対向する形で配されている。また、図7に示すように、下壁部光出射孔32F及び下側光出射部62Dは、車両前後方向に延びる長手状をなしている。
【0042】
図7に示すように、光入射面62Aのうち、下側光出射部62D側の曲面62A1は、LED51からの出射光(図7における矢線L2)が広範囲に拡散される形状をなしている。一方、光入射面62Aのうち、上側光出射部62B側の曲面62A2は、曲面62A1と比較して曲率が小さく設定され、LED51からの出射光(図7における矢線L1)が上側光出射部62Bに向かって真っ直ぐ向かう形状をなしている。言い換えると、曲面62A2を通過する光は、曲面62A1を通過する光と比較して拡散されにくい構成となっている。
【0043】
これにより、LED51からの出射光のうち、曲面62A1を通過した光は、広範囲に拡散されることで、長手状をなす下壁部光出射孔32Fの全長に亘って到達しやすくなる。また、LED51からの出射光のうち、曲面62A2を通過した光は、比較的拡散されにくく、上側光出射部62Bに到達しやすくなる。
【0044】
図6に示すように、上側光出射部62Bの上面(光出射面)及び下側光出射部62Dの下面(光出射面)は、その表面が略三角波形状で形成されている。これは、上側光出射部62B又は下側光出射部62Dから、レンズ部材62外部に出射される光を屈折させることで、その光路を調整するためのものである。なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの表面形状は、略三角波形状に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
【0045】
以上の構成によって、LED51から出射された光は、光入射面62Aからレンズ部材62の内部に入射する。レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L1)は、上側光出射部62Bに到達し、上側光出射部62Bから出射される。また、レンズ部材62に入射した光の一部(図7における矢線L2)は、下側光出射部62Dに到達し、下側光出射部62Dから出射される。
【0046】
そして、上側光出射部62Bから出射された光(図4における矢線L1)は、図4に示すように、光出射孔32Eを通過して、収容部30内に出射される。これにより、収容部30内を照らすことができる。また、下側光出射部62Dから出射された光(図4における矢線L2)は、下壁部光出射孔32Fを通過して、スイッチベース16に向かって出射される。これにより、スイッチベース16ひいては、そこに設けられたスイッチ操作部(図示せず)を照らすことができ、視認性を向上させることができる。このように、本実施形態においては、一つの光源50によって、導光体60の上方(つまり、インサイドハンドル収容部30内)及び下方(本実施形態では、スイッチベース16)を照らすことが可能となる。
【0047】
なお、上側光出射部62B及び下側光出射部62D以外の箇所から、レンズ部材62の外部に出射した光は、上側カバー61及び下側カバー63の内周面(光反射面)によって反射され、再びレンズ部材62内に入射する(このような光の一例を図7において矢線L3で示す)。これにより、LED51から出射された光の利用効率を高くすることができる。
【0048】
本実施形態においては、光出射孔32Eは、図3及び図4に示すように、ベゼル32の下壁32Aにおいて、インサイドハンドル31のハンドル部31Aよりも車室外側(図4の右側)に配されている。また、カバー33には、車室内側に突き出す突部33Aが形成されている。この突部33Aは、図3に示すように、光出射孔32Eよりも車両後方(図3の左側)に配されている。これにより、突部33Aは、光出射孔32Eから車両後方に出射された光を遮光可能な遮光部とされる。
【0049】
このような構成とすれば、光出射孔32Eから出射した光のうち、インサイドハンドル収容部30における開口側(車室内側)に向かう光の一部は、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33A(遮光部)によって遮光される。言い換えると、乗員から見た場合(図2及び図3に乗員からの視線E1を示す)、光出射孔32Eは突部33A及びインサイドハンドル31のハンドル部31Aによって隠蔽される。
【0050】
これにより、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。なお、一般的に着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30よりも、車両後方に配される。このため、本実施形態では、突部33Aを光出射孔32Eよりも車両後方に形成することにした。なお、乗員が車両後方から光出射孔32Eを、より直視しにくい構成とするためには、突部33Aを光出射孔32Eに対して、より近付けて形成することが好ましい。
【0051】
本実施形態においては、光源50から上方に出射する光でインサイドハンドル収容部30を照らす構成としている。通常、着座した状態の乗員の目は、インサイドハンドル収容部30より上方に位置するため、光源50から上方に出射する光は、下方を向く光よりも乗員の目に入りやすくなる。この点、本実施形態では、インサイドハンドル31のハンドル部31A及び突部33Aによって、このような上方に出射する光を遮光できる。言い換えると、本実施形態においては、光出射孔32Eをインサイドハンドル収容部30の下壁32A(下面)に設けた場合であっても、乗員が光出射孔32E(ひいては、そこから出射される光)を直視する事態を抑制できる。
【0052】
そして、本実施形態の車両用照明装置20において、ベゼル32の上壁32C(インサイドハンドル収容部を構成する上壁)には、図4に示すように、光反射部40が設けられている。光反射部40は、光出射孔32Eから上方に出射された光のうち、光反射部40に到達した光(図4における矢線L1)をインサイドハンドル31(ハンドル部31A)に向けて反射する機能を担っている。
【0053】
光反射部40は、例えば、光の反射性に優れた色(白色など)の部材とされる。このような光反射部40としては、例えば、白色のテープなどを例示することができる。また、光反射部40は、上壁32Cに光反射性に優れた塗料(例えば、白色塗料)を塗布することで形成してもよい。
【0054】
光反射部40は、図3及び図8に示すように、例えば、インサイドハンドル31のハンドル部31Aの延設方向(車両前後方向、図3の左右方向)に沿う形で延設される方形状をなしている。また、光反射部40は、平面視において、ハンドル部31Aと光出射孔32Eとの間に配されている。つまり、光反射部40は、インサイドハンドル31に対して、車室外側に配されている。また、光反射部40は、光出射孔32Eの車両前方(図3及び図8の右側)に配されている。なお、図3においては、光反射部40を2点鎖線で示している。
【0055】
また、本実施形態においては、ベゼル32の上壁32Cは、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部とされる。このため、光反射部40の反射面40Aも車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜面とされる。
【0056】
以上説明したように、本実施形態においては、光出射孔32Eから上方に出射された光を、光反射部40によってインサイドハンドル31(ひいてはハンドル部31A)に向けて反射することができ、インサイドハンドル31を上方から照らすことができる。これにより、インサイドハンドル31の下方に光源50を配する構成において、インサイドハンドル31(ハンドル部31A)の視認性を高くすることができる。
【0057】
つまり、本実施形態においては、インサイドハンドル31の下方に光源50を配することで、光源50から下方に出射する光でインサイドハンドル収容部30以外の箇所を照らす構成としつつも、インサイドハンドル31の下方に光源50を配することで懸念される問題点(インサイドハンドル31の視認性の低下)を解消することができる。
【0058】
また、本実施形態において、光反射部40は、インサイドハンドル31のハンドル部31Aの延設方向に沿って延設されている。
【0059】
このような構成とすれば、光反射部40からの反射光を、ハンドル部31Aの延設方向に沿って延びる線状の光とすることができる。これにより、ハンドル部31Aをその延設方向において、より確実に照らすことができ、ハンドル部31Aの視認性をより高くすることができる。
【0060】
また、光反射部40は、光出射孔32Eに対して車両前方に配されている。
【0061】
仮に、光反射部40が光出射孔32Eの車両後方に配される構成の場合、光反射部40からの反射光が車両後方へ向かうこととなる。乗員はインサイドハンドル31に対して車両後方に位置するため、反射光が車両後方に向かうと、インサイドハンドル31のハンドル部31Aなどに反射された光が、乗員の目に到達する事態が懸念される。この点、光反射部40を光出射孔32Eに対して車両前方に配する構成とすれば、光出射孔32Eから光反射部40に向かって出射された光(図8における矢線L4)は、その大部分が車両前方(図8の右側)に反射される。これにより、インサイドハンドル収容部30に対して車両後方に着座する乗員に対しては、光反射部40からの反射光が届きにくくなり、乗員の防眩性を確保することができる。
【0062】
また、光反射部40は、平面視において、インサイドハンドル31と光出射孔32Eとの間に配されている。
【0063】
このような構成とすれば、光反射部40によって、光出射孔32Eから出射された光をインサイドハンドル31側(車室内側)に効率よく反射させることができる。これにより、インサイドハンドル31の視認性をより高くすることができる。
【0064】
また、光反射部40は、インサイドハンドル31に対して車室外側に配され、インサイドハンドル収容部30を構成する上壁32Cは、車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部とされる。
【0065】
本実施形態においては、光反射部40は、インサイドハンドル31に対して車室外側に配されている。言い換えると、インサイドハンドル31は、光反射部40に対して車室内側に配されている。このような構成において、光反射部40を車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部に設けることで、光出射孔32Eからの光を車室内側(インサイドハンドル31側)に向けて反射させやすくなり、インサイドハンドル31の視認性をより高くすることができる。
【0066】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図9によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の車両用照明装置120においては、光反射部の構成が上記実施形態と相違する。
【0067】
本実施形態においては、図9に示すように、ベゼル32の上壁132Cが傾斜しておらず、水平方向に延設されている。上壁132Cには、その一部を貫通することで、取付孔141が形成されている。取付孔141には、平板状をなす光反射部140が、車室内側に向かって上昇傾斜する形で取り付けられている。つまり、本実施形態においては、光反射部140が上壁132Cの一部を構成するとともに、車室内側に向かって上昇傾斜する傾斜部とされる。このような光反射部140は、例えば、光の反射性に優れた色(例えば白色など)の部材で形成されている。
【0068】
このような構成とすれば、ベゼル32の上壁132Cが傾斜していない構成であっても、光反射部140を車室内側に向かって上昇傾斜する形で設けることができ、光出射孔32Eからの光を車室内側に向けて反射させやすくなる。また、取付孔141に光反射部140を取り付ける構成とすれば、乗員が光反射部140を直視する事態を抑制でき、意匠性を損なうことがない。
【0069】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図10によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の車両用照明装置220においては、光反射部の構成が上記実施形態と相違する。
【0070】
本実施形態における光反射部240は、断面視において、ハンドル部31Aに向かって湾曲する形状をなしており、ベゼル32の上壁232C及び奥壁232Dの一部を切り欠くことで形成された取付孔241を塞ぐ形で取り付けられている。具体的には、光反射部240における車室内側の端部241Aが上壁232Cに対して上方から係止され、車室外側の端部241Bが、奥壁232Dに対して側方から係止されている。
【0071】
本実施形態のように、光反射部240をハンドル部31Aに向かって湾曲する形状とすることで、光出射孔32Eから出射された光(図10における矢線L1)を、光反射部240によって、拡散する形で反射することができる。これにより、光反射部240によって反射される反射光の照射範囲をより広くすることができる。
【0072】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図11によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。上記実施形態においては、光出射部として光出射孔32Eを例示した。これに対して、本実施形態の車両用照明装置320においては、光出射部の構成が上記実施形態と相違する。
【0073】
本実施形態において、インサイドハンドル収容部330のベゼル332(底壁332A、下壁部332B、傾斜部332D)は、透光性の大きい(透明度の高い)合成樹脂材料(例えばアクリルやポリカーボネート等)により形成されている。そして、ベゼル332における車室内側の面には、光透過部342及び光遮断部341が形成されている。
【0074】
光透過部342は、光源50の上側光出射部62B及び下側光出射部62Dの各々と対向する箇所にそれぞれ形成されている。光遮断部341は、例えば、ベゼル332における車室内側の面において光透過部342以外の箇所に形成されている。なお、図11においては、上側光出射部62Bと対向する光透過部342に符号342Aを付け、下側光出射部62Dと対向する光透過部342に符号342Bを付けてある。
【0075】
なお、このような光透過部342は、例えば、光透過部342を光透過性の高い材質で設定したり、光透過部342の厚さを光が透過する程度に薄くしたりすることで形成することができる。
【0076】
以上説明したように、本実施形態においては、ベゼル332を透光性の大きい部材にするとともに、光透過部342A(光出射部)、光透過部342Bを設けることで、光源50の上方(インサイドハンドル収容部130内)及び下方(スイッチベース16)を照らすことが可能となっている。つまり、光出射部は、光出射孔に限定されず、光源50から出射された光をインサイドハンドル収容部内に出射可能とする構成のものであればよい。
【0077】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0078】
(1)光反射部の構成は、上記各実施形態で例示したものに限定されない。図12に示すように、例えば、円形状の光反射部440を上壁32Cに複数個配列する構成としてもよい。また、図13に示すように、上壁32Cの表面にドット印刷を施すことで、光反射部540を形成してもよい。なお、光反射部は光を反射する機能を有するものであればよく、その色は、白色に限定されない。また、光反射部は、インサイドハンドル収容部を構成する上壁と一体的に形成されていてもよい。
【0079】
(2)光反射部の形成箇所は、上記各実施形態で例示したものに限定されない。光反射部の形成箇所は、光出射部からの光をインサイドハンドル31に向けて反射可能な箇所であればよく、適宜変更可能である。また、インサイドハンドル31、光出射孔32E、光反射部40の位置関係は適宜変更可能である。例えば、車室内側から、インサイドハンドル31、光出射孔32E、光反射部40の順番に配列してもよい。
【0080】
(3)上記実施形態では、インサイドハンドルベゼル32と、インサイドハンドルカバー33によってインサイドハンドル収容部30が構成されている場合を例示したが、これに限定されない。例えば、インサイドハンドル収容部は、車両用ドアトリム10と一体部品として構成されていてもよい。
【0081】
(4)上記実施形態では、光源50が、光源本体(LED51)と導光体60とを備えた構成を例示したが、これに限定されない。例えば、導光体60を備えていなくてもよく、光源本体(LED51)で直接インサイドハンドル収容部30及びインサイドハンドル31を照らす構成としてもよい。また、光源本体としては、LED51以外の光源(例えば、電球等)を使用してもよい。
【符号の説明】
【0082】
10…車両用ドアトリム、20,120,220,320…車両用照明装置、30…インサイドハンドル収容部、31…インサイドハンドル、31A…ハンドル部(インサイドハンドルの把持部)、32A…下壁(インサイドハンドル収容部を構成する下壁)、32C…上壁(インサイドハンドル収容部を構成する上壁、傾斜部)、132C,232C…上壁(インサイドハンドル収容部を構成する上壁)、32E…光出射孔(光出射部)、40,140,240,440,540…光反射部、50…光源、342A…光透過部(光出射部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサイドハンドルを収容し、車両用ドアトリムに対して車室内側に開口する形で配されたインサイドハンドル収容部と、
前記インサイドハンドル収容部を構成する下壁の下方に配される光源と、を備え、
前記下壁には、前記光源から出射された光を前記インサイドハンドル収容部内に出射可能とする光出射部が形成され、
前記インサイドハンドル収容部を構成する上壁には、前記光出射部から上方に出射された光を前記インサイドハンドルに向けて反射可能な光反射部が設けられていることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記光反射部は、前記インサイドハンドルの把持部の延設方向に沿う形で延設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記光反射部は、前記光出射部に対して車両前方に配されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記光反射部は、平面視において、前記インサイドハンドルと前記光出射部との間に配されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記光反射部は、前記インサイドハンドルに対して車室外側に配され、
前記インサイドハンドル収容部を構成する前記上壁は、前記車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部を有しており、
前記光反射部は、前記傾斜部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項1】
インサイドハンドルを収容し、車両用ドアトリムに対して車室内側に開口する形で配されたインサイドハンドル収容部と、
前記インサイドハンドル収容部を構成する下壁の下方に配される光源と、を備え、
前記下壁には、前記光源から出射された光を前記インサイドハンドル収容部内に出射可能とする光出射部が形成され、
前記インサイドハンドル収容部を構成する上壁には、前記光出射部から上方に出射された光を前記インサイドハンドルに向けて反射可能な光反射部が設けられていることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記光反射部は、前記インサイドハンドルの把持部の延設方向に沿う形で延設されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記光反射部は、前記光出射部に対して車両前方に配されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記光反射部は、平面視において、前記インサイドハンドルと前記光出射部との間に配されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記光反射部は、前記インサイドハンドルに対して車室外側に配され、
前記インサイドハンドル収容部を構成する前記上壁は、前記車室内側に向かって上昇傾斜する形状をなす傾斜部を有しており、
前記光反射部は、前記傾斜部に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−218540(P2012−218540A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85193(P2011−85193)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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