説明

車両用照明装置

【課題】バラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置において、バラスト内の電子
部品からの発熱を効率的にランプハウジング外部に放熱する。
【解決手段】開口部を有するランプハウジング1と、放電灯バルブ2と、ランプハウジング内に配置され、放電灯バルブからの照射光を前方に向けて反射するリフレクタ3と、放電灯バルブと一体的に固定される、イグナイタ、および、点灯用制御回路を内蔵したバラスト4と、ランプハウジング1の開口部を封止するカバー5を備えたバラスト一体化HID
ランプを用いた車両用照明装置において、カバー5を、バラスト4の表面と接触した状態でランプハウジング1の開口部に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、高輝度放電ランプ(High Intensity Discharge ランプ)を用いる車両用
照明装置に関し、特に、イグナイタ(高電圧発生回路)と、バラスト(点灯制御用回路を内蔵した筐体)、および放電灯バルブが一体化されたバラスト一体化HIDランプを用いる
車両用照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両用照明装置として、高輝度放電ランプ(High Intensity Discharge ランプ
)(以下、HIDランプともいう。)の普及が進んでいる。従来のハロゲンランプと比較し
て、HIDランプは省電力、かつ高輝度であるため、今後、さらなる普及が見込まれている

現在、HIDランプを用いる車両用照明装置は、高電圧発生回路(以下、イグナイタともい
う。)、電子部品で構成される点灯制御用回路を内蔵した筐体(以下、バラストともいう。)、放電灯バルブ(以下、単にバルブともいう。)、放電灯バルブからの照射光を前方に向けて反射する反射板(以下、リフレクタともいう。)、およびランプハウジング(灯具ともいう。)等から構成されている。
【0003】
HIDランプの構成部品であるランプハウジングは、ハロゲンランプ、HIDランプで同一のランプハウジングを使用し、各々のランプ使用時には、ランプハウジング内のランプのみを交換する構造である。また、ランプハウジングは、ランプ交換時にランプをランプハウジング内に装着するための開口部と、この開口部を密閉するための着脱可能なカバーから構成されている。さらに、ランプハウジングは、ランプハウジング内部への水分や異物の侵入を防ぐため、通気孔は最小限となっており、ランプハウジング内では、外部からの空気流がほとんど存在しない密閉空間である。
【0004】
従来のHIDランプを用いる車両用照明装置の一例では、バラストはランプハウジングの
外部に搭載されている。バラストをランプハウジングの外部に搭載することにより、走行風などの通気風がバラストの筐体に到達するため、バラスト内の電子部品からの発熱はバラストの筐体を通して、効率的にエンジンルーム内に放熱される。
【0005】
しかし、このような構成では、バラストをランプハウジング外部に搭載するため、接続用コネクタ等が必要となり、作業工程数が増加し、コストが上昇し、さらに小型化が図れない。そこで、バラストをランプハウジング内部に搭載し、さらに、バラスト、イグナイタ、およびバルブを一体化したバラスト一体化HIDランプが考案されている。
バラスト一体化HIDランプ構造を採用することにより、接続用コネクタ等の部材が不要に
なり、コストの低減、小型化が可能となる。
【0006】
しかし、バラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置では、規格により、バラス
トのサイズは従来のバラストよりも小型化され、かつバルブ中にあるガラス球(アーク部分)からバラストまでの距離が近くなる。さらに、基本的にランプのみを交換するため、ハロゲンランプ、従来のHIDランプ使用時と同一構造のランプハウジングを用いる必要が
あり、このため、ランプハウジングの着脱可能なカバーとバラスト(筐体)までの距離は10mm程度となり、バラスト一体化HIDランプ点灯時には、バルブからの発熱、バラスト内
の電子部品からの発熱により、密閉空間であるランプハウジング内部の温度が上昇してしまう。
【0007】
すなわち、従来のHIDランプではバラストとイグナイタで分散されていた発熱の処理
を、バラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置では、ひとつのバラスト(筐体)
に一体化したため、従来の半分程度の表面積から放熱することになるが、自然対流による放熱である以上、同一表面積からの放熱可能な熱量の大幅な増大は通常得られず、結果として空気との温度差が大きくなって放熱量が釣り合う必要が生じ、すなわち筐体の表面と空気との温度差が大きくなる必要が生じる。このため、バラスト内の電子部品からの発熱を効率的に放熱することができず、バラスト内の電子部品の温度が上昇してしまい、バラストの動作不良が懸念されている。
【0008】
そこで、このようなバラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置の問題点を解消
するため、着脱可能なカバー、もしくはその一部をアルミ等の高熱伝導性の材料により形成し、さらにカバー内外の少なくとも一方に放熱フィンをカバーと一体的に形成し、バラストからカバーに輻射の形態で伝えられる熱を、放熱フィンと一体化したカバーを通してエンジンルームへ放熱することで、バラスト内の電子部品の温度上昇を抑制し、バラストの動作不良を低減するものが提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−343128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述の特許文献1では、ランプハウジングの着脱可能なカバー、もしくはその一部をアルミ等の高熱伝導性の材料により形成している。さらに、カバー内外の少なくとも一方に放熱フィンをカバーと一体的に形成し、バラストからカバーに輻射の形態で伝えられる熱を、放熱フィンと一体化したカバーを通してエンジンルームへ放熱することで、バラスト内の電子部品の温度上昇を抑制し、バラストの動作不良を低減しようとしている。
しかしながら、輻射による放熱量は、バラストとランプハウジングの位置関係にも左右され、また、バラスト温度とカバー外部温度(エンジンルーム温度)の4乗差に比例するため、温度差によっては、バラストとカバー間の輻射だけではバラスト内の電子部品からの発熱を効果的にランプハウジング外部に放熱できない可能性がある。
さらに、ランプハウジングは車種により形状が異なるため、従来技術では、すべてのランプハウジングに対応できない可能性がある。
【0011】
こ発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたもので、バラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置において、簡単且つ安価な構成で、バラスト内の電
子部品からの発熱を効率的にランプハウジング外部(エンジンルーム)に放熱し、バラスト内の電子部品の温度上昇を抑制することができる車両用照明装置を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る車両用照明装置は、開口部を有するランプハウジングと、放電灯バルブと前記ランプハウジング内に配置され、前記放電灯バルブを支持すると共に該放電灯バルブからの照射光を前方に向けて反射するリフレクタと、前記放電灯バルブと一体的に固定される、高電圧発生回路であるイグナイタ、および、点灯用制御回路を内蔵した筐体であるバラストと、前記ランプハウジングの開口部を封止する着脱可能なカバーを備えたバラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置であって、前記カバーは、前記バラストの
表面と接触した状態で前記ランプハウジングの開口部に取り付けられるようにしたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明の車両用照明装置によれば、ランプハウジングに着脱可能なカバーがバラストと密接する厚みを有することで、バラスト内の電子部品からの発熱をバラストからカバーへ熱伝導し、カバーから対流、輻射によりカバー外部(エンジンルーム)に効率よく放熱することができ、バラスト内の電子部品の温度上昇を抑制することができる効果がある。
【0014】
上述した、またその他の、この発明の目的、特徴、効果は、以下の実施の形態における詳細な説明および図面の記載からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の実施の形態1におけるバラスト一体化HIDランプ用いた車両用照明装置の構造を示す概略断面図である。
【図2】実施の形態1の変形例を示すもので、バラスト(筐体)側面に放熱フィンを設けた車両用照明装置の概略断面図である。
【図3】実施の形態1の他の変形例を示すもので、放熱フィンと一体化したカバーを設けた車両用照明装置の概略断面図である。
【図4】実施の形態1の更に他の変形例を示すもので、ランプハウジング上部にランプハウジングと一体化した放熱フィンを設けた車両用照明装置の概略断面図である。
【図5】この発明の実施の形態2におけるバラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置の構造を示す概略断面図である。
【図6】この発明の実施の形態3におけるバラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置の構造を示す概略断面図である。
【図7】実施の形態3の変形例を示す車両用照明装置の概略断面図である。
【図8】実施の形態3の他の変形例を示す車両用照明装置の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳述する。なお、各図中、同一符号は、同一あるいは相当部分を示すものとする。
【0017】
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明の実施の形態1におけるバラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置の構造を示すものである。実施の形態1の車両用照明装置は、図1に示すよう
に、ランプハウジング1の開口部のカバー5は、バラスト(筐体)4と接触している。
カバー5がバラスト4と接触することで、バラスト内の電子部品からの発熱は、バラスト4を通して、効率良くカバー5に熱伝導し、カバー5からランプハウジング外部(エンジンルーム)に放熱される。カバー5とバラスト4を接触させることで、バラスト4のカバー5と対抗する面とカバー間に熱伝導率の低い空気層が介在しないため、バラスト4のカバー5と対向する面とカバー5間の熱抵抗が小さくできる。このため、放熱性が良く、バラスト4内の電子部品の温度上昇の抑制を効率良く行うことが可能となる。
【0018】
ここで、バラスト4内の電子部品からの発熱は、バラスト4を通して、自然対流、輻射によりランプハウジング1内に放熱され、さらにランプハウジング1を通して、ランプハウジング外部(エンジンルーム)に放熱される。このため、バラスト4の材料としては、熱伝導率の高い金属材料(アルミ、銅、鉄、マグネシウム合金など)であることが望ましい。また、このバラスト(筐体)4は、切削加工、ダイキャスト、押し出し、鍛造、鋳造などにより作製され、加工後の表面の輻射率はあまり高くないため、輻射による放熱があまり期待できず、バラスト4内の電子部品からの発熱を効率的に放熱できない。
このため、輻射による放熱を向上させるために、バラスト(筐体)4の表面にアルマイト処理を施す、または塗料により着色しても良い。
バラスト一体化HIDランプ模擬サンプルの試験において、バラスト(筐体)を加工素面
から黒色着色させることで、加工素面の場合と比較して、電子部品の温度上昇を約10℃程
度抑制できている。これはすなわち輻射による熱伝達現象を最大限に活用するために放射率を高められた結果得られた作用である。
【0019】
さらに、自然対流による放熱を向上させるために、図2に示すように、ランプハウジング1内の寸法制約が許す範囲で、バラスト4の片面あるいは両側面に、バラスト4と一体化したヒートシンク6を設けても良い。
バラスト一体化HIDランプ模擬サンプルの試験において、バラスト4の両側面にヒートシ
ンクを設けることで、電子部品の温度上昇を5〜10℃抑制できている。
【0020】
一般に、カバーの材料としては、熱伝導率の低い樹脂で形成されているが、効率的に放熱するために、カバー5の材質を熱伝導率の高い金属材料(アルミ、銅、鉄、マグネシウム合金など)で構成する。また、放熱を促進させるために、図3に示すように、カバー5と一体化したヒートシンク7を設けても良い。
なお、図3では、ヒートシンク7として水平方向に凹凸を設けているが、垂直方向に設けてもよく、ピンフィンのように複数突起を設けてもよい。
【0021】
また、バラスト4の形状は、バラスト(筐体)4のカバー5側の内面にバラスト内の電子部品配置に応じて凹凸構造を設け、電子部品とバラスト(筐体)間の密着性確保のために、熱伝導性の良い接着剤を介して電子部品と筐体を接着する。接着剤の材料としては、シリコーン基材に高熱伝導性フィラーを含有したものを用いることで、絶縁性でかつ良熱伝導性のものが得られ、例えば熱伝導率3W/mK程度のものを利用できる。
バラスト(筐体)のうち、バラスト4の基板の発熱部品に相対する部分の肉厚を大きくし、バラスト4の外部の面を平坦とすることで、カバー5に対する放熱性を格段に改善することができる。バラスト4の材質には、アルミなどの良熱伝導性の材料を用いるが、例えばアルミの場合の熱伝導率はおよそ100W/mK〜200W/mKである。接着剤の厚みを最小限化することが熱抵抗低減に有効であることから、バラスト筐体の内壁の厚みが均一な場合に比べて、発熱部品に相対する部分の厚みを大きくすることで、接着剤厚みを最小限化でき、放熱性を向上できる。
【0022】
本発明における接着剤は絶縁性のものを用いた。この理由としては、パワー部品を実装する基板は通常中空で用いられるため、電子部品としては個々には基板面への絶縁性はパターン間の短絡を防ぐ目的で確保されているが、搭載面以外では特に絶縁性を確保していないという産業上の理由がある。良導電性のバラスト(筐体)を経由して短絡することが考えられ、接着剤が垂れた場合などにショートする可能性があるため、接着剤は絶縁性であることが好ましい。これ以外の方法としては、アルマイト処理などでバラスト(筐体)表面に絶縁皮膜を付与する方法がある。アルマイト処理の場合、400V程度の耐電圧は
得られるため、自動車用としては十分な耐電圧性を実現可能である。
【0023】
バラスト一体化HIDランプでは、バラストのサイズが規格化され、小型化するため、基
板1層では、電子部品の実装面積が十分得ることができない場合がある。この場合、基板を2層にし、リフレクタ3側に回路の制御部を実装し、カバー5側に発熱を伴う回路のパワー部を実装することが望ましい。
【0024】
また、ランプハウジング1は密閉空間であるため、バルブ2、バラスト4により温度上昇した空気は上昇し、ランプハウジング上部に停滞する。このため、図4に示すように、ランプハウジング上部にランプハウジング1と一体化した放熱フィン8を設けることが望ましい。ランプハウジング上部に停滞する温度上昇した空気を、ランプハウジング1と一体化した放熱フィン8で放熱することで、バラスト4内の電子部品の温度上昇を抑制できる。ランプハウジング1の材質としては樹脂であるが、放熱フィン8は樹脂、または、熱伝導率の高い金属材料(アルミ、銅、鉄、マグネシウム合金など)で構成すると良い。
【0025】
以上のように、この発明の実施の形態1の車両用照明装置によれば、カバー5とバラスト(筐体)4を接触させることで、バラスト内の電子部品の温度上昇を効率的に抑制することが可能となる。さらに、バラスト一体化HIDランプを用いた車両用装置での課題であ
った耐振動性は、バラスト一体化HIDランプの固定部が、リフレクタ3、およびランプハ
ウジング1に固定されたカバー5となるため、耐振動性に優れたバラスト一体化HIDラン
プを用いた車両用照明装置を得ることができる。
【0026】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2におけるバラスト一体化HIDランプを用いた車両用照
明装置の構造を示すものである。実施の形態2の車両用照明装置は、図5に示すように、バラスト4とカバー5を、熱伝導性の接着材料(例えば、放熱グリス、放熱シート)9を介して接着するようにしたものである。
【0027】
一般に、バラスト(筐体)4、カバー5共に、加工により作製されるため、必ず寸法公差が発生する。さらに、一般に、ランプハウジング開口部にカバー5を装着する際には、カバー5を回転させることで、ランプハウジング1とカバー5を互いに噛み合わせ、固定する構造となっている。以上より、カバー5だけでは、バラスト4と十分に接触できない可能性がある。そこで、図5に示すように、バラスト4とカバー5間に熱伝導性の接着剤(例えば、放熱グリス、放熱シート)9を介して、バラスト4とカバー5を接着させている。
【0028】
熱伝導性の接着剤9を用いることで、バラスト4とカバー5の加工上の寸法公差を吸収でき、かつバラスト4とカバー5間の接触熱抵抗を安定して小さくできる。このため、バラスト内の電子部品からの発熱を、バラスト(筐体)4からカバー5に熱伝導し、カバー5からランプハウジング外部(エンジンルーム)に放熱できるため、バラスト内の電子部品の温度上昇の抑制が安定して可能となる。
【0029】
さらに、従来構造ではバルブのみをリフレクタに固定していたが、バラスト一体化HID
ランプでは、リフレクタ3とバラスト一体化HIDランプを噛み合わせで固定するため、実
車走行時の振動に対して剛性が従来構造よりも弱いという懸念がある。
この発明の実施の形態2の車両用照明装置によれば、バラスト(筐体)4と密接する厚みを有したカバー5が接着剤9を介して、バラスト4をランプハウジング1に固定することで、バラスト一体化HIDランプの固定部が、リフレクタ3、およびランプハウジング1に
固定されたカバー5となり、支持部が2箇所になり、実車走行時の振動に対して、剛性の強い構造となる。
【0030】
実施の形態3.
図6〜図8は、この発明の実施の形態3におけるバラスト一体化HIDランプを用いた車
両用照明装置の構造を示すものである。
実車走行時には、バラスト一体化HIDランプは光軸可変のために、リフレクタとともに
上下左右に可変できる構造が要求される。図5のように、バラスト4とカバー5を接着すると、バラスト一体化HIDランプの可変機能が十分でない可能性がある。
そこで、実施の形態3においては、図6に示すように、ランプハウジング1とカバー5の間に、厚み(0.5〜1mm)程度の弾性力を持つ部材(例えば、ゴム、スポンジなど)10をカバー5に焼付け、この弾性部材10をランプハウジング1の開口部に装着する構造としたものである。
【0031】
このようにすることで、弾性部材10の弾性力により、バラスト一体化HIDランプの可
変機能を満足させることが可能である。このような可変機構が必要な理由として、バラス
ト4の取り付け位置は、ランプの光軸調整を、車体への取り付け後に行う必要があるという点が挙げられる。すなわち、必ずバラスト4とカバー5の位置関係は0.5mm程度以下
の自由度を有する必要がある。これに対して、例えば金属板などでは隙間の変化に追従できないのに対して、本発明のような弾力性を有する材料であれば、その隙間の変化に追従することが可能である。
【0032】
また、図7に示すように、カバー5のバラスト4と対向する面と反対側の面に弾性部材10を焼付け、弾性部材を焼付けたカバー5でランプハウジング1の開口部を密閉することでも、バラスト一体化HIDランプの可変機能を満足させることができる。
この時、カバー5の表面に弾性材料で凹凸を形成すれば表面積が増し、放熱性が向上するというメリットがある。
また輻射率の高い材料を塗布することも放熱性向上に有効である。
さらに、図8に示すように、弾性力を持つ材料(ゴム、スポンジなど)9を、カバー5のバラスト4と対向する面側に焼付け、カバー5とバラスト4を熱伝導性接着剤で接着することでも可変機能を満足させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ランプハウジング、2 放電灯バルブ、3 リフレクタ(反射板)、
4 バラスト(点灯用制御回路を内蔵した筐体)、5 カバー、
6、7、 ヒートシンク、8 放熱フィン、9 熱伝導性接着剤、
10 弾性部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するランプハウジングと、
放電灯バルブと
前記ランプハウジング内に配置され、前記放電灯バルブを支持すると共に該放電灯バルブからの照射光を前方に向けて反射するリフレクタと、
前記放電灯バルブと一体的に固定される、高電圧発生回路であるイグナイタ、および、点灯用制御回路を内蔵した筐体であるバラストと、
前記ランプハウジングの開口部を封止する着脱可能なカバーを備えたバラスト一体化HIDランプを用いた車両用照明装置であって、
前記カバーは、前記バラストの表面と接触した状態で前記ランプハウジングの開口部に取り付けられることを特徴とする車両用照明装置。
【請求項2】
前記カバーと前記バラストを熱伝導性の接着剤で接着したことを特徴とする請求項1に記載の車両用照明装置。
【請求項3】
前記バラストおよび前記カバーの材質を熱伝導率の高い金属材料で構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記バラストの表面にヒートシンクを形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項5】
前記カバーの表面にヒートシンクを形成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項6】
前記ランプハウジングの上部に、該ランプハウジングと一体化した放熱フィンを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の車両用照明装置。
【請求項7】
前記カバーと、前記ランプハウジングの間に弾性部材を備えたことを特徴とする請求項2に記載の車両用照明器具。
【請求項8】
前記カバーの前記バラストと対向する面と反対側の面に弾性部材を取り付け、該カバーで前記ランプハウジングの開口部を密閉するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の車両用照明器具。
【請求項9】
前記カバーのバラストと対向する面に弾性部材を取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の車両用照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−37804(P2013−37804A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170795(P2011−170795)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】