説明

車両用発光表示装置

【課題】 文字・図形・記号等のマークを光らせるための表示光と、エンブレムを周辺側から照らし出すための周辺光とによって、これまでにない斬新なイメージを表示でき、エンブレムを含む表示部を薄く軽量に形成して車両側に簡素に取付けできる車両用発光表示装置を提供する。
【解決手段】 導光部3は、透光性を有する合成樹脂で形成された導光本体部31と、下面に非透光性シートで形成された反射層32とを有している。導光本体部31は、表示部5に入った光を上下方向(厚み方向)に案内・分岐するために上下方向に沿って突出状に形成された突出部311と、表示部5に入った光を半径方向(交差方向)に案内・分岐するために半径方向に沿って平坦状に形成された平坦部312とを有している。突出部311はエンブレム4の貫通孔部43に対して下方から挿通されている。平坦部312は、その周縁がエンブレム4の周縁に沿って同一形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両に取付けられるエンブレムを用いた車両用発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の外部(ラジエータグリル、テールエンドパネル、ボンネット等)又は内部(車室内のインストルメントパネル等)には、メーカ名・車種・型式等を文字・図形・記号等のマークによって表示したエンブレム(オーナメントとも称する)が取付けられている。そして、昼間のみならず夜間においてもこれらのエンブレムを視認できるようにするため、このようなエンブレムに発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、ランプ等の光源(発光体)を組み込む工夫がなされている。例えば、車両側に取付けた光源からの光をエンブレムのマーク部分に直接的に又は光ファイバを介して間接的に照射して、夜間におけるマーク部分の視認性を向上させる技術が開示されている(特許文献1,2参照)。このうち、特許文献1のように発光効率の高いLEDを用いる場合には、駆動電圧を低くできるため安価な構成にできる利点がある。また、特許文献2のように光ファイバを介在させる場合には、伝搬途中での減衰が少なく均一な照明が可能となるため光源の個数を減らすことができる利点がある。
【0003】
【特許文献1】実開平5−1597号公報
【特許文献2】特開平8−2342号公報
【0004】
しかし、これらのようにエンブレムのマーク部分を照明(表示)する場合には、透過光(表示光)が眩しく感じられたり暗く感じられたりすると、メーカーイメージ等をかえって低下させるおそれがある。そのため、周囲環境の変化に対応してマーク部分を透過する光量を調節する技術を付加しなければ、これらの技術をそのままでは適用できないケースがある。また、光源、光ファイバ等を組み込むために、エンブレム自体が大型化・重量化したり、エンブレムの車両側への取付けが複雑化したりするおそれがある。そのため、走行中の振動が比較的大きい場所ではこれらの技術をそのままでは適用できないケースがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、文字・図形・記号等のマークを光らせるための表示光と、エンブレムを周辺側から照らし出すための周辺光とによって、これまでにない斬新なイメージを表示でき、エンブレムを含む表示部を薄く軽量に形成して車両側に簡素に取付けできる車両用発光表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用発光表示装置は、
一方の端面が車両側に取付けられた板状又は膜状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置する板状又は膜状のエンブレムを表面側として、厚み方向に重ね合わせられた表示部を備え、
車両側の光源から前記表示部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記表示部に形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記導光部の他方の端面を覆うように前記表示部に形成された遮光層によって厚み方向表面側への透過が妨げられ、前記導光部を通りその周縁側から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする。
【0007】
このように、文字・図形・記号等のマーク部分は導光部で厚み方向に導かれた表示光によって光り、導光部で交差方向に導かれ導光部の周縁側から漏れ出した周辺光によってエンブレムは周辺側から照らし出される。これによって、エンブレムの周辺部が淡く光り空中に浮かんだように見え、その中にマーク部分がくっきりと発光表示されるので、これまでにない斬新なイメージを表示でき、メーカ・車種・型式等のイメージアップを図ることができる。また、表示部に遮光層を形成することにより、表示部のその他の部分(主体となる部分)を合成樹脂等で構成することも可能となるので、表示部を薄くかつ軽量化できる。しかも、板状又は膜状の導光部がエンブレムを車両側に取付けるための土台となるので、エンブレムの車両側への取付けを簡素で強固なものとすることができる。したがって、例えばラジエータグリルのように走行中の振動が比較的大きい場所であっても、特別な取付構造を用いることなく薄く軽い表示部を車両側にしっかり固定することができる。さらに、導光部を用いることによって厚み方向及び交差方向への光の伝搬途中での減衰が少なく均一で効率的な照明が可能となり、省電力化・長寿命化を図ることができる。
【0008】
ここで、「遮光層」には、湿式めっき、真空蒸着、スパッタリング、塗装、印刷、ホットスタンプ等により形成される遮光金属層(金属製又は金属性の遮光層;金属薄膜)以外に、遮光性を有する合成樹脂製シート、合成樹脂製フィルム等により形成される遮光樹脂層等も含まれる。また、このような遮光層はエンブレムの厚み方向表面・裏面・中間のいずれの部分にも形成でき、エンブレムとは別に(別体に)設けてもよい。
【0009】
次に、上記課題を解決するために、本発明に係る車両用発光表示装置の第一の具体的態様は、
一方の端面が車両側に取付けられた板状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置する板状のエンブレムを表面側として、厚み方向に重ね合わせられて固定された表示部を備え、
前記エンブレムは、透光性を有する合成樹脂製のエンブレム本体部と厚み方向の少なくとも表面に形成された金属性の遮光層とを有し、
車両側の光源から前記表示部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記遮光層に形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記エンブレムの遮光層によって厚み方向への透過が妨げられ、少なくとも前記導光部を通りその周縁部から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムの遮光層をその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする。
【0010】
このように、それぞれ別体で(別々に)形成されたエンブレムと導光部とを重ね合わせて固定することにより表示部を構成する場合には、既製のエンブレムをそのまま用いて本発明の発光表示装置を実施することができる。したがって、上記と同様に走行中の振動が比較的大きい場所であっても、特別な取付構造を用いなくても薄く軽い表示部を車両側にしっかり固定することができる。また、エンブレムの厚み方向表面には、例えば湿式めっき等により金属性の遮光層が形成されているので、日中の自然光の下では金属光沢を表示し、夜間には表示光と周辺光とによって複合的に照射されることで、エンブレムは上記した斬新なイメージを表示できる。その際、表面の金属性の遮光層によって合成樹脂製のエンブレム本体部の耐候性を向上させ、紫外線や酸性雨による劣化の防止を図ることができる。なお、エンブレムの製造工程において、エンブレムの厚み方向表面のみならず裏面側にもめっき層が形成される場合でも、表裏両面にめっき層が形成されたエンブレムをそのまま用いることができる。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る車両用発光表示装置の第二の具体的態様は、
一方の端面が車両側に取付けられた板状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置する板状のエンブレムを表面側として、前記導光部の他方の端面を覆うための遮光層を介して厚み方向に重ね合わせられて一体成形された表示部を備え、
車両側の光源から前記導光部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記遮光層に形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記遮光層によって厚み方向表面側への透過が妨げられ、前記導光部を通りその周縁部から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする。
【0012】
このように、中間の遮光層を介して導光部とエンブレムとを一体成形する場合にも、上記と同様に夜間にはエンブレムが表示光と周辺光とによって複合的に照射されることで上記した斬新なイメージを表示でき、薄く軽く形成された表示部を車両側に固定することができる。その際、中間の遮光層によって厚み方向の表示光と交差方向の周辺光とを無駄なく分岐することができる。しかも、例えば中間の遮光層としての遮光フィルムを挟んで射出成形するフィルムインサート成形を行えば、既存のエンブレムを導光部と一体化させて強固な表示部及び車両側への固定構造とすることができる。
【0013】
さらに、上記課題を解決するために、本発明に係る車両用発光表示装置の第三の具体的態様は、
一方の端面が車両側に取付けられた板状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置して金属性の遮光層を構成する膜状のエンブレムを表面側として、厚み方向に重ね合わせられて一体的に形成された表示部を備え、
車両側の光源から前記導光部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記エンブレムに形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記エンブレムによって厚み方向表面側への透過が妨げられ、前記導光部を通りその周縁部から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする。
【0014】
このように、導光部と金属性の遮光層を構成する膜状のエンブレムとを一体的に形成する場合にも、上記と同様に夜間にはエンブレムが表示光と周辺光とによって複合的に照射されることで上記した斬新なイメージを表示でき、薄く軽く形成された表示部を車両側に固定することができる。しかも、例えば射出成形された導光部に対して蒸着等により遮光層である膜状のエンブレムを重ね合わせることによって、安価かつ強固な表示部及び車両側への固定構造とすることができる。
【0015】
ところで、これらの車両用発光表示装置において、
導光部は、透光性を有する合成樹脂製の導光本体部と車両側取付面(厚み方向裏面)に形成された反射層とを有し、
点状をなす光源から表示部に入った光は、導光本体部で厚み方向及び交差方向に案内・分岐され、
そのうち導光本体部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、マークを光らせるための表示光を構成する一方、
導光本体部で交差方向に導かれた光は、導光部の反射層と遮光層とによって厚み方向への透過が妨げられるとともに反射され、導光本体部を通りその周縁側から交差方向外側へ向けて漏出され、エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
エンブレムを表示光と周辺光とによって複合的に照射するようにしてもよい。
【0016】
このように、導光部に反射層を形成すれば、遮光層と相まって周辺光の伝搬途中での減衰がさらに少なくなり、一層の省電力化・長寿命化を図ることができる。
【0017】
そして、導光本体部は、表示部に入った光を厚み方向に案内・分岐するために厚み方向に沿って突出状に形成された突出部と、表示部に入った光を交差方向に案内・分岐するために交差方向に沿って平坦状に形成された平坦部と、を有し、突出部の先端側から表示光を導出するとともに、平坦部の周縁側から周辺光を漏出することができる。光源からの光を導光本体部に導入すれば、導光本体部に形成される突出部と平坦部とによって厚み方向と交差方向とに案内・分岐されるので、表示光と周辺光とによるエンブレムの複合的な照射が容易に行える。
【0018】
また、導光本体部の突出部を透光部に対して厚み方向に挿通し、導光本体部の平坦部の周縁をエンブレムの周縁に沿ってほぼ同一形状に形成することが望ましい。これによって、導光本体部の周縁側から漏れ出した光がエンブレムの周縁をムラなくほぼ均等に照らすことができ、見る側に届きやすくなる。その際、エンブレム及び導光部が、外周縁で開口しかつ厚み方向に貫通する切欠をそれぞれ有する場合には、導光本体部の切欠の外周縁はエンブレムの切欠の外周縁に沿ってほぼ同一形状となる。なお、エンブレム及び導光部が厚み方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有する場合には、導光本体部の(貫通孔の)内周縁をエンブレムの(貫通孔の)内周縁に沿ってほぼ同一形状とすれば、導光本体部の内周縁部から漏れ出した光が対向する内周縁部で反射することにより、貫通孔をも浮かび上がらせて見せることができ、更なるイメージアップを図ることができる。
【0019】
導光部(平坦部)の外周縁部には、外側へ向かうにつれて車両側に近づくような面取り部を形成してもよい。これによって、導光部(平坦部)を通過した光は、厚み方向と直交する方向ばかりでなく面取り部から見る側へ向かう斜め方向にも漏れ出しやすくなり、エンブレムの視認性が向上する。なお、面取り部は斜面(平面)状、曲面(例えば球面アール)状のいずれに形成されていてもよい。また、エンブレム及び導光部が厚み方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有する場合には、導光部(平坦部)の内周縁部に、内側へ向かうつれて車両側に近づくような面取り部を形成してもよい。
【0020】
導光部(平坦部)の外周縁部には、外側へ向かうにつれて車両側から遠ざかるような面取り部を形成してもよい。これによって、導光部(平坦部)を通過した光は、厚み方向と直交する方向ばかりでなく面取り部から斜め方向にも漏れ出しやすくなり、車両側の取付面で反射されてエンブレムを浮かび上がるように照らし出すので、エンブレムの視認性が向上する。なお、面取り部は斜面(平面)状、曲面(例えば球面アール)状のいずれに形成されていてもよい。また、エンブレム及び導光部が厚み方向に貫通する貫通孔をそれぞれ有する場合には、導光部(平坦部)の内周縁部に、内側へ向かうつれて車両側から遠ざかるような面取り部を形成してもよい。
【0021】
ここで、上記「周縁に沿ってほぼ同一形状」とは下記(1)〜(3)のいずれかを意味する。
(1)導光部(平坦部)の外周縁(内周縁)が、エンブレムの外周縁(内周縁)とほぼ全周(すなわち周長の70%以上)にわたり一致して形成されていること;
(2)導光部(平坦部)の外周縁(内周縁)が、エンブレムの外周縁(内周縁)からほぼ一定距離だけ外側(内側)に離間(すなわち離間距離の変化割合が10%以内)しつつ、ほぼ全周(すなわち周長の70%以上)にわたり平行状に形成されていること;
(3)導光部(平坦部)の外周縁(内周縁)が、エンブレムの外周縁(内周縁)からほぼ一定距離だけ内側(外側)に離間(すなわち離間距離の変化割合が10%以内)しつつ、ほぼ全周(すなわち周長の70%以上)にわたり平行状に形成されていること。
【0022】
さらに、表示光と周辺光とが光源を共有し、かつ互いに異色の光となって放出される場合には、表示光と周辺光とによりエンブレムを空中に浮かんだように幻想的に表示することが容易となる。なお、異色光を形成するには、色相、彩度、明度のうち少なくともいずれかを異ならせることによって行えばよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(実施例1)
次に、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。図1は本発明に係る車両用発光表示装置の一例を示す正面図であり、図2(a)は図1のA−A断面図、図2(b)はB−B断面図である。図2に示すように車両用発光表示装置(以下、単に表示装置ともいう)1は、表示部5と、車両側に配置された1又は複数の点状の光源6(例えば1個のLED)とを備えている。表示部5は、一方の端面が車両側(例えば車両外部のラジエータグリル等又は車両内部のインストルメントパネル等)の取付面2に接着層aを介して取付けられた板状の導光部3を裏面側(下方)に配置し、その導光部3の他方の端面側に位置する板状のエンブレム4を表面側(上方)に配置し、それらが厚み方向(上下方向)に重ね合わせられて、両面テープ等の接着層bを介して貼り合わせ固定されている。なお、ここに図示したエンブレム4は比較的平坦で単純な形状で表されているが、実際には重厚感や質感を持たせるために種々の凹凸が形成された三次元形状を有している。それに合わせて導光部3にも三次元的な構造が付与される場合が多い。ここで「板状」とは、表面の広がり(長さ,幅,奥行)に比べて厚みが薄く(例えば最大厚さが最大長さの1/5以下)形成されていることを表し、全体が平面的(平坦)であることは必ずしも意味しない。
【0024】
図1に示すように表示部5(導光部3及びエンブレム4)は、円形状をなし、中央連結部7を挟んで、厚み方向に貫通する半月状の貫通孔8,8を有している。図1のように表示部5を上方側(厚み方向表面側;取付面2と反対側)から見たとき、導光部3とエンブレム4とは同一形状に形成されている。導光部3の外周縁はエンブレム4の外周縁の外側に一定距離だけ離間して位置するように形成され、かつ貫通孔8,8において導光部3の内周縁はエンブレム4の内周縁の内側に一定距離だけ離間して位置するように形成されている。
【0025】
エンブレム4(表示部5)の中央連結部7には、文字・図形・記号等のマークMを表示するために貫通孔部43(透光部)が形成されている。具体的には、エンブレム4に上下方向に沿って貫通形成された貫通孔部43に、マークMが表面(上方)に表示(形成)され、透光性を有する合成樹脂(例えばアクリル樹脂或いはポリカーボネート樹脂など)製のレンズ44(又はカバーでもよい)を埋め込んである。なお、レンズ44に表示されたマークM以外の部分には、アルミめっき等の遮光層45が形成されている(図2参照)。
【0026】
図2に戻り、導光部3は、透光性を有する合成樹脂(例えばアクリル樹脂或いはポリカーボネート樹脂など)で形成された導光本体部31と、下面(車両側取付面;厚み方向裏面)に非透光性シートで形成された反射層32とを有している。導光部3の中心部(表示部5の中央連結部7の中心部)に、反射層32を貫通して形成された光導入孔33に対向して光源6が配置されている。導光本体部31は、表示部5に入った光を上下方向(厚み方向)に案内・分岐するために上下方向に沿って突出状に形成された突出部311と、表示部5に入った光を半径方向(交差方向)に案内・分岐するために半径方向に沿って平坦状に形成された平坦部312とを有している。この突出部311はエンブレム4の貫通孔部43に対して下方から挿通されている。また、平坦部312は、前述の通り、その周縁がエンブレム4の周縁に沿って同一形状に形成されている。なお、導光本体部31の下面には、光導入孔33を介して導入された光源6からの光を上下方向と半径方向とに案内・分岐させるために、上方に狭くなる截頭角錐状又は截頭円錐状の凹部310(窪み)が形成されている。
【0027】
図2(a)に示すように、導光本体部31の外周縁部には、導光部3の上下方向に平行な周面34と、エンブレム4の外周縁部より外側に位置する表面35と、両面34,35間に位置する面取り部36とが形成されている。面取り部36には、表面35から外側へ向かうにつれて低くなる(取付面2に近づく)傾斜が設けられている。また、図2(b)に示すように、導光本体部31の内周縁部には、導光部3の上下方向に平行な周面34’と、エンブレム4の内周縁部より内側に位置する表面35’と、両面34’,35’間に位置する面取り部36’とが形成されている。面取り部36’には、表面35’から内側へ向かうにつれて低くなる(取付面2に近づく)傾斜が設けられている。
【0028】
エンブレム4は、透光性を有する合成樹脂(例えばアクリル樹脂或いはポリカーボネート樹脂など)で形成されたエンブレム本体部41と、エンブレム本体部41の上面(厚み方向の表面)に湿式めっきで形成された金属(例えばアルミニウム)製の遮光層42とを有している。エンブレム4(エンブレム本体部41)の外周縁(及び内周縁)における上下方向に平行な周面にも遮光層42が形成される。なお、前述の貫通孔部43は、エンブレム本体部41と遮光層42とを貫通して上下方向に形成されている。
【0029】
図3は、表示部5の組立方法を示す。導光部3は、射出成形された導光本体部31の下面に反射層となる非透光性シート32が接着層cを介して貼り付けされている。エンブレム4は、射出成形されたエンブレム本体部41の上面にアルミめっきが施され、遮光層42が形成されている。また、マークMを表示するレンズ44が予め準備されている。そして、導光本体部31の突出部311をエンブレム4の貫通孔部43に挿通すると、導光部3(平坦部312上面)とエンブレム4(エンブレム本体部41下面)とが接着層b(例えば両面テープ)で接着される。さらに、エンブレム4の貫通孔部43にレンズ44を嵌め込むと、表示部5として一体化される。このように形成された表示部5は、非透光性シート32の下面の接着層aを介して取付面2に貼り付け固定される。なお、非透光性シート32は上面に接着層c、下面に接着層aをそれぞれ有する両面テープとして構成することができる。
【0030】
図2に示す表示装置1において、光導入孔33から表示部5に入った光源6の光は、導光本体部31の凹部310で上下方向と半径方向とに案内・分岐される。このうち導光本体部31で上下方向に導かれた光は、突出部311の先端側からレンズ44(貫通孔部43)を透過して上方側に導出され、レンズ44に表示されたマークMを光らせて表示光L1となる。一方、導光本体部31で半径方向に導かれた光は、導光部3の反射層32とエンブレム4の遮光層42とによって上下方向への透過が妨げられて反射され、導光本体部31及びエンブレム本体部41を通り平坦部312の周縁側から半径方向外側へ向けて漏出され、エンブレム4の遮光層42を周辺側から照らし出す周辺光L2となる。表示光L1と周辺光L2とは光源6を共有し、互いに異色の光となって放出されるように、例えば、レンズ44と導光本体部31(平坦部312)とを異なる色に着色してある。
【0031】
このように、エンブレム4は表示光L1と周辺光L2とによって複合的に照射される。したがって、エンブレム4の周辺部が周辺光L2によって淡く光り空中に浮かんだように見え、その中にマークMが表示光L1によってくっきりと発光表示され、これまでにない斬新なイメージが形成される。その際、周辺光L2は、平坦部312の外周縁部から半径方向のみならず、斜め方向、或いは上方にも漏出するので、周辺光L2が見る側に届きやすくなる。また、貫通孔8,8部分において、導光部3(導光本体部31)の内周縁部から漏れ出した光が対向する内周縁部で反射することにより、貫通孔8,8をも浮かび上がらせて見せることができ、更なるイメージアップを図ることができる。
【0032】
さらに、エンブレム4の表面に遮光層42を形成することにより、導光本体部31及びエンブレム本体部41を合成樹脂で構成でき、表示部5が薄く軽量になる。同時に、表面の金属製の遮光層42によって合成樹脂製のエンブレム本体部41の耐候性(紫外線や酸性雨による劣化の防止)が向上する。しかも、板状の導光部3がエンブレム4を車両側の取付面2に取付けるための土台となるので、エンブレム4の車両側への取付けが簡素で強固となる。したがって、表示装置1がラジエータグリルに取付けられ、走行中の振動が大きくなっても、表示部5の車両側への固定が不安定となることはない。さらに、導光部3の反射層32とエンブレム4の遮光層42とによって周辺光L2の伝搬途中での減衰が少なくなり、均一で効率的に照明できるので、省電力・長寿命となる。
【0033】
なお、それぞれ別体で形成されたエンブレム4と導光部3とを重ね合わせて接着・固定することにより表示部5を構成するので、既製のエンブレム4をそのまま用いて表示装置1とすることができる。
【0034】
(変形例)
図4は、図2(実施例1)の変形例を表わしている。エンブレム4の製造工程において、エンブレム4の上面(厚み方向表面)のみならず下面(裏面)側にもめっき層42(遮光層)が形成された場合でも、表裏両面にめっき層42が形成されたエンブレム4をそのまま用いることができる。すなわち、導光本体部31で半径方向に導かれた光は、エンブレム4の裏面側の遮光層42と導光部3の反射層32とによって上下方向への透過が妨げられて反射され、導光本体部31を通り平坦部312の周縁側から漏出して、エンブレム4の遮光層42を周辺側から照らし出す周辺光L2となる。
【0035】
また、図4のエンブレム4には、下面側の遮光層42を貫通しエンブレム本体部41の下半部に達する凹部43’(透光部)が形成され、凹部43’に導光本体部31の突出部311が下方から挿通されている。そして、エンブレム4上面の遮光層42に直接マークMが表示されている。なお、図4において、図2と共通の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
(実施例2)
図5は、本発明に係る車両用発光表示装置の他の例を示す。図5の表示装置100において、表示部50は、板状のエンブレム40と、板状の導光部30とが、導光部30の上面(車両側取付面と反対の面;厚み方向表面)を覆う遮光層52(例えば遮光フィルム)を介して上下方向に重ね合わせられて一体成形されている。このような一体成形方法としてここではフィルムインサート成形を行っている。具体的には、固定型(図示せず)に既製のエンブレム40を挿入固定し、エンブレム40の厚み方向裏面に遮光フィルム52を保持して、キャビティ(図示せず)に合成樹脂(例えばアクリル樹脂)を射出する方法である。成形後に導光部30の下面(車両側取付面;厚み方向裏面)に反射層32(例えば非透光性シート)を接着すると表示部50が完成する。表示装置100では、導光本体部31で半径方向に導かれた光は、遮光層52と導光部300の反射層32とによって上下方向への透過が妨げられて反射され、導光本体部31を通り平坦部312の周縁側から漏出して、エンブレム40の遮光層42を周辺側から照らし出す周辺光L2となる。
【0037】
このように、中間の遮光層52を介して導光部30とエンブレム40とを一体成形する場合、中間の遮光層52としての遮光フィルムを挟んで射出成形するフィルムインサート成形を行うことによって、既製のエンブレム40を導光部30と一体化させて強固な表示部50とすることができる。なお、図5において、図2及び図4と共通の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
(実施例3)
図6は、本発明に係る車両用発光表示装置のさらに他の例を示す。図6の表示部500は金属製の遮光層(例えばアルミ蒸着層)を構成する膜状のエンブレム400と、板状の導光部300とが上下方向に重ね合わせられて一体的に形成されている。ここでは、射出成形された導光部300(導光本体部31)の突出部311の上端面及び周面と平坦部312の上面とにアルミ蒸着して膜状のエンブレム400を形成する。その後に導光部300(導光本体部31)の下面に面状発光体600(例えばEL;光源)を接着すると表示装置200が完成する。エンブレム400(遮光層)にはマークMを表示するための窓部43”(透光部)が形成されている。表示装置200では、面状発光体600からの光は、導光本体部31で上下方向と半径方向とに案内・分岐される。このうち導光本体部31で上下方向に導かれた光は、突出部311の先端側から窓部43”を透過して上方側に導出され、マークMを表示する。一方、導光本体部31で半径方向に導かれた光は、導光本体部31を通り平坦部312の周縁側から半径方向外側へ向けて漏出され、エンブレム400(遮光層)を周辺側から照らし出す。
【0039】
このように、金属製の遮光層を構成する膜状のエンブレム400と導光部300とを一体的に形成する場合、射出成形された導光部300に対してエンブレム400を蒸着により一体化することによって、安価かつ強固な表示部500とすることができる。なお、面状発光体600は上面に接着層c’、下面に接着層a’をそれぞれ有する両面テープとして構成することができる。また、図6において、図2と共通の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図7は、導光本体部31の周縁部(外周縁部,内周縁部)の変形構造を示し、図7(a)(b)(c)はそれぞれ図2(実施例1)、図4(変形例)、図5(実施例2)に対応している。これらの変形構造のうち外周縁部に着目すると、導光本体部31(平坦部312)の外周縁部には表面35から外側へ向かうにつれて曲面(例えば球面アール)状に低くなる(取付面2に近づく)面取り部37が形成されている。このように、曲面状の面取り部37を設けることにより、導光本体部31を通る光は、平坦部312の周縁部からより広く分布して漏出することになる。内周縁部の変形構造についても同様である。なお、図7において、図2、図4、図5と共通の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
図8は、導光本体部31の周縁部(外周縁部,内周縁部)の他の変形構造を示し、図8(a)(b)(c)はそれぞれ図2(実施例1)、図4(変形例)、図5(実施例2)に対応している。このうち図8(a)は、導光部3の外周縁がエンブレム4の外周縁と一致して形成されている場合を示す。この導光部3(平坦部312)の外周縁部には、外側へ向かうにつれて車両側から遠ざかるような傾斜を有する面取り部38が導光本体部31の厚み全体にわたって形成されている。これによって、導光本体部31の平坦部312から漏れ出した光は車両側の取付面2で反射してエンブレム4を照らし出すので、エンブレム4の視認性が向上する。
【0042】
図8(b)は、導光部3の外周縁がエンブレム4の外周縁から一定距離だけ外側に離間している場合を示す。この導光部3(平坦部312)の外周縁部には、外側へ向かうにつれて車両側から遠ざかるような傾斜を有する面取り部38が形成されている。具体的には、導光本体部31(平坦部312)の外周縁部には、エンブレム4の外周縁部より外側に位置する表面35と、導光部3の厚さ方向に平行な周面39と、上記面取り部38とが連続して形成されている。この実施例においても、導光本体部31の平坦部312から漏れ出した光は、車両側の取付面2で反射することになる。
【0043】
図8(c)にも図8(b)と同様に面取り部38が形成されている。ただし、この実施例では、エンブレム40の外周縁部に、外側へ向かうにつれて車両側に近づくような傾斜を有する面取り部48が形成されている。そして、導光本体部31(平坦部312)の面取り部38の内縁は、エンブレム40の外周縁よりも内側にまで達している。
【0044】
なお、図8の各図に示す平面状の面取り部38に代えて、図7に示すような曲面状の面取り部を用いてもよい。また、内周縁部の変形構造についても同様である。さらに、図8において、図2、図4、図5と共通の機能を有する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0045】
実施例3(図6)では、導光部300の外周縁(及び内周縁)は、エンブレム400の外周縁(内周縁)と一致させてある。既述の実施例1、変形例、実施例2においても、同様に導光部3,30の周縁をエンブレム4,40の周縁と一致させてもよい。
【0046】
また、点状の光源6は1個設けた例を示したが、図2(a)に破線で示すように、例えば導光部3の円周部(中央連結部7の両端部をつなぐ外周部)に複数個(例えば左右2個)光源61,62を設けてもよい。さらに、図2、図4、図5に表わされた点状の光源6に代えて図6に示す面状発光体600を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の車両用発光表示装置の一例を示す正面図。
【図2】図1のA−A断面図及びB−B断面図。
【図3】図1の表示部の組立方法を表わす断面図。
【図4】図2の変形例を表わす断面図。
【図5】本発明の車両用発光表示装置の他の例を表わす断面図。
【図6】本発明の車両用発光表示装置のさらに他の例を表わす断面図。
【図7】導光本体部の周縁部の変形構造を示す断面図。
【図8】導光本体部の周縁部の他の変形構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0048】
1 車両用発光表示装置
3 導光部
31 導光本体部
311 突出部
312 平坦部
32 反射層
4 エンブレム
41 エンブレム本体部
42 遮光層
43 貫通孔部(透光部)
5 表示部
52 遮光層
6 光源
M マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端面が車両側に取付けられた板状又は膜状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置する板状又は膜状のエンブレムを表面側として、厚み方向に重ね合わせられた表示部を備え、
車両側の光源から前記表示部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記表示部に形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記導光部の他方の端面を覆うように前記表示部に形成された遮光層によって厚み方向表面側への透過が妨げられ、前記導光部を通りその周縁側から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする車両用発光表示装置。
【請求項2】
一方の端面が車両側に取付けられた板状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置する板状のエンブレムを表面側として、厚み方向に重ね合わせられて固定された表示部を備え、
前記エンブレムは、透光性を有する合成樹脂製のエンブレム本体部と厚み方向の少なくとも表面に形成された金属性の遮光層とを有し、
車両側の光源から前記表示部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記遮光層に形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記エンブレムの遮光層によって厚み方向への透過が妨げられ、少なくとも前記導光部を通りその周縁部から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムの遮光層をその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする車両用発光表示装置。
【請求項3】
一方の端面が車両側に取付けられた板状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置する板状のエンブレムを表面側として、前記導光部の他方の端面を覆うための遮光層を介して厚み方向に重ね合わせられて一体成形された表示部を備え、
車両側の光源から前記導光部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記遮光層に形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記遮光層によって厚み方向表面側への透過が妨げられ、前記導光部を通りその周縁部から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする車両用発光表示装置。
【請求項4】
一方の端面が車両側に取付けられた板状の導光部を裏面側とし、その導光部の他方の端面側に位置して金属性の遮光層を構成する膜状のエンブレムを表面側として、厚み方向に重ね合わせられて一体的に形成された表示部を備え、
車両側の光源から前記導光部に入った光は、前記導光部で厚み方向及びそれとは交差する方向(以下、交差方向という)に案内・分岐され、
そのうち前記導光部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記エンブレムに形成された透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光部で交差方向に導かれた光は、前記エンブレムによって厚み方向表面側への透過が妨げられ、前記導光部を通りその周縁部から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射されることを特徴とする車両用発光表示装置。
【請求項5】
前記導光部は、透光性を有する合成樹脂製の導光本体部と車両側取付面に形成された反射層とを有し、
点状をなす前記光源から前記表示部に入った光は、前記導光本体部で厚み方向及び交差方向に案内・分岐され、
そのうち前記導光本体部で厚み方向に導かれた光は、文字・図形・記号等のマークを表示するために前記透光部を透過して厚み方向表面側に導出され、前記マークを光らせるための表示光を構成する一方、
前記導光本体部で交差方向に導かれた光は、前記導光部の反射層と前記遮光層とによって厚み方向への透過が妨げられるとともに反射され、前記導光本体部を通りその周縁側から交差方向外側へ向けて漏出され、前記エンブレムをその周辺側から照らし出すための周辺光を構成し、
前記エンブレムは前記表示光と前記周辺光とによって複合的に照射される請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用発光表示装置。
【請求項6】
前記導光本体部は、前記表示部に入った光を厚み方向に案内・分岐するために厚み方向に沿って突出状に形成された突出部と、前記表示部に入った光を交差方向に案内・分岐するために交差方向に沿って平坦状に形成された平坦部と、を有し、
前記突出部の先端側から前記表示光が導出されるとともに、前記平坦部の周縁側から前記周辺光が漏出される請求項5に記載の車両用発光表示装置。
【請求項7】
前記導光本体部の突出部は、前記透光部に対して厚み方向に挿通され、
前記導光本体部の平坦部は、その周縁が前記エンブレムの周縁に沿ってほぼ同一形状に形成されている請求項6に記載の車両用発光表示装置。
【請求項8】
前記表示光と前記周辺光とは前記光源を共有し、かつ互いに異色の光となって放出される請求項1ないし7のいずれか1項に記載の車両用発光表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−160136(P2006−160136A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356541(P2004−356541)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000105925)サカエ理研工業株式会社 (110)
【Fターム(参考)】