説明

車両用空気調和装置のエアミックスドア構造

【課題】寸法誤差を吸収することにより、各ギヤ部の噛合い状態を適切に保持して、円滑にしかも正確にエアミックスドアを移動させることが出来る車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を提供する。
【解決手段】中間ギヤ部材100には、出力ギヤ部103と共に、センタシャフト部材60fに固着される共通軸部101が形成されている。この共通軸部101と、前記調整ギヤ部102又は、出力ギヤ部103の歯部104…との間が、円盤面部105によって、連設されている。この円盤面部105には、径方向の寸法誤差を吸収する複数の連通溝部106,107…が、周方向に沿って延在形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、自動車等、車両に用いられる空気調和装置のエアミックスドア構造で、特に、回転駆動力を回転軸部材に設けられた歯車部から、噛合うラック部に伝達することにより、エアミックスドア本体を移動させるもので、前記歯車部とラック部との間に、生じる寸法誤差を吸収可能な車両用空気調和装置のエアミックスドア構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、図16乃至図19に示すような車両用空気調和装置のエアミックスドア構造が知られている(例えば、特許文献1,2等参照)。
【0003】
まず、この車両用空気調和装置のエアミックスドア構造の構成から説明すると、この車両用空気調和装置のエアミックスドア構造では、車両1の乗員室2のうち、前側部に装着されたインストルメントパネル3内に、車両用空気調和装置4が設けられている。
【0004】
図18に示すようなこの車両用空気調和装置4のユニット筐体4a内は、図19に示す様に、隔壁部13,14によって、各々中央流路部10及び左,右流路部11,12に分割されている。
【0005】
また、このユニット筐体4a内には、図18に示す様に、導入された内,外気を冷却して、通過後の空気を冷気とするエバポレータ部5と、この車両用空気調和装置4のユニット筐体4a内を通過する内,外気を暖めて、通過後に暖気とするヒータコア部6とが、設けられている。
【0006】
更に、この車両用空気調和装置4のユニット筐体4a内には、図19に示す様に、前記ヒータコア部6の上流側に、エアミックスドア本体としての中央のスライドドア本体7及び左,右のスライドドア本体8,9が、前記中央流路部10及び左,右流路部11,12に対応して設けられている。
【0007】
これらの各中央のスライドドア本体7及び左,右のスライドドア本体8,9は、縦方向断面で、略弓形を呈していて、左,右側縁部に沿って、従動ギヤとしてのラックギヤ部7a,7a、8a,8a及び9a,9aが各々形成されている。
【0008】
この各ラックギヤ部7a,7a、8a,8a及び9a,9aは、中間シャフト部材としての回転軸部材15a,16a,17aの両端部に各々固着された駆動ピニオンギヤ15,15、16,16、及び17,17と、各々噛合わされている。
【0009】
また、これらの各回転軸部材15a,15b,15cは、図示省略の回転駆動アクチュエータモータによって、回転駆動されるように構成されている。
【0010】
そして、このユニット筐体4aの内側に形成されたスライドガイド部4b…4bに沿って、開閉方向OCである図中上下方向に、各中央のスライドドア本体7及び左,右のスライドドア本体8,9が、各々スライド移動可能となるように構成されている。
【0011】
このため、前記回転駆動アクチュエータモータの回転数を制御することにより、このユニット筐体4a内の中央流路部10及び左,右流路部11,12に対して、中央のスライドドア本体7及び左,右のスライドドア本体8,9が、開閉方向OCへスライド移動されて、これらの中央流路部10又は、左,右流路部11,12通路が、開口若しくは閉塞され、冷風又は温風が通過可能な開口面積が変更されることにより、混合比率が調整される。
【0012】
また、これらのスライドドア本体7,8,9が設けられている各中央流路部10及び左,右流路部11,12は、前記乗員室2内の中央部又は後席足元部、若しくは、左,右乗員席方向へ、図16,図17に示す様にユニット筐体4aに各々接続された各ダクト部材18〜22内を介して、これらの混合された空気が送り出されて、これらの各ダクト部材18〜22の端縁に設けられた各吹出口21〜25から、乗員室2内へ送風されるように構成されている。
【0013】
次に、この従来の車両用空気調和装置4のスライドドア構造の作用効果について説明する。
【0014】
このように構成された従来の車両用空気調和装置4では、各中央流路部10及び左,右流路部11,12内の空気は、各々前記スライドドア本体7,8,9の開閉方向OCのスライド位置に応じて、冷風及び温風の混合比率が調整される。
【0015】
そして、各々中央流路部10及び左,右流路部11,12内の空気が、図16,図17に示す様にユニット筐体4aに各々接続された各ダクト部材18〜22内を介して、乗員室2内の中央部又は後席足元部、若しくは、左,右乗員席方向へ導かれて、各吹出口23〜25から、送出される。
【0016】
この際、この従来のスライドドア構造では、スライドドア本体7,8,9を開閉方向OCに沿って、スライド移動させる為、駆動アクチュエータモータの回転駆動力が、異なる回転軸部材15a,16a,17aによって軸支される各駆動ピニオンギヤ15及び16,17に伝えられる。
【0017】
そして、回転駆動アクチュエータモータによって回転駆動される回転軸部材15a,15b,15cの駆動量に応じて、図示省略の減速ギヤ等の伝達ギヤ及び前記駆動ピニオンギヤ15〜17…と噛合するラックギヤ部7a…,8a…,9a…を介して、スライドドア本体7,8,9の開閉方向OCのスライド位置が調整されて、前記各吹出口23〜25に送られる各空気の温度が、独立して調整可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2001−270320号公報
【特許文献2】特開2000−272327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、このように構成された従来の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造では、スライドドア本体7,8,9をスライド移動させる各駆動ピニオンギヤ15及び16,17…の回転軸部材15a,15b,15cが、開閉方向OCのうち、中央部SCに一列に軸支されることにより、この回転軸部材15a,15b,15cを挟んで、開閉方向OCで、略対称となる開口面積が得られるように構成されている。
【0020】
このため、前記中央流路部10に設けられたスライドドア本体7をスライド移動させる前記駆動アクチュエータに連結された各回転軸部材17aは、前記ユニット筐体4aの左右方向何れかの内側方向から延設される駆動シャフト部材と、伝達ギヤとしての減速ギヤ部を介在させて、回転駆動力が伝達可能となるように、連結される別部品で構成されている。
【0021】
よって、多数の部品で構成されて、組付工程数も増大し、組付作業が煩雑となる従来の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造では、組み付け時に、各部品の寸法誤差が集積されて、大きくなってしまう虞があった。
【0022】
そこで、本願発明は、寸法誤差を吸収することにより、各ギヤ部の噛合い状態を適切に保持して、円滑にしかも正確にエアミックスドアを移動させることが出来る車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、請求項1に記載されたものは、複数の流路部内を各々通過する冷風を、該各流路部内に設けられて、開閉量に応じて、暖められた温風との混合比率を調整するエアミックスドアを複数有して、前記各エアミックスドアは、前記各流路部内で、開閉方向にスライド移動することにより、前記冷風と温風との混合比率を調整するエアミックスドア本体と、該各エアミックスドア本体に形成されたラックギヤ部に各々噛合される出力ギヤ部と、該各出力ギヤ部を回転駆動可能に軸支する軸部材と、前記軸部材を駆動させる回転駆動アクチュエータとを備え、前記各流路部から送出される前記冷風と温風との混合比率を、調整可能とする車両用空気調和装置のエアミックスドア構造であって、前記軸部材に対して、オフセットされた軸位置で、前記回転駆動アクチュエータによって、回転駆動されてなる入力シャフト部材を有し、該入力シャフト部材に設けられた入力ギヤ部材を、前記軸部材に形成された調整ギヤ部に噛み合わせると共に、前記出力ギヤ部と前記調整ギヤ部には、前記軸部材に固着される共通軸部を形成して、該共通軸部と、前記調整ギヤ部又は、出力ギヤ部の歯部との間を連設する円盤面部には、径方向の寸法誤差を吸収する溝部が、周方向に沿って延在形成されている車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を特徴としている。
【0024】
また、請求項2に記載されたものは、前記溝部は、径方向に曲率半径を異ならせて、周方向では重複する位置となるように複数形成された弓形の連通溝部である請求項1記載の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を特徴としている。
【0025】
更に、請求項3に記載されたものは、前記調整ギヤ部及び出力ギヤ部の各歯部が形成される前記軸部材の外周面には、各歯部間を独立させて、径方向への移動を許容させる環状の分離溝が、全周に亘り、凹設形成されている請求項1又は2記載の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を特徴としている。
【0026】
また、請求項4に記載されたものは、前記調整ギヤ部には、前記入力ギヤ部材に形成された位置決め凹部と係合する入力側係合凸部が一体に形成されていると共に、前記出力ギヤ部には、前記ラックギヤ部の延設方向中央部に凹設形成されたセンタ凹部に係合するドア側係合凸部が、一体に形成されている請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0027】
このように構成された請求項1記載のものは、前記中間ギヤ部の円盤面部に、周方向に沿って形成されている溝部が、前記共通軸部と、前記調整ギヤ部及び出力ギヤ部の歯部との間に位置する。
【0028】
このため、前記調整ギヤ部又は出力ギヤ部の歯部が、径方向への撓み変形して、該溝部の周縁形状が容易に追従して、該溝部の溝幅方向へ加わる押圧力が、吸収される。
【0029】
従って、前記共通軸部と各歯部との間に寸法誤差が、生じていても、各調整ギヤ部又は出力ギヤ部の前記円盤面部に設けられた溝部によって吸収されて、噛合いへの影響を減少させることが出来る。
【0030】
このように、複数の部品を組み付ける際にも、共通軸部に形成されている調整ギヤ部と、入力ギヤ部材との間の噛み合い状態が、出力ギヤ部と、ラックギヤ部との噛合い状態から独立されて、適切に保持される。
【0031】
よって、組み付け時のセンタリング等の位置決めが容易に行えて、しかも、前記各回転駆動アクチュエータの回転駆動力が、円滑にしかも正確に伝達されて、前記エアミックスドア本体を、所望の開閉位置までスライド移動させることが出来る。
【0032】
また、請求項2に記載されたものは、前記複数形成された弓形の連通溝部では、径方向の曲率半径を異ならせて、径方向の少なくとも一部が重複する位置となるように形成されている。
【0033】
このため、周方向では異なる位置で、径方向に重複する連通溝部の位置を設定することにより、寸法誤差の吸収量及び弾性反力を、全周方向で、一定とすることできる。
【0034】
更に、請求項3に記載されたものは、環状の分離溝が、前記軸部材の外周面の全周に亘り、凹設形成されている。
【0035】
該分離溝は、前記調整ギヤ部及び出力ギヤ部の各歯部間を独立させて、径方向への移動を許容させることが出来る。
【0036】
従って、更に、寸法誤差が、各溝部で吸収されて、円滑に前記エアミックスドア本体を、所望の開閉位置までスライド移動させることが出来る。
【0037】
また、請求項4に記載されたものは、前記調整ギヤ部に一体に形成された入力側係合凸部が、前記入力ギヤ部材に形成された位置決め凹部と係合されることにより、組み付け状態での回転方向の初期係合位置が確実に設定される。
【0038】
そして、前記出力ギヤ部に一体に形成されたドア側係合凸部が、前記ラックギヤ部の延設方向中央部に凹設形成されたセンタ凹部に係合されることにより、組み付け状態でのエアミックスドア本体の初期係合位置が規制される。
【0039】
従って、確実に出力ギヤ部の初期回転角度を、前記エアミックスドア本体のスライド移動の初期位置と合致させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、要部の構成を説明する側面図である。
【図2】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造に用いられる中間ギヤ部材で、図1中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図3】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造に用いられる中間ギヤ部材で、図1中B−B線に沿った位置での断面図である。
【図4】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、全体の構成を説明する分解斜視図である。
【図5】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、エアミックスドア装置の構成を示す分解斜視図である。
【図6】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、エアミックスドア装置の要部の構成を示す分解斜視図である。
【図7】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、エアミックスドア装置の要部の構成を示す斜視図である。
【図8】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、エアミックスドア装置の中央ユニットの構成を示す斜視図である。
【図9】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、エアミックスドア装置の中央ユニットの要部の構成を示す斜視図である。
【図10】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、エアミックスドア装置の中央ユニットの内部の構成を説明する分解斜視図である。
【図11】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、中間ギヤ部材の構成を示す斜視図である。
【図12】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、中間ギヤ部材と、入力ギヤ部材との組み合わせ状態を示す斜視図である。
【図13】実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、中間ギヤ部材の構成を示す斜視図である。
【図14】実施の形態の実施例1の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、中間ギヤ部材の構成を説明する斜視図である。
【図15】実施の形態の実施例1の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、図14中C−C線に示す位置での断面図である。
【図16】車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、一般的な車両の全体の構成を説明する模式的な一部透過斜視図である。
【図17】車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、空気調和装置が収納されているインストルメントパネルを乗員室内側から見た正面図である。
【図18】従来例の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造で、空調ユニットの構成を示す斜視図である。
【図19】従来例の車両用空気調和装置スライドドア構造で、複数のスライドドアを備えた空調ユニットの内部の構成を説明する模式的な透過斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
次に、この発明を実施するための実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造について、図1乃至図17を用いて説明する。
【0042】
なお、前記従来と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して説明する。
【0043】
まず、この実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造としてのスライドドア構造が採用される空気調和装置30の空気調和ユニット31の構成から説明すると、前記図16及び図17に示す従来と略同様に、車両1の乗員室2では、前側部に装着されたインストルメントパネル3内に、車両用空気調和装置4が、設けられている。
【0044】
図4に示す様に、この車両用空気調和装置4のユニット筐体40は、主に、左,右ケーシング部材41,42、配風モードモジュール43及び、左,右前席若しくは後席の足元への吹出口を連結する足元ダクト連結部44によって、主に構成されている。
【0045】
このユニット筐体40内には、通過する空気を冷却するエバポレータ部45と、このエバポレータ部45の下流側に位置して、通過する空気を暖めるヒータコア部46とを有している。
【0046】
また、このユニット筐体40内には、図19に示す様な隔壁部13,14によって、区画されて、前記複数の流路部としての中央流路部10及び、左,右流路部11,12が設けられている。
【0047】
そして、各中央流路部10及び、左,右流路部11,12内には、これらのエバポレータ部45及び、ヒータコア部46間に位置して、各々通過する空気の配分を開閉量に応じて変更するエアミックスドア装置50が、設けられている。
【0048】
更に、このエアミックスドア装置50は、図5に示す様に、暖められた温風との混合比率を、各中央流路部10内で調整可能とするエアミックスドア本体としての中央スライドドア本体61が設けられた中央ユニット60を有している。
【0049】
この中央ユニット60には、図9に示す様に、前記中央流路部10内に位置する中央ドア開口部60aが設けられている。
【0050】
この中央ドア開口部60aの左,右側縁部には、凹状に形成されたスライドレール凹部60b,60bが対向する位置に一対設けられていると共に、独立駆動可能なエアミックスドア本体としての中央スライドドア本体61が、図10に示す様に、左,右側縁部から側方に向けて、上,下端部の左,右から突設された係合ピン部61a,61a及び61a,61aを各々スライドレール凹部60b,60bに係合させて、縦方向断面で略弓形を呈する湾曲形成された縦長ドア面材61cを、このスライドレール凹部60b,60bに沿わせて、スライド移動可能としている。
【0051】
この中央スライドドア本体61の縦長ドア面材61cの湾曲内側面側には、図13に示す様な従動ギヤとしての中央ラックギヤ部61dが一体に、長手方向に延設方向を沿わせて形成されている。
【0052】
また、この中央ラックギヤ部61dの長手方向中央位置には、位置合わせ用のセンタ凹部61eが、前記中央ラックギヤ部61dの凹設形状に比して、縦長形状となるように凹設形成されている。
【0053】
そして、図9に示す様に、前記中央ユニット60のうち、前記中央スライドドア本体61が、装着された状態で、この中央ラックギヤ部61d側の車幅方向左,右両側壁60c,60cには、対向する位置に、一対の軸受孔部60d,60dが開孔形成されていて、短尺状のセンタシャフト部材60fが、回転可能に軸支されている。
【0054】
更に、このエアミックスドア装置50には、図5乃至図7に示す様に、前記中央ユニット60の車幅方向左右両側に、独立駆動可能なエアミックスドア本体としての左,右スライドドア本体71,81を各々有する左,右独立ユニット70,80が設けられている。
【0055】
この左,右の独立ユニット70,80は、図6に示される様に、各々正面視略口状の左,右ドア開口部70a,80aが、各中央部に形成されて、各流路部としての左,右流路部11,12内に各々位置するように、前記中央ユニット60の左,右両側壁60c,60cの外側に、各々並列に躯着される左,右枠体70d,80dを有している。
【0056】
これらの左,右枠体70d,80dには、各々前記左,右流路部11,12を開閉して、開閉量に応じて、前記エバポレータ部45で冷やされた冷風と、暖められた温風との混合比率を調整する左,右スライドドア本体71,81が設けられている。
【0057】
これらの各左,右スライドドア本体71,81は、側面視略弓形を呈していて、左,右側縁部に沿って、従動ギヤとしてのラックギヤ部71a,71a、81a,81aが各々形成されている。
【0058】
また、前記左,右枠体70d,80dには、各左,右スライドドア本体71,81の左,右側縁部から外側方に向けて、上,下端部から係合ピン部71b,71b及び81b,81bが突設されている。
【0059】
更に、前記左,右スライドドア本体71,81の左,右両側壁71c,71c及び81c,81cには、各々係合させるスライドレール凹部70b,70b及び80b,80bが、対となるように凹設形成されている。
【0060】
そして、このスライドレール凹部70b,80b…の延設方向に沿って、前記各左,右スライドドア本体71,81が、スライド移動可能となるように、装着されている。
【0061】
また、前記左,右両側壁71c,71c及び81c,81cには、対となる軸受孔部71d,71d及び81d,81dが、各々センタシャフト部材60fの軸線方向が、同一となり、一列となるように、左,右シャフト部材71f,71fの両側に、左,右駆動ギヤ部材71g,71g及び81g,81gが、一組づつ設けられて左,右駆動軸部71e,81eを、回動可能に軸支するように構成されている。
【0062】
これら各左,右駆動軸部71e,81eは、図示省略の左,右スライドドア駆動アクチュエータ装置によって、回転駆動されることにより、各々両側縁に対となる左,右のラックギヤ部71a,71a及び81a,81aに各々噛み合わされた前記左,右駆動ギヤ部材71g,71g及び81g,81gが、駆動力を伝達して、所望の位置まで、前記左,右スライドドア本体71,81を、左,右流路部11,12内で、スライド移動させることができるように構成されている。
【0063】
また、前記右独立ユニット80の軸孔部80j及び、前記中央ユニット60の軸孔部60jには、入力シャフト部材としての中央ドア入力シャフト部材90が、左,右端部を回転自在となるように、挿通されて設けられている。
【0064】
そして、この中央ドア入力シャフト部材90には、中央ユニット60部分に挿通された部分には、入力ギヤ部材91が固着されていて、回転可能となるように軸支されている。
【0065】
更に、この実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造では、図1に示すように、この入力ギヤ部材91の歯部92と、前記中央ドア入力シャフト部材90が固着される部分との間に位置する円盤面部93には、径方向の寸法誤差を吸収する連通溝部94,94及び95,95が、周方向に沿って形成されている。
【0066】
これらの連通溝部94,95は、各々径方向に曲率半径を異ならせて、周方向に重複する位置となるように複数形成された弓形を呈している。
【0067】
この入力ギヤ部材91には、前記中央ユニット60部分のセンタシャフト部材60fに固着されて供回りする中間ギヤ部材100に噛み合わせられている。
【0068】
図1に示す様に、この中間ギヤ部材100には、主に、軸部材としての右シャフト部材81fに対して、所定寸法L、オフセットされた位置で、前記中央ドア入力シャフト部材90が挿通される挿通孔101aが貫通形成されて、軸支される共通軸部101が設けられている。
【0069】
この共通軸部101は、前記回転駆動アクチュエータによって、回転駆動される中央ドア入力シャフト部材90に固着されていると共に、前記入力ギヤ部材91と噛み合う調整ギヤ部102が一体に設けられている。
【0070】
この調整ギヤ部102は、前記入力ギヤ部材91と噛合うことにより、前記出力ギヤ部103に回転駆動力を伝達するように構成されている。
【0071】
また、この実施の形態の共通軸部101に設けられた出力ギヤ部103は、この調整ギヤ部102と軸方向で隣接配置されて、一体となるように設けられていて、歯数を、前記調整ギヤ部102とこの出力ギヤ部103との間で増減させる設定を行うことにより、減速ギヤ若しくは増速ギヤとしてのギヤ比を設定変更可能とされている。
【0072】
そして、この中間ギヤ部材100には、前記共通軸部101と、前記調整ギヤ部102及び出力ギヤ部103の各歯部104…との間に位置する円盤面部105には、径方向の寸法誤差を吸収する連通溝部106,106及び107,107が、周方向に沿って、略弓形に形成されている。
【0073】
この実施の形態では、連通溝部106,106及び107,107が、径方向に曲率半径を異ならせて、周方向に重複する位置となるように複数形成された前記円盤面部105の面内,外方向に連通するように、前記各連通溝部106,106及び107,107が、連通方向で等しい面積に貫通形成されている。
【0074】
更に、この実施の形態では、図1に示す様に、前記入力ギヤ部材91の歯部92に設けられた位置決め凹部96が、この歯部92の他の部分に比して、幅広形状となるように凹設形成されている。
【0075】
また、前記中間ギヤ部材100の調整ギヤ部102に一体に凸設形成された入力側係合凸部108bが、この位置決め凹部96に係合した状態では、前記出力ギヤ部103に一体に凸設形成されたドア側係合凸部108aが、前記中央ラックギヤ部61dの延設方向中央部に凹設形成された位置合わせ用のセンタ凹部61eに係合するように、前記入力側係合凸部108bと、前記ドア側係合凸部108aとが形成される相対位置が設定されている。
【0076】
ここでは、図1に示す様に、入力側係合凸部108bと、前記ドア側係合凸部108aとの間の角度αが、α=約90度となるように設定されている。
【0077】
そして、この中央ドア入力シャフト部材90の回転駆動ドアアクチュエータによって、図7に示す隔壁部13,14によって、分割されている中央流路部10及び左,右流路部11,12のうち、中央流路部10から、送出される前記冷風と温風との混合比率が、この中央ユニット60の中央スライドドア本体61が、前記スライドレール凹部60b,60bに沿って、スライド移動される。
【0078】
また、この車両用空気調和装置のユニット筐体40内には、図4に示す様に、導入された内,外気を冷却して、通過後の空気を冷気とするエバポレータ部45と、このユニット筐体40内を通過する内,外気を暖めて、通過後に暖気とするヒータコア部46とが、設けられている。
【0079】
更に、このユニット筐体40内には、図4に示す様に、前記ヒータコア部46の上流側に、エアミックスドアとして、これらの中央スライドドア本体61及び左,右スライドドア本体71,81を、前記中央流路部10及び左,右流路部11,12に対応させて、前記エアミックスドア装置50が設けられていることにより、前記各中央流路部10及び左,右流路部11,12から送り出される空気の温度を、調整可能としている。
【0080】
次に、この実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造の作用効果について説明する。
【0081】
この実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造では、図4に示す様に、この車両用空気調和装置の前記ユニット筐体40内に、前記エアミックスドア装置50を組み込む前に、図5に示す様に、前記中央ユニット60に、前記左,右の独立ユニット70及び80が組み合わせられる。
【0082】
この際、図6に示す様に、中央スライドドア本体61は、前記スライドレール凹部60b,60bにスライド自在となるように、係合ピン部61a,61aが係合されると共に、一体に形成された中央ラックギヤ部61dの位置合わせ用のセンタ凹部61eに、出力ギヤ部103のドア側係合凸部108aが、図1に示す様に噛み合わされる。
【0083】
このセンタ凹部61eは、中央ラックギヤ部61dの延設方向中央部に凹設形成されているので、前記中央スライドドア本体61は、スライド可能範囲で、略中央位置に仮配設される。
【0084】
次に、図6の示す様に、前記中央ユニット60に、前記左,右の独立ユニット70及び80が組み合わせられて、図7に示す様に、一体となる際には、図1に示す様に、前記入力ギヤ部材91に形成された位置決め凹部96に、前記中間ギヤ部材100の調整ギヤ部102に形成された入力側係合凸部108bが、噛み合わせられる。
【0085】
この入力ギヤ部材91を軸支する前記中央ドア入力シャフト部材90は、図6に示す様に、前記中央ユニット60の軸孔部60jおよび右独立ユニット80の軸孔部80jに、各々両端部が挿通されて、前記入力ギヤ部材91が、回転可能に軸支される。
【0086】
また、図1に示す様に、前記入力ギヤ部材91の歯部92…が、前記中間ギヤ部材100の調整ギヤ部102に設けられた歯部104に対して、前記出力ギヤ部103の歯部104が、前記中央ラックギヤ部61dに対して噛合う方向と、直交する方向へ応力Fが作用しても、中央ラックギヤ部61d及び歯部104間の寸法が変動しにくい。
【0087】
そして、前記中間ギヤ部材100の円盤面部105に、周方向に沿って形成されている連通溝部106,106及び107,107が、前記共通軸部101と、前記調整ギヤ部102及び出力ギヤ部103の歯部104との間に位置する。
【0088】
すなわち、組付けを行う際に、前記軸孔部60j,80jの位置寸法精度や、或いは、センタシャフト部材60fの組付精度、前記入力ギヤ部材91又は、中間ギヤ部材100の寸法精度によっては、前記歯部92,104間の噛合わせ量が、変動して、前記連通溝部94,95の溝幅方向や或いは、連通溝部106,107を潰すように、図1中に示す押圧力Fが加わったり、或いは、組み付け完了後も、内部応力が残存する場合がある。
【0089】
このような場合でも、これらの入力ギヤ部材91の歯部92又は、調整ギヤ部102の歯部104が、径方向への撓み変形して、これらの歯部92,104の周縁形状を容易に追従させて、変位が吸収される。
【0090】
また、前記中間ギヤ部材100の出力ギヤ部103と、前記中央ラックギヤ部61dとの間の噛合いに影響を与えるような前記共通軸部101と各歯部104…との間の寸法誤差が、生じても、各調整ギヤ部103又は出力ギヤ部103の前記円盤面部105に設けられた各連通溝部106,107…によって、吸収される。
【0091】
このように、複数の部品を組み付ける際にも、一つの中間ギヤ部材100として、共通軸部101に一体となるように形成されている各調整ギヤ部103と、前記入力ギヤ部材91との間の噛み合い状態が、この中間ギヤ部材100に一体となって共廻りする出力ギヤ部103と、前記中央ラックギヤ部61dとの噛合い状態から独立されて、適切に保持される。
【0092】
よって、図1に示す様に、組み付け時のセンタリング等の位置決めが容易に行えて、しかも、中間ギヤ部材100によって、前記各回転駆動アクチュエータの回転駆動力が、円滑にしかも正確に伝達されて、前記中央スライドドア本体61を、前記中央ドア開口部60a内で、所望の開閉位置までスライド移動させることが出来る。
【0093】
また、この実施の形態では、前記連通溝部106,106及び107,107が、図12に示す様に、径方向に曲率半径を異ならせて、複数形成された弓形の連通溝部として構成されていて、一部周方向に重複する位置となるように形成されている。
【0094】
このため、前記歯部104…が、径方向に撓み変形する際にも、寸法誤差の吸収量及び弾性反力を、全周方向で、一定とすることができる。
【0095】
このため、更に、円滑に前記中央スライドドア本体61を、前記中央ドア開口部60a内で、所望の開閉位置までスライド移動させることが出来る。
【0096】
また、この実施の形態では、図1に示す様に、前記調整ギヤ部102に一体に形成された入力側係合凸部108bが、前記入力ギヤ部材91に形成された位置決め凹部96と係合されることにより、組み付け状態での入力ギヤ部材91の回転方向位置と、前記中間ギヤ部材100の回転方向位置が、規定されて双方間の初期係合位置が確実に設定される。
【0097】
更に、図13に示す様に、前記出力ギヤ部103に一体に形成されたドア側係合凸部108aが、前記中央ラックギヤ部61dの延設方向中央部に凹設形成された位置合わせ用のセンタ凹部61eに係合されることにより、組み付け状態での前記中間ギヤ部材100と、この中央ラックギヤ部61dが形成された中央スライドドア本体61との間の初期係合位置が規定される。
【0098】
従って、確実にセンタシャフト部材60fの初期回転角度を、前記中央スライドドア本体61のスライド移動の初期位置である前記中央ドア開口部60a内の中央位置と合致させることが出来る。
【0099】
そして、前記中間ギヤ部材100の前記共通軸部101と、前記調整ギヤ部102及び出力ギヤ部103との間に位置する円盤面部105に、径方向の寸法誤差を吸収する連通溝部106,107…が、周方向に沿って形成されている。
【0100】
このような複数のギヤ部が組み合わせられて一体化された中間ギヤ部材100を用いることにより、容易に、寸法誤差を吸収することが出来る。
【0101】
このため、多数の部品で構成されて、組付工程数が増大し、組付作業が煩雑となる虞が減少し、円滑に、しかも正確にエアミックスドアを移動させる回転駆動力を伝達させることが出来る。
【0102】
しかも、この実施の形態では、この中央スライドドア本体61が、縦方向断面で、略弓形を呈していて、長手方向に沿って、従動ギヤとしての中央ラックギヤ部61dを一体に形成することにより、中央スライドドア本体61の板面方向と、直交する骨格部材として、補強される。
【0103】
このため、駆動アクチュエータによって回転駆動力が伝達される出力ギヤ部103が、一個だけであっても、更に、円滑に、しかも正確に中央スライドドア本体61をスライド移動させることが出来る。
【0104】
他の構成及び作用効果については、前記従来例と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【実施例1】
【0105】
図14及び図15は、この発明の実施の形態の実施例1の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を示すものである。
【0106】
なお、前記従来例及び、実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造と同一乃至均等な部分については、同一符号を付して、相違する部分を中心に説明する。
【0107】
まず、構成上の相違点を中心に説明すると、この実施例1の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造では、前記実施の形態の作用効果に加えて、更に、中間ギヤ部材200の調整ギヤ部102と、出力ギヤ部103との間には、環状の分離溝201が、この中間ギヤ部材200の外周面の全周に亘り、凹設形成されている。
【0108】
次に、この実施例1の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造の作用効果について説明する。
【0109】
この実施例1では、前記実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造の作用効果に加えて、更に、前記環状の分離溝201によって、前記調整ギヤ部102及び出力ギヤ部103の各歯部102a…及び103a…間が、独立されて、径方向への移動が許容されている。
【0110】
従って、更に、寸法誤差が、各連通溝部106,107…で吸収されて、円滑に前記中央スライドドア本体61を、所望の開閉位置までスライド移動させることが出来る。
【0111】
他の構成、及び作用効果については、前記実施の形態と同一乃至均等であるので、説明を省略する。
【0112】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0113】
例えば、前記実施の形態及び実施例1の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造では、前記中央スライドドア本体61を、スライド移動させる中間ギヤ部材100に、前記連通溝部106,107…を複数、一部重複する位置となるように、形成したものを示して、説明してきたが、特にこれに限らず、例えば、周方向に3本以上の複数の連通溝部106…を形成する等、溝部の形状,数量及び材質が限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0114】
この実施の形態の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造は、自動車等、車両に用いられる車両用空気調和装置のエアミックスドア構造であれば、どのような車両、例えば、電動自動車、若しくはハイブリッドカーに用いられていても良く、この場合、エンジン等の回転数の表示に代えて、又はエンジン等の回転数と共に、モータの回転数を表示する文字板部材を有するものであってもよい。
【0115】
また、この計器が、車両に搭載される位置及び車載方法も、車室内前方のインストルメントパネル内に限らず、前,後部若しくは中央部に、単体若しくは、複数、搭載される車両用空気調和装置のエアミックスドア構造に適用されてもよいものである。
【符号の説明】
【0116】
40 ユニット筐体
50 エアミックスドア装置
60 中央ユニット
60f センタシャフト部材(軸部材)
61 中央スライドドア本体(エアミックスドア本体)
71,81 左,右スライドドア本体(エアミックスドア本体)
81f 右シャフト部材(軸部材)
90 中央ドア入力シャフト部材(入力シャフト部材)
91 入力ギヤ部材
92 歯部
93 円盤面部
94,95 連通溝部
100,200 中間ギヤ部材
101 共通軸部
101a 挿通孔
102 調整ギヤ部
103 出力ギヤ部
102a,103a,104 歯部
105 円盤面部
106,107 連通溝部
108a ドア側係合凸部
108b 入力側係合凸部
201 (環状の)分離溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の流路部内を各々通過する冷風を、該各流路部内に設けられて、開閉量に応じて、暖められた温風との混合比率を調整するエアミックスドアを複数有して、前記各エアミックスドアは、前記各流路部内で、開閉方向にスライド移動することにより、前記冷風と温風との混合比率を調整するエアミックスドア本体と、該各エアミックスドア本体に形成されたラックギヤ部に各々噛合される出力ギヤ部と、
該各出力ギヤ部を回転駆動可能に軸支する軸部材と、前記軸部材を駆動させる回転駆動アクチュエータとを備え、前記各流路部から送出される前記冷風と温風との混合比率を、調整可能とする車両用空気調和装置のエアミックスドア構造であって、
前記軸部材に対して、オフセットされた軸位置で、前記回転駆動アクチュエータによって、回転駆動されてなる入力シャフト部材を有し、該入力シャフト部材に設けられた入力ギヤ部材を、前記軸部材に形成された調整ギヤ部に噛み合わせると共に、前記出力ギヤ部と前記調整ギヤ部には、前記軸部材に固着される共通軸部を形成して、該共通軸部と、前記調整ギヤ部又は、出力ギヤ部の歯部との間を連設する円盤面部には、径方向の寸法誤差を吸収する溝部が、周方向に沿って延在形成されていることを特徴とする車両用空気調和装置のエアミックスドア構造。
【請求項2】
前記溝部は、径方向に曲率半径を異ならせて、周方向では重複する位置となるように複数形成された弓形の連通溝部であることを特徴とする請求項1記載の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造。
【請求項3】
前記調整ギヤ部及び出力ギヤ部の各歯部が形成される前記軸部材の外周面には、各歯部間を独立させて、径方向への移動を許容させる環状の分離溝が、全周に亘り、凹設形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造。
【請求項4】
前記調整ギヤ部には、前記入力ギヤ部材に形成された位置決め凹部と係合する入力側係合凸部が一体に形成されていると共に、前記出力ギヤ部には、前記ラックギヤ部の延設方向中央部に凹設形成されたセンタ凹部に係合するドア側係合凸部が、一体に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載の車両用空気調和装置のエアミックスドア構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−86719(P2013−86719A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230816(P2011−230816)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】