説明

車両用空調装置

【課題】再加熱除湿運転時に室内凝縮器の能力を制御できる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置1Aは、圧縮機21、室内凝縮器22、第1膨張機構23および室内蒸発器25を含む室内熱交換回路2と、室外熱交換器31および第2膨張機構32を含む室外熱交換路3を備える。室内熱交換回路2には、室内蒸発器25の上流側または下流側に開閉弁24が設けられている。室外熱交換路3の一端3aは、第1膨張機構23と室内蒸発器25の間で室内熱交換回路2に接続され、他端3bは、第1連絡路4Aおよび第2連絡路4Bを介して、圧縮機21と室内凝縮器22の間および室内蒸発器25と圧縮機21の間で室内熱交換回路2に接続されている。流路選択手段41は、第1連絡路4Aと第2連絡路4Bのどちらに冷媒を流すかを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばガソリンエンジンを備える自動車では、冷房にヒートポンプが用いられる一方、暖房にエンジンの廃熱が利用されていた。近年では、エンジンの廃熱量が少ないハイブリッド車、およびエンジンの廃熱が利用できない電気自動車が普及してきており、これに合わせて冷房だけでなく暖房にもヒートポンプを用いるようにした車両用空調装置が開発されてきている。例えば、特許文献1には、図9(a)および(b)に示すような車両用空調装置100が開示されている。
【0003】
この車両用空調装置100は、冷房運転、再加熱除湿運転およびこれらと同じ流路で冷媒を循環させる除霜運転、ならびに2つの除湿暖房運転を切り替え可能なものである。具体的に、車両用空調装置100は、圧縮機111、第1室内熱交換器112、第1膨張弁113および第2室内熱交換器114がこの順に接続された主回路110を備えている。第1室内熱交換器112と第2室内熱交換器114は、ダクト150内に第2室内熱交換器114が風上側に位置し第1室内熱交換器112が風下側に位置するように配置されている。
【0004】
主回路110には、圧縮機111と第1室内熱交換器112の間に第1開閉弁115が設けられており、第1室内熱交換器112と第1膨張弁113の間に逆止弁116が設けられている。また、逆止弁116と第1膨張弁113の間には受液器117が配置されており、第2室内熱交換器114と圧縮機111の間にはアキュムレータ118が配置されている。
【0005】
また、車両用空調装置100は、冷房運転時に第1室内熱交換器112をバイパスして冷媒を流すための、室外熱交換器121を含むバイパス路120を備えている。バイパス路120は、圧縮機111と第1開閉弁115の間で主回路110から分岐して逆止弁116と受液器117の間で主回路110につながっている。バイパス路120には、室外熱交換器121の上流側に第2開閉弁125が設けられ、室外熱交換器121の下流側に逆止弁122が設けられている。
【0006】
さらに、車両用空調装置100は、受液器117と第1膨張弁113の間で主回路110から分岐して室外熱交換器121と逆止弁122の間でバイパス路120につながる第1暖房専用路140と、第2開閉弁125と室外熱交換器121の間でバイパス路120から分岐して第2室内熱交換器114とアキュムレータ118の間で主回路110につながる第2暖房専用路130を備えている。第1暖房専用路140には第2膨張弁141が設けられており、第2暖房専用路130には第3開閉弁135が設けられている。
【0007】
冷房運転時は、第1開閉弁115および第3開閉弁135が閉じられ、第2開閉弁125が開かれる。これにより、縮機111から吐出された冷媒は、図9(a)中に実線矢印で示すように、室外熱交換器121、第1膨張弁113および第2室内熱交換器114をこの順に直列に通過する。再加熱除湿運転時は、冷房運転時の状態から第1開閉弁115が開かれる。これにより、冷媒は、図9(a)中に破線矢印で示すように、室外熱交換器121と第1室内熱交換器112を並列に流れる。
【0008】
一方、第1除湿暖房運転時は、第1開閉弁115が開かれ、第2開閉弁125および第
3開閉弁135が閉じられる。これにより、圧縮機111から吐出された冷媒は、図9(b)中に破線矢印で示すように、第1室内熱交換器112、第1膨張弁113および第2室内熱交換器114をこの順に直列に通過する。第2除湿暖房運転時は、第1除湿暖房運転時の状態から第3開閉弁135が開かれる。これにより、冷媒は、図9(b)中に実線矢印で示すように、第1膨張弁113および第1室内熱交換器112と第2膨張弁141および室外熱交換器121を並列に流れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−232547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、図9(a)および(b)に示す車両用空調装置100では、再加熱除湿運転時に室外熱交換器121と第1室内熱交換器112に流れる冷媒量を調整する手段がなく、凝縮器として機能する第1室内熱交換器112の能力を制御することができない。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑み、再加熱除湿運転時に室内凝縮器の能力を制御できる車両用空調装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明の車両用空調装置は、暖房運転、冷房運転および再加熱除湿運転を切り替え可能な車両用空調装置であって、圧縮機、室内凝縮器、第1膨張機構および室内蒸発器がこの順に接続された室内熱交換回路と、外気導入口および内気導入口ならびに車室内への吹出口を有し、内部に前記室内凝縮器および前記室内蒸発器が、前記室内蒸発器を通過した空気が前記室内凝縮器を通過し得るように配置されたダクトと、室外熱交換器および第2膨張機構を含み、前記第2膨張機構側の一端が前記第1膨張機構と前記室内蒸発器の間で前記室内熱交換回路に接続された室外熱交換路と、前記圧縮機と前記室内凝縮器の間で前記室内熱交換回路から分岐して前記室外熱交換路の前記室外熱交換器側の他端につながる第1連絡路と、前記室内蒸発器と前記圧縮機の間で前記室内熱交換回路から分岐して前記室外熱交換路の他端につながる第2連絡路と、前記室内熱交換回路において前記室外熱交換路の一端が接続された位置と前記第2連絡路が分岐する位置との間に配置された開閉弁と、前記冷房運転および前記再加熱除湿運転時に前記室外熱交換路の他端を前記第1連絡路を通じて前記室内熱交換回路に連通させる第1状態に切り換えられ、前記暖房運転時に前記室外熱交換路の他端を前記第2連絡路を通じて前記室内熱交換回路に連通させる第2状態に切り換えられる流路選択手段と、を備えた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記の構成によれば、暖房運転時に開閉弁が閉じられると、圧縮機から吐出された冷媒が室内凝縮器、第1膨張機構、第2膨張機構および室外熱交換器をこの順に通過して圧縮機に再度吸入される。開閉弁が開かれると、第1膨張機構を通過した冷媒が室内蒸発器にも導かれるため、ダクト内に流れる空気を除湿することができる。一方、冷房運転および再加熱除湿運転時には、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器と室内凝縮器に並列に流すことができる。このとき、室外熱交換器を通過した冷媒および室内凝縮器を通過した冷媒は別々の膨張機構を経て合流するため、それらの膨張機構により室内凝縮器の能力を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図であり、暖房運転時の冷媒の流れを示す。
【図2】本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図であり、冷房運転および再加熱除湿運転時の冷媒の流れを示す。
【図3】第1実施形態の変形例の車両用空調装置の概略構成図
【図4】本発明の第2実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図であり、暖房運転時の冷媒の流れを示す。
【図5】本発明の第3実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図であり、暖房運転時の冷媒の流れを示す。
【図6】本発明の第3実施形態に係る車両用空調装置の概略構成図であり、冷房運転および再加熱除湿運転時の冷媒の流れを示す。
【図7】(a)および(b)は外気導入口および内気導入口を分割した例を示す図である。
【図8】第3実施形態の変形例の車両用空調装置の概略構成図
【図9】従来の車両用空調装置の概略構成図であり、(a)は冷房運転および再加熱除湿運転ならびに除霜運転時の冷媒の流れを示し、(b)は除湿暖房運転時の冷媒の流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0016】
(第1実施形態)
図1および図2に、本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置1Aを示す。この車両用空調装置1Aは、暖房運転、冷房運転および再加熱除湿運転を切り替え可能なものであり、車室内に外気を取り込んだり内気を循環したりするためのダクト5と、冷媒を循環させるヒートポンプ回路10と、制御装置7(図1では図面の簡略化のために信号線の一部のみを作図)とを備えている。なお、図1および図2はダクト5の形状を模式的に表すものであり、ダクト5の実際の形状は、当該ダクト5が設置されるスペースに合わせて膨らんでいたりうねっていたりしていてもよい。
【0017】
ダクト5は、一方の端部に、ダクト5内に外気を導入するための外気導入口5aとダクト5内に内気を導入するための内気導入口5bとを有しており、他方の端部に、温度調整された空気を車室内に吹き出すための吹出口5cを有している。なお、図示は省略するが、外気導入口5aおよび内気導入口5bの近傍には、外気導入口5aからダクト5内に導入される外気の量と内気導入口5bからダクト5内に導入される内気の量の比率を調整する吸気ダンパが配置されている。また、吹出口5cは、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口およびフット吹出口など複数に分岐していてもよい。
【0018】
ダクト5内には、当該ダクト5の一方の端部から他方の端部に向かう空気の流れを生じさせる送風機51が配置されている。送風機51は、ブロワであってもよいしファンであってもよい。また、送風機51は、外気導入口5aおよび内気導入口5bの近くではなく、吹出口5cの近くに配置することも可能である。
【0019】
ヒートポンプ回路10は、ループ状の室内熱交換回路2と、3つの線状の流路である室外熱交換路3、第1連絡路4A、第2連絡路4Bを含む。ヒートポンプ回路10に循環する冷媒としては、R134a、R410A、HFO−1234yf、HFO−1234ze、CO2などに加え、他のHFC系、HC系などが利用できる。
【0020】
室内熱交換回路2は、圧縮機21、室内凝縮器22、第1膨張弁23および室内蒸発器25を含み、これらは冷媒配管によりこの順に接続されている。また、室内熱交換回路2には、第1膨張弁23と室内蒸発器25の間に開閉弁24が設けられており、室内蒸発器25と圧縮機21の間にアキュムレータ27が設けられている。
【0021】
圧縮機21は、図略の電動モータにより駆動され、吸入口から吸入した冷媒を圧縮して吐出口から吐出する。電動モータは、圧縮機21の内部に配置されていてもよいし、外部に配置されていてもよい。例えば電気自動車では、電動モータが車両走行用のモータであってもよい。
【0022】
室内凝縮器22および室内蒸発器25は、ダクト5内に室内蒸発器25を通過した空気が室内凝縮器22を通過し得るように配置されている。そして、室内蒸発器25および室内凝縮器22は、送風機51により供給される内気および/または外気と冷媒との間で熱交換を行う。
【0023】
本実施形態では、室内蒸発器25が、ダクト5内で当該室内蒸発器25を経由する第1風路5Aと当該室内蒸発器25を経由しない第2風路5Bとが層をなすように配置されている。同様に、室内凝縮器22も、ダクト5内で当該室内凝縮器22を経由する第3風路5Cと当該室内凝縮器22を経由しない第4風路5Dとが層をなすように配置されている。また、ダクト5内には、第1風路5Aと第2風路5Bとを仕切る第1仕切り板52と、第3風路5Cと第4風路5Dとを仕切る第2仕切り板53とが配設されている。なお、室内蒸発器25および室内凝縮器22は、第1仕切り板52および第2仕切り板53を挟んで互いに反対側に位置していてもよいし、同じ側に位置していてもよい。
【0024】
さらに、ダクト5内には、第1風路5Aを流れる風量と第2風路5Bを流れる風量の比率を調整する第1調整ダンパ61と、第3風路5Cを流れる風量と第4風路5Dを流れる風量の比率を調整する第2調整ダンパ62とが配設されている。本実施形態では、第2調整ダンパ62が第1仕切り板52と第2仕切り板53の間に配置され、第1調整ダンパ61が第1仕切り板52の風上側に配置されている。すなわち、第1調整ダンパ61の揺動軸が第1仕切り板52の風上側の端部に取り付けられ、第2調整ダンパ62の揺動軸が第2仕切り板53の風上側の端部に取り付けられている。ただし、第1調整ダンパ61が第1仕切り板52と第2仕切り板53の間に逆向きで配置され、第2調整ダンパ62が第2仕切り板53の風下側に逆向きで配置されていてもよい。
【0025】
第1調整ダンパ61は、第1風路5Aを遮断する熱交換器側遮断位置と第2風路5Bを遮断するバイパス側遮断位置との間で揺動し、第2調整ダンパ62は、第3風路5Cを遮断する熱交換器側遮断位置と第4風路5Dを遮断するバイパス側遮断位置との間で揺動する。なお、以下では、説明の簡略化のために、第1調整ダンパ61については、第1風路5Aを流れる風量と第2風路5Bを流れる風量とが等しくなる位置を均等位置、均等位置とバイパス側遮断位置の間の中間位置をバイパス側抑制位置、均等位置と熱交換器側遮断位置の間の中間位置を熱交換器側抑制位置という。一方、第2調整ダンパ62については、第1仕切り板41の風下側の端部と第2仕切り板42の風上側の端部とを結ぶ線上に位置する位置を均等位置、均等位置とバイパス側遮断位置の間の中間位置をバイパス側抑制位置、均等位置と熱交換器側遮断位置の間の中間位置を熱交換器側抑制位置という。
【0026】
第1膨張弁23は、冷媒を膨張させる膨張機構の一例である。なお、膨張機構としては、膨張する冷媒から動力を回収する容積型の膨張機等を採用してもよい。また、膨張弁には開度変化する弁を用いる事が出来、電動膨張弁、開度が2段階以上に変化する弁や、温度式膨張弁などを採用してもよい。
【0027】
開閉弁24は、暖房運転として2つのモードを選択できるようにするためのものである。すなわち、暖房運転は、開閉弁24が閉じられる第1暖房運転と開閉弁24が開かれる第2暖房運転を含む。なお、開閉弁24は、室内蒸発器25の下流側に配置されていてもよいが、本実施形態のように室内蒸発器25の上流側に配置されていることが好ましい。
室内蒸発器25を使用しないときに、室内蒸発器25に低温の冷媒が流入することを防ぐためである。
【0028】
室外熱交換路3は、室外熱交換器31および第2膨張弁32を含む。室外熱交換路3の第2膨張弁32側の一端3aは、第1膨張機構23と開閉弁24の間で室内熱交換回路2に接続されている。
【0029】
室外熱交換器31は、例えば自動車のフロントに配置され、車両の走行およびファン33により供給される外気と冷媒との間で熱交換を行う。室外熱交換器31は、冷房運転および再加熱除湿運転時に凝縮器として機能し、暖房運転時に蒸発器として機能する。第2膨張弁32は、第1膨張弁23と同様に、冷媒を膨張させる膨張機構の一例である。
【0030】
第1連絡路4Aは、圧縮機21と室内凝縮器22の間で室内熱交換回路2から分岐し、室外熱交換路3の室外熱交換器31側の他端3bにつながっている。第2連絡路4Bは、室内蒸発器25とアキュムレータ27の間で室内熱交換回路2から分岐し、室外熱交換路3の他端3bにつながっている。本実施形態では、第1連絡路4Aおよび第2連絡路4Bが室外熱交換路3の他端3bとつながる箇所に三方弁41が設けられている。
【0031】
三方弁41は、本発明の流路選択手段の一例であり、冷房運転および再加熱除湿運転時に第1状態(図2に示す状態)に切り換えられ、暖房運転時に第2状態(図1に示す状態)に切り換えられる。三方弁41は、第1状態では室外熱交換路3の他端3bを第1連絡路4Aを通じて室内熱交換回路2に連通させ、第2状態では室外熱交換路3の他端3bを第2連絡路4Bを通じて室内熱交換回路2に連通させる。なお、本発明の流路選択手段としては、三方弁41の代わりに、第1連絡路4Aおよび第2連絡路4Bのそれぞれに設けられた開閉弁を用いることも可能である。
【0032】
上述した圧縮機21および各種の弁23,24,32,41、ならびに第1調整ダンパ61および第2調整ダンパ62は、制御装置7により制御される。制御装置6は、車室内に配置された操作パネル(図示せず)と接続されており、暖房運転、冷房運転および再加熱除湿運転を実行する。以下、各運転時の車両用空調装置1Aの動作を説明する。
【0033】
<暖房運転>
暖房運転時、制御装置7は三方弁41を第2状態に切り換える。これにより、第1連絡路4Aを通じた冷媒の流通が禁止され、第2連絡路4Bを通じた冷媒の流通が許可される。
【0034】
上述したように、暖房運転は、開閉弁24が閉じられる第1暖房運転と、開閉弁24が開かれる第2暖房運転とを含む。なお、開閉弁24が閉じられるのは第1暖房運転のときのみである。
【0035】
(1)第1暖房運転
第1暖房運転は、例えば起動時などの除湿が必要でないときに行われる。第1暖房運転時、圧縮機21から吐出された冷媒は、図1中に実線矢印で示すように、室内凝縮器22、第1膨張弁23、第2膨張弁32および室外熱交換器31をこの順に直列に通過し、再度圧縮機21に吸入される。
【0036】
第1暖房運転では、第1膨張弁23と第2膨張弁32の一方が全開または一定開度にされ、他方が圧縮機21に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように調整される。具体的には、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を温度センサ8で検出し、検出された温度と低圧側の飽和温度との温度差が所定値となるように膨張弁の調整が行われる。
【0037】
ダクト5内の風量調整については、第2調整ダンパ62がバイパス側遮断位置にセットされる。第1調整ダンパ61は熱交換器側遮断位置にセットされるが、室内蒸発器25が結露水などで濡れていない場合には冷媒が流れないために、どの位置にセットされてもよい。
【0038】
(2)第2暖房運転
第2暖房運転は、本実施形態では、除湿が必要なときに行われる。第2暖房運転時、圧縮機21から吐出された冷媒は、図1中に破線矢印で示すように、室内凝縮器22および第1膨張弁23を通過した後に2つの支流に分かれる。それらの支流は、第2膨張弁32および室外熱交換器31と室内蒸発器25を別々に通過した後に合流し、再度圧縮機21に吸入される。
【0039】
第1膨張弁23は、圧縮機21に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように調整される。一方、第2膨張弁32は、室内蒸発器25に流れる冷媒量と室外熱交換器31に流れる冷媒量の比率が適切になるように調整される。例えば、一般に室外熱交換器31は室内蒸発器25に比べて大きなサイズを有するため、そのサイズの違いに応じて冷媒の分配率を決定してもよい。
【0040】
ダクト5内の風量調整については、第2調整ダンパ62がバイパス側遮断位置にセットされ、第1調整ダンパ61が例えば熱交換器側抑制位置または均等位置にセットされる。これにより、ダクト5内を流れる空気が室内蒸発器25で除湿された後に室内凝縮器22で加熱される。
【0041】
(3)除霜運転
暖房運転中に室外熱交換器31に霜が付着した場合または所定のインターバルで、制御装置7は暖房運転から除湿運転に移行する。具体的に、制御装置7は、三方弁41を第1状態に切り換え、第1膨張弁23を全閉または低開度に制御する。これにより、圧縮機21から吐出された高温の冷媒を室外熱交換器31に導いて室外熱交換器31に付着した霜を溶かすことができる。
【0042】
除霜運転時、第2膨張弁32が圧縮機21に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように調整される。
【0043】
なお、外気温度が0℃以上であれば、三方弁41を第2状態に切り換えたままで第2膨張弁32を全閉に制御し、さらにガス冷媒のみが室内蒸発器25を経て圧縮機5に戻るように第1膨張弁23および/または第2調整ダンパ62を調整することにより、圧縮機5の入力に相当する熱量で暖房を行いながら、0℃以上の外気を利用して除霜を行うことができる。
【0044】
<冷房運転>
冷房運転時、制御装置7は三方弁41を第1状態に切り換える。これにより、第1連絡路4Aを通じた冷媒の流通が許可され、第2連絡路4Bを通じた冷媒の流通が禁止される。
【0045】
さらに、制御装置7は、第1膨張弁23を全閉または低開度に制御する。これにより、圧縮機21から吐出された冷媒の全量または殆どは、図2中に実線矢印で示すように、室外熱交換器31、第2膨張弁32および室内蒸発器25をこの順に直列に通過し、再度圧縮機21に吸入される。
【0046】
第2膨張弁32は、圧縮機21に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように調整される。ダクト5内の風量調整については、第1調整ダンパ61がバイパス側遮断位置にセットされ、第2調整ダンパ62が例えば熱交換器側遮断位置にセットされる。
【0047】
なお、第1膨張弁23を全閉にする場合は、室内凝縮器22と第1膨張弁23の間で室内熱交換回路2から分岐して室外熱交換器31よりも他端3b側で室外熱交換路3につながる逃がし路(図示せず)を設けておき、この逃がし路を通じて室内凝縮器22に溜まる冷媒やオイルを逃がすことが好ましい。
【0048】
<再加熱除湿運転>
再加熱除湿運転時、制御装置7は三方弁41を第1状態に切り換える。これにより、第1連絡路4Aを通じた冷媒の流通が許可され、第2連絡路4Bを通じた冷媒の流通が禁止される。
【0049】
再加熱除湿運転時、第1膨張弁23および第2膨張弁32の双方によって冷媒が膨張される。すなわち、圧縮機21から吐出された冷媒は、図2中に破線矢印で示すように、まず2つの支流に分かれる。一方の支流は、室外熱交換器31および第2膨張弁32を通過し、他方の支流は、室内凝縮器22および第1膨張弁23を通過する。その後、それらの支流が合流する。合流後の冷媒は、室内蒸発器25を通過した後に再度圧縮機21に吸入される。
【0050】
このように、室外熱交換器31を通過した冷媒および室内凝縮器22を通過した冷媒は別々の膨張弁を経て合流するため、それらの膨張弁により室内凝縮器22の能力を制御することができる。
【0051】
第2膨張弁32は、圧縮機21に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように調整される。一方、第1膨張弁23は、室内凝縮器22から流出する冷媒が所定の過冷却状態となるように調整される。
【0052】
ダクト5内の風量調整については、第1調整ダンパ61がバイパス側遮断位置にセットされ、第2調整ダンパ62が例えば熱交換器側抑制位置または均等位置にセットされる。これにより、ダクト5内を流れる空気が室内蒸発器25で除湿された後に室内凝縮器22で加熱される。
【0053】
<変形例>
ダクト5内に導入される外気を、換気のために車室外に排出される内気を利用して加熱または冷却することも可能である。これを実現するには、例えば図3に示すように、ダクト5内の外気導入口5aおよび内気導入口5bの直ぐ下流側に、車室外に排出される内気がダクト5を横断して流れる流路を形成するように熱交換器9を配置してもよい。熱交換器9は、全熱交換器であっても顕熱交換器であってもよい。熱交換器9には公知のものを用いることができ、その一例としては特開2010−76506号公報の図2に示す構造の熱交換器(波方向が直交する波板が平板を挟んで交互に積層されたもの)が挙げられる。
【0054】
(第2実施形態)
図4に、本発明の第2実施形態に係る車両用空調装置1Bを示す。なお、本実施形態では、第1実施形態と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略することがある。この点は、後述する第3実施形態でも同様である。
【0055】
本実施形態の車両用空調装置1Bでは、室内熱交換回路2の室内蒸発器25と第2連絡路4Bが分岐する位置との間に電磁弁26が設けられている。この電磁弁26は、室内蒸発器25から流出した冷媒を所定の圧力まで減圧する減圧状態と、そのまま通過させる非減圧状態とに切り換え可能なものであり、本発明の減圧機構に相当する。
【0056】
電磁弁26は、冷房運転および再加熱除湿運転時に非減圧状態に切り換えられる。一方、開閉弁24が開かれる第2暖房運転時には、電磁弁26が、室内蒸発器25に氷が付着したときあるいは室内蒸発器25に氷が付着し得る条件下で減圧状態に切り換えられる。なお、第1暖房運転時には、室内蒸発器25に冷媒が流れないために、電磁弁26が非減圧状態と減圧状態のどちらに切り換えられてもよい。
【0057】
室内蒸発器25に氷が付着したことは、例えば、室内蒸発器25の風下側に風量計を設置し、この風量計が風量低下を検知することによって知ることができる。または、室内蒸発器25に温度センサを設け、室内蒸発器25の温度低下が検知されたときに室内蒸発器25に氷が付着したと判定してもよい。室内蒸発器25に氷が付着し得る条件とは、例えば室内蒸発器25に供給される空気の温度が所定温度(例えば、5℃)以下のときである。あるいは、開閉弁24を開くことを室内蒸発器25に氷が付着し得る条件としてもよい。
【0058】
第2暖房運転時には、図4中に破線矢印で示すように、圧縮機21から吐出された冷媒が室内凝縮器22および第1膨張弁23を通過した後に2つの支流に分かれる。それらの支流は、第2膨張弁32および室外熱交換器31と室内蒸発器25および電磁弁26を別々に通過した後に合流し、再度圧縮機21に吸入される。このとき、第2膨張弁32は、室外熱交換器31から流出する合流前の冷媒が所定の過熱状態となるように調整される。
【0059】
室内蒸発器25の下流側には電磁弁26が配置されているため、この電磁弁26を減圧状態に切り換えれば、室内蒸発器25の冷媒の温度を室外熱交換器31の冷媒の温度よりも高くすることができる。これにより、室内蒸発器25に付着した氷を溶かしたり、室内蒸発器25への氷の付着を未然に防いだりすることができる。
【0060】
<変形例>
前記実施形態では、本発明の減圧機構として減圧状態と非減圧状態とに切り換え可能な電磁弁26が採用されていた。しかし、減圧機構としては、減圧状態と非減圧状態だけでなく、冷媒の流通を禁止する閉止状態にも切り換え可能な電磁弁や膨張弁を採用してもよい。この場合には、電磁弁が開閉弁の機能も兼ねるため、開閉弁24を省略することができる。あるいは、減圧機構は、オリフィスやキャピラリーチューブなどの固定絞りとこれをバイパスする開閉弁付のバイパス路で構成されていてもよい。
【0061】
(第3実施形態)
図5および図6に、本発明の第3実施形態に係る車両用空調装置1Cを示す。本実施形態の車両用空調装置1Cでは、ダクト5に暖房用排気口54および冷房用排気口56が設けられている。また、本実施形態では、室内蒸発器25および室内凝縮器22は、第1風路5Aが第4風路5Dと連続し、第2風路5Bが第3風路5Cと連続するように、第1仕切り板52および第2仕切り板53を挟んで互いに反対側に位置している。
【0062】
本実施形態では、室内蒸発器25と室内凝縮器22のそれぞれに、外気導入口5aからの外気と内気導入口5bからの内気の混合気だけでなく、外気と内気の一方を選択的に供給可能となっている。これを実現するには、例えば、図7(a)および(b)に示すように、外気導入口5aおよび内気導入口5bを断面L字状に構成し、それらを分割板58で分割するとともに、分割板58を挟んで一対の吸気ダンパ59を配設すればよい。
【0063】
上記の暖房用排気口54は、開閉弁24が開かれる第2暖房運転時に室内蒸発器25で冷却された空気を車室外に排出するためのものである。ダクト5には、暖房用排気口54を開閉する暖房用排出ダンパ55が取り付けられている。
【0064】
暖房用排出ダンパ55は、暖房用排気口54の風下側に揺動軸を有しており、暖房用排気口54を閉じる閉じ位置からダクト5の内側に揺動して暖房用排気口54を開く。すなわち、暖房用排出ダンパ55は、暖房用排気口54を開いたときに、室内蒸発器25を通過した空気を暖房用排気口54に導く。本実施形態では、暖房用排出ダンパ55が、暖房用排気口54を閉じる閉じ位置と、当該暖房用排出ダンパ55の先端が第1仕切り板52に近接または当接して第1風路5Aを遮断する遮断位置との間で揺動可能となっている。
【0065】
上記の冷房用排気口56は、冷房運転時に室内凝縮器22で加熱された空気を車室外に排出するためのものである。ダクト5には、冷房用排気口56を開閉する冷房用排出ダンパ57が取り付けられている。
【0066】
冷房用排出ダンパ57は、冷房用排気口56の風下側に揺動軸を有しており、冷房用排気口56を閉じる閉じ位置からダクト5の内側に揺動して冷房用排気口56を開く。すなわち、冷房用排出ダンパ57は、冷房用排気口56を開いたときに、室内凝縮器22を通過した空気を冷房用排気口56に導く。本実施形態では、冷房用排出ダンパ57が、冷房用排気口56を閉じる閉じ位置と、当該冷房用排出ダンパ57の先端が第2仕切り板53に近接または当接して第3風路5Cを遮断する遮断位置との間で揺動可能となっている。
【0067】
暖房用排出ダンパ55は第2暖房運転時に操作され、冷房用排出ダンパ57は冷房運転時に操作される。また、暖房用排出ダンパ55は除霜運転時にも操作され得る。
【0068】
(1)第2暖房運転
まず、暖房用排出ダンパ55が遮断位置にセットされる場合について説明する。この場合、室内蒸発器25には外気と内気の一方が選択的に供給されてもよいし、外気と内気の混合気が供給されてもよい。外気が室内蒸発器25に供給される場合、室内蒸発器25がもう1つの室外熱交換器として働くため、車両用空調装置1Cの性能を向上させることができる。一方、内気は暖房によって既に温度が調整されたものであるので、内気を別の開口を通じて外部に排出すると、その内気の温度を調整するのに要したエネルギーが無駄になる。これに対し、内気を室内蒸発器25に供給して内気から熱を奪った後に排出すれば、エネルギーを効率的に活用することができる。
【0069】
暖房用排出ダンパ55が遮断位置以外にセットされて暖房用排気口54が開かれる場合は、上述した第2暖房運転と第1実施形態で説明した第2暖房運転の組み合わせとなる。
【0070】
(2)除霜運転
本実施形態では、第1実施形態で説明した除霜運転の他に、次のような除霜運転を行うことができる。
【0071】
まず、第1実施形態で説明した外気温度が0℃以上の除霜運転を行うときに、室内蒸発器25に外気または外気と内気の混合気を供給し、暖房用排出ダンパ55によって暖房用排気口54を開けば、室内熱交換回路2では通常の冷凍サイクルを実現することができる。
【0072】
また、三方弁41を第1状態に切り換え、第2膨張弁32を圧縮機21に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように調整し、第1膨張弁23を室外熱交換器31から流出する冷媒が所定の過熱状態となるように調整する。その上で、室内蒸発器25に外気または外気と内気の混合気を供給し、暖房用排出ダンパ55によって暖房用排気口54を開けば、除霜しながら暖房を行うことができる。
【0073】
さらに、第1実施形態で説明した三方弁41を第1状態に切り換えるとともに第1膨張弁23を全閉または低開度に制御する除霜運転を行うときは、暖房用排出ダンパ55によって暖房用排気口54を開いてもよい。
【0074】
(3)冷房運転
冷房用排気口56が開かれるときの冷房運転では、再加熱除湿運転と同様に各種弁の制御が行われる。すなわち、第1膨張弁23は、全閉または低開度に制御されるのではなく
、室内凝縮器22から流出する冷媒が所定の過冷却状態となるように調整される。一方、第2膨張弁32は、圧縮機21に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように調整される。
【0075】
まず、冷房用排出ダンパ57が遮断位置にセットされる場合について説明する。この場合、室内凝縮器22には外気と内気の一方が選択的に供給されてもよいし、外気と内気の混合気が供給されてもよい。外気が室内凝縮器22に供給される場合、室内凝縮器22がもう1つの室外熱交換器として働くため、車両用空調装置1Cの性能を向上させることができる。一方、内気は冷房によって既に温度が調整されたものであるので、内気を別の開口を通じて外部に排出すると、その内気の温度を調整するのに要したエネルギーが無駄になる。これに対し、内気を室内凝縮器22に供給して内気に熱を与えた後に排出すれば、エネルギーを効率的に活用することができる。
【0076】
冷房用排出ダンパ57が遮断位置以外にセットされて冷房用排気口56が開かれる場合は、上述した冷房運転と第1実施形態で説明した冷房運転の組み合わせとなる。
【0077】
なお、冷房用排出ダンパ57を閉じ位置にセットした状態で第1膨張弁23を全閉または低開度に制御すれば、第1実施形態で説明した冷房運転を実行することもできる。
【0078】
<変形例>
前記実施形態では、ダクト5に暖房用排気口54と冷房用排気口56の双方が設けられていたが、それらのどちらか一方だけがダクト5に設けられていてもよい。
【0079】
また、室内熱交換回路2には、第2実施形態で説明した減圧状態と非減圧状態とに切り換え可能な電磁弁26が設けられていてもよく、開閉弁24を省略して減圧状態と非減圧状態と閉止状態とに切り換え可能な電磁弁や膨張弁が設けられていてもよい。
【0080】
さらに、ダクト5内に導入される外気を、換気のために車室外に排出される内気を利用して加熱または冷却することも可能である。これを実現するには、例えば図8に示すように、ダクト5内の外気導入口5aおよび内気導入口5bの直ぐ下流側に、車室外に排出される内気がダクト5を横断して流れる流路を形成するように熱交換器9を配置してもよい。なお、熱交換器9については、第1実施形態の変形例で説明したとおりである。
【符号の説明】
【0081】
1A〜1C 車両用空調装置
2 室内熱交換回路
21 圧縮機
22 室内凝縮器
23 第1膨張弁(第1膨張機構)
24 開閉弁
25 室内蒸発器
26 電磁弁(減圧機構)
3 室外熱交換路
3a 一端
3b 他端
31 室外熱交換器
32 第2膨張弁(第2膨張機構)
4A 第1連絡路
4B 第2連絡路
41 三方弁(流路選択手段)
5 ダクト
5a 外気導入口
5b 内気導入口
5c 吹出口
54 暖房用排気口
55 暖房用排出ダンパ
56 冷房用排気口
57 冷房用排出ダンパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房運転、冷房運転および再加熱除湿運転を切り替え可能な車両用空調装置であって、
圧縮機、室内凝縮器、第1膨張機構および室内蒸発器がこの順に接続された室内熱交換回路と、
外気導入口および内気導入口ならびに車室内への吹出口を有し、内部に前記室内凝縮器および前記室内蒸発器が、前記室内蒸発器を通過した空気が前記室内凝縮器を通過し得るように配置されたダクトと、
室外熱交換器および第2膨張機構を含み、前記第2膨張機構側の一端が前記第1膨張機構と前記室内蒸発器の間で前記室内熱交換回路に接続された室外熱交換路と、
前記圧縮機と前記室内凝縮器の間で前記室内熱交換回路から分岐して前記室外熱交換路の前記室外熱交換器側の他端につながる第1連絡路と、
前記室内蒸発器と前記圧縮機の間で前記室内熱交換回路から分岐して前記室外熱交換路の他端につながる第2連絡路と、
前記室内熱交換回路において前記室外熱交換路の一端が接続された位置と前記第2連絡路が分岐する位置との間に配置された開閉弁と、
前記冷房運転および前記再加熱除湿運転時に前記室外熱交換路の他端を前記第1連絡路を通じて前記室内熱交換回路に連通させる第1状態に切り換えられ、前記暖房運転時に前記室外熱交換路の他端を前記第2連絡路を通じて前記室内熱交換回路に連通させる第2状態に切り換えられる流路選択手段と、
を備えた、車両用空調装置。
【請求項2】
前記開閉弁は、前記室外熱交換路の一端が接続された位置と前記室内蒸発器の間に配置されている、請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項3】
前記室内熱交換回路において前記室内蒸発器と前記第2連絡路が分岐する位置との間に配置された、減圧状態と非減圧状態とに切り換え可能な減圧機構をさらに備える、請求項2に記載の車両用空調装置。
【請求項4】
前記開閉弁は、前記室内熱交換回路において前記室内蒸発器と前記第1連絡路が分岐する位置との間に配置された、減圧状態と非減圧状態と閉止状態とに切り換え可能な減圧機構で構成されている、請求項1に記載の車両用空調装置。
【請求項5】
前記減圧機構は、前記冷房運転および前記再加熱除湿運転時に非減圧状態に切り換えられ、前記暖房運転時の前記室内蒸発器に氷が付着したときあるいは前記室内蒸発器に氷が付着し得る条件下で減圧状態に切り換えられる、請求項3または4に記載の車両用空調装置。
【請求項6】
前記暖房運転は、前記開閉弁が閉じられる第1暖房運転と、前記開閉弁が開かれる第2暖房運転とを含み、
前記第2暖房運転時に、前記圧縮機に吸入される冷媒が所定の過熱状態となるように前記第1膨張機構が調整される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項7】
前記ダクトには、前記第2暖房運転時に前記室内蒸発器で冷却された空気を車室外に排出するための暖房用排気口が設けられており、
前記暖房用排気口を開閉する暖房用排出ダンパであって、前記暖房用排気口を開いたときには前記室内蒸発器を通過した空気を前記暖房用排気口に導く暖房用排出ダンパをさらに備える、請求項6に記載の車両用空調装置。
【請求項8】
前記冷房運転および前記再加熱除湿運転時に、前記圧縮機に吸入される冷媒が所定の過
熱状態となるように前記第2膨張機構が調整される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
【請求項9】
前記冷房運転および前記再加熱除湿運転時に、前記室内凝縮器から流出する冷媒が所定の過冷却度となるように前記第1膨張機構が調整される、請求項8に記載の車両用空調装置。
【請求項10】
前記ダクトには、前記冷房運転時に前記室内凝縮器で加熱された空気を車室外に排出するための冷房用排気口が設けられており、
前記冷房用排気口を開閉する冷房用排出ダンパであって、前記冷房用排気口を開いたときには前記室内凝縮器を通過した空気を前記冷房用排気口に導く冷房用排出ダンパをさらに備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−107612(P2013−107612A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−267596(P2011−267596)
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】