説明

車両用表示灯

【課題】コーナーポール等の突起物を不要にしながら、車両のコーナー部の位置を運転者が正確に認識可能にする。
【解決手段】本発明の車両用表示灯1は、光反射媒質を噴霧する噴霧器2を備えると共に、ビーム状の光を投光する光源3を備え、噴霧器2により噴霧された光反射媒質霧に、光源3から投光されたビーム状の光を投影するように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の端部例えばコーナー部の位置を運転者が正確に認識できるという効果を得ることが可能な車両用表示灯に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者が車両のコーナー部の位置を正確に認識するための装置として、例えばコーナーポールやフェンダーポールが知られている。これらのポールは、車両(ボディやバンパー)のコーナー部に上方へ向けて延びるように配設されている。
【特許文献1】特開平6−167923号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来構成のコーナーポール等は、車両のボディやバンパーの外側に突出して設けられる構成であるので、あまり見栄えの良いものではなかった。また、車両が走行するときに、コーナーポール等により風切り音が発生するという不具合もあった。更に、車両を洗車するときに、コーナーポール等が破損してしまうことがあった。
【0004】
これらの不具合を解消する構成として、従来より、電動でコーナーポールを上下動させる装置が知られており、使用時にはコーナーポールを上方へ移動させ、不使用時にはコーナーポールを下方へ移動させて収納するようにしている。しかし、この電動コーナーポール装置の場合、コーナーポールの上げ下げに時間がかかるという不具合があった。また、コーナーポールを使用するときは、やはり見栄えの良いものではなかった。
【0005】
一方、特許文献1には、車両のウインドシールド(前面ガラス)にホログラムを取付け、これを照明することにより、ホログラフィックにコーナーマーカー(ポール)を表示するように構成した装置が記載されている。しかし、この構成では、コーナーマーカーは、実際には、ウインドシールドに表示されているだけであるから、車両のコーナー部の位置を運転者が正確に認識できない場合があった(例えば運転者が頭の位置や体の位置等を少しずらしたような場合や他の体格が違う運転者が運転する場合などが考えられる)。
【0006】
そこで、本発明の目的は、コーナーポール等を不要にすることができながら、車両のコーナー部の位置を運転者が正確に認識することができる車両用表示灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明においては、光反射媒質を噴霧する噴霧器と、ビーム状の光を投光する光源とを備え、前記噴霧器により噴霧された光反射媒質霧に、前記光源から投光されたビーム状の光を投影するように構成した。この構成の車両用表示灯を例えば車両のコーナー部に配設すれば、車両のコーナー部にコーナーポール等とほぼ同等のものを表示することができるから、コーナーポール等を不要にすることができ、しかも、車両のコーナー部の位置を運転者が正確に認識することができる。
【0008】
上記構成の場合、請求項2の発明のように、前記噴霧器及び前記光源を、車両の端部に配設することが好ましい。また、請求項3の発明のように、前記噴霧器及び前記光源を、車両のコーナー部に上向きに配設することがより一層好ましい構成である。
【0009】
請求項4の発明によれば、前記光反射媒質を水で構成したので、維持費が安価な構成とすることができる。また、請求項5の発明によれば、前記光反射媒質をウインドウオッシャ液で構成したので、車両に搭載されているものを流用することができる。更に、請求項6の発明によれば、前記光反射媒質霧をドライミストで構成したので、車両のボディが濡れることを防止できる。
【0010】
請求項7の発明においては、空気中にプラズマ発光体を発光させる発光装置を備え、前記プラズマ発光体を複数ほぼ直線状に並べて発光させるように構成した。この構成の車両用表示灯を例えば車両のコーナー部に配設すれば、請求項1の発明とほぼ同じ作用効果を得ることができる。上記構成の場合、請求項8の発明のように、前記発光装置を、車両のコーナー部に上方に向けて配設することが好ましい。
【0011】
請求項9の発明によれば、車両の外部の障害物と車両との距離を検出する距離検出手段を備え、前記障害物と車両との距離が設定距離よりも短くなったときに、前記発光装置から前記プラズマ発光体を発光させるように構成したので、必要なときに自動的にプラズマ発光体を発光させることができる。
【0012】
請求項10の発明によれば、車両の予想経路を演算する予想経路演算手段を備え、前記障害物と車両との距離が設定距離よりも短くなると共に、前記予想経路に前記障害物が存在するときに、前記発光装置から前記プラズマ発光体を発光させるように構成したので、必要なときに自動的にプラズマ発光体を発光させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の第1の実施例について、図1ないし図3を参照しながら説明する。まず、図1は、本実施例の車両用表示灯の電気的構成を示すブロック図である。この図1に示すように、車両用表示灯1は、噴霧器2と、光源3と、制御装置4と、操作装置5と、媒質タンク6とを備えて構成されている。噴霧器2は、媒質タンク6内に貯溜されている光反射媒質である例えば水を取り込んで上方へ噴霧することにより、光反射媒質霧である霧7を発生する装置である。噴霧器2は、ノズルと加圧装置(いずれも図示しない)等で構成されている。
【0014】
光源3は、ビーム状の光8を投光(発光)する装置であり、LED(レンズ等の光学系の構成を含む)やレーザー光出力装置等で構成されている。噴霧器2により噴霧された霧7に、光源3から投光されたビーム状の光8が投影されると、この光8が投影された霧7のビーム状部分が明るく光り、コーナーポールの形状とほぼ同じような形状の表示部分となる。
【0015】
上記光源3及び上記噴霧器2は、制御装置4により駆動制御される。制御装置4は、車室内の運転席周辺(即ち、運転者が操作可能な部位)に配設された操作装置5から出力された操作信号を入力し、この操作信号に応じて噴霧器2及び光源3を駆動制御するように構成されている。操作装置5は、運転者が操作するスイッチで構成されており、車両用表示灯1をオンするオン用操作信号または車両用表示灯1をオフするオフ用操作信号を出力する。
【0016】
さて、車両用表示灯1の噴霧器2と光源3は、図2に示すように、車両9の前部のバンパー10のコーナー部に上向きに配設されている。噴霧器2は、上下方向の長さが例えば30〜40cm程度、直径が例えば10〜20cm程度の範囲に、霧7を例えば0.5秒以下の時間で噴霧する機能を有している。そして、噴霧器2は、霧7として、例えばドライミスト(粒子径が10μm以下の霧)を噴出することが可能なように構成されている。尚、ドライミストよりも粒子径が大きい霧を噴出するように構成しても良いことは勿論である。
【0017】
また、車両用表示灯1の他の構成部品である制御装置4や媒質タンク6については、噴霧器2と光源3の近傍、即ち、バンパー10のコーナー部に配設しても良いし、車両9の他の部位に配設しても良い。
【0018】
また、噴霧器2と光源3の配設位置は、バンパー10のコーナー部に限られるものではなく、車両9の端部(前端部または後端部等)に、図3にて小さい丸印で示すように、配設しても良い。この場合、6箇所の配設位置全てに配設しても良いし、配設する個数を適宜減らしても良い。
【0019】
このような構成の本実施例によれば、車両用表示灯1の噴霧器2と光源3を車両9のコーナー部に配設し、噴霧器2により噴霧された霧7に、光源3から投光されたビーム状の光8を投影するように構成したので、車両9のコーナー部にコーナーポール等とほぼ同等の形状の映像を表示することができる。従って、コーナーポール等を不要にすることができ、しかも、車両9のコーナー部の位置を運転者が正確に認識することができる。
【0020】
また、上記実施例では、噴霧器2により霧7としてライミストを噴出するように構成したので、噴霧器2から噴霧した霧により車両9のボディが濡れることを防止できる。これにより、車両9のボディが汚れてしまうことを防止できる。
【0021】
尚、上記実施例においては、光反射媒質として水を用いたが、これに限られるものではなく、他のもの例えばウインドウオッシャ液を用いても良い。ウインドウオッシャ液を用いるように構成すると、媒質タンク6を不要にすることができる。また、噴霧器2により、光反射媒質霧(例えば水の霧)7を噴霧するように構成したが、これに限られるものではなく、例えば光を反射する粉体や煙等を噴霧するように構成しても良い。
【0022】
図4及び図5は、本発明の第2の実施例を示すものである。尚、第1の実施例と同じ構成には同じ符号を付している。この第2の実施例では、噴霧器2と光源3の代わりに、空気中にプラズマ発光体を発光させる発光装置11を設けた。この発光装置11は、図4に示すように、レーザー発振装置12と、XYZスキャナ13と、集光レンズ14とから構成されている。
【0023】
上記発光装置11は、レーザー発振装置12から出力されたレーザービームを、XYZスキャナ13と集光レンズ14により、空気中の1点にフォーカスさせて、空気をプラズマ化して発光させる、即ち、空気中にプラズマ発光体15を発光させる装置である。この場合、発光装置11は、プラズマ発光体15を複数上方に向けてほぼ直線状に並べて発光させるように構成されている。尚、個々のプラズマ発光体15は、極短い時間しか発光していないが、プラズマ発光体15は人間(運転者)の目に強く残像として残るものであるため、運転者は、棒状に並ぶ複数のプラズマ発光体15(残像を含む)を見ることが可能となる。
【0024】
また、発光装置11は、図5に示すように、車両9のコーナー部に配設されている。尚、発光装置11の配設位置は、バンパー10のコーナー部に限られるものではなく、車両9の端部(前端部または後端部等)に、図3において小さい丸印で示すように、配設しても良い。この構成の場合、6箇所の配設位置全てに配設しても良いし、配設する個数を適宜減らしても良い。
【0025】
上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第2の実施例によれば、プラズマ発光体15を発光させる発光装置11を備え、プラズマ発光体1を複数ほぼ直線状に並べて発光させるように構成したので、運転者は車両9のコーナー部の位置をより一層正確に認識することができる。また、発光装置11によれば、空気中にプラズマ発光体15を発光させることにより、空気中に3次元画像を比較的自由に描画(表示)することが可能であるので、運転者が位置を認識し易い表示形態を実現することができる。
【0026】
図6ないし図8は、本発明の第3の実施例を示すものである。尚、第2の実施例と同じ構成には同じ符号を付している。この第3の実施例では、図6及び図7に示すように、車両9の外部の障害物16と車両9との距離を検出するソナー(距離検出手段)17を設けた。このソナー17は、超音波等により障害物16との距離を検出するセンサであり、図7において小さい四角印で示すように、車両9の端部(前端部または後端部等)に配設されている。この場合、6箇所の配設位置全てに配設しても良いし、配設する個数を適宜減らしても良い。
【0027】
次に、上記第3の実施例の動作について、図8のフローチャートを参照して説明する。図8のフローチャートは、制御装置4の制御内容を示している。まず、図8のステップS10において、ソナー17により障害物16を探し、該障害物16との距離を検出する。続いて、ステップS20へ進み、検出した距離が設定距離よりも短いか否か(設定距離内に障害物16があるか否か)を判断する。ここで、検出した距離が設定距離よりも短くなければ、「NO」へ進み、ステップS10へ戻り、障害物16の捜索(検出)を続ける。
【0028】
これに対して、ステップS20において、検出した距離が設定距離よりも短いときには、「YES」へ進み、ステップS30へ進み、車両用表示灯1を点灯する。即ち、発光装置11を駆動して、プラズマ発光体15を複数棒状に発光させる。次に、ステップS40へ進み、ソナー17により該障害物16との距離を検出する。そして、ステップS50へ進み、検出した距離が設定距離よりも短いか否かを判断する。ここで、検出した距離が設定距離よりも短いときには、「YES」へ進み、ステップS30へ戻り、車両用表示灯1の点灯を続ける。
【0029】
これに対して、ステップS50において、検出した距離が設定距離よりも短くないときには、「NO」へ進み、ステップS60へ進み、車両用表示灯1を消灯する。即ち、発光装置11の駆動を停止して、プラズマ発光体15の発光を止める。この後は、ステップS10へ戻る。
【0030】
尚、上述した以外の第3の実施例の構成は、第2の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第3の実施例においても、第2の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第3の実施例によれば、障害物16と車両9との距離が設定距離よりも短くなったときに、発光装置11によりプラズマ発光体15を発光させるように構成したので、必要なときに自動的にプラズマ発光体15を発光させることができる。
【0031】
図9ないし図11は、本発明の第4の実施例を示すものである。尚、第3の実施例と同じ構成には同じ符号を付している。この第4の実施例では、図9に示すように、車両9の前輪18の操舵角を検出する操舵角センサ19と、車両9の変速機(自動変速機または手動変速機)のシフトレバーの位置を検出するシフト位置センサ20とを設けた。
【0032】
次に、上記第4の実施例の動作について、図11のフローチャートを参照して説明する。尚、第3の実施例の図8のフローチャートと同一ステップには、同一符号を付している。まず、図11のステップS10において、ソナー17により障害物16との距離を検出する。続いて、ステップS20へ進み、検出した距離が設定距離よりも短いか否かを判断する。ここで、検出した距離が設定距離よりも短くなければ、「NO」へ進み、ステップS10へ戻り、障害物16との距離を検出の捜索(検出)を続ける。
【0033】
これに対して、ステップS20において、検出した距離が設定距離よりも短いときには、「YES」へ進み、ステップS110へ進み、予想経路を演算する。この場合、操舵角センサ18により検出した操舵角と、シフト位置センサ19により検出したシフトレバーの位置(前進か後退かの情報を示す位置)とに基づいて、車両9が進行するときの予想経路を演算する。
【0034】
続いて、ステップS120へ進み、予想経路上に障害物16があるか否かを判断する。ここで、予想経路上に障害物16がなければ、「NO」へ進み、ステップS10へ戻る。これに対して、ステップS120において、予想経路上に障害物16があれば、「YES」へ進み、ステップS30へ進み、車両用表示灯1を点灯する。
【0035】
次に、ステップS40へ進み、ソナー17により該障害物16との距離を検出する。そして、ステップS130へ進み、検出した距離が設定距離よりも短く、且つ、予想経路上に障害物16があるか、そうではないかを判断する。ここで、検出した距離が設定距離よりも短く、且つ、予想経路上に障害物16があるときには、「YES」へ進み、ステップS30へ戻り、車両用表示灯1の点灯を続ける。
【0036】
これに対して、ステップS130において、検出した距離が設定距離よりも短くないとき、または、予想経路上に障害物16がないときには、「NO」へ進み、ステップS60へ進み、車両用表示灯1を消灯する。この後は、ステップS10へ戻る。
【0037】
尚、上述した以外の第4の実施例の構成は、第3の実施例の構成と同じ構成となっている。従って、第4の実施例においても、第3の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第4の実施例によれば、障害物16と車両9との距離が設定距離よりも短く、且つ、予想経路上に障害物16があるときに、発光装置11によりプラズマ発光体15を発光させるように構成したので、より一層必要なときに(精度良く)自動的にプラズマ発光体15を発光させることができる。
【0038】
尚、第3または第4の実施例において、プラズマ発光体15を発光する発光装置11を設ける代わりに、噴霧器2及び光源3を設けるように構成しても良い。このように構成しても、第3または第4の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施例を示す車両用表示灯のブロック図
【図2】車両の前部を示す部分側面図
【図3】車両の上面図
【図4】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図5】図2相当図
【図6】本発明の第3の実施例を示す図4相当図
【図7】図3相当図
【図8】フローチャート
【図9】本発明の第4の実施例を示す図6相当図
【図10】図7相当図
【図11】図8相当図
【符号の説明】
【0040】
図面中、1は車両用表示灯、2は噴霧器、3は光源、4は制御装置、5は操作装置、6は媒質タンク、7は霧(光反射媒質霧)、8は光、9は車両、11は発光装置、12はレーザー発振装置、13はXYZスキャナ、14は集光レンズ、15はプラズマ発光体、16は障害物、17はソナー(距離検出手段)、19は操舵角センサ、20はシフト位置センサを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反射媒質を噴霧する噴霧器と、
ビーム状の光を投光する光源とを備え、
前記噴霧器により噴霧された光反射媒質霧に、前記光源から投光されたビーム状の光を投影することを特徴とする車両用表示灯。
【請求項2】
前記噴霧器及び前記光源を、車両の端部に配設したことを特徴とする請求項1記載の車両用表示灯。
【請求項3】
前記噴霧器及び前記光源を、車両のコーナー部に上向きに配設したことを特徴とする請求項1記載の車両用表示灯。
【請求項4】
前記光反射媒質は、水であることを特徴とする請求項1記載の車両用表示灯。
【請求項5】
前記光反射媒質は、ウインドウオッシャ液であることを特徴とする請求項1記載の車両用表示灯。
【請求項6】
前記光反射媒質霧は、ドライミストであることを特徴とする請求項1記載の車両用表示灯。
【請求項7】
空気中にプラズマ発光体を発光させる発光装置を備え、
前記プラズマ発光体を複数ほぼ直線状に並べて発光させることを特徴とする車両用表示灯。
【請求項8】
前記発光装置を、車両のコーナー部に上方に向けて配設したことを特徴とする請求項7記載の車両用表示灯。
【請求項9】
車両の外部の障害物と車両との距離を検出する距離検出手段を備え、
前記障害物と車両との距離が設定距離よりも短くなったときに、前記発光装置から前記プラズマ発光体を発光させることを特徴とする請求項8記載の車両用表示灯。
【請求項10】
車両の予想経路を演算する予想経路演算手段を備え、
前記障害物と車両との距離が設定距離よりも短くなると共に、前記予想経路に前記障害物が存在するときに、前記発光装置から前記プラズマ発光体を発光させることを特徴とする請求項9記載の車両用表示灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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