説明

車両用表示装置

【課題】車外の注意対象物を、処理負荷やコストができるだけ少ない形で、よりすばやく、より直感的に察知することができる車両用表示装置を提供する。
【解決手段】車外の左右双方に設けられたサイドミラー10にそれぞれ設けられる注意喚起用の表示部12と、車外の左右それぞれに存在する運転者3Dの前側死角領域130(130R,130L)において、障害物100を検出する障害物検出部13(13R,13L)と、を備え、障害物100が検出された場合に、検出された障害物100と同じ側のサイドミラー10の表示部において、予め定められた固定形状の発光図形を表示して注意喚起を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の後方を視認するために車外の左右双方のサイドミラーにそれぞれ設けられた表示部を用いた車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両前方をカメラで撮影し、その撮影画像を所定の表示部に表示することにより運転を支援する技術は、すでに開発されている。その撮影画像の表示部としては、例えば車両左右のドアミラーや、ルームミラー、メータ、ナビ画面などを利用することができる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−165087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした運転支援技術においては、運転者がすばやく注意対象を察知できるようにすることが重要である。特に、車両の運転者の死角における注意対象については、よりすばやく、より直感的に察知できるようにする運転支援技術が重要である。しかしながら、上記のようなカメラでの撮影画像は、単純に車外を撮影した車外映像にすぎず、運転支援として一定の効果を得ることはできるが、その映像内において注意するべき注意対象物をよりすばやく認識するためには、その認識をアシストする技術が搭載されることが望ましい。ところが、この場合、撮影画像の解析や解析結果の表示処理など、処理負荷やコストが増すという課題が新たに生じてしまう。
【0005】
本発明の課題は、車外の注意対象物を、処理負荷やコストができるだけ少ない形で、よりすばやく、より直感的に察知することができる車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用表示装置は、
車外の左右に設けられた双方のサイドミラーにおいて運転者により視認可能な位置に設けられ、それらサイドミラーによる運転者の車両後方確認が可能な形での表示出力が可能な注意喚起用の表示部と、
車外の左右それぞれに存在する運転者の死角領域において障害物を検出する障害物検出手段と、
障害物が検出された場合に、検出された障害物と同じ側のサイドミラーの表示部において、障害物の非検出時よりも強調して表示される注意喚起用の表示として、予め定められた固定形状の発光図形として視認される表示を実行させる制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、ここでいう予め定められた固定形状の発光図形とは、形状に変化を生じない予め決められた形状の図形であってバックライトなどの光源によって発光する図形のことであり、例えばサイドミラー上に固定設置されたLED等の光源を直接または間接的に視認するような形態もこれに含まれる。即ち、予め定められた固定形状の発光図形とは、発光状態の発光図形を視認したときに、ある決まった形状として視認されるものであればよく、例えば光源が直接視認される構成の場合、予め定められた発光図形とは該光源の最表面形状(最外面形状)であり、この最表面形状が変化することはない。他方、本発明における予め定められた固定形状の発光図形には含まれないものとしては、障害物の検出位置の細かな違いに応じて表示形状が変化するような、例えばカメラによる撮影画像等である。
【0008】
上記本発明の構成によれば、車両の後方を視認するための車外左右のサイドミラーにおいて、運転者の死角に存在する障害物を注意対象物として検出し、それに対する注意喚起表示が、注意対象物が検出された側のサイドミラーにおいてなされる。これにより、車外の注意対象物が左右どちらに存在するかを、よりすばやく、より直感的に察知することが可能となる。また、サイドミラーの表示部に、カメラのような撮影手段で撮影されたリアルな撮影画像を表示するのではなく、予め定められた固定図形や輝点等を用いて障害物の存在をシンプルに報知することで、障害物の存在をよりすばやく、より直感的に察知させることが可能となる。また、カメラを用いる場合よりも処理負荷やコストを低減できる利点も得られる。
【0009】
本発明における障害物検出手段は、運転者よりも前側に位置する死角領域において存在する障害物を検出するものとすることができる。
【0010】
この構成によれば、運転者よりも前側に位置する死角領域の障害物を注意対象物として検出し、この注意対象物を、同じく運転者よりも前側に位置するサイドミラーにおいて注意喚起表示することができる。これにより、この注意対象物を、よりすばやく、より直感的に察知することが可能となる。また、車両の車外前側の左右の死角領域、即ち車外斜め前方の死角領域において存在する注意対象物を、同様に車外斜め前方に位置しているサイドミラーを用いて注意喚起表示することにより、車外左右の前側に位置する注意対象物の存在をより直感的に察知することが可能となる。
【0011】
本発明においては、検出される障害物と車両との距離を特定する距離特定手段を備えて構成できる。この場合、本発明の制御手段は、特定された障害物と車両との距離に応じて、注意喚起用の表示の表示状態を変化させるよう構成できる。
【0012】
なお、既に述べた本発明における予め定められた固定形状の発光図形に関していえば、ここでいう距離に応じた表示状態の変化として、距離に応じた大きさの変化はあってもよく、形状が相似であれば、形状に変化はないというものとする。
【0013】
この構成によれば、車外に存在する障害物への注意レベルを、車両と障害物との距離によって特定することができる。つまり、障害物が車両に近いほどがその障害物が注意レベルが高いとし、その注意レベルに応じた表示を行うことができる。これにより、運転者は、障害物の注意レベルをよりすばやく察知することができる。また、例えばその注意レベルが高いほど、注意喚起用の表示を強調して行うようにすることで、より注意レベルが高い障害物ほど運転者が察知しやすくなる。
【0014】
また、この場合、本発明の制御手段は、特定された障害物と車両との距離に応じて、注意喚起用の表示の表示色を変化させるように構成できる。例えば、注意喚起用の表示を、特定された障害物と車両との距離が予め定められた基準距離よりも近い場合を赤色、該基準距離よりも近くない場合を黄色にて行うようにしてもよい。また、本発明の制御手段は、注意喚起用の表示を、特定された障害物と車両との距離が予め定められた基準距離よりも近い場合を常時表示、該基準距離よりも近くない場合を点滅表示にて行わせてもよいし、これら表示状態を組み合わせて行ってもよい。このような表示状態の違いによって、障害物と車両との距離、即ち注意レベルの高低を、より直感的に把握することが可能となる。
【0015】
本発明における障害物検出手段は、予め定められた検出波を送出し、その反射波の受信に基づいて障害物を検出するものとすることができ、距離特定手段は、その検出波の送信から反射波の受信までの時間に基づいて、障害物との距離を算出するものとできる。この構成によれば、上記検出波を利用する形で、障害物の検出と、車両−障害物間距離の算出との双方が可能となるため、効率的で低コストな構成となる。
【0016】
また、本発明における障害物検出手段はレーザーレーダとすることができる。カメラによる撮影画像を解析して距離を検出する、ミリ波を用いて距離を検出するといった様々な距離検出方法が存在するが、レーザーレーダが採用されることで、これらよりも正確な距離検出が可能となる。
【0017】
本発明においては、障害物の種別を判別する障害物判別手段を備えて構成できる。この場合、本発明の制御手段は、判別された障害物の種別に応じて、注意喚起用の表示の表示状態が異なるようにすることができる。この構成によれば、どのような種別の障害物が死角に存在しているかを把握できるから、その障害物に対する注意レベルを直感的に把握することができる。
【0018】
また、この場合、本発明の制御手段は、注意喚起用の表示として、判別された障害物の種別を視認可能(識別可能)な予め定められた障害物種別視認画像(障害物種別識別画像)を表示させるよう構成できる。これにより、注意喚起用の表示として表示される図形画像の形状から、障害物の種別を直感的に把握することができる。
【0019】
また、本発明の制御手段は、上記障害物種別視認画像を点滅表示させるように構成できる。これにより、障害物種別視認画像が強調的に表示されるから、障害物の認識をよりすばやく行うことができる。
【0020】
また、本発明の表示部は、注意喚起用の表示を、サイドミラーのミラー面に重ね表示する形で行うものとできる。これにより、サイドミラーにおいて最も視線の集まるミラー面に注意喚起用の表示がなされるため、障害物の存在をよりはやく認識することができる。なお、このようにミラー面の、特に中心部において注意喚起用の表示を重ね表示の形で行う場合には、点滅表示という表示形態をとることにより、ミラー面に映し出される車両後方の状況の視認を妨げることもない。
【0021】
また、本発明の表示部は、サイドミラーのミラー面内の外周部に設けてもよい。例えば、サイドミラーのミラー面の外周を取り囲む形で環状に設けてもよい。これにより、サイドミラーのミラー面に映し出される車両後方の状況の視認を妨げることがない。
【0022】
本発明においては、車両の車速を検出する車速検出手段を備えて構成できる。車速検出手段を備える場合、本発明の制御手段は、検出された車速が予め定められた基準速度(例えば時速5kmや時速0km等)を下回った場合に、注意喚起用の表示を行わせるよう構成できる。運転者の死角の障害物に注意を払うべき状況とは、車両の低速時、特に車両の停止時から、加速をする状況であるから、それ以外において、障害物の注意喚起を警戒する処理を実行することは無駄である。上記構成によれば、そうした無駄を省略することができる。
【0023】
また、車速検出手段を備える場合、本発明の障害物検出手段は、検出された車速が予め定められた基準速度(例えば時速5kmや時速0km等)を下回った場合に、障害物の検出を開始(例えば検出波の送信の開始)するように構成できる。この構成によれば、車両の低速時(特に車両の停止時)から加速をする状況以外の、障害物の注意喚起を警戒する処理を実行する必要のない時には、無駄な障害物検出を省略することができる。
【0024】
また、車速検出手段を備える場合、本発明の障害物検出手段は、検出された車速が予め定められた第一の基準速度(例えば時速5km等)を下回った場合に、障害物の検出を開始し、本発明の制御手段は、検出された車速が、第一の基準速度よりも低速となる予め定められた第二の基準速度(例えば時速0km等)を下回った場合に、注意喚起用の表示を行わせるように構成できる。この構成によれば、車両がある一定速度以下となった時に、障害物の検出を開始し、それよりも低速の一定速度以下となった時に障害物の検出結果に基づいた注意喚起用の表示がなされる。注意喚起用の表示を実行するタイミングとなった時にはすでに、障害物の検出結果が得られた状態となっているので、障害物の検出から注意喚起用の表示がなされるまでの時間差が少なくて済む。
【0025】
また、本発明においては、車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、車両が予め定められた道路区間もしくは予め定められた車両駐停車エリア内に存在するか否かを判定するエリア判定手段と、を備えて構成できる。この場合、本発明の制御手段は、車両が道路区間もしくは車両駐停車エリア内に存在する場合に、注意喚起用の表示を行わせるよう構成できるし、本発明の障害物検出手段は、車両が道路区間もしくは車両駐停車エリア内に存在する場合に、障害物の検出を開始するように構成できる。この構成によれば、障害物の注意喚起を警戒する処理を実行するべき道路区間(交差点手前の定められた区間、横断歩道や信号機の手前の定められた区間等)や車両駐停車エリア(駐車場等)に限って、障害物の検出と、その注意喚起用の表示が実行されるから、無駄な処理を省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態である車両用表示装置を搭載した車両を簡略的に示した模式図。
【図2】図1の車両用表示装置の構成を簡略的に示すブロック図。
【図3】サイドミラーの内部構造を説明する図。
【図4】注意喚起表示制御の流れを示すフローチャート。
【図5】サイドミラーにおける注意喚起表示の一例。
【図6】サイドミラーにおける注意喚起表示の非表示状態を示す図。
【図7】サイドミラーにおける注意喚起表示の第一の表示状態を示す図。
【図8】サイドミラーにおける注意喚起表示の第二の表示状態を示す図。
【図9】サイドミラーにおける注意喚起表示の第一変形例。
【図10】サイドミラーにおける注意喚起表示の第二変形例。
【図11】サイドミラーにおける注意喚起表示の第三変形例。
【図12】サイドミラーにおける注意喚起表示の第四変形例であり、注意喚起表示として障害物種別画像が表示された図。
【図13】サイドミラーにおける注意喚起表示の第四変形例であり、注意喚起表示として図12とは異なる種別の障害物の障害物種別画像が表示された図。
【図14】図4とは異なる注意喚起表示制御の流れを示すフローチャート。
【図15】障害物検出部による障害物種別の特定方法を説明する第一の図。
【図16】障害物検出部による障害物種別の特定方法を説明する第二の図。
【図17】図2とは異なる本発明の車両用表示装置の構成を簡略的に示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の車両用表示装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態である車両用表示装置1を搭載した車両20を簡略的に示した模式図である。図1に示す本実施形態の車両用表示装置1を搭載する車両20は、図2のブロック図に示すように、運転席2Dに坐した運転者3Dに車外の左右後方を視認させるためのサイドミラー10(10R,10L)と、車外の左右それぞれに存在する運転者3Dの死角領域120(120R,120L)において、障害物100(100A,100B等)を検出する障害物検出部13(13R,13L)と、障害物100が検出された場合に、検出された障害物100と同じ側のサイドミラー10(10R,10L)の表示部12に対し、障害物100の非検出時よりも強調して表示される注意喚起用の表示13として、予め定められた固定形状の発光図形が視認される表示出力を実行させる制御部11と、を備えて構成される。
【0029】
なお、ここでいう固定形状の発光図形とは、形状に変化を生じない予め決められた形状の図形であってバックライトなどの光源によって発光する図形のことであり、例えばLED等のサイドミラー10に固定設置された光源を直接または間接的に視認するような形態はこれに含まれるが、カメラによる撮影画像等はこれに含まれない。
【0030】
サイドミラー10(10R,10L)は、図6に示すように、そのミラー部材15の表面(以下、ミラー面という)15aに反射画像(車両左右の後方視野120の画像)を映し出し、これにより運転者3Dに車両20の後方を視認(車両後方確認)させるものである。本実施形態のサイドミラー10(10R,10L)は、図3に示すように、運転席2Dよりも前に位置する車外左右の所定位置にて、車両本体21から外向きに突出し、ミラー面15aが車両後方の視野120(120R,120L)を映し出すよう車両後方を臨む形で設けられている。なお、本実施形態のサイドミラー20は、車両本体21をなす車両(ここでは自動車)20のドアに設けられたドアミラーである。
【0031】
また、車外の左右双方に設けられたサイドミラー10(10R,10L)には、運転者3Dにより視認可能な位置に注意喚起用の表示部13が設けられる。ただし、この注意喚起用の表示部13は、それらサイドミラー10(10R,10L)のミラー面15aによる運転者3Dの車両左右の後方確認が可能な形で表示出力が行われるよう設けられている。
【0032】
本実施形態の注意喚起用の表示部13は、サイドミラーのミラー面15aの一部又は全領域を表示面とする形で表示がなされる。図3は、本実施形態におけるサイドミラー10(10R,10L)の内部構造を示した模式図である。本実施形態におけるサイドミラー10(10R,10L)のミラー部材15は、運転者3Dが車両20の後方を視認するためのミラー面(反射面)15aを有する一方で、その背後に位置する表示装置12の表示面12cの表示が、当該ミラー面15aを透過して運転者3Dにより視認可能となっている。即ち、ミラー部材15のミラー面15aには、車両後方画像が映し出される一方、その背後に位置する表示装置12の表示面12cの表示も視認(透視)することができるから、それら双方が重なって視認される表示状態となる。
【0033】
本実施形態におけるこのミラー部材15はハーフミラーである。
【0034】
また、本実施形態において、この表示装置12は、図3に示すように、背後に位置する光源(例えばLEDや蛍光灯等)12aの光を、透光部12b1及び非透光部12b2とを有したマスク部材12bを介してミラー面15aの裏面に向けて照射することにより、透光部12b1の形状を有した発光図形を、ミラー面15aから透視可能とする表示装置である。なお、表示装置12に、液晶表示装置や有機EL(Electro-Luminescence)表示装置といった表示装置を採用して、予め定められた固定形状の図形画像を表示してもよい。
【0035】
障害物検出部13(13R,13L)は、各々の検出エリアが運転者3Dの死角領域を含むように車両20に対し設けられる。本実施形態においては、運転者3Dよりも前側に位置する前側死角領域120(120R,120L:これら死角領域は車両の形状ごとに定められるものであり、ここでは、車両20の左右外側に位置する領域であって、車両20の左右側双方のほぼ最前端となる位置から車両左右方向に延びる直線と、それら双方の最前端位置を中心に当該直線から車両前方側に20度をなす領域)において存在する障害物(歩行者、二輪車、自動車等の予め定められた移動体のみでもよいし、道路わきに固定設置される電柱等のような予め定められた固定障害物でもよいし、それら双方を含んでもよい)100を検出できるよう、車外左右のそれぞれの前側死角領域120R,120Lに対し障害物検出部13R,13Lがそれぞれ対応して設けられる。
【0036】
なお、本実施形態の障害物検出部13(13R,13L)は、予め定められた検出波を送出し、その反射波の受信の有無に基づいて障害物100を検出するものである。また、検出波を送出してからその反射波を受信するまでの時間に基づいて、障害物100までの距離を算出することも可能である。ここでの障害物検出部13(13R,13L)は、特定の障害物100を検出できるものであればよく、検出波としてミリ波やレーダー波を用いる検出波送受信装置でもよいが、ここではそれらよりも歩行者等の障害物100も高精度に検出できるレーザーレーダ13R,13L(レーザー光を検出波として出力しその反射光を受光する)を採用しており、車両前方のバンパー部の左右にそれぞれ設けられている。
【0037】
制御部11は、周知のCPU,ROM,RAM等を備える通常のコンピュータとして構成される制御手段であり、上述した表示部12(12R,12L)と、障害物検出部13(13R,13L)と、さらに車両20の速度(車速)を検出する車速センサ(車速検出手段)14と接続する形で構成される。制御部11は、ROMや外部の記憶装置(図示なし)等に記憶されたプログラムおよびデータに基づいて各種の制御を行うものであり、ここでは、障害物検出部13(13R,13L)が取得する検出情報(受信した反射波の波形情報)に基づく検出結果の特定し、その検出結果に応じた表示出力を表示部12(12R,12L)に実行させる注意喚起表示制御を実行する。
【0038】
図4は、制御部11が実行する注意喚起表示制御の流れを示すフローチャートである。なお、この制御は所定周期にて繰り返し実行される。
【0039】
まずS1にて、制御部11が、車速センサ14が検出した車速が、予め定められた第一の基準速度(ここでは時速5km等の低速度)を下回った否かを判定する。第一の基準速度を下回った場合はS2に進み、障害物検出部13(13R,13L)を駆動状態とし、障害物の検出を開始(検出波の出力を開始)して、S3に進む。他方、第一の基準速度を下回っていない場合はS10に進み、障害物検出部13(13R,13L)を駆動停止状態とし、障害物の検出を停止(検出波の出力を停止(禁止))して、本処理を終了する。
【0040】
S3では、制御部11が、車速センサ14が検出した車速が、予め定められた第二の基準速度(ここでは第一の基準速度よりも低速となる時速0km等の低速度)を下回った否かを判定する。第二の基準速度を下回った場合はS4に進み、下回っていない場合はS11に進む。
【0041】
S4では、制御部11が、S2にて開始された障害物検出による検出情報(受信した反射波の波形情報)を取得し、障害物検出部13(13R,13L)が障害物100を検出したか否かを判定する(障害物検出手段)。障害物100が検出された場合にはS5に進み、検出されなければS11に進む。
【0042】
S5では、制御部11が、検出された障害物が、車両の左右いずれに存在するかを特定する(障害物存在側特定手段)。ここでは、車両の左右に設けられた障害物検出部13(13R,13L)のいずれが取得した検出情報に基づいて、障害物ありと検出したか否かにより特定する。即ち、検出情報には、障害物検出部13(13R,13L)が送信した検出波に対する反射波の受信の有無を示す受信有無情報が含まれており、当該受信有無情報に基づいて障害物100があるか否かを特定する。
【0043】
S6では、制御部11が、特定された障害物検出部13と同じ側にあるサイドミラー10(10R,10L)を特定し、特定されたサイドミラー10に設けられている表示部12を、注意喚起用の表示を行う対象として特定する。
【0044】
S7では、制御部11が、検出された障害物100と自車両20との間の距離を特定する(距離特定手段)。ここでは、S2において障害物100の検出を開始(検出波の出力を開始)するに伴い時間カウントを開始し、S4において障害物100を検出したと判定されるまでのそのカウント値(時間)から、検出波の送信から受信までの時間を特定し、そのカウント値(時間)に基づいて、障害物100と自車両20との間の距離を特定する。検出波の送信から受信までの時間と距離との間には、時間が長くなるほど距離もそれに比例して長くなる関係が存在するため、ここではその比例関係を示す情報が制御部11又は外部の記憶装置(図示なし)に予め記憶され、これが参照される形で、送受信間の時間に基づく距離の特定がなされる。
【0045】
S8では、制御部11が、表示部12においてなされる注意喚起用の表示13の表示状態を決定する。本実施形態の制御部11は、注意喚起用の表示13を、予め定められた形状を有した図形として視認されるよう表示するが、その図形画像の表示状態は、検出された障害物100と車両20との間の距離に応じて変化するため、ここではS7で特定された距離に対応する表示状態を特定する。制御部11又は外部の記憶装置(図示なし)には、各距離に対応する表示状態を定めた情報が予め記憶されており、これが参照される形で、距離に対応する表示状態が決定される。
【0046】
S9では、制御部11が、特定された表示状態による注意喚起用の表示13を実行させる表示指令を、S6で特定されたサイドミラー10の表示部12に対し出力し、その表示を実行させる。S9にて表示指令を出力した後、本処理は終了となるが、所定周期後には再びS1が実行される。仮に、先に送信されたS9での表示指令と、その次に実行される本処理において送信されたS9での表示指令とにおいて、その指令内容(表示状態)が異なる場合には、ここで表示部12における表示状態が変化することになる。例えば、図7のように注意喚起用の表示13がなされていたものが、障害物100と車両20との間の距離がより近づいたことにより、図8のように、図7よりも強調された注意喚起用の表示13となる。
【0047】
なお、S3において、車速が第二の基準速度(例えば時速0km等の低速度)を下回っていないと判定された場合、あるいはS4において、障害物100が検出されていないと判定された場合には、表示部12での表示を終了する。仮に表示部12での表示(注意喚起用の表示13)が図7及び図8のようになされていれば図6のようにその表示を終了し、図6のように表示がされていないならばその状態を保持する。そしてその後、本処理は終了となるが、所定周期後には再びS1が実行される。
【0048】
これにより、車両20の左右のうち障害物100が検出された側のサイドミラー10において、注意喚起用の表示13が実行される。例えば、車両の右側前方において障害物100が検出された場合には、図5に示すように、右側のサイドミラー10Rにおいて注意喚起用の表示13が実行されるから、運転者3Dは、サイドミラー10Rを目にするだけで、右側に障害物100があることを認識できる。
【0049】
また、障害物100の検出は、図1に示すように、車両前方の死角領域130(130R,130L)を含んだ検出エリア内でなされ、その検出エリアが運転者3D(運転席2D)よりも前方に位置している。このため、運転者にとっては、車両の左右双方の斜め前方側の死角に存在する障害物100を、同じように車両の左右双方の斜め前方側に位置するサイドミラー10(10R,10L)において報知するように構成されるから、障害物100の存在位置を直感的に把握しやすい。
【0050】
以下、本実施形態における注意喚起用の表示13を、図6〜図8を用いて説明する。
【0051】
図6は、障害物100が検出されていない状態におけるサイドミラー10の視認状態の一例である。ミラー面15aを形成するミラー部材15はハーフミラーであるが、ミラー面15aには、車両後方の反射画像のみが映し出されており、背後の表示部12は、ミラー面15aにおいて上記反射画像以外の表示が視認されない、視認され難いような状態とされている。ここでは、背後の表示部12が非表示状態(光源非点灯状態)とされることにより表示面12c視認され難い状態となっている。
【0052】
図7は、障害物100が検出された状態におけるサイドミラー10の視認状態の一例である。ミラー面15aには、車両後方の反射画像が映し出されている一方で、背後の表示部12は、ミラー面15aの外周を取り囲む環状の図形形状をなす透光部12b1が発光状態となっており、上記ミラー面15aに表示される反射画像に重なる形で透視可能(重ね表示)となっており、この透視画像が注意喚起用の表示13である。
【0053】
図8も、障害物100が検出された状態におけるサイドミラー10の視認状態の一例であるが、障害物100と車両20との距離が図7のときよりも近い状態におけるサイドミラー10の視認状態である。図7と同様、ミラー面15aには、車両後方の反射画像が映し出されている一方で、背後の表示部12は、ミラー面15aの外周を取り囲む環状の図形形状をなす透光部12b1の発光状態が透視可能(重ね表示)とされているが、当該発光状態が図7とは異なってより強調された状態とされている。つまり、障害物100の距離がより接近したため、注意喚起用の表示13が強調されている。
【0054】
注意喚起用の表示13における表示状態の違いは、障害物100と車両20との距離に応じて、輝度や表示色、表示周期を変化させる等の形で行うことができる。例えば、図4の処理のS8にて、障害物100と車両20との距離が予め定められた基準距離よりも近い場合を予め定められた輝度での表示(図8)とし、該基準距離よりも近くない場合を当該輝度よりも低い輝度での表示(図7)とする形で、距離に応じた表示状態を定めることができる。また、図4の処理のS8にて、障害物100と車両20との距離が予め定められた基準距離よりも近い場合を予め定められた警告色である赤色(図8)、該基準距離よりも近くない場合を予め定められた注意色である黄色(図7)として、距離に応じた表示状態を定めてもよい。また、図4の処理のS8にて、障害物100と車両20との距離が予め定められた基準距離よりも近い場合を常時表示(図8の状態を保持)、該基準距離よりも近くない場合を点滅表示(図6と図8を交互に切り替えて表示)にて行わせてもよい。
【0055】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【0056】
上記実施形態においては、注意喚起用の表示13が、予め定められた形状の発光図形は、図7及び図8のように表示されているが、例えば図9のように、表示部12をなす砲弾型LEDが直接、または間接的に(例えば半透過部材(半透光部材)等を介して)視認されるようなものでもよい。また、ミラー部材15がハーフミラーであれば、図10に示すように、サイドミラー10のミラー面15aの全面の形状をそのまま発光図形として表示部12の表示面12cに発光表示し、これがミラー面15aに映し出される車両後方の反射画像の全体に重なる形で視認(透視)できるように構成し、当該発光図形を注意喚起用の表示13としてもよい。なお、ミラー面15aの全面を発光図形13とする場合や、ミラー面15aの中心部において発光図形13を表示する場合は、それら発光図形13を点滅表示とすることで、当該発光図形13が強調して表示されるだけでなく、ミラー面15aに映し出される車両後方の反射画像の視認性も高めることができる。
【0057】
また、図11に示すように、注意喚起用の表示13は、サイドミラー10のミラー面15aの面内でもよいが、ミラー面15aの外部に設けてもよい。例えばミラー面15aの外側の外周部に環状に設けられていてもよい。
【0058】
また、発光図形13は予め定められた固定形状を有するものであればよく、さらに本発明においては、形状が相似であれば固定形状(形状に変化はない)といえるから、距離に応じて表示状態を変化させる場合、距離が近いほど発光図形13を大きく表示するようにしてもよい。
【0059】
また、障害物100の種別を判別し(障害物判別手段)、判別された障害物100の種別に応じて、注意喚起用の表示13の表示状態が異なるようにしてもよい。即ち、制御部11や外部の記憶装置の所定の記憶部に、障害物100の各種の種別に対し形状の異なる発光図形を対応付ける形で予め記憶しておき、障害物100の種別が判別されたときには、判別された障害物100の種別に対応する発光図形13を表示するようにしてもよい。例えば、障害物100の種別として、歩行者100A、自転車(二輪車)100B等、予め定められた種別のものを判別し、種別が判別された場合には、注意喚起用の表示13として、図12及び図13のように、判別された障害物100の種別を視認可能(識別可能)な予め定められた障害物種別視認画像13A,13Bを、注意喚起用の表示13として表示させるようにしてもよい。また、ここでは、障害物種別視認画像13A,13Bと共に、その障害物100が接近することを示す接近方向指示画像(ここでは矢印画像)13Cも表示されている。
【0060】
図14は、障害物100の種別を判別する場合の注意喚起表示制御の流れを示すフローチャートである。
【0061】
S101〜S106までの処理は、図4のS1〜S6と同様の処理である。制御部11により、S104にて障害物100が検出されたと判定されると、S105にてその障害物が車両20の左右いずれに存在するかが特定され、S106にて、それと同じ側にあるサイドミラー10の表示部12を、注意喚起用の表示を行う対象として特定する。
【0062】
続くS106では、制御部11が、検出された障害物100の種別を判別する(障害物判別手段)。そして、続くS107では、制御部11が、判別された障害物100の種別に応じた、注意喚起用の表示13の表示内容を決定する。ここでは、判別された障害物100の種別を視認可能な予め定められた障害物種別視認画像13(図12及び図13の符号13Aや13B等)を、注意喚起用の表示13の表示内容として決定する。制御部11又は外部の記憶装置(図示なし)には、障害物100の種別と注意喚起用の表示13の表示内容(ここでは、障害物種別視認画像であり、障害物100の種別をその形状から識別可能となる図形)との対応関係を示す情報が記憶されており、制御部11は、これを参照する形で、注意喚起用の表示13の表示内容を決定する。つまり、注意喚起用の表示13において表示される発光図形の形状が、予め決められた複数の固定形状の図形の中から決定される。
【0063】
続くS109〜S113は、S7〜S11と同様の処理である。制御部11により、S109にて、検出された障害物100と自車両20との間の距離が特定され、S110にて、表示部12においてなされる注意喚起用の表示13の表示状態(輝度や表示色、表示周期といった強調表示方法)が決定される。
【0064】
そして、S111では、制御部11が、S107にて決定された表示内容(発光図形形状:ここでは障害物種別視認画像)を、S110にて決定された表示状態(例えば点滅など)により表示する(注意喚起用の表示13)。
【0065】
ここで障害物100の種別判別方法について説明する。
【0066】
障害物100の種別判別方法としては、カメラによる撮影画像に対しパターンマッチングを行って種別を判別する方法もあるが、本実施形態においては、検出波の反射を利用して障害物を検出する障害物検出部13により、検出した障害物100の種別を判別することもできる。
【0067】
この場合、障害物検出部13は、図15に示すように、検出波の反射波を受信する受信面13Aを、予め複数の受信セル13aを敷き詰める形で構成し、各々の受信セル13aにおいて受信した反射波の各波形情報を制御部11に送信し、制御部11において、各々の受信セルにおける反射波の受信強度(受信波の振幅)を特定する。これにより、制御部11は、検出波が送信された後、図16の右側に示すように、各受信セル13aにおける反射波の受信強度の分布を得ることができる。図16の場合、縦横に配列された各マスが、受信面13Aに敷き詰められる各受信セル13aに対応しており、マス内のドットの密度が高いほど、対応する受信セル13aにおける反射波の受信強度が高いことを示している。障害物100に反射した反射波は、その障害物の形状に応じて反射方向が変わるため、各受信セル13aにおける反射波の受信強度の分布は、図16に示すように、障害物の種別に応じた特有の分布パターンを有したものとなる。そのため、制御部11又は外部の記憶装置(図示なし)に、障害物100の各種種別に対応する反射波の受信強度の分布パターンをモデル情報として予め記憶しておき、検出波を送信した後に反射波を受信するに伴い、制御部11は、各受信セル13aにおける反射波の受信強度の分布を特定するとともに、その受信強度の分布が予め定められた基準レベル以上で一致する分布パターンを、上記モデル情報を参照する形で特定して、基準レベル以上で一致する分布パターンが特定された場合には、検出された障害物100を、その分布パターンに対応する種別の障害物であると特定する。なお、本実施形態における障害物検出部13は、検出波の送信面と受信面を共通の面13Aとした構成としてもよい。
【0068】
なお、注意喚起用の表示13の表示状態を、障害物100の種別に応じて切り替える構成の場合、表示装置12には、任意画像を表示可能な液晶表示装置や有機EL(Electro-Luminescence)表示装置といった表示装置を採用するとよい。これにより、多数の種別の障害物100に対応する注意喚起用の表示13を実行しやすい。
【0069】
また、上記実施形態においては、第一の基準速度と第二の基準速度を設けて、障害物100の検出開始タイミングと、注意喚起用の表示13の表示開始タイミングとの双方を定めているが、いずれかのタイミングを定めるだけでもよい。また、双方のタイミングを設ける場合、第一の基準速度と第二の基準速度とが一致していてもよいが、上記実施形態のように、注意喚起用の表示13の表示開始前に、障害物100の検出が開示されている方が望ましい。
【0070】
また、上記実施形態においては、第一の基準速度と第二の基準速度を設けて、障害物100の検出開始タイミングと、注意喚起用の表示13の表示開始タイミングとの双方を定めているが、車両用ナビゲーション装置90と連携することにより、制御部11は、車両20が予め定められた道路区間もしくは車両駐停車エリア内に存在する場合に、障害物検出部13(13R,13L)による障害物100の検出を開始させる、あるいは車両20が予め定められた道路区間もしくは車両駐停車エリア内に存在する場合に、表示部12による注意喚起用の表示13を行わせるように構成することができる。
【0071】
なお、予め定められた道路区間とは、例えば交差点手前や停止線手前(図1において符号110は交差点、符号111は停止線)の定められた区間、横断歩道や信号機の手前の定められた区間等であり、予め定められた車両駐停車エリアとは、駐車場等とすることができる。
【0072】
この場合、図17に示すように、制御部11を、ナビゲーション装置90の制御部91と、例えば車載LAN等を介して接続するように構成する。ナビゲーション装置90は、車両20の現在位置を特定する位置検出器(現在位置特定手段)92を備えるので、その制御部91に、車両20が予め定められた道路区間もしくは予め定められた車両20駐停車エリア内に存在するか否かを判定させ(エリア判定手段)、その判定結果を制御部11に送信するよう構成できる。そして、その判定結果に基づいて、制御部11は、障害物検出部13(13R,13L)による障害物100の検出を開始させたり、表示部12による注意喚起用の表示13を行わせたりするように構成できる。
【0073】
なお、ナビゲーション装置90は、位置検出器92、表示器(液晶ディスプレイ等)93、音声出力部(音声合成回路及びスピーカ)94、操作入力部(メカニカルスイッチ、タッチスイッチ、リモコン、音声入力部等)95、及び記憶装置装置(ハードディスクドライブ等)96が,制御部91と接続する形で構成される。
【0074】
位置検出器1は、車両20の現在位置を特定する現在位置特定手段であり、周知の地磁気センサ,車両20の回転角速度を検出するジャイロスコープ,車両20の走行距離を検出する距離センサ,及び衛星からの電波に基づいて車両20の位置を検出するGPS受信機414を有した周知のものである。
【0075】
制御部91は、周知のCPU,ROM,RAMを備えて構成される通常のコンピュータで有り、そのCPUは、記憶装置96に記憶されたナビプログラムおよびデータに基づく制御を行うことで、例えば目的地までの経路案内を、表示器93での表示や音声出力部94からの音声出力によって行うことができる。
【0076】
記憶装置96には、上記経路案内などを実行する周知のナビプログラムの他に、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである地図データが記憶される。地図データは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。また、記憶装置96には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザーが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータとして記憶される。また、ナビゲーション装置90の動作に必要なデータや各種情報はデータベースとしても記憶される。
【0077】
ところで、上記実施形態において、運転者3Dよりも後ろ側に位置する車外左右の死角領域において存在する障害物100を検出する障害物検出部を設けてもよい。この場合、障害物100が、運転者3Dよりも後ろ側に位置する車外左右の死角領域のうちいずれかで検出された場合には、検出された側のサイドミラーにて、上記実施形態と同様の注意喚起用の表示13を行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
1 車両用表示装置
2D 運転席
3D 運転者
20 車両
10 サイドミラー
11 制御部
12 注意喚起用の表示部
12R 右サイドミラーの注意喚起用の表示部
12L 左サイドミラーの注意喚起用表示部
120 サイドミラーに映る後方視野
13 障害物検出部
13R 車両右側の障害物検出部
13L 車両左側の障害物検出部
130 運転者の死角領域
130R 車両右側の死角領域
130L 車両左側の死角領域
14 車速センサ(車速検出手段)
15 ミラー部材(ハーフミラー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車外の左右に設けられた双方のサイドミラーにおいて運転者により視認可能な位置に設けられ、それらサイドミラーによる前記運転者の車両後方確認が可能な形での表示出力が可能な注意喚起用の表示部と、
車外の左右それぞれに存在する前記運転者の死角領域において障害物を検出する障害物検出手段と、
前記障害物が検出された場合に、検出された障害物と同じ側のサイドミラーの前記表示部において、前記障害物の非検出時よりも強調して表示される注意喚起用の表示として、予め定められた形状の発光図形が視認される表示を実行させる制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
前記障害物検出手段は、前記運転者よりも前側に位置する死角領域において存在する障害物を検出するものである請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記障害物と前記車両との距離を特定する距離特定手段を備え、
前記制御手段は、特定された前記障害物と前記車両との距離に応じて、前記注意喚起用の表示の表示状態を変化させるものである請求項1又は請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、特定された前記障害物と前記車両との距離に応じて、前記注意喚起用の表示の表示色を変化させるものである請求項3に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記注意喚起用の表示を、特定された前記障害物と前記車両との距離が予め定められた基準距離よりも近い場合を赤色、該基準距離よりも近くない場合を黄色にて行わせるものである請求項4に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記注意喚起用の表示を、特定された前記障害物と前記車両との距離が予め定められた基準距離よりも近い場合を常時表示、該基準距離よりも近くない場合を点滅表示にて行わせるものである請求項4又は請求項5に記載の車両用表示装置。
【請求項7】
前記障害物検出手段は、予め定められた検出波を送出し、その反射波の受信に基づいて前記障害物を検出するものであり、
前記距離特定手段は、前記検出波の送信から前記反射波の受信までの時間に基づいて、前記障害物との距離を算出するものである請求項3ないし請求項6のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項8】
前記障害物検出手段はレーザーレーダである請求項7に記載の車両用表示装置。
【請求項9】
前記障害物の種別を判別する障害物判別手段を備え、
前記制御手段は、判別された前記障害物の種別に応じて、前記注意喚起用の表示の表示状態が異なるように行わせるものである請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記注意喚起用の表示として、判別された前記障害物の種別を視認可能な予め定められた障害物種別視認画像を表示させるものである請求項9に記載の車両用表示装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記障害物種別視認画像を点滅表示させるものである請求項10に記載の車両用表示装置。
【請求項12】
前記表示部は、前記注意喚起用の表示を、前記サイドミラーのミラー面に重ね表示する形で行うものである請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項13】
前記表示部は、前記サイドミラーのミラー面内の外周部に設けられている請求項11に記載の車両用表示装置。
【請求項14】
前記表示部は、前記サイドミラーのミラー面内の外周を取り囲む形で環状に設けられている請求項12に記載の車両用表示装置。
【請求項15】
前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
前記制御手段は、検出された車速が予め定められた基準速度を下回った場合に、前記注意喚起用の表示を行わせるものである請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項16】
前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
前記障害物検出手段は、検出された車速が予め定められた基準速度を下回った場合に、前記障害物の検出を開始するものである請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項17】
前記車両の車速を検出する車速検出手段を備え、
前記障害物検出手段は、検出された車速が予め定められた第一の基準速度を下回った場合に、前記障害物の検出を開始するものであり、
前記制御手段は、検出された車速が、前記第一の基準速度よりも低速となる予め定められた第二の基準速度を下回った場合に、前記注意喚起用の表示を行わせるものである請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項18】
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両が予め定められた道路区間もしくは予め定められた車両駐停車エリア内に存在するか否かを判定するエリア判定手段と、
を備え、前記制御手段は、前記車両が前記道路区間もしくは車両駐停車エリア内に存在する場合に、前記注意喚起用の表示を行わせるものである請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載の車両用表示装置。
【請求項19】
前記車両の現在位置を特定する現在位置特定手段と、
前記車両が予め定められた道路区間もしくは予め定められた車両駐停車エリア内に存在するか否かを判定するエリア判定手段と、
を備え、前記障害物検出手段は、前記車両が前記道路区間もしくは車両駐停車エリア内に存在する場合に、前記障害物の検出を開始するものである請求項1ないし請求項18のいずれか1項に記載の車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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