説明

車両用赤外光投光装置

【課題】従来の車両用赤外光投光装置では、赤色光を確実に薄めることが難しいという点である。
【解決手段】投影レンズ4の外側に、ハロゲンバルブ3からの光L1を入射面13で入射させかつ出射面14まで導いてその出射面14から外部に照射する導光体6を、配置する。この結果、フィルタ5および投影レンズ4から外部に照射される赤外光LIRに含まれる赤色LR光と、導光体6から外部に照射される白色光LWとが混色されて、赤色光LRが相対的に薄められる際に、十分に確保される白色光LWにより赤色光LRを確実に薄めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、赤外光(赤外線)を車両の前方に照射するプロジェクタタイプの車両用赤外光投光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプロジェクタタイプの車両用赤外光投光装置が知られている。この車両用赤外光投光装置は、たとえば、車両の前部に搭載されて、夜間の走行を支援する車両用暗視装置(近赤外光暗視カメラ装置、たとえば、近赤外光までの感度を有するCCDカメラなど)に用いられ、赤外光を車両の前方に照射することにより車両用暗視装置の照明として機能する。かかる車両用赤外光投光装置では、可視光領域に近い赤外光も照射されるため、その投光時にて外部から赤色光(赤色の発光)が視認される。かかる赤色光は、ストップランプやテールランプの点灯と誤認されるおそれがあり、安全上好ましくない。
【0003】
そこで、赤色光が相対的に薄められる車両用赤外光投光装置(たとえば、特許文献1)が出願されている。以下、この車両用赤外光投光装置について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献1にそれぞれ対応する。この車両用赤外光投光装置は、楕円体形状のリフレクター(16B)と、前記リフレクター(16B)の第1焦点(f1)近傍に配置されたハロゲンバルブ(18)と、投射レンズ(40)と、前記投射レンズ(40)の裏面側に直接形成された赤外光透過膜(22)と、前記投射レンズ(40)の裏面の周縁部に設けられた赤外光透過膜非形成領域(24F、24G)とを備えるものである。この車両用赤外光投光装置においては、赤外光透過膜(22)を透過した赤外光に含まれる赤色光と、赤外光透過膜非形成領域(24F、24G)を透過した白色光とが混色されて、赤色光が相対的に薄められる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−19919号公報
【0005】
ところが、前記の車両用赤外光投光装置は、リフレクター(16B)で反射したハロゲンバルブ(18)の光がリフレクター(16B)の第2焦点(f2)に集光して投射レンズ(40)の裏面側に入射する際に、このハロゲンバルブ(18)の光が投射レンズ(40)の周縁部を除いた赤外光透過膜(22)に主に入射して投射レンズ(40)の周縁部の赤外光透過膜非形成領域(24F、24G)に入射することが難しい。このために、前記の車両用赤外光投光装置は、赤外光透過膜非形成領域(24F、24G)を透過する白色光を十分に確保することが難しいので、白色光と赤色ことの混色作用が十分でなく、赤色光を確実に薄めることが難しい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用赤外光投光装置では、赤色光を確実に薄めることが難しいという点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、投影レンズの外側に、光源からの光を入射面で入射させかつ出射面まで導いてその出射面から外部に照射する導光体を、配置する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両用赤外光投光装置は、光源からの光が投影レンズの外側に配置された導光体の入射面に入射すると、その光が導光体中を入射面から出射面に導かれてその出射面から外部に照射される。このために、この発明の車両用赤外光投光装置は、光源からの光であって投影レンズの外側に配置された導光体により外部に照射される白色光を、投射レンズ(40)の周縁部の赤外光透過膜非形成領域(24F、24G)に導く前記の従来の車両用赤外光投光装置と比較して、十分に確保することができる。この結果、この発明の車両用赤外光投光装置は、フィルタおよび投影レンズから外部に照射される赤外光に含まれる赤色光と、導光体から外部に照射される白色光とが混色されて、赤色光が相対的に薄められる際に、十分に確保される白色光により赤色光を確実に薄めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、この発明にかかる車両用赤外光投光装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0010】
以下、この実施例における車両用赤外光投光装置の構成について説明する。図1〜図3において、符号1は、この実施例における車両用赤外光投光装置(以下、単に、投光装置と称する)である。前記投光装置1は、プロジェクタタイプのユニットから構成されている。前記投光装置1は、図1に示すように、リフレクタ2と、光源3と、投影レンズ4(集光レンズ、凸レンズ)と、フィルタ5と、導光体6と、フレーム7(ホルダ)と、を備えるものである。なお、図1において、前記投影レンズ4、前記フィルタ5、前記導光体6のハッチングは、省略してある。
【0011】
前記投光装置1は、ランプハウジング(図示せず)とアウターレンズなどのランプレンズ(図示せず)とにより区画された灯室(図示せず)内に配置されている。また、前記投光装置1は、たとえば、図3に示すように、自動車Cの前部の左右両側にそれぞれ搭載されている。この左右の少なくともいずれか一方の前記投光装置1には、車両用暗視装置の撮像手段としてのCCDカメラ(図示せず)が配置されている。
【0012】
前記リフレクタ2は、一方(前方)側が開口されて、かつ、他方(後方)側が閉塞された形状をなす。前記リフレクタ2の閉塞部中央には、前記光源3を挿通する透孔9が設けられている。前記リフレクタ2の閉塞部の内凹面には、アルミ蒸着もしくは銀塗装などが施されていて、回転楕円面を基調とした自由曲面の反射面10が設けられている。前記反射面10は、第1焦点F1と第2焦点F2とを有する。前記リフレクタ2の開口部の縁部には、たとえばリング形状のフランジ部11が一体に設けられている。前記反射面10は、図1に示すように、前記光源3から放射される光のうち一部の光を前記投影レンズ4の平非球面(光入射面)側に反射光Lとして反射させるものである。また、前記反射面10は、無着色の反射面からなり、前記光源3の光をそのままの色度で反射させる。
【0013】
前記光源3は、この例では、ハロゲンバルブを使用する。前記ハロゲンバルブ3から放射される光は、波長が約780nmよりも若干長い値において、電磁波の量が一番多いピークを有する。また、前記の光は、波長がこのピークに対応する値よりも短くなる、あるいは、長くなるにしたがって、電磁波の量が減少していく。このように、前記ハロゲンバルブ3は、発光した際には、大量の赤外光を照射するものである。前記ハロゲンバルブ3は、前記リフレクタ2の透孔9の縁部に着脱可能に装着されている。また、前記ハロゲンバルブ3のフィラメント12は、前記反射面10の第1焦点F1近傍に位置する。なお、この発明においては、光源として前記ハロゲンバルブ3以外の光源でも良い。たとえば、赤外領域の光を放射する放電灯(いわゆるメタルハライドランプなどの高圧金属蒸気放電灯、高輝度放電灯(HID)など)や白熱バルブであっても良い。
【0014】
前記投影レンズ4は、非球面レンズの投影レンズである。前記レンズ4の前方側の光出射面(光が出射する側の面)は、凸非球面をなし、一方、前記レンズ4の後方側の光入射面(光が入射する側の面)は、平非球面をなす。
【0015】
前記フィルタ5は、赤外光透過膜からなり、前記投影レンズ4の光入射面の平非球面側にほぼ全面に亘って配置されている。すなわち、前記フィルタ5は、たとえば、誘電体多層膜から構成されていて、前記投影レンズ4の平非球面に直接蒸着されている。前記フィルタ5は、図4中の点線の曲線に示す光特性を有する。すなわち、前記フィルタ5は、前記ハロゲンバルブ3から放射される光の成分のうち、波長が約780nm以下の可視領域の光(可視光)を反射(吸収、カット)して、波長が約780nm以上の赤外領域の光(赤外光)を透過させる特性(赤外光透過特性)を有する。なお、前記フィルタ5は、図4中の符号50に示すように、若干の赤色の可視光(赤色光)が漏れる。
【0016】
前記フレーム7は、たとえば円筒形状の筒部15と、前記筒部15の一端に一体に設けられているフランジ部16とからなる。前記フレーム7のフランジ部16と前記リフレクタ2のフランジ部11とは、パッキン17を挟んだ状態で、複数個のクリップ18により固定されている。また、前記フレーム7の筒部15の他端と前記投影レンズ4とは、たとえば円筒形状のクリップ19により固定されている。これにより、前記リフレクタ2および前記ハロゲンバルブ3と、前記投影レンズ4および前記フィルタ5とは、前記フレーム7を介してユニット構造をなす。また、反射面10の光軸と投影レンズ4の光軸とが同一の光軸Z−Z上に位置する。前記フレーム7の筒部15には、前記ハロゲンバルブ3からの直射光L1を前記導光体6の入射面13に通す開口部20が部分的に設けられている。すなわち、前記開口部20は、前記筒部15に全周に亘って設けられているものではない。
【0017】
前記導光体6は、前記投影レンズ4の外側に配置されている。前記導光体6は、この例では、図1および図2に示すように、リング状(円環状)の円筒形状をなす。前記導光体6の一端面には、入射面13が設けられており、一方、前記導光体6の他端面には、出射面14が設けられている。前記導光体6は、前記ハロゲンバルブ3からの直射光L1を前記入射面13で入射させかつ前記出射面14まで導いて前記出射面14から外部に照射するものである。前記入射面13は、図1に示すように、前記ハロゲンバルブ3からの直射光L1が前記フレーム7の前記開口部20を経てほぼ直角に入射するように平傾斜面をなす。一方、前記出射面14は、同じく図1に示すように、前記入射面13に入射して前記導光体6中を導かれた光を外部に出射するようにほぼ平垂直面をなす。前記導光体6は、前記クリップ19に部分的な介在部材21を介して円筒形状のクリップ22により固定されている。これにより、前記リフレクタ2、前記ハロゲンバルブ3、前記投影レンズ4、前記フィルタ5、前記フレーム7と前記導光体6とは、ユニット構造をなす。なお、前記導光体6は、無着色のものからなり、前記ハロゲンバルブ3からの直射光をそのままの色度で反射させる。または、前記導光体6を緑色やその他の任意の色に着色することにより、前記導光体6の出射面14から照射される光の色度を緑色やその他の任意の色に変更させることができる。
【0018】
図示されていないが、前記ランプハウジングには、インナーパネル(インナーハウジング、エクステンション)固定されている。前記インナーパネルは、ユニット構造の前記投光装置1と前記ランプハウジングや前記アウターレンズとの間の空間を覆い隠すものである。すなわち、前記インナーパネルは、素通しもしくはほぼ素通しのアウターレンズから内部構造物、たとえば、灯室内のユニット構造の前記投光装置1の後部に配置されている光軸調整機構、呼吸機構、配線機構などを見えないように隠蔽するものである。また、光が所定の方向以外に漏れるのを防止するものである。なお、前記インナーパネルの少なくとも表側(前記アウターレンズと対向する側)にアルミ蒸着や銀色塗装などの意匠面を設けても良い。
【0019】
前記CCDカメラの感度特性は、波長が約780nmよりも若干短い値(図4中において、可視領域52のうち赤外領域53側の境付近の波長)において、一番感度が高いピークを有し、波長がこのピークに対応する値よりも短くなる、あるいは、長くなるにしたがって、感度が概ね低くなる。このように、前記CCDカメラは、波長が約780nmよりも長くなるにしたがって、感度が低くなりつつ、赤外領域53の感度を有している。前記CCDカメラは、自動車Cに搭載のコンピュータ(図示せず)を介して、運転席に設けられた液晶ディスプレーなどの表示装置(図示せず)に接続されている。これにより、人間の肉眼では視認できない赤外領域53においてCCDカメラで撮像された情報は、前記表示装置において人間の肉眼で視認できる画像情報として表示される。
【0020】
図4は、前記フィルタ5の特性を示す説明図である。図4の横方向は電磁波の波長を表し、右に行くにしたがって波長が長くなっている。また、縦方向は、横方向の波長に対する電磁波の相対的な量を表しており、上に行くに従って、相対的な量が多くなっている。図4に示すように、電磁波のうち波長が約380nm〜約780nmの範囲の電磁波が、人間の肉眼で視認できる領域、可視領域52である。この可視領域52の電磁波を肉眼で感応することにより、この領域の電磁波を視認できる。この可視領域52の波長の電磁波が、いわゆる可視光と呼ばれている。
【0021】
電磁波のうち、可視領域52よりも波長が短い領域で、約200nm〜約380nmまでの範囲は、紫外領域51であり、この領域の電磁波が、いわゆる紫外線と呼ばれる。また、電磁波のうち、可視領域52よりも波長が長い領域で、約780nm〜約100,000nmまでの範囲は、赤外領域53であり、この領域の電磁波が、いわゆる赤外線と呼ばれる。これらの紫外線および赤外線は、可視領域52の範囲外の電磁波なので、直接肉眼で視認することはできない。
【0022】
以下、この実施例における車両用赤外光投光装置の作用について説明する。ハロゲンバルブ3のフィラメント12を点灯する。すると、図1に示すように、ハロゲンバルブ3のフィラメント12からの光Lの一部は、リフレクタ2の反射面10で反射される。この反射面10で反射された反射光Lは、反射面10の第2焦点F2を通って投影レンズ4の平非球面側のフィルタ5において、波長が約780nm以下の可視領域の光(可視光)が反射(吸収、カット)され、波長が約780nm以上の赤外領域の光(赤外光)LIR(図1、図3中の点線矢印)が透過して投影レンズ4の平球面側から投影レンズ4中に入射する。この投影レンズ4中に入射した赤外光LIRは、投影レンズ4の凸非球面側から外部に所定の配光パターンで出射される。この赤外光LIR中には、若干の赤色の可視光(赤色光)LR(図1中の二点鎖線矢印)が含まれている。すなわち、若干の赤色光LRも投影レンズ4の凸非球面側から外部に出射される。
【0023】
一方、ハロゲンバルブ3のフィラメント12からの直射光L1は、フレーム7の開口部20を通って導光体6の入射面13にほぼ直角に入射する。この入射面13に入射した光LW(図1中の実線矢印)は、導光体6中を入射面13から出射面14に導かれてこの周斜面14から外部に照射される。なお、開口部20は、部分的に設けられているものであるが、この開口部20を経て入射面13に入射した光L1は、導光体6中をほぼ均等に導かれるので、白色光LWは、出射面14から外部にほぼ均等に照射される。
【0024】
このように、投影レンズ4の平非球面側のフィルタ5を透過して投影レンズ4の凸非球面側から外部に赤外光LIRとともに出射した少量の赤色光LRと、ハロゲンランプ3からの光であって導光体6の入射面13に入射して出射面14から外部に照射された多量の光(すなわち、白色光)LWとは、混色される。この混色により、少量の赤色光LRは、多量の光(白色光)LWによりぼかされて消える。この混色された光は、赤色光LRを有さない赤外光LIRと光(白色光)LWとして自動車Cの前方に所定の配光パターンで照射され、車両用暗視装置の照明用に使用される。
【0025】
以下、この実施例における車両用赤外光投光装置の効果について説明する。この実施例における車両用赤外光投光装置は、ハロゲンバルブ3からの光L1が投影レンズ4の外側に配置された導光体6の入射面13に入射すると、その光LWが導光体6中を入射面13から出射面14に導かれてその出射面14から外部に照射される。このために、この実施例における車両用赤外光投光装置は、ハロゲンバルブ3からの光L1であって投影レンズ4の外側に配置された導光体6により外部に照射される白色光LWを、投射レンズ(40)の周縁部の赤外光透過膜非形成領域(24F、24G)に導く前記の従来の車両用赤外光投光装置と比較して、十分に確保することができる。この結果、この実施例における車両用赤外光投光装置は、フィルタ5および投影レンズ4から外部に照射される赤外光LIRに含まれる赤色光LRと、導光体6から外部に照射される白色光LWとが混色されて、赤色光LRが相対的に薄められる際に、十分に確保される白色光LWにより赤色光LRを確実に薄めることができる。
【0026】
特に、この実施例における車両用赤外光投光装置は、導光体6の出射面14を調整することにより、この出射面14から外部に出射される白色光LWを簡単に制御することができるので、この出射制御された白色光LWで赤色光LRを確実に薄めることができ、もしくは、確実に消すことができる。
【0027】
また、この実施例における車両用赤外光投光装置は、導光体6を投影レンズ4、すなわち、ユニット構造の投光装置1の外側に配置したので、ハロゲンバルブ3の光をフレーム7の開口部20からユニット構造の投光装置1の外側に通すこととなる。この結果、この実施例における車両用赤外光投光装置は、ユニット構造の投光装置1内の熱を外側に放出することができ、熱影響を抑えることができる。これにより、リフレクタ2、投影レンズ4、フレーム7で囲まれた空間内に配置されているフィルタ5を熱衝撃から確実に保護することができる。
【0028】
さらに、この実施例における車両用赤外光投光装置は、ハロゲンバルブ3からの光L1を導光体6で外部に照射させるものであるから、投影レンズ4の平非球面にフィルタ5をただ単に設けるだけで精度良く設ける必要がない。このために、この実施例における車両用赤外光投光装置は、投影レンズ(40)に赤外光透過膜(22)と赤外光透過膜非形成領域(24F、24G)とを精度良く形成しかつ設ける必要がある従来の車両用赤外光投光装置と比較して、製造コストを安価にすることができる。
【0029】
さらにまた、この実施例における車両用赤外光投光装置は、導光体6の入射面13が、ハロゲンバルブ3からの直射光L1がほぼ直角に入射するように平傾斜面に形成されているので、ハロゲンバルブ3からの直射光L1を導光体6の入射面13に大量に入射させることができ、その分、白色光LWで赤色光LRを確実に薄めることができ、もしくは、確実に消すことができる。
【0030】
さらにまた、この実施例における車両用赤外光投光装置は、導光体6がリング状(円環状)の円筒形状をなすものであるから、入射面13に入射した光LWを出射面14からほぼ均等に照射させることができ、その分、白色光LWで赤色光LRを確実に薄めることができ、もしくは、確実に消すことができる。
【0031】
以下、実施例以外の例について説明する。この実施例にかかる車両用赤外光投光装置においては、投光装置1を自動車Cの前部の左右両側に搭載した例について説明したが、この発明においては、投光装置1の自動車Cへの搭載箇所や搭載個数を特に限定しない。赤外光LIRを自動車Cの前方に照射するものであれば良い。
【0032】
また、前記の実施例においては、フィルタ5を投影レンズ4の光入射面の平非球面側にほぼ全面に亘って配置されているものである。ところが、この発明においては、フィルタ5を投影レンズ4の光出射面の凸非球面側にほぼ全面に亘って配置されているものでも良い。この場合であっても、投影レンズ4の凸非球面にフィルタ5をただ単に設けるだけで精度良く設ける必要がない。
【0033】
さらに、前記の実施例においては、導光体6がリング状(円環状)の円筒形状をなすものである。ところが、この発明においては、導光体の形状を特に限定しない。たとえば、開口部20と対応する箇所に導光体を部分的に配置しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明にかかる車両用赤外光投光装置の実施例を示す断面図である。
【図2】同じく、図1におけるII矢視図である。
【図3】同じく、使用状態を示す説明図である。
【図4】同じく、赤外光透過フィルターの特性を示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
1 投光装置(車両用赤外光投光装置)
2 リフレクタ
3 ハロゲンバルブ(光源)
4 投影レンズ
5 フィルタ
6 サブリフレクタ
7 フレーム
9 透孔
10 反射面
11 フランジ部
12 フィラメント
13 入射面
14 出射面
15 筒部
16 フランジ部
17 パッキン
18 クリップ
19 クリップ
20 開口部
21 介在部材
22 クリップ
50 赤色の可視光(赤色光)
51 紫外領域
52 可視領域
53 赤外領域
C 自動車
F1 第1焦点
F2 第2焦点
LR 赤色光
LW 可視光(白色光)
LIR 赤外光
L 反射光
L1 直射光(ハロゲンバルブからの光)
Z−Z 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設置されて赤外光を照射するプロジェクタタイプの車両用赤外光投光装置において、
回転楕円面を基調とする反射面を有するリフレクタと、
前記反射面の第1焦点近傍に配置された光源と、
投影レンズと、
前記投影レンズに配置され、前記光源からの光のうち赤外光を透過させて外部に照射させる赤外光透過特性を有するフィルタと、
前記投影レンズの外側に配置されており、前記光源からの光を入射面で入射させかつ出射面まで導いて前記出射面から外部に照射する導光体と、
を備える、ことを特徴とする車両用赤外光投光装置。
【請求項2】
前記導光体の入射面は、前記光源からの光をほぼ直角に入射させる、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用赤外光投光装置。
【請求項3】
前記導光体は、筒形状をなす、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用赤外光投光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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