説明

車両用輻射暖房装置

【課題】後席の乗員が快適な暖房感を得ることができる車両用輻射暖房装置を提供する。
【解決手段】前席1の背面に配置された電熱パッド11を有する車両用輻射暖房装置10Aであって、電熱パッド11は、その輻射熱の放射領域が前席1のシートバック1aの設定角度に応じて調整され、輻射熱の放射方向が後席2の乗員Aのももに向かう方向に設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員を輻射熱で暖房する車両用輻射暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の車両用輻射暖房装置として、特許文献1に開示されたものがある。この車両用輻射暖房装置100は、図9に示すように、前席101のシートバック101aの裏面に配置された輻射熱ヒータ102と、この輻射熱ヒータ102の周囲を半分被うように配置された集光部材103とを備えている。輻射熱ヒータ102からの輻射熱は、集光部材103によって集められ、後席に着座している乗員Aの膝下部分aに放射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−6955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の車両用輻射暖房装置100では、輻射熱が後席の乗員Aの膝下部分aにしか当たらない。乗員Aは、ももの部分に少なくとも輻射熱が当たると、暖房感を得られやすいが、膝下部分aでは快適な暖房感を得ることができない。
【0005】
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、後席の乗員が快適な暖房感を得ることができる車両用輻射暖房装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前席の背面に配置された輻射熱ヒータを有する車両用輻射暖房装置であって、
前記輻射熱ヒータは、輻射熱の放射方向が後席の乗員のももに向かう方向に設定可能であることを特徴とする。
【0007】
前記輻射熱ヒータは、その発熱範囲が前席のシートバックの設定角度に応じて調整され、輻射熱の放射方向が後席の乗員のももに向かう方向に設定されるようにすることが好ましい。
【0008】
前記輻射熱ヒータは、上下方向に分割された複数の分割ヒータ部を有し、複数の前記分割ヒータ部の一部は、前席のシートバックの標準設定角度位置では後席の乗員のももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部であり、前記もも用ヒータ部が前席のシートバックの設定角度に応じて通電がオン・オフされるようにしても良い。
【0009】
複数の前記分割ヒータ部の一部は、前席のシートバックの標準設定角度位置では後席の乗員のひざに向かって輻射熱を放射するひざ用ヒータ部であり、前記もも用ヒータ部への通電がオフされる場合には、前記もも用ヒータ部への通電電力を前記ひざ用ヒータ部に加算して通電するようにしても良い。
【0010】
前記輻射熱ヒータは、前席のシートバックへの取付角度が前席のシートバックの設定角度に応じて可変され、輻射熱の放射方向が後席の乗員のももに向かう方向に設定されることが好ましい。
【0011】
前記輻射熱ヒータは、上下方向に分割された複数の分割ヒータ部を有し、複数の前記分割ヒータ部の一部は、前席のシートバックの標準設定角度位置では後席の乗員のももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部であり、前記もも用ヒータ部が前席のシートバックの設定角度に応じて取付角度が可変されて、前席のシートバックの標準設定角度位置とは別の位置でも後席の乗員のももに向かって輻射熱を放射するようにすることが好ましい。
【0012】
前記輻射熱ヒータは、前席のシートバックへの取付角度が調整可能にすることが好ましい。
【0013】
前記輻射熱ヒータは、上下方向に複数の分割ヒータ部に分割され、複数の前記分割ヒータ部の一部は、前席のシートバックの標準設定角度位置では後席の乗員のももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部であり、前記もも用ヒータ部の取付角度が調整可能に設けるようにしても良い。
【0014】
前記もも用ヒータ部は、取付基準位置では通電されず、取付基準位置より前向きに傾ける位置では通電するようにしても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、輻射熱が後席の乗員のももに向かって放射されるため、後席の乗員は快適な暖房感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態を示し、前席のシートバックが後方傾斜された場合における輻射熱ヒータの設置向きを示す車室内の側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態を示し、前席のシートバックがほとんど後方傾斜されていない場合における輻射熱ヒータの設置向きを示す車室内の側面図である。
【図3】本発明の第1実施形態を示し、(a)は輻射熱ヒータの斜視図、(b)は輻射熱ヒータの断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、制御系の回路ブロック図である。
【図5】本発明の第1実施形態を示し、動作フローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態を示し、(a)は前席のシートバックが後方傾斜された場合における輻射熱ヒータの設置向きを示す車室内の側面図、(b)はオート角度調整機構の概略機構図である。
【図7】本発明の第2実施形態を示し、(a)は前席のシートバックがほとんど後方傾斜されていない場合における輻射熱ヒータの設置向きを示す車室内の側面図、(b)はオート角度調整機構の概略機構図である。
【図8】本発明の第3実施形態を示し、(a)は前席のシートバックが後方傾斜された場合における輻射熱ヒータの設置向きを示す車室内の側面図、(b)は前席のシートバックがほとんど後方傾斜されていない場合における輻射熱ヒータの設置向きを示す車室内の側面図である。
【図9】従来例の車両用輻射暖房装置の設置位置を示す車室内の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示す。図1及び図2において、車室内には、前席1と後席2が設置されている。前席1と後席2は、シートバック1a,2aとシートクッション1b,2bを有し、シートバック1a,2aはシートクッション1b,2bに対して傾斜可能で所定の傾斜角度で自由に固定できる。例えば、前席1の乗員Bが通常の体格の人である場合には、シートバック1aの設定角度は、図1に示すように、標準設定角度位置とされる。前席1の乗員Bが小柄な人(例えば女性)である場合には、シートバック1aの設定角度は、図2に示すように、ほぼ垂直角度位置とされる。
【0019】
前席車両用空気調和システムは、送風式空気調和装置(図示せず)と車両用輻射暖房装置10Aを備えている。車両用輻射暖房装置10Aは、送風式空気調和装置の補助暖房として用いられている。
【0020】
車両用輻射暖房装置10Aは、図1〜図4に示すように、前席1のシートバック1a及びシートクッション1bの背面に配置された輻射熱ヒータである電熱パッド11と、操作部30と、各操作部30の指令に基づいて電熱パッド11を制御する制御部40とを備えている。
【0021】
電熱パッド11は、フラットな面状発熱体である。電熱パッド11は、上下方向に4つに分割された分割ヒータ部11a〜11dを有する。4つの分割ヒータ部11a〜11dは、上方から順にもも用ヒータ部11a、ひざ用ヒータ部11b、すね用ヒータ部11c、つま先用ヒータ部11dである。
【0022】
もも用ヒータ部11a、ひざ用ヒータ部11b、すね用ヒータ部11c及びつま先用ヒータ部11dは、前席のシートバック1aが標準設定角度位置(図1の位置)の場合を基準に放射方向が設定され、後席2の乗員Aの各担当部位に輻射熱をそれぞれ放射する。つまり、もも用ヒータ部11aは、後席2の乗員Aのももの部分に輻射熱を放射する。ひざ用ヒータ部11bは、後席2の乗員Aのひざの部分に輻射熱を放射する。すね用ヒータ部11cは、後席2の乗員Aのすねの部分に輻射熱を放射する。つま先用ヒータ部11dは、後席2の乗員Aのつま先の部分に輻射熱を放射する。
【0023】
また、すね用ヒータ部11c及びつま先用ヒータ部11dは、前席1のシートバック1aがほぼ垂直角度位置(図2の位置)では、標準設定角度位置と同じ部位に輻射熱をそれぞれ放射する。しかし、もも用ヒータ部11aは、前席1のシートバック1aがほぼ垂直角度位置(図2の位置)では、後席2の乗員Aのももの部分ではなく上半身に向かって輻射熱を放射する。ひざ用ヒータ部11bは、前席1のシートバック1aがほぼ垂直角度位置(図2の位置)では、後席2の乗員Aのひざとももの部分に向かって輻射熱を放射する。
【0024】
電熱パッド11は、図3(a)、(b)に示すように、断熱材20、電熱線21が配策されたフェルト22、表皮23の積層構造である。電熱線21は、ジグザグ状に配策されている。電熱線21は、もも用ヒータ部11a、ひざ用ヒータ部11b、すね用ヒータ部11c、つま先用ヒータ部11d毎に独立配線され、それぞれ別個独立に通電できるようになっている。
【0025】
次に、車両用輻射暖房装置10Aの制御系を説明する。図4に示すように、制御部40には、操作部30の操作データ、シート角度センサ41の検出データ等が入力される。操作部30は、後席側のセンターコンソールメントパネル(図示せず)に配置されている。操作部30は、後席補助暖房スイッチ(図示せず)等を有する。シート角度センサ41は、前席1のシートバック1aの設定角度を検出する。
【0026】
制御部40は、操作部30の操作データとシート角度センサ41の検出データに基づいて図5に示すフローを実行するべく、もも用ヒータ部11a、ひざ用ヒータ部11b、すね用ヒータ部11c及びつま先用ヒータ部11dへの通電電力を制御する。各分割ヒータ部11a〜11dへの通電電力量は、実験データより求められたものである。図5のフローチャートの内容は、次の動作の箇所で説明する。
【0027】
次に、車両用輻射暖房装置10Aの動作を説明する。図5に示すように、後席補助暖房スイッチ(図示せず)がオンされると(ステップS1)、シート角度センサ41の検出データより前席1のシートバック1aの設定角度をチェックする(ステップS2)。前席1のシートバック1aの設定角度が規定値を超える値、つまり、前席1のシートバック1aが標準設定角度位置(図1の位置)であれば、もも用ヒータ部11aにA1(W)、ひざ用ヒータ部11bにA2(W)、すね用ヒータ部11cにA3(W)、つま先用ヒータ部11dにA4(W)の各電力を通電する(ステップS3)。
【0028】
前席1のシートバック1aの設定角度が規定値以下の値、つまり、前席1のシートバック1aがほぼ垂直設定角度位置(図2の位置)であれば、もも用ヒータ部11a以外のひざ用ヒータ部11b、すね用ヒータ部11c及びつま先用ヒータ部11dに通電する。ここで、ひざ用ヒータ部11bには、もも用ヒータ部11a分の電力分が加算され、A1+A2(W)の電力量を通電する。
【0029】
以上説明したように、電熱パッド11は、輻射熱の放射方向が後席2の乗員Aのももに向かう方向に設定されている。具体的には、輻射熱ヒータ11は、その発熱範囲が前席1のシートバック1aの設定角度に応じて調整され、輻射熱の放射方向が後席2の乗員Aのももに向かう方向に設定されている。より具体的には、電熱パッド11は、上下方向に分割された複数の分割ヒータ部11a〜11dを有し、複数の分割ヒータ部11a〜11dの一部は、前席1のシートバック1aの標準設定角度位置(図1の位置)では後席2の乗員Aのももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部11aであり、もも用ヒータ部11aが前席1のシートバック1aの設定角度に応じて通電がオン・オフされる。これによって、後席2の乗員Aの上半身に輻射熱が放射されることがなく、確実に後席2の乗員Aのももの部分には輻射熱が放射される。従って、前席1のシートバック1aの設定角度に係わらず、後席2の乗員Aは快適な暖房感を得ることができる。又、後席2の乗員Aの上半身に輻射熱が放射されないため、無駄な電力消費を防止できる。更に、後席2の乗員Aの下半身のほぼ全域に輻射熱が放射されるため、後席2の乗員Aは十分に快適な暖房感を得ることができる。
【0030】
複数の分割ヒータ部11a〜11dの一部は、前席1のシートバック1aの標準設定位置(図1の位置)では、後席2の乗員Aのひざに向かって輻射熱を放射するひざ用ヒータ部11bであり、もも用ヒータ部11aの通電がオフされる場合には、もも用ヒータ部11aへの通電電力をひざ用ヒータ部11bに加算して通電する。従って、前席1のシートバック1aの設定角度に係わらずトータルとして同量の輻射熱エネルギーが後席2の乗員Aに放射されるため、前席1のシートバック1aの設定角度に係わらず十分な暖房感を得ることができる。
【0031】
(第2実施形態)
図6及び図7は、本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態の車両用輻射暖房装置10Bは、前記第1実施形態と同様の設置位置に、輻射熱ヒータである電熱パッド11を有する。電熱パッド11は、前記第1実施形態と同様に、上下方向に4つの分割ヒータ部11a〜11dに分割されている。4つの分割ヒータ部11a〜11dの内の、ひざ用ヒータ部11b、すね用ヒータ部11c及びつま先用ヒータ部11dは、前席1のシートバック1a及びシートクッション1bの背面に固定されている。しかし、もも用ヒータ部11aは、前記第1実施形態と異なり、ヒンジ部12を介して回転自在にシートバック1aに取り付けられている。その上、もも用ヒータ部11aは、シート連動傾斜機構13によってシートバック1aの設定角度に応じて取付角度が可変する。
【0032】
シート連動傾斜機構13は、図6(b)、図7(b)に示すように、シートバック1aの回転支持軸14に固定された扇状歯車15と、扇状歯車15に噛み合っている歯車16と、この歯車16の外周部に一端が連結され、他端がリンクプレート19に連結された連結ロッド17と、円弧溝18に沿って揺動可能に支持され、一端が連結ロッド17に他端がもも用ヒータ部11aに連結されたリンクプレート19とから構成されている。連結ロッド17とリンクプレート19間は、回転自在に連結されている。もも用ヒータ部11aとリンクプレート19間は、回転できない状態で連結されている。
【0033】
前席1のシートバック1aが標準設定角度位置では、図6(a)、(b)に示すように、もも用ヒータ部11aがシートバック1aの背面に沿う位置に位置される。そして、前席1のシートバック1aが垂直角度位置側に移動されると、もも用ヒータ部11aの位置がシートバック1aに対して徐々に前倒れの位置に変化する。そして、前席1のシートバック1aがほぼ垂直角度位置では、図7(a)、(b)に示すように、もも用ヒータ部11aがシートバック1aに対して十分な前倒れの位置に位置される。これにより、もも用ヒータ部11aは、前席1のシートバック1aのほぼあらゆる設定角度位置で、輻射熱の放射方向が後席2の乗員Aのももに向かう方向に設定される。
【0034】
以上説明したように、電熱パッド11は、上下方向に分割された複数の分割ヒータ部11a〜11dを有し、複数の分割ヒータ部11a〜11dの一部は、前席1のシートバック1aの標準設定角度位置では後席2の乗員Aのももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部11aである。そして、もも用ヒータ部11aが前席1のシートバック1aの設定角度に応じて取付角度が可変されて、前席1のシートバック1aの標準設定角度位置とは別の位置でも後席2の乗員Aのももに向かって輻射熱を放射する。従って、前席1のシートバック1aの設定角度位置に係わらず、後席2の乗員Aは快適な暖房感を得ることができる。
【0035】
第2実施形態では、電熱パッド11のもも用ヒータ部11aの取付角度のみが、前席1のシートバック1aの設定角度に応じて可変されるよう構成したが、電熱パッド11の全体が前席1のシートバック1aの設定角度に応じて可変するようにしても良い。
【0036】
(第3実施形態)
図8(a)、(b)は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態の車両用輻射暖房装置10Cは、前記第1実施形態と同様の設置位置に、輻射熱ヒータである電熱パッド11を有する。電熱パッド11は、前記第1実施形態と同様に、上下方向に4つの分割ヒータ部11a〜11dに分割されている。又、ひざ用ヒータ部11b、すね用ヒータ部11c及びつま先用ヒータ部11dは、前記第2実施形態と同様に、前席1のシートバック1a及びシートクッション1bの背面に固定されている。もも用ヒータ部11aは、前記第2実施形態と同様に、ヒンジ部12を介して回転自在にシートバック1aに取り付けられている。
【0037】
もも用ヒータ部11aは、前記第2実施形態と異なり、乗員Aがマニュアルでその取付角度を調整できるように設けられている。もも用ヒータ部11aは、図8(a)に示す取付基準位置では通電されず、図8(b)に示すように、取付基準位置より前方(後席2の乗員Aから見た方向)に傾ける位置では自動的に通電されるよう構成されている。
【0038】
以上説明したように、電熱パッド11のもも用ヒータ部11aは、前席1のシートバック1aへの取付角度が調整可能に設けられているので、前席1のシートバック1aの設定角度位置に係わらず確実に後席2の乗員Aのももに輻射熱を放射させることができ、後席2の乗員Aは快適な暖房感を得ることができる。
【0039】
もも用ヒータ部11aは、図8(a)に示す取付基準位置では通電されず、図8(b)に示すように、取付基準位置より傾ける位置では自動的に通電されるよう構成されている。乗員Aにもも用ヒータ部11aの使用意思がある場合には、もも用ヒータ部11aを所望の前倒し位置に設定するが、このような位置設定をすると、もも用ヒータ部11aへの通電が自動的が開始される。乗員Aにもも用ヒータ部11aの使用意思がない場合には、図8(a)に示す取付基準位置のままであり、その場合にはもも用ヒータ部11aへの通電が行われない。又、乗員Aがもも用ヒータ部11aを前倒し位置から取付基準位置に戻すと、もも用ヒータ部11aへの通電が自動的に停止される。従って、もも用ヒータ部11aへの通電のオン・オフ操作を行う必要がなく、使い勝手が良い。
【0040】
もも用ヒータ部11aは、乗員Aがマニュアルで通電のオン・オフをできるようにしても良い。この場合には、図8(a)に示す取付基準位置でも通電可能である。
【符号の説明】
【0041】
A 乗員
1 前席
1a,2a シートバック
1b,2b シートクッション
2 後席
10A〜10C 車両用輻射暖房装置
11 電熱パッド(輻射熱ヒータ)
11a〜11d 分割ヒータ部
11a もも用ヒータ部(分割ヒータ部)
11b ひざ用ヒータ部(分割ヒータ部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前席(1)の背面に配置された輻射熱ヒータ(11)を有する車両用輻射暖房装置(10A),(10B),(10C)であって、
前記輻射熱ヒータ(11)は、輻射熱の放射方向が後席(2)の乗員(A)のももに向かう方向に設定可能であることを特徴とする車両用輻射暖房装置(10A),(10B),(10C)。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用輻射暖房装置(10A)であって、
前記輻射熱ヒータ(11)は、その発熱範囲が前席(1)のシートバック(1a)の設定角度に応じて調整され、輻射熱の放射方向が後席(2)の乗員(A)のももに向かう方向に設定されることを特徴とする車両用輻射暖房装置(10A)。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用輻射暖房装置(10A)であって、
前記輻射熱ヒータ(11)は、上下方向に分割された複数の分割ヒータ部(11a)〜(11d)を有し、複数の前記分割ヒータ部(11a)〜(11d)の一部は、前席(1)のシートバック(1a)の標準設定角度位置では後席(2)の乗員(A)のももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部(11a)であり、
前記もも用ヒータ部(11a)が前席(1)のシートバック(1a)の設定角度に応じて通電がオン・オフされることを特徴とする車両用輻射暖房装置(10A)。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用輻射暖房装置(10A)であって、
複数の前記分割ヒータ部(11a)〜(11d)の一部は、前席(1)のシートバック(1a)の標準設定角度位置では後席(2)の乗員(A)のひざに向かって輻射熱を放射するひざ用ヒータ部(11b)であり、
前記もも用ヒータ部(11a)への通電がオフされる場合には、前記もも用ヒータ部(11b)への通電電力を前記ひざ用ヒータ部(11b)に加算して通電することを特徴とする車両用輻射暖房装置(10A)。
【請求項5】
請求項1に記載の車両用輻射暖房装置(10B)であって、
前記輻射熱ヒータ(11)の取付角度は、前席(1)のシートバック(1a)の設定角度に応じて可変され、輻射熱の放射方向が後席(2)の乗員(A)のももに向かう方向に設定されることを特徴とする車両用輻射暖房装置(10B)。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用輻射暖房装置(10B)であって、
前記輻射熱ヒータ(11)は、上下方向に分割された複数の分割ヒータ部(11a)〜(11d)を有し、複数の前記分割ヒータ部(11a)〜(11d)の一部は、前席(1)のシートバック(1a)の標準設定角度位置では後席(2)の乗員(A)のももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部(11a)であり、
前記もも用ヒータ部(11a)が前席(1)のシートバック(1a)の設定角度に応じて取付角度が可変されて、前席(1)のシートバック(1a)の標準設定角度位置とは別の位置でも後席(2)の乗員(A)のももに向かって輻射熱を放射することを特徴とする車両用輻射暖房装置(10B)。
【請求項7】
請求項1に記載の車両用輻射暖房装置(10C)であって、
前記輻射熱ヒータ(10C)は、前席(1)のシートバック(1a)への取付角度が調整可能に設けられたことを特徴とする車両用輻射暖房装置(10C)。
【請求項8】
請求項7に記載の車両用輻射暖房装置(10C)であって、
前記輻射熱ヒータ(11)は、上下方向に複数の分割ヒータ部(11a)〜(11d)に分割され、複数の前記分割ヒータ部(11a)〜(11d)の一部は、前席(1)のシートバック(1a)の標準設定角度位置では後席(2)の乗員(A)のももに向かって輻射熱を放射するもも用ヒータ部(11a)であり、
前記もも用ヒータ部(11a)の取付角度が調整可能に設けられたことを特徴とする車両用輻射暖房装置(10C)。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用輻射暖房装置(10C)であって、
前記もも用ヒータ部(11a)は、取付基準位置では通電されず、取付基準位置より前向きに傾ける位置では通電されることを特徴とする車両用輻射暖房装置(10C)。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate