説明

車両用通信装置

【課題】車両の外部に存在するアクセスポイントとの間に通信回線を確立する処理が不要に実行されてしまうことを回避する。
【解決手段】車両用通信装置10は、車両が停車したことを停車検出処理部21によって検出し、車両が駐車した場合に、この停車検出処理部21が車両の停車を検出すると、通信回線確立処理部22によって車両の外部に存在するアクセスポイント100との間に通信回線を確立する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の外部に存在するアクセスポイントとの間に通信回線を確立する車両用通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に開示されているように、車両の外部に存在する例えばカフェ、コンビニエンスストア、ディーラなどに設置された無線通信用のアクセスポイント、いわゆるホットスポットとの間に通信回線を確立する車両用通信装置が考えられている。この種の車両用通信装置では、通信機能をオンしておくと、常に車両の周囲に存在するアクセスポイントを探索し、探索されたアクセスポイントとの間に自動的に通信回線を確立する機能を備えているものがある。
また、例えば特許文献2に開示されているように、車速などに基づいて車両が停止していることを検出する手段を備え、この手段によって車両の停止が検出されている場合に車外機器と通信を行うものがある。
【0003】
しかしながら、このような構成では、例えば、車両がアクセスポイントの周辺を単に通過したり、アクセスポイントの周辺で信号待ちにより停車したりするような場合には、アクセスポイントとの間に通信回線が確立されるものの、その確立された通信回線が車両の移動に伴い直ぐに切断されてしまう。従って、通信回線の確立処理が無駄になってしまう。また、アクセスポイントとの接続の必要がないにも関わらず通信回線が確立されてしまう可能性もある。また、この種の車両用通信装置では、通信回線が確立された場合あるいは切断された場合にその旨を通知する機能を有するものもある。しかし、上記のような無駄な通信回線や不要な通信回線の確立や切断に係る通知がなされてしまうのでは、ユーザにとって煩わしくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−309865号公報
【特許文献2】特開2004−192278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の外部に存在するアクセスポイントとの間に通信回線を確立する処理が不要に実行されてしまうことを回避することができる車両用通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
車両の外部に存在するアクセスポイントとの通信は、車両が一時的にアクセスポイントに近接する場合や車両が一時的に停車した場合ではなく、車両がある程度の時間停車している場合に行うと有効である。
請求項1に記載した発明によれば、車両用通信装置は、車両が停車したことを停車検出手段によって検出し、この停車検出手段が車両の停車を検出した場合に、通信回線確立手段によって車両の外部に存在するアクセスポイントとの間に通信回線を確立する。この場合、停車検出手段は、車両が「駐車」した場合に当該車両の停車を検出する。
これにより、車両の外部に存在するアクセスポイントとの間に通信回線を確立する処理は、車両が駐車している場合、つまり、車両がある程度の長い時間継続して停車する場合に実行されるようになる。従って、通信回線を確立する処理が不要に実行されてしまうことを回避することができる。
【0007】
この場合、請求項2に記載した発明のように、停車検出手段は、車両が駐車した状態、つまり、車両の駐車状態が所定時間以上継続した場合に当該車両の停車を検出するように構成するとよい。これにより、例えば信号待ちなどにより車両が一時的に停車した場合、つまり、アクセスポイントとの通信が不要な場合に通信回線が確立されてしまうことを回避することができる。
【0008】
請求項3に記載した発明によれば、アクセスポイント検出手段は、通信回線確立手段が通信回線を確立可能なアクセスポイントを検出する。アクセスポイント表示手段は、アクセスポイント検出手段が検出したアクセスポイントの一覧を表示する。アクセスポイント抽出手段は、アクセスポイント表示手段が表示するアクセスポイントの一覧から通信回線を確立するアクセスポイントを抽出する。そして、通信回線確立手段は、アクセスポイント抽出手段が抽出したアクセスポイントとの間に通信回線を確立する。
これにより、通信回線を確立可能なアクセスポイントを確認することができ、さらに、その中から所望のアクセスポイントを抽出して通信回線を確立することができる。
【0009】
この場合、請求項4に記載した発明のように、アクセスポイント抽出手段は、アクセスポイントの一覧からユーザが所望のアクセスポイントを選択した場合に、その選択されたアクセスポイントを抽出するように構成するとよい。これにより、ユーザが所望するアクセスポイントとの通信が可能となり、ユーザの志向に応じた通信を行うことができる。
【0010】
請求項5に記載した発明によれば、優先アクセスポイント設定手段は、アクセスポイント検出手段が検出したアクセスポイントのうち少なくとも何れか1つを、優先して通信回線を確立する優先アクセスポイントとして設定する。そして、アクセスポイント抽出手段は、アクセスポイント表示手段が表示するアクセスポイントの一覧から通信回線を確立するアクセスポイントとして優先アクセスポイントを抽出し、通信回線確立手段は、アクセスポイント抽出手段が抽出した優先アクセスポイントとの間に通信回線を確立する。
これにより、通信回線を確立したいアクセスポイントを優先アクセスポイントとして設定、つまり、マーキングしておけば、そのアクセスポイントとの間に優先的に通信回線を確立することができる。
【0011】
この場合、請求項6に記載した発明のように、優先アクセスポイント設定手段は、通信回線確立手段が直近に通信回線を確立したアクセスポイントを優先アクセスポイントとして設定する構成とするとよい。また、請求項9に記載した発明のように、優先アクセスポイント設定手段は、ユーザが選択したアクセスポイントを優先アクセスポイントとして設定する構成とするとよい。これら請求項6あるいは請求項9に記載した発明は、優先アクセスポイントの設定方法の一例を具体的に特定したものである。
【0012】
また、請求項7に記載した発明のように、通信回線確立手段は、停車検出手段が車両の停車を検出してから所定時間のうちにアクセスポイント検出手段によって検出されたアクセスポイントの一覧に優先アクセスポイントが含まれている場合には、その優先アクセスポイントとの間に通信回線を確立する構成とするとよい。また、請求項8に記載した発明のように、アクセスポイント表示手段は、停車検出手段が車両の停車を検出してから所定時間のうちにアクセスポイント検出手段によって検出されたアクセスポイントの一覧に優先アクセスポイントが含まれていない場合に、アクセスポイントの一覧を表示する構成とするとよい。これら請求項7あるいは請求項8に記載した発明は、優先アクセスポイントを設定可能とした構成において、その優先アクセスポイントの設定の有無に応じた動作内容の一例を具体的に特定したものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態を示す車両用通信装置の機能ブロック図
【図2】アクセスポイントの一覧の表示例を示す図
【図3】動作内容を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、車両用通信装置10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。この車両用通信装置10は、通信機能がオンに設定されている場合に、車両の外部に存在する例えばカフェ、コンビニエンスストア、ディーラなどに設置された無線通信用のアクセスポイント100、いわゆるホットスポットとの間に無線の通信回線を確立し、そのアクセスポイント100から例えば、音声情報や映像情報などの各種のコンテンツ情報、渋滞情報や工事情報などの交通情報、周辺で開催されているイベント情報など種々の情報を受信する装置である。
【0015】
この車両用通信装置10は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成された制御部11を備える。この制御部11には、無線通信部12、記憶部13、表示部14、操作入力部15などが接続されている。また、この制御部11は、CPUにおいて制御プログラムを実行することにより、停車検出処理部21、通信回線確立処理部22、アクセスポイント検出処理部23、アクセスポイント表示処理部24、アクセスポイント抽出処理部25、優先アクセスポイント設定処理部26をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0016】
停車検出処理部21は、特許請求の範囲に記載した停車検出手段に相当し、通信回線確立処理部22は、特許請求の範囲に記載した通信回線確立手段に相当し、アクセスポイント検出処理部23は、特許請求の範囲に記載したアクセスポイント検出手段に相当し、アクセスポイント表示処理部24は、特許請求の範囲に記載したアクセスポイント表示手段に相当し、アクセスポイント抽出処理部25は、特許請求の範囲に記載したアクセスポイント抽出手段に相当し、優先アクセスポイント設定処理部26は、特許請求の範囲に記載した優先アクセスポイント設定手段に相当する。
無線通信部12は、車両の外部に存在するアクセスポイント100との間に無線の通信回線を確立する通信モジュールである。車両用通信装置10は、この通信回線を介して外部のアクセスポイント100から種々の情報を受信可能となっている。この通信回線としては、例えばWi−Fi通信回線などが考えられる。
【0017】
記憶部13は、例えばハードディスクドライブなどの不揮発性の記憶媒体からなり、各種データを記憶する記憶領域を有して構成されている。制御部11は、無線通信部12を介して外部のアクセスポイント100から受信した各種の情報を、この記憶部13に記憶するようになっている。表示部14は、例えば液晶や有機ELなどのディスプレイ装置を有して構成されている。この表示部14には、例えば各種の操作説明用の画面や各種の設定用の画面、さらには、アクセスポイント100から取得した各種の情報などが表示される。操作入力部15は、表示部14の画面の近傍に設けられているメカニカルスイッチや、表示部14の画面に設けられているタッチパネルスイッチなど各種のスイッチ群から構成されている。ユーザは、操作入力部15の各スイッチを用いて各種の設定操作が可能である。
【0018】
停車検出処理部21は、車両用通信装置10が搭載された車両つまり自車両が「停車」したことを検出する。この場合、停車検出処理部21は、車両が「駐車」した場合、あるいは、車両が「駐車」した状態、つまり、車両の駐車状態が所定時間以上経過した場合に当該車両の停車を検出するように構成されており、例えば、図示しない車両のギアシフトがパーキングあるいはニュートラルに入った場合、また、ギアシフトがパーキングあるいはニュートラルに入ってから所定時間以上経過した場合、また、図示しない車両の速度センサが検出する車両の速度が、所定時間以上連続して所定値以下となった場合、また、図示しない車両のサイドブレーキが操作された場合、また、サイドブレーキが操作されてから所定時間以上経過した場合などに、車両が「駐車」つまり「停車」したと判断するように構成されている。
【0019】
通信回線確立処理部22は、停車検出処理部21が車両の「停車」、この場合、車両の「駐車」を検出した場合に、無線通信部12を介して、車両の外部に存在するアクセスポイント100との間に無線の通信回線を確立する。
アクセスポイント検出処理部23は、通信回線確立処理部22が通信回線を確立可能なアクセスポイント100、つまり、自車両を中心に設定された所定の通信可能エリア内に存在するアクセスポイント100を、常時あるいは定期的に検出する。
【0020】
アクセスポイント表示処理部24は、アクセスポイント検出処理部23が検出したアクセスポイント100の一覧を表示部14にリスト表示する。図2に示すように、この一覧には、アクセスポイント検出処理部23が検出した各アクセスポイント100に対応付けて、各アクセスポイント100の電界強度、つまり、各アクセスポイント100との通信回線の確立のし易さを示す電界強度情報Aや、各アクセスポイント100のセキュリティーの設定の有無を示すセキュリティー設定情報Bなどが表示される。なお、図2に示す符号Cは、画面をスクロールするためのスクロールバーである。また、各アクセスポイント100の左部に設けられたチェックボックスDは、詳しくは後述するように、ユーザが各アクセスポイント100の何れかを優先アクセスポイントとして選択して設定する場合にタッチ操作する要素である。このチェックボックスDがタッチ操作されたアクセスポイント100は、優先アクセスポイントとして設定され、本発明でいう「マーキング」が施されたアクセスポイントとして扱われる。
【0021】
アクセスポイント抽出処理部25は、アクセスポイント表示処理部24が表示する各アクセスポイント100の一覧から通信回線を確立するアクセスポイント100を抽出する。この場合、アクセスポイント表示処理部24が表示する各アクセスポイント100の一覧は、それぞれのアクセスポイント100ごとにタッチパネルスイッチ、つまり、操作入力部15の一部として表示されている。そして、所望のアクセスポイント100が表示されている部分をユーザがタッチ操作することに応じて、アクセスポイント抽出処理部25は、そのタッチ操作された部分に対応するアクセスポイント100を抽出するように構成されている。
【0022】
優先アクセスポイント設定処理部26は、アクセスポイント検出処理部23が検出した各アクセスポイント100のうち少なくとも何れか1つを、優先して通信回線を確立する優先アクセスポイントとして設定する。この優先アクセスポイント設定処理部26は、例えば、直近に通信回線を確立したアクセスポイント100を自動的に優先アクセスポイントとして設定したり、あるいは、ユーザが操作入力部15の一部である上記したチェックボックスDを介して選択、つまり、マーキングしたアクセスポイント100を優先アクセスポイントとして設定したりすることが可能である。
【0023】
なお、自動的に優先アクセスポイントとして設定されたアクセスポイントも、本発明でいう「マーキング」が施されたアクセスポイントとして扱われる。また、上記したアクセスポイント表示処理部24は、アクセスポイント検出処理部23が検出したアクセスポイント100の一覧に優先アクセスポイントが含まれる場合には、図2に示すように、その優先アクセスポイントをリスト内にて強調表示するように構成されている。この強調表示の態様としては、例えば図2に示すように優先アクセスポイントの背面を異なる色で表示したり、あるいは、優先アクセスポイントが表示されている部分を点滅させたり、優先アクセスポイントの名称を太くして表示したりするなど、種々の表示態様を採用することができる。
【0024】
次に、上記のように構成された車両用通信装置10の動作について図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
車両用通信装置10の制御部11は、当該車両用通信装置10が搭載された車両が「駐車」したか否かを監視している(ステップS1)。そして、制御部11は、車両が「駐車したこと」を検出すると(ステップS1:YES)、通信機能が「オン」されているか否かを判断する(ステップS2)。
【0025】
制御部11は、通信機能が「オフ」されている場合(ステップS2:NO)には、この処理を終了する。一方、制御部11は、通信機能が「オン」されている場合(ステップS2:YES)には、車両の「駐車」を検出してから所定時間、例えば、5秒程度のうちにアクセスポイント検出処理部23によって検出されたアクセスポイント100の一覧を作成する(ステップS3)。そして、制御部11は、そのアクセスポイント100の一覧に優先アクセスポイントが含まれているか否かを判断する(ステップS4)。
制御部11は、アクセスポイント100の一覧に優先アクセスポイントが含まれている場合(ステップS4:YES)には、その優先アクセスポイントとの間に無線の通信回線を確立(ステップS5)して、この処理を終了する。一方、制御部11は、アクセスポイント100の一覧に優先アクセスポイントが含まれていない場合(ステップS4:NO)には、表示確認処理(ステップS6)を実行する。
【0026】
この表示確認処理では、制御部11は、表示部14に、例えば「通信回線を確立可能なアクセスポイントを表示しますか?」といった確認メッセージとともに、アクセスポイントの一覧の表示を許可する図示しない許可ボタンおよび表示を不許可とする図示しない不許可ボタンを表示する。そして、制御部11は、許可ボタンが操作された場合(ステップS7:YES)には、アクセスポイント100の一覧を表示部14に表示する(ステップS8)。一方、制御部11は、不許可ボタンが操作された場合(ステップS7:NO)には、この処理を終了する。
【0027】
制御部11は、上記のステップS8においてアクセスポイント100の一覧を表示すると、その一覧に含まれる複数のアクセスポイント100のうち何れか1つのアクセスポイント100が選択されたか否かを判断する(ステップS9)。そして、制御部11は、何れか1つのアクセスポイント100が選択された場合(ステップS9:YES)には、その選択されたアクセスポイント100との間に通信回線を確立(ステップS10)して、この処理を終了する。一方、制御部11は、何れのアクセスポイント100も選択されなかった場合(ステップS9:NO)には、何れのアクセスポイント100とも通信回線を確立することなく、この処理を終了する。
【0028】
以上に説明したように本実施形態によれば、車両用通信装置10は、車両が「停車」、この場合、特に「駐車」したことを停車検出処理部21によって検出し、この停車検出処理部21が車両の「駐車」を検出した場合に、通信回線確立処理部22によって車両の外部に存在するアクセスポイント100との間に通信回線を確立する。
【0029】
これにより、車両の外部に存在するアクセスポイント100との間に通信回線を確立する処理は、車両が駐車してある程度の長い時間継続して停車している場合に実行されるようになり、不要に通信回線が確立されてしまうことを回避することができる。
また、例えば、車両がアクセスポイントの周辺を単に通過した場合や車両が信号待ちなどにより一時的に停車した場合など、つまり、アクセスポイント100との通信が不要な場合に通信回線が確立されてしまうことを回避することができる。
【0030】
また、本実施形態によれば、車両用通信装置10は、アクセスポイント検出処理部23によって、通信回線確立処理部22が通信回線を確立可能なアクセスポイント100を検出し、アクセスポイント表示処理部24によって、アクセスポイント検出処理部23が検出したアクセスポイント100の一覧を表示し、アクセスポイント抽出処理部25によって、アクセスポイント表示処理部24が表示する複数のアクセスポイント100の一覧から通信回線を確立するアクセスポイント100を抽出する。そして、車両用通信装置10は、通信回線確立処理部22によって、アクセスポイント抽出処理部25が抽出したアクセスポイント100との間に通信回線を確立する。
これにより、ユーザは、通信回線を確立可能なアクセスポイント100を確認することができ、さらに、その中から所望のアクセスポイント100を抽出して通信回線を確立することができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、車両用通信装置10は、優先アクセスポイント設定処理部26によって、アクセスポイント検出処理部23が検出した複数のアクセスポイント100のうち少なくとも何れか1つを、優先して通信回線を確立する優先アクセスポイントとして設定する。そして、車両用通信装置10は、アクセスポイント抽出処理部25によって、アクセスポイント表示処理部24が表示するアクセスポイント100の一覧から通信回線を確立するアクセスポイント100として優先アクセスポイントを優先して抽出し、通信回線確立処理部22によって、アクセスポイント抽出処理部25が抽出した優先アクセスポイントとの間に通信回線を確立する。
これにより、通信回線を確立したいアクセスポイント100を優先アクセスポイントとして設定しておけば、その優先アクセスポイントとの間に優先的に通信回線を確立することができる。
【0032】
なお、本発明は、上述した一実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、以下のように変形または拡張することができる。
車両用通信装置10は、アクセスポイント100との間に通信回線を確立した後に車両の停車状態が解除された場合には、自動的に当該アクセスポイント100との通信回線を切断する機能をさらに備える構成とするとよい。
車両用通信装置10は、車両に搭載される例えばナビゲーション装置などの各種装置に一体に設けてもよいし、別体に設けてもよい。
【符号の説明】
【0033】
図面中、10は車両用通信装置、21は停車検出処理部(停車検出手段)、22は通信回線確立処理部(通信回線確立手段)、23はアクセスポイント検出処理部(アクセスポイント検出手段)、24はアクセスポイント表示処理部(アクセスポイント表示手段)、25はアクセスポイント抽出処理部(アクセスポイント抽出手段)、26は優先アクセスポイント設定処理部(優先アクセスポイント設定手段)、100はアクセスポイントを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が停車したことを検出する停車検出手段と、
前記停車検出手段が前記車両の停車を検出した場合に、前記車両の外部に存在するアクセスポイントとの間に通信回線を確立する通信回線確立手段と、を備え、
前記停車検出手段は、前記車両が駐車した場合に当該車両の停車を検出することを特徴とする車両用通信装置。
【請求項2】
前記停車検出手段は、前記車両の駐車状態が所定時間以上継続した場合に当該車両の停車を検出することを特徴とする請求項1に記載の車両用通信装置。
【請求項3】
前記通信回線確立手段が前記通信回線を確立可能な前記アクセスポイントを検出するアクセスポイント検出手段と、
前記アクセスポイント検出手段が検出した前記アクセスポイントの一覧を表示するアクセスポイント表示手段と、
前記アクセスポイント表示手段が表示する前記アクセスポイントの一覧から前記通信回線を確立する前記アクセスポイントを抽出するアクセスポイント抽出手段と、
をさらに備え、
前記通信回線確立手段は、前記アクセスポイント抽出手段が抽出した前記アクセスポイントとの間に前記通信回線を確立することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用通信装置。
【請求項4】
前記アクセスポイント抽出手段は、前記アクセスポイントの一覧からユーザが所望のアクセスポイントを選択した場合に、その選択されたアクセスポイントを抽出することを特徴とする請求項3に記載の車両用通信装置。
【請求項5】
前記アクセスポイント検出手段が検出した前記アクセスポイントのうち少なくとも何れか1つを、優先して前記通信回線を確立する優先アクセスポイントとして設定する優先アクセスポイント設定手段をさらに備え、
前記アクセスポイント抽出手段は、前記アクセスポイント表示手段が表示する前記アクセスポイントの一覧から前記通信回線を確立する前記アクセスポイントとして前記優先アクセスポイントを抽出し、
前記通信回線確立手段は、前記アクセスポイント抽出手段が抽出した前記優先アクセスポイントとの間に前記通信回線を確立することを特徴とする請求項3または4に記載の車両用通信装置。
【請求項6】
前記優先アクセスポイント設定手段は、前記通信回線確立手段が直近に前記通信回線を確立したアクセスポイントを前記優先アクセスポイントとして設定することを特徴とする請求項5に記載の車両用通信装置。
【請求項7】
前記通信回線確立手段は、前記停車検出手段が前記車両の停車を検出してから所定時間のうちに前記アクセスポイント検出手段によって検出された前記アクセスポイントの一覧に前記優先アクセスポイントが含まれている場合には、その優先アクセスポイントとの間に前記通信回線を確立することを特徴とする請求項5または6に記載の車両用通信装置。
【請求項8】
前記アクセスポイント表示手段は、前記停車検出手段が前記車両の停車を検出してから所定時間のうちに前記アクセスポイント検出手段によって検出された前記アクセスポイントの一覧に前記優先アクセスポイントが含まれていない場合に、前記アクセスポイントの一覧を表示することを特徴とする請求項5から7の何れか1項に記載の車両用通信装置。
【請求項9】
前記優先アクセスポイント設定手段は、ユーザが選択したアクセスポイントを前記優先アクセスポイントとして設定することを特徴とする請求項5から8の何れか1項に記載の車両用通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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