説明

車室内照明装置及び照明方法

【課題】 他の車室内照明とのバランスないし統一感に優れ、運転に影響を与えることのない、ドアトリム部の照明状態を実現する。
【解決手段】 ドアトリムの一部を照明する光源を備えることとし、前記光源の被照射面において下部領域を相対的に明るく照明し、上部領域を相対的に暗く照明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車室内照明装置及び照明装置に関する。詳しくは、車両ドアトリムを照明する照明装置及び照明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車室内照明の一つとして、インサイドハンドル付近やアームレスト付近等を照明することが行われている(例えば特許文献1を参照)。このようなドアトリム照明は、夜間の駐停車時や走行時にインサイドハンドルやアームレスト等の位置を把握し易くすることを目的として、或いは光による演出効果を狙って利用される。一方、以上の照明に加えて、インストルメントパネルの下部など乗員の足下を照明することによって走行時や乗降時の安全性向上及び車室内の雰囲気向上が図られている。
以上のような車室内照明は一般に、走行安全性や快適性の観点から、運転者や同乗者に眩しさや煩わしさを与えないように、ほのかな明るさ(例えば約2ルクス以下)で行われる。
【0003】
【特許文献1】特許第3246221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドアトリムには通常、インサイドハンドルやアームレスト(プルハンドル)、ドアポケット(マップポケット)、ドア及び窓の操作スイッチ等が設けられる。ところが、これらの中の複数箇所を照明することにすれば、車両全体の中でドアトリム全面が極端に目立つこととなり、車室内照明のバランスが崩れてしまう。また一方で、ドアトリム全面が過度に強調されれば運転者の注意力を低下させるおそれが生ずる。
そこで本発明は、他の車室内照明とのバランスないし統一感に優れ、運転に影響を与えることのない、ドアトリム部の照明状態を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは以上の目的に鑑みて鋭意検討を重ねた結果、以下の発明を完成するに至った。即ち、本発明は、ドアトリムの一部を照明する光源を備え、
前記光源の被照射面において下部領域を相対的に明るく照明し、上部領域を相対的に暗く照明する、ことを特徴とする車室内照明装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ドアトリムの一部(被照射面)が一様の明るさで照明されるのではなく、その上部領域が下部領域よりも暗い状態となる。即ち、ドアトリム上部の明るさが抑えられ、下部が相対的に明るく照明される。これによって、明るさのポイントがより下方に分布することとなり、足下照明などとの調和がとれて車両全体としての統一感を演出できるとともに、運転手や同乗者に落ち着いた安定感のある雰囲気を与えることができる。また、運転者の視界に入りやすい領域の明るさが抑えられることから、運転者の注意力を低下させるおそれがなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の照明装置では、ドアトリムの一部を照明する光源が備えられる。ここでの「ドアトリムの一部」には、ドアトリムの表面、ドアトリムに備えられるドアポケットやアームレスト、或いはインサイドハンドルなどが含まれる。
光源の種類は特に限定されず、バルブやLEDを使用することができる。小型である点、低消費電力である点、長寿命である点などからLEDを光源として用いることが好ましい。LEDとしては砲弾型、チップ型等、種々のタイプのものを採用できる。LEDを光源とすることにより光源の発熱量が小さくなり周りの部材への熱的影響が小さいといった利点も得られる。
後述のように被照射面の色温度を調整する必要がある場合を除いて、光源の発光色も特に限定されない。また、赤、緑、及び青の各色のLEDを組み合わせて一つランプ(光源)とする場合のように、異なる色の発光源を複数組み合わせて用いてもよい。かかる態様によれば、各LED光源の発光状態を制御することで様々な色の光を放射することが可能となる。
【0008】
好ましくは、その光がドアトリム側の斜め上方向に出射するように光源が設置される。このような配置態様を採用すれば、ドアトリムの被照射面において光源から遠い領域、即ち上方に位置する領域ほどそこへ到達する光量が低下する。その結果、被照射面の下部から上部にかけて連続的に明るさが低下する照明状態が得られ、全体の統一感が高まる。
本発明の照明装置は一つ又は複数の光源を備える。例えば二個の光源(以下、第1光源及び第2光源という)を備えた照明装置とする。この場合、第2光源を第1光源よりも上方に配置する。例えば、ドアポケット又はその付近(「〜付近」は、それ自体又はその近くを意味するものとする)を照明する位置に第1光源を設置し、インサイドハンドル付近又はアームレストないしプルハンドル付近を照明する位置に第2光源を設置する。或いは、アームレストないしプルハンドル付近を照明する位置に第1光源を設置し、インサイドハンドル付近を照明する位置に第2光源を設置してもよい。
【0009】
第2光源の被照射面の明るさ(以下、「第2の明るさ」という)が、第1光源の被照射面の明るさ(以下、「第1の明るさ」とういう)よりも低くなるように、各光源の光の量を例えば、使用する光源の種類や遮蔽部材(カバーやスリットなど)等で調節することができる。ここで、第2の明るさを第1の明るさの約2/3以下にすることが好ましい。このような明るさの差を設ければ、第1の明るさと第2の明るさの差が認識され易くなり、本発明の効果(統一感の付与など)がより良好に発揮される。
一方、第1の明るさと第2の明るさが極端に異なる場合には全体の統一感が低下する。このことを考慮して第2の明るさの好ましい範囲としては例えば、第1の明るさの約1/4〜約2/3、第1の明るさの約1/3〜約2/3、又は約1/2〜約2/3を挙げることができる。尚、本明細書において「被照射面の明るさ」は、当該被照射面に照射する光の量の総計(トータル光量)によって規定される。従って、二つの被照射面の明るさを比較するとき、照度(平均照度)が同一であれば面積が大きい方の被照射面がより明るい被照射面であるといえる。
光源を三個以上使用してもよい。例えば三個の光源(第1光源、第2光源、及び第3光源)使用する場合には、ドアポケット付近を照明する位置に第1光源を設置し、アームレストないしプルハンドル付近を照明する位置に第2光源を設置し、そしてインサイドハンドル付近を照明する位置に第3光源を設置することができる。この場合、第3光源の被照射面の明るさ(第3の明るさ)<第2光源の被照射面の明るさ(第2の明るさ)<第1光源の被照射面の明るさ(第1の明るさ)となるように、各光源の光を上記同様に調節する。ここで、第2の明るさを第1の明るさの約2/3以下にすることが好ましい。同様に第3の明るさを第2の明るさの約2/3以下にすることが好ましい。以上のような明るさの差を設ければ、第1の明るさと第2の明るさの差、及び第2の明るさと第3の明るさの差が認識され易くなり、本発明の効果(統一感の付与など)がより良好に発揮される。一方、第1の明るさと第2の明るさ、又は第2の明るさと第3の明るさが極端に異なる場合には全体の統一感が低下する。このことを考慮して第2の明るさの好ましい範囲としては例えば、第1の明るさの約1/4〜約2/3、第1の明るさの約1/3〜約2/3、又は約1/2〜約2/3を挙げることができ、第3の明るさの好ましい範囲としては例えば、第2の明るさの約1/4〜約2/3、第2の明るさの約1/3〜約2/3、又は約1/2〜約2/3を挙げることができる。
【0010】
各光源(一部の光源のみでもよい)から放出される光の量をスリット等の遮蔽部材によって調節することによって、上記のごとき明るさの差を実現することができる。かかる方法に代えて(又は加えて)、光源自体の光量の相違を利用すること、即ち異なる光度(輝度)の光源を使用することによって明るさの差を設けることもできる。
【0011】
ドアトリムの複数の部位(被照射面)を照明する場合において、被照射面の色温度に差を設けることができる。これによって各被照射面を特有の色で表示することができ、演出効果が高まる。尚、各被照射面の色温度は特に限定されない。また、3箇所以上の被照射面が存在する場合に、同一又は近似する色温度の被照射面を複数設けてもよい。
被照射面の色温度に差を設ける場合には、各照射面の照度を同一としてもよい。但し、上方に位置する被照射面ほどその面積が小さくなるように設計することが好ましい。このようにすることによって、上方に位置する被照射面の明るさが相対的に低くなり、結果としてドアトリム上部の明るさを抑えることができる。
【0012】
以上のような色温度の差を設ける場合には、上方に位置する被照射面ほど色温度が低くなるように各被照射面の色温度を設定することが好ましい(三箇所以上の被照射面が存在する場合には、一部の隣接する被照射面が同一の色温度であってもよい)。このように下部から上部にかけて被照射面の色温度を徐々に低下させれば、高い落ち着き感及び統一感が得られ、同時に色変化による演出効果が奏される。例えば、上記のように第1光源と、第1光源よりも上方に設置される第2光源を使用し、二箇所の被照射面(第1被照射面及び第2被照射面)を形成する場合には、より上方に位置する第2被照射面の色温度が、第1被照射面の色温度よりも低くなるようにする。具体的には例えば、第1被照射面の色温度を2000K〜4000K、好ましくは2000K〜3000Kとし、第2被照射面の色温度を1000K〜2000K、好ましくは1200K〜1800Kとすることができる。同様に、順により上方に位置することとなる、第1被照射面、第2被照射面、及び第3被照射面を形成する場合には例えば、第1被照射面の色温度を2000K〜4000K、好ましくは2000K〜3000Kとし、第2被照射面の色温度を1000K〜2000K、好ましくは1400K〜2000Kとし、第3被照射面の色温度を1000K〜1400Kとすることができる。
各被照射面の色温度は使用する光源の発光色(色フィルター等で色変換する場合には、光源の発光色及び色フィルターの色)や被照射面の色などによって決定される。換言すれば、これらのファクターを調節することによって所望の色温度で各被照射面を照明することができる。
【実施例1】
【0013】
以下、図を参照しながら本発明の実施例を説明する。図1は、本発明を適用したドアトリム1を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるI-I線位置の断面図である。
この例ではドアトリム1はドアポケット(マップポケット)10、アームレスト15、及びインサイドハンドル部17を備える。アームレスト15は、一部においてドアトリム表面との間に間隙(上下方向の貫通口)を形成するように、一部が細くなっている。当該部位(引き手16)によってアームレスト15はプルハンドルとしても機能する。
ドアポケット10の底部にはLEDユニット20が組み込まれている。図2に示すように、LEDユニット20はLEDランプと電流制限回路を含むLEDランプユニット21と、窓状の調光スリット22を備えた筐体22とから構成される。LEDランプはアンバー色発光のレンズ型LEDである。一方、この例では調光スリット23の大きさはL=28mm、M=10mmである。尚、調光スリット23の大きさは、必要な光量や照射領域の大きさなどを考慮して適宜設定することができる。また、この例では調光スリットの形状を矩形としたが、これに限定されるものではない。
【0014】
筐体22の内面は反射性となっており、これによってLEDランプの光の一部は当該内面による反射作用を受けた後、調光スリット23を介して外部放射される。尚、LEDランプの光の中で調光スリット23方向に放出された光は直接、調光スリット23を介して外部放射されることとなる。
LEDユニット20は、調光スリット23側が斜め上を向くように(但し、調光スリット23がドアトリム表面に対向する)ドアポケット10に組み込まれている(図1(b)を参照)。
【0015】
以上の構成のドアトリム1では、給電を受けてLEDユニット20からアンバー色の光が放出される。放出光は斜め上方向へと進行し、ドアトリム表面に照射する。ここで放出光の一部はアームレスト15の引き手16の内側を通ってドアトリム表面の上部に至り、その結果ドアトリム下部から上部に亘って広範囲に光が照射することとなる。これによって主にドアポケット10及びアームレスト15(特に引き手16)の視認性が高まる。ところで、光が照射する部位(被照射面29)において、より上方に位置する領域ほど光源ユニット20からの距離が離れていることからそこに到達する光量は少ない。従って被照射面29の照度は下部領域において高く、下部領域から上部領域にかけて漸減する。即ちドアトリムの下部が明るく、上部に近づくにつれて徐々に暗くなるように照明される。このように以上の構成によれば、明るさのポイントが下部に分布することとなり、高い落ち着き感が得られる。また、足下照明などとの調和がとれて車両全体としての統一感を演出できる。さらには、運転者の視界に入る光の量が抑えられることとなり、運転への影響もない。尚、LEDユニット20への給電、即ちLEDユニット20の点灯は例えば車幅灯(又はテールランプ)の点灯と連動して行われる。
【0016】
以上では、典型例としてLEDユニット20を一つ使用したものを説明したが、LEDユニット20を複数使用することもできる。この場合には、各LEDユニット20のドアポケット10への取り付け位置は特に限定されない。例えば、ドアポケット10の底部においてその長手軸に沿うようにLEDユニット20を一列に並べて配設することができる。
【実施例2】
【0017】
本発明の他の実施例を図3に示す。図3(a)は斜視図、(b)は(a)におけるII−II線断面図、(c)は(a)におけるIII−III線断面図である。尚、図3において上記実施例と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例では、ドアポケット10、アームレスト15、及びインサイドハンドル部17にそれぞれLEDユニット(符号25、26、及び27)が使用される。各LEDユニットの構成は、図2に示したLEDユニット20と同様である。但し、各LEDユニットの調光スリットの大きさはそれぞれ次の通りである。
LEDユニット25: L=28mm、M=10mm(開口面積相対比率100%)
LEDユニット26: L=28mm、M=5mm(開口面積相対比率50%)
LEDユニット27: L=28mm、M=2mm(開口面積相対比率20%)
【0018】
各LEDユニットの設置態様を図3(b)及び(c)を参照しながら説明する。まずLEDユニット25はドアポケット10の底部近傍にその調光スリット側が斜め上方を向くように(調光スリット側がドアトリム表面に対向する)組み込まれている(図3(b))。一方LEDユニット26はアームレスト15の引き手16にその調光スリット側がドアトリム表面に対向するように組み込まれている(図3(b))。また、LEDユニット27はインサイドハンドル部17の上部にその調光スリット側が下方を向くように組み込まれている。以上の構成によれば、各LEDユニットから放出された光によって次のような照明態様が得られる。即ち、LEDユニット25から放出された光は斜め上方向へと進行し、ドアトリム表面のドアポケット10付近(被照射面35)に照射する。一方、LEDユニット26から放出された光はアームレスト15付近(被照射面36)に照射する。また、LEDユニット27から放出された光はインサイドハンドル部17(被照射面37)に照射する。このように各LEDユニットの光によってドアポケット10、アームレスト15、及びインサイドハンドル17の視認性が高まる。
一方、各LEDユニットの開口面積を上記のように設定したことによって、各被照射面に照射する光の量は、LEDユニット27の被照射面37(インサイドハンドル部17付近)<LEDユニット26の被照射面36(アームレスト15付近)<LEDユニット25の被照射面35(ドアポケット10付近)となる。従って、ドアポケット10付近が最も明るく照明され、アームレスト15付近、インサイドハンドル部17付近の順に暗くなる。即ち、光によって照明される領域において、上方に位置するほどその明るさが低下する。その結果、ドアトリム全体を見れば明るさのポイントが下部に分布することになる。従って、高い落ち着き感が得られる。また、足下照明などとの調和がとれて車両全体としての統一感を演出できる。さらには、運転者の視界に入る光の量が抑えられることとなり、運転への影響もない。
【実施例3】
【0019】
本発明の他の実施例を図4に示す。尚、図4において上記実施例と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
この実施例では、ドアポケット10、アームレスト15、及びインサイドハンドル部17にそれぞれLEDユニット(符号45、46、及び47)が使用される。各LEDユニットの構成は、図2に示したLEDユニット20と同様である。但し、各LEDユニットの調光スリットの大きさ及び内蔵するLEDランプの特性はそれぞれ次の通りである。
LEDユニット45: L=28mm、M=10mm(開口面積相対比率100%)、発光波長(λd)=約575nm〜約585nm(黄色)、色温度約2000K〜約4000K
LEDユニット46: L=28mm、M=5mm(開口面積相対比率50%)、発光波長(λd)=約585nm〜約595nm(アンバー色〜黄色)、色温度約1000K〜約2000K
LEDユニット47: L=28mm、M=2mm(開口面積相対比率20%)、発光波長(λd)=約595nm〜約610nm(アンバー色)、色温度約1000K〜約1400K
【0020】
各LEDユニットの取り付け態様は上記実施例(図3)と同様である。従って、LEDユニット45によってドアポケット10付近(被照射面55)が照明され、LEDユニット46によってアームレスト15付近(被照射面56)が照明され、そしてLEDユニット47によってインサイドハンドル部17付近(被照射面57)が照明される。その結果、ドアポケット10、アームレスト15、及びインサイドハンドル部17の視認性が高まる。
一方、各LEDユニットの開口面積及び内蔵するLEDランプの特性を上記のように設定したことによって、被照射面に照射する光の量は、LEDユニット47の被照射面57(インサイドハンドル部17付近)<LEDユニット46の被照射面56(アームレスト15付近)<LEDユニット45の被照射面55(ドアポケット10付近)となる。一方で各被照射面の色温度即ち明度が、LEDユニット47の被照射面57(インサイドハンドル部17付近)<LEDユニット46の被照射面56(アームレスト15付近)<LEDユニット45の被照射面55(ドアポケット10付近)となる。従って、最も下方に位置するドアポケット10付近に照射する光はその量も明度も相対的に最大となる。これとは逆に最も上方に位置するインサイドハンドル部17付近に照射する光はその量も明度も相対的に最小となる。このように以上の構成によれば、上方に位置する被照射面ほどその明るさが低下するように、光の量及び明度の両面において明るさの差が形成される。これによって、各被照射面の明るさの差が一段と際だって良好な落ち着き感や車両全体としての高い統一感が得られるとともに、光の量のみの相違では達成することができない、演出効果に優れた或いはデザイン性に富んだ照明態様を創出することができる。勿論、上記実施例と同様に、明るさのポイントが下方に分布することによって、運転者の視界に入る光の量が抑えられることとなり、運転への影響もない。
【0021】
以上の実施例では、LEDランプの発光色によって照射光(被照射面)の色温度を調節したが、色変換フィルターを使用することによって同様の色温度の調節も可能である。例えば、白色LEDを内蔵したLEDユニットとし、所望の色の照射光が得られる色変換フィルターを組み合わせる。具体的にはドアポケットに取り付けるLEDユニット用として白色光を黄色光に変換する色変換フィルターを採用し、アームレストに取り付けるLEDユニット用として白色光をアンバー色〜黄色光に変換する色変換フィルターを採用し、インサイドハンドル部に取り付けるLEDユニット用として白色光をアンバー色光に変換する色変換フィルターを採用すれば、上記と同様の照明態様が実現される。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の照明装置は車両のドアトリムの照明に利用される。本発明を適用することによって、統一感のある照明態様を実現できるとともに、運転者や同乗者に落ち着いた雰囲気を与えることができる。
【0023】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本発明の実施例を適用したドアトリム1を示す図である。(a)は斜視図、(b)は(a)におけるI−I線断面図である。
【図2】図2は本発明の実施例に使用されるLEDユニット20を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の他の実施例を適用したドアトリム2を示す図である。(a)は斜視図、(b)は(a)におけるII−II線断面図、(c)は(a)におけるIII−III線断面図である。
【図4】図4は本発明のさらに他の実施例を適用したドアトリム3を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1、2、3 ドアトリム
10 ドアポケット
15 アームレスト(プルハンドル)
17 インサイドハンドル部
20、25、26、27、45、46、47 LEDユニット
23 調光スリット
29、35、36、37、55、56、57 被照射面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアトリムの一部を照明する光源を備え、
前記光源の被照射面において下部領域を相対的に明るく照明し、上部領域を相対的に暗く照明する、ことを特徴とする車室内照明装置。
【請求項2】
前記光源がドアトリム側の斜め上方向に光を出射する、請求項1に記載の車室内照明装置。
【請求項3】
前記被照射面の明るさが下部から上部にかけて連続的に低下する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車室内照明装置。
【請求項4】
前記光源が、第1光源と、該第1光源よりも上方に配置される第2光源とを含み、
前記第2光源の被照射面の明るさ(第2の明るさ)が、前記第1光源の被照射面の明るさ(第1の明るさ)よりも低い、請求項1又は2に記載の車室内照明装置。
【請求項5】
前記第2の明るさが、前記第1の明るさの約2/3以下である、請求項4に記載の車室内照明装置。
【請求項6】
前記第1光源がドアポケット付近を照明し、前記第2光源がインサイドハンドル付近又はアームレスト付近を照明する、請求項4又は5に記載の車室内照明装置。
【請求項7】
前記第2光源の被照射面の色温度が、前記第1光源の被照射面の色温度よりも低い、請求項4〜6のいずれかに記載の車室内照明装置。
【請求項8】
前記光源が、前記第2光源よりも上方に配置される第3光源を更に含み、
該第3光源の被照射面の明るさ(第3の明るさ)が、前記第2の明るさよりも低い、請求項4〜7のいずれかに記載の車室内照明装置。
【請求項9】
被照射面の下部領域よりも上部領域が相対的に暗く照明されるようにドアトリムの一部に光を照射する、ことを特徴とする車室内照明方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−8056(P2006−8056A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191503(P2004−191503)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】