説明

車載用具キャリア

車両のトランクの蓋やドア等の車両構造の後部部品に取り付けるための用具キャリアであって、車両部品の下部領域に対して係合可能な下方係合要素を有するフレームと、前記フレームに対して連結される、1個以上の用具を運搬するための構造と、前記フレームに連結される、前記下部領域よりも上方の位置において車両部品を係合するための少なくとも1個の車両係合部材と、上方係合要素を有する、車両部品の上部領域を係合するためのストラップ部材と、前記フレームに対して係合され、ストラップ係合・張力付与機構が設けられた少なくとも1個の支持体とを備えた用具キャリア。前記ストラップ係合・張力付与機構は、ストラップ部材により係合され、上方係合要素および下方係合要素が車両部品の上部領域および下部領域に締着されるべく、ストラップ部材に張力を付与するように制御可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、車両のトランクの蓋やドアに取り付けられる用具キャリア(例えばバイクキャリア、スキーキャリア、荷物キャリア等)に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのキャリアは、用具(例:自転車)を車体ルーフに取り付ける場合、特にスポーツ用多目的車(SUV)、バン等、比較的車高の高い車体ルーフに取り付ける場合に不便であることもあり、車体ルーフに取り付けるキャリアのユーザの間での支持が高まっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トランクの蓋またはドアに取り付けられるタイプの用具キャリアにおいては、使用者が単純な操作で非常に迅速に取り付けおよび取り外しができることが特に重要である。これまでに提案されてきたこのタイプの用具キャリアでは、この問題を十分に満足のいく程度まで解決することができない。車両のトランクの蓋またはドアに取り付ける従来の用具キャリアは、一点以上の用具を運搬する構造を有するフレームを備え、車両の後部トランクの蓋または後部ドアと係合する係合手段が設けられている。キャリアを車両に対して安全に固定するために、キャリアのフレームを車両構造に対して連結するために使用される複数のストラップまたはベルトが設けられている。これらのストラップを準備する操作は、比較的複雑で、時間を要するものであり、キャリアを車両から取り外すときにも同じことがいえる。さらには、これらのストラップが加わることにより、車両にキャリアを取り付けると、外観上キャリアの見栄えがあまりよくない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要約)
本発明の目的は、非常に簡単かつ迅速な操作で車両への取り付けおよび取り外しを行うことのできる、車両のトランクの蓋やドアに取り付けるための用具キャリアを提供することにある。
【0005】
また、本発明は、キャリアを車両構造に固定するために別のベルトまたはストラップを用いる必要のないこのタイプの用具キャリアを提供することも目的とする。
さらに、本発明の目的は、確実にキャリアを車両構造に対して安全に固定する、車両のトランクの蓋またはドアに取り付けるための用具キャリアを提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、様々な異なる用具の運搬に好適な、車両のトランクの蓋またはドアに取り付けるための用具キャリアを提供することにある。
本発明によれば、これらの目的および他の目的は、独立クレームに記載される特徴を有する用具キャリアを提供することにより達成される。さらに好ましい特徴は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明は、特に、車両のトランクの蓋やドア等の車両構造の後部部品に取り付けるための用具キャリアであって、
前記車両部品の下部領域に係合可能な下方係合手段を有するフレームと、
同フレームに対して連結されるか、または同フレームの一部として形成される、1個以上の用具を運搬するための構造と、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部として形成される、前記下部領域よりも上方の位置で車両部品を係合するための少なくとも1個の車両係合部材と、
前記車両部品の上部領域を係合するための上方係合手段を有するストラップ部材と、
好ましくはラチェットタイプの手段の形態をとるストラップ張力付与手段を有し、前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部として形成される少なくとも1個の支持体であって、前記ストラップ張力付与手段は、前記ストラップ部材により係合され、車両部品の上部および下部領域に対して上方および下方係合手段を締着させるために、ストラップ部材に対する張力付与を制御することができることと
を備えたキャリアに関する。
【0008】
好ましい実施例においては、車両部品を係合するための上述した車両係合部材は、ストラップ部材に張力を付与するためのラチェットタイプの手段を有する支持体に対して連結されるか、あるいは同支持体の一部を形成する。
【0009】
本発明のキャリアにおいては、それぞれのラチェットタイプの手段に対して係合される1個以上のストラップ部材を設けることができるため、ストラップ部材がキャリア全体の不可欠な部分を構成するように思われる。
【0010】
キャリアを車両に取り付けるために、キャリアのフレームは単に、その下方係合手段が例えば車両の後部トランクの蓋または後部ドアの下縁を係合した状態で配置される。フレームに取り付けられた1個以上の車両係合部材は、トランクの蓋またはドア上に置かれ、各ストラップ部材が、その上方係合手段がトランクの蓋またはドアの上縁と係合するように配置される。その後、各ストラップ部材は、上述したラチェットタイプの張力付与手段により容易かつ迅速に締め付け可能であり、キャリアのフレームの下方係合手段が押し付けられてトランクの蓋またはドアの下部領域に対して係合される。一方、ストラップ部材の上方係合手段は、蓋またはドアの上縁に対して係合されるように付勢される。
【0011】
さらに好ましい実施例においては、ストラップ張力付与手段が取り付けられた各支持体には、各支持体内にストラップ部材を巻いた状態で格納するためのストラップ巻取手段が設けられる。したがって、キャリアおよび同キャリア内に一体的に設けられたストラップ部材は、非使用時において非常に小型の形状となる。一方、キャリアを取り付ける際には、各支持体から容易にストラップ部材を解き出すことができる。
【0012】
さらに好ましい特徴によれば、上述した車両部品を係合するための車両係合部材は、回動軸を中心にフレームに対して回動し、車両部品を係合するための1個の端部係合脚部を有する揺動部材の形態をとる。なお、端部係合脚部も、揺動部材に対して揺動可能であることが好ましい。キャリアが取り付けられた状態においては、フレームの下方係合手段はトランクの蓋またはドアの下部領域に対して係合されており、前記揺動部材の2個の端部係合脚部は、蓋またはドアに対して係合されており、ストラップ部材の上方係合手段は、トランクの蓋またはドアの上部領域と係合される。上述した構成により、ストラップ部材に張力が付与されると、キャリアのフレームは、前記回動軸を中心に、揺動部材に対して傾動し、その後、揺動部材が、車両のトランクの蓋またはドアの表面に対する固定位置に強固に付勢される。したがって、張力が付与されたストラップ部材が、ほぼ水平な表面を有するトランクの蓋を有するセダン車等においてほぼ水平方向に配向された場合であっても、下方係合手段は、いかなる場合にも、車両のトランクの蓋またはドアの下部領域と係合するように、強く、安全に付勢される。これは、本発明のキャリアのさらなる重要な効果となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(本発明の好ましい実施例の説明)
図1〜図9に、車両の外部に様々な物品を支持するための、車両に取り付け可能に構成される用具キャリア20の形態をとる本発明の第1実施例を示す。用具キャリア20は、概して、フレーム22と、ストラップ26(図2、図3、図7において特に視認できる)をそれぞれが有する一対の支持体24と、フレーム22(例えば一対の支持アーム28)に対して係合される荷物運搬装置とを備える。
【0014】
図示される実施例においては、フレーム22は、離間して配置される前方を向いたノッチ34を有する一対の垂直部32を備える。湾曲した下部36は、各垂直部32の下端から延び、前方を向いた端部38にて終端する。下端にフック42を有する係合部材40は、各下部36の前方を向いた端部38に対して係合される。
【0015】
クロスメンバー44は、垂直部32の上端間を延び、これらを相互連結する。クロスメンバー44は、キャリア20の用具運搬部品を取り付けるための設備を備える。一実施例においては、クロスメンバー44は、ノッチ46,48を備える(図2および図5参照)。係合部材49は、一対のシェル部50を備える。シェル部50は、各ノッチ46,48において、クロスメンバー44に対して係合されており、クロスメンバー44を包囲するように嵌められている。各シェル部50は、取付突起52(図5参照)を備えており、この取付突起52は、シェル部50がクロスメンバー44上にあって回転しないようにノッチ46,48の一方に受承される。各シェル部50には、径方向に離間して配置される、横切るように延びる隆起56が形成される。
【0016】
各支持アーム28は、横方向に延びる通路58を有するハブ部56を備える(図2および図5参照)。ハブ部56は、分割された端部構造を有しており、一方の端部にはバレル60を、他方の端部には受承部62を備える。受承部62内にはナットが係合される。通路58の外周の周りには、径方向に離間して配置され、内方に延びる列設された複数の横歯64が形成される。歯64は、アーム28とクロスメンバー44が様々な角度に配向されてもこれらが係合されるように、シェル部50の隆起54を係合するように構成される。ハブ部56は、所望される軸線方向において、係合部材49上を軸方向に摺動させられる。ネジ66は、バレル60に挿入され、受承部62内に配置されるナット63に対して係合され、ハブ部56を係合部材49上に固定するとともに、アーム28を係合部材49上に保持するように、締め付けられる。
【0017】
図示される実施例においては、支持アーム28は、パッド70が係合されたサドル68の形態をとる、サスペンションタイプの方法で複数の自転車等の用具を支持するための構造を備える。保持ストラップ(図示しない)は、各サドル68に対して係合され、用具の一部品(例:自転車のフレームのバーや管)を包囲するように構成され、公知の方法にて、用具と支持アーム28を係合する。アーム28は、サドル68との係合により自転車が吊り下げられたときに、自転車が揺動することを防ぐ安定部材74を備える。
【0018】
各支持体24は、二枚貝のように互いに係合される一対の支持部78,80(図2および図6参照)により形成される。支持部78,80は、それぞれ通路82,84を備える。通路82,84は、フレームの垂直部32を包囲し、垂直部32の外面に対して精密許容差に基づく通路を形成する。この構成により、各支持体24は、それぞれの垂直部32上を軸方向に移動することができる。
【0019】
支持部78,80は、ネジ66と同様の構成を有するネジ86のねじ軸を受承するように構成された、横方向に延びる位置が揃った通路を備える。支持部78,80の横方向に延びる位置が揃った通路は、ノッチ34の一つと位置を揃えて配置されるように構成されており、ネジ86が、支持体24を選択的に所望の位置において垂直部32に固定するように、支持部78,80の通路に対して係合される。支持体24の位置の調節は、ネジ86を取り外し、支持体24を再配置し、ネジ86が別のノッチ34を係合するようにネジ86を再び配置することにより行うことができる。ねじ山が設けられた受承体が、ネジ86のねじ山を受承すべく、支持部の一方、例えば支持部80の通路内で係合される。ネジ86のねじ軸の中央領域にねじ山を設けないことにより、選択されたノッチ34の一つとの係合を容易にしてもよい。
【0020】
支持部78,80の前端は、それぞれ取付耳88,90を備える。取付耳88,90の間には空間が形成されており、この空間内に一対のアーム94を有するU字状係合部材92が受承される。回動ピン96(図2、図7、図8参照)は、係合部材92を耳88,90間の空間内に回動可能に取り付けるために、係合部材92の通路98を通って、耳88,90の位置が揃えられた開口を貫通して延びる。脚部100は、各係合アーム94の端部において回動可能に取り付けられ、好ましくは柔らかな表面を有する。
【0021】
各ストラップ26は、支持体24の一方により形成される通路内を延びる(図7および図8参照)。各ストラップ26は、通常の条件下においては非伸縮性である材料(例えば金属や複合材料)で形成されるインナーコアを含む、複合の構成を有する。ストラップ26のコアは、列設された複数の一方向歯102を有するように賦形される硬質プラスチック材料で上乗せ成形される。ストラップ26は、その上端にフック104を備える。
【0022】
歯102とは反対側のストラップ26の表面は、ほぼ平滑であり、支持体24により形成される曲面をなしたストラップ係合面106に接触する(図8参照)。ストラップ係合面106は、支持部78,80によりそれぞれ形成される一対の側壁108,109(図6参照)の間に配置される。
【0023】
各支持体24は、ハンドル部112を有するテンションレバー110を備えており、ハンドル部112は、フレームの垂直部32が内部を通って延びる長尺状開口113を備える(図8参照)。テンションレバー110は、回動ピン114を介して支持体24に対して回動可能に取り付けられる。回動ピン114は、ハンドル部112とは反対側のテンションレバー110前端に形成された通路116内を延びる。開口113は、テンションレバー112が上昇および下降させられたときにフレームの垂直部32を受承するように形成される。テンションレバー110は、カム形状をなす前面118を備えており、この前面118は、ストラップ26の歯102に対向する列設された複数の歯120を有する。トーションバネ122は、歯120がストラップの歯102と非係合状態になる下方の非作動位置に向かってテンションレバー110を付勢するべく、テンションレバー110に対して係合される。
【0024】
図8に基づき説明する。ストラップ保持体124は、テンションレバー110の前端よりも低い位置において、回動ピン126を介して回動可能に取り付けられる。ストラップ保持体124は、ストラップ係合面106の下端に対向する列設された複数の歯128を備える。一対のトーションバネ130(図6参照)は、ストラップ保持体124と係合し、歯128をストラップ係合面106に向かって付勢する。回動ピン126は、一対のアーム134により形成される位置が揃えられた開口内で係合することにより、解放トリガ132の取り付けも行う。各アーム134は凹部136を備え、ストラップ保持体124は、凹部136内に受承される、外方へ延びるタブ138を備える。この構成により、トリガ132は、トーションバネ130の付勢力に抗して歯128がストラップの歯102と非係合状態になるように、押し下げられることが可能である。トリガ132が解放されると、トーションバネ130は、ストラップ係合面106に向かってストラップ保持体の歯128がストラップの歯102と係合する位置まで、ストラップ保持体124を移動させ、トリガアーム134とタブ138の係合によりトリガ132を外方へ移動させるように機能する。
【0025】
作動時においては、用具キャリア20は、以下のようにして、車両のトランクまたは後部ドアに対して係合される。まず、ストラップ保持体の歯128およびストラップの歯102が非係合状態となるように、トリガ132が押し下げられ、各ストラップ26が拡張され、すなわち拡張位置まで各支持体24に対して外方へ相対移動される。フレーム22の下フック42が、車両のトランクの蓋または後部ドアの下縁に対して係合され、ストラップのフック104が車両のトランクの蓋または後部ドアの上縁または前縁に対して係合される(図10および図11参照)。支持体24は、用具キャリア20が取り付けられるトランクの蓋または後部ドアに合わせた適切な高さにおいて、垂直部材32上に配置される。係合部材92は、脚部100が車両のトランクの蓋または後部ドアの支持構造面に対して係合されるように回動される。係合部材92は、脚部100が互いに対して垂直に並ぶように(図10参照)、または脚部100の上部がトランクの蓋の上面を覆い、脚部100の下部がトランクの蓋の後面と係合するように(図11参照)、配置することができる。この後、使用者は、ネジ86を支持体24に対して係合し、支持体24をフレームの垂直部34上の所望の垂直位置に保持する。その後、使用者は、テンションレバー110を繰り返し昇降させて、テンションレバー110を操作する。テンションレバー110が上昇させられる度に、ストラップのフック104および下フック42がそれぞれトランクまたは後部ドアの上縁および下縁を係合するまでストラップ26を後退させるように、テンションレバー110の歯120がストラップの歯102を係合する。使用者は、このようにして、ストラップのフック104および下フック42がそれぞれトランクまたは後部ドアの上縁および下縁を係合し続けるに十分な張力をストラップ26に生じさせるように、ストラップ26を後退させ続ける。ストラップ26が前進させられる度に、ストラップ保持体124は、ストラップ保持体の歯128の上方をストラップの歯102が通過することにより、ストラップ26から離れるように回動させられる。テンションレバー112が下降させられると、ストラップ保持体の歯128はストラップの歯102と係合して、ストラップ26が拡張されることを防ぎ、テンションレバー110およびストラップ保持体124は、ストラップ26に対して張力を付与するためのラチェットタイプの張力付与機構として機能する。このように、トランクの蓋または後部ドアの上縁および下縁とフック104,42とのそれぞれの係合は、トランクの蓋または後部ドアの表面と脚部100との係合と組み合わせられることにより、用具キャリア20とトランクの蓋または後部ドアとの係合を強固なものとすべく機能する。
【0026】
なお、本発明のキャリアは、図11に示されるような、ほぼ水平な上面を有するトランクの蓋に用具キャリアを取り付ける際に遭遇する問題を解決することができる。この場合、フック104は、トランクの蓋の前縁に対して係合されると、垂直方向において支持体24とほぼ同じ高さに位置する。この結果、ストラップ26の張力が付与された部分がほぼ水平になるか、あるいは水平から僅かに傾いた状態となる。係合部材92に上述したような特定の構造や構成がない場合には、張力付与ストラップ26は、下フック42がトランクの蓋の下縁に対して上方へ付勢されないため、キャリアを車両に対して安全に連結することができない。しかしながら、本発明においては、ストラップ26に張力が付与されると、支持体24は、パッド100がトランクの蓋の後面および上面に対して付勢されている係合部材92に対して、(図7の矢印Tの方向に向かって)ピン96の周囲において傾動する。この傾動の結果、下フック42は、蓋の下縁に対して、安全に上方へ付勢される。
【0027】
用具キャリア20を取り外す場合には、使用者は、解放トリガ132を押し下げて、各ストラップ保持体124とこれらに対応するストラップ26とを非係合状態にする。これにより、ストラップ26が拡張されて、フック104,42とトランクの蓋または後部ドアの上縁および下縁とがそれぞれ非係合状態となる。
【0028】
用具キャリア20が車両のトランクの蓋または後部ドアに対して係合されると、サドル68および保持体ストラップ72を用いて、自転車または他の用具を従来の方法で支持アーム28に対して係合することができる。安定部材74が外方にある自転車の揺動を防ぎ、フレーム22が内方にある自転車の揺動を防ぐ。
【0029】
用具キャリア20の非使用時には、使用者は、サポートアーム28と係合部材49とを非係合状態にし、支持アーム28を内方へ移動させる(図9参照)。これにより、支持アーム28は、クロスメンバー44の周囲において回動可能となり、フレーム22の垂直部32間で垂下可能となる。状況に応じ、このように配置されたときに、支持アーム28を外方へ移動させて、係合部材49に対して係合させ、支持アーム28を所定の位置に保持してもよい。また、ネジ86と垂直部32の各ノッチ34を非係合状態とし、支持体24が、垂直部32間の空間内において、互いに向かって回動可能となるようにしてもよい。このように支持体24およびアーム28が折り畳み可能であることにより、キャリア20は、非使用時にはケース150に収納することができる小型の形状をとることができ、使用時には迅速かつ容易に通常の形状に復元することができる。
【0030】
小さなトランクの蓋を有するタイプ(例:小型のセダンまたはクーペ)から大きな後部ドアを有するタイプ(例:バンまたはSUV)まで、任意のタイプの車両においてキャリア20を使用できるように、ストラップ26は十分な長さを有するように製造される。
【0031】
フレーム22は、用具キャリア20が車両に取り付けられたとき、車両のナンバープレートを視認可能とすべく、十分な高さを有するように構成される。これは通常、ヨーロッパ諸国においては、フレーム22の高さが、米国の車両に必要な高さよりも高いことを意味する。なぜならば、ヨーロッパの車両は、通常、米国の車両に比べて高い位置にナンバープレートが取り付けられているからである。
【0032】
なお、用具キャリア20を、他のタイプの用具を運搬するように、あるいは異なる方法で同様のタイプの用具を運搬するように、改変することができることは理解されるべきである。例えば、フレーム22は、支持体24およびストラップ26を用いて車両に取り付けることができ、かつ、自転車を上方から吊るすのではなく、下方から支持するために、下方の支持構造(すなわち、フォークタイプの取付部または車輪取付部を有するトレイタイプの構成)を備えていてもよい。また、ストラップ26に張力を付与するためにラチェットタイプの係合システムが図示されているが、ラチェットタイプのシステムに代えて、他のタイプの位置を変化させながらの係合および張力付与システムを用いることができることも理解されるべきである。
【0033】
キャリア20により支持可能な他のタイプの用具の例としては、用具ボックス142(図12)が含まれる。用具ボックス142はハンドル144を有していてもよい。この実施例においては、底部支持フレーム146が、フレーム下部36から後方へ延びており、取付部材148と、ノブ150に対して係合されるネジ山を有するロッドとを介して、フレーム下部36に固定される。単一のアーム152は、フレーム22の上部クロスメンバー44から延びる。ラッチ154は、アーム152の端部に取り付けられ、用具ボックス142のハンドル144に対して係合可能となっている。
【0034】
スキー板やスノーボードに用いる場合(図13参照)には、下フレーム158は、フレーム22のフレーム下部36から下方へ延びる。トレイ160は、下部フレーム158に対して係合され、スキー板またはスノーボードの下端を受承するように構成される区画を有する。上方のスキー板/スノーボード支持体162は、一対のカラー164を介して、フレーム22の上部クロスメンバー44に対して係合される。カラー164は、内方に向いた歯を有しており、この歯は係合部材49の隆起を係合する。支持体162は、離間して配置されるアームを備え、これらアーム間にスキー板またはスノーボードが受承される。可撓性および弾力性を有するストラップは、スキー板またはスノーボードをアーム間の所定の位置に維持するように、アームおよびスキー板またはスノーボードに対して係合される。
【0035】
別の実施例(図14参照)においては、一対のスキー板/スノーボード支持体168が、垂直部32に対して係合される。各スキー板/スノーボード支持体168は、離間して配置される凹部を備える。同凹部は、スキー板またはスノーボードの離間した領域を受承するように構成される。スキー板またはスノーボードのビンディングは、低い位置にある方のスキー板/スノーボード支持体168に置かれ、可撓性および弾力性を有するストラップによりスキー板またはスノーボードの後縁を係合して、スキー板またはスノーボードとスキー板/スノーボード支持体168との係合を維持する。
【0036】
なお、車両の外部において用具を運搬するように、様々な他のタイプの用具運搬構造をフレームに対して係合してもよい。また、フレーム22は、様々な他の構成とすることができ、図示および説明される特定のタイプの構成に限定されるものではない。フレーム22は、車両のトランクの蓋またはドアの上部領域および下部領域に対して係合されたときに、捩れに対する横方向の安定性を提供し、フレームの上部および下部と係合される位置の間の中間位置において支持を行う、任意の構成を有していてもよい。
【0037】
図15〜図26には、本発明の第2実施例が示される。これらの図面において、図1〜図14の各部品に対応する部品については、同一の符号が付されている。
図17および図18については、第1実施例のキャリアとの主な違いは、2本のストラップ26のそれぞれが、非使用時においては、各支持体24の本体内に巻かれた状態で格納される点である。
【0038】
図17では、係合部材40は、各垂直部32の下端38の周囲において自由に回転可能に取り付けられるスリーブ部41を備える。リベット420(図27参照)は、2個の対向する円形穴422に固定される両端を有する。円形穴422の一方はスリーブ部41の頂部に形成され、他方の穴はタブ423に形成される。タブ423は、下方からフレーム管の端部38を係合するように、要素40の前壁から切り出され、同前壁から離れるように屈曲させられる。リベットは、2個の対向するスロット421内においても係合される。スロット421は、管端部38の上面および下面に形成され、周方向に延びている。したがって、要素40は、端部38の軸線の周囲において制限された回転を行うことができるとともに、端部38の軸線に対して直角をなし、リベット420の軸線とほぼ一致する軸線の周囲において制限された回転を行うことができる。これらの特徴により、各フック42は、トランクの蓋またはドアの下縁をより良好に係合するために、この下縁の形状および配向にかかわらず、端部38の軸線およびこれに直交する軸線の両方の周囲において僅かに回転することができる。
【0039】
図17では、第1実施例とは異なり、垂直部32には、図1に示されるような離間して配置される、前方を向いたノッチ34が設けられていない。第2実施例においては、各垂直部32は、前方を向いた平坦な壁32aを有しているのみである(図19参照)。各支持体24は、U字型に屈曲した金属シートにより形成されるフレーム300を備える。フレーム300は、各垂直部32の周囲において係合される中央部300aと、中央部300aから垂直部32に対して前方に延びる2枚の平行な壁300bとを有する(図15、図18、図20参照)。フレーム300の各側壁は、中央部300aの近傍に切取部300cを有する(図15および図19参照)。2個の切取部300cは、クランプのように、ネジ302(図19参照)により垂直部32の周囲において締め付け可能である。ネジ302は、2個の切取部300cの一方を係合するねじ頭部304を有し、他端が、他方の切取部300cに連結されたナット306に螺入される。ネジ304を緩めることにより、支持体24(図15参照)のフレーム300は、垂直部32に沿って自由に摺動することができ、その後、所望の位置において、ネジ302を再度締め直すことにより固定することができる。フレーム300の2枚の側壁300bは、2個の突起308(図19参照)を形成する外方に向かって変形した部分を有する。突起308は、対向する穴310を有しており、この穴310の周囲において、管状ローラ312が自由に回転できるように取り付けられている。ローラ312は、支持体24の本体内においてストラップ26を巻き付けるためのものである。このために、ストラップ26のフック104とは反対側の一端は、2本のネジ314により、ローラ312に固定される。図18に示されるように、前述した第1実施例とは異なり、ストラップ26上に歯が形成されていない。第2実施例においては、ストラップ26は、鋼で形成され、合成材料からなる一つ以上の層でコーティングされていることが好ましい。
【0040】
図18〜図21においては、一方向歯317を備えた2個の爪車316が、フレーム300の側壁から外方へ突出するローラ312の両端に固定されている。
第1実施例と同様に、テンションレバー110が、ローラ312の軸線318の周囲において、支持体24に対して回動可能に取り付けられている。図20に示されるように、テンションレバー110の本体は、2枚のシェル状分割片320により形成されている。この実施例においても、テンションレバー110の本体は、テンションレバー110のハンドル部112に力を加えることによりテンションレバー110が昇降されたときに、フレームの垂直部32を受承するように形成された開口113を有する。ローラ312の両端部の周囲に回転可能に取り付けられるシェル状分割片320の2個のハブ様部分322により、レバー110を軸線318の周囲において回動可能に取り付けることができる。さらには、シェル状分割片320は、ハンドル部112近傍のネジ(図示しない)を係合するために、通路324(図20参照)を形成する。
【0041】
係合爪326(図21参照)は、各爪車316と協働する。各爪326は、ピン328により、テンションレバー110本体の各ハブ部322に回動可能に取り付けられる。バネ330は、爪326を爪車316の歯317と係合させるべく付勢するために、各爪326とハブ部322の壁との間に配置される。さらには、保持体332は、各爪車316と協働する。両保持体332は、コモンピン334により、支持体24のフレーム300に回動可能に取り付けられる。各保持体332は歯336を有し、この歯336が各爪車316の歯317と係合する。2個の保持体332は、トリガ部材338(図18参照)の構造に対して強固に連結される。このため、トリガ部材338は、保持体332とともに、コモンピン334の軸線の周囲において支持体のフレーム300に対して揺動可能である。バネ339(第1実施例のバネ122と同様の形状を有する)は、保持体が爪車316の歯と係合する休止位置にトリガ部材338を付勢するために、フレーム300とトリガ部材338との間に配置される。
【0042】
上述したラチェット機構の動作は以下の通りである。
ストラップ26が支持体24内に巻かれて格納されていると仮定すると、使用者は、まずフック104が取り付けられたストラップ26の端部を把持して、支持体24から解き出すためにストラップを引っ張り、フック104が車両のドアまたはトランクの蓋の上部前縁と係合するようにしなければならない。第1実施例と同様に、フック104は、下フック42がトランクの蓋またはドアの下縁と係合された後に、トランクの蓋またはドアの上縁に対して係合される。
【0043】
ストラップ26の各支持体24からの解き出しは、トリガ部材338が押圧されたときに行われる。これを行うために、使用者は、支持体24の高さにおいて垂直部32を後方から把持し、トリガ部材338を自分の1本以上の指を用いて後方へ引っ張る。トリガ部材338を引っ張られた状態に保持することにより、保持体332(図21参照)が爪車316の歯に対して非係合状態に保持される。さらには、テンションレバー110が図21に示されるように低い位置にあるため、各爪326は、同じ図面に示される位置、すなわち保持体332近傍に位置する。したがって、トリガ部材338に力を加えることにより、保持体332が爪車316の歯317から離間した状態に保持されると、各爪326は、各保持体332により、歯317と非係合状態となる位置に向かって押される。この状態においては、使用者が、ストラップ26の自由端を把持し、所望の長さまで引っ張って、ストラップを支持体24から解き出すことができる。解き出し時の爪車316の回転は、トリガ部材338の動作によりレバー110に取り付けられた爪326が爪車316と非係合状態になるため、レバー110に影響を及ぼすことはない。フック104がトランクの蓋またはドアの上縁と係合すると、トリガ部材338は解放されることができ、各保持体332および各爪326が図21に示される状態に戻る。その後、テンションレバー110を繰り返し昇降させることにより、ストラップ26に張力を付与することができる。レバー110が(図21において右回りに回転することによって)上昇させられる度に、ピン328および爪326がレバーの回転にしたがってレバーとともに移動する。これにより、各爪326が、対応する保持体332から離間するように移動し、協働する爪車316の回転を引き起こす。図18に示されるように、爪車316の右回転は、ローラ312に伝達され、ストラップ26が支持体24内に巻き取られる。この回転時においては、コモンピン334が、支持体24に対して固定された位置に保持され、歯317が保持体332に対して相対的に移動することにより、保持体332がトリガ部材338とともに、ピン334の周囲において繰り返し揺動する。
【0044】
テンションレバー110が低い位置に戻ると、保持体332は、協働する爪車316を従前の位置に保持する。一方で、2個の爪326は、図20に示される保持体332近傍の位置に戻る。これらが元の位置に戻る間に、爪326は、爪車316の歯317に対して相対的に移動することにより、対応する各ピン328の周囲において繰り返し揺動する。テンションレバー313を必要な回数だけ繰り返し昇降させることにより、ストラップ26に所望するように張力が付与される。
【0045】
各支持体24のトリガ部材338は、キーにより動作可能なロック400により、休止位置に固定することができる。ロック400は、ロック部材402(図18に図示される)に対して作用する。ロック部材402は、図18に示される水平位置と垂直位置との間で移動可能である。水平位置にあっては、ロック部材402は、垂直部32に接触することにより、トリガ部材338の作動を妨げる。ロック部材402が垂直位置に移動されると、トリガ部材338が作動可能となる。
【0046】
使用者が車両からキャリアを取り外したいときには、爪326と爪車316を非係合状態にする上昇位置まで保持体332を移動させるために、トリガ部材338を作動させなければならない。この状態においては、フック104とトランクの蓋またはドアの上縁を非係合状態とするために、ストラップ26を十分な長さだけ引き出すことができる。ストラップ26が十分な長さだけ引き出されると、トリガ部材338を解放することができ、ストラップ26を各支持体24内に完全に巻き取るために、テンションレバー110を繰り返し作動させることができる。
【0047】
図25および図26は、図10および図11に類似するが、後部ドアを有するステーションワゴンおよびトランクの蓋を有するセダン車に取り付けられた第2実施例のキャリアを示す。
【0048】
この場合においても、支持体24に対して回動され、回転パッド100が取り付けられた係合部材92の構成により、図26に示されるようにキャリアがほぼ水平な上面を有するトランクの蓋に取り付けられた場合であっても、ストラップに張力が付与されたときに、下フック42が上方へ付勢される。第1実施例について既に説明したように、これは、ストラップに張力が付与されるとキャリアのフレームに対して回動ピン96の軸線の周囲で傾動することにより起こる。
【0049】
図16は、第1実施例の図14と同様の、スキー板を運搬するように構成された第2実施例を示す。
当然ながら、本発明の原理は同一であるが、実施例の詳細は、単に例として図示されているものから様々に変化させることができる。
【0050】
例えば、ストラップ巻取手段を収容する支持体24は、係合部材92が取り付けられる別の支持体と分離させてもよい。さらには、ストラップに張力を付与する手段は、本願において例として記載されるものとは異なるタイプのラチェット機構としてもよく、あるいはラチェット機構とは異なる他の機構としてもよい。ストラップへの張力付与を制御する部材も、レバー110等の揺動可能なレバーと異なる形態であってもよい。例えば、この部材が、回転ハンドルまたはノブの形態をとっていてもよい。
【0051】
さらには、第2実施例においても、第1実施例において図示された様々な用具や、その他の異なる物品を輸送するように構成することができる。
また、フレーム22は、様々な他の構成とされていてもよく、図示および説明される特定のタイプの構成に限定されるものではない。
【0052】
図28は、フレームの各垂直部に追加の脚部材800が設けられたキャリアの構成を示す。脚部材800は、車両の後部バンパ上に置くことができ、後部ドアまたは蓋の下縁にかかる負荷を減少させることができるため、特にキャリアが比較的重量のある物品の輸送に使用される場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】バイクキャリアとして使用するように構成された本発明の第1実施例の斜視図。なお、理解を容易にするために、ストラップ部材は省略する。
【図2】図1のキャリアの一部分解斜視図。
【図3】図1および図2のキャリアの側面図。
【図4】図1乃至3のキャリアの正面図。
【図5】図2の詳細を示す拡大図。
【図6】図2の別の詳細を示す拡大図。
【図7】図3の詳細を示す拡大図。
【図8】図7の詳細を示す断面図。
【図9】ケース内に折り畳まれた状態にある第1実施例の斜視図。
【図10】ステーションワゴンに取り付けられた本発明の第1実施例のキャリアを示す斜視図。
【図11】セダン車に取り付けられた第1実施例を示す斜視図。
【図12】荷物を輸送するように構成された本発明の第1実施例の斜視図。なお、理解を容易にするために、ストラップ部材は省略する。
【図13】スキー板および/またはスノーボードを輸送するように構成された本発明の第1実施例の斜視図。なお、ストラップ部材は省略する。
【図14】図13の変更例を示す図。
【図15】バイクキャリアとして使用するように構成された本発明の第2実施例の斜視図。
【図16】スキー板を輸送するように構成された第2実施例の斜視図。
【図17】第2実施例の側面図。なお、スキー板支持部材および自転車支持アームは省略する。
【図18】図23のXVIII−XVIII線における拡大断面図。
【図19】図18のXIX−XIX線における断面図。
【図20】図17のXX−XX線における断面図。
【図21】図20のXXI−XXI線における断面図。
【図22】図18のXXII−XXII線における断面図。
【図23】第2実施例のキャリアの部分背面図。
【図24】第2実施例のキャリアの部分正面図。
【図25】ステーションワゴンに取り付けられた状態にある第2実施例を示す斜視図。なお、理解を容易にするために、スキー板支持部材および自転車支持アームは省略する。
【図26】セダン車に取り付けられた状態にある第2実施例を示す斜視図。なお、理解を容易にするために、スキー板支持部材および自転車支持アームは省略する。
【図27】好ましい実施例におけるキャリアの下方フック構成の分解斜視図。
【図28】キャリアの別の変更例を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランクの蓋やドア等の車両構造の後部部品に取り付けるための用具キャリアであって、
前記車両部品の下部領域に対して係合可能な下方係合手段を有するフレームと、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、1個以上の用具を運搬するための構造と、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、前記下部領域よりも上方の位置において車両部品を係合するための少なくとも1個の車両係合部材と、
前記車両部品の上部領域に対して係合するための上方係合手段を有するストラップ部材と、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する少なくとも1個の支持体であって、同支持体にはストラップ係合・張力付与手段が設けられ、同ストラップ係合・張力付与手段は、ストラップ部材により係合され、車両部品の上部および下部領域上に上方および下方係合手段を締着させるべく、ストラップ部材に対して張力を付与するために制御可能であることと
を備えた用具キャリア。
【請求項2】
前記ストラップ係合・張力付与手段が、前記ストラップ部材を任意の固定位置において前記支持体に対して保持する機構と、前記ストラップ部材に張力を付与するためのストラップ張力付与部材と、前記支持体に対してストラップ部材を自由に移動可能とするために、前記機構を解放するための解放制御部材とを備えた、請求項1に記載のキャリア。
【請求項3】
前記機構がラチェット機構である請求項2に記載のキャリア。
【請求項4】
前記車両部品を係合するための車両係合部材が前記支持体に取り付けられた請求項1に記載のキャリア。
【請求項5】
トランクの蓋やドア等の車両構造の後部部品に取り付けるための用具キャリアであって、
前記車両部品の下部領域に対して係合可能な下方係合手段を有するフレームと、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、1個以上の用具を運搬するための構造と、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、前記下部領域よりも上方の位置において車両部品を係合するための少なくとも1個の車両係合部材と、
車両部品の上部領域に対して係合するための上方係合手段を有するストラップ部材と、
ストラップ係合手段が設けられた、前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する少なくとも1個の支持体であって、前記ストラップ係合手段は、前記ストラップ部材により永久的に係合されるとともに、前記ストラップ部材を巻いた状態または折り畳んだ状態で前記支持体内に格納するように構成されることと
を備えた用具キャリア。
【請求項6】
前記ストラップ係合手段がストラップ巻取手段の形態をとる請求項5に記載のキャリア。
【請求項7】
前記ストラップ巻取手段が、同ストラップ巻取手段を任意の固定状態に保持するための機構と、前記ストラップ部材に張力を付与するために、前記機構を制御するためのストラップ張力付与部材と、ストラップ巻取手段からストラップ部材を解き出し可能とするために前記機構を解放する解放制御部材とを備えた、請求項6に記載のキャリア。
【請求項8】
前記機構がラチェット機構である請求項7に記載のキャリア。
【請求項9】
前記車両部品を係合するための車両係合部材が前記支持体に取り付けられた請求項5に記載のキャリア。
【請求項10】
トランクの蓋やドア等の車両構造の後部部品に取り付けるための用具キャリアであって、
前記車両部品の下部領域に対して係合可能な下方係合手段を有するフレームと、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、1個以上の用具を運搬するための構造と、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、前記下部領域よりも上方の位置において車両部品を係合するための少なくとも1個の車両係合部材と、
前記フレーム上の支持体に対して係合され、車両部品の上部領域に対して係合するための上方係合手段を有するストラップ部材とを備え、
前記車両係合部材が、回動軸の周囲においてフレームに対して回動可能に取り付けられており、キャリアが車両に取り付けられたときに、ストラップ部材に張力を付与することにより、前記フレーム上で前記回動軸の周囲での傾動が起こり、これにより、前記フレームの下方係合手段が車両部品の下部領域に対して押圧される用具キャリア。
【請求項11】
前記車両係合部材が揺動部材の形態をとり、同揺動部材は、前記フレームにより前記回動軸の周囲において回動可能に支持される中央部分と、車両係合脚が回動可能に連結される二つの端部とを有する、請求項10に記載のキャリア。
【請求項12】
前記揺動部材がU字状をなす請求項11に記載のキャリア。
【請求項13】
前記フレームが、一対の垂直部と、これら垂直部の上端を相互に連結するとともに用具運搬構造を取り付けるための手段が設けられたクロスメンバーと、前記垂直部の下端から延び、前方を向いた端部にて終端する曲線状をなす下部と、前記前方を向いた端部のそれぞれに対して取り付けられ、フックを備えたフック運搬部材とを備えた請求項1、5、10のいずれか一項に記載のキャリア。
【請求項14】
各フック運搬部材が、前記前方を向いた端部に対して制限された回転が可能となるように、前記フレームの対応する前方を向いた端部に取り付けられる請求項12に記載のキャリア。
【請求項15】
前記支持体が、前記垂直部に沿って前記支持体の位置を調節可能な連結手段により、各垂直部に取り付けられる請求項12に記載のキャリア。
【請求項16】
各垂直部が、前記連結手段により選択的に係合可能な、離間して配置される、前方を向いたノッチを有する請求項15に記載のキャリア。
【請求項17】
前記連結手段が、前記支持体に取り付けられるとともに、ネジにより前記垂直部の任意の位置において垂直部の周囲に締着可能に構成される、クランプ手段の形態をとる請求項15に記載のキャリア。
【請求項18】
各垂直部は、前記支持体が垂直部に対して回転することを防止するために、前記クランプ手段の締め付けネジにより係合可能な、前方を向いた平面を有する請求項17に記載のキャリア。
【請求項19】
前記支持体は、前記垂直部の後方を向いた部分を包囲するU字状に屈曲した金属シートの形態をとり、前記クランプ手段を形成する2個の切取部分を有する支持構造を有し、これら切取部分は、前記締め付けネジにより前記垂直部の前部に係合可能である、請求項17に記載のキャリア。
【請求項20】
前記クロスメンバー上に設けられた用具運搬構造を取り付けるための手段が、角度間隔をおいて配置される、軸方向に延びる列設された複数の隆起と、ハブ部を有する少なくとも1個の用具運搬アームとを備え、前記隆起は、前記クロスメンバーの周囲に配置されて、同クロスメンバーに沿って長手方向に延びることと、前記ハブ部は、前記隆起と係合可能な、長手方向に延び、角度間隔をおいて列設された複数の歯を内面に有し、前記アームと前記クロスメンバーを所望の異なる配向で連結することとからなる、請求項13に記載のキャリア。
【請求項21】
前記隆起が前記クロスメンバーを包囲する係合部材上に形成された請求項20に記載のキャリア。
【請求項22】
前記クロスメンバーを包囲する係合部材が分割構造を有する請求項21に記載のキャリア。
【請求項23】
前記ハブ部が分割構造を有する請求項20に記載のキャリア。
【請求項24】
前記支持体が通路を有し、同通路内に前記ストラップ部材が係合されることと、前記ストラップ部材は列設された複数の一方向歯を有することと、前記ラチェット機構は、歯が設けられたストラップ保持体を備え、同保持体は、前記ストラップ部材が張力付与方向へ移動され、ストラップ部材が逆方向へ移動することを防止することができるように、前記支持体に対して回動可能に取り付けられるとともに、前記保持体の歯が前記ストラップ部材の歯と係合する位置に弾性的に付勢されることとからなる請求項3に記載のキャリア。
【請求項25】
前記ストラップ張力付与部材が、前記支持体に回動可能に取り付けられるとともに、前記ストラップ部材の歯と係合可能な列設された複数の一方向歯を有するレバーの形態をとり、同レバーは、第1の位置から第2の位置への能動的な移動と、第2の位置から第1の位置へ非能動的に戻る移動とを有するように動作可能であり、第2の位置においては、前記ストラップ部材に張力が付与されることと、前記非能動的に戻る移動時においては、ストラップ保持体がストラップ部材を従前の位置に保持することとからなる、請求項24記載のキャリア。
【請求項26】
前記解放制御部材は、前記ストラップ保持体を前記ストラップ部材との係合位置から離間させるように作動可能なトリガ部材の形態をとる請求項25に記載のキャリア。
【請求項27】
前記支持体が分割構造を有する請求項24に記載のキャリア。
【請求項28】
前記ストラップ巻取手段が、前記支持体に回転可能に取り付けられたストラップ巻取ローラを備え、同ストラップ巻取ローラ上にストラップ部材を巻き取り可能であることと、前記ラチェット機構が、前記巻取ローラに取り付けられ、列設された複数の一方向歯を有する少なくとも1個の爪車と、前記支持体に回動可能に取り付けられ、前記爪車の歯と自身の歯が係合する位置に弾性的に付勢される保持体とを備え、張力が付与されるストラップ巻取方向に爪車が回転することを可能にし、爪車の逆方向への回転が防止されることとからなる請求項8に記載のキャリア。
【請求項29】
前記ストラップ張力付与部材は、前記支持体に回動可能に取り付けられるとともに歯を有する爪を備えたレバーの形態をとり、前記爪は、前記張力を付与するレバーの構造に対して回動可能に連結され、前記爪車の歯と係合する位置に弾性的に付勢されることと、前記レバーは、第1の位置から第2の位置への能動的な移動と、第2の位置から第1の位置へ非能動的に戻る移動とを有するように動作可能であり、第2の位置においては、前記爪が爪車をストラップ巻取り方向へ回転させることと、前記非能動的に戻る移動時においては、保持体が爪車を従前の位置に保持することとからなる、請求項28に記載のキャリア。
【請求項30】
前記解放制御部材は、前記保持体を前記爪車との係合位置から離間させるために作動可能なトリガ部材の形態をとる請求項29に記載のキャリア。
【請求項31】
前記支持体が、キャリアのフレームの一部を形成する垂直部に取り付けられることと、前記張力を付与するレバーは、前記垂直部の前方に位置する軸線の周囲において前記支持体に回動可能に取り付けられ、垂直部が配置される通路を備えた、垂直部の後方へ延びる本体を有することとからなる請求項25または請求項29に記載のキャリア。
【請求項32】
前記解放制御部材が、前記垂直部の前方を指向する前記支持体上に配置されるトリガ部材の形態をとり、同トリガ部材を後方へ引っ張ることにより動作可能である、請求項31に記載のキャリア。
【請求項33】
トランクの蓋やドア等の車両構造の後部部品に取り付けるための用具キャリア装置であって、
前記車両部品の下部領域に対して係合可能な下方係合手段を有するフレームと、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、1個以上の用具を運搬するための構造と、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する、前記下部領域よりも上方の位置において車両部品を係合するための少なくとも1個の車両係合部材と、
車両部品の上部領域に対して係合するための上方係合手段を有するストラップ部材と、
前記フレームに対して連結されるか、同フレームの一部を形成する少なくとも1個の支持体であって、同支持体には、前記ストラップ部材が一体的に前記キャリア装置の一部を構成するように、前記ストラップ部材により永久的に係合されるストラップ係合手段が設けられ、これにより前記キャリア装置が別の追加ストラップ部材を必要とすることなく、車両に取り付け可能であることと
を備えた用具キャリア装置。
【請求項34】
前記用具運搬構造が、自転車、スキー板、スノーボード、荷物等の異なる用具を運搬するように構成される複数の異なる構造から選択される請求項20に記載のキャリア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公表番号】特表2006−504567(P2006−504567A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547909(P2004−547909)
【出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004773
【国際公開番号】WO2004/039635
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(505163811)
【氏名又は名称原語表記】PEDRINI,Fabio
【Fターム(参考)】