説明

車載用空気圧縮機

【課題】パンクしたタイヤを修復して空気を注入する時間を大幅に短縮し、管体通路を介して空気圧縮機内に接着液が逆流することを防ぐことができる上、安全かつ効率良くパンクしたタイヤを修復して空気を注入することができる車載用空気圧縮機を提供する。
【解決手段】車載用空気圧縮機は、ケース1、補修容器缶2及び直列接続フレキシブル管7を備える。ケース1には、電源がオンされると空気に圧力を加える空気圧縮機が内蔵される。空気の圧力は、空気圧縮機の排気マニホールド15から出力される。補修容器缶2は、開口端21及びチャンバを有する缶体である。缶体の開口端21に蓋体3が螺合される。直列接続フレキシブル管7は、一方の端部に接続された第1のアダプタ71と、他方の端部に接続された第2のアダプタ72とを有する。第1のアダプタ71は、蓋体3の接着液取出し管32に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用空気圧縮機に関し、特に、空気圧縮機が内蔵されたケースを含み、接着液が収容された補修容器缶が有する蓋体の吸気端管が空気圧縮機の排気マニホールドに結合され、吸気端管内には、蓋体の内壁に接続した管体の頂端まで延びた第1の可撓性線体が配置され、蓋体の接着液取り出し管には、直列接続フレキシブル管が結合され、接着液取り出し管内には、バルブ台まで延びた第2の可撓性線体が配置され、排気マニホールドを介して第1の可撓性線体により管体上端に設けたプラグを押し開くと、空気が接着液を通らずに直接、管体を介して下向きに排出されて接着液の上表面を押圧し、直列接続フレキシブル管により第2の可撓性線体が押されるとバルブリングが押し開かれ、接着液取り出し管及び直列接続フレキシブル管により、パンクしたタイヤのバルブに接着液が注入され、安全かつ効率良くタイヤのパンクを補修したりタイヤへ空気を注入したりする車載用空気圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤのパンクを補修したりタイヤへ空気を注入したりする従来の空気圧縮機は、空気を圧縮する空気圧縮機が内蔵されたケースと、接着液が収容された独立式の補修容器缶と、2つの直列接続フレキシブル管と、を含む。補修容器缶の開口端に螺合された蓋体には、吸気端管及び接着液取出し管が配置され、蓋体には、補修容器缶内の接着液の水位より低い長さを有する管体が取り付けられ、管体の開口端は、バルブ栓により封止され、接着液をタイヤに注入してパンクを補修する際、ユーザは補修容器缶の吸気端管及び空気圧縮機のマニホールドへ直列接続フレキシブル管を接続し、もう一つの直列接続フレキシブル管を補修容器缶の接着液取出し管を介し、パンクしたタイヤのバルブへ接続するが、空気圧縮機のスイッチがオンされると、マニホールドから蓋体の吸気端管へ圧縮空気が送られるとともに管体のバルブ栓が開放される。
【0003】
しかし、圧縮空気を補修容器缶内に入れるには、補修容器缶内に収容された接着液の上表面の缶内頂端に形成した残存空間に通し、空気の圧力が十分高くなると、空気の圧力により押圧された接着液が接着液取出し管から流出する。しかしこのような方式の場合、補修容器缶内に元々収容されている接着液の水位により生じる抵抗力を克服する必要がある。特に、接着液の場合、粘度が高い上、極寒地域で使用する場合、パンクしたタイヤへ接着液を注入したりタイヤへ空気を注入したりするのに多くの時間がかかることがあるため、補修作業を緊急に行う際、非常に面倒かつ不便であった。また、空気を送る管体は、補修容器缶内の接着液の水位よりも低い位置にあるため、圧縮空気が管体を介して送られる際、接着液も一緒に管体内に入り、空気圧縮機のマニホールド内に(重力の関係により)逆流して空気圧縮機を汚してしまうことがあり、最悪の場合それによって内部の構造を損壊させる虞があった。
【0004】
従来の装置の欠点に鑑み、本発明者は零下40℃の低温環境下でも高効率かつ速やかにパンクしたタイヤを補修したり空気を注入したりすることができる車載用空気圧縮機を開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、パンクしたタイヤを修復したり空気を注入したりする時間を大幅に短縮し、管体通路を介して空気圧縮機内に接着液が逆流することを防ぐことができる上、安全かつ効率良くパンクしたタイヤを修復してタイヤへ空気を注入することができる車載用空気圧縮機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、ケース、補修容器缶及び直列接続フレキシブル管を備えた車載用空気圧縮機であって、前記ケースには、電源がオンされると空気に圧力を加える空気圧縮機が内蔵され、前記空気の圧力は、前記空気圧縮機の排気マニホールドから出力され、前記補修容器缶は、開口端及びチャンバを有する缶体であり、前記チャンバには、自動車のタイヤを補修する接着液が収容され、前記缶体の前記開口端に蓋体が螺合され、前記蓋体には、前記チャンバに注入された接着液の水位より高い長さを有する管体が接続され、前記管体の開放端がプラグにより封止され、前記蓋体の外側には、内通路をそれぞれ有する吸気端管及び接着液取出し管がそれぞれ接続され、前記吸気端管の内通路及び前記管体の長通路内に第1の可撓性線体が延びて挿入され、前記吸気端管には、前記空気圧縮機の前記排気マニホールドが結合され、前記直列接続フレキシブル管は、一方の端部に接続された第1のアダプタと、他方の端部に接続された第2のアダプタと、を有し、前記第1のアダプタは、前記蓋体の前記接着液取出し管に接続され、前記第2のアダプタは、自動車のタイヤのバルブに接続されることを特徴とする車載用空気圧縮機が提供される。
【0008】
また、前記ケースの外側には、凹状の嵌着口が設けられ、前記空気圧縮機の前記排気マニホールドは、前記ケースから延びて前記嵌着口から露出され、前記補修容器缶に螺合された前記蓋体が前記嵌着口に設置されると、前記蓋体の前記吸気端管が前記空気圧縮機の前記排気マニホールドにちょうど係合されることが好ましい。
【0009】
また、前記補修容器缶は、開口端が底部に設けられるとともに底壁が頂部に設けられ、前記ケースの前記嵌着口に配置され、前記補修容器缶内に収容された接着液の頂端面と缶体の底壁との間には、隙間空間が形成されることが好ましい。
【0010】
また、前記蓋体の内径部には、長通路を有する管体が設けられ、前記管体の長通路と前記蓋体の前記吸気端管の内通路とが連通し、前記管体の外周と前記蓋体の内径壁との間に形成される空間は、前記接着液取出し管の内通路と連通することが好ましい。
【0011】
また、前記蓋体の内壁上には、バルブ台が形成され、前記ブルブ台は、前記管体の外周に設けられた環状凹溝を有し、前記環状凹溝には、通路が設けられ、内側に設けられたバルブリングにより前記通路が封止され、前記バルブ台の通路と前記接着液取出し管内の通路とが連通することが好ましい。
【0012】
また、前記吸気端管及び前記接着液取出し管は、前記蓋体の外環側上に設けられ、前記吸気端管の内通路と前記管体の長通路とが連通し、前記接着液取出し管の内通路は、環状凹溝の通路と連通することが好ましい。
【0013】
また、前記第1の可撓性線体は、第1の先端頭部及び第2の先端頭部を有し、前記第1の先端頭部は、突起端と、互いに間隔をおいて配置された複数のバンプと、前記バンプ間に凹設された流通溝と、を有し、前記第2の先端頭部は、前記管体の端部を封止するプラグであることが好ましい。
【0014】
また、第2の可撓性線体は、第1の先端頭部及び第2の先端頭部を有し、前記第2の先端頭部は、環状凹溝内に設けたバルブリングに当接され、前記第1の先端頭部は、外リングを有し、前記外リングの内径部には、互いに連結した柱体と、互いに間隔をおいて配置された複数のバンプと、が設けられ、前記バンプ間には、流通溝が形成されることが好ましい。
【0015】
また、前記空気圧縮機の前記排気マニホールドの前端管口内には、撃針が設けられ、前記排気マニホールドが前記蓋体の前記吸気端管に結合されると、第2の可撓性線体により前記バルブリングが押圧されて前記環状凹溝から外れ、前記接着液取出し管内の通路へ接着液が注入されることが好ましい。
【0016】
また、前記蓋体の外環側には、前記接着液取出し管が設けられ、前記蓋体の頂壁には、前記接着液取出し管に対して垂直に前記吸気端管が設けられ、前記吸気端管の内通路と、前記管体の長通路とは直線状を呈し、前記吸気端管内に設けられた前記第1の可撓性線体は、前記管体の長通路の頂端まで直線状に延びることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車載用空気圧縮機は、パンクしたタイヤを修復したりタイヤへ空気を注入したりする時間を大幅に短縮し、管体通路を介して空気圧縮機内に接着液が逆流することを防ぐことができる上、安全かつ効率良くパンクしたタイヤを修復してタイヤへ空気を注入することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機のケース、補修容器缶及び直列接続フレキシブル管を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機を自動車のタイヤに使用し、パンクを補修しながら空気を注入するときの状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機のケースと、空気圧縮機の排気マニホールド及び補修容器缶とを結合したときの状態を示す部分透視斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機の補修容器缶が空気圧縮機の排気マニホールド及び直列接続フレキシブル管の第1のアダプタにまだ結合されていないときの状態を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機の第1の可撓性線体を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機の第2の可撓性線体を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機の排気マニホールドと補修容器缶とを結合させたときの状態を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機によりタイヤのパンクを補修したり、空気を注入したりするときの状態を示す模式図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係る車載用空気圧縮機の空気圧縮機、補修容器缶及び直列接続フレキシブル管を示す分解斜視図である。
【図10】本発明の他の実施形態に係る車載用空気圧縮機の空気圧縮機、補修容器缶及び直列接続フレキシブル管を結合したときの状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る車載用空気圧縮機の空気圧縮機、補修容器缶及び直列接続フレキシブル管を結合したときの状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0020】
図1〜図3を参照する。図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係る車載用空気圧縮機は、少なくともケース1、補修容器缶2及び直列接続フレキシブル管7から構成される。ケース1上には、押圧式のスイッチ11と、凹状の嵌着口12と、が設けられる。ケース1内部には、空気圧縮機13が配置される。空気圧縮機13の排気マニホールド15は、延びて嵌着口12から露出される。補修容器缶2の開口端21には、蓋体3が螺合される。蓋体3は、吸気端管31及び接着液取出し管32を有する。直列接続フレキシブル管7は、一方の端部に接続された第1のアダプタ71と、他方の端部に接続された第2のアダプタ72と、を有する。補修容器缶2は、底部に設けられた開口端21と、頂部に設けられた底壁22と、を有するとともにケース1の嵌着口12上に設置される。蓋体3の吸気端管31は、空気圧縮機13の排気マニホールド15に係止され、直列接続フレキシブル管7の第1のアダプタ71は、蓋体3の接着液取出し管32に係止され、タイヤのパンクを補修したりタイヤへ空気を注入したりする際、直列接続フレキシブル管7の第2のアダプタ72をタイヤのバルブ8に螺合し、自動車又はその他DC電源からケース1へ電源が供給されると、空気圧縮機13から供給される空気により補修容器缶2内に収容された接着液20を押圧し、直列接続フレキシブル管7を介してパンクしたタイヤ81内に注入され、タイヤ81のパンクを補修したりタイヤ81へ空気を注入したりすることができる。
【0021】
図4〜図8を参照する。図4〜図8に示すように、本実施形態の車載用空気圧縮機の補修容器缶2は、中空状を呈して接着液20を収容するチャンバ23が形成されて開口端21を有する。この開口端21は、内径壁に形成された首部チャンバ24を有し、外径に蓋体3が螺合される。この蓋体3には、内壁に長通路65を有する管体6が設けられている。管体6の他方の端部に設けられた開放端61は、プラグ60により封止される。管体6の底端外周に設けられた蓋体の内壁上へ環状凹溝621のバルブ台62が設けられ、環状凹溝621には通路64が設けられる。ゴム材料からなるバルブリング63をバルブ台62の環状凹溝621上に設置し、バルブリング63により環状凹溝621の通路64を封止する。蓋体3の外側には、吸気端管31及び接着液取出し管32が設けられる。吸気端管31は、内通路310を有し、前述の管体6の長通路65と連通する。適宜な長さを有する第1の可撓性線体4(図5参照)は、第1の先端頭部41及び第2の先端頭部42を有する。第1の先端頭部41は、前部突起端410と、互いに間隔をおいて配置された複数のバンプ411と、2つのバンプ411間に、凹設された流通溝412と、を有する。第1の可撓性線体4は、吸気端管31の内通路310と、管体6の長通路65との中に延ばして配置される。第2の先端頭部42は、管体6の端部を封止するプラグ60でもよい。第1の先端頭部41は、吸気端管31の入口311に設けられる。接着液取出し管32は、内通路320を有し、バルブ台62に設けられた環状凹溝621の通路64と連通し、接着液取出し管32内に第2の可撓性線体5が設けられている(図6参照)。第2の可撓性線体5は、第1の先端頭部51及び第2の先端頭部52を有する。第2の先端頭部52は、環状凹溝621内に設けたバルブリング63に当接される。第1の先端頭部51は、外リング512を有する。外リング512の内径部には、互いに連結した柱体510と、互いに間隔をおいて配置された複数のバンプ511と、が設けられている。間隔をおいて配置されたバンプ511間には、流通溝513が形成されている。蓋体3と補修容器缶2とを結合させると、パッキンリング33により蓋体3が、補修容器缶2の開口端21に螺合されて高い安定性及び密封性を得ることができる。
【0022】
空気圧縮機13の排気マニホールド15の前端管口は、撃針151を有する。排気マニホールド15が蓋体3の吸気端管31に結合されると、前述の第1の可撓性線体4の第1の先端頭部41上に設けられた前部突起端410が、空気圧縮機13の排気マニホールド15の撃針151により押されて移動し、第1の可撓性線体4の第2の先端頭部42により管体6の開放端61上のプラグ60が外されると(図7参照)、圧縮空気が流通溝412を介して入り、内通路310及び管体6の長通路65を流れ、管体6の開放端61から補修容器缶2の隙間空間M0内へ供給される。この過程では、出力される圧縮空気が補修容器缶2内の接着液20を通らずに、接着液20の上表面へ直接作用するため、抵抗力がほとんど存在しない。
【0023】
タイヤ81のパンクを補修する場合、直列接続フレキシブル管7の第1のアダプタ71が蓋体3の接着液取出し管35に結合され、直列接続フレキシブル管7の第1のアダプタ71が接着液取出し管35内の第2の可撓性線体5の第1の先端頭部51を押して移動させ、第2の可撓性線体5の第2の先端頭部52により、バルブリング63を環状凹溝621の外へ押し出し、通路64、内通路320及び直列接続フレキシブル管7の通路73を介して接着液20がバルブ8内に入る。
【0024】
パンクしたタイヤ81を補修するために用いる接着液20は、前述の補修容器缶2のチャンバ23へ収容される。接着液20が収容される補修容器缶2の初期収容高さはL0であり(図8参照)、補修容器缶2は、底部に設けられた開口端21と、頂部に設けられた底壁22と、を有し、使用する際、接着液20の初期収容高さL0と底壁22との間に僅かな空間が残される(以下「隙間空間M0」という)。本発明の主な特徴の一つは、チャンバ23内の管体6の高さL1が、チャンバ23内の接着液20の初期収容高さL0より高いことにある。このような構成により、空気圧縮機13の圧縮空気が直接、管体6の長通路65を介して前述した補修容器缶2内で接着液20により占有された隙間空間M0内に入り、空気の圧力により接着液20の上表面が押圧されると、接着液取出し管32から接着液20が流出される。
【0025】
このように、本発明の方式は従来技術と異なる。従来技術では、空気の圧力が、接着液20の底方から上方へ向かい、接着液20の上表面へ出てから接着液20を押圧し、接着液取出し管32から排出されるため、このような余計な抵抗力を克服する必要がある。また、接着液20の粘度が高かったり、極寒地域で使用したりする場合、空気が接着液20を通るのに多くの時間がかかることがあるが、本発明は、タイヤのパンクを補修したりタイヤへ空気を注入したりするのに必要な時間を大幅に減らし、操作の利便性を高めることができる。
【0026】
図7及び図8を参照する。図7及び図8に示すように、補修容器缶2は、蓋体3の吸気端管31と空気圧縮機13の排気マニホールド15との連結関係を利用したり、接着液取出し管32と、直列接続フレキシブル管7の第1のアダプタ71との連結関係を利用したりしてもよい。タイヤへ接着液を注入してパンクを補修したりタイヤへ空気を注入したりする場合、空気圧縮機13で発生した空気が排気マニホールド15から蓋体3の吸気端管31の内通路310へ入り、内通路310と管体6の長通路65とが連通した状態となり、管体6の開放端61上のプラグ60を第1の可撓性線体4により押して外すと、隙間空間M0に入った空気により接着液20の上表面へ圧力が直接加えられ、接着液20が開口端21の首部チャンバ24を通り、第2の可撓性線体5により直列接続フレキシブル管7の第1のアダプタ71が押し開かれ、バルブ台62の通路64上のバルブリング63に当接され、バルブリング63が首部チャンバ24に押し付けられる。この際、バルブリング63と首部チャンバ24との間に形成された空隙から接着液20が流出し、接着液取出し管32の内通路320から直列接続フレキシブル管7の第1のアダプタ71内へ流れる(図7及び図8参照)。そして接着液20は、第1のアダプタ71から直列接続フレキシブル管7へ入った後、第2のアダプタ72を介してタイヤ81内に入る(図2参照)。
【0027】
図9〜図11を参照する。図9〜図11に示すように、本発明の他の実施形態に係る車載用空気圧縮機は、蓋体3の外環側に接着液取出し管35が設けられる。蓋体3の頂壁には、接着液取出し管35に対して垂直に吸気端管34が設けられる。吸気端管34の内通路340と、管体6の長通路65とは直線状を呈し、吸気端管34内に設けられた第1の可撓性線体4を管体6の長通路65の頂端まで直線状に延ばすことができるため、本発明を商品化して製造する際、メーカは必要に応じて製造物を設置する方向を変更することができる。
【0028】
上述したことから分かるように、本発明の構造は、従来の装置と異なり、新規性を備えるだけでなく、空気圧縮機13により発生した空気の圧力が、補修容器缶2内の接着液20の水位より管体6を高くすることにより、空気圧力が接着液20内部から上に向かって通る際に発生する抵抗力を克服する必要がなく、空気圧力が管体6を直接通って補修容器缶2の隙間空間M0内に達するため、操作時間を大幅に短縮することができる。また、空気圧縮機13の排気マニホールド15が直接、第1の可撓性線体4を介して管体6の開放端61上のプラグ60を直接押し外し、第2の可撓性線体5により、直列接続フレキシブル管7の第1のアダプタ71を直接押し開いてバルブ台62の通路64上のバルブリング63へ当接させると、接着液20が、バルブリング63と首部チャンバ24との間の空隙を流動し、接着液取出し管32の内通路320から直列接続フレキシブル管7へ流れた後、パンクしたタイヤ81内に注入されるため、本発明が進歩性を備えて特許要件を満たすことは明白である。
【0029】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0030】
1 ケース
2 補修容器缶
3 蓋体
4 第1の可撓性線体
5 第2の可撓性線体
6 管体
7 直列接続フレキシブル管
8 バルブ
11 スイッチ
12 嵌着口
13 空気圧縮機
15 排気マニホールド
20 接着液
21 開口端
22 底壁
23 チャンバ
24 首部チャンバ
31 吸気端管
32 接着液取出し管
33 パッキンリング
34 吸気端管
35 接着液取出し管
41 第1の先端頭部
42 第2の先端頭部
51 第1の先端頭部
52 第2の先端頭部
60 プラグ
61 開放端
62 バルブ台
63 バルブリング
64 通路
65 長通路
71 第1のアダプタ
72 第2のアダプタ
73 通路
81 タイヤ
151 撃針
310 内通路
311 入口
320 内通路
340 内通路
350 内通路
410 前部突起端
411 バンプ
412 流通溝
510 柱体
511 バンプ
512 外リング
513 流通溝
621 環状凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース、補修容器缶及び直列接続フレキシブル管を備えた車載用空気圧縮機であって、
前記ケースには、電源がオンされると空気に圧力を加える空気圧縮機が内蔵され、前記空気の圧力は、前記空気圧縮機の排気マニホールドから出力され、
前記補修容器缶は、開口端及びチャンバを有する缶体であり、前記チャンバには、自動車のタイヤを補修する接着液が収容され、前記缶体の前記開口端に蓋体が螺合され、前記蓋体には、前記チャンバに注入された接着液の水位より高い長さを有する管体が接続され、前記管体の開放端がプラグにより封止され、前記蓋体の外側には、内通路をそれぞれ有する吸気端管及び接着液取出し管がそれぞれ接続され、前記吸気端管の内通路及び前記管体の長通路内に第1の可撓性線体が延びて挿入され、前記吸気端管には、前記空気圧縮機の前記排気マニホールドが結合され、
前記直列接続フレキシブル管は、一方の端部に接続された第1のアダプタと、他方の端部に接続された第2のアダプタと、を有し、前記第1のアダプタは、前記蓋体の前記接着液取出し管に接続され、前記第2のアダプタは、自動車のタイヤのバルブに接続されることを特徴とする車載用空気圧縮機。
【請求項2】
前記ケースの外側には、凹状の嵌着口が設けられ、
前記空気圧縮機の前記排気マニホールドは、前記ケースから延びて前記嵌着口から露出され、
前記補修容器缶に螺合された前記蓋体が前記嵌着口に設置されると、前記蓋体の前記吸気端管が前記空気圧縮機の前記排気マニホールドにちょうど係合されることを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項3】
前記補修容器缶は、開口端が底部に設けられるとともに底壁が頂部に設けられ、前記ケースの前記嵌着口に配置され、前記補修容器缶内に収容された接着液の頂端面と缶体の底壁との間には、隙間空間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項4】
前記蓋体の内径部には、長通路を有する管体が設けられ、
前記管体の長通路と前記蓋体の前記吸気端管の内通路とが連通し、
前記管体の外周と前記蓋体の内径壁との間に形成される空間は、前記接着液取出し管の内通路と連通することを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項5】
前記蓋体の内壁上には、バルブ台が形成され、
前記ブルブ台は、前記管体の外周に設けられた環状凹溝を有し、
前記環状凹溝には、通路が設けられ、内側に設けられたバルブリングにより前記通路が封止され、前記バルブ台の通路と前記接着液取出し管内の通路とが連通することを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項6】
前記吸気端管及び前記接着液取出し管は、前記蓋体の外環側上に設けられ、
前記吸気端管の内通路と前記管体の長通路とが連通し、
前記接着液取出し管の内通路は、環状凹溝の通路と連通することを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項7】
前記第1の可撓性線体は、第1の先端頭部及び第2の先端頭部を有し、
前記第1の先端頭部は、突起端と、互いに間隔をおいて配置された複数のバンプと、前記バンプ間に凹設された流通溝と、を有し、
前記第2の先端頭部は、前記管体の端部を封止するプラグであることを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項8】
第2の可撓性線体は、第1の先端頭部及び第2の先端頭部を有し、
前記第2の先端頭部は、環状凹溝内に設けたバルブリングに当接され、
前記第1の先端頭部は、外リングを有し、前記外リングの内径部には、互いに連結した柱体と、互いに間隔をおいて配置された複数のバンプと、が設けられ、
前記バンプ間には、流通溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項9】
前記空気圧縮機の前記排気マニホールドの前端管口内には、撃針が設けられ、
前記排気マニホールドが前記蓋体の前記吸気端管に結合されると、第2の可撓性線体により前記バルブリングが押圧されて前記環状凹溝から外れ、前記接着液取出し管内の通路へ接着液が注入されることを特徴とする請求項1又は5に記載の車載用空気圧縮機。
【請求項10】
前記蓋体の外環側には、前記接着液取出し管が設けられ、
前記蓋体の頂壁には、前記接着液取出し管に対して垂直に前記吸気端管が設けられ、
前記吸気端管の内通路と、前記管体の長通路とは直線状を呈し、
前記吸気端管内に設けられた前記第1の可撓性線体は、前記管体の長通路の頂端まで直線状に延びることを特徴とする請求項1に記載の車載用空気圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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