説明

車載用電子機器

【課題】車載用電子機器において、使い勝手を向上させる。
【解決手段】前席制御部10により、車速検出器12による車の走行検出をした場合に、前席操作部11の操作を無効化するとともに、後席表示器15の一部に、前席操作部11の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成としたものであるので、後席に座る同乗者の意思を反映させた操作が行われるようになることで、使い勝手を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置等に活用される車載用電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種車載用電子機器の構成は、以下のようになっていた。
【0003】
すなわち、車内の前席側に装着される前席操作デバイスと、前記車内の後席側に装着される後席操作デバイスとを備え、前記前席操作デバイスは、地図情報を表示する前席表示器と、この前席表示器に接続した前席制御部と、この前席制御部に接続した前席操作部、車速検出器、位置検出器、メモリとを有し、前記後席操作デバイスは、後席表示器と、この後席表示器の表示内容を操作する後席操作部とを有する構成となっていた(例えば下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−37375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
すなわち、上記従来例においては、運転者が前席において前席操作部を操作しているときに、車を発進させなければならない状況になった場合、前席操作部の操作を無効化することで、運転に対する安全性を高めている。
【0006】
そして、この状態になったときには、後席表示器に前席操作部の操作代行を指示することで、運転者が入力しようとしていた目的地情報を後席の同乗者に依頼することとなっていた。しかしながら、後席の同乗者は後席表示器によって例えば、映画を視聴していた場合には、その映画の視聴を中断させられることにもなり、使い勝手の悪いものとなることもあった。
【0007】
そこで本発明は、使い勝手の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために本発明は、車内の前席側に装着される前席操作デバイスと、前記車内の後席側に装着される後席操作デバイスとを備え、前記前席操作デバイスは、地図情報を表示する前席表示器と、この前席表示器に接続した前席制御部と、この前席制御部に接続した前席操作部、車速検出器、位置検出器、メモリとを有し、前記後席操作デバイスは、後席表示器と、この後席表示器の表示内容を操作する後席操作部とを有し、前記前席制御部は、前記車速検出器による車の走行検出をした場合に、前記前席操作部の操作を無効化するとともに、前記後席表示器の一部に、前記前席操作部の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明は、車内の前席側に装着される前席操作デバイスと、前記車内の後席側に装着される後席操作デバイスとを備え、前記前席操作デバイスは、地図情報を表示する前席表示器と、この前席表示器に接続した前席制御部と、この前席制御部に接続し
た前席操作部、車速検出器、位置検出器、メモリとを有し、前記後席操作デバイスは、後席表示器と、この後席表示器の表示内容を操作する後席操作部とを有し、前記前席制御部は、前記車速検出器による車の走行検出をした場合に、前記前席操作部の操作を無効化するとともに、前記後席表示器の一部に、前記前席操作部の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成としたものであるので、使い勝手を向上させることができるのである。
【0010】
すなわち、本発明においては、前記前席制御部により、前記車速検出器による車の走行検出をした場合に、前記前席操作部の操作を無効化するとともに、前記後席表示器の一部に、前記前席操作部の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成としたものであるので、後席に座る同乗者の意思を反映させた操作が行われるようになることで、使い勝手を向上させることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1における車載用電子機器を車両に搭載した状態を示す平面図
【図2】同車載用電子機器の制御ブロック図
【図3】同車載用電子機器の前席表示器と後席表示器の表示内容を示す図
【図4】同車載用電子機器のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を用いて説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1において、1は車両を示し、室内2の右手前方にはハンドル3が配置されている。また、ハンドル3に対向させて右側には運転席4、左側には助手席5が配置されている。さらに、運転席4の左手前方でハンドル3の左側には、前席操作デバイス6が配置されている。また、運転席4と助手席5の間には、後席7用の後席操作デバイス8が設けられている。
【0014】
図2は、前席操作デバイス6と後席操作デバイス8の制御ブロックを示している。この内、前席操作デバイス6は、地図情報を表示する前席表示器9と、この前席表示器に接続した前席制御部10と、この前席制御部10に接続した前席操作部11、車速検出器12、位置検出器13、地図情報を収納したメモリ14とを備えている。
【0015】
また、後席操作デバイス8は、後席表示器15と、この後席表示器15の表示内容を操作する後席操作部16とを備えている。
【0016】
前記前席制御部10は、前記車速検出器12による車の走行検出をした場合に、前記前席操作部11の操作を無効化するとともに、前記後席表示器15の一部に、前記前席操作部11の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成としたものである。
【0017】
以下に、この点について詳細に説明する。
【0018】
まず、運転席4に座った運転者が前席操作デバイス6の前席操作部11により例えば、目的地入力を実行しようとしたときに(図4のS1)、前方の信号が青(進行可)になった場合(図4のS2)、前席制御部10は、車速検出器12により発進を検出し、前席操作部11の操作を強制的に停止させる(図4のS3)。
【0019】
このときの状態は、前席表示器9は、図3(a)の如く目的地を電話番号検索で入力し
ようとして、3桁入力した状態であるが、上述した強制停止により図3(c)の如くこの前席表示器9は、表示を暗くして前席操作部11の操作強制停止を運転者に知らしめる。
【0020】
前席制御部10は、図3(a)に示した電話番号入力が前記操作強制停止前の一定時間内に継続して行われていたか否かを判定し、継続して行われていた場合には、図3(d)の如く後席表示器15の一部に前記前席操作部11の操作代行をするか否かの返信キー17を表示させる構成としている(図4のS4〜S7)。
【0021】
つまり、図3(a)の状態において、後席7に座った同乗者は後席操作デバイス8の後席表示器15によって映画や情報番組を見ていたときに、図3(c)のような状態が発生した場合には、図3(d)の如く後席表示器15の一部に前記前席操作部11の操作代行をするか否かの返信キー17が表示される。
【0022】
このとき、後席7に座った同乗者は返信キー17を確認し、運転者の操作代行をすることを了承する場合には、OKボタン18を押すことになる。すると、前席制御部10は、図3(a)で表示されていた内容を後席表示器15に表示させることになる。
【0023】
後席7の同乗者は、図3(a)の電話番号を継続的に入力し、返信キー17を押せばその検索結果に基づく目的地設定が行われ、目的地までの地図が前席表示器9に表示されることになる(図4のS8〜S11)。
【0024】
一方、S8において、後席7の同乗者が図3(d)のCANCELボタン19を押せば、後席表示器15の返信キー17表示は消え、また図3(a)の状態が転送されることもなく、上述した映画や情報番組を継続して視聴することができる。
【0025】
つまり、後席7に座った同乗者の意思で運転者の操作代行を引き受けるか否かの選択ができ、使い勝手の良いものとなる。
【0026】
なお、上記実施形態における前席制御部10により、車速検出器12による車の走行検出が所定時間継続された場合に、前記後席表示器15の一部に、前記前席操作部11の操作代行をするか否かの返信キー17を表示させる構成としてもよい。
【0027】
つまり、信号で度々運転と停止が繰り返される状況においては、図3(d)に示す返信キー17が、後席表示器15に度々表示されることとなって後席7に座る同乗者に不快感を与えるのを避けるため、走行検出が所定時間継続されたとき、つまり、安定した走行状態で運転者に前席操作部11の操作をする機会が定常的に現れないときにのみ図3(d)に示すような返信キー17表示を行わせるようにするものである。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明においては、前記前席制御部により、前記車速検出器による車の走行検出をした場合に、前記前席操作部の操作を無効化するとともに、前記後席表示器の一部に、前記前席操作部の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成としたものであるので、後席に座る同乗者の意思を反映させた操作が行われるようになることで、使い勝手を向上させることができるのである。
【0029】
したがって、車載用電子機器としての活用が期待される。
【符号の説明】
【0030】
1 車両
2 室内
3 ハンドル
4 運転席
5 助手席
6 前席操作デバイス
7 後席
8 後席操作デバイス
9 前席表示器
10 前席制御部
11 前席操作部
12 車速検出器
13 位置検出器
14 メモリ
15 後席表示器
16 後席操作部
17 返信キー
18 OKボタン
19 CANCELボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の前席側に装着される前席操作デバイスと、前記車内の後席側に装着される後席操作デバイスとを備え、
前記前席操作デバイスは、地図情報を表示する前席表示器と、この前席表示器に接続した前席制御部と、この前席制御部に接続した前席操作部、車速検出器、位置検出器、メモリとを有し、
前記後席操作デバイスは、後席表示器と、この後席表示器の表示内容を操作する後席操作部とを有し、
前記前席制御部は、前記車速検出器による車の走行検出をした場合に、前記前席操作部の操作を無効化するとともに、前記後席表示器の一部に、前記前席操作部の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成とした車載用電子機器。
【請求項2】
前席制御部は、車速検出器による車の走行検出前の一定時間内に前席操作部が操作された場合に、前記前席操作部の操作を無効化するとともに、前記後席表示器の一部に、前記前席操作部の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成とした請求項1に記載の車載用電子機器。
【請求項3】
前席制御部は、車速検出器による車の走行検出が所定時間継続された場合に、前記後席表示器の一部に、前記前席操作部の操作代行をするか否かの返信キーを表示させる構成とした請求項1または2に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−14187(P2013−14187A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−147009(P2011−147009)
【出願日】平成23年7月1日(2011.7.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】