説明

車載装置、記憶装置、及び車載システム

【課題】セットアップ作業の作業負担をより低減させることが可能な車載装置等を提供する。
【解決手段】
車載器に挿入されたセットアップカードからのセットアップ情報の読み出しが許可されている場合(S205:Yes)、この車載器にてセットアップが実行され(S220)、以後、セットアップカードからのセットアップ情報の読み出しが禁止される(S225)。一方、セットアップ情報の読み出しが禁止されている場合(S205:No)、この車載器によりセットアップカードから車載器管理番号が読み出され、このセットアップ情報がこの車載器に対応するかどうか判定される。そして、判定結果に応じて、このセットアップカードを用いて、この車載器、或いは他の車載器に対してのセットアップが既に行われたことが報知される(S240,S245)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側装置と無線通信を行い、課金のためのデータ処理を実行する車載装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路のゲートをノンストップで通過するためのシステムであるETC(Electronic Toll Collection System)が知られている。ETCでは、有料道路のゲートに設けられた路側装置と車載装置との間で無線通信が行われ課金のためのデータ処理が実行されるが、この車載装置を利用するためには、セットアップが必要となる。セットアップは、ディーラや車載装置の販売店等において、以下のようにして行われる。
【0003】
すなわち、いずれか一つの車載装置を示す情報である車載器管理番号や、車載装置の型式を示す情報である型式登録番号等を含むセットアップ情報を情報発行元から取得し、ICカードであるセットアップカードに記憶させる。そして、セットアップ情報が記憶されたセットアップカードが、このセットアップ情報に含まれている車載器管理番号が示す車載装置に挿入されると、セットアップカードからセットアップ情報が読み出され、車載装置に記憶される。このようにして車載装置にセットアップ情報を記憶させることにより、ETCの利用が可能となるのである。
【0004】
尚、特許文献1には、ETCを利用するための車載器のセットアップの方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−184531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、セットアップの不正利用を防ぐため、セットアップ終了後はセットアップカードからのセットアップ情報の読み出しは禁止される。このため、セットアップ済となったセットアップカードについては、どの車載装置に対応しているのか判別することができなくなってしまう。
【0007】
また、通常、セットアップカードには、一の車載装置に対応するセットアップ情報が記憶される。このため、複数の車載装置に対してセットアップを行う場合には、各車載装置に対応するセットアップ情報が記憶された複数のセットアップカードを用意し、各車載装置に対し、対応するセットアップカードを個別に挿入してセットアップが行われる。
【0008】
この複数の車載装置に対してのセットアップ作業の途中で、何らかの原因により、各セットアップカードと各車載装置との対応関係や、各セットアップカード及び各車載装置がセットアップ済かどうか不明となってしまう等といった事態が想定される。しかしながら、セットアップ済のセットアップカードについては、セットアップ情報を読み出すことができないため、これらのセットアップカードについては、車載装置との対応関係を特定することができない。このため、このような事態に陥ってしまうと、セットアップ済でないセットアップカードや車載装置の特定や、セットアップ済でないセットアップカードと車載装置との対応関係の特定に手間がかかってしまう。
【0009】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、セットアップ情報の不正利用を防止しつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることが可能な車載装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の発明は、自装置に対応するセットアップ情報を用いてセットアップを実行することにより、路側装置との無線通信により行われる課金のためのデータ処理の実行が許可される車載装置に関するものである。この車載装置は、いずれかの車載装置に対応するセットアップ情報の記憶が可能に構成されており、記憶したセットアップ情報を対応する車載装置に提供すると、該セットアップ情報を提供禁止とする記憶装置と通信を行う車載装置側通信手段と、車載装置側通信手段を介して記憶装置と通信を行い、該記憶装置においてセットアップ情報が提供禁止となっているか判定する禁止判定手段と、禁止判定手段による判定結果が否定判定である場合、該判定に係る記憶装置に記憶されているセットアップ情報が自装置に対応しているのであれば、セットアップの実行のため、車載装置側通信手段を介して該記憶装置から該セットアップ情報を取得する取得手段と、を備える。また、この車載装置は、禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る記憶装置から、該記憶装置に記憶されているセットアップ情報に対応する車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報を、車載装置側通信手段を介して取得し、該車載装置特定情報に基づき、該記憶装置に記憶されているセットアップ情報が自装置に対応しているかどうかを判定する対応判定手段と、禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る記憶装置においてセットアップ情報が提供禁止となっている旨と、対応判定手段による判定結果と、を報知する報知手段と、を備える。
【0011】
尚、記憶装置とは、例えば、セットアップカード等のICカードであっても良い。
こうすることにより、記憶されているセットアップ情報を用いて既にセットアップが実行され、セットアップ済となった記憶装置が車載装置に挿入された場合に、この記憶装置に記憶されているセットアップ情報がこの車載装置に対応しているかどうかを報知することができる。また、車載装置は、セットアップ済の記憶装置から、セットアップ情報のうちの車載装置特定情報のみを取得するため、セットアップ情報の漏洩の危険性を高めることなく、このような報知を行うことができる。したがって、請求項1に記載の車載装置によれば、セットアップ情報の不正利用を防止しつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることができる。
【0012】
また、請求項2には、請求項1に記載の車載装置におけるセットアップに用いられる記憶装置が記載されている。請求項2に記載されている記憶装置は、外部から取得されたセットアップ情報を記憶する記憶装置側記憶手段と、車載装置と通信を行う記憶装置側通信手段と、セットアップ情報には、該セットアップ情報が対応する車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報が含まれており、記憶装置側記憶手段に記憶されたセットアップ情報を、記憶装置側通信手段を介して、該セットアップ情報に含まれている車載装置特定情報により特定される車載装置に提供する提供手段と、提供手段によりセットアップ情報が車載装置に提供されると、以後、提供手段による該セットアップ情報の提供を禁止する禁止手段と、を備える。そして、提供手段は、禁止手段によりセットアップ情報の提供が禁止された後、該セットアップ情報に対応する車載装置についての車載装置特定情報を、記憶装置側通信手段を介して車載装置から受け付けた要求に応じて、記憶装置側通信手段を介して該車載装置に提供する。
【0013】
こうすることにより、記憶装置は、セットアップ済となった後、自身に記憶されているセットアップ情報における車載装置特定情報のみを車載装置に対して提供することができる。したがって、セットアップ情報の漏洩を防ぎつつ、車載装置に対しセットアップ情報がどの車載装置に対応しているかを通知することができる。このため、請求項2に記載の記憶装置によれば、セットアップ情報の不正利用を防止しつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることが可能となる。
【0014】
また、既に述べたように、セットアップ情報には、対応する車載装置を示す車載装置特定情報が含まれているが、記憶装置は、次のようにしてセットアップ情報に含まれている車載装置特定情報を記憶しておき、車載装置に提供しても良い。
【0015】
すなわち、請求項3に記載されているように、記憶装置は、セットアップ情報が外部から取得された後から、提供手段により該セットアップ情報が車載装置に提供されるまでの間のいずれかのタイミングで、該セットアップ情報に含まれている車載装置特定情報を、該セットアップ情報とは別に記憶装置側記憶手段に記憶させる記憶制御手段をさらに備え、提供手段は、車載装置からの要求に応じて、記憶制御手段により記憶装置側記憶手段に記憶された車載装置特定情報を、該車載装置に提供しても良い。
【0016】
具体的には、請求項4に記載されているように、記憶制御手段は、セットアップ情報が外部から取得された際に、車載装置特定情報を記憶装置側記憶手段に記憶させても良い。また、請求項5に記載されているように、記憶制御手段は、提供手段によりセットアップ情報が提供される際に、車載装置特定情報を記憶装置側記憶手段に記憶させても良い。
【0017】
また、請求項6に記載されているように、提供手段は、車載装置からの要求に応じて、禁止手段により提供が禁止されたセットアップ情報の一部として記憶装置側記憶手段に記憶されている車載装置特定情報を、該車載装置に提供しても良い。
【0018】
こうすることにより、セットアップ済となった記憶装置からのセットアップ情報の漏洩を防ぎつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることができる。
また、請求項7に記載されているように、請求項1に記載の車載装置と、請求項2に記載の記憶装置とを有する車載システムとして市場に流通させても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0019】
また、車載装置は、次のような構成を有していても良い。
すなわち、請求項8に記載されているように、車載装置は、いずれかの車載装置に対応するセットアップ情報の記憶が可能に構成されており、記憶したセットアップ情報を対応する車載装置に提供すると、該セットアップ情報を提供禁止とする記憶装置と通信を行う車載装置側通信手段と、車載装置側通信手段を介して記憶装置と通信を行い、該記憶装置においてセットアップ情報が提供禁止となっているか判定する禁止判定手段と、を備えていても良い。また、この車載装置は、さらに、禁止判定手段による判定結果が否定判定である場合、該判定に係る記憶装置に記憶されているセットアップ情報が自装置に対応しているのであれば、セットアップの実行のため、車載装置側通信手段を介して該記憶装置から該セットアップ情報を取得すると共に、車載装置側通信手段を介して該記憶装置から、該記憶装置を特定可能な情報である記憶装置特定情報とを取得する取得手段を備えていても良い。また、この車載装置は、さらに、禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る記憶装置から、該記憶装置についての記憶装置特定情報を、車載装置側通信手段を介して取得し、該記憶装置特定情報と、取得手段が取得した記憶装置特定情報とを比較することにより、該セットアップ情報が自装置に対応しているかどうかを判定する対応判定手段と、禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る記憶装置においてセットアップ情報が提供禁止となっている旨と、対応判定手段による判定結果とを報知する報知手段と、を備えていても良い。
【0020】
このような構成を有する場合であっても、セットアップ済となった記憶装置が車載装置に挿入された場合に、この記憶装置に記憶されているセットアップ情報がこの車載装置に対応しているかどうかを報知することができる。また、車載装置は、セットアップ済の記憶装置から記憶装置特定情報を読み出すため、セットアップ情報の漏洩の危険性を高めることなく、このような報知を行うことができる。したがって、請求項8に記載の車載装置によれば、セットアップ情報の不正利用を防止しつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることができる。
【0021】
また、請求項9には、請求項8に記載の車載装置におけるセットアップに用いられる記憶装置が記載されている。すなわち、請求項9に記載されているように、記憶装置は、外部から取得されたセットアップ情報を記憶する記憶装置側記憶手段と、車載装置と通信を行う記憶装置側通信手段と、セットアップ情報には、該セットアップ情報が対応する車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報が含まれており、記憶装置側記憶手段に記憶されたセットアップ情報を、記憶装置側通信手段を介して、該セットアップ情報に含まれている車載装置特定情報により特定される車載装置に提供する提供手段と、提供手段によりセットアップ情報が車載装置に提供されると、以後、提供手段による該セットアップ情報の提供を禁止する禁止手段と、を備えていても良い。そして、提供手段は、セットアップ情報を車載装置に提供する際に、自装置を特定可能な情報である記憶装置特定情報を、記憶装置側通信手段を介して車載装置に提供し、禁止手段によりセットアップ情報の提供が禁止された後、記憶装置特定情報を、記憶装置側通信手段を介して車載装置から受け付けた要求に応じて、記憶装置側通信手段を介して該車載装置に提供しても良い。
【0022】
このような構成を有する場合であっても、セットアップ情報の不正利用を防止しつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることができる。
また、請求項10に記載されているように、請求項8に記載の車載装置と、請求項9に記載の記憶装置とを有する車載システムとして市場に流通させても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】車載システムやICカードの構成を示すブロック図である。
【図2】車載器の構成を示すブロック図である。
【図3】セットアップ情報取得処理についてのフローチャートと、セットアップカードに保管されているセットアップ情報等のディレクトリ構造を示す説明図である。
【図4】セットアップカードに保管されているセットアップ情報等のディレクトリ構造を示す説明図である。
【図5】第一のセットアップ情報についてのフローチャートである。
【図6】セットアップカードに保管されているセットアップ情報等のディレクトリ構造を示す説明図である。
【図7】第二のセットアップ情報についてのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0025】
[構成の説明]
図1の(a)は、本実施形態における車載システム1についてのブロック図である。車載システム1は、例えば、ETCシステム等といったDSRCを利用したサービスにおける路側装置30と無線通信を行い、有料道路の走行料金の課金のためのデータ処理を行う車載器10と、車載器10により利用される種々の情報が記憶されているICカード20とを有している。尚、車載器10は、ETCシステム以外のDSRCを利用した各種サービスについても利用可能に構成されている。具体的には、車載器10は、有料駐車場の自動課金システムを利用可能に構成されており、この自動課金システムにおける路側装置30とDSRCによる無線通信を行い、駐車料金の課金のためのデータ処理を行うことができる。また、車載器10は、さらに、VICSを利用可能に構成されており、VICSにおける路側装置30から、DSRCによる無線通信を介して各種交通情報を取得することができる。
【0026】
まず、ICカード20について説明する。図1の(b)には、ICカード20の構成を示すブロック図が記載されている。ICカード20は、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、ICカード20の各部位を統括的に制御する制御部21と、車載器10やPC等といった外部接続機器と通信を行うICカードI/F22と、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、各種の情報を記憶する記憶部23とを有している。尚、ICカード20は、具体的には、ETCシステム等を利用する際に用いられるカードID等が記憶されている課金用カードや、後述するセットアップに用いられるセットアップカードとして用いられる。また、本実施形態では、ICカード20は接触型として構成されているが、非接触型として構成されていても良い。
【0027】
次に、車載器10について説明する。図2には、車載器10の構成を示すブロック図が記載されている。車載器10は、DSRC用の無線アンテナ11と、無線アンテナ11を介して、路側装置30とDSRCによる情報の送受信を行う無線部12と、CPU、ROM、RAM、I/O等から構成され、車載器10の各部位を統括的に制御する制御部13と、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、フラッシュメモリ)から構成され、自装置を識別する情報である車載器管理番号等といった各種の情報が記憶されている記憶部14と、ICカード20と通信を行うICカードI/F15と、ユーザからの各種操作を受け付ける操作部16と、LED等により各種表示を行う表示部17と、制御部13からの信号に基づき音声信号を生成する音声回路18と、音声回路18からの音声信号が入力されるスピーカ19とを有する。
【0028】
[動作の説明]
車載システム1における車載器10は、ディーラや車載器10の販売店においてセットアップを行うことにより、ETCシステム等の利用が可能となる。セットアップは、外部に設置されたサーバからセットアップ情報を取得し、取得したセットアップ情報を対応する車載器10に記憶させることにより実施される。ここでは、第一、第二実施形態におけるセットアップについて、それぞれ説明する。
【0029】
[第一実施形態]
(1)セットアップ情報取得処理について
(1−1)ETCシステムを利用するためのセットアップ情報の取得について
最初に、ETCシステムを利用するためのセットアップ情報の取得について説明する。まず、オンライン状態にあるPCにより、外部に設置されたサーバから所定の車載器10に対応するセットアップ情報が取得される。そして、ICカード20であるセットアップカードがICカードI/F22を介してこのPCに接続された後に、このPCに対してセットアップカードへのセットアップ情報の書き込みが指示されると、セットアップ情報取得処理が実行される。ここでは、セットアップ情報取得処理について、図3の(a)に記載のフローチャートを用いて説明する。
【0030】
S105では、上述したPCは、ICカードI/F22を介してICカード20の制御部21と通信を行い、取得したセットアップ情報を記憶部23に書き込む。ここで、記憶部23における一部の記憶領域はファイルシステムにより管理されており、このファイルシステムを介して記憶部23にセットアップ情報が書き込まれる。尚、セットアップ情報は、このセットアップ情報に対応する車載器10を示すデータである車載器管理番号や、対応する車載器10の型式を示すデータである型式登録番号や、セットアップ情報が発行された年月日を示すデータであるセットアップ情報発行日や、対応する車載器10が搭載される車両の車検番号等を示すデータである車両情報等から構成されている。これらのデータは、“ETC”という名称のフォルダに保管される。
【0031】
続いてS110では、制御部21は、記憶部23に記憶されたセットアップ情報を構成する車載器管理番号を示すデータのコピーを生成して“ETC”フォルダと同一の階層に保管し、本処理を終了する。
【0032】
尚、図3の(b)には、ファイルシステムを介して記憶部23に記憶されたセットアップ情報についてのディレクトリ構成を示す説明図が記載されている。図3の(b)に記載されているように、“ETC”フォルダ内には、“車載器管理番号”,“型式登録番号”,“セットアップ情報発行日”,“車両情報”等のデータが保管されており、これらのデータがセットアップ情報に相当する。また、“ETC”と同一の階層には、S110にて生成された“車載器管理番号”のコピーが保管されている。
【0033】
(1−2)他のサービスを利用するためのセットアップ情報の取得について
また、既に述べたように、車載器10は、ETCシステム以外にも、有料駐車場における自動課金システムやVICS等、DSRCを利用した他のサービスについても利用可能に構成されている。ここでは、DSRCを利用した他のサービスを利用するためのセットアップ情報の取得について説明する。
【0034】
他のサービスについてのセットアップ情報の取得の際も、ETCシステムについてのセットアップと同様にしてセットアップ情報取得処理が実行され、所定の車載器10に対応するセットアップ情報が、ICカード20であるセットアップカードに記憶される。他のサービスについてのセットアップ情報も、ETCシステムについてのセットアップ情報と同様に、対応する車載器10を示すデータである車載器管理番号や、対応する車載器10の型式を示すデータである型式登録番号や、セットアップ情報が発行された年月日を示すデータであるセットアップ情報発行日や、対応する車載器10が搭載される車両の車検番号等を示すデータである車両情報等から構成されている。これらのデータは、セットアップ情報取得処理の実行により、それぞれ、“車載器管理番号”,“型式登録番号”,“セットアップ情報発行日”,“車両情報”等として“DSRC”フォルダに保管される。また、“DSRC”フォルダに保管されている“車載器管理番号”のコピーが、“DSRC”フォルダと同一の階層に保管される。
【0035】
尚、図4には、セットアップカードに記憶された他のサービスについてのセットアップ情報等のディレクトリ構造を示す説明図が記載されている。図4は、ETCシステムについてのセットアップ情報が記憶された後に、さらに、このセットアップ情報と同一の車載器10に対応する他のサービスについてのセットアップ情報が記憶された場合における、セットアップカードのディレクトリ構造を示している。このような場合、“DSRC”フォルダは、ETCシステムを利用するためのセットアップ情報が保管される“ETC”フォルダとは、同一の階層に生成される。
【0036】
また、このような場合において、他のサービスについてのセットアップの際には、“ETC”フォルダと同一階層には、既に、“ETC”フォルダにおける“車載器管理番号”のコピーが保管されている。また、“ETC”フォルダにおける“車載器管理番号”と、“DSRC”フォルダにおける“車載器管理番号”とは、同一のデータとなっている。このため、このような場合には、先に生成された“車載器管理番号”のコピーに替えて、“DSRC”フォルダにおける“車載器管理番号”のコピーを保管しても良いし、“DSRC”フォルダにおける“車載器管理番号”のコピーの生成を行わなくても良い。
【0037】
(2)第一のセットアップ処理について
続いて、セットアップ情報が記憶されたセットアップカードが、このセットアップ情報に対応する車載器10、つまり、このセットアップ情報に含まれている車載器管理番号が示す車載器10に挿入されると、この車載器10は、ファイルシステムを介して記憶部23にアクセスする。そして、記憶部23からセットアップ情報を読み出し、セットアップを行う。ここでは、セットアップカードが車載器10に接続された際に、車載器10とセットアップカードとの間で実行される処理である第一のセットアップ処理について、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
S205では、車載器10の制御部13は、ICカードI/F15を介してセットアップカードの制御部21と通信を行い、ファイスシステムを介して、挿入されたセットアップカードの記憶部23にアクセスする。そして、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)に保管されているセットアップ情報の読み出しが許可されているかどうかを判定する。セットアップ情報の読み出しが許可されている場合には(S205:Yes)、S210に処理を移行し、セットアップ情報の読み出しが禁止されている場合には(S205:No)、S230に処理を移行する。
【0039】
S210では、車載器10の制御部13は、セットアップカードに記憶されているセットアップ情報が自装置に対応しているか判定する。具体的には、制御部13が、ファイルシステムを介してセットアップカードの記憶部23にアクセスし、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)に保管されているデータである“車載器管理番号”を読み出しても良い。そして、読み出した“車載器管理番号”に基づき、セットアップ情報が自装置に対応するかどうかを判定しても良い。また、例えば、セットアップカードの制御部21が、ICカードI/F22を介して車載器10の車載器管理番号を取得し、記憶されているセットアップ情報がこの車載器10に対応しているか判定し、判定結果を車載器10に通知しても良い。そして、セットアップカードに記憶されているセットアップ情報が自装置に対応していると判定された場合(S210:Yes)、S215に処理を移行する。また、セットアップカードに記憶されているセットアップ情報が自装置に対応していないと判定された場合(S210:No)、本処理を終了する。
【0040】
S215では、車載器10の制御部13は、ファイルシステムを介してICカード20の記憶部23にアクセスし、セットアップ情報を読み出して自装置の記憶部14に記憶し、セットアップを実行する。そして、制御部13は、セットアップカードにセットアップの完了を通知すると共に、表示部17や、音声回路18及びスピーカ19を介して、ユーザに対し、セットアップの完了を報知する(S220)。以後、カードID等が記憶されたICカード20である課金用カードを車載器10に挿入することにより、車載器10を用いてETCシステムや、有料駐車場の課金システム等を利用することが可能となる。また、VICS等のサービスを利用することが可能となる。
【0041】
また、セットアップカードの制御部21は、ICカードI/F22を介して車載器10からセットアップの完了通知を受け取ると、セットアップに用いられたセットアップ情報の読み出しを禁止する(S225)。そして、本処理を終了する。
【0042】
また、セットアップ情報の読み出しが禁止されている場合に移行するS230では、車載器10の制御部13は、ファイルシステムを介して記憶部23にアクセスし、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)と同一階層に保管されているデータである “車載器管理番号”を読み出し、車載器管理番号が自装置を示すかどうかを判定する(S235)。車載器管理番号が自装置を示す場合(S235:Yes)、S240に処理を移行し、車載器管理番号が自装置を示すものではない場合(S235:No)、S245に処理を移行する。
【0043】
S240では、車載器10の制御部13は、接続されているセットアップカードを用いて、自装置に対してのセットアップが既に行われたことを、表示部17や、音声回路18及びスピーカ19を介してユーザに報知し、本処理を終了する。
【0044】
また、S245では、車載器10の制御部13は、接続されているセットアップカードを用いて、他の車載器10に対してのセットアップが既に行われたことを、表示部17や、音声回路18及びスピーカ19を介してユーザに報知し、本処理を終了する。
【0045】
[効果]
第一実施形態の車載システム1では、セットアップ済となったセットアップカードが車載器10に挿入された際に、このセットアップカードに記憶されているセットアップ情報が、この車載器10に対応するものであるかどうか報知される。また、セットアップ済となったセットアップカードでは、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)に保管されているセットアップ情報は読み出し禁止となるため、セットアップ情報の漏洩の危険性を高めることなくこのような報知を行うことができる。したがって、第一実施形態の車載システム1によれば、セットアップ情報の不正利用を防止しつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることができる。
【0046】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態におけるセットアップについて説明する。
(1)セットアップ情報取得処理について
第二実施形態においても、第一実施形態と同様に、オンライン状態にあるPCによりセットアップ情報が取得され、このPCにセットアップカードが接続されると、第一実施形態におけるセットアップ情報取得処理のS105のみが実行される。そして、取得されたセットアップ情報が、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)に保管される。
【0047】
また、ICカード20は、個々のICカード20を識別するデータであるICカード識別IDを有しており、このICカード識別IDは、ファイルシステム上に保管されている。そして、図6に記載されているように、“ETC”フォルダは、“ICカード識別ID”が保管されている階層と同一の階層に生成される。
【0048】
(2)第二のセットアップ処理について
次に、セットアップ情報が記憶されたセットアップカードが車載器10に接続された際に、車載器10とセットアップカードとの間で実行される処理である第二のセットアップ処理について、図7に記載のフローチャートを用いて説明する。
【0049】
S305では、車載器10の制御部13は、ICカードI/F15を介してセットアップカードの制御部21と通信を行い、ファイスシステムを介して、挿入されたセットアップカードの記憶部23にアクセスする。そして、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)に保管されているセットアップ情報の読み出しが許可されているかどうかを判定する。セットアップ情報の読み出しが許可されている場合には(S305:Yes)、S310に処理を移行し、セットアップ情報の読み出しが禁止されている場合には(S305:No)、S335に処理を移行する。
【0050】
S310では、車載器10の制御部13は、第一実施形態における第一のセットアップ処理のS210と同様にして、セットアップカードに記憶されているセットアップ情報が自装置に対応しているか判定する。セットアップ情報が自装置に対応していると判定された場合(S310:Yes)、S315に処理を移行する。また、セットアップ情報が自装置に対応していないと判定された場合(S310:No)、本処理を終了する。
【0051】
S315では、車載器10の制御部13は、ファイルシステムを介してICカード20の記憶部23にアクセスし、セットアップ情報を読み出して自装置の記憶部14に記憶し、セットアップを実行する。続いて、制御部13は、ICカード20に記憶されている“ICカード識別ID”を読み出して記憶部14に記憶し(S320)、さらに、セットアップカードにセットアップの完了を通知すると共に、表示部17や、音声回路18及びスピーカ19を介して、ユーザに対し、セットアップの完了を報知する(S325)。以後、カードID等が記憶されたICカード20である課金用カードを車載器10に挿入することにより、車載器10を用いてETCシステムや、有料駐車場の課金システム等を利用することが可能となる。また、VICS等のサービスを利用することが可能となる。
【0052】
また、セットアップカードの制御部21は、ICカードI/F22を介して車載器10からセットアップの完了通知を受け取ると、セットアップに用いられたセットアップ情報の読み出しを禁止する(S330)。そして、本処理を終了する。
【0053】
また、セットアップ情報の読み出しが禁止されている場合に移行するS335では、車載器10の制御部13は、記憶部14にICカード識別IDが記憶されているかどうかを判定する。そして、ICカード識別IDが記憶されている場合(S335:Yes)、S340に処理を移行し、ICカード識別IDが記憶されていない場合(S335:No)、S355に処理を移行する。
【0054】
S340では、車載器10の制御部13は、ファイルシステムを介して記憶部23にアクセスし、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)と同一階層に保管されている“ICカード識別ID”を読み出し、この“ICカード識別ID”が、記憶部14に記憶されているICカード識別IDと一致するか判定する(S345)。ICカード識別IDが一致する場合(S345:Yes)、S350に処理を移行する。また、ICカード識別IDが一致しない場合(S345:No)、S355に処理を移行する。
【0055】
S350では、車載器10の制御部13は、接続されているセットアップカードを用いて、自装置に対してのセットアップが既に行われたことを、表示部17や、音声回路18及びスピーカ19を介してユーザに報知し、本処理を終了する。
【0056】
また、S355では、車載器10の制御部13は、接続されているセットアップカードを用いて、他の車載器10に対してのセットアップが既に行われたことを、表示部17や、音声回路18及びスピーカ19を介してユーザに報知し、本処理を終了する。
【0057】
[効果]
第二実施形態の車載システム1では、セットアップ済となったセットアップカードが車載器10に挿入された際に、このセットアップカードに記憶されているセットアップ情報が、この車載器10に対応するものであるかどうか報知される。また、セットアップ済となったセットアップカードでは、“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)に保管されているセットアップ情報は読み出し禁止となるため、セットアップ情報の漏洩の危険性を高めることなくこのような報知を行うことができる。したがって、第二実施形態の車載システム1によれば、セットアップ情報の不正利用を防止しつつ、セットアップ作業の作業負担をより低減させることができる。
【0058】
[他の実施形態]
(1)第一実施形態では、セットアップカードにセットアップ情報が記憶されると、セットアップ情報に含まれるデータである“車載器管理番号”のコピーが生成される。しかし、セットアップ情報が記憶された後から、このセットアップ情報が対応する車載器10に提供され、セットアップが実行されるまでの間のいずれかのタイミングで、“車載器管理番号”のコピーが生成されれば良い。具体的には、例えば、セットアップカードが車載器10に接続された際や、車載器10がセットアップカードからセットアップ情報を読み出してセットアップが実行される際に、“車載器管理番号”のコピーが生成されても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0059】
(2)また、第一実施形態では、“車載器管理番号”のコピーが“ETC”フォルダ(或いは“DSRC”フォルダ)と同一の階層に保管され、この“車載器管理番号”のコピーに基づき、セットアップが終了したセットアップカードに記憶されているセットアップ情報が車載器10に対応しているかが判定される。しかしながら、“車載器管理番号”のコピーを保管することに替えて、例えば、第一のセットアップ処理におけるS225において、“ETC”フォルダ等に保管されているデータのうち、“車載器管理番号”以外の他のデータについて読み出し禁止とし、“車載器管理番号”については読み出しを許可しておいても良い。そして、車載器10は、セットアップが終了したセットアップカードが挿入されると、“ETC”フォルダ等に保管されている“車載器管理番号”を読み出し、このセットアップカードに記憶されているセットアップ情報が自装置に対応しているか判定しても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0060】
(3)本実施形態では、セットアップ情報は1台の車載器10に対応するものとして構成されているが、複数の車載器に対応するものとして構成されていても良い。1枚のセットアップカードには、1台の車載器10に対応するETCシステムについてのセットアップ情報(或いは、他のサービスについてのセットアップ情報)が記憶されるが、複数の車載器10に対応するセットアップ情報が記憶されても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0061】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0062】
車載器10が車載装置に、ICカード20が記憶装置に相当する。
また、車載器10のICカードI/F15が車載装置側通信手段に相当し、制御部13が禁止判定手段,取得手段,対応判定手段に、それぞれ相当する。また、制御部13、表示部17、音声回路18、及びスピーカ19が報知手段に相当し、車載器管理番号が車載装置特定情報に相当する。
【0063】
また、ICカード20の記憶部23が記憶装置側記憶手段に、ICカードI/F22が記憶装置側通信手段に相当し、制御部21が、提供手段,禁止手段,記憶制御手段にそれぞれ相当する。また、ICカード識別IDが記憶装置特定情報に相当する。
【符号の説明】
【0064】
1…車載システム、10…車載器、11…無線アンテナ、12…無線部、13…制御部、14…記憶部、15…ICカードI/F、16…操作部、17…表示部、18…音声回路、19…スピーカ、20…ICカード、21…制御部、22…ICカードI/F、23…記憶部、30…路側装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置に対応するセットアップ情報を用いてセットアップを実行することにより、路側装置との無線通信により行われる課金のためのデータ処理の実行が許可される車載装置であって、
いずれかの前記車載装置に対応する前記セットアップ情報の記憶が可能に構成されており、記憶した前記セットアップ情報を対応する前記車載装置に提供すると、該セットアップ情報を提供禁止とする記憶装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記車載装置側通信手段を介して前記記憶装置と通信を行い、該記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっているか判定する禁止判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が否定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報が自装置に対応しているのであれば、前記セットアップの実行のため、前記車載装置側通信手段を介して該記憶装置から該セットアップ情報を取得する取得手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置から、該記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報に対応する前記車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報を、前記車載装置側通信手段を介して取得し、該車載装置特定情報に基づき、該記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報が自装置に対応しているかどうかを判定する対応判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっている旨と、前記対応判定手段による判定結果とを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項2】
路側装置との無線通信を行い課金のためのデータ処理を実行する車載装置と通信可能に構成されており、いずれかの前記車載装置に対応する情報であり、対応する前記車載装置における前記データ処理の実行を許可する処理であるセットアップに用いられる情報であるセットアップ情報を、外部から取得して記憶する記憶装置であって、
外部から取得された前記セットアップ情報を記憶する記憶装置側記憶手段と、
前記車載装置と通信を行う記憶装置側通信手段と、
前記セットアップ情報には、該セットアップ情報が対応する前記車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報が含まれており、前記記憶装置側記憶手段に記憶された前記セットアップ情報を、前記記憶装置側通信手段を介して、該セットアップ情報に含まれている前記車載装置特定情報により特定される前記車載装置に提供する提供手段と、
前記提供手段により前記セットアップ情報が前記車載装置に提供されると、以後、前記提供手段による該セットアップ情報の提供を禁止する禁止手段と、
を備え、
前記提供手段は、前記禁止手段により前記セットアップ情報の提供が禁止された後、該セットアップ情報に対応する前記車載装置についての前記車載装置特定情報を、前記記憶装置側通信手段を介して前記車載装置から受け付けた要求に応じて、前記記憶装置側通信手段を介して該車載装置に提供すること、
を特徴とする記憶装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記憶装置において、
前記記憶装置は、前記セットアップ情報が外部から取得された後から、前記提供手段により該セットアップ情報が前記車載装置に提供されるまでの間のいずれかのタイミングで、該セットアップ情報に含まれている前記車載装置特定情報を、該セットアップ情報とは別に前記記憶装置側記憶手段に記憶させる記憶制御手段をさらに備え、
前記提供手段は、前記車載装置からの要求に応じて、前記記憶制御手段により前記記憶装置側記憶手段に記憶された前記車載装置特定情報を、該車載装置に提供すること、
を特徴とする記憶装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記憶装置において、
前記記憶制御手段は、前記セットアップ情報が外部から取得された際に、前記車載装置特定情報を前記記憶装置側記憶手段に記憶させること、
を特徴とする記憶装置。
【請求項5】
請求項3に記載の記憶装置において、
前記記憶制御手段は、前記提供手段により前記セットアップ情報が提供される際に、前記車載装置特定情報を前記記憶装置側記憶手段に記憶させること、
を特徴とする記憶装置。
【請求項6】
請求項2に記載の記憶装置において、
前記提供手段は、前記車載装置からの要求に応じて、前記禁止手段により提供が禁止された前記セットアップ情報の一部として前記記憶装置側記憶手段に記憶されている前記車載装置特定情報を、該車載装置に提供すること、
を特徴とする記憶装置。
【請求項7】
自装置に対応するセットアップ情報を用いてセットアップを実行することにより、路側装置との無線通信により行われる課金のためのデータ処理の実行が許可される車載装置と、いずれかの前記車載装置に対応する前記セットアップ情報を、外部から取得して記憶する記憶装置とを有する車載システムであって、
前記記憶装置は、
外部から取得された前記セットアップ情報を記憶する記憶装置側記憶手段と、
前記車載装置と通信を行う記憶装置側通信手段と、
前記セットアップ情報には、該セットアップ情報が対応する前記車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報が含まれており、前記記憶装置側記憶手段に記憶された前記セットアップ情報を、前記記憶装置側通信手段を介して、該セットアップ情報に含まれている前記車載装置特定情報により特定される前記車載装置に提供する提供手段と、
前記提供手段により前記セットアップ情報が前記車載装置に提供されると、以後、前記提供手段による該セットアップ情報の提供を禁止する禁止手段と、
を備え、
前記提供手段は、前記禁止手段により前記セットアップ情報の提供が禁止された後、該セットアップ情報に対応する前記車載装置についての前記車載装置特定情報を、前記記憶装置側通信手段を介して前記車載装置から受け付けた要求に応じて、前記記憶装置側通信手段を介して該車載装置に提供し、
前記車載装置は、
前記記憶装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記車載装置側通信手段を介して前記記憶装置と通信を行い、該記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっているか判定する禁止判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が否定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報が自装置に対応しているのであれば、前記セットアップの実行のため、前記車載装置側通信手段を介して該記憶装置から該セットアップ情報を取得する取得手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置から、該記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報に対応する前記車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報を、前記車載装置側通信手段を介して取得し、該車載装置特定情報に基づき、該記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報が自装置に対応しているかどうかを判定する対応判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっている旨と、前記対応判定手段による判定結果とを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする車載システム。
【請求項8】
自装置に対応するセットアップ情報を用いたセットアップが実行されることにより、路側装置との無線通信により行われる課金のためのデータ処理の実行が許可される車載装置であって、
いずれかの前記車載装置に対応する前記セットアップ情報の記憶が可能に構成されており、記憶した前記セットアップ情報を対応する前記車載装置に提供すると、該セットアップ情報を提供禁止とする記憶装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記車載装置側通信手段を介して前記記憶装置と通信を行い、該記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっているか判定する禁止判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が否定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報が自装置に対応しているのであれば、前記セットアップの実行のため、前記車載装置側通信手段を介して該記憶装置から該セットアップ情報を取得すると共に、前記車載装置側通信手段を介して該記憶装置から、該記憶装置を特定可能な情報である記憶装置特定情報とを取得する取得手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置から、該記憶装置についての前記記憶装置特定情報を、前記車載装置側通信手段を介して取得し、該記憶装置特定情報と、前記取得手段が取得した前記記憶装置特定情報とを比較することにより、該セットアップ情報が自装置に対応しているかどうかを判定する対応判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっている旨と、前記対応判定手段による判定結果とを報知する報知手段と、
を備えることを特徴とする車載装置。
【請求項9】
路側装置との無線通信を行い課金のためのデータ処理を実行する車載装置と通信可能に構成されており、いずれかの前記車載装置に対応する情報であり、対応する前記車載装置における前記データ処理の実行を許可する処理であるセットアップに用いられる情報であるセットアップ情報を、外部から取得して記憶する記憶装置であって、
外部から取得された前記セットアップ情報を記憶する記憶装置側記憶手段と、
前記車載装置と通信を行う記憶装置側通信手段と、
前記セットアップ情報には、該セットアップ情報が対応する前記車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報が含まれており、前記記憶装置側記憶手段に記憶された前記セットアップ情報を、前記記憶装置側通信手段を介して、該セットアップ情報に含まれている前記車載装置特定情報により特定される前記車載装置に提供する提供手段と、
前記提供手段により前記セットアップ情報が前記車載装置に提供されると、以後、前記提供手段による該セットアップ情報の提供を禁止する禁止手段と、
を備え、
前記提供手段は、
前記セットアップ情報を前記車載装置に提供する際に、自装置を特定可能な情報である記憶装置特定情報を、前記記憶装置側通信手段を介して前記車載装置に提供し、
前記禁止手段により前記セットアップ情報の提供が禁止された後、前記記憶装置特定情報を、前記記憶装置側通信手段を介して前記車載装置から受け付けた要求に応じて、前記記憶装置側通信手段を介して該車載装置に提供すること、
を特徴とする記憶装置。
【請求項10】
自装置に対応するセットアップ情報を用いたセットアップが実行されることにより、路側装置との無線通信により行われる課金のためのデータ処理の実行が許可される車載装置と、いずれかの前記車載装置に対応する前記セットアップ情報を、外部から取得して記憶する記憶装置とを有する車載システムであって、
前記記憶装置は、
外部から取得された前記セットアップ情報を記憶する記憶装置側記憶手段と、
前記車載装置と通信を行う記憶装置側通信手段と、
前記セットアップ情報には、該セットアップ情報が対応する前記車載装置を特定可能な情報である車載装置特定情報が含まれており、前記記憶装置側記憶手段に記憶された前記セットアップ情報を、前記記憶装置側通信手段を介して、該セットアップ情報に含まれている前記車載装置特定情報により特定される前記車載装置に提供する提供手段と、
前記提供手段により前記セットアップ情報が前記車載装置に提供されると、以後、前記提供手段による該セットアップ情報の提供を禁止する禁止手段と、
を備え、
前記提供手段は、
前記セットアップ情報を前記車載装置に提供する際に、自装置を特定可能な情報である記憶装置特定情報を、前記記憶装置側通信手段を介して前記車載装置に提供し、
前記禁止手段により前記セットアップ情報の提供が禁止された後、前記記憶装置特定情報を、前記記憶装置側通信手段を介して前記車載装置から受け付けた要求に応じて、前記記憶装置側通信手段を介して該車載装置に提供し、
前記車載装置は、
前記記憶装置と通信を行う車載装置側通信手段と、
前記車載装置側通信手段を介して前記記憶装置と通信を行い、該記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっているか判定する禁止判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が否定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置に記憶されている前記セットアップ情報が自装置に対応しているのであれば、前記セットアップの実行のため、前記車載装置側通信手段を介して該記憶装置から該セットアップ情報を取得すると共に、前記車載装置側通信手段を介して該記憶装置から、該記憶装置を特定可能な情報である記憶装置特定情報とを取得する取得手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置から、該記憶装置についての前記記憶装置特定情報を、前記車載装置側通信手段を介して取得し、該記憶装置特定情報と、前記取得手段が取得した前記記憶装置特定情報とを比較することにより、該セットアップ情報が自装置に対応しているかどうかを判定する対応判定手段と、
前記禁止判定手段による判定結果が肯定判定である場合、該判定に係る前記記憶装置において前記セットアップ情報が提供禁止となっている旨と、前記対応判定手段による判定結果とを報知する報知手段と、
を備えること、
を特徴とする車載システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−267131(P2010−267131A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118804(P2009−118804)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】