説明

軌道のレールの溶接結合のための溶接ユニット

軌道のレール(7)を溶接結合するための溶接ユニット(1)は、2つのユニットボディー(4)を備え、ユニットボディーは、移動用シリンダー(2)により、レール(7)に対して平行に延びるユニットガイド(3)に沿って相対的に運動させられるようになっている。移動用シリンダー(2)は、一方でタイロッド(8)に結合され、かつ他方でクロスバー(12)に結合されている。これにより、高い引張り力を有する簡単な構造の構成が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道のレールを溶接結合するための溶接ユニットであって、それぞれ各締め付け駆動部に結合された第1及び第2のユニットボディーを備えており、ユニットボディーは、移動用シリンダーにより、レールに対して平行に延びるユニットガイドに沿って互いに相対的に運動されるようになっている形式のものに関する。
【0002】
いわゆる移動式のフラッシュバット溶接のための前記形式の溶接ユニットは、種々の形式のものが、例えば米国特許第3349216号明細書若しくは英国特許出願公開第2185703A号明細書により公知である。
【0003】
欧州特許第0132227B1号明細書により公知の別の溶接ユニットにおいては、両方のユニットボディーは、トグルレバーによって相互に結合されている。移動用シリンダーはクロスバーに結合されており、クロスバーには、レールをつかむための締め付け駆動部が設けられている。
【0004】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の溶接ユニットに改良を加えて、該溶接ユニットが、簡単な構造で形成され、かつ特に、レール長手方向に向けられた高い引張り力をレールに与え得るようにすることである。
【0005】
上記課題を解決するために、本発明によれば、軌道のレールを溶接結合するための溶接ユニットであって、それぞれ各締め付け駆動部に結合された第1及び第2のユニットボディーを備えており、ユニットボディーは、移動用シリンダーにより、レールに対して平行に延びるユニットガイドに沿って互いに相対的に運動されるようになっており、更に、ユニットガイド及び移動用シリンダーに結合されたクロスバーを備えている形式のものにおいて、ユニットガイドに対して平行に延びるタイロッド、移動用シリンダー、及び締め付け駆動部の縦軸線が、共通の1つの平面内に配置されている。
【0006】
移動用シリンダーの上記配置により、溶接ユニットは最少の構成高さで形成されるようになっている。このような構成は、軌道等に対する国際規格であるUICコードを損なうことなしに、レール車両上における張り出し懸架機構を可能にするものである。更に、上記構成においては、レールの引き寄せを、移動用シリンダーからのピストンロッドの走出により実施することができる。従って、ピストン面は、ピストンロッドにより減少されることはなく、全体的に圧力形成のために用いられるようになっている。結果として、比較的小さい直径の移動用シリンダーによって高い引張り力を形成することができる。これにより得られる利点として、溶接結合すべき両方のレール端部は、枕木からわずかしか持ち上げられなくてよく、従って、溶接結合すべき両方のレール端部の相互の整列が容易に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】溶接ユニットの斜視図であり、図面を見やすくするために主要な部分のみ示してある。
【図2】図1の溶接ユニットの平面図である。
【図3】図1の溶接ユニットの側面図である。
【図4】ユニットボディーをレール長手方向で見て示す図である。
【0008】
図1〜図3に示してある溶接ユニット1は、ユニットガイド3に沿って移動用シリンダー2により互いに相対的に移動させられる2つのユニットボディー4から構成されている。ユニットボディー4は、それぞれ2つの締め付け駆動部5に結合されており、該締め付け駆動部により、締め付けジュー6が、相互に溶接結合すべきレール7に圧着されるようになっている。
【0009】
ユニットガイド3に対して平行に延びる複数のタイロッド8は、第1の端部9でもって第1のユニットボディー4に取り付けられていて、第2のユニットボディー4を通して案内されおり、前記タイロッドの各第2の端部10は、第2のユニットボディー4の、ユニットガイド3に対して垂直に延びる外側平面11を超えた位置に配置されている。
【0010】
両方のタイロッド8の第2の端部10は、クロスバー12に結合されている。各移動用シリンダー2は、一方で、第2のユニットボディー4の前記外側平面11に取り付けられ、かつ他方でクロスバー12に取り付けられている。
【0011】
特に図3に示してあるように、タイロッド8、移動用シリンダー2、及び締め付け駆動部5の縦軸線13,14,15は、共通の1つの平面16内に配置されている。該平面は、レール7の中立軸線17によって規定されている。
【0012】
図4に示してあるように、タイロッド8の縦軸線13に対して垂直に延びる締め付け駆動部5は、ピストンロッド18の領域に、タイロッド8の貫通のための切欠き部19を備えている。ユニットガイド3は、第1の端部20でもって第1のユニットボディー4に結合されており、かつ第2の端部21でもって、枢着結合部22を介してクロスバー12に結合されている。
【0013】
両方のユニットボディー4間には、溶接ビードの除去のためのシャーリング装置23が設けられている。両方のユニットボディー4の外側平面11には、レール7の持ち上げのための昇降装置24が取り付けられている。
【0014】
溶接過程の準備のために、両方のレール7が、昇降装置24によって該レールの下側の枕木25から持ち上げられ(図4、参照)、かつストッパー条片26に圧着される。次いで、締め付け駆動部5が、締め付けジュー6を350tの締め付け力でレール7の腹部に圧着するために、負荷される。更に、電極(図示省略)がレール7に当て付けられる。
【0015】
溶接過程の導入のために、第2のユニットボディー4は、つかまれているレール7と一緒に、移動用駆動部2の負荷により、150tまでの引張り力で別のレール7に向かう方向27で移動される。両方のレール端部間の溶接に必要な間隔が達成されると、電流供給が行われる。
【0016】
周囲温度が基準温度よりも高い場合には、レール7を、両方の移動用駆動部2の適切な負荷により、図示の方向27に対して逆の方向に移動させることも可能である。
【符号の説明】
【0017】
1 溶接ユニット、 2 移動用シリンダー、 3 ユニットガイド、 4 ユニットボディー、 5 締め付け駆動部、 6 締め付けシュー、 7 レール、 8 タイロッド、 9,10 端部、 11 外側平面、 12 クロスバー、 13,14,15 縦軸線、 16 平面、 17 中立軸線、 18 ピストンロッド、 19 切欠き部、 20,21 端部、 22 枢着結合部、 23 シャーリング装置、 24 昇降装置、 25 枕木、 27 方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道のレール(7)を溶接結合するための溶接ユニットであって、それぞれ各締め付け駆動部(5)と結合された第1及び第2のユニットボディー(4)を備えており、該ユニットボディーは、移動用シリンダー(2)により、前記レール(7)に対して平行に延びるユニットガイド(3)に沿って互いに相対的に運動されるようになっており、更に、前記ユニットガイド(3)及び前記移動用シリンダー(2)に結合されたクロスバー(12)を備えている形式のものにおいて、
前記ユニットガイド(3)に対して平行に延びるタイロッド(8)、前記移動用シリンダー(2)、及び前記締め付け駆動部(5)の縦軸線(13,14,15)は、共通の1つの平面(16)内に配置されていることを特徴とする、軌道のレールの溶接結合のための溶接ユニット。
【請求項2】
前記共通の平面(16)は、溶接結合すべきレール(7)の中立軸線(17)上に配置されている請求項1に記載の溶接ユニット。
【請求項3】
各前記ユニットボディー(4)に配置された前記締め付け駆動部(5)の前記縦軸線(15)は、前記共通の平面(16)内に配置されていて、かつ前記タイロッド(8)の前記縦軸線(13)に対して垂直に延びる仮想の線と一致しており、ピストンロッド(18)は前記タイロッド(8)の貫通のための切欠き部(19)を有している請求項1に記載の溶接ユニット。
【請求項4】
前記各ユニットガイド(3)は、枢着結合部(22)を介して前記クロスバー(12)に結合されている請求項1に記載の溶接ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−529792(P2011−529792A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521450(P2011−521450)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004972
【国際公開番号】WO2010/015309
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien,Austria
【Fターム(参考)】