説明

軌道の締め固めのためのバラスト処理作業装置

バラスト処理作業装置(1)のバラスト貯蔵部(14)が、作業方向(5)で見て後側の端部(19)で、ヒンジ(22)により機械フレーム(3)に結合されている。ヒンジ(22)の、機械長手方向に対して垂直に延びるヒンジ軸(24)を中心としてバラスト貯蔵部(14)を旋回させるために、旋回駆動部(25)が設けられている。ベースベルトコンベヤ(16)の、ヒンジ(22)から遠い方の排出端(18)に対応して、貯蔵されているバラスト(12)をバラスト処理作業装置(1)に連接された貯蔵車へ送るための引き渡しコンベヤ(28)が配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バラスト処理作業装置であって、レール走行台車を介して走行可能な機械フレーム、軌道の締め固めのために設けられたプラウ、並びにバラストの貯蔵のために形成されたバラスト貯蔵部を備えており、バラスト貯蔵部が、機械長手方向に延びるベースベルトコンベヤを有している形式のものに関する。
【0002】
米国特許第5094018号明細書により公知の軌道整正用のバラスト処理作業装置は、軌道を締め固めると共に、バラスト道床(道床路盤)を規定の形状にするために用いられている。このために、余剰のバラストを有する軌道部分内では余剰のバラストをかき取り又ははね上げて貯蔵し、かつ必要に応じてバラスト貯蔵部からバラストを軌道上へ投下又は散布する必要がある。
【0003】
本発明の課題は、軌道の整正若しくは締め固めのために用いられる冒頭に述べた形式のバラスト処理作業装置に改良を加えて、バラスト貯蔵部の使用範囲又は機能を拡大することにある。
【0004】
前記課題を解決するために、本発明の構成によれば、バラスト貯蔵部が、バラスト処理作業装置の作業方向で見て、後側の端部で、ヒンジを介して機械フレームに結合されており、ヒンジの、機械長手方向に対して垂直に延びるヒンジ軸を中心としてバラスト貯蔵部を旋回させるために、旋回駆動部が設けられており、ベースベルトコンベヤの、ヒンジから遠い方の排出端に対応して、バラスト貯蔵部に貯蔵されているバラストをバラスト処理作業装置に連接された貯蔵車へ送るための搬出装置が配設されている。
【0005】
本発明の上記構成により、バラスト貯蔵部が、必要に応じて、時間のかかる取り外し作業若しくは分解作業を必要とすることなしに、完全に空にできるようになっている。これにより、多量の余剰バラストを有する軌道部分又は軌道区間をも問題なく容易に、経済的にかつ最適に処理することができるようになっている。
【0006】
本発明の有利な形態によれば、搬出装置は、ベースベルトコンベヤの下方に配置されかつ機械長手方向に延びる引き渡しベルトコンベヤとして形成されており、引き渡しベルトコンベヤが、移動駆動部により、ベースベルトコンベヤの排出端(又は放出端)を超えた箇所にある引き渡し位置へ移動可能となっている。別の形態によれば、搬出装置は、ベースベルトコンベヤの排出端の領域に枢着結合された旋回可能な排出シュートとして形成されている。
【0007】
次に、本発明を図示の実施の形態に基づき詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態に係る、バラスト貯蔵部を装備するバラスト処理作業装置の側面図である。
【図2】バラスト貯蔵部の詳細図である。
【図3】本発明の別の実施の形態に係る、バラスト貯蔵部を装備するバラスト処理作業装置の概略図である。
【0009】
図1に示してあるバラスト処理作業装置1は、レール走行台車2及び該レール走行台車2上に支持された機械フレーム3を有していて、走行駆動部4により、軌道6上を作業方向5に走行可能となっている。運転兼操縦室7が制御装置8を備えている。
【0010】
図示の実施の形態のバラスト処理作業装置1は、両方のレール走行台車2間に配置された高さ位置調節可能なプラウ9とスイーパ装置10とを有していて、バラストレギュレータ又はバラストプラウ車とも称されるものである。スイーパ装置10は、回転可能なスイーパブラシ11を有しており、該スイーパブラシ11により、軌道6にある余剰のバラスト12が、上り勾配搬送用の傾斜ベルトコンベヤ13を介してバラスト貯蔵部14内へ搬送されるようになっている。
【0011】
バラスト貯蔵部14は、バラスト貯蔵のためのコンテナ15、及び、機械長手方向23に延びていて底面若しくは床面として用いられるベースベルトコンベヤ16から成っている。メーンコンベヤであるベースベルトコンベヤ16は、バラスト貯蔵部の床面若しくは底面として用いられるので底部コンベヤとも称され、或いは縦積用コンベヤ若しくはウエストコンベヤとも称され、作業方向5で見て、バラスト貯蔵部14の前側の端部17に排出端18を有し、かつ後側の端部19に受け取り端20を有している。排出端18の下側に、貯蔵されているバラスト12を必要に応じて軌道上へ投下又は散布するためのシュート21が配置されている。
【0012】
特に図2から見て取れるように、バラスト貯蔵部14は、後側の端部19で、ヒンジ22を用いて機械フレーム3に結合されている。ヒンジ22の、機械長手方向23に対して垂直に延びるヒンジ軸24を中心としてバラスト貯蔵部14を旋回させるために、旋回駆動部25が設けられている。ベースベルトコンベヤ16の、ヒンジ22から遠い方の排出端18に対応して、貯蔵されているバラスト12をバラスト処理作業装置1に連接された貯蔵車27へ送るための搬出装置26が配設されている。
【0013】
搬出装置26は、ベースベルトコンベヤ16の下方に配置されかつ機械長手方向23に延びる引き渡しベルトコンベヤ28として形成されている。引き渡しベルトコンベヤ28は、移動駆動部29により、ベースベルトコンベヤ16の排出端18を超えた箇所にある引き渡し位置へ移動可能となっている。引き渡し位置において、図2に示してあるように、バラスト貯蔵部14内に貯蔵されているバラスト12が、積み卸しのためにベースベルトコンベヤ16から引き渡しコンベヤ28へ、次いで貯蔵車27へ搬送されるようになっている。
【0014】
バラスト貯蔵部14が空けられると、引き渡しコンベヤ28が、ベースベルトコンベヤ16の下方の鎖線で示す位置へ戻され、かつバラスト貯蔵部14が下方旋回させられる(図1、参照)。前記位置では必要に応じて、余剰のバラスト12が、シュート21を介して軌道6に投下されてよい。
【0015】
図3に示す別の実施の形態によれば、搬出装置26は、ベースベルトコンベヤ16の排出端18の領域に枢着結合された旋回可能な排出シュート30として形成されている。
【符号の説明】
【0016】
1 バラスト処理作業装置、 2 レール走行台車、 3 機械フレーム、 4 走行駆動部、 5 作業方向、 6 軌道、 7 運転兼操縦室、 8 制御装置、 9 高さ位置調節可能なプラウ、 10 スイーパ装置、 11 回転可能なスイーパブラシ、 12 バラスト、 13 傾斜ベルトコンベヤ、 14 バラスト貯蔵箱、 15 コンテナ、 16 ベースベルトコンベヤ、 17 端部、 18 排出端又は投下端、 19 端部、 20 受け取り端、 21 シュート又は投下部、 22 ヒンジ、 23 機械長手方向、 24 ヒンジ軸、 25 旋回駆動部、 26 搬出装置、 27 貯蔵車、 28 引き渡しコンベヤ、 29 移動駆動部、 30 排出シュート又は積み卸しシュート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バラスト処理作業装置であって、レール走行台車(2)を介して走行可能な機械フレーム(3)、軌道(6)の締め固めのために設けられたプラウ(9)、並びにバラストの貯蔵のために形成されたバラスト貯蔵部(14)を備えており、該バラスト貯蔵部(14)が、機械長手方向(23)に延びるベースベルトコンベヤ(16)を有している形式のものにおいて、
a) 前記バラスト貯蔵部(14)が、バラスト処理作業装置の作業方向(5)で見て、後側の端部(19)で、ヒンジ(22)を介して機械フレーム(3)に結合されており、
b) 前記ヒンジ(22)の、前記機械長手方向(23)に対して垂直に延びるヒンジ軸(24)を中心として前記バラスト貯蔵部(14)を旋回させるために、旋回駆動部(25)が設けられており、
c) 前記ベースベルトコンベヤ(16)の、前記ヒンジ(22)から遠い方の排出端(18)に対応して、貯蔵されているバラスト(12)を前記バラスト処理作業装置(1)に連接された貯蔵車(27)へ送るための搬出装置(26)が配設されている、
ことを特徴とする軌道の締め固めのためのバラスト処理作業装置。
【請求項2】
前記搬出装置(26)が、前記ベースベルトコンベヤ(16)の下方に配置されていて前記機械長手方向(23)に延びる引き渡しベルトコンベヤ(28)として形成されており、該引き渡しベルトコンベヤ(28)が、移動駆動部(29)により、ベースベルトコンベヤ(16)の前記排出端(18)を超えた箇所にある引き渡し位置へ移動可能となっている請求項1に記載の軌道の締め固めのためのバラスト処理作業装置。
【請求項3】
前記搬出装置(26)が、前記ベースベルトコンベヤ(16)の前記排出端(18)の領域に枢着結合された旋回可能な排出シュート(30)として形成されている請求項1に記載の軌道の締め固めのためのバラスト処理作業装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−528963(P2012−528963A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513483(P2012−513483)
【出願日】平成22年4月14日(2010.4.14)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002273
【国際公開番号】WO2010/139381
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien,Austria
【Fターム(参考)】