説明

軌道用床版の固定装置

【課題】既存の鋼橋げたの上に合成構造方式の鉄道軌道を敷設する際に、コンクリート床版からなる軌道用床版を確実かつ強固に固定できる軌道用床版固定装置を提供する。
【解決手段】軌道用床版2の下面部に取り付けられ、鋼橋げた1に当接して軌道用床版2の移動を阻止する固定金具と、当該固定金具を軌道用床版2の下面部に固定する固定ボルト6およびテーパ座金7とを供えて構成する。固定金具5に前記鋼橋げた1の軸直角方向に傾斜するテーパ面を有する座金設置部5cを設ける。当該座金設置部5cに前記鋼橋げた1の軸直角方向に細長いボルト孔5dを設ける。当該ボルト孔5dに前記固定ボルト6を挿通する。座金設置部5cと固定ボルト6のボルト頭部6aとの間にテーパ座金7を介在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軌道用床版の固定装置に関し、主として鋼鉄道橋の上に敷設された既存の橋まくら木方式の鉄道軌道を改修し、PC(プレキャストコンクリート) 版を用いて合成構造化する際に適用される。
【背景技術】
【0002】
一般に、鋼鉄道橋の軌道の大半は橋まくら木方式によって敷設されている。具体的には、平行に架け渡された鋼橋げたの上に橋まくら木が一定間隔おきに敷設され、その上にレールが敷設され、そして各橋まくら木は鋼橋げたに、レールは橋まくら木にそれぞれ締結ボルトによって固定されている。また、鋼鉄道橋の多くは塗装により防食されている。
【0003】
ところで、既存の鋼鉄道橋は60年を経過したものが半数以上を占めており、そのほとんどが長年風雨にさらされて腐食し、特に軌道が敷設されている鋼橋げたのまくら木直下の腐食は激しく、このため、近年、これら既存の鋼鉄道橋をいかに維持管理していくかが大きな課題になっている。
【0004】
腐食した鋼橋げたの補修方法としては、軌道を移動し、鋼橋げた上面の塗り替え塗装を行い、移動した軌道を再び元に戻す方法が用いられているが、根本的な解決には至らない。
【0005】
そこで、橋まくら木の代わりにPC版からなる軌道用床版を利用して鋼橋げたを合成構造化する方法が検討されているが、長年の風雨によって腐食した鋼橋げたの上にPC版を敷設するため、特に既存のレールレベルとレール位置を変更せずに改造することが求められている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−115415号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前者の鋼橋げたの補修方法は、橋まくら木の直下に再び腐食が発生する可能性があり、一定期間ごとに何度も補修を行う必要があるため、非常に多くの手間隙を必要とするだけでなく、これまでも指摘されてきた列車通過時の騒音問題を改善することができないという課題がある。
【0008】
一方、後者のPC床版を用いた合成構造方式による改造は、鋼橋げたの上に軌道用床版として敷設したPC床版を固定する確かな方法が未だ確立されていないという課題がある。
【0009】
一般に、鋼橋げたの上にジベルまたはスタッドを突設し、このスタッド等をPC版に形成したルーズ孔内にコンクリートやモルタル等で固定する方法が考えられるが、鋼橋げたの上にスタッドを突設する必要がある等の理由により施工が面倒であり、またコストが嵩む等の課題がある。また、長年の風雨によって痛んだ鋼橋げたの上を相当程度補修する必要があり、余分な手間暇を必要とする。
【0010】
本発明は以上の課題を解決するためになされたもので、軌道用床版を用いて鋼鉄道橋を合成構造化する際に、既存のレールレベルとレール位置を保持しつつ、軌道用床版を鋼橋げたの上に容易にかつ確実に接合できようにした軌道用床版の固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の軌道用床版の固定装置は、鋼橋げたの上に軌道用床版を固定するための軌道用床版の固定装置であって、前記軌道用床版の下面部に取り付けられ、前記鋼橋げたに当接して前記軌道用床版の移動を阻止する固定金具と、当該固定金具を前記軌道用床版の下面部に固定する固定ボルトおよびテーパ座金とを供えて構成され、前記固定金具に前記鋼橋げたの軸直角方向に傾斜するテーパ面を有する座金設置部が設けられ、当該座金設置部に前記鋼橋げたの軸直角方向に細長いボルト孔が設けられ、かつ当該ボルト孔に前記固定ボルトが挿通されてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2記載の軌道用床版の固定装置は、鋼橋げたの上に軌道用床版を固定するための軌道用床版の固定装置であって、前記軌道用床版の下面部に取り付けられ、前記鋼橋げたに当接して前記軌道用床版の移動を阻止する固定金具と、当該固定金具と前記軌道用床版との間に介在され、前記固定金具の鉛直方向の位置を調整する調整座金と、前記固定金具と調整座金を前記軌道用床版の下面部に固定する固定ボルトとを供えて構成され、前記固定金具に前記鋼橋げたの軸直角方向に細長いボルト孔が設けられ、当該ボルト孔に前記固定ボルトが挿通されてなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項1および請求項2記載の本発明は、いずれも鋼鉄道橋の上に敷設された既存の橋まくら木方式の鉄道軌道を、PC版からなる軌道用床版を用いて合成構造化する際に、既存レールの位置とレベルを保持しつつ、軌道用床版を鋼橋げたの上に容易にかつ確実に固定できようにしたものである。
【0014】
本発明によれば、平行に架け渡された鋼橋げたの内側または外側の少なくとも二ヵ所に、固定金具を鋼橋げたの縁端部に当接させた状態にそれぞれ取り付けることにより、軌道用床版を鋼橋げたの軸直角方向に移動しないように固定することができる。
【0015】
また、隣接する鋼橋げた間に鋼橋げた同士を繋ぐ複数の繋ぎ梁を架け渡し、当該繋ぎ梁の外側または内側の少なくとも二ヵ所に、固定金具を繋ぎ梁の縁端部に当接させた状態にそれぞれ取り付けることにより、軌道用床版を鋼橋げたの軸方向に移動しないようにも固定することができる。
【0016】
また、固定金具の座金設置部に設けられたボルト孔が鋼橋げたの軸直角方向に細長く形成されていることで、鋼橋げたの位置に合せて固定金具の横方向の位置調整を行なうことができる。
【0017】
さらに、座金設置部が鋼橋げたの軸直角方向に傾斜するテーパ面を有し、クサビ形状に形成されているため、ボルト孔が鋼橋げたの軸直角方向に細長い長孔に形成されていても、固定金具が鋼橋げたからの反力で横方向にずれてしまうようなことはなく、強度的にも優れている。
【0018】
また、請求項2記載の発明によれば、固定金具と軌道用床版との間に固定金具の鉛直方向の位置調整を行なう調整座金が介在されているので、固定金具の鉛直方向の位置調整も容易に行うことができる。
【0019】
この場合の調整座金は、鋼橋げたの軸直角方向に傾斜するテーパ面を有し、クサビ形状に形成されていることにより、固定金具の鉛直方向の位置調整を行なうことができ、また、ボルト孔が鋼橋げたの軸直角方向に細長い長孔に形成されていても、固定金具が鋼橋げたからの反力で横方向にずれてしまうようなことはなく、強度的にも優れている。
【0020】
よって、本発明によれば軌道用床版を鋼橋げたの軸方向および軸直角方向の二方向に移動しないように固定することができ、さらに鋼橋げたと軌道用床版との間に不陸調整部材を設置することによりすることにより、既存レールの位置とレベルを保持しつつ、軌道用床版を鋼橋げたに容易にかつ強固に固定することができる。なお、不陸調整部材にはモルタルやコンクリート、あるいは樹脂モルタル等の充填材、さらには充填材に代えて鋼製プレートを複数層に積層してもよい。
【0021】
また、固定金具は軌道用床版の下面部に固定ボルトによって取り付けることができ、鋼橋げたに特別な加工を行う必要はないので、軌道用床版を鋼橋げたの上に容易に固定することができる。
【0022】
なお、固定金具は、一本の鋼橋げたおよび繋ぎ梁の両側に取り付けられていてもよい。また、繋ぎ梁の代わりに鋼橋げたの側部に鋼橋げたの軸直角方向に突出する突起(片持ち梁)を突設し、この突起の縁端部に当接させた状態に固定金具を取り付けることによっても、軌道用床版を鋼橋げたの軸方向に移動しないように固定することができる。
【0023】
請求項3記載の軌道用床版の固定装置は、請求項1または2記載の軌道用床版の固定装置において,軌道用床版の浮上りを阻止するための浮上り防止金具が設けられていることを特徴とするものである。
【0024】
本発明によれば、予期せぬ外力によって軌道用床版が浮き上がらないようにすることができる。
【0025】
請求項4記載の軌道用床版の固定装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の軌道用床版の固定装置において、鋼橋げたと軌道用床版との間に不陸調整材が設置されてなることを特徴とするものである。
【0026】
本発明によれば、軌道用床版のレベル調整が可能なことにより、既存レールの水平方向の位置と共に高さも保持しながら、軌道用床版を鋼橋げたに固定することができる。なお、不陸調整部材にはモルタルやコンクリート、あるいは樹脂モルタル等を用いることができる。また、充填材に代えて鋼製プレートを複数層に積層してもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、軌道用床版の下面部に取り付けられ、前記鋼橋げたに当接して前記軌道用床版の移動を阻止する固定金具と、当該固定金具を前記軌道用床版の下面部に固定する固定ボルトおよびテーパ座金とを供えて構成され、前記固定金具に前記鋼橋げたの軸直角方向に傾斜するテーパ面を有する座金設置部が設けられ、当該座金設置部に前記鋼橋げたの軸直角方向に細長いボルト孔が設けられ、かつ当該ボルト孔に前記固定ボルトが挿通されてなるので、鋼鉄道橋の上に敷設された既存の橋まくら木方式の鉄道軌道を、PC版からなる軌道用床版を用いて合成構造化する際に、既存レールのレベルと位置を保持しつつ、軌道用床版を鋼橋げたの上に容易にかつ確実に固定することができる等の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1〜図5は、鋼鉄道橋の上に敷設された合成構造方式の鉄道軌道を示し、図において、平行に架け渡された複数の鋼橋げた1,1の上に軌道用床版2が敷設され、その上にレール3,3が敷設されている。また、鋼橋げた1,1と軌道用床版2との間に不陸調整材4が充填されている。
【0029】
鋼橋げた1には組立H形鋼などが用いられ、軌道用床版2にはPC版が用いられ、軌道用床版2はその下面部において鋼橋げた1,1に複数の軌道用床版固定装置A(以下「固定装置A」という)によって固定されている。
【0030】
固定装置Aは、軌道用床版2の下面部に取り付けられた固定金具5と、当該固定金具5を軌道用床版2の下面部に固定する固定ボルト6およびテーパ座金7とから構成され、各固定装置Aは鋼橋げた1,1の内側にそれぞれ取り付けられている。また、テーパ座金7は固定ボルト6のボルト頭部6aと固定金具5との間に介在されている。
【0031】
固定金具5は、軌道用床版2の下面部に固定された固定部5aと鋼橋げた1の上フランジ1aの縁端部に当接する垂下部5bとから断面略逆L字状に形成されている。
【0032】
固定部5aには、垂下部5b側が一番厚く固定部5aの先端方向に徐々に薄くなる座金設置部5cが形成されている。この場合、座金設置部5cの下面に固定部5aの先端方向に徐々に上り勾配となるテーパが形成されていることで、座金設置部5cは先端方向に徐々に薄くなっている。
【0033】
当該座金設置部5cには鋼橋げた1の軸直角方向に細長いボルト孔5dが形成され、さらに固定部5aと垂下部5bとの間に座金設置部5cを挟んでその両側に三角形板状の補強リブ5e,5eが形成されている。ボルト孔5dは固定ボルト6が挿通可能な内径に形成されている。
【0034】
このように形成された固定金具5は、ボルト孔5dを貫通する固定ボルト6とテーパ座金7によって軌道用床版2の下面部に取り付けられている。そして、固定金具5は、固定ボルト6を軌道用床版2に埋設されたインサート8に強く締め付けることにより固定されている。
【0035】
また、その際、固定金具5を鋼橋げた1の軸直角方向、すなわちボルト孔5dの長軸方向に前後移動することにより固定金具5の水平方向と鉛直方向の位置を調整することができる。
【0036】
また、このようにして固定金具5が軌道用床版2の下面部に取り付けられ、鋼橋げた1の上フランジ1aの縁端部に当接していることにより、軌道用床版2は鋼橋げた1の上に横移動しないように固定されている。
【0037】
図6は、本発明の他の実施形態を示し、固定金具5の垂下部5bの下端部に軌道用床版2の浮上りを防止するための浮上り防止金具9が設けられている。
【0038】
浮上り防止金具9は、鋼橋げた1の上フランジ1aの下側に水平に突設された水平片9bと当該水平片9bに上向きに螺合された鉛直ボルト9bとから構成されている。そして、鉛直ボルト9bの上端部が鋼橋げた1の上フランジ1aの下側に当接していることで、軌道用床版2の浮き上がりが阻止されている。
【0039】
図7(a),(b)は、同じく本発明の他の実施形態を示し、固定金具5の水平方向の位置調整と同時に鉛直方向の位置調整も同時に行えるように構成されている。
【0040】
具体的に説明すると、固定金具5の固定部5aは先端方向に徐々に下り勾配に傾斜した状態に形成されている。また、固定部5aと軌道用床版2との間に調整座金10が介在されている。さらに、固定部5aと調整座金10には、それぞれ鋼橋げた1の軸直角方向に細長いボルト孔5dと10aが形成されている。
【0041】
このように形成された固定金具5と調整座金10は、ボルト孔5dと10aを貫通する固定ボルト6とテーパ座金7によって軌道用床版2の下面部に取り付けられている。そして、国定金具5は軌道用床版2の下面部に固定ボルト6を軌道用床版2に埋設されたインサート8に強く締め付けることにより固定されている。
【0042】
その際、固定金具5をボルト孔5dの長軸方向に前後移動することにより固定金具5の水平方向の位置を調整することができ、また同時に、調整座金10をボルト孔10aの長軸方向に前後移動することにより固定金具5の鉛直方向の位置を調整することができる。
【0043】
なお、図7(b)は、(a)における固定金具5の固定部5aの下面を平坦に形成することによりテーパ座金7が省略したものである。
【0044】
また、図8〜図9は、同じく本発明の他の実施形態を示し、軌道用床版2は鋼橋げた1,1の上に軌道用床版固定装置B(以下「固定装置B」)によって横移動も浮き上がりもしないように固定されている。
【0045】
具体的に説明すると、固定装置Bは軌道用床版2の下面部に取り付けられた金具本体11と、当該金具本体11を鋼橋げた1に結合する2枚の結合プレート12,12および2個の結合ナット13,13とから構成されている。
【0046】
金具本体11は、取付けプレート11aと当該取付けプレート11aのほぼ中央に垂設された結合ボルト11bとから構成され、取付けプレート部11aには結合ボルト11bを挟んでその両側にボルト孔11c,11cが形成されている。特にボルト孔11c,11cは鋼橋げた1の軸直角方向に細長く形成されている。
【0047】
このように形成された金具本体11は、取付けプレート11aのボルト孔11c,11cから軌道用床版2内に埋設されたインサート8に取付けホルト14,14を締め付けることによって軌道用床版2の下面部に取り付けられている。
【0048】
その際、金具本体11をボルト孔11cの長軸方向、すなわち鋼橋げた1の軸直角方向に移動することにより、鋼橋げた1の位置に合せてその軸直角方向に金具本体11の位置調整を行なえるようになっている。
【0049】
結合プレート12,12は、鋼橋げた1の上フランジ1aの上下両側に上フランジ1aを上下から挟み込むように結合ボルト11bに取り付けられている。
【0050】
また、結合ナット13,13は結合プレート12,12の背面側に位置して結合ボルト11bに螺合されている。そして、結合ナット13,13を締め付け、結合プレート12,12によって鋼橋げた1の上フランジ1aを強く挟み込むことにより金具本体11は鋼橋げた1に結合されている。
【0051】
その際、結合ナット13,13を回して結合プレート12,12の位置を上下方向に適当に移動することにより軌道用床版2のレベル調整を行なえるようになっている。よって、固定装置Bによれば、軌道用床版を鋼橋げた1の軸直角方向および鉛直方向の二方向について調整することができるので、既存レールの横方向の位置とレベルを保持しながら軌道用床版2を鋼橋げたに固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、既存の鋼橋げたの上に橋まくら木に代えてコンクリート床版からなる軌道用床版設置して合成構造方式の鉄道軌道を敷設することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】鋼鉄道橋の上に敷設された合成構造方式の鉄道軌道を示す縦断面図である。
【図2】軌道用床版の固定部を示し、(a)は図1におけるイ−イ線矢視図、(b)は図1におけるロ−ロ線矢視図である。
【図3】軌道用床版の固定部を示す図1におけるハ部拡大図である。
【図4】固定金具を示し、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は断面図である。
【図5】テーパ座金の断面図である。
【図6】軌道用床版の固定部を示す図1におけるハ部拡大図である。
【図7】(a),(b)は、軌道用床版の固定部の他の実施形態を示す図1におけるハ部拡大図である。
【図8】軌道用床版の固定部の他の実施形態を示し、(a)は鋼橋げたの軸直角方向の縦断面図、(b)は鋼橋げたの軸方向の縦断面図である。
【図9】軌道用床版の固定部の他の実施形態を示し、(a)は鋼橋げたの軸直角方向の縦断面図、(b)は鋼橋げたの軸方向の縦断面図である。
【図10】金具本体を示し、(a)は底面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0054】
A 軌道用床版固定装置(「固定装置A」)
B 軌道用床版固定装置(「固定装置B」)
1 鋼橋げた
1a 上フランジ
2 軌道用床版
3 レール
4 不陸調整材
5 固定金具
5a 固定部
5b 垂下部
5c 座金設置部
5d ボルト孔
5e 補強リブ
6 固定ボルト
6a ボルト頭部
7 テーパ座金
8 インサート
9 浮上り防止金具
9a 水平片
9b 鉛直ボルト
10 調整座金
10a ボルト孔
11 金具本体
11a 取付けプレート
11b 結合ボルト
11c ボルト孔
12 結合プレート
13 結合ナット
14 固定ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼橋げたの上に軌道用床版を固定するための軌道用床版の固定装置であって、前記軌道用床版の下面部に取り付けられ、前記鋼橋げたに当接して前記軌道用床版の移動を阻止する固定金具と、当該固定金具を前記軌道用床版の下面部に固定する固定ボルトおよびテーパ座金とを供えて構成され、前記固定金具に前記鋼橋げたの軸直角方向に傾斜するテーパ面を有する座金設置部が設けられ、当該座金設置部に前記鋼橋げたの軸直角方向に細長いボルト孔が設けられ、かつ当該ボルト孔に前記固定ボルトが挿通されてなることを特徴とする軌道用床版の固定装置。
【請求項2】
鋼橋げたの上に軌道用床版を固定するための軌道用床版の固定装置であって、前記軌道用床版の下面部に取り付けられ、前記鋼橋げたに当接して前記軌道用床版の移動を阻止する固定金具と、当該固定金具と前記軌道用床版との間に介在され、前記固定金具の鉛直方向の位置を調整する調整座金と、前記固定金具と調整座金を前記軌道用床版の下面部に固定する固定ボルトとを供えて構成され、前記固定金具に前記鋼橋げたの軸直角方向に細長いボルト孔が設けられ、当該ボルト孔に前記固定ボルトが挿通されてなることを特徴とする軌道用床版の固定装置。
【請求項3】
軌道用床版の浮上りを阻止するための浮上り防止金具が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の軌道用床版固定装置。
【請求項4】
鋼橋げたと軌道用床版との間に不陸調整材が設置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の軌道用床版の固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−281111(P2009−281111A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136949(P2008−136949)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【出願人】(591121111)株式会社安部日鋼工業 (38)
【Fターム(参考)】