説明

軟質ポリウレタンフォームおよびその用途

十分な物性と低減された揮発性アミン成分を示す軟質ポリウレタンフォームを提供する。製造工程における作業環境を改善すると共に、製品から排出される揮発性アミンを低減することができる軟質ポリウレタンフォームの提供が可能となる。また軟質ポリウレタンフォームからなる、優れた自動車などのシートパッドおよび吸音材を提供する。
軟質ポリウレタンフォームは、式(1)および式(2)から選ばれる化合物にアルキレンオキシドの付加物であるポリエーテルポリオール(アミン価:400〜600mgKOH/g、水酸基価:350〜700mgKOH/g)を含むポリオール組成物と有機ポリイソシアナートを、水と共に接触させて得られる。
式中、R、Rは、Hまたは(CH)−NH(n:1〜3)、R〜R及びRは、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルケニル基、k、mは1〜6を表す。
【化11】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟質ポリウレタンフォーム、およびそれよりなるシートパッドおよび吸音材に関する。さらに詳しくは、特定のポリエーテルポリオールを用いて得られうる十分な物性を有していると同時に、揮発性アミン成分が低減された、優れた軟質ポリウレタンフォーム、およびそれよりなるシートパッドおよび吸音材に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームは、ポリオールとポリイソシアネートとを触媒および必要に応じて発泡剤、界面活性剤、架橋剤などの存在下に反応させて製造される。従来このポリウレタン樹脂の製造に数多くの金属系化合物や第3級アミン化合物を触媒として用いることが知られている。これら触媒は単独でまたは併用してポリウレタン樹脂の工業的製造において多く採用されている。これらの触媒のうち、とりわけ第3級アミン化合物は生産性、成形性に優れることから、ポリウレタン樹脂製造用の第3級アミン触媒として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、前記した第3級アミン触媒は一般に不快な臭気を有し、また高い揮発性を有する。このためフォーム製造工程で種々の問題を引き起こす。例えば、自動車内におけるポリウレタンフォーム製品から排出される揮発性アミンの臭気問題や、近年ポリウレタンフォーム中の揮発成分が自動車の窓ガラスに被着し窓ガラスを曇らせるため、商品価値を落とす原因となっている。いわゆるフォギングと呼ばれる問題である。その他にポリウレタン製品から排出される揮発性アミンによる他の材料への汚染問題などがある。
【0004】
上述したような揮発性アミン触媒が、ポリウレタンフォーム製品から揮発しないようにする方法として、分子内にイソシアナートと反応し得る水酸基を有する反応型アミン触媒が提案されている(日本特許第3311306号)。しかしながら、ポリウレタンフォーム製造工程においてアミン触媒に由来する臭気による作業環境問題の改善という観点からは、十分満足を得られるものではなかった。
【0005】
また、上述した揮発性アミン触媒に由来する問題を解決する方法として、特定の構造を有するアミン化合物を開始剤として、アルキレンオキシドを付加することにより得られる、自己触媒性ポリオールを用いる軟質ポリウレタンフォームの製造方法が提案されている(WO 03/016372号、WO 03/029320)。しかしながら、これらの文献に開示されている方法では、十分な物性、反応性および揮発性アミン成分の低減効果のバランスに優れたものは得られていない。
【0006】
【特許文献1】日本特許第3311306号
【特許文献2】WO 03/016372号
【特許文献3】WO 03/029320
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、揮発性アミン触媒を使用した場合と同等の物性、反応性を維持しながら、揮発性アミン触媒の使用量を低減することができる軟質ポリウレタンフォームを提供するべく鋭意研究を進めた結果本発明に到達した。
【0008】
本発明の目的は、十分な物性を有していると同時に、揮発性アミン成分が低減された、優れた軟質ポリウレタンフォームを提供することである。
【0009】
本発明の目的は、物性、反応性および揮発性アミン低減効果のバランスに優れている結果、軟質ポリウレタンフォーム製造工程における作業環境を改善すると共に、軟質ポリウレタンフォーム製品から排出される揮発性アミンを低減することを可能とする軟質ポリウレタンフォームを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、上記の特徴を有する軟質ポリウレタンフォームからなる、優れた性質を有する自動車などのシートパッドおよび吸音材を提供することである。
【0011】
本発明によって、該軟質ポリウレタンフォームからなる揮発性アミン成分が200ppm以下の自動車などのシートパッドおよび吸音材を提供することが可能となる。
【0012】
本発明は、特定のポリエーテルポリオールを用いて製造することによって得られる、上記した目的を満たす軟質ポリウレタンフォームを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、下記式(1)および下記式(2)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物にアルキレンオキシドを付加してなるアミン価が400〜600mgKOH/gであり、かつ水酸基価が350〜700mgKOH/gのポリエーテルポリオール(ポリオール(D))を含むポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアナートを接触させることにより得られる軟質ポリウレタンフォームである。
【0014】
【化1】

(RおよびRは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは−(CH)−NH(nは1〜3の整数)で表される基であり、R〜Rは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4の鎖状または分枝状アルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
【0015】
【化2】

(Rは炭素数1〜4の鎖状または分枝状のアルキル基またはアルケニル基を表し、kおよびmは、1〜6の整数を表す。)
【0016】
ポリオール組成物として、上記のポリオール (D)0.5〜3重量部と、後記のポリオール(B)0〜99.5重量部および後記のポリオール (C)0〜99.5重量部からなる組成物であって、(B)、(C)および(D)が、その合計が100重量部となる割合であるポリオール組成物は、上記ポリオール組成物(A)の好ましい態様である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、揮発性アミン触媒を使用した場合と同等の物性を有しながら、揮発性アミン触媒の使用量を低減した軟質ポリウレタンフォームを提供することができる。
本発明によれば、揮発性アミン触媒を使用した場合と同等の物性を有しながら、揮発性アミン触媒の使用量を低減した軟質ポリウレタンフォームの製造法が提供される。
また、本発明によれば、自動車などのシートパッドおよび吸音材などの用途に好適な軟質ポリウレタンフォームが提供される。
【0018】
本発明によって、該軟質ポリウレタンフォームからなる揮発性アミン成分が200ppm以下の自動車などのシートパッドおよび吸音材が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、特定のポリオールを含むポリオール組成物(A)と、有機ポリイソシアナートより得られる軟質ポリウレタンフォームを提供する。
【0020】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、自動車などのシートパッドおよび吸音材などの用途に好適に使用される。
【0021】
本発明はそのような軟質ポリウレタンフォームから得られる自動車用シートパッドおよび吸音材も提供する。
【0022】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、下記式(1)および下記式(2)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物にアルキレンオキシドを付加してなるアミン価が400〜600mgKOH/gであり、かつ水酸基価が350〜700mgKOH/gのポリエーテルポリオール(ポリオール(D)という)を含むポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアナートを、発泡剤としての水と共に、接触させることにより得ることができる。
【0023】
【化3】


(RおよびRは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは−(CH)−NH(nは1〜3の整数)で表される基であり、R〜Rは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4の鎖状または分枝状アルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
【0024】
【化4】

(Rは炭素数1〜4の鎖状または分枝状のアルキル基またはアルケニル基を表し、kおよびmは、1〜6の整数を表す。)
【0025】
以下に本発明を順次詳細に説明するが、まず本発明のポリオール組成物(A)について説明する。
<ポリオール組成物(A)>
本発明のポリオール組成物 (A)は、下記式(1)および下記式(2)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物にアルキレンオキシドを付加してなるアミン価が400〜600mgKOH/gであり、かつ水酸基価が350〜700mgKOH/gのポリオール(D)を含むポリオール組成物(A)である。
【0026】
【化5】

(RおよびRは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは−(CH)−NH(nは1〜3の整数)で表される基であり、R〜Rは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4の鎖状または分枝状アルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
【0027】
【化6】

(Rは炭素数1〜4の鎖状または分枝状のアルキル基またはアルケニル基を表し、kおよびmは、1〜6の整数を表す。)
ポリオール組成物(A)は、ポリオール(D)を含むポリオール組成物である。ポリオール組成物(A)としては、ポリオール(D)と他のポリオール成分を含む組成物であることが好ましい。
【0028】
ポリオール(D)と他のポリオール成分を含むポリオール組成物(A)の好ましい例として、以下のものを挙げることができる。
すなわち、好ましいポリオール組成物(A)の例は、上記のポリオール (D)0.5〜3重量部と、下記のポリオール(B)0〜99.5重量部および下記のポリオール (C)0〜99.5重量部からなる組成物(A)である。ただし、組成物(A)中、 (B)、(C)および(D)は、その合計が100重量部となる割合である。
ポリオール(B):水酸基価20〜60mgKOH/g、平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオール。
ポリオール(C):水酸基価20〜60mgKOH/g、平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオール中に、エチレン性不飽和モノマーを重合したポリマーを5〜50重量%分散してなるポリマー分散ポリオール。
【0029】
ポリオール(D)
本発明のポリオール(D)は、上記式(1)および上記式(2)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物に、アミン価が400〜600mgKOH/g、かつ水酸基価が350〜700mgKOH/gになるようにアルキレンオキシドを付加して得られるポリオールである。
【0030】
式(1)で表されるアミン化合物としては、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(3−アミノプロピル)ピペラジン、1,4−(ビスアミノプロピル)ピペラジン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、シス−2,6−ジメチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジンが挙げられ、好ましくは、1−(2−アミノエチル)ピペラジンである。
【0031】
式(2)で表されるアミン化合物としては、メチルイミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスエチルアミンが挙げられ、好ましくは、メチルイミノビスプロピルアミンである。
【0032】
これらアミン化合物は、開始剤の働きをするが、メチルイミノビスプロピルアミンの理論アミン価は1161mgKOH/gであり、1−(2−アミノエチル)ピペラジンの理論アミン価は1177mgKOH/gであるから、好ましい開始剤としてのアミン価は、1150〜1200mgKOH/gである。
【0033】
ここで、アミン価とは、単位重量あたりのアミノ基のモル濃度を、JIS K 1557により定義される水酸基価と単位を合わせ、単位重量あたりの水酸化カリウム換算重量濃度(mgKOH/g)で表したものである。
【0034】
ポリオール(D)におけるアミン化合物としては、軟質ポリウレタンフォームを製造する際のキュア性に与える活性の強さ、および得られる軟質ポリウレタンフォームの物性のバランスの観点から、メチルイミノビスプロピルアミンおよび1−(2−アミノエチル)ピペラジンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0035】
ポリオール(D)の水酸基価は水酸基価が350〜700mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が小さ過ぎる場合は、軟質ポリウレタンフォームを製造する際、十分なキュア性を得られないおそれがあり、大き過ぎる場合は、軟質ポリウレタンフォーム製造時の成形性が悪化するか、得られる軟質ポリウレタンフォームの湿熱圧縮残留歪率が悪化するおそれがある。
【0036】
ポリオール (D)を製造する際、アミン化合物に付加するアルキレンオキシドとしては、炭素数2ないし12のアルキレンオキシドが利用できる。具体的にはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラヒドロフランから選ばれる1種または2種以上であるが、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドであり、より好ましくはエチレンオキシドである。
【0037】
アルキレンオキシドの付加は、通常無触媒で行うが、必要により、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物や、ホスファゼニウム化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィンオキシド化合物などの塩基性化合物を触媒として併用してもよい。
【0038】
ホスファゼニウム化合物としては、テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムヒドロキシドなど、特開平11−106500号公報に記載された化合物を挙げることができる。
【0039】
ホスファゼン化合物としては、1−tert−ブチル−2,2,2−トリス(ジメチルアミノ)ホスファゼンなど、特開平10−36499号公報に記載の化合物が挙げられる。ホスフィンオキシド化合物としては、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドなど、特開平11−302371号に記載の化合物が挙げられる。
【0040】
触媒を併用するときその量は、アミン化合物の活性水素に対して、0.1〜10モル%の範囲が好ましい。アルキレンオキシド付加後は、触媒を除去してもよいし、除去しなくてもよい。
【0041】
触媒を除去する方法の例として、粗製ポリエーテルポリオール100重量部に対して、水を1〜40重量部加えた後、粗製ポリエーテルポリオール中の塩基性触媒を十分に中和できる量の酸を添加して中和塩を析出させ、ろ過により分離精製する方法を挙げることができる。中和に用いることができる酸として、リン酸、亜リン酸、塩酸、硫酸、亜硫酸などの無機酸、またはギ酸、シュウ酸、コハク酸、酢酸、マレイン酸などの有機酸が挙げられる。
【0042】
また、触媒を除去する他の方法の例として、ケイ酸マグネシウムやケイ酸アルミニウムなどの合成無機吸着剤により、余剰の酸、塩基成分を吸着除去する方法を挙げることができる。具体的な吸着剤としては、例えばトミックスAD−600、トミックスAD−700(以上、商品名、富田製薬(株)製)などのトミックスシリーズ、キョーワード400、キョーワード500、キョーワード600、キョーワード700(以上、商品名、協和化学工業(株)製)などのキョーワードシリーズ、MAGNESOL(DALLAS社製)などの各種吸着剤が挙げられる。
また前記酸による中和する方法と、合成無機吸着剤による除去とを、必要に応じて併用してもよい。
【0043】
アルキレンオキシドを付加重合する反応は、反応温度80〜120℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で行うことが好ましい。そのような温度範囲で付加重合を実施すると、工業的に十分な重合速度が得られる。
【0044】
アルキレンオキシドの付加重合反応の最大圧力は、0.5MPaG以下が好適である。通常、耐圧反応器内でアルキレンオキシドの付加重合が行われる。アルキレンオキシドの反応は、減圧状態から開始しても、大気圧の状態から開始してもよい。大気圧状態から開始する場合には、窒素、ヘリウムなどの不活性気体存在下で行うことが望ましい。
【0045】
反応系へのアルキレンオキシドの供給方法は、必要量のアルキレンオキシドの一部を一括して供給し、残部を連続的に供給する方法、または全てのアルキレンオキシドを連続的に供給する方法などが用いられる。付加重合器の最大圧力は、アルキレンオキシドの装入速度、重合温度、触媒量などに影響される。アルキレンオキシドの装入速度は、付加重合器の最大圧力が0.5MPaGを超えないように制御することが好ましい。アルキレンオキシドの装入が完了すると、付加重合器の内圧は徐々に低下する。内圧の変化が認められなくなるまで付加重合反応を継続することが好ましい。
【0046】
ポリオール(B)
本発明のポリオール(B)は、水酸基価20〜60mgKOH/g、平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオールであり、ポリエーテルポリオールとして従来公知のものから、本発明のポリオール(B)の条件を満たすものを適宜選択して使用することができる。
【0047】
本発明のポリオール(B)として好適なポリエーテルポリオールとしては、触媒の存在下に、活性水素化合物を開始剤として、アルキレンオキシドを付加重合したものが挙げられる。
【0048】
開始剤に用いる活性水素化合物としては、酸素原子もしくは窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物を好ましいものとして挙げることができる。これらの好ましい活性水素化合物の具体例を以下に例示する。
(1)酸素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物
水、炭素数1ないし20のカルボン酸、2ないし6のカルボキシル基を有する炭素数2ないし20の多価カルボン酸、カルバミン酸類、炭素数1ないし20のアルコール、2ないし8の水酸基を有する炭素数2ないし20の多価アルコール、糖類またはその誘導体、1ないし3の水酸基を有する炭素数6ないし20の芳香族化合物、2ないし8の末端を有しその末端に1ないし8の水酸基を有するポリアルキレンオキシドなどが挙げられる。
(2)窒素原子上に活性水素原子を有する活性水素化合物
炭素数1ないし20の脂肪族または芳香族一級アミン、炭素数2ないし20の脂肪族または芳香族二級アミン、2ないし3の一級もしくは二級アミノ基を有する炭素数2ないし20の多価アミン、炭素数4ないし20の飽和環状二級アミン、炭素数4ないし20の不飽和環状二級アミン、2ないし3の二級アミノ基を含む炭素数4ないし20の環状の多価アミン、炭素数2ないし20の無置換またはN−一置換の酸アミド、5ないし7員環の環状アミド類、炭素数4ないし10のジカルボン酸のイミドなどが挙げられる。
【0049】
これらの活性水素化合物のうち、水、炭素数1ないし20のアルコール、2ないし8の水酸基を有する炭素数2ないし20の多価アルコール、糖類またはその誘導体、2ないし8の末端を有しその末端に1ないし8の水酸基を有する分子量100ないし5,000のポリアルキレンオキシド、炭素数2ないし20の脂肪族または芳香族二級アミン、2ないし3の一級もしくは二級アミノ基を有する炭素数2ないし20の多価アミン、炭素数4ないし20の飽和環状二級アミン、2ないし3の二級アミノ基を含む炭素数4ないし20の環状の多価アミンが好ましい。
【0050】
更に、水、炭素数1ないし20のアルコール、2ないし4の水酸基を有する炭素数2ないし10の多価アルコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドもしくはそれらのコポリマーなどであって2ないし6の末端を有しその末端に2ないし6の水酸基を有する分子量100ないし10,000のポリアルキレンオキシド、2ないし3の二級アミノ基を有する炭素数2ないし10の多価アミン、炭素数4ないし10の飽和環状二級アミン、2ないし3の二級アミノ基を含む炭素数4ないし10の環状の多価アミンなどが特に好ましい。
【0051】
ポリオール(B)の平均官能基数は、最初に用いる活性水素化合物の平均官能基数と、アルキレンオキシド付加重合中に副生するモノオールにより定まるが、2〜4の範囲であることが必要であり、活性水素化合物としては上記化合物のなかで、特に好ましくは、2価、3価、4価の活性水素化合物である。最も好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの2価アルコール類、グリセリン、トリメチロールプロパンなどの3価アルコール類、ペンタエリスリトール、ジグリセリンのような4価アルコール類である。これらの活性水素化合物は混合して用いることもできる。
【0052】
ポリオール(B)は上記活性水素化合物を触媒の存在下に、アルキレンオキシドを付加重合することで製造することができる。
触媒としては、従来知られているアルキレンオキシド重合触媒であるアルカリ金属化合物触媒、アルカリ土類金属化合物触媒、P=N結合を有する化合物触媒などの塩基性化合物触媒、三フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸触媒や亜鉛ヘキサシアノコバルテートなどの複合金属シアン化物触媒などが使用できる。
【0053】
アルキレンオキシドとしては、前記で例示したものが好適に使用できる。特に好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシドである。
【0054】
活性水素化合物にアルキレンオキシドを付加重合する反応は、反応温度80〜120℃、最大反応圧力0.5MPaG以下の条件で行うことができる。このような温度範囲で付加重合を実施すると、工業的に十分な重合速度が得られ、ポリエーテルポリオールの水酸基価にも依るが、総不飽和度も高くならない。アルキレンオキシドの付加重合反応の最大圧力は、0.5MPaG以下が好適である。
【0055】
通常、耐圧反応器内でアルキレンオキシドの付加重合が行われる。アルキレンオキシドの反応は、減圧状態から開始しても、大気圧の状態から開始してもよい。大気圧状態から開始する場合には、窒素、またはヘリウムなどの不活性気体存在下で行うことが望ましい。
【0056】
アルキレンオキシドの副生物であるモノオール量(総不飽和度)を抑制するためには、最大反応圧力は、より好ましくは、0.4MPaG以下、更に好ましくは0.3MPaG以下である。
【0057】
反応系へのアルキレンオキシドの供給方法は、必要量のアルキレンオキシドの一部を一括して供給し、残部を連続的に供給する方法、または全てのアルキレンオキシドを連続的に供給する方法などが用いられる。付加重合器の最大圧力は、アルキレンオキシドの装入速度、重合温度、触媒量などに影響される。アルキレンオキシドの装入速度は、付加重合器の最大圧力が0.5MPaGを超えないように制御することが好ましい。アルキレンオキシドの装入が完了すると、付加重合器の内圧は徐々に低下する。内圧の変化が認められなくなるまで付加重合反応を継続することが好ましい。
【0058】
ポリオール(B)のオキシエチレン基の含有量は、通常の軟質ポリウレタンフォームに使用する範囲であって、ポリオール中、0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%、より好ましくは、0〜17重量%である。
【0059】
アルキレンオキシドの付加重合の後、得られた粗製ポリオール(B)中の触媒は、中和または除去することが好ましい。
触媒を中和または除去する方法の好ましい例として、酸性または塩基性の触媒を中和するのに十分な塩基または酸で中和し、中和塩を析出させる方法の後、ケイ酸マグネシウムやケイ酸アルミニウムなどの合成無機吸着剤により、余剰の酸、塩基成分を吸着除去する方法を挙げることができる。吸着剤は、前述したような市販の吸着剤から適宜選択して使用することができる。
【0060】
また、粗製ポリオール100重量部に、水、または水とポリオールに不活性な溶媒、例えば、トルエン、ヘキサン類、ペンタン類、ヘプタン類、ブタン類、低級アルコール類、シクロヘキサン、シクロペンタン、キシレン類などの炭化水素系溶剤から選ばれる溶媒との混合溶媒を1〜200重量部加えて分液し、水洗後、減圧下、水および有機溶剤を留去する方法によっても触媒を除去することができる。
【0061】
また、粗製ポリオール100重量部に水を20〜200重量部加え、15〜100℃以下でイオン交換樹脂と接触させた後、ろ過によりイオン交換樹脂を除き、減圧下、脱水処理を行うことにより触媒を除去することもできる。
このような精製で本発明のポリオール中の残存触媒量を、軟質ポリウレタンフォームを得る際に支障のない程度に低減することができる。
【0062】
精製の際、ポリオールの品質の低下を防ぐために、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4'−テトラメチル−ジアミノジフェニルメタン、フェノチアジン、レシチン、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジラウリルチオプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネートなどを挙げることができるが、その他の公知の酸化防止剤を選択使用することもできる。酸化防止剤は、粗製ポリオールの量に対して、通常50〜5000ppm、好ましくは100〜4000ppm、より好ましくは300〜2000ppmの範囲の量を用いることが望ましい。
【0063】
以上の製造法により得られる本発明のポリオール(B)は、軟質ウレタンフォームの耐久性などの物性を確保する観点から、総不飽和度は、好ましくは0.040meq./g以下、より好ましくは0.030meq./g以下、特に好ましくは0.020meq./g以下である。
【0064】
ポリオール(C)
ポリオール(C)は、水酸基価20〜60mgKOH/g、平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオール(C−1)中に、エチレン性不飽和モノマーを重合したポリマー(C−2)を5〜50重量%分散するポリマー分散ポリオールである。従来公知のポリマー分散ポリオールから、ポリオール(C)の条件を満たすものを適宜選択して使用することができる。
【0065】
ポリマー分散ポリオールは、ポリエーテルポリオールの存在下に、アクリロニトリルやスチレンなどのビニルモノマーのように不飽和結合を有する化合物を、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物化合物のようなラジカル開始剤を用いて、ポリオール中で分散重合させて得られたビニルポリマー粒子の分散体をいう。このビニルポリマー粒子は、不飽和結合を有する化合物の重合体からなるビニルポリマー粒子でもよいが、分散重合時に、不飽和結合を有する化合物の少なくとも一部が、分散媒であるポリオールにグラフト化されているものが好ましい。
【0066】
不飽和結合を有する化合物とは、分子中に不飽和結合を有する化合物であり、たとえばアクリロニトリル、スチレン、アクリルアミドなどのビニルモノマーが挙げられる。これらの不飽和結合を有する化合物は、一種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0067】
ポリマー分散ポリオールを製造する際に、不飽和結合を有する化合物の他に、分散安定化剤や連鎖移動剤などを使用してもよい。
【0068】
ビニルポリマー粒子の分散安定性、およびポリマー分散ポリオールの粘度が高くなりすぎない観点から、ビニルポリマー粒子の濃度は、ポリエーテルポリオール中でビニルモノマーを重合して得られるポリマー分散ポリオール100重量部中、5〜50重量部であり、好ましくは10〜50重量部になるようにすることが好ましい。
【0069】
以上の製造法により得られる本発明のポリオール(C)において、用いるポリオール(C−1)は、軟質ウレタンフォームの耐久性などの物性確保の観点から、総不飽和度は、好ましくは0.040meq./g以下、より好ましくは0.030meq./g以下、特に好ましくは0.020meq./g以下である。
【0070】
また、ポリオール組成物(A)100重量部中、ポリオール(B)およびポリオール(C−1)中の50重量%以上、より好ましくは75重量%以上、さらに好ましくは100重量%のポリオールの総不飽和度が0.040meq./g以下である場合、好ましい物性を有する軟質ポリウレタンフォームを得ることができるので、このような態様は本発明の好ましい態様である。
【0071】
上記ポリオール(B)0〜99.5重量部と、上記ポリオール(C)0〜99.5重量部と、上記ポリオール(D)0.5〜3重量部を含む組成物であって、(B)、(C)および(D)が、その合計が100重量部となる割合である、ポリオール組成物は、本発明のポリオール組成物(A)の好ましい例である。
このようなポリオール組成物(A)は、軟質ポリウレタンフォーム製造に好適に使用できるポリオール組成物である。
【0072】
ポリオール(D)の量は、上記範囲にあって本発明の良好な結果が得られる。その量が少な過ぎる場合は、軟質ポリウレタンフォームを製造する際、十分なキュア性を得られないし、多すぎる場合は、軟質ポリウレタンフォーム製造時の成形性が悪化するか、得られる軟質ポリウレタンフォームの湿熱圧縮残留歪率が悪化する。
【0073】
本発明に係る軟質ポリウレタンフォームの製造において、ポリマー分散ポリオールであるポリオール(C)を使用する場合、ポリオール組成物 (A)中のポリエーテルポリオールとポリマー分散ポリオールの合計量を100としたとき、ポリマー微粒子の割合が5〜30質量%であることが好ましく、さらに好ましくは5〜20質量%であることが望ましい。こうすることにより、セルの連通化を促進し、フォーム硬度を向上させることができる。
【0074】
<有機イソシアナート化合物>
本発明に係る前記ポリエーテルポリオールなどのポリオールと反応させる有機イソシアナート化合物は、特に限定されないが、従来公知のトルイレンジイソシアナート(2,4−体や2,6−体などの異性体比率は特に限定されないが、2,4−体/2,6−体が80/20の比率のものが好ましく使用される。)や、トルイレンジイソシアナートとポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート(たとえば三井武田ケミカル社製コスモネートM−200)などの混合物が好ましく用いられる。
【0075】
また、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナートを含む組成物であるポリイソシアナートまたはそのウレタン変性体とトリレンジイソシアナートの混合物も好ましく使用できる。
【0076】
有機イソシアナート化合物がトルイレンジイソシアナートと他の有機イソシアナート化合物との混合系の場合は、トルイレンジイソシアナートを好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは60〜90質量%、特に好ましくは65〜85質量%の量で含有することが望ましい。トルイレンジイソシアナートの含有量は、フォームの耐久性と機械強度のバランスの点から上記範囲にあることが好ましい。このような有機イソシアナート化合物は、特に自動車シートパッド用軟質ポリウレタンフォームの製造に好適に使用することができる。
【0077】
このような有機イソシアナート化合物中のイソシアナート基の数は、イソシアナート基の総数をポリオールの水酸基や架橋剤などのアミノ基、水などのイソシアナート基と反応する活性水素の総数で除した値をNCOインデックスで表す。すなわち、イソシアナート基と反応する活性水素数と有機イソシアナート化合物中のイソシアナート基が化学量論的に等しい場合に、そのNCOインデックスは1.0となる。本発明に係る軟質ポリウレタンフォームでは、NCOインデックスは、好ましくは0.70〜1.30、さらに好ましくは0.80〜1.20の範囲にあることが望ましい。
【0078】
<発泡剤>
本発明において、発泡剤としては、水が用いられる。使用量としては、ポリオール100質量部に対して、好ましくは1.8〜5.0質量部、さらに好ましくは2.0〜4.5質量部の量である。
【0079】
水以外に、物理発泡剤として、地球環境保護の目的で開発されたクロロフルオロカーボン類やヒドロキシクロロフルオロカーボン類(HCFC−134aなど)などの含フッ素炭化水素類、炭化水素類(シクロペンタンなど)、炭酸ガス、液化炭酸ガス、その他の発泡剤が、水と併用して使用することができる。
【0080】
<軟質ポリウレタンフォーム>
次に、本発明の軟質ポリウレタンフォームおよびその製造方法について説明する。
本発明に係る軟質ポリウレタンフォームは、少なくとも前記ポリオール組成物(A)と、有機ポリイソシアナートを、発泡剤としての水、および必要により添加する助剤と共に、接触させることにより得ることができる。
【0081】
本発明に係る軟質ポリウレタンフォームの製造方法の条件としては特に限定されず、従来公知の製造方法を適宜適用することができる。具体的には、スラブ法、ホットキュアモールド法、コールドキュアモールド法のいずれにも適用できる。
【0082】
自動車シートパッドに使用する軟質ポリウレタンフォームを製造する方法としては、好ましくはホットキュアモールド法、コールドキュアモールド法であり、より好ましくはコールドキュアモールド法を挙げることができる。
【0083】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、ポリオール(A)、有機イソシアナート化合物、発泡剤、必要に応じてその他の成分を用いて発泡させることによって製造される。その他の成分としては例えば架橋剤、界面活性剤、触媒、整泡剤、その他の添加剤(セルオープナー、難燃剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤など)などを挙げることができる。
【0084】
有機イソシアナート化合物とポリオールは発泡直前で混合することが好ましい。その他の成分は、必要に応じて有機イソシアナート化合物またはポリオールと予め混合することが一般的であり、それら混合物は混合後直ちに使用しても、貯留し必要量を適宜使用してもよい。その他の成分の混合は、必要に応じて適宜その混合の組み合わせ、混合順序、混合後の貯留時間などを決定することができる。
【0085】
このような混合物のうちポリオールとその他の成分の混合物、即ちポリオールと化学発泡剤、触媒など、必要に応じて架橋剤、界面活性剤、整泡剤、その他添加剤を混合したものをレジンプレミックスと呼称することがある。これらの組成は、必要とされる軟質ポリウレタンフォームの品質によって適宜設定することができる。コールドキュアモールド法では、通常架橋剤が必須成分として使用される。
【0086】
このレジンプレミックスを有機イソシアナート化合物と反応させる。使用するレジンプレミックスの粘度は発泡機での混合性、フォームの成形性の観点から2500mPa・s/25℃以下であることが好ましい。
【0087】
混合方法には、特に制限はなく、従来公知の方法を使用することができる。例えば、ダイナミックミキシング、スタティックミキシングのいずれでも、また両者の併用でもよい。ダイナミックミキシングによる混合方法としては、攪拌翼などにより混合する方法が挙げられる。またスタティックミキシングによる混合方法としては、発泡機のマシンヘッド混合室内で混合を行う方法やスタティックミキサーなどを用いて送液配管内で混合を行う方法などが挙げられる。発泡直前に実施される混合や物理発泡剤などのガス状成分と液状成分の混合はスタティックミキシングで、貯留可能成分同士の混合はダイナミックミキシングで実施される。
【0088】
混合温度、圧力は目的の軟質ポリウレタンフォームの品質、原料の種類や組成によって必要に応じて任意に設定することができる。
【0089】
たとえば、本発明に係るポリオール、発泡剤、架橋剤、整泡剤、触媒、その他の添加剤をあらかじめ混合してレジンプレミックスとした後、該レジンプレミックスと有機イソシアナート化合物とを所定の比率で混合し、金型に注入して反応および発泡、硬化させて一定形状の目的物を得ることができる。
【0090】
次に、本発明に係る軟質ポリウレタンフォームを製造するために、必要に応じて用いる他の成分について説明する。
(整泡剤)
本発明に係る軟質ポリウレタンフォームの製造において用いられる整泡剤としては、通常用いられるシリコーン整泡剤、即ち有機ケイ素系界面活性剤を使用することができる。
たとえば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSRX−274C、SF−2969、SF−2961、SF−2962、Y−10515、SF−2971(以上、商品名)、日本ユニカー社製のL−5309、L−3601、L−5307、L−3600、L−5366、SZ−1142、SZ−1346(以上、商品名)、エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製のDC5164、DC5043、DC5169、DC2583、DC2585(以上、商品名)、ゴールドシュミット社製のB8719、B8724、B8727、B8715、B8726、B4113(以上、商品名)などを好ましく用いることができる。シリコーン整泡剤の使用量は、ポリオール100質量部に対して、0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
【0091】
(触媒)
本発明に係る軟質ポリウレタンフォームの製造に際して、触媒を添加することができる。触媒としては、従来公知の触媒が使用でき、特に制限は無いが、たとえば、トリエチレンジアミン、ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテルなどの他、反応型触媒として花王社製のジメチルアミノヘキサノール(カオーライザーNo.25)、カオーライザー P-200(以上、商品名)、エアプロダクツ・アンド・ケミカルズ社製のNE-200、NE-210、NE-500、NE-1060、PC-17(以上、商品名)などを好ましく用いることができる。
【0092】
これらの触媒は、単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。触媒の使用量は、ウレタンフォーム成形性および、揮発成分低減の観点からポリオール100質量部に対して、0.01〜5質量部であることが好ましい。
【0093】
(架橋剤)
本発明に係るコールドキュア軟質ポリウレタンフォームの製造においては、架橋剤を使用することができる。架橋剤の水酸基価は、好ましくは200〜2000mgKOH/gである。このような架橋剤としては、例えばグリセリンなどの脂肪族多価アルコール類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類などが挙げられる。
【0094】
また、水酸基価が200〜1800mgKOH/gであるポリエーテルポリオールも架橋剤として用いることができ、さらに、従来公知の架橋剤も用いることができる。
【0095】
このような架橋剤を使用する場合は、前記ポリオール組成物 (A)100質量部に対して、0.1〜10質量部の量を用いることが好ましい。
【0096】
(添加剤)
本発明に係る軟質ポリウレタンフォームの製造に際して、その他添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で用いることができる。例えば、軟質ポリウレタンフォームの独泡性を制御するために、セルオープナーとして、三井武田ケミカル社製品のEP−505S、MF−19などを使用することができる。使用する場合は、前記ポリオール組成物(A)100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲で用いることが好ましい。
【0097】
<用途>
本発明の軟質ポリウレタンフォームの用途は特に制限されるものではなく、クッション材や、吸音材などに好適に使用することができる。
本発明軟質ポリウレタンフォームは、製品から排出される揮発性アミンを低減した軟質ポリウレタンフォームであるという優れた性質を有してしているので、車内、室内といった閉じられた空間における使用においてよりその特徴を発揮する。中でも、自動車のシートクッションやシートバック用のシートパッドに好適に使用することができる。
【0098】
シートパッドとしては、前記した金型成形によって所望の形状に成形したものが使用できるが、成形条件を調整することによってシートパッドの使用目的に応じた物性を有する軟質ポリウレタンフォームを得ることができる。たとえば、自動車用シートパッドにおいてはシートクッション用のシートパッドとシートバック用のシートパッドでは求められる物性が異なっている。
【0099】
本発明の軟質ポリウレタンフォームを自動車用シートクッションに用いる場合、コア密度が30kg/m〜60kg/m、25%ILD硬度が150〜300N/314cm、湿熱圧縮残留歪率が20%以下であることが好ましい。
【0100】
本発明の軟質ポリウレタンフォームを自動車用シートバックに用いる場合、コア密度が20kg/m〜45kg/m、25%ILD硬度が50〜200N/314cm、湿熱圧縮残留歪率が30%以下であることが好ましい。
本発明の自動車用シートパッドに用いる軟質ポリウレタンフォームの揮発性アミン成分は、0〜200ppmであることが好ましい。
【0101】
本発明の軟質ポリウレタンフォームは、吸音材としても用いることができる。本発明の軟質ポリウレタンフォームを用いた吸音材の揮発性アミン成分としては、0〜200ppmであることが好ましい。
【実施例】
【0102】
以下に本発明の実施例を示し、本発明の態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0103】
本発明における分析および測定は、下記の方法に従って行った。
(1)ポリエーテルポリオール(以下、ポリオールと言う)の水酸基価(OHV、単位:mgKOH/g)および総不飽和度(単位:meq./g)
JIS K−1557記載の方法により測定した。
(2)開始剤およびポリエーテルポリオールのアミン価(単位:mgKOH/g)
試料を100mlビーカーに秤量し、60mlの氷酢酸(非水滴定用酢酸)に溶解し、例えば濃度N/10の過塩素酸-酢酸溶液で滴定し、中和点を求め、アミン価(mgKOH/g)=56.1×v×f×0.1/Sとして算出した。値は、2回測定した平均値を用いた。
【0104】
式中v、fおよびSは下記を表す。
v:滴定に要したN/10 過塩素酸-酢酸溶液の量(ml)
f:滴定に用いたN/10 過塩素酸-酢酸溶液の力価(ファクター)
S:試料の量(g)
【0105】
(3)フォーム物性
以下の基準に準拠して測定した。
フォーム密度:JIS K−6400記載の方法により測定を実施した。
JIS規格での見かけ密度を指す。
測定は、表皮スキンを切り落とすか、または成形したフォームから切り出した直方体フォームサンプルを用いて行った。
【0106】
揮発性触媒低減率:アミン系触媒の内、揮発性アミン化合物の重量をコントロール処方中の量を基準として百分率で示した。
【0107】
独泡性:成形した軟質ポリウレタンフォームの独泡性を触感により測定した。独泡性の弱い順に、SN、S、SM、M、L、2Lとして表した。
【0108】
キュア性:レジンプレミックスとイソシアナートを混合して反応を始めたポリウレタン原液を、アルミ製モールドに注入して、蓋を閉めて発泡させた。
反応開始後6分後に、モールドからはみ出した部分(バリ)のキュア性を触感により判定し、判定結果を下記基準に従って表示した。
○:十分キュアした状態
△:ややべたつきが残る状態
×:キュアが不十分な状態
【0109】
フォーム硬さ:JIS K−6400記載のA法に準拠して測定を実施した。サンプルは上記フォーム密度の測定と同様のサンプルを用いた。フォームの厚みは94mmないし100mmのものを使用した。測定は23℃で、相対湿度50%に調節した部屋で、24時間保存した後、その部屋で行った。
【0110】
反発弾性:JIS K−6400記載の方法により測定を実施した。フォームのコア部の測定結果を記載した。
伸びおよび引き裂き強度:JIS K−6400記載の方法により測定を実施した。
【0111】
湿熱圧縮残留歪率:JIS K−6400記載の方法により測定を実施した。測定に際しては、成形した軟質ポリウレタンフォームのコア部を50×50×25mm切り抜いて使用した。試験片を50%の厚みまで圧縮し、平行平面板に挟み、50℃、相対湿度95%の条件下、22時間放置した。試験片を取り出して30分後、その厚みを測定し、試験前の値と比較して歪み率を測定した。
【0112】
ポリウレタンフォームの吸音性能の測定方法吸音性能は、ISO10534−2による2マイクロホン法により測定した。測定には、内径29mmのインピーダンス管を使用した。測定サンプルは、23℃、相対湿度50%の室内に24hr静置したものを用いた。また、吸音率測定装置は、23℃、相対湿度50%の雰囲気にて使用した。これら測定により得られた吸音率はその値が高いほど吸音性能に優れていることを示す。
【0113】
(4)揮発性アミン成分の測定
軟質ポリウレタンフォームをポリエチレン製袋内でフリー発泡し、袋を密閉状態に保存したまま、24時間放置した後、揮発性アミン成分の熱抽出測定に供した。
試料フォームから切り出したサンプルをヘリウム通気下に加熱し、脱着した揮発性アミン成分を冷却トラップで捕捉し、GC-MSにてトラップ物を同定、定量し、フォーム単位重量あたりの揮発性アミン成分として表した。
【0114】
サンプリング: 試料フォームの中心部を切り取って秤量した。
分析装置:
加熱脱着装置 TDS2/TDSA/CIS4(ゲステル社製)
GC-MS HP6890/HP5973(ヒューレットパッカード社製)
加熱脱着条件:
熱抽出 20℃から120℃に60℃/分の速度で昇温し、15分間保った。
トラップ温度 −120℃に冷却し、通気したヘリウムガスで抽出された揮発成分をトラップした。トラップ物を、12℃/秒の速度で210℃まで昇温してGC-MSへ供した。
GC-MS分析条件:
カラム CAM (0.25mm×30m 膜厚 0.25μm)
昇温条件 50℃から20℃/分の速度で210℃まで昇温した。
【0115】
インジェクションモード スプリット(50/l)
ヘリウム通気 1.5ml/分
測定モード SIM
【0116】
軟質ポリウレタンフォームの製造に使用した原材料を以下に示す。
ポリオールA:KOH触媒存在下に、ペンタエリスリトールにプロピレンオキサイド(以下POと略す)付加後、エチレンオキサイド(以下EOと略す)キャップ(14wt%)したOHV34mgKOH/g、総不飽和度0.062meq./gのポリオール。
ポリオールB:KOH触媒存在下に、グリセリンにPO付加後、EOキャップ(15wt%)したOHV34mgKOH/g、総不飽和度0.059meq./gのポリオール中で、アゾビスイソブチロニトリル存在下にANを重合した、ポリマー含量20wt%、OHV28mgKOH/gのポリマー分散ポリオール。
ポリオールC:CsOH触媒存在下に、グリセリンにPO付加後、EOキャップ(15wt%)したOHV35mgKOH/g、総不飽和度0.018meq./gのポリオール。
ポリオールD:CsOH触媒存在下に、グリセリンにPO付加後、EOキャップ(15wt%)したOHV35mgKOH/g、総不飽和度0.018meq./gのポリオール中で、アゾビスイソブチロニトリル存在下にAN/St(80/20重量比)を重合したポリマー含量20wt%、OHV28mgKOH/gのポリマー分散ポリオール。
ポリオールE:メチルイミノビスプロピルアミン(MIBPA)にEO付加したOHV560mgKOH/g、アミン価420mgKOH/gのポリオール。
ポリオールF:MIBPAにPO付加したOHV580mgKOH/g、アミン価435mgKOH/gのポリオール。
ポリオールG:1−(2−アミノエチル)ピペラジンにEO付加したOHV550mgKOH/g、アミン価550mgKOH/gのポリオール。
ポリオールH:エチレンジアミンにPO付加したOHV755mgKOH/g、アミン価380mgKOH/gのポリオール。
ポリオールI:エチレンジアミンにPO付加後、EOキャップ(43wt%)したOHV755mgKOH/g、アミン価380mgKOH/gのポリオール。
ポリオールJ:KOH触媒存在下に、MIBPAにPO付加後、EOキャップ(15wt%)したOHV34mgKOH/g、アミン価26mgKOH/gのポリオール。
ポリオールK:1−(2−アミノエチル)ピペラジンにPO付加後、EOキャップ(12wt%)したOHV34mgKOH/g、アミン価34mgKOH/gのポリオール。
ポリオールL:KOH触媒存在下に、ペンタエリスリトールにPO付加後、EOキャップ(15wt%)した、OHV45mgKOH/g、総不飽和度0.028meq./gのポリオール。
【0117】
セルオープナーA:KOH触媒存在下に、グリセリンにプロピレンオキシド(25wt%)、エチレンオキシドを付加したOHV52mgKOH/gのセルオープナー。
セルオープナーB:KOH触媒存在下に、ジプロピレングリコールにエチレンオキシドを付加した OHV110mgKOH/gのセルオープナー。
【0118】
架橋剤A:ペンタエリスリトールにエチレンオキシドを付加した OHV600mgKOH/gの架橋剤。
架橋剤B:架橋剤Aとジエタノールアミンを混合したOHV850mgKOH/gの架橋剤。
架橋剤C:グリセリン。
水:蒸留水
【0119】
アミン触媒A:活材ケミカル社製品でトリエチレンジアミンの33wt%ジプロピレングリコール溶液。
アミン触媒B:Crompton社製品で、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテルの70%ジプロピレングリコール溶液。
アミン触媒C:花王社製品で、カオーライザーNo.25(ジメチルアミノヘキサノール)。
【0120】
整泡剤A:L−5309。日本ユニカー社製品のシリコーン整泡剤。
整泡剤B:L−3601。日本ユニカー社製品のシリコーン整泡剤。
整泡剤C:SF−2971。東レダウコーニング社製品のシリコーン整泡剤。
有機イソシアナート化合物A:コスモネートTM−20 三井武田ケミカル社製品で、2,4−トルイレンジイソシアナートと2,6−トルイレンジイソシアナートとの80:20質量比の混合物80部と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート20部の混合物。
【0121】
(実施例1〜10および比較例1〜9)
表1に示すオーバーオール密度50kg/mのコールドキュア軟質ポリウレタンフォーム処方、表2に示すオーバーオール密度40kg/mのコールドキュア軟質ポリウレタンフォーム処方、表3に示すオーバーオール密度30kg/mのコールドキュア軟質ポリウレタンフォーム処方、表4に示すオーバーオール密度110kg/mのコールドキュア軟質ポリウレタンフォーム処方の各成分を混合してレジンプレミックス液を調製した。表1〜表3はシートパッド用処方、表4は吸音材用処方を表す。単位は重量部(以下同じ)である。
【0122】
整泡剤は、ウレタンフォームをモールドから脱型してクラッシングした際に、フォームが割れない程度の独立気泡性に調整するため、整泡剤A、B、Cを調整して使用した。
【0123】
上記レジンプレミックス液と、NCOインデックス1.00の当量分を計量した有機イソシアナート化合物Aを予め23℃に温度調整した。レジン液と有機イソシアナート化合物Aを6秒間混合し、直ちに予め65℃に調整した内寸400×400×100mmの金型へ注入し、蓋を閉めて発泡させた。金型温度を65℃に温度調節したまま6分間加熱硬化した後、軟質ポリフォームを金型より取り出し、クラッシングした。得られたコールドキュア軟質ポリウレタンフォームの物性を表1〜表4に示す。
【0124】
【表1】

【0125】
【表2】

【0126】
【表3】

【0127】
【表4】

【0128】
<実施例の考察>
実施例1〜10および比較例1〜9の比較により、本発明のポリオール(D)をポリオール組成物(A)中0.5〜3重量部の範囲で使用すると、揮発性アミン触媒を使用するコントロール処方である比較例1、比較例6、比較例8および比較例9と同等のキュア性およびフォーム物性を維持しながら、揮発性アミン触媒の使用量を50〜100%低減できることがわかる。
【0129】
特に、ポリオール(B)およびポリオール(C)の総不飽和度が低い実施例4では、揮発性アミン触媒を全く使用していないにも関わらず、比較例1と遜色ない耐久性(湿熱圧縮永久歪)を示し、実施例10では、比較例9と全く遜色ない吸音性能を示しており、本願発明における低不飽和度ポリオールの効果がわかる。
【0130】
ポリオール(D)をポリオール組成物(A)中、3重量部を超えて使用すると、成形品中心部にヒケが生じて、満足な成形性を得られないことがわかる(比較例7)。本発明のポリオール(D)と異なる構造を有するアミン化合物を開始剤とするポリオール(ポリオールH,I)を、本発明のポリオール(D)と同程度の使用量で用いても、全くキュア性が劣ることがわかる(比較例2〜3)。
【0131】
また、本発明のポリオール(D)と同じ構造を有するアミン化合物を開始剤とするポリオールであっても、その水酸基価が本発明のポリオール(D)の範囲に入っていないポリオール(ポリオールJ,K)を、ポリオール(B)と置き換えて使用しても、十分なキュア性を得ることができないことがわかる(比較例4〜5)。
【0132】
さらに、揮発性アミン成分の熱抽出回収量は、比較例1、6、8および9が400ppm以上であるのに対し、実施例では0〜200ppmの範囲に低減していることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明により、揮発性アミン触媒の使用量を低減し、軟質ポリウレタンフォーム製造工程における作業環境を改善すると共に、軟質ポリウレタンフォーム製品から排出される揮発性アミンを低減することのできる軟質ポリウレタンフォームの製造が可能となる。
【0134】
本発明により得られる軟質ポリウレタンフォームは、自動車用シートパッドおよび吸音材の分野に幅広く利用することができる。
【0135】
自動車用吸音分野では、本発明の軟質ポリウレタンフォームは、例えば、ダッシュサイレンサー、フロアーマット、エンジンルーム、天井材、トランクルームなどに用いられ、特に、ダッシュサイレンサーに好適に用いられる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)および下記式(2)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物にアルキレンオキシドを付加してなるアミン価が400〜600mgKOH/gであり、かつ水酸基価が350〜700mgKOH/gのポリエーテルポリオール(ポリオール(D))を含むポリオール組成物(A)と有機ポリイソシアナートを、発泡剤としての水と共に、接触させることにより得られる軟質ポリウレタンフォーム。
【化7】

(RおよびRは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは−(CH)−NH(nは1〜3の整数)で表される基であり、R〜Rは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4の鎖状または分枝状アルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
【化8】

(Rは炭素数1〜4の鎖状または分枝状のアルキル基またはアルケニル基を表し、kおよびmは、1〜6の整数を表す。)
【請求項2】
前記ポリオール組成物(A)が、前記ポリオール(D)0.5〜3重量部と、下記ポリオール(B)0〜99.5重量部および下記ポリオール(C)0〜99.5重量部とからなるポリオール組成物(ただし、(D),(B)および(C)は、その合計が100重量部となる割合である)であることを特徴とする請求範囲第1項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
ポリオール(B):水酸基価20〜60mgKOH/gで平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオール。
ポリオール(C):水酸基価20〜60mgKOH/gで平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオール(C-1)中に、エチレン性不飽和モノマーを重合したポリマー(C−2)を5〜50重量%が分散されてなるポリマー分散ポリオール。
【請求項3】
前記(1)で表されるアミノ化合物が1−(2−アミノエチル)ピペラジンであり、前記(2)で表されるアミノ化合物がメチルイミノビスプロピルアミンである請求の範囲第1または2項に記載の軟質ポリウレタンフォーム。
【請求項4】
水酸基価20〜60mgKOH/gで平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオールであるポリオール(B)0〜99.5重量部、水酸基価20〜60mgKOH/gで平均官能基数2〜4のポリエーテルポリオール(C−1)中に、エチレン性不飽和モノマーを重合したポリマー(C−2)が5〜50重量%分散されているポリマー分散ポリオールであるポリオール(C)0〜99.5重量部と、
下記式(1)および下記式(2)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも1種のアミン化合物にアルキレンオキシドを付加してなるアミン価が400〜600mgKOH/g、かつ水酸基価が350〜700mgKOH/gのポリエーテルポリオールであるポリオール(D)0.5〜3重量部からなる組成物であって、(B)、(C)および(D)はその合計が100重量部となる割合であるポリオール組成物。
【化9】

(RおよびRは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは−(CH)−NH(nは1〜3の整数)で表される基であり、R〜Rは、同じでも異なっていてもよく、Hまたは炭素数1〜4の鎖状または分枝状アルキル基もしくはアルケニル基を表す。)
【化10】

(Rは炭素数1〜4の鎖状または分枝状のアルキル基またはアルケニル基を表し、kおよびmは、1〜6の整数を表す。)
【請求項5】
請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームからなる自動車用シートパッド。
【請求項6】
前記シートパッドのコア密度が30kg/m〜60kg/m、25%ILD硬度が150〜300N/314cm、湿熱圧縮残留歪率が20%以下であリ、シートクッション用に使用される請求の範囲第5項に記載の自動車用シートパッド。
【請求項7】
前記シートパッドのコア密度が20kg/m〜45kg/m、25%ILD硬度が50〜200N/314cm、湿熱圧縮残留歪率が30%以下であり、シートバック用である請求の範囲第5項に記載の自動車用シートパッド。
【請求項8】
前記シートパッドの揮発性アミン成分が0〜200ppmである請求の範囲第5〜7項のいずれかに記載の自動車用シートパッド。
【請求項9】
請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の軟質ポリウレタンフォームからなる吸音材。
【請求項10】
前記吸音材の揮発性アミン成分が0〜200ppmである請求の範囲第9項に記載の吸音材。


【国際公開番号】WO2005/040243
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【発行日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515024(P2005−515024)
【国際出願番号】PCT/JP2004/015946
【国際出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(501140544)三井化学ポリウレタン株式会社 (115)
【Fターム(参考)】