説明

転がり軸受装置

【課題】長寿命な転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】転がり軸受装置の備える予圧付与部材10は、A=(予圧アキシアル荷重[N]−外部アキシアル荷重[N])/基本動定格荷重[N]で求められるパラメータAの値が0.01以上0.10以下の範囲となるように、転がり軸受に定圧予圧を付与している。これにより、内輪4及び外輪5と、転動体6との滑りが生じにくい定圧予圧を付与することができる。このような構成により、外部荷重が負荷された場合であっても、内輪4及び外輪5と、転動体6との滑りが生じにくい。そのため、内輪4及び外輪5と、転動体6との滑りによる焼付き等の損傷を防止ないし抑制すると共に、過大な荷重によるフレーキング等の損傷を防止ないし抑制することができる。したがって、本発明の転がり軸受装置は長寿命である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転がり軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転軸、ハウジング及び転がり軸受を備えており、回転軸が内輪の内径面に嵌合され、ハウジングの内面が外輪の外径面に嵌合されて、回転軸がハウジングに回転自在に支持される構成となっている転がり軸受装置が知られている。
かかる転がり軸受装置として、単列のアンギュラ玉軸受を回転軸の軸方向両側にそれぞれ配置し、これらの間において、両アンギュラ玉軸受の外輪を軸方向両側に予圧を付与するコイルばねとスペーサとを設けたものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
上記転がり軸受装置に用いられるアンギュラ玉軸受では、自転軸を一定方向に向けた状態で各玉が自転しながら、内輪軌道及び外輪軌道に沿って転動するため、その自転軸に対応する赤道回りの同じ部分だけが内輪軌道及び外輪軌道に接触することになる。
従って、このような転動状態で、硬質の異物が混入した潤滑油が軸受装置に供給されると、その異物が玉の転動部分に噛み込み、玉の外周赤道付近を周回するバンド状の摩耗痕が生じることがあり、この摩耗痕によって異常音が発生するおそれがある。
【0004】
そこで、両アンギュラ玉軸受に付与する予圧を低減し、玉の自転軸が一定方向に固定されない程度にアキシアル方向の定圧予圧を付与することにより、アンギュラ玉軸受の玉にバンド状の摩耗痕が発生するのを防止して、異常音の発生を防止ないし抑制する技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−101128号公報
【特許文献2】実用新案登録第2577011号公報
【特許文献3】特開2009−204004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載の転がり軸受装置においても、転がり軸受に用いられる潤滑剤をグリース潤滑とした場合には、潤滑油ほど潤沢な潤滑剤が存在しえないため、玉と軌道面との滑りが発生した際に軸受が焼付き等により損傷する恐れがある。また、付与するアキシアル方向の定圧予圧が過少である場合にも、玉と軌道面との滑りが発生した際に焼付き等により軸受が損傷する恐れがある。一方、付与するアキシアル方向の定圧予圧が過大である場合には、過大な荷重によりフレーキング等の損傷が発生する恐れがある。
そこで、本発明は上記のような従来技術が有する問題点を解決し、長寿命な転がり軸受装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、本発明の一態様に係る転がり軸受装置は、同心状に配置された内輪と外輪との間に環状空間が形成され、前記内輪又は前記外輪の軸方向端部又はその付近に形成された係止溝に配設された密封部材により、この環状空間の開口を密封してなる一対の転がり軸受を同軸上に配置し、前記一対の転がり軸受は、前記同軸上で軸方向に離れた位置にそれぞれ配置された内輪軌道を有する一対の内輪と、前記各内輪軌道に個別に対向する外輪軌道を有する一対の外輪と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に転動自在に配置される複数の転動体とを備え、前記一対の外輪のうち少なくとも一方の外輪の側面にアキシアル方向の定圧予圧を付与する予圧付与部材を備えており、
前記予圧付与部材は、
A=(予圧アキシアル荷重[N]−外部アキシアル荷重[N])/基本動定格荷重[N]
で求められるパラメータAが0.01以上0.10以下の範囲となるように、前記転がり軸受に定圧予圧を付与したことを特徴とする。
【0008】
また、上記転がり軸受装置においては、前記転がり軸受は、アンギュラ玉軸受であり、各転がり軸受の外輪はハウジングの内側に嵌合され、各転がり軸受の内輪の内径面には共通する一本の軸が嵌合されていて、前記転がり軸受が前記軸を前記ハウジングに相対回転可能に支持することが好ましい。
さらに、上記転がり軸受装置においては、前記予圧付与部材は、予圧ばねを備え、前記予圧ばねのばね定数B[N/mm]と前記転がり軸受の外径C[mm]との比B/Cの値を、0.2以上3.5以下としたことが好ましい。
また、上記転がり軸受装置においては、さらに、制振部材を前記外輪の外径面と前記ハウジングの内面との間に介在させ、前記外輪と前記制振部材との対向面間に径方向の隙間を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の転がり軸受装置の転がり軸受は、A=(予圧アキシアル荷重[N]−外部アキシアル荷重[N])/基本動定格荷重[N]で求められるパラメータAの値が、0.01以上0.10以下の範囲となるように、定圧予圧が付与されている。このような構成により、本発明の転がり軸受装置は、内輪、外輪及び転動体の滑りが生じにくい定圧予圧を付与することができる。したがって、内輪及び外輪と、転動体との滑りによる焼付き等の損傷を防止ないし抑制すると共に、過大な荷重によるフレーキング等の損傷を防止ないし抑制する。そのため、本発明の転がり軸受装置は長寿命である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る転がり軸受装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る転がり軸受装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る転がり軸受装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る転がり軸受装置の実施の形態を、図を参照しながら詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の転がり軸受装置の第1の実施形態を示す断面図である。図1に示すように、この転がり軸受装置は、軸1と、ハウジング2と、これらの一方を他方に回転自在に支持する一対の転がり軸受3,3とを備えている。
【0012】
各転がり軸受3は、アンギュラ玉軸受であって、両者の基本的構成はそれぞれ同じである。転がり軸受3は、外周面に内輪軌道4aを有する内輪4と、内輪軌道4aに対向する外輪軌道5aを内周面に有する外輪5と、内輪軌道4aと外輪軌道5aとの間に転動自在に配された複数の転動体(玉)6とを備えている。転がり軸受3は、内輪軌道4aと外輪軌道5aとにより環状空間Sを形成しており、この環状空間Sに転動体6を備えている。
内輪4の外周面に形成された内輪軌道4aは、所定の曲率半径を有するアンギュラ型の軌道であり、その軸線は斜め内側に向けられている。そして、本実施形態の転がり軸受3では、その内輪4は、軌道に隣接する溝肩の軸方向一方側を落として形成したカウンタボアを有する断面形状とされている。
【0013】
また、転がり軸受3は、内輪4及び外輪5の間に転動体6を保持する保持器7と、外輪5(内輪4でもよい)の軸方向端部又はその付近に係止溝8に配設され且つ先端が内輪4に摺接して、内輪4及び外輪5の間の隙間の開口を覆う密封部材9と、を備えており、密封された前記環状空間Sには、潤滑剤としてグリースが封入されている。さらに、この各転がり軸受3の各内輪4の間には、内輪間座12が介装されている。なお、保持器7や密封部材9、グリース、内輪間座12は備えていなくてもよい。また、潤滑剤として潤滑油を用いてもよい。
【0014】
軸1の外周面には、各転がり軸受3を保持するために小径に形成された小径部1aが形成されている。小径部1aにおける、軸方向両端部の外周には各転がり軸受3を配し、以て小径部1aは各内輪4の内径面4bに嵌合されている。これにより、軸1には、同軸上に間隔をあけるように各転がり軸受3を配置している。
ハウジング2の内側である内面2aには、各転がり軸受3を保持するための略円筒形状の拡がった拡径部2bが形成されている。拡径部2bの軸方向両端部には、各転がり軸受3の各外輪5の外径面5bを嵌合している。また、ハウジング2の拡径部2b端部の段状の部分には外輪5の外側面が当たっている。これらの構成により、一対の転がり軸受3,3は、軸1の小径部1aとハウジング2の拡径部2bとの間に配されて、軸1とハウジング2とを相対回転可能に支持している。
【0015】
このような本実施形態の転がり軸受装置は、電動圧縮機や電動送風機用のものとして好適に使用可能であり、例えば車載用過給機(電動モータ駆動方式の過給機)や空気圧送機に好適に使用可能である。電動圧縮機や電動送風機として使用される場合には、軸1の一方の端部が図示しないモータに接続されており、通電することにより軸1が各転がり軸受3,3により支持されつつ回転駆動される。軸1の他の端部には、図示しないインペラがナット等により取り付けられており、軸1が回転駆動されることにより、軸1に固定されているインペラが回転し、空気が送られる。
【0016】
本実施形態の転がり軸受装置は、各転がり軸受3の各外輪5の相互に対向する側面5c間にアキシアル方向の定圧予圧を付与する予圧付与部材10を備えている。予圧付与部材10は、軸1の小径部1a及びハウジング2の拡径部2bにより形成される略円筒形状の空間内で、一対の転がり軸受3,3の外輪5,5間に配されており、軸方向に定圧予圧を付与している。予圧付与部材10としては、予圧を付与できるものであれば特に限定されるものではないが、ばね、スポンジ、ゴム等の弾性部材等があげられる。また、ばねとしては例えば、コイルばねや板ばね等があげられる。なお、本実施形態の予圧付与部材10は、予圧制御のし易さの観点から、予圧を付与する予圧ばねとして圧縮コイルばねを用いており、コイルばねの中心孔が軸1の外周面に沿うように嵌合している。
【0017】
予圧付与部材10は、A=(予圧アキシアル荷重[N]−外部アキシアル荷重[N])/基本動定格荷重[N]で求められるパラメータAの値が0.01以上0.10以下の範囲となるように、各転がり軸受3に定圧予圧を付与している。これにより、内輪4、外輪5、及び転動体6の滑りが生じにくい初期予圧を付与することができる。パラメータAの値が0.01未満の場合には、内輪軌道4a、外輪軌道5a及び転動体6に焼き付きによる破損が生じやすく、一方、パラメータAの値が0.10超過の場合には、内輪軌道4a、外輪軌道5a及び転動体6に剥離による破損が生じやすいからである。
【0018】
また、予圧付与部材10は、前述のように予圧ばねとしてコイルばねを用いており、ばね定数B[N/mm]と、転がり軸受3の外径C[mm]との比である、B/Cの値を0.2以上3.5以下とすることが好ましい。B/Cの値を0.2以上とすると組立て性の観点から好ましく、また0.22以上とすることがより好ましい。さらに、予圧付与部材10の周辺部材の寸法誤差による荷重の変動を抑制し、ばねの傾きによる転がり軸受のミスアライメントを避ける観点から、B/Cの値を3.5以下とすることが好ましい。
【0019】
予圧付与部材10として、皿ばねや波状ワッシャ等を用いることも可能であるが、皿ばねの上記B/Cの値は、一般的に50以上200以下程度と大きいため、寸法誤差による荷重変動も大きく、制御が困難である。一方、皿ばねより薄肉の波状ワッシャの上記B/Cの値は、0.1以上0.5以下程度となるが、限界の変位量が小さいため、所要の予圧をかけることが困難である。よって、予圧付与部材10としては、前記のように圧縮コイルばねが好適である。
【0020】
本実施形態の転がり軸受装置は、このような構成により、外部荷重が負荷された場合であっても、内輪4、外輪5及び転動体6の滑りが生じにくい定圧予圧を付与することができる。そのため、内輪4及び外輪5と、転動体6との滑りによる焼付き等の損傷を防止ないし抑制すると共に、過大な荷重によるフレーキング等の損傷を防止ないし抑制することができる。さらに、転がり軸受3の転動体6にバンド状の摩耗痕が発生しにくく、異常音の発生が生じにくい。したがって、本実施形態の転がり軸受装置は長寿命である。
また、組立てやすく、予圧付与部材10の周辺部材の寸法誤差による荷重の変動を抑制することができると共に、ばねの傾きによるミスアライメントを避けることができる。
【0021】
〔実施例〕
以下に、実施例を示して、本実施形態をさらに具体的に説明する。図1のアンギュラ玉軸受とほぼ同様の構成のアンギュラ玉軸受を用意して、グリースを封入した。そして、該アンギュラ玉軸受の外輪の側面に、パラメータAの値が−0.01以上0.12以下の範囲となるようにアキシアル方向の定圧予圧を付与して回転させ、転がり軸受の破損の有無を検討した。結果を表1に示す。なお、表中パラメータAとは、(予圧アキシアル荷重[N]−外部アキシアル荷重[N])/基本動定格荷重[N]で求められるパラメータAの値を示している。
【0022】
【表1】

【0023】
表1からわかるように、パラメータAの値が0.00以下と0.12以上では転がり軸受が破損し、0.01以上0.10以下では破損しなかった。よって、パラメータAの値を0.01以上0.10以下とする必要がある。
【0024】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について、図2を用いて説明する。なお、第2の実施形態の転がり軸受装置の構成、作用等のうち、第1の実施形態の転がり軸受装置と異なる部分を中心にして説明し、第1の実施形態と同一の部分には図に同一の符号を付して説明は省略する。
【0025】
本実施形態の転がり軸受装置は、制振部材11を備えている点で第1の実施形態と異なる。制振部材11は、各転がり軸受3と同軸の円筒型の部材であり、各外輪5の外径面5bとハウジング2の内面2aとの間に挟まれるように配されている。制振部材11は具体的には、ハウジング2の内面2aの拡径部2bの内面と各転がり軸受3の外輪5の外径面5bとの間に配されている。
【0026】
これにより、軸1の高速回転時に発生する振動が各転がり軸受3やハウジング2に伝達することが抑制されるので、本実施形態の転がり軸受装置は低振動且つ低騒音である。その結果、各転がり軸受3等に振動による損傷が生じることが抑制されるので、本実施形態の転がり軸受装置は長寿命である。また、本実施形態の転がり軸受装置を用いた電動圧縮機や電動送風機も長寿命となる。
制振部材11の材質は、制振性を有するものならば特に限定されるものではないが、エラストマ、ゴム、樹脂等が好ましい。そして、制振部材11の変形による軸方向変位と制振性とのバランスから、制振部材11のデュロメータ硬さはA50以上A90以下であることがより好ましい。
【0027】
また、制振部材11の形状は、円筒型に限られることはなく、また、各転がり軸受3,3の外輪5の外径面5bのみに沿う環状をなしていてもよいし、円弧状をなしていてもよい。
さらに、制振部材11は、外輪5の外径面5bとハウジング2の内面2aとの間のみに配してもよいが、内輪4の内径面4bと軸1の外周面との径方向の間に配してもよく、また、両方に配した方が高い制振性が得られるため好ましい。
【0028】
また、制振部材11は、外輪5の外径面5bと制振部材11の内周面11aとの間に、径方向の隙間を設けて配されている。前記隙間は、予圧付与部材10による外輪5への予圧の付与を邪魔しない、つまり、転がり軸受3の軸方向への移動が可能な程度の隙間が設けられていればよい。これにより、制振部材11により、予圧付与部材10によるアキシアル方向の予圧の付与を邪魔されることなく、各転がり軸受3は軸方向への移動が可能となる。したがって、適正な予圧を付与することができる。
このような構成により、各転がり軸受3等に振動による損傷が生じることを抑制することができるため、本実施形態の転がり軸受装置は第1の実施形態に記載の転がり軸受装置に比してより長寿命である。
【0029】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について、図3を用いて説明する。なお、第3の実施形態の転がり軸受装置の構成、作用等のうち、第1及び第2の実施形態の転がり軸受装置と異なる部分を中心に説明し、第1及び第2の実施形態と同一の部分には図に同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態の軸1には、拡径部1bが形成され、その軸方向両側に転がり軸受3,3が外嵌され、前記拡径部1bの両端面に転がり軸受3,3の内輪4,4の側面が当たっている。転がり軸受3,3の外側は、各制振部材11,11を介してハウジング2に支持されていて、図3における右側の転がり軸受3には、そのさらに右側から予圧付与部材10によって予圧が付与されている。かくして、予圧付与部材10は、図1,2に示したように一対の転がり軸受3,3間に介在するものの他に、図3のように配置されるものであってもよい。
【0030】
なお、これらの各実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態においては、密封型転がり軸受の例としてアンギュラ玉軸受をあげて説明したが、本発明はアンギュラ玉軸受に限らず、他種の転がり軸受にも適用可能である。例えば、深溝玉軸受、自動調心玉軸受,スラスト玉軸受等の転がり軸受である。
【符号の説明】
【0031】
1 軸
2 ハウジング
2a ハウジングの内面
3 転がり軸受
4 内輪
4a 内輪軌道
4b 内輪の内径面
5 外輪
5a 外輪軌道
5b 外輪の外径面
5c 外輪の側面
6 転動体
8 係止溝
9 密封部材
10 予圧付与部材
11 制振部材
11a 制御部材の内周面
S 環状空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心状に配置された内輪と外輪との間に環状空間が形成され、前記内輪又は前記外輪の軸方向端部又はその付近に形成された係止溝に配設された密封部材により、この環状空間の開口を密封してなる一対の転がり軸受を同軸上に配置し、前記一対の転がり軸受は、前記同軸上で軸方向に離れた位置にそれぞれ配置された内輪軌道を有する一対の内輪と、前記各内輪軌道に個別に対向する外輪軌道を有する一対の外輪と、前記内輪軌道と前記外輪軌道との間に転動自在に配置される複数の転動体とを備え、前記一対の外輪のうち少なくとも一方の外輪の側面にアキシアル方向の定圧予圧を付与する予圧付与部材を備えており、
前記予圧付与部材は、
A=(予圧アキシアル荷重[N]−外部アキシアル荷重[N])/基本動定格荷重[N]
で求められるパラメータAが0.01以上0.10以下の範囲となるように、前記転がり軸受に定圧予圧を付与したことを特徴とする転がり軸受装置。
【請求項2】
前記転がり軸受は、アンギュラ玉軸受であり、各転がり軸受の外輪はハウジングの内側に嵌合され、各転がり軸受の内輪の内径面には共通する一本の軸が嵌合されていて、前記転がり軸受が前記軸を前記ハウジングに相対回転可能に支持したことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受装置。
【請求項3】
前記予圧付与部材は、予圧ばねを備え、
前記予圧ばねのばね定数B[N/mm]と前記転がり軸受の外径C[mm]との比B/Cの値を、0.2以上3.5以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受装置。
【請求項4】
さらに、制振部材を前記外輪の外径面と前記ハウジングの内面との間に介在させ、前記外輪と前記制振部材との対向面間に径方向の隙間を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の転がり軸受装置。




【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−96554(P2013−96554A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242737(P2011−242737)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】