説明

転写フィルムの張力制御装置及び転写フィルムの張力制御方法

【課題】フィルム供給ロールの交換及び装着時の作業性や、メンテナンス性の向上を図る。
【解決手段】供給ロール軸13の回転を制動するパウダークラッチ14と、供給ロール軸13の回転数を検出する第1のロータリエンコーダ15と、転写フィルム3をフィルム巻き取りロールへ送るフィルム送りローラ23と、フィルム送りローラ23の回転数を検出する第2のロータリエンコーダ25と、第1及び第2のロータリエンコーダ15,25のそれぞれからの信号に基づいてパウダークラッチ14を制御する制御部11と、を備える。制御部11は、フィルム供給ロール12に巻かれている転写フィルム3のロール径を算出し、ロール径に応じてパウダークラッチ14によってフィルム供給ロール12の回転数を制御することによって、フィルム供給ロール12とフィルム巻き取りロール21との間で転写フィルム3に付与する張力を一定に保つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム供給ロールから供給された転写フィルムをフィルム巻き取りロールに巻き取るときに用いられる、転写フィルムの張力制御装置及び転写フィルムの張力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機の金型間に転写フィルムを挟み込み、予め印刷されている転写フィルムの図柄等の印刷を成形と同時に成形品に転写する転写成形装置が知られている。
【0003】
この種の転写成形装置は、一般に、転写フィルムを供給するフィルム供給装置と、フィルム供給装置から供給された転写フィルムを巻き取るフィルム巻き取り装置と、フィルム供給装置とフィルム巻き取り装置との間に配置された成形用金型と、を備えている。
【0004】
フィルム供給装置は、転写フィルムが巻かれたフィルム供給ロールを一体的に支持する供給ロール軸を有している。フィルム巻き取り装置は、フィルム供給ロールから供給された転写フィルムを巻き取るフィルム巻き取りロールを一体的に支持する巻き取りロール軸と、巻き取りロール軸を回転するサーボモータと、を有している。
【0005】
また、転写成形装置は、成形前に、成形用金型の成形部に対して転写フィルムを位置決めする際に、転写フィルムに生じる張力を制御するために、転写フィルムの張力制御装置(以下、張力制御装置と称する)を備えている。
【0006】
図3に、本発明に関連する張力制御装置の模式図を示す。図3に示すように、本発明に関連する張力制御装置は、フィルム供給装置105のフィルム供給ロール106から引き出される転写フィルム103の搬送方向の下流側の直後に配置されたブレーキ機構(不図示)を備えるガイドローラ110と、ガイドローラ110に押し付けられる押圧ローラ111と、を有している。この張力制御装置は、ガイドローラ110と押圧ローラ111との間に転写フィルム103を挟み込んでブレーキ機構を作動させることで、フィルム巻き取り装置(不図示)による巻き取り力に対して、ガイドローラ110と押圧ローラ111によって転写フィルム103に制動力を付与することによって、転写フィルム103に生じる張力を一定に保っている。
【0007】
図4に、他の張力制御装置の構成例の模式図を示す。図5に、他の張力制御装置の構成例の模式図を示す。他の張力制御装置の構成としては、図4及び図5に示すように、フィルム供給装置115のフィルム供給ロール116の周面にロール径測定レバー120がバネ(不図示)によって押し付けられ、ロール径測定レバー120に連結されたポテンショメータ121によってフィルム供給ロール116のロール径を測定する構成が開示されている(特許文献1参照)。この張力制御装置は、フィルム供給ロール116と一体的に回転する供給ロール軸117に制動力を発生するパウダークラッチ123と、ポテンショメータ121からの信号に基づいてパウダークラッチ123の作動を制御する制御部124とを有している。
【0008】
この構成では、ポテンショメータ121による測定値を用いて、制御部124が、フィルム供給ロール116のロール径を算出し、このロール径の大きさに応じて供給ロール軸117に連結されたパウダークラッチ123による制動力の大きさを制御することによって、転写フィルム103に付与する張力を一定に保っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第3211185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上述したように、ガイドローラと押圧ローラとの間に転写フィルムを挟むことで転写フィルムに制動力を付与する構成は、成形品に転写される前の転写フィルムに印刷された図柄を損傷させるおそれがある。加えて、この構成は、成形用金型に対する転写フィルムの位置決めが完了した後に巻き取りロールの巻き取り動作が停止した状態でモータのバックラッシュが生じる等の影響によって、転写フィルムの張力が変化してしまい、成形時における転写フィルムの張力を一定に保つことが困難であった。
【0011】
また、特許文献1に記載の構成では、ロール径測定レバーの機械的な調整や、ポテンショメータのアンプ調整が必要であり、定期点検が必要になる不都合があった。加えて、特許文献1に記載の構成では、フィルム供給ロールの交換及び装着時に、フィルムロール径測定レバーをフィルム供給ロールから退避させる必要があり、作業性が乏しいという問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記関連する技術の課題を解決することができる、転写フィルムの張力制御装置、及び転写フィルムの張力制御方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の目的の一例は、フィルム供給ロールのロール径を検出するために転写フィルムに接触して検出する機構を省くことを可能とし、作業性やメンテナンス性を向上することができる、転写フィルムの張力制御装置、及び転写フィルムの張力制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した目的を達成するため、本発明に係る転写フィルムの張力制御装置は、転写フィルムが巻かれたフィルム供給ロールと一体的に回転するようにフィルム供給ロールを支持する供給ロール軸と、供給ロール軸の回転を制動する制動手段と、供給ロール軸の回転数を検出する第1の回転検出器と、を有するフィルム供給装置と、
フィルム供給ロールから供給された転写フィルムを巻き取るフィルム巻き取りロールと一体的に回転するようにフィルム巻き取りロールを支持する巻き取りロール軸と、転写フィルムをフィルム巻き取りロールへ送るフィルム送りローラと、フィルム送りローラを回転する駆動手段と、フィルム送りローラの回転数を検出する第2の回転検出器と、を有するフィルム巻き取り装置と、
第2の回転検出器からの信号に基づいて駆動手段を制御すると共に、第1及び第2の回転検出器のそれぞれからの信号に基づいて制動手段を制御する制御手段と、を備える。制御手段は、フィルム供給ロールに巻かれている転写フィルムのロール径を算出し、ロール径に応じて制動手段によってフィルム供給ロールの回転数を制御することによって、フィルム供給ロールとフィルム巻き取りロールとの間で転写フィルムに付与する張力を一定に保つ。
【0015】
また、本発明に係る転写フィルムの張力制御方法は、フィルム供給ロールから供給された転写フィルムを巻き取るフィルム巻き取りロールにフィルム送りローラによって転写フィルムが送られるフィルム送り量と、フィルム供給ロールの回転数とに基づいて制御手段がフィルム供給ロールに巻かれている転写フィルムのロール径を算出し、ロール径に応じて制御手段がフィルム供給ロールの回転数を制御することによって、フィルム供給ロールとフィルム巻き取りロールとの間で前記転写フィルムに付与する張力を一定に保つ。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フィルム供給ロールのロール径を検出するために転写フィルムに接触して検出する機構を省くことが可能になり、フィルム供給ロールの交換及び装着時の作業性及びメンテナンス時の作業性を向上することができる。また、本発明によれば、フィルム供給ロールのロール径を検出するために転写フィルムに接触して検出する機構を省くことで、転写前の転写フィルムが有する印刷が損傷するのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態の張力制御装置を備える転写成形装置を示す模式図である。
【図2】実施形態の張力制御装置を示す模式図である。
【図3】本発明に関連する張力制御装置を示す模式図である。
【図4】本発明に関連する張力制御装置の他の構成例を示す模式図である。
【図5】本発明に関連する張力制御装置の他の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1に、本実施形態の張力制御装置を備える転写成形装置の模式図を示す。図2に、本実施形態の張力制御装置の模式図を示す。
【0020】
図1に示すように、転写成形装置は、転写フィルム3を供給するフィルム供給装置6と、フィルム供給装置6から供給された転写フィルム3を巻き取るフィルム巻き取り装置7とを有する張力制御装置を備えている。また、転写成形装置は、フィルム供給装置6とフィルム巻き取り装置7との間における転写フィルム3の搬送経路上に配置された成形用金型8を備えている。また、転写成形装置は、転写フィルム3の搬送経路を構成する複数のガイドローラ9を備えている。
【0021】
図2に示すように、張力制御装置は、フィルム供給装置6及びフィルム巻き取り装置7と、フィルム供給装置6及びフィルム巻き取り装置7をそれぞれ制御する制御手段として制御部11とを備えている。転写フィルム3は、成形用金型8のキャビティ部で成形された成形品に転写するための所望の図柄等の印刷を有している。
【0022】
フィルム供給装置6は、転写フィルム3が巻かれたフィルム供給ロール12と一体的に回転可能にフィルム供給ロール12を支持する供給ロール軸13と、供給ロール軸13の回転を制動する制動手段としてのパウダークラッチ14と、供給ロール軸13の回転数を検出する第1の回転検出器としての第1のロータリエンコーダ15と、を有している。
【0023】
また、フィルム供給装置6は、フィルム供給ロール12から供給された転写フィルム3を巻き取るフィルム巻き取りロール21の巻き取り動作が停止しているときに、フィルム供給ロール12に転写フィルム3を巻き取る方向にフィルム供給ロール12を回転させる逆転モータ17を有している。逆転モータ17の回転軸と供給ロール軸13には、ベルト18が掛け渡されており、逆転モータ17が、ベルト18を介して供給ロール軸13に駆動力を伝達して、フィルム供給ロール12を回転駆動する。
【0024】
フィルム巻き取り装置7は、フィルム巻き取りロール21と一体的に回転可能にフィルム巻き取りロール21を支持する巻き取りロール軸22と、転写フィルム3をフィルム巻き取りロール21へ送るフィルム送りローラ23と、フィルム送りローラ23を回転する駆動手段としてのサーボモータ24と、を有している。
【0025】
フィルム送りローラ23は、図1に示すように、フィルム巻き取りロール21に対して、転写フィルム3の搬送方向の上流側に配置されている。また、サーボモータ24は、フィルム送りローラ23の回転数を検出する第2の回転検出器としての第2のロータリエンコーダ25を有している。
【0026】
図示しないが、フィルム送りローラ23の回転軸と巻き取りロール軸22には伝動ベルト(バンコランベルト)が掛け渡されており、サーボモータ24が、伝動ベルトを介して巻き取りロール軸22に駆動力を伝達して、フィルム巻き取りロール21を回転駆動する。
【0027】
制御部11は、第1のロータリエンコーダ15とサーボモータ24の第2のロータリエンコーダ25からの信号に基づいて、フィルム供給ロール12のロール径に応じてパウダークラッチ14を制御することにより、フィルム供給ロール12とフィルム巻き取りロール21との間で転写フィルム3に付与する張力を一定に保つ。
【0028】
また、制御部11は、フィルム巻き取りロール21の巻き取り動作が停止しているときに、第1及び第2のロータリエンコーダ15,25のそれぞれからの信号に基づいて逆転モータ17を制御するように構成されてもよい。これによって、フィルム供給ロール12のロール径に応じて、フィルム巻き取りロール21の巻き取り動作が停止しているときに転写フィルム3に生じる張力を一定に保つことが可能になる。
【0029】
なお、本発明における回転検出器としては、上述したロータリエンコーダに限定されるものではなく、例えばレゾルバ等が用いられてもよい。また、回転検出器は、供給ロール軸13やフィルム送りローラ23の回転数を検出する構成が採られたが、フィルム供給ロール12やフィルム送りローラ23の回転数を光学的に検出する光学素子や、電磁気を利用したセンサが用いられてもよい。
【0030】
以上のように構成された実施形態の張力制御装置について、転写フィルム3に付与する張力を一定に制御する動作を説明する。
【0031】
まず、フィルム巻き取り装置7のフィルム巻き取りロール21が回転することによって、フィルム供給装置6のフィルム供給ロール12から転写フィルム3が引き出される。転写フィルム3は、フィルム供給ロール12とフィルム巻き取りロール21との間を搬送され、成型用金型8に対して所定の位置に位置決めされる。
【0032】
このとき、転写フィルムに張力が生じているが、転写フィルム3の供給に伴って減少するフィルム供給ロール12のロール径に応じて転写フィルム3に生じる張力は変化する。
【0033】
このため、制御部11は、第2のロータリエンコーダ25からの信号に基づいてサーボモータ24を制御すると共に、第1及び第2のロータリエンコーダ15,25のそれぞれからの信号に基づいてパウダークラッチ14を制御する。
【0034】
このとき、制御部11は、サーボモータ24の第2のロータリエンコーダ25からの信号に基づいて、フィルム送りローラ23によって転写フィルム3が送られるフィルム送り量Lを算出する。また、制御部11は、第1のロータリエンコーダ15からの信号に基づいて、フィルム供給ロール12(供給ロール軸13)の回転数Nを算出する。続いて、制御部11は、フィルム送りローラ23によるフィルム送り量Lと、供給ロール軸13の回転数Nとに基づいて、フィルム供給ロール12に巻かれている転写フィルム3のロール径(直径)2Rを算出する。
【0035】
以下の関係から、フィルム供給ロール12のロール径2Rが求められる。
フィルム送り量L=(フィルム供給ロール12の円周:2πR)×回転数N
ロール径2R=フィルム送り量L÷π÷回転数N
具体的には、例えば、1回のフィルム巻き出し量であるフィルム送り量Lが314mm、回転数Nが半回転(0.5)である場合、フィルム供給ロール12のロール径2R=L/3.14/N=314/3.14/0.5=200mmと算出される。
【0036】
また、1回のフィルム巻き出し量であるフィルム送り量Lが314mm、回転数Nが1回転(1)である場合、フィルム供給ロール12のロール径2R=L/3.14/N=314/3.14/1=100mmと算出される。そして、制御部11は、算出されたフィルム供給ロール12のロール径2Rに応じて、パウダークラッチ14を制御する。
【0037】
そして、制御部11は、フィルム供給ロール12のロール径2Rに応じて、パウダークラッチ14によって供給ロール軸13の回転を制動することで、フィルム供給ロール12の回転数Nを制御する。
【0038】
なお、制御部11は、フィルム供給ロール12のロール径2Rが小さくなるのに従って、パウダークラッチ14による制動力を小さくなるように制御することで、転写フィルム3の張力を一定に保つ。このとき、制御部11は、パウダークラッチ14に印加する電流の大きさと、パウダークラッチ14が発生する制動力の大きさとの関係のテーブルを参照して、制動力の制御を行う。
【0039】
要するに、制御部11は、フィルム供給ロール12のロール径2Rの減少に伴って、パウダークラッチ14による制動力を制御し、フィルム供給ロール12とフィルム巻き取りロール21との間で転写フィルム3に付与する張力を一定に保つ。
【0040】
また、フィルム供給装置6は、フィルム巻き取りロール21の巻き取り動作が停止しているときに、逆転モータ17によって、フィルム供給ロール12に転写フィルム3を巻き取る方向、つまり転写フィルム3を供給する方向と逆方向にフィルム供給ロール12を回転する。これによって、フィルム巻き取りロール21の巻き取り動作が停止しているときに、成型用金型8に対して位置決めされている転写フィルム3の張力が変動することが抑えられる。
【0041】
上述したように、実施形態の張力制御装置は、第2のロータリエンコーダ25からの信号に基づいてサーボモータ24を制御すると共に、第1及び第2のロータリエンコーダ15,25のそれぞれからの信号に基づいてパウダークラッチ14を制御する制御部11を備える。これによって、制御部11が、フィルム供給ロール12に巻かれている転写フィルム3のロール径2Rを算出し、ロール径2Rに応じて制御部11によってフィルム供給ロール12の回転数Nを制御することで、フィルム供給ロール12とフィルム巻き取りロール21との間で転写フィルム3に付与する張力を一定に保つことができる。
【0042】
したがって、本実施形態によれば、転写フィルム3の供給に伴ってフィルム供給ロール12のロール径2Rが徐々に小さくなったときであっても、フィルム供給ロール12とフィルム巻き取りロール21の間の成型用金型8に対して位置決めされた転写フィルム3に、フィルム供給ロール12のロール径2Rの変化にかかわらずに常に一定の張力を付与することができる。
【0043】
そして、実施形態によれば、転写フィルム3に当接して制動するブレーキ機構や、フィルム供給ロール12のロール径2Rを検出するために転写フィルム3に接触する機構、例えば特許文献1に記載の構成が備えるロール径測定レバー120やポテンショメータ121を省くことが可能になる。
【0044】
このため、本実施形態は、特許文献1に記載の構成においてフィルム供給ロールの交換や装着時の作業の妨げになっていた、フィルム供給ロールのロール径を検出するためのロール径測定レバー120を省くことが可能になり、フィルム供給ロール12の交換及び装着時の作業性を向上することができる。また、本実施形態によれば、ロール径測定レバー120やポテンショメータ121の調整作業が不要になるので、メンテナンス性も向上することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、フィルム供給ロール12のロール径2Rを検出するために転写フィルム3に接触して検出する機構を省くことで、転写前の転写フィルム3が有する印刷を損傷することを防ぐことができる。
【0046】
また、本実施形態は、フィルム巻き取りロール21の回転が停止しているときに逆転モータ17を駆動することで、成型用金型8に対して位置決めされている転写フィルム3に生じる張力の変動を抑えることができる。
【符号の説明】
【0047】
3 転写フィルム
6 フィルム供給装置
7 フィルム巻き取り装置
11 制御部
12 フィルム供給ロール
13 供給ロール軸
14 パウダークラッチ
15 第1のロータリエンコーダ
21 フィルム巻き取りロール
22 巻き取りロール軸
23 フィルム送りローラ
24 サーボモータ
25 第2のロータリエンコーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転写フィルムが巻かれたフィルム供給ロールと一体的に回転するように前記フィルム供給ロールを支持する供給ロール軸と、前記供給ロール軸の回転を制動する制動手段と、前記供給ロール軸の回転数を検出する第1の回転検出器と、を有するフィルム供給装置と、
前記フィルム供給ロールから供給された前記転写フィルムを巻き取るフィルム巻き取りロールと一体的に回転するように前記フィルム巻き取りロールを支持する巻き取りロール軸と、前記転写フィルムを前記フィルム巻き取りロールへ送るフィルム送りローラと、前記フィルム送りローラを回転する駆動手段と、前記フィルム送りローラの回転数を検出する第2の回転検出器と、を有するフィルム巻き取り装置と、
前記第2の回転検出器からの信号に基づいて前記駆動手段を制御すると共に、前記第1及び第2の回転検出器のそれぞれからの信号に基づいて前記制動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記フィルム供給ロールに巻かれている前記転写フィルムのロール径を算出し、該ロール径に応じて前記制動手段によって前記フィルム供給ロールの回転数を制御することによって、前記フィルム供給ロールと前記フィルム巻き取りロールとの間で前記転写フィルムに付与する張力を一定に保つ、転写フィルムの張力制御装置。
【請求項2】
前記フィルム供給装置は、前記巻き取りロールの巻き取り動作が停止しているときに、前記フィルム供給ロールに前記転写フィルムを巻き取る方向に前記フィルム供給ロールを回転する別の駆動手段を有する、請求項1に記載の転写フィルムの張力制御装置。
【請求項3】
前記フィルム巻き取り装置は、前記駆動手段及び前記第2の回転検出器を含むサーボモータを有する、請求項1または2に記載の転写フィルムの張力制御装置。
【請求項4】
フィルム供給ロールから供給された転写フィルムを巻き取るフィルム巻き取りロールにフィルム送りローラによって前記転写フィルムが送られるフィルム送り量と、前記フィルム供給ロールの回転数とに基づいて制御手段が前記フィルム供給ロールに巻かれている前記転写フィルムのロール径を算出し、該ロール径に応じて前記制御手段が前記フィルム供給ロールの回転数を制御することによって、前記フィルム供給ロールと前記フィルム巻き取りロールとの間で前記転写フィルムに付与する張力を一定に保つ、転写フィルムの張力制御方法。
【請求項5】
前記フィルム巻き取りロールの巻き取り動作が停止しているとき、前記フィルム供給ロールに前記転写フィルムを巻き取る方向に前記フィルム供給ロールを回転する、請求項4に記載の転写フィルムの張力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−171704(P2012−171704A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31981(P2011−31981)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【出願人】(000231361)日本写真印刷株式会社 (477)
【Fターム(参考)】