説明

軸受を溶接する方法及びシステム

【課題】軸受の損傷面全体の修理を可能にするための、自動化軸受修理システム及び装置を提供する。
【解決手段】システムは、プロセッサ及びトーチ18を含む装置10と、装置に近接して配置され且つ装置に対して軸受位置を固着する保持固定具56とを含む。プロセッサは、軸受の損傷面の全体が修理されるように損傷面に溶接ビードを繰返し塗布することにより、損傷面の修理を可能にするために装置の動作を制御するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に自動化溶接に関し、特に、軸受を溶接する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、手作業による軸受の修理は多大な労力を要する。これは、軸受の上下の半体の内面を個別に溶接するために、少なくとも2人の作業員が必要とされるからである。更に、手動操作による周知の軸受修理は、溶着速度の遅いガスタングステンアーク溶接(GTAW)装置を使用する。
【0003】
溶着速度を速めて軸受修理を容易に実行するために、少なくともいくつかの周知の軸受はガスメタルアーク溶接(GMAW)を使用して修理される。GMAWは、溶接ガン又は溶接トーチを通して絶えずワイヤが送り出されるアーク溶接方法である。溶接中、ワイヤは電極として機能する。一般に、周知のGMAWシステムは少なくとも制御スイッチ、接点チップ、ライナとしても機能するワイヤ導管、排気ホース及びトーチを含む。作業員が制御スイッチを押すと、ワイヤ送り出し機構がライナを通して接点チップへワイヤを押出す。
【0004】
周知のGMAW方法は、溶接される領域に関してトーチを適正に案内することを必要とする。適正に溶接を実行するためには、溶接される面に関するトーチの向きも重要である。例えば、一般に、GMAW方法の場合、トーチは溶接される面に対して垂直に、ほぼ90°の角度で向きを規定されなければならない。溶接中にトーチを移動する場合、トーチはほぼ垂直のままでなければならない。当業者には理解されるように、溶接される部品によっては、溶接作業中にトーチの適正な向きを維持することが困難な場合もある。また、U字形の横断面を有する軸受半体が固定されており、U字形の開口面の内面がトーチに向いている場合、トーチを垂直の向きに維持すると同時に、平坦位置の溶接を実行することは不可能であることも理解すべきである。
【特許文献1】米国特許第6,271,495号公報
【発明の開示】
【0005】
1つの面においては、軸受を溶接する方法が提供される。方法は、少なくとも1つの溶接トーチ及びプロセッサを含む装置を提供することと、装置に近接して保持固定具を位置決めすることと、軸受を保持固定具の所定の位置に固着することと、軸受の損傷面の修理を容易にするために、溶接ビードを塗布することと、装置によって軸受を徐々に回転することとを含む。
【0006】
別の面においては、自動化軸受修理システムが提供される。システムは、プロセッサ及びトーチを含む装置を含む。システムは、装置に近接して配置され且つ装置に対して軸受位置を固着する保持固定具を更に含む。プロセッサは、軸受の損傷面の全体が修理されるように損傷面に溶接ビードを繰返し塗布することにより、損傷面の修理を可能にするために装置の動作を制御するように構成される。
【0007】
更に別の面においては、軸受を溶接する装置が提供される。装置は複数の装置を含み、各装置は少なくとも1つの溶接トーチ及びプロセッサを含む。装置は複数の保持固定具を更に含み、各保持固定具は複数の装置のうち1つの装置に対応し、軸受を含む。各軸受に溶接ビードを塗布し、各軸受を徐々に回転することにより、各軸受の損傷した内面は同時に修理される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は、自動化軸受溶接方法を使用して軸受を修理するために使用されてもよい装置10の一例を示した斜視図である。特に、本実施形態においては、装置10はベース12、下部アーム14、上部アーム16、ガスメタルアーク溶接(GMAW)トーチ18、プロセッサ(図示せず)及びメモリ(図示せず)を含む。ベース12は下方ベース部分20及び上方ベース部分22を含む。本実施形態においては、下方ベース部分20は矩形の横断面形状を有し、第1の端部24は床面26に接して固着され、第2の端部28は床面26から離間した位置に配置される。上方ベース部分22は、下部アーム14をベース12に回転自在に結合する継手23を含む。本実施形態においては、下方ベース部分20又は上方ベース部分22のいずれかにステッパ/サーボモータなどのモータ(図示せず)が配置されてもよいが、モータはステッパ/サーボモータに限定されない。本実施形態はステッパ/サーボモータを含むものとして説明されるが、他の実施形態においては、ごくわずかな角度の正確な増分回転を加えることが可能であり、本明細書中で説明されるような溶接を容易にする任意の装置が使用されてもよいことを理解すべきである。本実施形態においては、ベース12は金属材料から製造される。他の実施形態においては、ベース12は、本明細書中で説明されるように装置10を機能させることができる任意の材料から製造されてもよい。
【0009】
下部アーム14は第1の端部30と、第2の端部32と、両端部30及び32の間に延出する中間部分34とを含む。第1の端部30は継手23に回転自在に結合され、第2の端部32は上部アーム16に回転自在に結合される。下部アーム14は第1の端部30に関して、本明細書中で説明されるように装置10を機能させることができる任意の角度qだけ回転されてもよい。
【0010】
上部アーム16は第1の上端部36と、第2の上端部38と、それらの端部36及び38の間に延出する上方中間部分40とを含む。第1の上端部36は第2の端部32に回転自在に結合され、第2の上端部38はGMAWトーチ18に結合される。GMAWトーチ18は、本明細書中で説明されるように装置10を機能させることができる任意の周知の手段を使用して第2の上端部38に結合されてもよいことを理解すべきである。更に、上部アーム16は、本明細書中で説明されるように装置10を機能させることができる任意の角度αだけ回転されてもよいことを理解すべきである。装置10は、トーチ18から排気出口44まで延出する排気管42を更に含む。
【0011】
装置10は、メモリ(図示せず)を含むプロセッサ(図示せず)を含む。本明細書中で使用される場合の用語「プロセッサ」は、当該技術においてプロセッサと呼ばれる集積回路のみに限定されず、広い意味でコンピュータ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ、特定用途向け集積回路及び他の任意のプログラム可能回路を表すことを理解すべきである。プロセッサはアプリケーションメモリに格納された命令を実行することを理解すべきである。上記の例は単なる例であり、従って、用語「プロセッサ」の定義及び/又は意味を限定することを全く意図していない。プロセッサは装置10を角度θ及びαだけ操作させ、実数空間において直交座標系に数学的に変換させることを可能にすると理解すべきである。
【0012】
本実施形態は装置10を含むものとして説明されるが、他の実施形態においては、本明細書中で説明されるように軸受を溶接可能である他の任意の種類の装置が使用されてもよいことを理解すべきである。
【0013】
メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリなどの可変メモリ、あるいは変更不能メモリ、すなわち固定メモリの適切な組合せを使用して実現可能である。可変メモリは、揮発性又は不揮発性のいずれであっても、スタティックRAM(ランダムアクセスメモリ)又はダイナミックRAM、フロッピーディスク(商標)及びディスクドライブ、書込み可能又は書き換え可能光ディスク及びディスクドライブ、ハードドライブ、フラッシュメモリなどのうち任意の1つ以上を使用して実現できる。同様に、変更不能メモリ、すなわち固定メモリは、ROM(読出し専用メモリ)、PROM(プログラマブル読出し専用メモリ)、EPROM(消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)、CD‐ROMディスク又はDVD‐ROMディスクなどの光ROMディスク及びディスクドライブなどのうち1つ以上を使用して実現できる。
【0014】
本実施形態においては、ライナ管46は電極ワイヤ供給源48から排気管42に沿ってトーチ18まで延出する。送り出し機構50はライナ管46の周囲に結合される。ワイヤ供給源48は電極ワイヤ52を含み、ワイヤ52はワイヤ52の送り出しを容易にするためにスプール54に平坦に巻付けられる。本実施形態においては、ワイヤ52は円形の横断面領域を有し、バビットメタルから製造される。他の実施形態においては、ワイヤ52は、本明細書中で説明されるような自動化溶接を容易にするジャーナル軸受スリーブのライニングに適する任意の材料から製造されてもよい。そのような材料にはホワイトメタル又はソフトメタルが含まれるが、それらに限定されない。本実施形態においては、ライナ管46は、ワイヤ供給源48からトーチ18までワイヤ52を通すための導管として機能する低摩擦ナイロン管である。ライナ管46は、トーチ18に到達するまでのワイヤ52のよじれ及び絡まりを防止するのに有用であることを理解すべきである。他の実施形態においては、ライナ管46は何らかの方法でワイヤ52の損傷を防止するのを助長する任意の材料から製造されてもよい。
【0015】
ワイヤ52に刻まれる痕跡又はワイヤ52に加えられる他の損傷は溶接の品質に影響を及ぼし、ライナ管46の内部又はトーチ18の接点チップ19においてワイヤ52の詰まりを引起こす場合がある。従って、適正な溶接を保証するために、ワイヤ52の円形の横断面領域は絶対に歪んではならない。送り出し機構50は、ライナ管46を通してワイヤ52を押出すのを助長するワイヤ送りローラ(図示せず)及び引張り装置(図示せず)を含む。本実施形態においては、ワイヤ送りローラ及び引張り装置は、ワイヤ52がトーチ18に到達するまで円形の横断面領域を維持するようにライナ管46にワイヤ52を通すのを助長するように特に調整される。ワイヤ送りローラ及び引張り装置の調整が不適切であると、ワイヤ52の横断面領域が楕円形になり、溶接中の電気的接触に悪影響を及ぼすであろう。
【0016】
本実施形態においては、軸受保持固定具56は、第1の板58と、第1の板58とほぼ同一であり且つ支持構造62に装着される第2の板60とを含む。第1の板58は第1の内面64を含み、第2の板60は第2の内面66を含む。本実施形態においては、第1の内面64及び第2の内面66が互いに鏡像関係にあり且つ距離Dだけ離間するように、板58及び60は互いにほぼ平行である。距離Dは修理される軸受に基づいて可変値に設定される。更に、板58及び60は互いに無関係に並進運動するが、同一の方向又は逆方向に同時に並進運動されてもよい。あるいは、板58又は60が並進運動されるが、他方の板58又は60が並進運動されてもよい。特に、支持構造62の面68とほぼ平行の向きに規定された転位ロッド70、72及び74の長さに沿って板58及び60が並進運動できるように、板58及び60はロッド70、72及び74に装着される。本実施形態においては、板58及び60は支持構造の面68に対してほぼ垂直である。
【0017】
図2は、装置10を使用して修理される軸受76の一例の一部分を示した斜視図である。軸受76は完全体の軸受の一方の半体であり、2つの軸受76が軸受全体を構成することを理解すべきである。特に軸受76は、ほぼC字形の横断面プロファイルを有し、第1の端部78及び第2の端部80を含む。更に、軸受76は損傷した内面84により規定される孔直径82と、端部78及び80の間で測定される長さLとを有する。本実施形態においては、軸受76は金属材料から製造される。他の実施形態においては、軸受76は、本明細書中で説明されるような自動化溶接を容易にする他の任意の材料から製造されてもよい。
【0018】
本実施形態においては、装置10のプロセッサは修理される軸受76に基づいてプログラムされることを理解すべきである。特に、プロセッサは孔直径82と、各軸受76を修理するためにトーチ18により必要である溶接パスの長さとに基づいてプログラムされる。プロセッサの初期プログラミングの実行後、プログラムされた孔直径82及び長さLを有する軸受76が修理される。プログラムされた寸法を有する全ての軸受76が修理された後、異なる大きさの軸受76を修理するためにプロセッサは再度プログラムされてもよい。再プログラミングを実行することで、修理される軸受76の均一性という利点を利用することにより、修理の生産性が向上する。各溶接パスの長さは修理される各軸受76の軸受長さLによって決まることを理解すべきである。更に、プロセッサは溶接中に軸受76を徐々に回転するようにプログラムされることを理解すべきである。
【0019】
トーチ18が内面84を修理しやすくするために、支持構造62及び軸受保持固定具56は装置10に近接して位置決めされる。特に、保持固定具56に固着された場合、軸受76の内面84は装置10と向かい合うように向きを規定される。特に、操作中、軸受76の第1の端部78が第1の内面64又は第2の内面66のいずれかに対向し、第2の端部80は他方の面64又は66に対向するように、軸受76は板58及び60の間で位置決めされる。その後、板58及び60はロッド70、72及び74に沿って軸受76に向かって並進運動される。その結果、内面64及び66はそれぞれ対応する端部78又は80に圧接される。特に、内面64及び66は、軸受76の固着を助けるのに十分な圧縮力によって、長手方向に板58及び60の間でそれぞれ対応する端部78又は80に圧接される。従って、軸受76が保持固定具56の内部の所定の位置に固着されると、トーチ18を使用して軸受76の内面84全体を修理できる。内面84が損傷している場合、内面84のホワイトメタル/バビット仕上げは滑らかさを失い、使用には適さなくなっていることを理解すべきである。損傷したホワイトメタル/バビット仕上げは除去され、以下に説明されるように新たな層が塗布される。
【0020】
同一の軸受の一方の軸受半体76の端部78及び80を相補形の軸受半体76の対応する端部78及び80に当接することにより、2つの軸受半体76が同時に加工されてもよいことを理解すべきである。その後、長さ2Lのパスの間に溶接ビードが塗布される。2つの軸受半体76が一体に溶接されるのを防止するために、軸受半体76の間に銅又は他の非消耗挿入部材が配置されることを理解するべきである。これにより、軸受半体76を分離できる。
【0021】
本実施形態においては、最初に、装置10は軸受の第1の端部78と第2の端部80との間に、軸受76の底縁部86に近接してトーチ18を位置決めする。最初にトーチ18を位置決めした後、トーチ18は軸受長さLに沿って内面84を溶接できるように往復案内される。溶接中にトーチ18が往復案内されている間、装置10は更にトーチ18を内面84に関して適正な向きに維持する。特に、溶接中、トーチ18は内面84に対してほぼ垂直に維持される。トーチ18が長さLの線に沿って溶接ビードを塗布した後、軸受内面84に塗布された直前の溶接部にすぐ隣接して長さLの線に沿ってトーチ18が溶接できるように、軸受保持固定具56は軸受76を徐々に回転することを理解するべきである。軸受76を回転することにより、トーチ18を内面84に対してほぼ垂直に維持することも容易になる。従って、保持固定具56が軸受76を徐々に回転するにつれて、トーチ18は内面84に沿って往復するように溶接部を繰返し塗布する。その結果、軸受76の内面84全体が容易に修理される。
【0022】
本実施形態は直前の溶接部にすぐ隣接して溶接を実行するものとして説明されるが、他の実施形態においては、後続する溶接ビードが直前の溶接部にすぐ隣接しないように、後続する溶接ビードを塗布する前に軸受76が任意の角度だけ回転されてもよいことを理解すべきである。更に、溶接を開始するために、最初に、トーチ18は内面84上の任意の箇所に位置決めされてもよいことを理解すべきである。
【0023】
例えば、局所的な過熱及びその後に起こる溶着材料の再溶融を防止するために、溶接は内面84の場所88から開始されてもよい。場所88から始めて、長さLの線に沿って溶接ビードを塗布した後、場所90を開始点として溶接ビードが塗布されるように軸受76が回転されてもよい。その後、場所92を開始点として溶接ビードが塗布されるように軸受76が回転されてもよい。次に、場所94を開始点として溶接ビードが塗布されてもよい。それらの溶接ビードを塗布した後、各溶接部の左側のすぐ隣接する場所に溶接ビードが塗布される。すなわち、まず、溶接ビードは場所88から始められた溶接部の左側のすぐ隣接する場所に塗布される。次に、場所90から始められた溶接部の左側のすぐ隣接する場所に溶接ビードが塗布される。場所92及び94から始められた溶接部に隣接して溶接ビードを塗布するために、この工程が繰返される。この工程は、内面84全体が修理されるまで繰返される。
【0024】
本実施形態は軸受76を軸方向に回転し、内面84に軸方向に溶接ビードを塗布するものとして説明されるが、他の実施形態においては、内面84の修理を容易にするために、溶接ビードが周囲方向に塗布されている間に軸受76が軸方向に回転されてもよいことを理解すべきである。本実施形態において説明される溶接方法は、球形の物品又は軸受を含めて、少なくとも1つの対称軸を有する物品又は軸受を溶接又は修理するために使用されてもよいことを理解すべきである。本実施形態において説明される溶接方法を使用して球形の物品又は軸受を修理するためには、対称軸に対して垂直な軸受又は物品の直径に応じて軸受又は物品の回転速度を変化させることが必要である。
【0025】
各実施形態において、以上説明したロボットマニピュレータは、GMAWトーチを使用して多くの大きさの軸受を溶接するのを助長する。更に、溶接は平坦な位置で実行されるので、GTAW方法と比較して溶着速度を増加することができる。方法としてGMAWはGTAWより高速であるが、トーチ18の垂直の向きは溶融材料プールを安定させることを理解すべきである。特に、自動化処理によって、ただ一人の作業員がいくつかのそのような装置を操作して、いくつかの軸受を同時に修理することが可能になる。その結果、本明細書中で説明される装置及び方法は、充填金属の各材料片の端部(スタブ)を廃棄しなければならないGTAW方法と比較してコストを削減し、スループットを向上すると共に、連続してワイヤを送り出すことにより無駄を少なくすることができる。従って、費用効率及び信頼性に優れた方法により溶接性能及び部品の耐用年数をそれぞれ向上できる一方で、保守費用を削減できる。
【0026】
以上、自動化軸受溶接の方法の実施形態を詳細に説明した。方法は本明細書中で説明した特定の方法と組合わせての使用に限定されず、本明細書中で説明した他の方法とは無関係に別個に方法を利用できる。更に、本発明は、先に詳細に説明した自動化軸受溶接の方法の実施形態に限定されない。特許請求の範囲の趣旨の範囲内で自動化軸受溶接の他の変形が利用されてもよい。
【0027】
本発明を種々の特定の実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲の趣旨の範囲内で変形を伴って本発明を実施できることは当業者により認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】軸受を自動的に修理するために使用される装置の一例を示した斜視図である。
【図2】図1に示される装置を使用して修理された軸受の一例の一部分を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
10…装置、18…トーチ、46…ライナ管、50…送り出し機構、52…電極ワイヤ、56…軸受保持固定具、64…第1の内面、66…第2の内面、76…軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びトーチ(18)を具備する装置と;
前記装置に近接して配置され且つ前記装置に対して軸受位置(76)を固着する保持固定具(56)とを具備し、前記プロセッサは、前記軸受の損傷面の全体が修理されるように前記損傷面に溶接ビードを繰返し塗布するよう前記装置の動作を制御し、前記損傷面の修理を可能とする、自動化軸受修理システム。
【請求項2】
前記装置(10)は、前記軸受の損傷面に溶接ビードが塗布されている間に前記トーチ(18)を前記損傷面に対してほぼ垂直に維持するように更に構成される請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記軸受の内面(64)は前記装置(10)にほぼ対向するように位置決めされる請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記装置は、
前記軸受(76)のパラメータに従って前記トーチ(18)を前記損傷面に沿って往復案内することを前記ロボットに命令し、
前記軸受を徐々に回転するように更に構成される請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記トーチ(18)へワイヤ電極(52)を絶えず送り出すように構成される請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記ワイヤ電極(52)はほぼ円形の横断面を有し、バビットメタルから製造される請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、ワイヤ電極(52)の横断面形状を変更することなく低摩擦ナイロン管(46)を通して前記ワイヤ電極を送り出すように構成される請求項1記載のシステム。
【請求項8】
軸受(76)を溶接する装置(10)において、
各々が少なくとも1つの溶接トーチ(18)及びプロセッサを具備する複数の装置と;
各々が前記複数の装置のうち1つの装置に対応し且つ軸受を含む複数の保持固定具(56)とを具備し、各軸受に溶接ビードを塗布し、前記各軸受を徐々に回転することにより、前記各軸受の損傷した内面が同時に修理される装置。
【請求項9】
前記複数の装置の各々は、前記少なくとも1つのトーチ(18)が前記内面(64)に対してほぼ垂直に維持されるように前記少なくとも1つのトーチを位置決めする請求項8記載の装置(10)。
【請求項10】
前記複数の装置の各々は、無摩擦ナイロン材料から製造された管(46)を通してワイヤ電極(52)を押出す送り出し機構を具備する請求項8記載の装置(10)。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−264876(P2008−264876A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−105208(P2008−105208)
【出願日】平成20年4月15日(2008.4.15)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】