説明

軸方向推力補償を備えるガスタービン

【課題】高負荷や特に設計観点において、追加的冷却空気の消費を生じない追加的構造成分の使用なしにガスタービンにて制御可能な推力補償を形成すること。
【解決手段】ドラムカバーと第一タービンデスクの間の実質的に環状空間がシールによって外部環状空間11と内部環状空間10とに分割され、外部環状空間11がタービンロータに冷却空気を供給するために使用され、内部環状空間12が推力制御するために使用され、推力が圧力制御するために少なくとも一つの制御弁15を介して制御され、この制御弁が低負荷で開放され、個別制限値を越えると、閉鎖され、個別制限値を下回ると、制御弁15が再び開放されることを特徴推力が圧力制御するために少なくとも一つの制御弁15を介して制御され、この制御弁が低負荷で開放され、個別制限値を越えると、閉鎖され、個別制限値を下回ると、制御弁15が再び開放されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、軸方向推力補償を備えるガスタービンを作動する方法並びに方法を実施する装置を備えるガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの軸方向推力がコンプレッサとタービンで軸方向力をロータに及ぼす空圧力と圧力及びロータへの軸方向に作用するすべての圧力から生じる力である。生じる推力が軸方向軸受により受けられる。典型的にガスタービンが無負荷の際に最小推力を有するように設計されている。軸方向推力が負荷に比例して上昇する。軸方向推力を補償するために、負荷を増加する軸方向推力に対して推力を補償する逆力が伝達され得る。それにより軸方向軸受により受ける最大推力が減少され得る。適切に軸方向軸受の構造大きさと損失出力が減少され得る。
【0003】
タービンとコンプレッサの推力並びにロータへの軸方向に作用する圧力が作動パラメータ、特にコンプレッサステータブレードとコンプレッサ吐出圧の位置によって並びに設計によって決定される。この際に、この推力が選択された幾何学により、特にブレード通路の幾何学とタービンステージの反動度によって決定される。作動パラメータがガスタービンの所望の処理と作動概念に依存している。推力の負荷依存性が一度選択された設計ではもはや変更され得ない。
【0004】
ガスタービンにおける推力補償の問題は長く知られていて、多数の解決対策が文献に提案されている。特に軸方向推力を圧力補償シリンダを介して補償し、それにより軸方向軸受への負荷を減少させる異なった可能性が知られている。ガスタービン内の逆力によって推力補償を制御するために、同様に異なった方法が開発されていた。
【0005】
米国特許第5760289号明細書(特許文献1)では、推力を補償するために、タービンの下流に圧力補償ピストンを備えてこのピストンに圧縮空気を作用させることが提案されている。補償ピストン内の圧力とそれにより補償力とを作動状態に依存して制御するために、複雑なアルゴリズムが必要とされる。その他に、ガスタービンにおけるエージング或いは可能な修正を補償するために、アルゴリズムの周期的目盛りが提案されている。
【0006】
圧力補償ピストンの他の実施例は、米国特許第4653267号明細書(特許文献2)に図示されている。ここでは圧力補償ピストンが中央部分、即ちコンプレッサとタービンの間に設置された部材に二軸装置として形成されている。ピストンの軸方向力は通常作動では漏れ空気を圧力作用された第二室によって減少される。空気がこの第二室から弁を介して放出されて、それによりこの室内の圧力レベルが減少される。第二室内の圧力レベルの変更によって圧力補償ピストンの生じる軸方向力が制御される。この配列装置の利点は、第二室から制御するために放出された空気がタービン冷却するために再び使用され得ることである。
【0007】
両提案のために、圧力補償ピストンを発生させるために追加的構造部材が必要とされる。構造部材として、ここでは例えばケーシング成分、軸カバー、タービンデスク或いはタービンリングが理解される。さらに、圧縮空気が出力なしにシールを介して圧力補償ピストンから失われるか、或いは著しく低い圧力レベルで初めて使用され得る。圧力補償ピストンを収容するために、さらに、より高価な構成空間が要求されて、特に特許文献1による実施例では、軸線の延長部が必要になる。
【0008】
軸方向力を減少させる他の対策は、欧州特許第0447886号明細書(特許文献3)に図示されている。そこに図示されたガスタービンデザインでは、タービンとコンプレッサの間に位置する軸部材がドラムカバーにより包囲されていて、ドラムとドラムカバーの間に形成された環状空間がコンプレッサから取り出された冷却空気のタービンロータの端面までの案内が受けられるドラムであり、軸方向力のほとんどの部分が第一タービンデスクへの圧力により伝達される。特許文献3では、静圧がタービンロータの端面の上流で減少されることにより軸方向力が減少される。これは、環状空間内のロータ側の冷却空気が旋回格子によって転向されて、ロータの回転方向において起こり得る最高正接速度に加速されるから、達成される。特許文献3自体にて図示されるこの実施例の利点に加えて、圧力補償ピストンの使用と比較して、追加的構造部材或いは軸方向構造長さが圧力補償ピストンを調整するために必要とされることに注意されるべきである。さらに、圧縮空気が圧力補償ピストンを介して失われることがない。しかし、この実施例では、軸方向推力を制御する可能性が存在しない。これは、全負荷では著しい残留推力が軸方向軸受によって吸収されるか、或いは低負荷では逆推力が考慮されるという結果を有する。軸方向軸受のデザインや配列に応じて、逆推力の際に振動が増加され、最も望ましくない場合に低負荷でさえ、逆軸受の過負荷を生じる。さらに、例えば新たなコンプレッサ或いは新たなタービンによる質的向上のような推力への影響を有するガスタービンに関する修正の際のデザインでは、この変更された推力を補償する可能性が与えられていない。
【特許文献1】米国特許第5760289号明細書
【特許文献2】米国特許第4653267号明細書
【特許文献3】欧州特許第0447886号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明の課題は、高負荷や特に設計観点において圧力補償ピストンに作用させるか、或いは同様な結果を有する追加的冷却空気の消費を生じない追加的構造成分の使用なしにガスタービンにて制御可能な推力補償を形成することである。さらに、ガスタービンにおける制御可能な推力補償が増備でき、このガスタービンが特許文献3によって構成された中心部材を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、軸方向力をロータに及ぼす空圧的力と圧力に関してこの発明によるガスタービンが無負荷や低負荷の際に負の推力を有するように設計されている。負の推力はタービンからコンプレッサの方向に有する推力である。さらに、ガスタービンが高負荷や特に全負荷の際に正の推力を有するように設計されている。ガスタービンの全負荷領域において生じる正の推力を少なくとも軸方向軸受にて保証するために、無負荷や部分負荷の際に主推力方向における追加推力が制御されて伝達される、即ちコンプレッサからタービンへの方向における正の推力が制御されて伝達される。
【0011】
少なくとも一つの軸方向軸受により受けるべきである生じる最高推力は、推力補償なしの従来に設計されたガスタービンにおけるより結果的に小さい。さらに、追加推力によってガスタービンの負荷或いは無負荷中における逆推力が阻止される。追加推力が伝達される負荷範囲は例えば無負荷からおよそ60%全負荷までの範囲に位置する。全負荷作動に最適化されるガスタービンの場合には、追加推力が伝達される部分負荷範囲が例えばおよそ90%全負荷までに達し得る。増備の場合には、追加推力が伝達される部分負荷範囲が例えばおよそ10%全負荷までしか達し得ない。
【0012】
追加推力は圧力を制御する方法によってタービンの端面或いは端面の部分領域にて発生される。この目的のために、ドラムカバーと第一タービンデスクの間の実質的に環状空間がロータシールとタービンブレード根元シールによって閉鎖されていて、シールによって外部環状空間と内部環状空間に分割されている。例えばタービンロータの外部環状空間から高圧冷却空気を供給され、その高圧冷却空気がこの環状空間に出来るだけ高い正接速度により供給される。この際には、外部環状空間における静圧力が強力な加速によって明らかにコンプレッサ圧の下で出来るだけ高い正接速度である。冷却空気を出来るだけ高い正接速度に加速するために、例えば旋回ノズルが使用される。しかし、例えば配向された孔も、正接方向に加速するように使用され得る。
【0013】
制御弁の閉鎖の際に、追加圧力が内部環状空間に供給されないならば、ロータシールとタービンデスクシールによる圧力降下の関係は両シールの等価な面の関係と逆比例している。典型的には、ロータシールがタービンデスクシールより明らかに小さい等価面を有する。ロータシールによる圧力降下はタービンデスクシールによる圧力降下より一致してかなり大きい。それ故に、内部環状空間内の圧力が制御弁の閉鎖の際に実質的に外部環状空間内の圧力によって決定されている。
【0014】
追加推力を主推力方向に発生させるために、内部環状空間が少なくとも一つの導管を介してコンプレッサ高圧室或いは他の適した取り出す箇所から圧縮空気を作用される。圧力作用を制御させるために、少なくとも一つの制御弁が設けられている。圧力作用によって追加推力が主推力方向に伝達されるので、ガスタービンの全作動領域にて正の生じる推力が少なくとも一つの軸方向軸受に保証されて、逆推力が回避される。
【0015】
環状空間内で制御弁の閉鎖された際には静圧が低くければ低いほど、コンプレッサ最終空気の使用の際に追加推力の制御範囲が大きくなる。静圧の前記下降が冷却空気の供給によって渦巻ノズルを介して制御範囲の拡大を導く。
【0016】
圧力を作用させるために、例えば外部供給された圧縮空気或いは蒸気が使用されるか、或いは外部供給された媒体がコンプレッサ空気との組合せで使用される。
【0017】
現構造部材の利用の他に、この方法の利点は、高負荷領域内で追加圧力作用が必要なく、それにより圧縮された空気が出力と効率の費用にて消費されないことにある。圧力作用が部分負荷の際に作用するときさえ、内外環状空間の間のシールによって漏れる空気が有利にロータ冷却空気と混合される。
【0018】
圧力を作用させるために、種々の方法が考慮できる。例えば少なくとも一つの制御弁が低い負荷の際に開放され、不連続限界値の超過の際に閉鎖される。逆に、少なくとも一つの制御弁が不連続限界値の下回りの際に再び開放される。限界値の近くの負荷の際に少なくとも一つの制御弁の絶え間ない切換を回避するために、ヒステリシスが準備され得る。
【0019】
他の制御可能性が例えば負荷に比例する制御弁の閉鎖である。
【0020】
他の制御システムでは、制御弁の位置が負荷の依存して予め設定されなく、むしろ、内部環状空間とコンプレッサ端圧の間の圧力比が与えられ、この比が制御弁によって制御される。この場合には、目標値が必ずしも一定ではなく、しかし、例えば負荷の函数である。この函数は例えば、出来るだけ幅広い作動範囲にわたり一定軸方向推力が達成されるように決定される。
【0021】
内部環状空間内の制御弁の位置或いは圧力比の目標値が例えばコンプレッサ吸込み案内羽根角度に或いは相対負荷に依存して設けられている。
【0022】
パラメータ或いは別の関連パラメータの組合せに依存する制御は同様に可能である。
【0023】
新たな装備の設計と開発の方法の使用の他に、ガスタービンの上り勾配と接続する使用が特殊な場合である。ガスタービンの上り勾配では、タービン或いはコンプレッサの主成分の一つの変更によって軸方向推力の減少が生じる。これは、例えば、実際に変更されていない吸込み質量流とそれにより実際に変更されていないコンプレッサ流出圧とタービン推力の際の上り勾配によってコンプレッサ推力が増加されるならば、その場合である。それはコンプレッサ推力の増加によって逆推力の上り勾配により生じる。これを回避するために、この発明による方法が使用され、制御された追加推力が伝達される。
【0024】
この方法の他に、減少された最大軸方向推力を備えるガスタービンは、ガスタービンロータ、この発明の対象の圧力を作用できる少なくとも一つの部分負荷を特徴としている。
【0025】
一実施例は、ドラムカバーとタービンデスクの間の実質的に環状空間を外内環状空間に分割するシールを備えるガスタービンである。ガスタービンはコンプレッサ高圧室からドラムカバーまでの少なくとも一つの導管、この導管内の少なくとも一つの制御弁と内部環状空間の少なくとも一つの入口を有する。タービンロータとドラムカバーとの端面間にシールを形成することが専門家に知られた種々の可能性がある。ラビンスシールは適したシールの例である。
【0026】
一個以上のタービンを備えるガスタービンの場合には、圧力を作用させる環状空間が少なくとも一つのタービンの端面に或いは複数の或いはすべてのタービンにおける組合せで分割され、少なくとも一つの制御可能な圧縮空気を供給される。
【0027】
内部環状空間内の圧縮空気の入口には、同様に種々の可能性がある。これは例えばドラムカバーを通る孔である。別の例としての実施例では、ドラムカバーの内部環状空間内の入口が実質的に環状高圧室であり、この高圧室が多数の開口を通して内部環状空間と接続されている。
【0028】
別の実施例では、さらに、少なくとも一つの圧力測定装置が内部環状空間とコンプレッサ高圧室に設けられている。
【0029】
別の実施例では、内部高圧室の圧力作用の少なくとも一つの導管がコンプレッサ高圧室と接続されていなく、むしろ、コンプレッサ空気用の他の適した取り出し箇所に少なくとも一つの制御弁を介して接続されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
この発明は図1乃至4の実施例の基づいて概略的に図示されている。
【実施例】
【0031】
この発明による方法を実施する装置を備えるガスタービンは実質的に少なくとも一つのコンプレッサ、少なくとも一つの燃焼室と、少なくとも一つの軸を介してコンプレッサと発電機を駆動する少なくとも一つのタービンを有する。
【0032】
図1は、ガスタービンの中央部分、即ちコンプレッサとタービンの間の領域並びにコンプレッサの最終段とタービンの第一段を示す。
【0033】
コンプレッサ1は空気を圧縮する。空気の大部分がコンプレッサ高圧室2を介して燃焼室3に案内されて燃料と混合され、燃料がそこで燃焼される。そこから、熱い燃焼ガスが作業放出の下でタービン4によって流出される。タービン4とコンプレッサ1は共通軸18に配置されていて、コンプレッサ1とタービン4の間に配置された軸の部分がドラム6として形成されている。
【0034】
ロータ冷却空気の高圧部分は最終コンプレッサブレードにより回転維持してロータドラム6とドラムカバー5の間の環状通路7を通して案内され、ロータ冷却空気導入部12と回転格子13を介してドラムカバーと第一タービンデスクの間の環状空間に案内される。この環状空間がシール9によって内部環状空間10と外部環状空間11に分割される。
【0035】
外部環状空間は例えばドラムカバー5の後面、第一タービン案内ブレードのロータ18に向いた内部デッキ、第一タービンデスク並びにシール9によって限定されている。
【0036】
内部環状空間は例えばドラムカバー5の後面、シール9、ロータシール8の第一タービンデスク並びに環状通路7のロータシール8の下流に位置する部分の壁によって限定されている。
【0037】
シール9は例えばラビンスシール21として形成され得る。ラビンスシール21を収容するために、例えば図2に図示されるように、互いにずれて、バルコニーと呼ばれた突出部がドラムカバー19と第一タービンデスク20に設けられている。
【0038】
ロータ冷却空気導入部12は例えば回転格子13を介して外部環状空間11と接続されて得て、ロータ冷却空気が正接して加速され、それにより外部環状空間11内の静圧を降下させる。外部環状空間11からロータ冷却空気が第一タービンデスクに流入する。
【0039】
この発明によると、環状空間が第一タービンデスクの前に、即ちドラムカバー5と第一タービンデスクの間の実質的に環状空間に、ロータシール8によってタービンブレード根元シール24に閉鎖され、シール9によって内部環状空間10と外部環状空間11に分割される。この分割は、内部環状空間10を圧力導管14と制御弁15を介してコンプレッサ高圧室2から圧縮空気を作用させることを可能とする。この場合には、内部環状空間10への圧縮空気の導入部16は孔を通してドラムカバーによって行われ、或いは図1に図示され、高圧室17を介して行われる。この場合には、圧縮空気が少なくとも一つの圧力導管14を介して高圧室17に供給される。そこから、圧縮空気が例えば多数の孔として形成される導入部16を介して内部環状空間10に到達される。
【0040】
内部環状空間10は部分負荷では推力を上昇させるように制御弁15の開放によって圧力導管14と導入部16を介して圧力を作用される。タービンデスクシール9を介してこの空気がロータシール8の漏れ空気と一緒に外部環状空間11に到達する。圧力作用の制御のために多数の可能性が与えられる。
【0041】
図3では、限界値とヒステリシスによる制御ではガスタービン負荷に依存して制御する生じる軸方向推力が図示されている。この場合には、制御弁15がガスタービンの低い負荷の際に最初に開放されている。限界値αの超過により制御弁が閉鎖され、上負荷領域で閉鎖されたままである(実線)。負荷の減少の際には、制御弁15が負荷βの超過の際に再び開放される(点線)。さらに、逆推力による推力経過が鎖線で図示され、逆推力が追加推力なしに低い負荷領域に生じ得た。
【0042】
図4は、内部環状空間の圧力とコンプレッサ端圧の間の負荷依存性圧力比に関する制御においてガスタービン負荷に関する理想的推力経過(描かれた線)を示す。ここでも、制御弁15がガスタービンの低い負荷の際にまず最初に開放される。目標推力の到達まで、例えば負荷γの際に、推力が圧力の変更によって内部環状空間に一定に保持される。制御弁15が完全に閉鎖される、それは例えば負荷δの際の場合であるときに初めて、推力が完全負荷の際に最高値を達成させるために、再上昇する。負荷の圧力比の依存性がモデル算出によって或いは実験により決定され、ガスタービン制御器にプログラムされる。さらに、追加推力なしに生じた逆推力による推力経過が鎖線で図示される。
【0043】
無論、この発明はここで示され且つ記載された実施例に制限されない。例えばシール(8及び/又は9)がブラシシールとして形成され得る。すべての許容した利点はそれぞれに挙げられた組合せばかりではなく、むしろ、この発明の範囲を逸脱することなしに、他の組合せ或いは単独に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】内外環状空間を備えるガスタービンの中央部分並びに内部環状空間の圧力作用の導入部を通る断面を示す。
【図2】ラビンスシールとしてタービンデスクシールを実施する中央部分の断面の細部出口を示す。
【図3】ヒステリシスによる限界値による制御の際に負荷に関する推力経過を示す。
【図4】内部環状空間の圧力とコンプレッサ端圧の間の負荷依存性圧力比における制御での負荷に関する理想的推力経過を示す。
【符号の説明】
【0045】
1.....コンプレッサ(二つの最終段のみが図示されている)
2.....コンプレッサ高圧室
3.....燃焼室
4.....タービン(第一段のみが図示されている)
5.....ドラムカバー
6.....ロータドラム
7.....環状通路
8.....ロータシール
9.....タービンデスクシール
10....内部環状空間
11....外部環状空間
12....ロータ冷却空気導入部
13....回転格子
14....圧力導管
15....制御弁
16....導入部
17....高圧室
18....軸
19....軸カバーの突出部
20....第一タービンデスクの突出部
21....ラビンスシール
22....ブレード根元
23....回転ブレード
24....タービンブレード根元シール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
推力補償を備えるガスタービンを操作する方法において、ロータに軸方向力を働かす空力と圧力に関してガスタービンは、これら力が無負荷と低部分負荷において負的推力を形成し、高負荷と全負荷において正的推力を形成するように設計されていて、正付加的推力が制御方法で印加され、それにより生じる軸方向支持力が全負荷範囲内に積極的に維持され、高負荷範囲において圧力作用する圧縮空気が消費されないことを特徴とする方法。
【請求項2】
追加的推力がタービンロータの端面或いは端面の部分領域にて圧力を制御することによって発生されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ドラムカバーと第一タービンデスクの間の実質的に環状空間がシールによって外部環状空間(11)と内部環状空間(10)とに分割され、これら二つの空間の一方が推力制御するために圧力を作用されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
タービンロータが高圧冷却空気を供給される環状空間中の静的圧力が環状空間内の流れに旋回を加えることによって下降されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
外部環状空間(11)がタービンロータに冷却空気を供給するために使用され、内部環状空間(12)が推力制御するために使用されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
推力を制御するために、コンプレッサ高圧室(2)からの圧縮空気が使用され、コンプレッサ端の上流にコンプレッサ取出し箇所からの圧縮空気が使用され、外部源からの圧縮空気が使用され、外部源からの蒸気が使用されるか、或いはそれらの少なくとも一つが使用されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項7】
推力が圧力制御するために少なくとも一つの制御弁(15)を介して制御され、この制御弁が低負荷で開放され、個別制限値を越えると、閉鎖され、個別制限値を下回ると、制御弁(15)が再び開放されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも一つの制御弁(15)を開放する制限値が閉鎖する制限値より高いことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも一つの制御弁(15)が追加的推力を調整させるために負荷に比例して閉鎖されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項10】
追加的推力を調整させるために、外部環状空間(11)とコンプレッサ端圧(2)の間の圧力比が予め設定され、この比が少なくとも一つの制御弁(15)を介して制御されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかの一項に記載の方法。
【請求項11】
内部環状空間とコンプレッサ端圧の間の圧力比が負荷の函数、或いは他の関連作用パラメータの函数、或いはガスタービンの作用パラメータの組合せであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
現構造部材を利用することにより、タービンロータの圧力を作用できる少なくとも一つの面、或いは部分的領域を有することを特徴とする請求項1に記載の方法を実施するガスタービン。
【請求項13】
ドラムカバーと第一タービンデスクの間の実質的に環状空間がタービンデスクシール(9)によって外部環状空間(11)と内部環状空間(10)とに分割され、これら二つの空間の一方がタービンロータの圧力を作用できる部分的領域であることを特徴とする請求項12に記載のガスタービン。
【請求項14】
圧力作用させるために、コンプレッサ高圧室(2)から、或いはコンプレッサ取出し箇所からの制御弁(15)を備える少なくとも一つの導管(14)と、圧力を作用できる環状空間への導管(16)とを有することを特徴とする請求項12或いは13に記載のガスタービン。
【請求項15】
圧力を作用できる環状空間内の圧力を測定する及びコンプレッサ端圧を測定する又はそのいずれか一方を測定する少なくとも一つの圧力測定装置を有することを特徴とする請求項12乃至14のいずれかの一項に記載のガスタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−41559(P2009−41559A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−175274(P2008−175274)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】