説明

軽油留分の水素化処理方法

本発明の軽油留分の水素化処理方法は、硫黄分含有量0.8〜2質量%、全芳香族分含有量20〜35容量%の軽油留分を原料油として用い、6A族金属のうちの少なくとも1種類の金属と8族金属のうちの少なくとも1種類の金属とを活性金属として含有する水素化触媒の存在下、反応温度330〜390℃、水素分圧12〜20MPa、液空間速度0.1〜1h−1という反応条件の下で前記原料油を水素化処理することによって硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分を得ることを特徴とする。かかる水素化処理方法によれば、いわゆる“サルファーゼロ”、“アロマゼロ”の軽油留分を、特殊な運転条件や設備投資を設けることなく効率良く且つ確実に製造することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軽油留分の水素化処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題などの観点から、ディーゼル車排出ガスのクリーン化への要求はますます厳しくなっている。このような流れを受け、さまざまな環境対応規制策がとられつつあり、中でもパティキュレートと呼ばれる排出ガス中の微粒子を除去することが大きな課題のひとつとなっており、パティキュレート除去フィルターなどの搭載が必要とされている。
【0003】
しかしながら、硫黄分の多い軽油を燃料とした場合には、これらの排出ガス浄化装置の劣化が著しいことが指摘されている。このため、特に走行距離の長い輸送用トラックなどでは浄化装置の寿命を可能な限り長くすることが強く切望されており、軽油の硫黄分を一層低減することが不可欠となっている。加えて、パティキュレート生成の最も大きな要因として、軽油中の芳香族分が挙げられており、根本的なパティキュレート低減対策としては芳香族分の除去が有効である。さらに、芳香族分は発がん性を示すことも広く指摘されており、軽油留分を各種溶剤や金属加工油の基材として用いる場合において、溶剤を取り扱う向上での作業環境の悪化を招く恐れがあり、芳香族分の低減はこのような観点からも重要な課題である。
【0004】
一方、石油系軽油留分は未精製の状態では1〜3質量%の硫黄分が含有されており、水素化脱硫を実施した後に軽油基材として使用する。その他の軽油基材としては、水素化脱硫された灯油留分や流動接触分解装置や水素化分解装置などから得られる分解軽油があり、これらの基材と混合した後に製品軽油となる。そして、水素化脱硫触媒によって水素化脱硫処理された軽油留分中に存在する硫黄化合物のうち、4,6−ジメチルジベンゾチオフェンに代表される複数のメチル基を置換基として持つジベンゾチオフェン誘導体は極めて反応性に乏しいため、水素化脱硫深度を深くしてもこのような化合物は最後まで残存する傾向がある。そのため、従来の技術をもって1質量ppm以下というさらなる低硫黄領域まで脱硫を進めるためには、非常に高い水素分圧、あるいは極度に長い接触時間すなわち極めて大きな反応塔容積が必要となってしまう。
【0005】
また、未精製の石油系軽油留分には一般的には20〜40容量%の芳香族分が含まれており、これらは1環芳香族のほか、2環以上の縮合芳香族化合物の状態で存在している。そして、芳香族水素化反応においては化学平衡の制約が存在し、一般的には高温側では芳香族、低温側では環水素化物であるナフテンにそれぞれ平衡がシフトする。そのため、芳香族水素化を促進するためには低温側が有利であるが、低温での反応には低温側で充分な芳香族水素化反応速度をもつ反応条件および触媒が必要となるといった点で大きな課題が存在する。そして、低温で充分な芳香族水素化活性を示す触媒として貴金属系触媒があるが、これは触媒の耐硫黄性が充分ではなく、原料油中の硫黄分含有量が高い場合、触媒の水素化活性が阻害され十分な芳香族水素化能が発揮されない。ところが、水素化脱硫反応は最終的には炭素−硫黄結合を開裂する反応であり、高温側ほどその反応が促進される。従って、従来の技術では、芳香族水素化を促進するために低温側に反応条件を設定してしまうと脱硫活性が不足してしまい、超低硫黄化と低芳香族化とを両立させることが極めて困難であった。
【0006】
このような背景の下、硫黄分および芳香族分の少ないディーゼル軽油の製造方法として、特開平7−155610号公報及び特開平8−283747号公報においては、脱硫工程(第一工程)と、ゼオライトや粘土鉱物を触媒として用いた芳香族水素化工程(第二工程)との二つの工程を組み合わせた製造技術がそれぞれ提案されている。
【発明の開示】
【0007】
しかしながら、上記公報に記載の方法であっても硫黄分および芳香族分の低減効果は充分なものではなく、硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ芳香族分含有量が1容量%以下という極めて高い脱硫・脱芳香族レベルを同時に達成することはできなかった。すなわち、第一工程の運転過酷度を上げると、第一工程の運転が経済的に満足しうる期間運転できなくなり、また、反応温度の上昇により第一工程における生成油中の芳香族分が増加し、第二工程における脱芳香族化が阻害されるという問題があった。また、第二工程においては前述の芳香族の平衡制約があるため、運転過酷度を上げることに限界があった。
【0008】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、環境特性に優れた硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下のいわゆる“サルファーゼロ”、“アロマゼロ”の軽油留分を、特殊な運転条件や設備投資を設けることなく効率良く且つ確実に製造することが可能な軽油留分の水素化処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、硫黄分含有量および全芳香族分含有量が所定の範囲内にある軽油留分を特定の水素化触媒の存在下で且つ所定の反応条件の下で水素化処理することにより超低硫黄化および低芳香族化を効率良く且つ同時に達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち、本発明は、硫黄分含有量0.8〜2質量%、全芳香族分含有量20〜35容量%の軽油留分を原料油として用い、6A族金属のうちの少なくとも1種類の金属と8族金属のうちの少なくとも1種類の金属とを活性金属として含有する水素化触媒の存在下、反応温度330〜390℃、水素分圧12〜20MPa、液空間速度0.1〜1h−1という反応条件の下で前記原料油を水素化処理することによって硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分を得ることを特徴とする、軽油留分の水素化処理方法にある。
【0011】
また、本発明は、前記本発明の方法により得られることを特徴とする、硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分にある。
【0012】
さらに、本発明は、前記本発明の方法により得られる硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分を含有することを特徴とする軽油組成物にある。
【0013】
このように、軽油留分に相当する石油系炭化水素油において硫黄分含有量1質量ppm以下および全芳香族分含有量1容量%以下を同時に達成せしめるためには、6A族金属および8族金属を活性金属として含有する水素化触媒を用いて12〜20MPaという水素分圧の下で水素化処理することにより脱硫と脱芳香族とが効率良く進行し、さらに反応温度を330〜390℃、液空間速度を0.1〜1.0とすることにより分解による軽油留分の減少が十分に抑制され、硫黄分含有量1質量ppm以下および全芳香族分含有量1容量%以下という条件が両立し得ることを本発明者らは見出した。
【0014】
本発明においては、前記水素化処理において原料油と随伴される水素ガスとの比率(水素/油比)が300〜900NL/Lであることが好ましい。このような範囲に水素/油比を設定することにより、付加反応が十分に抑制され、脱硫・脱芳香族化反応がより効率良く進行する傾向にある。
【0015】
また、本発明においては、前記水素化処理が少なくとも一つの反応塔を備えた水素化処理装置において実施され、その水素化処理において原料油と随伴される水素ガスのうち、原料油が最初に導入される反応塔(第一反応塔)の入口で供給される水素ガスの量が水素ガス全供給量の60容量%以下であることが好ましい。
【0016】
また、本発明においては、(i)前記原料油中の1環芳香族分含有量が9〜19容量%、2環芳香族分含有量が8〜13容量%、3環以上芳香族分含有量が0.5〜4容量%であり、前記超低硫黄・低芳香族軽油留分中の2環以上芳香族分含有量が0.4容量%以下であることが好ましく、さらに、(ii)前記原料油中のパラフィン分含有量が30〜60容量%、ナフテン分含有量が25〜60容量%であり、前記超低硫黄・低芳香族軽油留分中のパラフィン分含有量が30〜60容量%、ナフテン分含有量が40〜70容量%であることが好ましい。
【0017】
さらに、本発明においては、前記水素化処理における前記原料油の沸点より低い沸点を有する留分の生成量が、原料油全量の50容量%以下であることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る前記水素化触媒としては、6A族金属のうちの少なくとも1種類の金属と8族金属のうちの少なくとも1種類の金属とを活性金属として多孔質担体に担持せしめたものであることが好ましく、前記活性金属が、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステンおよびコバルト−ニッケル−モリブデンからなる群から選択されるいずれかの組み合わせであることがより好ましい。また、前記水素化触媒における前記活性金属の総量が、酸化物換算で、触媒全量の22質量%以上であることがより好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0020】
先ず、本発明において用いられる所定の性状を有する原料油について説明する。本発明においては、硫黄分含有量0.8〜2質量%、全芳香族分含有量20〜35容量%の軽油留分を原料油として用いる。
【0021】
このような本発明に係る軽油留分は、常圧蒸留装置から得られる所定の沸点範囲(150〜380℃)に相当する留分であるが、水素化分解装置、残油直接脱硫装置から得られる相当する沸点範囲の留分を混合して用いてもよい。また、流動接触分解装置(FCC)から得られる軽油相当留分を混合して水素化精製に供してもよいが、FCCからの軽油相当留分は芳香族分含有量が前記各留分より多いため、その混合量は好ましくは40容量%以下、さらに好ましくは30容量%以下である。なお、本明細書における沸点範囲とは、JIS K 2254「石油製品−蒸発試験方法」に記載の方法に準拠して測定される値である。
【0022】
本発明に用いられる原料油の硫黄分含有量は0.8〜2質量%であり、好ましくは0.9〜1.8質量%であり、より好ましくは1.0〜1.6質量%である。原料油の硫黄分含有量が2質量%を超えている場合は、水素化処理しても十分に硫黄分含有量が低下せず、超低硫黄化が図れなくなり、他方、0.8質量%未満の場合は、必要反応温度が低下することにより芳香族水素化反応が十分に進行しなくなる。なお、本明細書における硫黄分含有量とは、JIS K 2541「硫黄分試験方法」またはASTM−D5453に記載の方法に準拠して測定される軽油留分全量を基準とした硫黄分の質量含有量を意味する。
【0023】
また、本発明に用いられる原料油の全芳香族分含有量は20〜35容量%であり、好ましくは21〜30容量%である。原料油の全芳香族分含有量が35容量%を超えている場合は、全芳香族分含有量1容量%以下を達成するために長い接触時間、すなわち過大な反応塔容積を必要とし、設備投資が過大となり、他方、20容量%未満の場合は、脱硫に対比して芳香族水素化に必要な運転条件が余剰となるため、本発明の経済的な優位性が少なくなる。
【0024】
さらに、本発明に係る原料油中の芳香族分組成としては、1環芳香族分含有量が9〜19容量%、2環芳香族分含有量が8〜13容量%、3環以上の芳香族分含有量が0.5〜4容量%であることが好ましく、1環芳香族分含有量が10.5〜15容量%、2環芳香族分含有量が9〜11.5容量%、3環以上の芳香族分含有量が1.0〜3.8容量%であることがより好ましい。原料油の1環、2環、および3環以上の芳香族分含有量が前記上限を超えている場合は、全芳香族分含有量1容量%以下および2環以上芳香族分含有量0.4容量%以下をそれぞれ達成するためには設備投資が過大となる傾向にあり、他方、前記下限未満の場合は、脱硫に対比して芳香族水素化に必要な運転条件が余剰となるため、本発明の経済的な優位性が少なくなる傾向にある。
【0025】
なお、本明細書における全芳香族分含有量、1環芳香族分含有量、2環芳香族分含有量および3環以上の芳香族分含有量とは、社団法人石油学会により発行されている石油学会誌JPI−5S−49−97「炭化水素タイプ試験法−高速液体クロマトグラフ法」に記載の方法に準拠して測定される各芳香族分含有量の容量百分率(容量%)を意味する。
【0026】
さらに、本発明に係る原料油中の芳香族分以外の組成としては、製品軽油の燃料油密度を維持して燃費を良くする観点からパラフィン分含有量が30〜60容量%、ナフテン分含有量が25〜60容量%、オレフィン分含有量が1容量%以下であることが好ましい。なお、本明細書におけるナフテン分含有量、パラフィン分含有量およびオレフィン分含有量とは、ASTM D2786−91「Standard Test Method for Hydrocarbon Types Analysis of Gas−Oil Saturates Fraction by High Ionizing Voltage Mass Spectrometry」に記載の方法に準拠して測定される各成分の容量百分率(容量%)を意味する。
【0027】
次に、本発明においては、硫黄分含有量および全芳香族分含有量が所定の範囲内にある前記原料油(軽油留分)を水素化触媒の存在下において水素化処理することによって硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分を得る。
【0028】
本発明においては前記原料油を水素化触媒の存在下において水素化処理せしめるが、本発明において用いる触媒は6A族金属のうちの少なくとも1種類の金属と8族金属のうちの少なくとも1種類の金属とを活性金属として含有するものであり、これらの活性金属を多孔質担体に担持せしめたものが好ましい。
【0029】
水素化処理に用いる触媒の活性金属としては、8族金属から選ばれる少なくとも1種類の金属と6A族金属のうちの少なくとも1種類の金属とが組み合わされて使用される。触媒中に8族金属が含有されていないと脱硫活性が十分でなくなり、他方、6A族金属が含有されていないと脱硫活性がほとんど発揮されない、あるいは原料油中の硫黄分による活性金属の被毒のために急激な活性劣化を招くことになる。このような8族金属としてはコバルト、ニッケル、パラジウム、白金、ルテニウムが挙げられ、6A族金属としてはクロム、モリブデン、タングステンが挙げられ、脱硫および芳香族水素化活性、並びに原料油中の硫黄分による被毒に対する耐性の観点から8族金属と6A族金属との組み合わせとしてはコバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステンおよびコバルト−ニッケル−モリブデンからなる群から選択されるいずれかの組み合わせが特に好ましい。金属源としては一般的な無機塩、錯塩化合物を用いることができ、担持方法としては含浸法、イオン交換法など通常の水素化触媒で用いられる担持方法のいずれの方法も用いることができる。また、複数の金属を担持せしめる方法としては、混合溶液を用いて同時に担持せしめてもよく、または単独溶液を用いて逐次担持せしめてもよい。なお、このような金属塩溶液は水溶液でも、水溶性有機溶剤を用いたものでも、非水溶性有機溶剤を用いたものでもよい。また、前記活性金属以外にリンを担持せしめてもよい。
【0030】
水素化処理に用いる触媒における活性金属の担持量は、触媒全量に対し金属量合計で22質量%以上であることが好ましく、24質量%以上であることがより好ましい。活性金属の担持量が前記下限より少ない場合は、水素化処理における脱硫および芳香族水素化活性が不十分となる傾向にある。また、6A族金属および8族金属の量はそれぞれ特に制限されないが、8族金属の担持量は触媒全量に対し酸化物質量で2〜8質量%であることが好ましく、6A族金属の担持量は触媒全量に対し酸化物質量で15〜25質量%であることが好ましい。また、リンが担持されている場合、リンの担持量は触媒全量に対し酸化物質量で0.5〜5質量%であることが好ましい。
【0031】
本発明に係る水素化触媒の担体としては多孔質担体が好ましく、このような多孔質担体としてはγ−アルミナを主成分とするものが特に好ましい。γ−アルミナ以外の担体構成成分としては、シリカ、シリカアルミナ、ボリア、マグネシアまたはこれらの複合酸化物が含有されていることが好ましく、リンが含有されていてもよい。なお、γ−アルミナの含有量は、触媒全量の70質量%以上であることが好ましい。γ−アルミナの含有量が70質量%未満の場合は、担体としての酸性質が大きく変化し、コーク生成による活性低下が顕著になる傾向にある。また、担体の主成分であるγ−アルミナは、アルミニウム塩とアルミン酸塩を中和または加水分解する方法によって得られるアルミナ中間体、あるいはアルミニウムアマルガム、アルミニウムアルコレートを加水分解する方法によって得られるアルミナ中間体を経由して得られるものでもよく、これらの方法以外に市販のアルミナ中間体やベーマイトパウダーを使用して得られるものでもよい。
【0032】
また、担体への金属担持は、構成されている担体の調製全工程終了後に行ってもよく、担体調製中間工程における適当な水酸化物状態のところに前記金属塩を混合してもよい。また、このようにして金属を担持せしめた担体は、100℃以上で乾燥して用いてもよく、さらに空気中あるいは不活性ガス中において300℃以上の高温で焼成して用いてもよい。
【0033】
本発明に係る触媒の平均細孔径は30〜100Åであることが好ましく、50〜90Åであることがより好ましい。触媒の平均細孔径が前記下限より小さい場合は、反応分子の細孔内拡散が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限より大きい場合は、触媒の表面積が減少し、触媒活性が低下する傾向にある。また、触媒の細孔容積は0.3ml/g以上であることが好ましく、細孔容積が0.3ml/gより小さい場合には触媒への金属含浸操作が困難となる傾向にある。さらに、触媒の表面積は200m/g以上であることが好ましい。触媒の表面積はできるだけ高い方がよく、触媒の表面積が200m/gより低い場合は金属の担持される面積が低下し、活性が低下する傾向にある。なお、本明細書における触媒の表面積および細孔容積は、窒素によるBET法と呼ばれる方法により測定されるものである。
【0034】
本発明に係る前記水素化触媒は、一般的な水素化脱硫触媒と同様の方法で予備硫化した後に用いることができる。すなわち、例えば、直留軽油単独、あるいは直留軽油に硫化剤を添加した原料油を用いて、水素加圧条件下、200℃以上の熱を所定の手順に従って与えることにより触媒上の活性金属が硫化された状態となり、十分な活性が発揮される傾向にある。このような硫化剤としては、一般的にジメチルジサルファイド、ポリサルファイドなどの硫黄化合物が用いられる。また、予め硫化処理を施された触媒や、含硫黄、含酸素あるいは含窒素有機溶剤による活性化処理を施された触媒を使用することもできる。
【0035】
本発明における水素化処理の条件は、反応温度330〜390℃、水素分圧12〜20MPa、液空間速度(LHSV)0.1〜1h−1であり、反応温度340〜385℃、水素分圧13〜19.5MPa、液空間速度(LHSV)0.15〜0.8h−1であることがより好ましく、反応温度345〜380℃、水素分圧14〜19MPa、液空間速度(LHSV)0.2〜0.7h−1であることが特に好ましい。上記反応温度および水素分圧は高いほど脱硫、水素化反応とも促進される傾向にあるが、水素分圧および反応温度を上げ過ぎると副生する硫化水素の炭化水素への付加反応により新たな硫黄化合物が生成し、硫黄分含有量1質量ppm以下への脱硫が達成されなくなる。すなわち、上記反応温度が前記下限未満の場合は脱硫反応が十分に進行しなくなり、他方、上記反応温度が前記上限を超えている場合は分解反応に伴う軽油留分の減少や副生硫化水素の付加反応による脱硫反応阻害が発生する。また、上記水素分圧が前記下限未満の場合は脱硫および芳香族水素化反応が十分に進行しなくなり、他方、上記水素分圧が前記上限を超えている場合は分解反応に伴う軽油留分の減少や副生硫化水素の付加反応による脱硫反応阻害が発生する。さらに、液空間速度(LHSV)は低いほど脱硫、水素化反応に有利な傾向にあるが、上記液空間速度が前記下限未満の場合は極めて大きな反応塔容積が必要となり過大な設備投資となり、他方、上記液空間速度が前記上限を超えている場合は脱硫および芳香族水素化反応が十分に進行しなくなる。
【0036】
また、前記水素化処理において原料油と随伴される水素ガスとの比率(水素/油比)は300〜900NL/Lであることが好ましく、350〜600NL/Lであることがより好ましい。上記水素/油比は高いほど脱硫、水素化反応とも促進される傾向にあるが、上記水素/油比が前記下限未満の場合は脱硫および芳香族水素化反応が十分に進行しなくなる傾向にあり、他方、上記水素/油比が前記上限を超えている場合は高価なガス圧縮機などが必要となって過大な設備投資となり、また水素を余分に消費するため経済的に好ましくない傾向にある。
【0037】
このように原料油を水素化処理する装置はいかなる構成でもよく、反応塔は単独または複数を組み合わせてもよく、反応塔内の硫化水素濃度を下げる目的で、反応塔の前段あるいは複数の反応塔の間に気液分離設備やその他の硫化水素除去設備を有していてもよい。
【0038】
また、本発明に用いる水素化処理装置の反応形式としては、固定床方式であってもよい。すなわち、水素は原料油に対して向流または並流のいずれの形式をとることもでき、また、複数の反応塔を有し向流、並流を組み合わせた形式のものでもよい。一般的な形式としてはダウンフローであり、気液双並流形式がある。反応塔は複数の触媒床で構成されてもよく、各触媒床の間には反応熱の除去、あるいは水素分圧を上げる目的で水素ガスをクエンチとして注入してもよい。
【0039】
本発明における水素化処理においては原料油と共に水素ガスを随伴するが、係る水素ガスの注入法としては、
(1)第一反応塔(原料油が最初に導入される反応塔)の入口、あるいは
(2)各触媒床の間や複数の反応塔を持つ場合には反応塔と反応塔との間から、
の二通りの注入法がある。本発明において(1)のみあるいは(1)と(2)の両方といったいずれの方法も採用することができるが、好ましくは(1)と(2)の両方から水素ガスを注入する方法が好ましい。そして、より確実に副生する硫化水素を除去し、効率よく脱硫・芳香族水素化を進行せしめるためには、水素ガス全注入量のうち好ましくは60容量%以下は(1)から注入し、残りの水素ガスは(2)から注入することが好ましい。さらに、(1)から注入される水素ガス量が水素ガス全注入量のうち55容量%以下であることがより好ましく、40容量%以下であることがさらに好ましく、30容量%以下であることが特に好ましい。すなわち、(2)から注入される残りの水素ガスの量が多いほど水素ガスの添加効果がより効率良く発揮される傾向にある。なお、ここでいう第一反応塔の入口とは、原料油を所定の温度まで温める加熱炉の手前でもよく加熱炉出口でもよい。
【0040】
このように、本発明においては、所定の性状を有する前記原料油を上記水素化触媒の存在下において特定の反応条件の下で水素化処理することによって、硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分が、特殊な運転条件や設備投資を設けることなく効率良く且つ確実に得られる。
【0041】
本発明の方法においてこのような超低硫黄・低芳香族軽油留分が得られる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、石油系炭化水素軽油留分に含まれる代表的な硫黄化合物は、ジベンゾチオフェン誘導体の構造を有している。このうち、硫黄原子の隣である4,6−位の位置に置換基を持つ誘導体は、その立体障害のために反応性が著しく低い。従って、水素化脱硫の過酷度を上げた場合においても残存しやすいため、原料油をそのまま水素化処理して硫黄分含有量1質量ppm以下、芳香族分含有量1容量%以下にすることは極めて困難であるが、6A族金属と8族金属との双方を含有する水素化触媒を用いて且つ反応温度330〜390℃、水素分圧12〜20MPa、液空間速度(LHSV)0.1〜1h−1という反応条件の下で水素化処理を行うことにより、以外にも極めて効率よく脱硫反応と芳香族水素化反応とが同時に進行するようになる。これは、水素分圧を高く設定することにより芳香族の水素化平衡反応が水素化されたナフテン側にシフトすることなどに起因している。また、水素化脱硫反応によって硫黄分は硫化水素の形態となる。単純に水素圧力、反応温度を過度に上げた場合、副生する硫化水素の炭化水素への付加反応により新たな硫黄化合物が生成してしまい、硫黄分含有量1質量ppm以下への脱硫が非常に困難である。それに対して、本発明においては、上記液空間速度、さらには300〜900NL/Lという水素/油比に設定することにより、系内に残存する硫化水素が効果的に除去され、付加反応が十分に抑制されて効率良く且つ確実に脱硫・芳香族水素化反応が促進されるようになる。したがって、本発明においては、硫黄分含有量1質量ppm以下および全芳香族分含有量1容量%以下という従来は同時に達成できなかった特性が同時に達成されるようになると本発明者らは推察する。
【0042】
本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分は、前記本発明の方法により得られる硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下のものであり、いわゆる超クリーン軽油燃料に相当するものである。このような超低硫黄・低芳香族軽油留分によれば、ディーゼル車排出ガスにおけるパティキュレートの生成が十分に防止され、排出ガス浄化装置の寿命の長期化が、燃費等を低下させることなく可能となる。
【0043】
このような本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分においては、2環以上芳香族分含有量を好ましくは0.4容量%以下、より好ましくは0.3容量%以下、特に好ましくは0.2容量%以下とすることが可能であり、その場合は残りの芳香族分は全て1環芳香族分となる。このように、本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分においては全芳香族分含有量はもとより2環以上の芳香族分の残存量も極めて少ないことが好ましく、2環以上芳香族分含有量が0.4容量%を超えている場合はパティキュレート生成防止の観点から好ましくない傾向にある。
【0044】
また、本発明に係る水素化処理において芳香族分はナフテン分およびパラフィン分に転換されるが、大部分はナフテン分に転換される。したがって、本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分における芳香族分以外の組成としては、環境負荷の低減、並びに燃料油密度すなわち燃費維持の観点からパラフィン分含有量が30〜60容量%、ナフテン分含有量が40〜70容量%、オレフィン分含有量が1容量%以下であることが好ましい。
【0045】
また、本発明に係る原料油留分と生成油留分の蒸留範囲を比較した場合に、原料油の沸点範囲より低い沸点留分の生成量が原料油全量の好ましくは50容量%以下、より好ましくは40容量%以下、さらに好ましくは30容量%以下である。本発明においては原料油の分解が極力抑制されている点で生産量が減少することが十分に防止され、経済的に好ましい。
【0046】
以上説明した本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分は単独でディーゼル軽油として用いてもよいが、この超低硫黄・低芳香族軽油留分に他の基剤などの成分を混合した本発明の軽油組成物としてディーゼル軽油として用いてもよい。すなわち、本発明の軽油組成物は、前記本発明の方法により得られる硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分を含有することを特徴とするものである。本発明の軽油組成物をディーゼル軽油とした場合においても、本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分の優れた特性から、燃費の維持と同時にディーゼル車排出ガスにおけるパティキュレートの生成が十分に防止され、排出ガス浄化装置の寿命の長期化を容易に達成することが可能となる。
【0047】
ここで、本発明の軽油組成物に配合可能な他の基材としては、本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分以外の軽油基材、灯油基材等、より具体的には、直留軽油、減圧軽油、水素化精製軽油、水素化脱硫軽油、水素化分解軽油、直留灯油、水素化分解灯油、水素化精製灯油等の他、水素と一酸化炭素から構成されるいわゆる合成ガスを原料とするフィッシャートロプシュ反応などを経由して得られる合成軽油あるいは合成灯油を混合することができる。これらの合成灯油や合成軽油は芳香族分をほとんど含んでおらず、飽和炭化水素を主成分としていることが特徴である。なお、合成ガスの製造法としては公知の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。このような合成軽油の配合割合は、軽油組成物中好ましくは30容量%以下、より好ましくは20容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下である。また、合成灯油の配合割合は、軽油組成物中好ましくは60容量%以下、より好ましくは50容量%以下、さらに好ましくは40容量%以下である。
【0048】
また、本発明の超低硫黄・低芳香族軽油留分は、ディーゼル軽油の用途のみでなく、インキ用溶剤、クリーニング用溶剤、殺虫剤用溶剤、エアゾール用溶剤、溶液もしくは懸濁重合用溶剤、脱グリース剤、ラッカー用溶剤、洗浄用、抽出用、塗料用などの溶剤、ゴム揮発油、金属部品洗浄用溶剤、アルミ圧延などの金属加工油剤、さび止め油剤、カーコート用溶剤などの基材として好適に使用可能である。
【実施例】
【0049】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0050】
直径1.5mmのシリンダー型に成型したγ−アルミナ(コンデア社製)に、触媒全量に対してそれぞれ酸化物質量でニッケル含有量が5質量%、モリブデン含有量が20質量%、リン含有量が2質量%となるように触媒担体の細孔容積分に見合う量の蒸留水に硝酸ニッケル、モリブデン酸アンモニウムおよびリン酸水溶液を溶解した混合溶液を用いてポアフィリング(pore−filling)法によりニッケルおよびモリブデンをそれぞれ担持せしめ、表面積225m/g、細孔容積0.45ml/g、平均細孔径80Åである水素化触媒を得た。
【0051】
次に、得られた触媒80mlを二つの反応管(内径20mm)にそれぞれ充填し、各反応管を直列に固定床流通式反応装置に取り付けた後、反応前処理としてジメチルジサルファイドを含む直留軽油(硫黄分3質量%)を用いて触媒層平均温度300℃、水素分圧6MPa、LHSV1h−1、水素/油比200NL/Lの条件下で4時間触媒の予備硫化を行った。
【0052】
その予備硫化後、表1に示す原料油(中東系の直留軽油、初留点275℃、硫黄分含有量1.40質量%)を反応温度350℃、水素分圧16.5MPa、LHSV0.5h−1、水素/油比500NL/Lの反応条件下で通油して水素化処理試験を実施した。なお、水素ガスは第1の反応管の入口から注入した。
【0053】
水素化処理試験の開始から10日目に得られた生成油における硫黄分含有量は0.6質量ppmで且つ全芳香族分含有量は0.8容量%であり、2環以上芳香族分含有量は0.1容量%であった。また、生成油における50容量%留出点は304℃であり、生成油の50容量%以上は原料油より軽質化していないことが確認された。用いた原料油および得られた生成油の性状を表1に示す。なお、表1中、IBPはJIS K2254に定義されている初留点であり、EPはJIS K2254に定義されている終点である。
【0054】

【実施例2】
【0055】
反応温度340℃、水素圧力16.5MPa、LHSV0.5h−1、水素/油比500NL/Lという反応条件とし、水素ガスの注入を第一反応管の入口から150NL/L、第一反応管と第二反応管の間から350NL/Lとした以外は実施例1と同様にして水素化処理試験を実施した。
【0056】
水素化処理試験の開始から10日目に得られた生成油における硫黄分含有量は0.3質量ppmで且つ全芳香族分含有量は0.6容量%であり、2環以上芳香族分は0.1容量%であった。得られた生成油の性状を表1に示す。
【0057】
(比較例1)
反応温度390℃、水素圧力18MPa、LHSV1.2h−1、水素/油比200NL/Lという反応条件とした以外は実施例1と同様にして水素化処理試験を実施した。
【0058】
水素化処理試験の開始から10日目に得られた生成油における硫黄分含有量は1.3質量ppmで且つ全芳香族分含有量は1.9容量%であり、2環以上芳香族分は0.2容量%であった。得られた生成油の性状を表1に示す。
【0059】
表1に示した結果から明らかな通り、所定の性状を有する前記原料油を上記水素化触媒の存在下において特定の反応条件の下で水素化処理することにより、硫黄分含有量1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量1容量%以下という厳しい条件を同時に達成できることが確認された(実施例1〜2)。さらに、実施例1と比較例1との比較から、液空間速度および水素/油比も重要な要素となっており、硫黄分の除去が促進されることが確認された。また、蒸留性状からも分解反応が原料油の50容量%以下に抑制されていることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0060】
以上説明したように、本発明によれば、環境特性に優れた硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下の軽油留分を、特殊な運転条件や設備投資を設けることなく効率良く且つ確実に製造することが可能となる

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫黄分含有量0.8〜2質量%、全芳香族分含有量20〜35容量%の軽油留分を原料油として用い、6A族金属のうちの少なくとも1種類の金属と8族金属のうちの少なくとも1種類の金属とを活性金属として含有する水素化触媒の存在下、反応温度330〜390℃、水素分圧12〜20MPa、液空間速度0.1〜1h−1という反応条件の下で前記原料油を水素化処理することによって硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分を得ることを特徴とする、軽油留分の水素化処理方法。
【請求項2】
前記原料油中の1環芳香族分含有量が9〜19容量%、2環芳香族分含有量が8〜13容量%、3環以上芳香族分含有量が0.5〜4容量%であり、前記超低硫黄・低芳香族軽油留分中の2環以上芳香族分含有量が0.4容量%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項3】
前記水素化処理において原料油と随伴される水素ガスとの比率(水素/油比)が300〜900NL/Lであることを特徴とする、請求項1または2に記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項4】
前記水素化処理が少なくとも一つの反応塔を備えた水素化処理装置において実施され、該水素化処理において原料油と随伴される水素ガスのうち、該原料油が最初に導入される反応塔の入口で供給される水素ガスの量が水素ガス全供給量の60容量%以下であることを特徴とする、請求項1〜3のうちのいずれかに記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項5】
前記原料油中のパラフィン分含有量が30〜60容量%、ナフテン分含有量が25〜60容量%であり、前記超低硫黄・低芳香族軽油留分中のパラフィン分含有量が30〜60容量%、ナフテン分含有量が40〜70容量%であることを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項6】
前記水素化処理における前記原料油の沸点より低い沸点を有する留分の生成量が、原料油全量の50容量%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のうちのいずれかに記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項7】
前記水素化触媒が、6A族金属のうちの少なくとも1種類の金属と8族金属のうちの少なくとも1種類の金属とを活性金属として多孔質担体に担持せしめたものであることを特徴とする、請求項1〜6のうちのいずれかに記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項8】
前記活性金属が、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステンおよびコバルト−ニッケル−モリブデンからなる群から選択されるいずれかの組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜7のうちのいずれかに記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項9】
前記水素化触媒における前記活性金属の総量が、酸化物換算で、触媒全量の22質量%以上であることを特徴とする、請求項1〜8のうちのいずれかに記載の軽油留分の水素化処理方法。
【請求項10】
請求項1〜9のうちのいずれかに記載の方法により得られることを特徴とする、硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分。
【請求項11】
請求項1〜9のうちのいずれかに記載の方法により得られる硫黄分含有量が1質量ppm以下で且つ全芳香族分含有量が1容量%以下である超低硫黄・低芳香族軽油留分を含有することを特徴とする軽油組成物。

【国際公開番号】WO2004/078886
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【発行日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−503116(P2005−503116)
【国際出願番号】PCT/JP2004/002793
【国際出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】